JPH09210765A - 周期的運動状態特徴抽出装置 - Google Patents

周期的運動状態特徴抽出装置

Info

Publication number
JPH09210765A
JPH09210765A JP8013566A JP1356696A JPH09210765A JP H09210765 A JPH09210765 A JP H09210765A JP 8013566 A JP8013566 A JP 8013566A JP 1356696 A JP1356696 A JP 1356696A JP H09210765 A JPH09210765 A JP H09210765A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
periodic
product
motion state
matrix
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8013566A
Other languages
English (en)
Inventor
Chiharu Yamano
千晴 山野
Kiyohito Tokuda
清仁 徳田
Yuichi Shiraki
裕一 白木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP8013566A priority Critical patent/JPH09210765A/ja
Publication of JPH09210765A publication Critical patent/JPH09210765A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 検出対象の周期的運動体からの周期的運動状
態から、信号中の雑音信号以外の不規則振動成分を検出
し、短時間で特徴を抽出する。 【解決手段】 信号積遅延回路8は、p+1個の信号積
信号r(n、p)に対して(p−P)/2の時刻分の遅
延を生じさせる処理によって、推定値r(n,p)を求
める。信号積同期加算回路9は、周期信号発生回路4か
らの周期的信号Tと推定値r(n,p)とから、周期T
のN−1倍までの過去の信号の平均を平均値r(n,
p)として求め、平均値r(n,p)を線形予測分析回
路10に与える。線形予測分析回路10は、平均値r
(n,p)を自己相関関数とみなして、Yule−Wa
lker正規方程式をたて、この方程式を解き、線形予
測係数ai(n)及び予測誤差パワーw(n)を求め
る。パワースペクトル算出回路11は、線形予測係数a
i(n)及び予測誤差パワーw(n)からパワースペク
トルを求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周期的運動状態特
徴抽出装置に関し、周期的運動体からの周期的運動状態
の特徴情報を検出することに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に歯車装置やモータ装置等の周期的
運動体から発生する信号の特徴を抽出する方法として
は、時間領域よりも周波数領域での解析が適しているこ
とが多く、このような解析方法としてフーリエ変換、線
形予測分析等のスペクトル解析方法が広く知られてい
る。
【0003】また、分析対象としている信号に観測雑音
が存在する場合、何等かの方法で雑音を低減する必要が
ある。
【0004】また、特徴抽出対象(例えば、歯車装置)
によって周期的信号の周期情報を何等かの手段で把握で
きることはある。例えば、歯車装置などであれば、回転
軸にシールを貼り、このシールの位置を光学的センサで
検出する方法などがある。
【0005】このように周期情報が利用できる場合の観
測雑音低減方法としては、例えば、下記文献に示す方法
が知られている。
【0006】文献:『雑音処理』、平山他、社団法人計
測自動制御学会、昭和63年、ページ189〜191。
【0007】以上のような方法は、同期加算法と呼ばれ
ているものである。
【0008】この同期加算による雑音低減方法を用いた
一般的な周期信号特徴抽出方法の機能構成を図2に示し
ている。
【0009】この特徴抽出方法は、歯車装置などによる
特徴抽出対象1に設置した圧電センサ等から得られる周
期情報を利用し、周期発生回路4で周期信号を抽出し、
信号同期加算回路2で周期信号を用いて、センサで収集
した信号を平均化することによって、観測雑音を低減す
るものである。雑音を低減した後の信号を用いて周波数
分析回路3によって周波数分析を行うことによって、観
測雑音の影響を低減した周波数分析を行なおうとするも
のである。
【0010】このような技術が用いられている文献とし
て、特公平5−23707号公報、特公1−24246
号公報などがある。この特公平5−23707号公報
は、歯車の異常診断装置の発明であって、加算平均法が
用いられている。また、特公1−24246号公報は、
周期運動体の監視方法の発明であって、線形予測法によ
る故障検出方法を示すものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
技術によるスペクトル分析方法やスペクトル分析装置で
は、次のような問題があった。
【0012】(1)先ず、特徴抽出対象から得られる信
号を直接同期加算処理することによって、観測雑音信号
と共に、信号に存在する相関のある確率的振動信号成分
も低減されてしまうという問題があった。即ち、信号中
の雑音信号以外の不規則振動成分を検出することができ
ないという問題があった。
【0013】(2)また、同期加算処理後の信号を周波
数分析すると時間方向に平均化されたパワースペクトル
しか求めることができないため、短時間に生じる特徴を
抽出することが困難であった。
【0014】このようなことから、検出対象の周期的運
動体からの周期的運動状態から、信号中の雑音信号以外
の不規則振動成分を検出し、短時間で特徴を抽出するこ
とができる周期的運動状態特徴抽出装置の実現が要請さ
れている。
【0015】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1記載の
発明は、検出対象である周期的運動体から周期的運動状
態の特徴情報を検出する周期的運動状態特徴抽出装置に
おいて、以下の特徴的な構成で上述の課題を解決するも
のである。
【0016】即ち、請求項1記載の発明は、(1)上記
周期的運動体からのセンサ信号から周期的時系列信号
と、(2)上記周期的運動体の運動周期を表す周期信号
Tとを形成する運動状態検出手段と、(3)上記周期的
時系列信号の現信号と過去の信号との信号積を求め、こ
の信号積値を遅延させながら所定係数を乗積する信号積
・遅延乗積手段と、(4)上記周期信号Tごとに上記乗
積結果に対する同期加算を行って平均値を求める信号積
同期加算手段と、(5)上記平均値を自己相関関数とし
て、この自己相関関数から上記周期的運動状態において
特徴的な線形予測係数情報と予測誤差パワー情報とを求
める線形予測分析手段とを備えたものである。
【0017】このような構成を採ることで、周期的時系
列信号の信号積を求め、遅延させ、信号系列の周期処理
で、同期加算を行って平均値を求めることによって、自
己相関関数を求めるようにしたので、独立に存在する雑
音成分を抑制し、且つ、信号中の各周期に亘って相関の
ある不規則信号成分を相関関数として抽出することがで
きる。
【0018】また、この自己相関関数を用いて線形予測
分析を行うことによって、少ない次数の自己相関関数か
ら高い分解能のパワースペクトルを推定することができ
るのである。
【0019】また、請求項3記載の発明は、検出対象で
ある周期的運動体から周期的運動状態の特徴情報を検出
する周期的運動状態特徴抽出装置において、(1)上記
周期的運動体からの複数のセンサ信号から複数の周期的
時系列信号と、上記周期的運動体の運動周期を表す周期
信号Tとを形成する運動状態検出手段と、(2)上記複
数の周期的時系列信号の現信号と過去の信号との信号積
行列を求め、この信号積行列値を遅延させながら所定係
数を乗積する信号積・遅延乗積手段と、(3)上記周期
信号Tごとに上記乗積結果に対する同期加算を行って平
均値を求める信号積同期加算手段と、(4)上記平均値
を自己相関関数行列として、この自己相関関数行列から
上記周期的運動状態において特徴的な線形予測係数行列
情報と予測誤差パワー行列情報とを求める多変量線形予
測分析手段とを備えて、上述の課題を解決するものであ
る。
【0020】このような構成で、複数のセンサ信号から
得られる複数の周期的時系列信号の現信号と過去の信号
との信号積行列を求め、この信号積行列値に所定係数を
乗積しながら遅延させ、そして、同期加算を行って平均
値を求め、この平均値を自己相関関数行列として線形予
測係数行列と予測誤差パワー行列とを求めることで、同
時に各センサからのそれぞれの信号中の独立でない確率
的変動をする信号成分を自己相関関数行列の中に抽出で
き、更に、各センサ間に独立でない信号成分、即ち、信
号中の各周期に亘って相関のある不規則信号成分を抽出
することができる。
【0021】また、この自己相関関数行列を用いて多変
量線形予測分析を行うことによって、少ない次数の自己
相関関数の行列から高い分解能のクロスパワースペクト
ルを推定することができるのである。
【0022】
【発明の実施の形態】次に本発明の好適な実施の形態を
図面を用いて説明する。そこで、本実施の形態の周期的
運動体の周期的運動場状態における特徴抽出装置におい
ては、歯車装置等の周期的運動体からの周期的時系列信
号の周期情報と、周期的時系列信号から計算される相関
を利用して、周波数領域での分析を行うことによって周
期的時系列信号1周期内の特徴を抽出する装置であっ
て、周期的時系列信号に同期した周期信号を発生する周
期信号発生手段と、周期的時系列信号の信号積を算出す
る信号積算出手段と、信号積を遅延させる信号積遅延手
段と、位相情報に同期して信号積を同期加算する信号積
同期加算手段と、信号積同期加算手段から算出された相
関関数を用いて線形予測分析を行う線形予測分析手段を
備えるように構成する。
【0023】また、線形予測分析手段として、多変量線
形予測分析を用いるように構成する。
【0024】このような構成で、信号中の雑音信号以外
の不規則振動成分を抽出し、有限の相関関数から線形予
測方法によって高い分解能でスペクトル解析を行うよう
にするのである。
【0025】『第1の実施の形態』:図1は、歯車装置
(又はモータ装置)からの周期的時系列信号から特徴抽
出を行う周期的運動体の特徴抽出装置の機能構成図であ
る。この特徴抽出装置は、歯車装置からの周期的運動体
を特徴抽出対象として、この振動信号及び回転の位相情
報を圧電センサで電気信号に変換して、この電気信号か
ら特徴抽出を行うものである。
【0026】この図1において、周期的運動体の特徴抽
出装置は、特徴抽出対象の歯車装置1と、周期信号発生
回路4と、A/D(アナログ/デジタル)変換回路5、
6と、信号積演算回路7と、信号積遅延回路8と、信号
積同期加算回路9と、線形予測分析回路10と、パワー
スペクトル算出回路11とから構成されている。
【0027】A/D変換回路5は、歯車装置1からの圧
電変換信号(電気信号)からデジタル信号を求めて、こ
のデジタル信号を周期的系列信号x(n)として信号積
演算回路7に与える。A/D変換回路6は、歯車装置1
からの圧電変換信号(電気信号)からデジタル信号を求
めて、このデジタル信号を位相信号として周期信号発生
回路4に与える。
【0028】周期信号発生回路4はA/D変換回路4か
らの位相信号から周期的な信号Tを抽出して信号積同期
回路9に与える。信号積演算回路7は、A/D変換回路
5の周期的時系列信号x(n)から、x(n)とx
(n)及びp個の過去の信号x(n−1)、x(n−
2)、…、x(n−p)との信号積rを、 r(n,p)=x(n)×x(n−p)、p=0、1、…、P …(1) として求めて、p+1個の信号積信号r(n、p)を信
号積遅延回路8に与える。
【0029】信号積遅延回路8は、p+1個の信号積信
号r(n、p)に対して(p−P)/2の時刻分の遅延
を生じさせるフィルタリング処理によって、 推定値r(n,p)=Σ{hi×r(n−i,p)} …(2) のような処理を行う。尚、hiはフィルタ係数である。
このようにすることによって、 推定値r(n,−p)=推定値r(n,p) …(3) というような関係が生じ、推定値r(n,p)を局所的
な自己相関関数とみなすことができるのである。これら
の推定値r(n,p)は、信号積同期加算回路9に与え
られる。
【0030】信号積同期加算回路9は、周期信号発生回
路4からの周期的信号Tと、p+1個の推定値r(n,
p)とから、周期TのN−1倍までの過去の信号の平均
を平均値r(n,p)=1/N×Σ{推定値r(n−i
T,p)}、 i=0〜N−1 …(4) のようにして求め、これらのp+1個の平均値r(n,
p)を線形予測分析回路10に与える。
【0031】線形予測分析回路10は、p+1個の平均
値r(n,p)を自己相関関数とみなして、従来から知
られているYule−Walkerの方程式又は正規方
程式をたて、この方程式を解くことによって、時刻nに
おける線形予測係数a1(n)、a2(n)、…、ap
(n)及び予測誤差パワーw(n)を求める。このYu
le−Walkerの方程式又は正規方程式は、例え
ば、Levinson−Durbinの高速アルゴリズ
ムによって解くことができる。
【0032】尚、この方程式及びLevinson−D
urbinの高速アルゴリズムは、例えば、文献:『現
代スペクトル解析、森北出版発行』、文献:『信号解析
とシステム同定、コロナ社』などに示されている。この
ようにして、得られる線形予測係数a1(n)、a2
(n)、…、ap(n)及び予測誤差パワーw(n)
は、パワースペクトル算出回路11に与えられる。
【0033】パワースペクトル算出回路11は、線形予
測係数a1(n)、a2(n)、…、ap(n)及び予
測誤差パワーw(n)からパワースペクトルs(f,
n)を s(f,n)= Δt・w(n)/|Σai(n)exp(−j・2πf・i・Δt)| …(5) で求めるのである。尚、i=0〜m、s(f,n)は時
刻nにおけるパワースペクトル、fは周波数、Δtはサ
ンプリング間隔である。
【0034】(動作): 次に、図1の特徴抽出装置
の動作を説明する。この図1において、特徴抽出対象の
歯車装置1から検出した圧電センサ信号はA/D変換回
路5、6に与えられ、A/D変換回路5で得られるデジ
タル信号は、周期的時系列信号x(n)として信号積演
算回路7に与えられ、A/D変換回路6で得られるデジ
タル信号は、位相信号として周期信号発生回路4に与え
られる。
【0035】信号積演算回路7では、入力周期的時系列
信号x(n)からp+1個の信号積r(n,p)が求め
れられて、信号積遅延回路8に与えられる。これらのp
+1個の信号積r(n,p)は、信号積遅延回路8で
(p−P)/2の時刻分の遅延がフィルタリング処理に
よってなされて、p+1個の推定値r(n,p)が信号
積同期加算回路9に与えられる。即ち、これらのp+1
個の推定値r(n,p)は、局所的な自己相関関数とみ
なすことができるのである。
【0036】p+1個の推定値r(n,p)は、信号積
同期加算回路9で周期的信号Tを用いて、周期のN−1
倍までの過去の信号の平均値r(n,p)が求められ
て、線形予測分析回路10に与えられる。平均値r
(n,p)は、線形予測分析回路10で自己相関関数と
みなして、Yule−Walker方程式をたてて、こ
の方程式をLevinson−Durbin法で解い
て、線形予測係数ai(n)と予測誤差パワーw(n)
とが求められてパワースペクトル算出回路11に与えら
れる。
【0037】線形予測係数ai(n)と予測誤差パワー
w(n)とは、パワースペクトル算出回路11で、上述
の(5)式のようにして時刻nにおけるパワースペクト
ルs(f,n)が求められるのである。
【0038】(本発明の第1の実施の形態の効果):
以上の本発明の第1の実施の形態によれば、周期的時
系列信号x(n)に対する信号積演算回路7で信号積を
計算し、信号積遅延回路8で信号を遅延させてから、信
号の周期Tによって同期加算することによって自己相関
関数を求めるようにしたので、独立的な雑音成分を抑制
することができ、同時に、図3(c)のように、信号中
の独立でない確率的変動をする信号成分を含んだ自己相
関関数を求めることができるのである。
【0039】この図3(a)は、自己相関関数rの変動
を時間tの経過と共に表したもので、歯車装置の歯に異
常が存在すると、t0において自己相関関数が他の時間
のときの自己相関関数とは異なる形を表す。これを図3
(c)に表しており、その他の異常がない時間帯におい
ては、図3(b)、(d)のような自己相関関数を表す
のである。
【0040】更に、この自己相関関数は、1周期内の局
所的な自己相関関数として求められるため、線形予測分
析をすることによって、短時間で高い分解能のパワース
ペクトルを推定することができるのである。
【0041】『第2の実施の形態』:本第2の実施の形
態の周期運動体の特徴抽出装置は、モータ、歯車等の周
期的運動体を特徴抽出対象として、この振動信号及び回
転の位相情報を複数のセンサで電気信号に変換して、そ
の複数信号及び複数信号間の特徴抽出を行うように構成
する。
【0042】図4は、第2の実施の形態の周期運動体の
特徴抽出装置の機能構成図である。この図4において、
特徴抽出装置は、特徴抽出対象である歯車装置1と、周
期信号発生回路4と、A/D変換回路5a〜5c、6
と、信号積演算回路7Aと、信号積遅延回路8Aと、信
号積同期加算回路9Aと、多変量線形予測分析回路12
と、クロスパワースペクトル行列算出回路13とから構
成されている。
【0043】A/D変換回路5a〜5cは、歯車装置1
からの複数の圧電センサからの電気信号をA/D変換し
て、これらのデジタル信号を周期的時系列信号xa
(n)、xb(n)、xc(n)として信号積演算回路
7Aに与える。
【0044】信号積演算回路7Aは、複数の周期的時系
列信号x(n)と、x(n)及びp個の過去の信号x
(n−1)、x(n−2)、…、x(n−P)との信号
積行列Rを、 R(n,p)=x(n,p)×x(n−p)´ …(6) のようにして求めて、信号積遅延回路8Aに与える。
尚、『´』は転置を表している。
【0045】信号積遅延回路8Aは、p+1個の信号積
行列R(n,p)に対して(p−P)/2の時間分の遅
延を生じさせるフィルタリング処理によって、 推定値R(n,p)=Σhi×R(n−i,p) …(7) のような処理を行う。このようにすることによって、 推定値R(n,−p)=推定値R(n,p) …(8) という関係が生じて、推定値R(n,p)を局所的な自
己相関関数行列とみなすことができる。この推定値R
(n,p)は、信号積同期加算回路9Aに与えられる。
【0046】信号積同期加算回路9Aは、周期信号発生
回路4からの周期信号Tを用いて推定値R(n,p)か
ら周期のN−1倍までの過去の信号の平均を 平均値R(n,p)=1/N×Σ{推定値R(n−iT,p)} …(9) i=0〜N−1 のように表すことができる。この平均値R(n,p)
は、多変量線形予測分析回路12に与えられる。
【0047】多変量線形予測分析回路12は、複数のセ
ンサからのそれぞれの信号中の独立でない確率的変動を
する信号成分を自己相関関数行列の中に抽出し、更に、
各センサ間に亘って独立でない信号成分を抽出するため
に、上記平均値R(n,p)を自己相関関数行列とみな
して多変量Yule−Walker正規方程式を立て
る。
【0048】この方程式は、例えば、文献:『現代スペ
クトル解析、森北出版発行』、文献:『信号解析とシス
テム同定、コロナ社』などに示されている。このような
多変量Yule−Walker正規方程式を解くことに
よって、時刻nにおける線形予測係数行列A1(n)、
A2(n)、…、AP(n)及び予測誤差パワー行列W
(n)を求めて、クロスパワースペクトル行列算出回路
13に与える。
【0049】尚、この多変量Yule−Walker正
規方程式の解法においては、例えば、多変量に拡張され
たLevinson−Durbin法等の高速アルゴリ
ズムによって解くことができる。この解法については、
上記文献などにも解説されている。
【0050】クロスパワースペクトル行列算出回路13
は、時刻nにおける線形予測係数行列A1(n)、A2
(n)、…、AP(n)及び予測誤差パワー行列W
(n)から、 S(f,n)= H−1(f,n)×W(n)×H−*(f,n) …(10) として、クロスパワースペクトル行列S(f,n)を求
める。尚、−*は逆行列の共役転置を表し、行列H
(f,n)は、 H(f,n)= I+Σ{Ai(n)×exp(−j×2πf×i×Δt)} …(11) として求められる。尚、Iは単位行列である。
【0051】(第2の実施の形態の周期運動体の特徴抽
出装置の動作): 次に図4の周期運動体の特徴抽出
装置の動作を説明する。この図4において、特徴抽出対
象の歯車装置1から検出した複数の圧電センサ信号は、
A/D変換回路5a〜5c、6に与えられ、A/D変換
回路5a〜5cで得られるデジタル信号は、周期的時系
列信号x(n)として信号積演算回路7Aに与えられ、
A/D変換回路6で得られるデジタル信号は、位相信号
として周期信号発生回路4に与えられる。
【0052】信号積演算回路7Aでは、入力周期的時系
列信号x(n)からp+1個の信号積行列R(n,p)
が求めれられて、信号積遅延回路8Aに与えられる。こ
れらのp+1個の信号積行列R(n,p)は、信号積遅
延回路8Aで(p−P)/2の時刻分の遅延がフィルタ
リング処理によってなされて、p+1個の推定値R
(n,p)が信号積同期加算回路9Aに与えられる。即
ち、これらのp+1個の推定値R(n,p)は、局所的
な自己相関関数とみなすことができるのである。
【0053】p+1個の推定値R(n,p)は、信号積
同期加算回路9Aで周期的信号Tを用いて、周期のN−
1倍までの過去の信号の平均値R(n,p)が求められ
て、多変量線形予測分析回路12に与えられる。この平
均値R(n,p)は、多変量線形予測分析回路12で自
己相関関数とみなされて、多変量Yule−Walke
r正規方程式をたてて、この方程式を多変量Levin
son−Durbin法で解いて、線形予測係数行列A
i(n)と予測誤差パワーW(n)とが求められてクロ
スパワースペクトル行列算出回路13に与えられる。
【0054】線形予測係数行列Ai(n)と予測誤差パ
ワーW(n)とは、クロスパワースペクトル行列算出回
路13で、上述の(10)式のようにして時刻nにおけ
るクロスパワースペクトルS(f,n)が求められるの
である。
【0055】(本発明の第2の実施の形態の効果):
以上の本発明の第2の実施の形態によれば、複数の周
期的時系列信号に対する信号積算出回路で信号積行列を
求め、信号積遅延回路で信号積行列を遅延させてから、
信号の周期によって同期加算することによって相関関数
行列を算出するようにしたので、複数のセンサのそれぞ
れに存在する独立な雑音成分を抑制すると同時に各セン
サ間に独立に存在する雑音成分も抑制することができ
る。
【0056】同時に各センサからのそれぞれの信号中の
独立でない確率的変動をする信号成分を相関関数行列の
中に抽出でき、更に、各センサ間に亘って独立でない信
号成分を抽出することができる。
【0057】そして、この相関関数行列成分を用いて、
多変量線形予測分析を行い、クロスパワースペクトル行
列を求めることによって、短時間に高い分解能で特徴抽
出を行うことができるのである。
【0058】(他の実施の形態): (1)尚、以上
の実施の形態においては、歯車装置やモータ装置などか
らの振動信号から特徴抽出を行ったが、これらの装置だ
けでなく、エンジン、トランスミッションなどの運動状
態などを監視することにも好適である。即ち、本発明
は、ある周期で運動を継続する装置において、その運動
状態から特徴を抽出するための装置に適用することがで
きるのである。
【0059】(2)また、A/D変換においては、雑音
の影響を軽減するために、非線形符号化方式を適用する
ことも好ましい。
【0060】
【発明の効果】上述したように請求項1の発明は、検出
対象である周期的運動体から周期的運動状態の特徴情報
を検出する周期的運動状態特徴抽出装置において、上記
周期的運動体からのセンサ信号から周期的時系列信号
と、上記周期的運動体の運動周期を表す周期信号Tとを
形成する運動状態検出手段と、上記周期的時系列信号の
現信号と過去の信号との信号積を求め、この信号積値を
遅延させながら所定係数を乗積する信号積・遅延乗積手
段と、上記周期信号Tごとに上記乗積結果に対する同期
加算を行って平均値を求める信号積同期加算手段と、上
記平均値を自己相関関数として、この自己相関関数から
上記周期的運動状態において特徴的な線形予測係数情報
と予測誤差パワー情報とを求める線形予測分析手段とを
備えたことで、検出対象の周期的運動体からの周期的運
動状態から、信号中の雑音信号以外の不規則振動成分を
検出し、短時間で特徴を抽出する周期的運動状態特徴抽
出装置を実現することができるのである。
【0061】また、請求項3記載の発明は、検出対象で
ある周期的運動体から周期的運動状態の特徴情報を検出
する周期的運動状態特徴抽出装置において、上記周期的
運動体からの複数のセンサ信号から複数の周期的時系列
信号と、上記周期的運動体の運動周期を表す周期信号T
とを形成する運動状態検出手段と、上記複数の周期的時
系列信号の現信号と過去の信号との信号積行列を求め、
この信号積行列値を遅延させながら所定係数を乗積する
信号積・遅延乗積手段と、周期信号Tごとに乗積結果に
対する同期加算を行って平均値を求める信号積同期加算
手段と、平均値を自己相関関数行列として、この自己相
関関数行列から周期的運動状態において特徴的な線形予
測係数行列情報と予測誤差パワー行列情報とを求める多
変量線形予測分析手段とを備えたものである。
【0062】このような構成を採ることで、本発明は、
検出対象の周期的運動体からの周期的運動状態から、信
号中の雑音信号以外の不規則振動成分を検出し、短時間
で特徴を抽出でき、具体的には複数のセンサ信号からそ
れぞれの信号中の独立でない確率的変動をする信号成分
を相関関数行列の中に抽出でき、更に、各センサ信号間
に亘って独立でない信号成分を抽出することができる。
そして、この相関関数行列成分を用いて、多変量線形予
測分析を行い、クロスパワースペクトル行列を求めるこ
とによって、短時間に高い分解能で特徴抽出を行うこと
ができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の歯車装置の回転状
態を特徴抽出対象とした場合の周期運動体の特徴抽出装
置の機能構成図である。
【図2】従来例の特徴抽出装置の機能構成図である。
【図3】歯車装置からのセンサ信号から抽出した特徴信
号の自己相関関数の一例の説明図である。
【図4】第2の実施の形態の歯車装置の回転状態を特徴
抽出対象とした場合の周期運動体の特徴抽出装置の機能
構成図である。
【符号の説明】
1…歯車装置(特徴抽出対象)、4…周期信号発生回
路、5、6…A/D変換回路、7…信号積演算回路、8
…信号積遅延回路、9…信号積同期加算回路、10…線
形予測分析回路、11…パワースペクトル算出回路。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出対象である周期的運動体から周期的
    運動状態の特徴情報を検出する周期的運動状態特徴抽出
    装置において、 上記周期的運動体からのセンサ信号から周期的時系列信
    号と、上記周期的運動体の運動周期を表す周期信号Tと
    を形成する運動状態検出手段と、 上記周期的時系列信号の現信号と過去の信号との信号積
    を求め、この信号積値を遅延させながら所定係数を乗積
    する信号積・遅延乗積手段と、 上記周期信号Tごとに上記乗積結果に対する同期加算を
    行って平均値を求める信号積同期加算手段と、 上記平均値を自己相関関数として、この自己相関関数か
    ら上記周期的運動状態において特徴的な線形予測係数情
    報と予測誤差パワー情報とを求める線形予測分析手段と
    を備えたことを特徴とする周期的運動状態特徴抽出装
    置。
  2. 【請求項2】 更に、上記線形予測係数情報と予測誤差
    パワー情報とからパワースペクトル情報を求めるパワー
    スペクトル算出手段を備えたことを特徴とする請求項1
    記載の周期的運動状態特徴抽出装置。
  3. 【請求項3】 検出対象である周期的運動体から周期的
    運動状態の特徴情報を検出する周期的運動状態特徴抽出
    装置において、 上記周期的運動体からの複数のセンサ信号から複数の周
    期的時系列信号と、上記周期的運動体の運動周期を表す
    周期信号Tとを形成する運動状態検出手段と、 上記複数の周期的時系列信号の現信号と過去の信号との
    信号積行列を求め、この信号積行列値を遅延させながら
    所定係数を乗積する信号積・遅延乗積手段と、 上記周期信号Tごとに上記乗積結果に対する同期加算を
    行って平均値を求める信号積同期加算手段と、 上記平均値を自己相関関数行列として、この自己相関関
    数行列から上記周期的運動状態において特徴的な線形予
    測係数行列情報と予測誤差パワー行列情報とを求める多
    変量線形予測分析手段とを備えたことを特徴とする周期
    的運動状態特徴抽出装置。
  4. 【請求項4】 更に、上記線形予測係数行列情報と予測
    誤差パワー行列情報とからクロスパワースペクトル情報
    を求めるクロスパワースペクトル算出手段を備えたこと
    を特徴とする請求項3記載の周期的運動状態特徴抽出装
    置。
JP8013566A 1996-01-30 1996-01-30 周期的運動状態特徴抽出装置 Pending JPH09210765A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8013566A JPH09210765A (ja) 1996-01-30 1996-01-30 周期的運動状態特徴抽出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8013566A JPH09210765A (ja) 1996-01-30 1996-01-30 周期的運動状態特徴抽出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09210765A true JPH09210765A (ja) 1997-08-15

Family

ID=11836719

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8013566A Pending JPH09210765A (ja) 1996-01-30 1996-01-30 周期的運動状態特徴抽出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09210765A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017500535A (ja) * 2013-09-24 2017-01-05 シコルスキー エアクラフト コーポレイションSikorsky Aircraft Corporation 歯車故障の検知
WO2023015855A1 (zh) * 2021-08-10 2023-02-16 江苏大学 一种变转速工况下轴承故障特征提取的广义自相关方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017500535A (ja) * 2013-09-24 2017-01-05 シコルスキー エアクラフト コーポレイションSikorsky Aircraft Corporation 歯車故障の検知
WO2023015855A1 (zh) * 2021-08-10 2023-02-16 江苏大学 一种变转速工况下轴承故障特征提取的广义自相关方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Randall et al. A survey of the application of the cepstrum to structural modal analysis
JP5932022B2 (ja) 電気機械システムの状態を監視する方法及び装置
US20060195279A1 (en) Method and system for the detection and/or removal of sinusoidal interference signals in a noise signal
JP2006510017A (ja) 信号分離
US20110130993A1 (en) Digital implementation of a tracking filter
US11879816B2 (en) Vibration control system
KR20100054381A (ko) 진동 및 소음 전달경로 해석 시스템과 진동 및 소음 전달경로 해석 방법
CN106980722B (zh) 一种脉冲响应中谐波成分的检测和去除方法
KR102382628B1 (ko) 위상 정보를 활용한 기어박스의 고장 감지 장치 및 방법
JPH09210765A (ja) 周期的運動状態特徴抽出装置
Jia et al. Noise cancellation in vibration signals using an oversampling and two-stage autocorrelation model
JP3035790B2 (ja) 電気導線の伝送特性を求めるための方法
Garcia-Perez et al. Broken rotor bar detection in inverter-fed induction motors by time-corrected instantaneous frequency spectrogram
KR20160083276A (ko) 차량 위치 검출 장치 및 방법
KR970056159A (ko) 디지탈 통신용 동기장치
WO1995024100A1 (en) Video signal processing
KR20190090585A (ko) 비선형 스펙트럼 상관관계를 이용한 구조물 진단 방법 및 구조물 진단 시스템
KR20070108294A (ko) 이산 푸리에 변환에 의한 시계열 데이터 위상 추정 방법
JP2015096831A (ja) 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
JPH1082812A (ja) 信号対雑音電力比測定装置
KR101282692B1 (ko) 충격음의 음장 표시 방법
JPH06265400A (ja) インパルス応答測定装置
JP4591333B2 (ja) エンジン発生トルクの測定装置
JP3119610U (ja) 疲労試験機および逆伝達関数演算装置
JP2594333B2 (ja) 振動試験装置