JPH09208675A - 有機導電体および該有機導電体の製造法 - Google Patents

有機導電体および該有機導電体の製造法

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JPH09208675A
JPH09208675A JP3538896A JP3538896A JPH09208675A JP H09208675 A JPH09208675 A JP H09208675A JP 3538896 A JP3538896 A JP 3538896A JP 3538896 A JP3538896 A JP 3538896A JP H09208675 A JPH09208675 A JP H09208675A
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喜彦 飯島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来技術の課題を解決し、非導電材料上に、
しかもピン状の作用極を用いても、薄膜状の有機導電体
を形成することができる方法および該方法により得られ
た有機導電体の提供。 【解決手段】 電解重合可能なモノマーおよび/または
オリゴマーを含む電解液中で、非導電材料の存在下に磁
場を印加しながら電解重合反応を行い、前記非導電材料
上の少なくとも一部に有機導電体薄膜を形成することを
特徴とする有機導電体の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、有機導電体および該有機導電体
の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】有機導電体の合成は、モノマーを酸化剤や
触媒を用いて重合する化学的重合法、非共役系ポリマー
からなる中間体を熱処理する方法、及び電解重合法等を
用いて行われている。なかでも電解重合法は、その手法
も簡単であり、得られるポリマーも高い導電率を有して
いるので、有機導電体の製造法として有用なものであ
る。また、電解重合法によりモノマーを合成する方法を
磁場の存在下で行い、高分子配向性、かつ高い導電率の
高導電有機薄膜を製造する方法(特開昭64−7922
1)および改善されたポリマー収率で有機導電性ポリマ
ーを製造する方法(特開平3−190922、特開平3
−263424)も提案されている。さらに電解重合法
により有機導電体薄膜を製造する場合、通常、平行平板
とした電極対を用いることにより容易に製造することが
できる。しかしながら、電解重合法により有機導電体薄
膜を形成する場合には、有機導電体薄膜は導電性電極上
に合成できるのであって、非導電性材料上への電解合成
はできず、また、作用極にピン状の電極を使用した場合
には、フラクタル状に合成され、膜状に合成することは
できなかった〔J.Kaufman他,Phys.Re
v.Lett.56,1932(1986);M.Fu
jii他,Jpn.J.Appl.Phys.,27,
L475(1988)〕。
【0003】
【解決すべき課題】本発明は、上述の従来技術の課題を
解決し、非導電性材料上に、しかもピン状の作用極を用
いても、薄膜状の有機導電体を形成することができる方
法および該方法により得られた有機導電体を提供するも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、電解重
合可能なモノマーおよび/またはオリゴマーを含む電解
液中で、非導電性材料の存在下に磁場を印加しながら電
解重合反応を行い、前記非導電性材料上の少なくとも一
部に有機導電体薄膜を形成することを特徴とする有機導
電体の製造法にある。本発明の第2は、非導電性材料上
の少なくとも一部に、磁場の存在下に電解重合法により
形成された有機導電体薄膜を有する有機導電体薄膜被覆
非導電性材料からなることを特徴とする有機導電体にあ
る。すなわち、本発明においては、磁場中において非導
電性材料の存在下に電解重合を行うことにより、従来の
電解重合法では不可能であった非導電性材料上への有機
導電体を形成することが可能になり、また、電極として
平行平板とした電極対を用いなくても、例えば陽極にピ
ン状の電極を用いた場合でも、従来のこのタイプの電極
では作製が不可能であった薄膜状の有機導電体を製造す
ることができる。本発明において、印加する磁場強度は
0.0001T未満では地磁気と同程度であり効果は認
められない。ここで、磁場の印加は、例えば永久磁石あ
るいは永久磁石を磁気回路に組み込んだもの、ヘルムホ
ルツコイル、ソレノイドコイル、電磁石、超伝導磁石等
の磁場を発生できるものであるならば任意の種類のもの
を用いてもさしつかえない。もちろん定常磁場およびパ
ルス磁場も共に使用することができる。
【0005】本発明で用いるモノマーとしては、例え
ば、アミノ酸あるいは水酸基を含む芳香族化合物、複素
環式化合物、ベンゼン及び2個あるいはそれ以上の縮合
芳香族をもつ多環式炭化水素化合物、ビニル基を有する
化合物、アセチレン及びその誘導体など多くの物質を対
象とすることができる。特に前記モノマーとしては、チ
オフェン、アニリン、アズレン、ピレン、ベンゼン、ア
セチレンおよびそれらの誘導体が好ましい。前記モノマ
ーは溶媒、例えばアセトニトリル、ベンゾニトリル、プ
ロピレンカーボネート等の非プロトン性溶媒、あるいは
例えばメタノール、エタノール等のプロトン性溶媒に溶
解あるいは分散状態で電解重合が行われる。また、本発
明で使用する非導電性材料は、通常、電極として使用で
きない程度の導電性を有する材料が挙げられる。また該
非導電性材料は種々の形状で電解重合容器中に存在させ
て良く、さらには前記非導電性材料自体で電解重合容器
を構成しても良い。本発明において用いる電解重合を行
う装置としては、従来電解重合に一般的に用いられてい
るものが使用できるが、前記のように該装置を非導電性
材料自体で構成するのが好ましい。また電極について
も、作用電極および対極の材料も共に、従来公知のあら
ゆる電極活物質を使用することができる。さらに本発明
の電解重合は導電性塩の存在下で行われるが、例えばp
−トルエンスルホン酸塩、LiBF4、LiClO4、L
iPF6、m−ニトロベンゼンスルホン酸塩をはじめと
して、多くの導電性塩を用いることができる。
【0006】
【実施例】
実施例1 電解質を溶解した溶媒にモノマーとしてチオフェンを添
加し電解液とした。これを非導電性ガラス製の円筒状セ
ルに入れ、ピン状の陽極とリング状の陰極を用い電解重
合を行った。磁場を印加しない場合には、陽極から陰極
に向かってフラクタル状にポリチオフェンが合成し、
0.5Tの磁場をセルの下方から上方に電解液面に垂直
に印加した場合は、非導電性ガラス上にポリチオフェン
薄膜が合成できた。また、ポリチオフェン薄膜の固着し
たガラスを取り出し、電極として使用したところ、充分
電極としての機能を有していた。
【0007】実施例2 非導電性材料としてガラスの代りにテフロンを用いた以
外は実施例1と同様の条件で電解重合したところ、やは
り磁場を印加した場合に限りテフロン上にポリチオフェ
ン薄膜が合成できた。
【0008】実施例3 平板状の陽極を用いた以外は実施例1と同様の条件で電
解重合したところ、やはり磁場を印加した場合に限り非
導電性ガラス上にポリチオフェン薄膜が合成できた。
【0009】実施例4 磁場強度を0.2Tとした以外は実施例1と同様の条件
で電解重合したところ、やはり磁場を印加した場合に限
り非導電性ガラス上にポリチオフェン薄膜が合成でき
た。
【0010】実施例5 モノマーとしてアニリン、アズレン、ピレン、ベンゼ
ン、アセチレンをそれぞれ用いて実施例1と同様に電解
重合を行ったところ、やはりいずれの場合も磁場を印加
した場合に限り非導電性ガラス上にポリマー薄膜が合成
できた。
【0011】
【効果】
1.請求項1および2の効果 電解重合法による、非導電性材料上への有機導電体の製
造が可能になった。 2.請求項3の効果 作用極(陽極)にピン状の電極を用いても薄膜状の有機
導電体の製造が可能になった。 3.請求項4の効果 上述の製造方法にて形成される有機導電体は薄膜状で非
導電性材料上にも形成できるため、それ自体機能性材料
となり得るばかりでなく他の材料との組合せ、あるいは
接合等も容易なため、さらには、非導電性材料上へ形成
できる利点を活かして、電気関連分野、光関連分野、エ
ネルギー関連分野、化学関連分野等の様々な分野への応
用が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 1/12 H01B 1/12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解重合可能なモノマーおよび/または
    オリゴマーを含む電解液中で、非導電性材料の存在下に
    磁場を印加しながら電解重合反応を行い、前記非導電性
    材料上の少なくとも一部に有機導電体薄膜を形成するこ
    とを特徴とする有機導電体の製造法。
  2. 【請求項2】 有機導電体薄膜が、チオフェン、アニリ
    ン、アズレン、ピレン、ベンゼン、アセチレンおよびそ
    れらの誘導体よりなる群から選ばれた重合可能なモノマ
    ーの重合物である請求項1記載の有機導電体の製造法。
  3. 【請求項3】 作用極(陽極)としてピン状の電極を用
    いて電解重合反応を行う請求項1または2記載の製造
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載の有機導電体
    の製造方法で製造された有機導電体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100387637C (zh) * 2005-08-26 2008-05-14 重庆大学 磁场环境中高导电性聚苯胺制备方法
CN100408633C (zh) * 2006-09-26 2008-08-06 重庆大学 磁场作用下再掺杂制备高导电聚苯胺的方法

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CN100387637C (zh) * 2005-08-26 2008-05-14 重庆大学 磁场环境中高导电性聚苯胺制备方法
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