JPH09205319A - 準光学共振器を用いたミリ波サブミリ波用装置 - Google Patents
準光学共振器を用いたミリ波サブミリ波用装置Info
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- JPH09205319A JPH09205319A JP3004796A JP3004796A JPH09205319A JP H09205319 A JPH09205319 A JP H09205319A JP 3004796 A JP3004796 A JP 3004796A JP 3004796 A JP3004796 A JP 3004796A JP H09205319 A JPH09205319 A JP H09205319A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】平面反射鏡を用いながら回折損失が抑制される
機能を持った準光学共振器を用い、高効率のビーム入出
力型フィルター、導波路フィルタ装置の他、低いサイド
ローブ特性と高い放射効率を併せ持つ準平面型アンテナ
装置及び、ミリ波サブミリ波帯精密素材測定用装置の実
現 【構成】 一対の平行平面反射鏡と、該一対の平面反射
鏡の間に集束作用を持つ媒質を配置し、双方の鏡面での
反射波が繰り返し重畳されるように対向させ共振器を構
成し、該一対の平面反射鏡の反射鏡面は、部分透過性の
反射鏡面領域を成し、当該部分透過性の鏡面領域が波長
に比較して細かな格子状の導体パターンからなる反射鏡
面であるか、又は導体反射鏡面からなり、該反射鏡面の
部分を成すストリップ素子と、該ストリップ素子の裏面
に高周波信号の導波路との結合部を備えるか、のいずれ
かである反射鏡であり、上記一対の反射鏡面が同じ反射
損失を持つ。
機能を持った準光学共振器を用い、高効率のビーム入出
力型フィルター、導波路フィルタ装置の他、低いサイド
ローブ特性と高い放射効率を併せ持つ準平面型アンテナ
装置及び、ミリ波サブミリ波帯精密素材測定用装置の実
現 【構成】 一対の平行平面反射鏡と、該一対の平面反射
鏡の間に集束作用を持つ媒質を配置し、双方の鏡面での
反射波が繰り返し重畳されるように対向させ共振器を構
成し、該一対の平面反射鏡の反射鏡面は、部分透過性の
反射鏡面領域を成し、当該部分透過性の鏡面領域が波長
に比較して細かな格子状の導体パターンからなる反射鏡
面であるか、又は導体反射鏡面からなり、該反射鏡面の
部分を成すストリップ素子と、該ストリップ素子の裏面
に高周波信号の導波路との結合部を備えるか、のいずれ
かである反射鏡であり、上記一対の反射鏡面が同じ反射
損失を持つ。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電磁波信号波に
対し集束作用を持つ媒質の両側に、一対の平面反射鏡を
配置し、双方の鏡面での反射波が該集束作用を持つ媒質
を通過し繰り返し重畳されるように対向させて構成され
る準光学共振器を用いた、マイクロ波〜サブミリ波帯の
ビーム入出力型フィルター装置、マイクロ波ミリ波発振
装置、マイクロ波〜サブミリ波アンテナ装置、ミリ波サ
ブミリ波精密素材計測方法及び装置に関する。
対し集束作用を持つ媒質の両側に、一対の平面反射鏡を
配置し、双方の鏡面での反射波が該集束作用を持つ媒質
を通過し繰り返し重畳されるように対向させて構成され
る準光学共振器を用いた、マイクロ波〜サブミリ波帯の
ビーム入出力型フィルター装置、マイクロ波ミリ波発振
装置、マイクロ波〜サブミリ波アンテナ装置、ミリ波サ
ブミリ波精密素材計測方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のマイクロ波技術に基づく共振器で
は、短波長化ととも共振器の特性は劣化し、特に短ミリ
波帯以上の周波数では優れた性能を持つ共振器の実現は
難しくなる。通常の空洞共振器や誘電体共振器、さらに
平面回路型の共振器を含めたマイクロ波共振器が、半波
長あるいは実効波長程度の寸法であり、高周波化ととも
に共振器自体の寸法が小さくなるためミリ波帯では、共
振器のQ値は低く、さらに結合部の加工制御の問題に直
面し、Q値の設定制御が困難となる。これに対し通常、
光共振器の構成として用いられる二つの球面鏡または球
面鏡と平面鏡を対向させた準光学的共振器では、共振器
内の高周波電磁界エネルギーは光軸に沿って蓄積され、
縦モード数を大きくとることで高Q値の共振器が容易に
実現できる。
は、短波長化ととも共振器の特性は劣化し、特に短ミリ
波帯以上の周波数では優れた性能を持つ共振器の実現は
難しくなる。通常の空洞共振器や誘電体共振器、さらに
平面回路型の共振器を含めたマイクロ波共振器が、半波
長あるいは実効波長程度の寸法であり、高周波化ととも
に共振器自体の寸法が小さくなるためミリ波帯では、共
振器のQ値は低く、さらに結合部の加工制御の問題に直
面し、Q値の設定制御が困難となる。これに対し通常、
光共振器の構成として用いられる二つの球面鏡または球
面鏡と平面鏡を対向させた準光学的共振器では、共振器
内の高周波電磁界エネルギーは光軸に沿って蓄積され、
縦モード数を大きくとることで高Q値の共振器が容易に
実現できる。
【0003】球面反射鏡を用いたミリ波開放型共振器
は、光の共振器技術を用いておりミリ波以上の周波数で
の利用が有効である。特に短ミリ波帯(60-300GHz)の
波長は、光波長に比べ3桁大きいことから、最新の薄膜
微細加工技術を用いることで十分高い加工精度を駆使
し、ミリ波に対し振幅と位相の制御を含めた回路構造を
組み合わせることができ、光共振器技術では通常用いら
れない高反射率の制御と、高周波電磁界に対する各種の
技巧を用いることが可能である。
は、光の共振器技術を用いておりミリ波以上の周波数で
の利用が有効である。特に短ミリ波帯(60-300GHz)の
波長は、光波長に比べ3桁大きいことから、最新の薄膜
微細加工技術を用いることで十分高い加工精度を駆使
し、ミリ波に対し振幅と位相の制御を含めた回路構造を
組み合わせることができ、光共振器技術では通常用いら
れない高反射率の制御と、高周波電磁界に対する各種の
技巧を用いることが可能である。
【0004】図1は、光共振器として良く知られている
平行平面鏡からなるファブリ・ペロー共振器の構成を示
す図であり、部分透過性の鏡面を用い平面波に対する光
共振器として最も基本的な共振器である。入射波1の一
部は部分透過性の平面反射鏡3を通過し、平行に配置さ
れた一対の平面鏡3、4の間に入り繰り返し反射により
重畳される。入射波1の周波数が平面鏡間隔で決まる共
振周波数に一致するとき、内部の繰り返し反射波5のエ
ネルギーは最も効率よく蓄積される。入射波1による共
振器の励振効率は最大となり、共振器内の蓄積エネルギ
ーは最大となり、結果として透過波2の電力も最大とな
る。
平行平面鏡からなるファブリ・ペロー共振器の構成を示
す図であり、部分透過性の鏡面を用い平面波に対する光
共振器として最も基本的な共振器である。入射波1の一
部は部分透過性の平面反射鏡3を通過し、平行に配置さ
れた一対の平面鏡3、4の間に入り繰り返し反射により
重畳される。入射波1の周波数が平面鏡間隔で決まる共
振周波数に一致するとき、内部の繰り返し反射波5のエ
ネルギーは最も効率よく蓄積される。入射波1による共
振器の励振効率は最大となり、共振器内の蓄積エネルギ
ーは最大となり、結果として透過波2の電力も最大とな
る。
【0005】光波に比べ波長の長いミリ波に対しては、
有限なビーム径としての扱いが必要となり図1の平行平
面鏡からなるファブリ・ペロー共振器の構成の場合、共
振器の軸に直交する方向へのエネルギーの散逸すなわち
回折損失が問題となるため、上述のように平面鏡に換え
て球面反射鏡を用いた準光学共振器が用いられる。図2
は部分透過性反射鏡面を持つ一対の球面鏡6、7からな
る準光学共振器の構成を示す図であり、入射波1の一部
は部分透過性の球面反射鏡6を通過し、対向して配置さ
れた球面反射鏡6、7で構成される共振器内に入り繰り
返し反射により重畳される。この際、入射波1の周波数
が鏡面間隔で決まる共振周波数に一致するとき、内部の
繰り返し反射波のエネルギーは最も効率よく蓄積され
る。
有限なビーム径としての扱いが必要となり図1の平行平
面鏡からなるファブリ・ペロー共振器の構成の場合、共
振器の軸に直交する方向へのエネルギーの散逸すなわち
回折損失が問題となるため、上述のように平面鏡に換え
て球面反射鏡を用いた準光学共振器が用いられる。図2
は部分透過性反射鏡面を持つ一対の球面鏡6、7からな
る準光学共振器の構成を示す図であり、入射波1の一部
は部分透過性の球面反射鏡6を通過し、対向して配置さ
れた球面反射鏡6、7で構成される共振器内に入り繰り
返し反射により重畳される。この際、入射波1の周波数
が鏡面間隔で決まる共振周波数に一致するとき、内部の
繰り返し反射波のエネルギーは最も効率よく蓄積され
る。
【0006】一対の球面反射鏡を用いて構成される図2
の様な、準光学共振器の基本共振モード8(TEMooq)の
形は、球面鏡の曲率半径R、鏡面間隔D及び、波長λで
きまり、基本共振モードの電磁界は、光軸から離れるに
従って急速に減少するガウシアン分布をなすことが知ら
れており、鏡面の開口径2aをビームスポットサイズに
比べ十分な大きさに設定することで鏡面間での繰り返し
反射の際に鏡の縁からもれ共振器の外に散逸される成分
による損失(回折損失)を無視できる微少量に設定でき
る。
の様な、準光学共振器の基本共振モード8(TEMooq)の
形は、球面鏡の曲率半径R、鏡面間隔D及び、波長λで
きまり、基本共振モードの電磁界は、光軸から離れるに
従って急速に減少するガウシアン分布をなすことが知ら
れており、鏡面の開口径2aをビームスポットサイズに
比べ十分な大きさに設定することで鏡面間での繰り返し
反射の際に鏡の縁からもれ共振器の外に散逸される成分
による損失(回折損失)を無視できる微少量に設定でき
る。
【0007】基本共振モード8を表す最小スポットサイ
ズWoは、ガウシアンビームの電磁界分布が最も細くな
るビームウエストの位置において、電磁界強度が光軸上
の1/eの強度に低下する光軸からの距離(即ち半径)
に相当する。図2の様な、準光学共振器において、二つ
の球面鏡が同じであるとし、その曲率半径がRであり、
鏡面間隔がD、さらに波長λであるとすれば、最小スポ
ットサイズWoは、
ズWoは、ガウシアンビームの電磁界分布が最も細くな
るビームウエストの位置において、電磁界強度が光軸上
の1/eの強度に低下する光軸からの距離(即ち半径)
に相当する。図2の様な、準光学共振器において、二つ
の球面鏡が同じであるとし、その曲率半径がRであり、
鏡面間隔がD、さらに波長λであるとすれば、最小スポ
ットサイズWoは、
【0008】
【数1】
【0009】で与えられる。また、TEMmnqの共振周波数
fは、
fは、
【0010】
【数2】
【0011】として、高次モードの共振周波数を含めた
表現式として与えられる。ただし、ここでΔは、球面波
であることによる補正項であり、Δ=(m+n+1)(1/π)cos
-1(1-D/R)]であり、m、nは横方向の高次モードを表
す係数であり、q+1は縦モードの数を表しq=0,
1,2...である。結合部を二つ持ち回折損失が無視
できる準光学共振器のQ値、QL、は
表現式として与えられる。ただし、ここでΔは、球面波
であることによる補正項であり、Δ=(m+n+1)(1/π)cos
-1(1-D/R)]であり、m、nは横方向の高次モードを表
す係数であり、q+1は縦モードの数を表しq=0,
1,2...である。結合部を二つ持ち回折損失が無視
できる準光学共振器のQ値、QL、は
【0012】
【数3】
【0013】ただし、1/Qo=1/Qc+1/Qdで与
えられる。ここでQoは、無負荷時のQ値であり、共振
器を構成する二つの球面鏡面が有限な導電率を持つこと
による表面抵抗損失に対応するQ値、Qcと、共振器内
の誘電体吸収損失に対応するQ値、Qdにより表され
る。Q1及びQ2は、それぞれ入射波1の側の結合部及
び、透過波2の側の結合部が設けられたことによる共振
器の損失の増加分に対応する結合Q値である。結合係数
β1、β2は、それぞれの球面鏡面に設けられる結合部に
対しβ1=Qo/Q1、β2=Qo/Q2で表現される。結合部
を設けない場合の球面鏡面の反射率をRmとすれば、無
負荷時のQ値、Qoは
えられる。ここでQoは、無負荷時のQ値であり、共振
器を構成する二つの球面鏡面が有限な導電率を持つこと
による表面抵抗損失に対応するQ値、Qcと、共振器内
の誘電体吸収損失に対応するQ値、Qdにより表され
る。Q1及びQ2は、それぞれ入射波1の側の結合部及
び、透過波2の側の結合部が設けられたことによる共振
器の損失の増加分に対応する結合Q値である。結合係数
β1、β2は、それぞれの球面鏡面に設けられる結合部に
対しβ1=Qo/Q1、β2=Qo/Q2で表現される。結合部
を設けない場合の球面鏡面の反射率をRmとすれば、無
負荷時のQ値、Qoは
【0014】
【数4】
【0015】で与えられる。式(4)′は、鏡面抵抗損失
が鏡面反射率Rmを支配する場合のQoを与える関係式
で、δはスキンディプスで、導体表面電流が1/eに減
少する深さであり、δ=(2/ωμoσ)1/2で与えられる。
さらに、開放型共振器における共振時の電力透過率T
は、
が鏡面反射率Rmを支配する場合のQoを与える関係式
で、δはスキンディプスで、導体表面電流が1/eに減
少する深さであり、δ=(2/ωμoσ)1/2で与えられる。
さらに、開放型共振器における共振時の電力透過率T
は、
【0016】
【数5】
【0017】で与えられる。ここで、ηは共振モード励
振効率に関わる係数であり、マイクロ波の閉じた形の共
振器では、η=1として扱える場合が多いいが、高次モ
ードの共存する共振器や開放型共振器の場合ηは、1か
ら1/1000の間の様々な値となる。
振効率に関わる係数であり、マイクロ波の閉じた形の共
振器では、η=1として扱える場合が多いいが、高次モ
ードの共存する共振器や開放型共振器の場合ηは、1か
ら1/1000の間の様々な値となる。
【0018】球面鏡を用いたミリ波帯の開放型共振器の
技術として、図3に示すような金属球面鏡6、7に、微
小結合孔9、10を設け高反射率の鏡面の微弱結合と
し、高Q値の共振器を実現する方法があった。しかし、
この方法では、信号源からの入射波1は通常金属導波管
11の中を伝送され、共振器と外部との微弱結合部であ
る結合孔9に到達する。結合孔9及び10は、電磁波の
波長に比べ小さいため、微小な結合孔9から共振器側へ
入った電磁波12は広角度に回折され、その内の大部分
は共振器内のガウシアンビームの共振モード8の励振に
寄与せず、外部に散逸される。開放型共振器において1
05以上のQ値を達成しようとする場合、共振時の透過
波2と入射波1の電力比を表す式5のηの値は−20〜
−30dB程度の値となり励振効率は非常に低い値とな
り。共振時の透過率Tは、式5で与えられる様に結合係
数β1、β2に対する依存性から一般にはさらに小さな値
となる。
技術として、図3に示すような金属球面鏡6、7に、微
小結合孔9、10を設け高反射率の鏡面の微弱結合と
し、高Q値の共振器を実現する方法があった。しかし、
この方法では、信号源からの入射波1は通常金属導波管
11の中を伝送され、共振器と外部との微弱結合部であ
る結合孔9に到達する。結合孔9及び10は、電磁波の
波長に比べ小さいため、微小な結合孔9から共振器側へ
入った電磁波12は広角度に回折され、その内の大部分
は共振器内のガウシアンビームの共振モード8の励振に
寄与せず、外部に散逸される。開放型共振器において1
05以上のQ値を達成しようとする場合、共振時の透過
波2と入射波1の電力比を表す式5のηの値は−20〜
−30dB程度の値となり励振効率は非常に低い値とな
り。共振時の透過率Tは、式5で与えられる様に結合係
数β1、β2に対する依存性から一般にはさらに小さな値
となる。
【0019】これに対し、本発明者らによる、米国特許
(T.Matsui and K.Araki, "Open Resonator for Electr
omagnetic Waves Having a Polarized Coupling Regio
n",登録番号 第5,012,212号、1991.4.30登録 )におい
て開示されている方法として、図4に示す様に光学研磨
した球面基板15上に形成した導体反射鏡面を球面反射
鏡13とし、その中央部の波長に比べて大きな円形の反
射鏡面領域を電磁波波長に比較し細かな一次元薄膜導体
格子16(又は二次元薄膜導体格子17)による高反射
率の部分透過性の結合部14として反射率を設定制御す
る手法が開発された。この方法によれば、結合部を形成
する薄膜導体格子16又は17の導体部分と空隙部分の
比を変化するか、波長に対する薄膜導体格子16又は、
17の空間周期を選択調整することで高反射率の反射鏡
面である結合部の結合係数を選択設定することができ
る。したがって、図5の様に、上記の準光学的結合部を
持つ図4の球面鏡を用いて形成される共振器では、入射
波1が共振器内のガウシアンビームに近いビームとして
供給される場合、高Qの共振器特性の確保と高いモード
励振効率が同時に実現できる。
(T.Matsui and K.Araki, "Open Resonator for Electr
omagnetic Waves Having a Polarized Coupling Regio
n",登録番号 第5,012,212号、1991.4.30登録 )におい
て開示されている方法として、図4に示す様に光学研磨
した球面基板15上に形成した導体反射鏡面を球面反射
鏡13とし、その中央部の波長に比べて大きな円形の反
射鏡面領域を電磁波波長に比較し細かな一次元薄膜導体
格子16(又は二次元薄膜導体格子17)による高反射
率の部分透過性の結合部14として反射率を設定制御す
る手法が開発された。この方法によれば、結合部を形成
する薄膜導体格子16又は17の導体部分と空隙部分の
比を変化するか、波長に対する薄膜導体格子16又は、
17の空間周期を選択調整することで高反射率の反射鏡
面である結合部の結合係数を選択設定することができ
る。したがって、図5の様に、上記の準光学的結合部を
持つ図4の球面鏡を用いて形成される共振器では、入射
波1が共振器内のガウシアンビームに近いビームとして
供給される場合、高Qの共振器特性の確保と高いモード
励振効率が同時に実現できる。
【0020】さらに、ミリ波サブミリ波帯の球面反射鏡
を用いた準光学共振器の構成技術として上記の手法を発
展させ応用したミリ波サブミリ波用装置として、高Q値
の開放型共振器を用いた低損失誘電体素材の精密測定装
置(Ph.Coquet, T.Matsui and M.kiyokawa,"Dielectric
Measurements in the 60GHz Band Using a High-Q Gau
ssian Beam Open Resonator", IEICE Trans. on Elect
ronics, Vol.E78-C, pp.1125-1130,1995) 及び、低損失
導体薄膜の高周波表面損失の絶対値を計測評価するため
の試料表面インピ−ダンスの精密測定方法及び装置(国
内特許:松井、荒木「試料表面のインピ−ダンス測定方
法及び装置」特許第1,956,723号、平成7年8月10日登
録)等が開示されている。これらは、図5に示す様な球
面反射鏡を用いた高Q値の準光学共振器内に被測定試料
を配置し、電磁波信号との相互作用を効率よく行わせる
ことで、誘電体素材における損失や、導体表面での高周
波電流による損失などの微小な変化を高感度に検出する
測定技術及び装置に関するものである。
を用いた準光学共振器の構成技術として上記の手法を発
展させ応用したミリ波サブミリ波用装置として、高Q値
の開放型共振器を用いた低損失誘電体素材の精密測定装
置(Ph.Coquet, T.Matsui and M.kiyokawa,"Dielectric
Measurements in the 60GHz Band Using a High-Q Gau
ssian Beam Open Resonator", IEICE Trans. on Elect
ronics, Vol.E78-C, pp.1125-1130,1995) 及び、低損失
導体薄膜の高周波表面損失の絶対値を計測評価するため
の試料表面インピ−ダンスの精密測定方法及び装置(国
内特許:松井、荒木「試料表面のインピ−ダンス測定方
法及び装置」特許第1,956,723号、平成7年8月10日登
録)等が開示されている。これらは、図5に示す様な球
面反射鏡を用いた高Q値の準光学共振器内に被測定試料
を配置し、電磁波信号との相互作用を効率よく行わせる
ことで、誘電体素材における損失や、導体表面での高周
波電流による損失などの微小な変化を高感度に検出する
測定技術及び装置に関するものである。
【0021】さらに、図6に示す様に、球面反射鏡13
を用いた準光学共振器を構成する一対の反射鏡の一方の
部分透過性の反射鏡面14を自由空間との結合部とし、
他の一方の導体反射鏡面18の一部を成すストリップ素
子19の裏面に高周波信号の導波路20との結合部21
を設け、負性抵抗増幅回路22と一体化することで発振
出力23を、低サイドローブのビーム出力として得られ
る、ビーム出力型の発振器の構成が開示されている。
(米国特許:T.Matsui and M.Kiyokawa, "Gaussian-Bea
m Oscillator for Microwave and Millimeter Waves",
特許第5,450,040号、1995.9.12登録)
を用いた準光学共振器を構成する一対の反射鏡の一方の
部分透過性の反射鏡面14を自由空間との結合部とし、
他の一方の導体反射鏡面18の一部を成すストリップ素
子19の裏面に高周波信号の導波路20との結合部21
を設け、負性抵抗増幅回路22と一体化することで発振
出力23を、低サイドローブのビーム出力として得られ
る、ビーム出力型の発振器の構成が開示されている。
(米国特許:T.Matsui and M.Kiyokawa, "Gaussian-Bea
m Oscillator for Microwave and Millimeter Waves",
特許第5,450,040号、1995.9.12登録)
【0022】さらに、図7に示す様に、球面鏡を用いた
準光学的共振器を構成する一対の反射鏡の一方の部分透
過性の反射鏡面14を平凸球面レンズ状に成形された低
損失の誘電体基板27の凸球面を用い自由空間との結合
部とし、誘電体基板27の平面に導体反射鏡面18を形
成し、該導体反射鏡面18の一部を成すストリップ素子
19の裏面に、送信回路(又は受信回路)24と接続す
る高周波信号の導波路との結合部21を設け、鏡面間隔
を半波長または低い次数の縦モード数とし、球面鏡を用
いた共振器の構造を導波路中の高周波信号の導波路モー
ド25と空間ビーム26との間の変換を高効率で行うた
めに利用し、共振器内の電磁界(共振モード8)が光軸
を中心とするガウシアン分布を成すこととを利用した準
平面的構造と高い放射効率を持つ低サイドローブ共振型
アンテナが実現されている。(松井、清川、「ガウシア
ンビーム型アンテナ装置」、平成6年1月11日特許出願)
準光学的共振器を構成する一対の反射鏡の一方の部分透
過性の反射鏡面14を平凸球面レンズ状に成形された低
損失の誘電体基板27の凸球面を用い自由空間との結合
部とし、誘電体基板27の平面に導体反射鏡面18を形
成し、該導体反射鏡面18の一部を成すストリップ素子
19の裏面に、送信回路(又は受信回路)24と接続す
る高周波信号の導波路との結合部21を設け、鏡面間隔
を半波長または低い次数の縦モード数とし、球面鏡を用
いた共振器の構造を導波路中の高周波信号の導波路モー
ド25と空間ビーム26との間の変換を高効率で行うた
めに利用し、共振器内の電磁界(共振モード8)が光軸
を中心とするガウシアン分布を成すこととを利用した準
平面的構造と高い放射効率を持つ低サイドローブ共振型
アンテナが実現されている。(松井、清川、「ガウシア
ンビーム型アンテナ装置」、平成6年1月11日特許出願)
【0023】球面反射鏡を用いた共振器内に形成される
共振モードTEMooqのガウシアンビームは球面鏡の曲率半
径Rと波長λ及び、共振器長D又は縦モード数(q-1)
で決まり、ビームの最小スポットサイズWoは式1で与
えられる。広く知られた回折広がりの関係として、半径
Woの開口内に閉じ込められた波動の遠方界での半頂角
θは、
共振モードTEMooqのガウシアンビームは球面鏡の曲率半
径Rと波長λ及び、共振器長D又は縦モード数(q-1)
で決まり、ビームの最小スポットサイズWoは式1で与
えられる。広く知られた回折広がりの関係として、半径
Woの開口内に閉じ込められた波動の遠方界での半頂角
θは、
【0024】
【数6】
【0025】で与えられる。球面反射鏡を用いた準光学
共振器の構造を導波路中の高周波信号導波路モード25
と空間ビーム26との間の変換を高効率で行うために利
用したガウシアンビーム型アンテナ装置では、最小スポ
ットサイズWoを設定することで目的に応じたアンテナ
放射パターンを設計できる。
共振器の構造を導波路中の高周波信号導波路モード25
と空間ビーム26との間の変換を高効率で行うために利
用したガウシアンビーム型アンテナ装置では、最小スポ
ットサイズWoを設定することで目的に応じたアンテナ
放射パターンを設計できる。
【0026】上記の、米国特許:"Gaussian-Beam Oscil
lator for Microwave and Millimeter Waves", (特許
第5,450,040号)及び、国内特許出願中の「ガウシアン
ビーム型アンテナ装置」(平成6年1月11日出願)のよう
に、縦モード数(q-1)の小さい共振器を構成する場
合、図7の様に、平凸球面レンズ状に成形された低損失
の誘電体基板27を用いてその表面に金属プレーティン
グを施し導体薄膜反射鏡とし、球面鏡と平面鏡を対向さ
せた準光学共振器が構成できる。この場合、レンズ状に
成形された低損失の誘電体基板の両面が曲率半径の大き
な球面であっても同様に用いることができる。何れの場
合も、球面反射鏡を用いたガウシアンビーム型共振器に
誘電体が充填された場合の構成であり、従来技術による
球面反射鏡を用いた準光学共振器の構成と基本的な相違
はない。
lator for Microwave and Millimeter Waves", (特許
第5,450,040号)及び、国内特許出願中の「ガウシアン
ビーム型アンテナ装置」(平成6年1月11日出願)のよう
に、縦モード数(q-1)の小さい共振器を構成する場
合、図7の様に、平凸球面レンズ状に成形された低損失
の誘電体基板27を用いてその表面に金属プレーティン
グを施し導体薄膜反射鏡とし、球面鏡と平面鏡を対向さ
せた準光学共振器が構成できる。この場合、レンズ状に
成形された低損失の誘電体基板の両面が曲率半径の大き
な球面であっても同様に用いることができる。何れの場
合も、球面反射鏡を用いたガウシアンビーム型共振器に
誘電体が充填された場合の構成であり、従来技術による
球面反射鏡を用いた準光学共振器の構成と基本的な相違
はない。
【0027】以上に述べたように、球面反射鏡を用いる
準光学共振器は、精密計測用の高Q値共振器を構成しミ
リ波サブミリ波帯用装置を実現するために実際に利用で
きる有効な共振器技術である。しかし、共振器を構成す
る反射鏡面の少なくとも一方は球面鏡である必要がある
が、今後、マイクロ波、ミリ波サブミリ波帯技術とその
利用が、広く普及し一般向けの多くの応用分野が生まれ
ることを想定する場合、従来からの球面反射鏡を利用す
る共振器の構成方法は、簡易な共振器構成や、量産によ
る低コスト化の可能性の他、具体的ないくつかの困難が
予想できる。たとえば、短ミリ波帯準光学ビームフィル
ターを構成するために共振器結合部の微細構造の加工形
成を球面反射鏡面上の広い範囲に施し、さらに結合特性
の精密制御を行うのは短波長化とともに急速に困難な問
題となる。さらに、凹球面鏡の光学研磨された基板を用
いて反射鏡面とし他方の反射鏡面と対向させる場合、裏
面の誘電体基板部分の存在は、共振器の励振の際に電磁
波ビームの波面の歪みを生じさせるため共振器の性能を
制限する場合が考えられる。特に、サブミリ波の小型の
共振器を用い精密測定が必要な場合、加工の困難さとあ
わせ、球面鏡基板部分による位相の乱れが困難な問題で
あった。
準光学共振器は、精密計測用の高Q値共振器を構成しミ
リ波サブミリ波帯用装置を実現するために実際に利用で
きる有効な共振器技術である。しかし、共振器を構成す
る反射鏡面の少なくとも一方は球面鏡である必要がある
が、今後、マイクロ波、ミリ波サブミリ波帯技術とその
利用が、広く普及し一般向けの多くの応用分野が生まれ
ることを想定する場合、従来からの球面反射鏡を利用す
る共振器の構成方法は、簡易な共振器構成や、量産によ
る低コスト化の可能性の他、具体的ないくつかの困難が
予想できる。たとえば、短ミリ波帯準光学ビームフィル
ターを構成するために共振器結合部の微細構造の加工形
成を球面反射鏡面上の広い範囲に施し、さらに結合特性
の精密制御を行うのは短波長化とともに急速に困難な問
題となる。さらに、凹球面鏡の光学研磨された基板を用
いて反射鏡面とし他方の反射鏡面と対向させる場合、裏
面の誘電体基板部分の存在は、共振器の励振の際に電磁
波ビームの波面の歪みを生じさせるため共振器の性能を
制限する場合が考えられる。特に、サブミリ波の小型の
共振器を用い精密測定が必要な場合、加工の困難さとあ
わせ、球面鏡基板部分による位相の乱れが困難な問題で
あった。
【0028】短波長領域で使用できる共振器の構成で、
部分透過性の反射鏡面や、導波路との結合部の形成を精
密に制御するために直面する困難は、球面上に導体薄膜
パターンを形成しなければならない事に原因している。
これに対し、平行平面反射鏡では鏡面上の薄膜加工は格
段に容易となる。平面反射鏡面からなり、球面反射鏡の
持つ性能上の利点を兼ね備えた新しい準光学共振器の開
発が必要であった。
部分透過性の反射鏡面や、導波路との結合部の形成を精
密に制御するために直面する困難は、球面上に導体薄膜
パターンを形成しなければならない事に原因している。
これに対し、平行平面反射鏡では鏡面上の薄膜加工は格
段に容易となる。平面反射鏡面からなり、球面反射鏡の
持つ性能上の利点を兼ね備えた新しい準光学共振器の開
発が必要であった。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みてなされたもので、従来、球面反射鏡を用いて形
成されるガウシアンビームの共振モードを持つ新しい準
光学共振器を平行平面鏡の組み合わせで実現し、位相面
の乱れを生じないビーム入出力型フィルター装置、高い
放射効率と低サイドローブ特性を持つ準平面型アンテナ
装置の構成が容易となる手法、及び、短ミリ波帯以上の
精密素材測定用装置を提供することにある。
に鑑みてなされたもので、従来、球面反射鏡を用いて形
成されるガウシアンビームの共振モードを持つ新しい準
光学共振器を平行平面鏡の組み合わせで実現し、位相面
の乱れを生じないビーム入出力型フィルター装置、高い
放射効率と低サイドローブ特性を持つ準平面型アンテナ
装置の構成が容易となる手法、及び、短ミリ波帯以上の
精密素材測定用装置を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明による準光学共振器とミリ波サブミリ波用装
置は、
め、本発明による準光学共振器とミリ波サブミリ波用装
置は、
【0031】電磁波信号波に対し集束作用を持つ媒質の
両側に、一対の平面反射鏡を配置し、双方の鏡面での反
射波が、該集束作用を持つ媒質を通過し繰り返し重畳さ
れるように対向させ共振器を構成し、該一対の平面反射
鏡は波長に比較して細かな格子状の導体パターンからな
る部分透過性の鏡面であり、当該共振器内部で繰り返し
反射する電磁波信号波に対し、上記一対の反射鏡面が同
じ反射損失を持つ、
両側に、一対の平面反射鏡を配置し、双方の鏡面での反
射波が、該集束作用を持つ媒質を通過し繰り返し重畳さ
れるように対向させ共振器を構成し、該一対の平面反射
鏡は波長に比較して細かな格子状の導体パターンからな
る部分透過性の鏡面であり、当該共振器内部で繰り返し
反射する電磁波信号波に対し、上記一対の反射鏡面が同
じ反射損失を持つ、
【0032】また、電磁波信号波に対し集束作用を持つ
媒質の両側に一対の平面反射鏡を配置し、双方の鏡面で
の反射波が繰り返し重畳されるように対向させ共振器を
構成し、一方の反射鏡面に当該共振器の光軸を中心とす
る円形の部分透過性の鏡面領域を設け自由空間との電磁
波結合部を成し、当該部分透過性の鏡面領域が波長に比
較して細かな格子状の導体パターンからなる反射鏡面で
あり、当該共振器を構成する他方の反射鏡は導体反射鏡
面からなり、該反射鏡面の部分を成すストリプ素子と、
該ストリップ素子裏面には高周波信号の導波路との結合
部を備え、上記一対の反射鏡面が同じ反射損失を持つ。
媒質の両側に一対の平面反射鏡を配置し、双方の鏡面で
の反射波が繰り返し重畳されるように対向させ共振器を
構成し、一方の反射鏡面に当該共振器の光軸を中心とす
る円形の部分透過性の鏡面領域を設け自由空間との電磁
波結合部を成し、当該部分透過性の鏡面領域が波長に比
較して細かな格子状の導体パターンからなる反射鏡面で
あり、当該共振器を構成する他方の反射鏡は導体反射鏡
面からなり、該反射鏡面の部分を成すストリプ素子と、
該ストリップ素子裏面には高周波信号の導波路との結合
部を備え、上記一対の反射鏡面が同じ反射損失を持つ。
【0033】また、電磁波信号波に対し集束作用を持つ
媒質の両側に、一対の平面反射鏡を配置し、双方の鏡面
での反射波が該集束作用を持つ媒質を通過し繰り返し重
畳されるように対向させた共振器の構成と、一つ又は複
数の負性抵抗増幅回路と、該一対の平面反射鏡の一方は
部分透過性の反射鏡面であり、当該共振器を構成する他
方の反射鏡は導体反射鏡面からなり、該導体反射鏡面の
一部をなすストリップ素子の裏面に当該共振器と該一つ
又は複数の負性抵抗増幅回路の間を個別に高周波信号の
導波路により接続する結合部を備え、上記一対の反射鏡
面の一方の部分透過性の反射鏡面の反射率が、当該共振
器の他の導体反射鏡面を構成し負性抵抗増幅回路との結
合部を裏面に持つ反射鏡面の反射率に比較し高い。
媒質の両側に、一対の平面反射鏡を配置し、双方の鏡面
での反射波が該集束作用を持つ媒質を通過し繰り返し重
畳されるように対向させた共振器の構成と、一つ又は複
数の負性抵抗増幅回路と、該一対の平面反射鏡の一方は
部分透過性の反射鏡面であり、当該共振器を構成する他
方の反射鏡は導体反射鏡面からなり、該導体反射鏡面の
一部をなすストリップ素子の裏面に当該共振器と該一つ
又は複数の負性抵抗増幅回路の間を個別に高周波信号の
導波路により接続する結合部を備え、上記一対の反射鏡
面の一方の部分透過性の反射鏡面の反射率が、当該共振
器の他の導体反射鏡面を構成し負性抵抗増幅回路との結
合部を裏面に持つ反射鏡面の反射率に比較し高い。
【0034】また、電磁波信号源と電磁波信号波の伝送
路と、電磁波信号波に対し集束作用を持つ媒質の両側
に、一対の平面反射鏡を配置し、双方の鏡面での反射波
が該集束作用を持つ媒質を通過り繰返し重畳されしるよ
うに対向させた互いに平行に配置した共振器の構成と、
当該共 振器を構成する該一対の平面反射鏡の導体
反射鏡面の中央部には、電磁波の波長に比較し1/20
から1/100の空間周期の導体グリッド構造からなる
電磁波結合部を備え、平面状の被測定試料を当該共振器
の中央に移動し、該一対の反射鏡面と平行に保持する機
構又は、一方の導体反射鏡面上に保持する機構を持ち、
該共振器を構成する一対の反射鏡面の反射率が同じであ
り、該共振器を構成する一方の反射鏡面から入射した電
磁波信号の反射波及び、他方の反射鏡面から出力される
透過波を検出するための受信機とからなる。
路と、電磁波信号波に対し集束作用を持つ媒質の両側
に、一対の平面反射鏡を配置し、双方の鏡面での反射波
が該集束作用を持つ媒質を通過り繰返し重畳されしるよ
うに対向させた互いに平行に配置した共振器の構成と、
当該共 振器を構成する該一対の平面反射鏡の導体
反射鏡面の中央部には、電磁波の波長に比較し1/20
から1/100の空間周期の導体グリッド構造からなる
電磁波結合部を備え、平面状の被測定試料を当該共振器
の中央に移動し、該一対の反射鏡面と平行に保持する機
構又は、一方の導体反射鏡面上に保持する機構を持ち、
該共振器を構成する一対の反射鏡面の反射率が同じであ
り、該共振器を構成する一方の反射鏡面から入射した電
磁波信号の反射波及び、他方の反射鏡面から出力される
透過波を検出するための受信機とからなる。
【0035】また、本発明による準光学共振器を用いた
ミリ波サブミリ波装置は、該一対の平行平面反射鏡面の
間隔を一定に保持する構成、又は、当該平行平面反射鏡
面間隔を可変調整させる駆動機構を持ち、当該反射鏡面
に設ける高周波電磁界の導波路との結合部は、金属導波
管、同軸伝送路、ストリップライン型及びコプレーナ型
の平面導波路等の電磁波信号の伝送路との結合である。
ミリ波サブミリ波装置は、該一対の平行平面反射鏡面の
間隔を一定に保持する構成、又は、当該平行平面反射鏡
面間隔を可変調整させる駆動機構を持ち、当該反射鏡面
に設ける高周波電磁界の導波路との結合部は、金属導波
管、同軸伝送路、ストリップライン型及びコプレーナ型
の平面導波路等の電磁波信号の伝送路との結合である。
【0036】上記構成の準光学共振器を用いたミリ波サ
ブミリ波用装置によれば、一方の平面反射鏡の部分透過
性の鏡面に空間から入射する電磁波ビームは、その電磁
波電力の大部分は平面鏡面で反射し、残りの小さな電力
部分が該部分透過性の鏡面を通過し、さらに集束作用を
持つ媒質を通過し、互いに平行に配置された一対の平面
反射鏡の他の一方の平面反射鏡面で到達した電力の大部
分が反射され、その残りの小さな電力部分が該部分透過
性の反射鏡面を通過し、該一方の平面反射鏡面で反射さ
れた電磁波ビームは、再び集束作用を持つ媒質を逆方向
に通過し、はじめの平面反射鏡面で再び反射され、当該
一対の反射鏡面の間隔が2πの整数倍の位相差を生じさ
せるとき、平面反射鏡に連続的に入射する電磁波は波長
の整数倍の位相差で繰返し重畳され、一対の平面反射鏡
の間に置かれた集束作用を持つ媒質を通過する際の集束
作用により回折損失が抑制され、光軸に沿った安定な電
磁界分布が形成され電磁波のエネルギー分布は電磁波の
伝搬する方向の中心軸付近で高くその軸から離れるに従
って急激に低下するガウシアンビーム(基本モードTE
Mooq;qは縦モード数を表す整数)で表現される共振
器モードが励振され、大きな高周波電磁界エネルギーと
して蓄積され、さらに上記一対の反射鏡面が同じ反射率
を持つことから、一方の反射鏡面から見た当該準光学共
振器は、該共振器の結合損失と内部損失が等しい臨界結
合状態となり、電磁波ビームが入射する側の平面反射鏡
面で反射される大部分の電磁波ビームは、共振器内に蓄
積され当該平面反射鏡面から反射される大部分の電磁波
ビームと同じ方向へ漏れ出る半波長の位相差と等しい振
幅を持つの電磁界によって相殺され、無反射となり、一
方の平面反射鏡に入射したと等しい電磁波電力が、他の
一方の平面反射鏡からガウシアンビームとして出力さ
れ、高性能なビーム入出力型フィルターの機能を持つミ
リ波サブミリ波用装置が実現できる。
ブミリ波用装置によれば、一方の平面反射鏡の部分透過
性の鏡面に空間から入射する電磁波ビームは、その電磁
波電力の大部分は平面鏡面で反射し、残りの小さな電力
部分が該部分透過性の鏡面を通過し、さらに集束作用を
持つ媒質を通過し、互いに平行に配置された一対の平面
反射鏡の他の一方の平面反射鏡面で到達した電力の大部
分が反射され、その残りの小さな電力部分が該部分透過
性の反射鏡面を通過し、該一方の平面反射鏡面で反射さ
れた電磁波ビームは、再び集束作用を持つ媒質を逆方向
に通過し、はじめの平面反射鏡面で再び反射され、当該
一対の反射鏡面の間隔が2πの整数倍の位相差を生じさ
せるとき、平面反射鏡に連続的に入射する電磁波は波長
の整数倍の位相差で繰返し重畳され、一対の平面反射鏡
の間に置かれた集束作用を持つ媒質を通過する際の集束
作用により回折損失が抑制され、光軸に沿った安定な電
磁界分布が形成され電磁波のエネルギー分布は電磁波の
伝搬する方向の中心軸付近で高くその軸から離れるに従
って急激に低下するガウシアンビーム(基本モードTE
Mooq;qは縦モード数を表す整数)で表現される共振
器モードが励振され、大きな高周波電磁界エネルギーと
して蓄積され、さらに上記一対の反射鏡面が同じ反射率
を持つことから、一方の反射鏡面から見た当該準光学共
振器は、該共振器の結合損失と内部損失が等しい臨界結
合状態となり、電磁波ビームが入射する側の平面反射鏡
面で反射される大部分の電磁波ビームは、共振器内に蓄
積され当該平面反射鏡面から反射される大部分の電磁波
ビームと同じ方向へ漏れ出る半波長の位相差と等しい振
幅を持つの電磁界によって相殺され、無反射となり、一
方の平面反射鏡に入射したと等しい電磁波電力が、他の
一方の平面反射鏡からガウシアンビームとして出力さ
れ、高性能なビーム入出力型フィルターの機能を持つミ
リ波サブミリ波用装置が実現できる。
【0037】また、上記構成の準光学共振器を用いたミ
リ波サブミリ波用装置によれば、導波路を伝送された高
周波信号は、一方の導体反射鏡面からなる平面反射鏡の
部分を成すストリップ素子の裏面にある高周波信号の導
波路との結合部を経て該一方の導体反射鏡面からなる反
射鏡面の部分を成すストリップ素子に高周波電流を誘起
し、該導体反射鏡面領域の高周波電流は、集束作用を持
つ媒質とその両側に配置された一対の平面反射鏡とによ
って構成される共振器内に放射され、に集束作用を持つ
媒質を通過し、平行に配置された一対の平面反射鏡の他
の一方の部分透過性鏡面領域を持つ平面反射鏡面でその
大部分が反射され、再び集束作用を持つ媒質を逆方向に
通過し、はじめの平面反射鏡面で再び反射され、当該一
対の反射鏡面の間隔が2πの整数倍の位相差を生じさせ
るとき、平面反射鏡に連続的に入射する電磁波は波長の
整数倍の位相差で繰返し重畳され、一対の平面反射鏡の
間に置かれた集束作用を持つ媒質を通過する際の集束作
用により回折損失が抑制され、光軸に沿った安定な電磁
界分布が形成され電磁波のエネルギー分布は電磁波の伝
搬する方向の中心軸付近で高くその軸から離れるに従っ
て急激に低下するガウシアンビーム(基本モードTEM
ooq;q−1は縦モード数を表す整数)で表現される共
振器モードが励振され、大きな高周波電磁界エネルギー
として蓄積され、部分透過性の鏡面領域からビームとし
て放射される。上記一対の反射鏡面が同じ反射率を持つ
ことから、一方の反射鏡面から見た当該準光学共振器
は、該共振器の結合損失と内部損失が等しい臨界結合状
態となり、部分透過性の鏡面領域を持つ平面鏡側及び、
導波路との結合部を裏面に持つ導体反射鏡面側のいずれ
から見ても、共振周波数において無反射となり、一方の
平面反射鏡に入射したと等しい電磁波電力が、導波路モ
ードから空間ビームへ、あるいは空間ビームから導波路
モードへ変換されるアンテナ装置が実現できる。開口面
電力分布がガウシアンであることから原理的に低サイド
ローブ特性を持つ高い放射効率を持つアンテナ装置とし
て用いることができる。
リ波サブミリ波用装置によれば、導波路を伝送された高
周波信号は、一方の導体反射鏡面からなる平面反射鏡の
部分を成すストリップ素子の裏面にある高周波信号の導
波路との結合部を経て該一方の導体反射鏡面からなる反
射鏡面の部分を成すストリップ素子に高周波電流を誘起
し、該導体反射鏡面領域の高周波電流は、集束作用を持
つ媒質とその両側に配置された一対の平面反射鏡とによ
って構成される共振器内に放射され、に集束作用を持つ
媒質を通過し、平行に配置された一対の平面反射鏡の他
の一方の部分透過性鏡面領域を持つ平面反射鏡面でその
大部分が反射され、再び集束作用を持つ媒質を逆方向に
通過し、はじめの平面反射鏡面で再び反射され、当該一
対の反射鏡面の間隔が2πの整数倍の位相差を生じさせ
るとき、平面反射鏡に連続的に入射する電磁波は波長の
整数倍の位相差で繰返し重畳され、一対の平面反射鏡の
間に置かれた集束作用を持つ媒質を通過する際の集束作
用により回折損失が抑制され、光軸に沿った安定な電磁
界分布が形成され電磁波のエネルギー分布は電磁波の伝
搬する方向の中心軸付近で高くその軸から離れるに従っ
て急激に低下するガウシアンビーム(基本モードTEM
ooq;q−1は縦モード数を表す整数)で表現される共
振器モードが励振され、大きな高周波電磁界エネルギー
として蓄積され、部分透過性の鏡面領域からビームとし
て放射される。上記一対の反射鏡面が同じ反射率を持つ
ことから、一方の反射鏡面から見た当該準光学共振器
は、該共振器の結合損失と内部損失が等しい臨界結合状
態となり、部分透過性の鏡面領域を持つ平面鏡側及び、
導波路との結合部を裏面に持つ導体反射鏡面側のいずれ
から見ても、共振周波数において無反射となり、一方の
平面反射鏡に入射したと等しい電磁波電力が、導波路モ
ードから空間ビームへ、あるいは空間ビームから導波路
モードへ変換されるアンテナ装置が実現できる。開口面
電力分布がガウシアンであることから原理的に低サイド
ローブ特性を持つ高い放射効率を持つアンテナ装置とし
て用いることができる。
【0038】また、上記構成の準光学共振器を用いたミ
リ波サブミリ波用装置によれば、導波路を伝送された負
性抵抗増幅回路からの微小振幅の高周波信号成分は一方
の反射鏡面の部分を成す導体反射鏡面領域(ストリップ
素子)の裏面にある高周波信号の導波路との結合部を経
て該一方の反射鏡面の部分を成すストリップ素子に高周
波電流を誘起し、該ストリップ素子上の高周波電流は、
集束作用を持つ媒質とその両側に配置された一対の平面
反射鏡とからなり、双方の鏡面での反射波が繰り返し重
畳されるように対向させ構成された共振器内に放射さ
れ、該負性抵抗増幅回路からの微小振幅の高周波信号成
分のうち当該一対の平面反射鏡面の間隔が2πの整数倍
の位相差を生じさせる周波数成分については、集束作用
を持つ媒質の集光作用により軸に沿った安定な電磁界分
布が形成され、電磁波のエネルギー分布は電磁波の伝搬
する方向の中心軸付近で高くその軸から離れるに従って
急激に低下するガウシアンビーム(基本モードTEMoo
q ;qは縦モード数を表す整数)で表現される共振器モ
ードが励振され、発振の初期段階では共振器内部からの
微弱な反射波が該共振器へ結合入射したのと逆向きの経
路を経て負性抵抗増幅回路に返り、増幅されて再び導波
路を伝送され結合部を経て共振器に結合し、この増幅帰
還のループの繰り返しにより共振器内部の電磁界振幅は
増大し、電磁界振幅の成長とともに負性抵抗による増幅
利得が減少し一定振幅の発振状態となり、共振器内部に
蓄積された高周波電力は、当該共振器を形成する他方の
反射鏡面に設けられ自由空間との電磁波結合部を成す円
形の部分透過性の鏡面領域からガウシアンビームを空間
へしみ出させる形で放射し、開口面電力分布がガウシア
ン又はそれの中心部分を切りとった形態を成すことか
ら、低サイドローブ特性のマイクロ波、ミリ波サブミリ
波発振装置として動作する
リ波サブミリ波用装置によれば、導波路を伝送された負
性抵抗増幅回路からの微小振幅の高周波信号成分は一方
の反射鏡面の部分を成す導体反射鏡面領域(ストリップ
素子)の裏面にある高周波信号の導波路との結合部を経
て該一方の反射鏡面の部分を成すストリップ素子に高周
波電流を誘起し、該ストリップ素子上の高周波電流は、
集束作用を持つ媒質とその両側に配置された一対の平面
反射鏡とからなり、双方の鏡面での反射波が繰り返し重
畳されるように対向させ構成された共振器内に放射さ
れ、該負性抵抗増幅回路からの微小振幅の高周波信号成
分のうち当該一対の平面反射鏡面の間隔が2πの整数倍
の位相差を生じさせる周波数成分については、集束作用
を持つ媒質の集光作用により軸に沿った安定な電磁界分
布が形成され、電磁波のエネルギー分布は電磁波の伝搬
する方向の中心軸付近で高くその軸から離れるに従って
急激に低下するガウシアンビーム(基本モードTEMoo
q ;qは縦モード数を表す整数)で表現される共振器モ
ードが励振され、発振の初期段階では共振器内部からの
微弱な反射波が該共振器へ結合入射したのと逆向きの経
路を経て負性抵抗増幅回路に返り、増幅されて再び導波
路を伝送され結合部を経て共振器に結合し、この増幅帰
還のループの繰り返しにより共振器内部の電磁界振幅は
増大し、電磁界振幅の成長とともに負性抵抗による増幅
利得が減少し一定振幅の発振状態となり、共振器内部に
蓄積された高周波電力は、当該共振器を形成する他方の
反射鏡面に設けられ自由空間との電磁波結合部を成す円
形の部分透過性の鏡面領域からガウシアンビームを空間
へしみ出させる形で放射し、開口面電力分布がガウシア
ン又はそれの中心部分を切りとった形態を成すことか
ら、低サイドローブ特性のマイクロ波、ミリ波サブミリ
波発振装置として動作する
【0039】また、上記構成の準光学共振器を用いたミ
リ波サブミリ波用装置によれば、電磁波信号源からの電
磁波信号波は、伝送路を経て、一方の平面反射鏡の導体
反射鏡面の中央部に設けた導体グリッドからなる電磁波
結合部に入射し、その電磁波電力の大部分は平面鏡面で
反射し、残りの小さな電力成分が電磁波結合部を通過
し、さらに集束作用を持つ媒質を通過し、互いに平行に
配置された一対の平面反射鏡の他の一方の平面反射鏡面
でその大部分が反射され、残りの小さな電力部分が該部
分透過性の反射鏡面を通過し、該一方の平面反射鏡面で
反射された電磁波ビームは、再び集束作用を持つ媒質を
逆方向に通過し、はじめの平面反射鏡面で再び反射さ
れ、当該一対の反射鏡面の間隔が2πの整数倍の位相差
を生じさせるとき、平面反射鏡に連続的に入射する電磁
波は波長の整数倍の位相差で繰返し重畳され、一対の平
面反射鏡の間に置かれた集束作用を持つ媒質を通過する
際の集束作用により回折損失が抑制され、光軸に沿った
安定な電磁界分布が形成され電磁波のエネルギー分布は
電磁波の伝搬する方向の中心軸付近で高くその軸から離
れるに従って急激に低下するガウシアンビーム(基本モ
ードTEMooq;qは縦モード数を表す整数)で表現さ
れる共振器モードが励振され、大きな高周波電磁界エネ
ルギーとして蓄積され、さらに、平面状の被測定試料を
当該共振器内の中央又は、一方の導体反射鏡面上に保持
し、同じ縦モード数に成るようにするときの鏡面間隔の
変位量から屈折率が、また、被測定試料が共振器内に有
るときと除去したときの共振Q値から、該被測定試料の
損失を絶対量として測定できる。
リ波サブミリ波用装置によれば、電磁波信号源からの電
磁波信号波は、伝送路を経て、一方の平面反射鏡の導体
反射鏡面の中央部に設けた導体グリッドからなる電磁波
結合部に入射し、その電磁波電力の大部分は平面鏡面で
反射し、残りの小さな電力成分が電磁波結合部を通過
し、さらに集束作用を持つ媒質を通過し、互いに平行に
配置された一対の平面反射鏡の他の一方の平面反射鏡面
でその大部分が反射され、残りの小さな電力部分が該部
分透過性の反射鏡面を通過し、該一方の平面反射鏡面で
反射された電磁波ビームは、再び集束作用を持つ媒質を
逆方向に通過し、はじめの平面反射鏡面で再び反射さ
れ、当該一対の反射鏡面の間隔が2πの整数倍の位相差
を生じさせるとき、平面反射鏡に連続的に入射する電磁
波は波長の整数倍の位相差で繰返し重畳され、一対の平
面反射鏡の間に置かれた集束作用を持つ媒質を通過する
際の集束作用により回折損失が抑制され、光軸に沿った
安定な電磁界分布が形成され電磁波のエネルギー分布は
電磁波の伝搬する方向の中心軸付近で高くその軸から離
れるに従って急激に低下するガウシアンビーム(基本モ
ードTEMooq;qは縦モード数を表す整数)で表現さ
れる共振器モードが励振され、大きな高周波電磁界エネ
ルギーとして蓄積され、さらに、平面状の被測定試料を
当該共振器内の中央又は、一方の導体反射鏡面上に保持
し、同じ縦モード数に成るようにするときの鏡面間隔の
変位量から屈折率が、また、被測定試料が共振器内に有
るときと除去したときの共振Q値から、該被測定試料の
損失を絶対量として測定できる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明による準光学共振器
を用いたミリ波サブミリ波用装置の実施の形態について
詳細に説明する。
を用いたミリ波サブミリ波用装置の実施の形態について
詳細に説明する。
【0043】対向する平行平面反射鏡の間にレンズ効果
を持つ媒質を設け鏡面間を繰り返し反射する電磁波をそ
の集束効果により有限なビ−ム径に保持し回折損失の影
響を低減させ安定な共振モードが実現できる.これによ
り従来,球面反射鏡を用いて形成されるガウシアンビー
ムの共振モードを持つ準光学共振器が平面鏡の組み合わ
せで実現できる.本発明の準光学共振器を用いたミリ波
サブミリ波用装置の基本構成となる集束作用を持つ媒質
を用いた共振器の構成と原理を説明する。レンズ効果を
持つ媒質の最も単純な構成として曲率半径rの平凸レン
ズを考えると、その焦点距離foは、
を持つ媒質を設け鏡面間を繰り返し反射する電磁波をそ
の集束効果により有限なビ−ム径に保持し回折損失の影
響を低減させ安定な共振モードが実現できる.これによ
り従来,球面反射鏡を用いて形成されるガウシアンビー
ムの共振モードを持つ準光学共振器が平面鏡の組み合わ
せで実現できる.本発明の準光学共振器を用いたミリ波
サブミリ波用装置の基本構成となる集束作用を持つ媒質
を用いた共振器の構成と原理を説明する。レンズ効果を
持つ媒質の最も単純な構成として曲率半径rの平凸レン
ズを考えると、その焦点距離foは、
【0044】
【数7】
【0045】で与えられる。ここでnは、電磁波信号波
のその波長におけるレンズの屈折率である。図8の28
は、薄肉の平凸レンズの集束作用を模式的に示した図
で、Fは焦点を表している。図8の29は、同じ平凸レ
ンズの平面側を向かい合わせて組み合わせた場合の集束
作用を示す図であり、ここでFは一つの平凸レンズの焦
点位置を示す。この場合一方のレンズの焦点Fから出た
光束は最初のレンズで平行ビームとなり次のレンズで反
対側の焦点位置Fに集束される。図9は、本発明による
準光学共振器を用いたミリ波サブミリ波用装置の一部を
成す集束作用を持つ媒質と平面反射鏡の組み合わせによ
り生じる機能を示す説明図であり、平凸レンズと平面反
射鏡を組み合わせた構成であり、レンズの焦点Fから出
た光束を元の焦点Fに再集束させる機能を持ち、この組
み合わせの構成によれば二つの平凸レンズを組み合わせ
た図8の29に示す両凸レンズと同等な集束効果を持つ
反射鏡として機能する。これは、焦点距離fが、
のその波長におけるレンズの屈折率である。図8の28
は、薄肉の平凸レンズの集束作用を模式的に示した図
で、Fは焦点を表している。図8の29は、同じ平凸レ
ンズの平面側を向かい合わせて組み合わせた場合の集束
作用を示す図であり、ここでFは一つの平凸レンズの焦
点位置を示す。この場合一方のレンズの焦点Fから出た
光束は最初のレンズで平行ビームとなり次のレンズで反
対側の焦点位置Fに集束される。図9は、本発明による
準光学共振器を用いたミリ波サブミリ波用装置の一部を
成す集束作用を持つ媒質と平面反射鏡の組み合わせによ
り生じる機能を示す説明図であり、平凸レンズと平面反
射鏡を組み合わせた構成であり、レンズの焦点Fから出
た光束を元の焦点Fに再集束させる機能を持ち、この組
み合わせの構成によれば二つの平凸レンズを組み合わせ
た図8の29に示す両凸レンズと同等な集束効果を持つ
反射鏡として機能する。これは、焦点距離fが、
【0046】
【数8】
【0047】である反射鏡に相当し、すなわち、曲率半
径Rが、
径Rが、
【0048】
【数9】
【0049】である凹球面反射鏡と等価に扱うことがで
きる。
きる。
【0050】また、電磁波信号に対する集束作用を持つ
媒質としては中央部で高い屈折率分布を持つ平面レンズ
を用いる構成も可能である。ガウシアンビーム共振器の
新しい構成原理として平面鏡間にレンズを含む構成を示
したが、レンズの集束作用は、通過する光路長が光軸か
らの距離の2次関数になっていることによっており、光
ファイバー技術で広く実用化されているように、中心軸
に対称な屈折率分布を構成することで各種の方法により
平板レンズが実現可能であり、平行平面反射鏡の間に平
面型レンズを挟んだ新しい準光学共振器が構成できる。
ミリ波帯で低損失な特性を持つ各種の誘電体素材を組み
合わせた平行平板レンズの両面に平面反射鏡を形成する
構成は製造工程が単純化できる可能性が高く実用上有効
であると考えられる。
媒質としては中央部で高い屈折率分布を持つ平面レンズ
を用いる構成も可能である。ガウシアンビーム共振器の
新しい構成原理として平面鏡間にレンズを含む構成を示
したが、レンズの集束作用は、通過する光路長が光軸か
らの距離の2次関数になっていることによっており、光
ファイバー技術で広く実用化されているように、中心軸
に対称な屈折率分布を構成することで各種の方法により
平板レンズが実現可能であり、平行平面反射鏡の間に平
面型レンズを挟んだ新しい準光学共振器が構成できる。
ミリ波帯で低損失な特性を持つ各種の誘電体素材を組み
合わせた平行平板レンズの両面に平面反射鏡を形成する
構成は製造工程が単純化できる可能性が高く実用上有効
であると考えられる。
【0051】本発明による準光学共振器を用いたミリ波
サブミリ波用装置の実施形態の一例として、ビーム入出
力型フィルター装置があり、図10はその構成を模式的
に示す説明図であり、入射波1及び透過波2が空間ビー
ムである場合の装置を表している。図10では、部分透
過性鏡面34及び35の間の集束効果を持つ媒質とし
て、一対の平凸レンズ状媒質を凸面を対向させた配置と
して用いる場合、単一の平凸レンズを用いた場合を示し
ている。共振器長は半波長の整数倍であり、誘電体表面
の効果を最小限にするために、平凸レンズ状媒質の厚さ
は1/2波長の整数倍とすることが望ましい。図11
は、集束作用を持つ媒質36を用いた平行平面鏡から成
る共振器を一般的に表したもので、平板型集束媒質32
又は平凸球面レンズを含む集束媒質33のいずれを用い
ることもできる。自由空間との電磁波結合部を成す部分
透過性鏡面領域34及び35として波長に比較し細かな
格子状の導体パターンからなる反射鏡面を設ける。発明
者らの研究の結果、上記のごとき反射鏡面では、高い反
射率を持つ鏡面の微小な透過率が格子状の導体パターン
の寸法を変化することで選択調整できることが実証され
ている(米国特許 "OpenResonator for Electromagneti
c Waves Having a Polarized Coupling Region", 登録
番号 第5,012,212 号、1991.4.30 登録)。共振器内に
蓄積された電磁波エネルギーは、この部分透過性の鏡面
領域を通じて、ガウシアンビーム又は、その変形分布を
持つビームとして自由空間へ放射される。
サブミリ波用装置の実施形態の一例として、ビーム入出
力型フィルター装置があり、図10はその構成を模式的
に示す説明図であり、入射波1及び透過波2が空間ビー
ムである場合の装置を表している。図10では、部分透
過性鏡面34及び35の間の集束効果を持つ媒質とし
て、一対の平凸レンズ状媒質を凸面を対向させた配置と
して用いる場合、単一の平凸レンズを用いた場合を示し
ている。共振器長は半波長の整数倍であり、誘電体表面
の効果を最小限にするために、平凸レンズ状媒質の厚さ
は1/2波長の整数倍とすることが望ましい。図11
は、集束作用を持つ媒質36を用いた平行平面鏡から成
る共振器を一般的に表したもので、平板型集束媒質32
又は平凸球面レンズを含む集束媒質33のいずれを用い
ることもできる。自由空間との電磁波結合部を成す部分
透過性鏡面領域34及び35として波長に比較し細かな
格子状の導体パターンからなる反射鏡面を設ける。発明
者らの研究の結果、上記のごとき反射鏡面では、高い反
射率を持つ鏡面の微小な透過率が格子状の導体パターン
の寸法を変化することで選択調整できることが実証され
ている(米国特許 "OpenResonator for Electromagneti
c Waves Having a Polarized Coupling Region", 登録
番号 第5,012,212 号、1991.4.30 登録)。共振器内に
蓄積された電磁波エネルギーは、この部分透過性の鏡面
領域を通じて、ガウシアンビーム又は、その変形分布を
持つビームとして自由空間へ放射される。
【0052】また、図12は、本発明による準光学共振
器を用いたミリ波サブミリ波用装置の実施形態の他の一
例である、ガウシアンビーム型アンテナ装置への応用を
示す説明図である。この図12の構成は、図7に示すガ
ウシアンビーム型アンテナ装置と基本的に同じ構成概念
であるが、本発明では球面反射鏡を用いない点で従来技
術と異なっている。アンテナとして空間との結合部の構
成に係わる部分透過性鏡面34の形成に関しては、短波
長化とともに平面反射鏡を用いる本発明の方法が有利と
なり重要になると考えられる。また、二次元アレー状に
アンテナの配置を実現しようとする場合、本発明による
準光学共振器の構成により可能となった平面上へのパタ
ーン形成は従来技術に比べ大きな利点である。
器を用いたミリ波サブミリ波用装置の実施形態の他の一
例である、ガウシアンビーム型アンテナ装置への応用を
示す説明図である。この図12の構成は、図7に示すガ
ウシアンビーム型アンテナ装置と基本的に同じ構成概念
であるが、本発明では球面反射鏡を用いない点で従来技
術と異なっている。アンテナとして空間との結合部の構
成に係わる部分透過性鏡面34の形成に関しては、短波
長化とともに平面反射鏡を用いる本発明の方法が有利と
なり重要になると考えられる。また、二次元アレー状に
アンテナの配置を実現しようとする場合、本発明による
準光学共振器の構成により可能となった平面上へのパタ
ーン形成は従来技術に比べ大きな利点である。
【0053】図12の構成では、送信回路24からの高
周波信号波は導波路20を伝送され、高周波信号の導波
路20との結合部21を経て一方の平面反射鏡面3の導
体反射鏡面18の部分を成す導体ストリップ素子19に
高周波電流を誘起し、該導体反射鏡面領域の高周波電流
は、集束作用を持つ媒質36とその両側に配置された一
対の平面反射鏡3、4とによって構成される共振器内に
放射され、一方の部分透過性鏡面領域14を持つ平面反
射鏡面4でその大部分が反射され、再び集束作用を持つ
媒質36を逆方向に通過し、はじめの平面反射鏡面3で
再び反射され、当該一対の反射鏡面の間隔が2πの整数
倍の位相差を生じさせるとき、平面反射鏡3に連続的に
入射する電磁波は波長の整数倍の位相差で繰返し重畳さ
れ、一対の平面反射鏡3、4の間に置かれた媒質を通過
する際の集束作用により回折損失が抑制され、光軸に沿
った安定な電磁界分布が形成され電磁波のエネルギー分
布は電磁波の伝搬する方向の中心軸付近で高くその軸か
ら離れるに従って急激に低下するガウシアンビーム(基
本モードTEMooq;q−1は縦モード数を表す整数)
で表現される共振器モードが励振され、大きな高周波電
磁界エネルギーとして蓄積され、部分透過性の鏡面領域
14からビームとして放射される。上記一対の反射鏡面
が同じ反射率を持つことから、該共振器の結合損失と内
部損失が等しい臨界結合状態となり、部分透過性の鏡面
領域14を持つ平面鏡4側及び、導波路20との結合部
21を裏面に持つ導体反射鏡面側のいずれから見ても、
共振周波数において無反射となり、一方の平面反射鏡に
入射したと等しい電磁波電力が、導波路モード25から
空間ビーム26へ、あるいは空間ビーム26から導波路
モード25へ変換されるアンテナ装置が実現できる。開
口面電力分布がガウシアンであることから原理的に低サ
イドローブ特性を持つ高い放射効率を持つアンテナ装置
として用いることができる。
周波信号波は導波路20を伝送され、高周波信号の導波
路20との結合部21を経て一方の平面反射鏡面3の導
体反射鏡面18の部分を成す導体ストリップ素子19に
高周波電流を誘起し、該導体反射鏡面領域の高周波電流
は、集束作用を持つ媒質36とその両側に配置された一
対の平面反射鏡3、4とによって構成される共振器内に
放射され、一方の部分透過性鏡面領域14を持つ平面反
射鏡面4でその大部分が反射され、再び集束作用を持つ
媒質36を逆方向に通過し、はじめの平面反射鏡面3で
再び反射され、当該一対の反射鏡面の間隔が2πの整数
倍の位相差を生じさせるとき、平面反射鏡3に連続的に
入射する電磁波は波長の整数倍の位相差で繰返し重畳さ
れ、一対の平面反射鏡3、4の間に置かれた媒質を通過
する際の集束作用により回折損失が抑制され、光軸に沿
った安定な電磁界分布が形成され電磁波のエネルギー分
布は電磁波の伝搬する方向の中心軸付近で高くその軸か
ら離れるに従って急激に低下するガウシアンビーム(基
本モードTEMooq;q−1は縦モード数を表す整数)
で表現される共振器モードが励振され、大きな高周波電
磁界エネルギーとして蓄積され、部分透過性の鏡面領域
14からビームとして放射される。上記一対の反射鏡面
が同じ反射率を持つことから、該共振器の結合損失と内
部損失が等しい臨界結合状態となり、部分透過性の鏡面
領域14を持つ平面鏡4側及び、導波路20との結合部
21を裏面に持つ導体反射鏡面側のいずれから見ても、
共振周波数において無反射となり、一方の平面反射鏡に
入射したと等しい電磁波電力が、導波路モード25から
空間ビーム26へ、あるいは空間ビーム26から導波路
モード25へ変換されるアンテナ装置が実現できる。開
口面電力分布がガウシアンであることから原理的に低サ
イドローブ特性を持つ高い放射効率を持つアンテナ装置
として用いることができる。
【0054】また、図13は、本発明による準光学共振
器を用いたミリ波サブミリ波用装置の実施形態の別の一
例として、ビーム出力型発振器装置への応用を示す説明
図である。この構成は、図6に開示のビーム出力型発振
器の構成と基本的に同じ構成概念であるが、本発明では
球面反射鏡を用いない点で従来技術と異なっている。ビ
ーム出力型発振器の空間との結合部の構成に係わる部分
透過性鏡面34の形成に関しては、短波長化とともに平
面反射鏡を用いる本発明の方法が有利となり重要になる
と考えられる。また、二次元アレー状にビーム出力型発
振装置の配置を実現しようとする場合平面上へのパター
ン形成は従来技術に比べ有利である。
器を用いたミリ波サブミリ波用装置の実施形態の別の一
例として、ビーム出力型発振器装置への応用を示す説明
図である。この構成は、図6に開示のビーム出力型発振
器の構成と基本的に同じ構成概念であるが、本発明では
球面反射鏡を用いない点で従来技術と異なっている。ビ
ーム出力型発振器の空間との結合部の構成に係わる部分
透過性鏡面34の形成に関しては、短波長化とともに平
面反射鏡を用いる本発明の方法が有利となり重要になる
と考えられる。また、二次元アレー状にビーム出力型発
振装置の配置を実現しようとする場合平面上へのパター
ン形成は従来技術に比べ有利である。
【0055】図13の構成では、導波路20を伝送され
た負性抵抗増幅回路22からの微小振幅の高周波信号成
分は一方の反射鏡面の部分を成す導体反射鏡面領域(ス
トリップ素子19)の裏面にある高周波信号の導波路2
0との結合部21を経て該一方の反射鏡面の部分を成す
ストリップ素子19に高周波電流を誘起し、該ストリッ
プ素子19上の高周波電流は、集束作用を持つ媒質36
とその両側に配置された一対の平面反射鏡3、4とから
なり、双方の鏡面での反射波が繰り返し重畳されるよう
に対向させ構成された共振器内に放射され、該負性抵抗
増幅回路22からの微小振幅の高周波信号成分のうち当
該一対の平面反射鏡面3及び4の間隔が2πの整数倍の
位相差を生じさせる周波数成分については、集束作用を
持つ媒質の集光作用により軸に沿った安定な電磁界分布
が形成され、電磁波のエネルギー分布は電磁波の伝搬す
る方向の中心軸付近で高くその軸から離れるに従って急
激に低下するガウシアンビーム(基本モードTEMooq
;qは縦モード数を表す整数)で表現される共振器モ
ードが励振され、発振の初期段階では共振器内部からの
微弱な反射波が該共振器へ結合入射したのと逆向きの経
路を経て負性抵抗増幅回路36に返り、増幅されて再び
導波路20を伝送され結合部21を経て共振器に結合
し、この増幅帰還のループの繰り返しにより共振器内部
の電磁界振幅は増大し、電磁界振幅の成長とともに負性
抵抗による増幅利得が減少し一定振幅の発振状態とな
り、共振器内部に蓄積された高周波電力は、当該共振器
を形成する他方の反射鏡面に設けられ自由空間との電磁
波結合部を成す円形の部分透過性の鏡面領域からガウシ
アンビームを空間へしみ出させる形で放射し、開口面電
力分布がガウシアン又はそれの中心部分を切りとった形
態を成すことから、低サイドローブのビーム出力特性を
持つ発振装置として用いることができる。
た負性抵抗増幅回路22からの微小振幅の高周波信号成
分は一方の反射鏡面の部分を成す導体反射鏡面領域(ス
トリップ素子19)の裏面にある高周波信号の導波路2
0との結合部21を経て該一方の反射鏡面の部分を成す
ストリップ素子19に高周波電流を誘起し、該ストリッ
プ素子19上の高周波電流は、集束作用を持つ媒質36
とその両側に配置された一対の平面反射鏡3、4とから
なり、双方の鏡面での反射波が繰り返し重畳されるよう
に対向させ構成された共振器内に放射され、該負性抵抗
増幅回路22からの微小振幅の高周波信号成分のうち当
該一対の平面反射鏡面3及び4の間隔が2πの整数倍の
位相差を生じさせる周波数成分については、集束作用を
持つ媒質の集光作用により軸に沿った安定な電磁界分布
が形成され、電磁波のエネルギー分布は電磁波の伝搬す
る方向の中心軸付近で高くその軸から離れるに従って急
激に低下するガウシアンビーム(基本モードTEMooq
;qは縦モード数を表す整数)で表現される共振器モ
ードが励振され、発振の初期段階では共振器内部からの
微弱な反射波が該共振器へ結合入射したのと逆向きの経
路を経て負性抵抗増幅回路36に返り、増幅されて再び
導波路20を伝送され結合部21を経て共振器に結合
し、この増幅帰還のループの繰り返しにより共振器内部
の電磁界振幅は増大し、電磁界振幅の成長とともに負性
抵抗による増幅利得が減少し一定振幅の発振状態とな
り、共振器内部に蓄積された高周波電力は、当該共振器
を形成する他方の反射鏡面に設けられ自由空間との電磁
波結合部を成す円形の部分透過性の鏡面領域からガウシ
アンビームを空間へしみ出させる形で放射し、開口面電
力分布がガウシアン又はそれの中心部分を切りとった形
態を成すことから、低サイドローブのビーム出力特性を
持つ発振装置として用いることができる。
【0056】本発明による準光学共振器を用いたミリ波
サブミリ波用装置の部分透過性鏡面領域34について
は、鏡面透過における吸収損失を微小量に抑えることが
高性能ビーム入出力型フィルターや、高い放射効率のア
ンテナ特性を実現する上で必要である。高い導伝率を持
つ良質な金属を鏡面素材として用い、有限な高周波表面
抵抗による損失の効果を最小限にとどめ且つ、部分透過
性鏡面領域2の表面に設ける金属膜による格子パターン
を波長の1/4〜1/25程度の空間周期の範囲のサイ
ズに選ぶことで、電磁波が金属格子領域を染みでる効果
が反射率を支配しするように設計し、透過率数パーセン
トの鏡面領域として用いることで金属格子での透過吸収
の効果は無視できる微小量にでき、高い放射効率のアン
テナ装置や、ビーム入出力型フィルター装置の高い透過
率が確保できる。図4の16及び17は、部分透過性鏡
面領域34を形成するために用いることのできる金属格
子パターンを模式的に示す図と考えられる。金属格子パ
ターン16と17は、基本的な概念を示しており、これ
らの変形が部分透過性鏡面領域34を形成するためのパ
ターンとして利用可能なことはもちろんである。
サブミリ波用装置の部分透過性鏡面領域34について
は、鏡面透過における吸収損失を微小量に抑えることが
高性能ビーム入出力型フィルターや、高い放射効率のア
ンテナ特性を実現する上で必要である。高い導伝率を持
つ良質な金属を鏡面素材として用い、有限な高周波表面
抵抗による損失の効果を最小限にとどめ且つ、部分透過
性鏡面領域2の表面に設ける金属膜による格子パターン
を波長の1/4〜1/25程度の空間周期の範囲のサイ
ズに選ぶことで、電磁波が金属格子領域を染みでる効果
が反射率を支配しするように設計し、透過率数パーセン
トの鏡面領域として用いることで金属格子での透過吸収
の効果は無視できる微小量にでき、高い放射効率のアン
テナ装置や、ビーム入出力型フィルター装置の高い透過
率が確保できる。図4の16及び17は、部分透過性鏡
面領域34を形成するために用いることのできる金属格
子パターンを模式的に示す図と考えられる。金属格子パ
ターン16と17は、基本的な概念を示しており、これ
らの変形が部分透過性鏡面領域34を形成するためのパ
ターンとして利用可能なことはもちろんである。
【0057】反射鏡表面が高い導電性を持つ高純度の銅
やアルミニウム、金、或いは銀のような金属導体による
滑らかな鏡面でできている場合、表面抵抗損失による鏡
面反射損失は、短ミリ波帯で0.1-0.2%程度以下が達成
できる。これらの高品質な金属薄膜素材を用い薄膜微細
加工技術を適用する事で、サブミリ波帯までの高効率な
部分透過性鏡面34が実現できる。
やアルミニウム、金、或いは銀のような金属導体による
滑らかな鏡面でできている場合、表面抵抗損失による鏡
面反射損失は、短ミリ波帯で0.1-0.2%程度以下が達成
できる。これらの高品質な金属薄膜素材を用い薄膜微細
加工技術を適用する事で、サブミリ波帯までの高効率な
部分透過性鏡面34が実現できる。
【0058】図14は、本発明による準光学共振器を用
いたミリ波サブミリ波用装置の実施形態のその他の例と
して、複数の負性抵抗増幅回路を組み合わせ電力合成に
よる高出力を得るためのビーム出力型発振器装置への応
用を示す説明図である。図14は、複数の負性抵抗増幅
回路22がそれぞれ導波路20と接続する結合部21と
ストリップ素子19により共通の準光学共振器に結合
し、全体として一つの発振器として動作させ効率よく電
力合成するための構成である。ここでは、準光学共振器
断面を模式的に示しており、すべての負性抵抗増幅回路
22は同じように作られており、該負性抵抗増幅回路2
2から、導波路20と結合部21、更にストリップ素子
を経て共振器と結合する電気長は、全て同じように作ら
れている。集束作用を持つ媒質36の集束作用により電
磁界分布は準光学共振器の中央部で高くなるガウシアン
ビームとなり、円形の平面導体反射鏡面18と部分透過
性反射鏡面34の直径を選択し、回折損失を実効上無視
できる様に構成する。
いたミリ波サブミリ波用装置の実施形態のその他の例と
して、複数の負性抵抗増幅回路を組み合わせ電力合成に
よる高出力を得るためのビーム出力型発振器装置への応
用を示す説明図である。図14は、複数の負性抵抗増幅
回路22がそれぞれ導波路20と接続する結合部21と
ストリップ素子19により共通の準光学共振器に結合
し、全体として一つの発振器として動作させ効率よく電
力合成するための構成である。ここでは、準光学共振器
断面を模式的に示しており、すべての負性抵抗増幅回路
22は同じように作られており、該負性抵抗増幅回路2
2から、導波路20と結合部21、更にストリップ素子
を経て共振器と結合する電気長は、全て同じように作ら
れている。集束作用を持つ媒質36の集束作用により電
磁界分布は準光学共振器の中央部で高くなるガウシアン
ビームとなり、円形の平面導体反射鏡面18と部分透過
性反射鏡面34の直径を選択し、回折損失を実効上無視
できる様に構成する。
【0059】次に、本発明による準光学共振器を用いた
ミリ波サブミリ波用装置の共振周波数を電気的に微調整
するための具体的な実施形態の一例を示す。図15は、
本発明による図13のビーム出力型発振装置に、付加的
なストリップ素子19と該ストリップ素子の裏面に導波
路20との結合部21を設け、導波路20にはバラクタ
ダイオード等の電気的にインピーダンスを大きく変化で
きる能動素子37を接続し、駆動回路38により該能動
素子37を変化させ、準光学共振器の共振周波数に変化
を与え、結果として図13のビーム出力型発振装置に周
波数変調機能を加えることができる。
ミリ波サブミリ波用装置の共振周波数を電気的に微調整
するための具体的な実施形態の一例を示す。図15は、
本発明による図13のビーム出力型発振装置に、付加的
なストリップ素子19と該ストリップ素子の裏面に導波
路20との結合部21を設け、導波路20にはバラクタ
ダイオード等の電気的にインピーダンスを大きく変化で
きる能動素子37を接続し、駆動回路38により該能動
素子37を変化させ、準光学共振器の共振周波数に変化
を与え、結果として図13のビーム出力型発振装置に周
波数変調機能を加えることができる。
【0060】次に、図16を用いて、本発明による準光
学共振器を用いたミリ波サブミリ波用装置の実施形態の
一例である精密素材計測用装置について説明する。球面
反射鏡を用いた準光学共振器がミリ波帯の精密計測技術
上重要な役割を果たしているが、本発明による新しい準
光学共振器の構成によれば平行平面鏡である部分透過性
反射鏡面34、35と集束作用を持つ媒質36の組み合
わせることで、効率の良い精密測定が可能となる。図1
6は、一対の平行平面の部分透過性反射鏡面34、35
と一対の集束作用を持つ媒質36を組み合わせて構成し
た対称型の準光学共振器の中央に被測定試料42を保持
し、ミリ波サブミリ波信号源39からの入射波1を該準
光学共振器に結合し、透過波2を受信する高感度受信機
44と、入射波1に対する反射波43をサーキュレータ
ー40で分離し受信する高感度受信機44からなり、鏡
面位置を調整し、共振周波数及び縦モード数の設定をす
るために、一対の平行平面の部分透過性反射鏡面34、
35は、それぞれの位置を光軸に沿って可変するための
駆動機構45を備えている。また、被測定試料42の位
置を調整するために光軸に沿って試料を移動する駆動機
構41を備えている。
学共振器を用いたミリ波サブミリ波用装置の実施形態の
一例である精密素材計測用装置について説明する。球面
反射鏡を用いた準光学共振器がミリ波帯の精密計測技術
上重要な役割を果たしているが、本発明による新しい準
光学共振器の構成によれば平行平面鏡である部分透過性
反射鏡面34、35と集束作用を持つ媒質36の組み合
わせることで、効率の良い精密測定が可能となる。図1
6は、一対の平行平面の部分透過性反射鏡面34、35
と一対の集束作用を持つ媒質36を組み合わせて構成し
た対称型の準光学共振器の中央に被測定試料42を保持
し、ミリ波サブミリ波信号源39からの入射波1を該準
光学共振器に結合し、透過波2を受信する高感度受信機
44と、入射波1に対する反射波43をサーキュレータ
ー40で分離し受信する高感度受信機44からなり、鏡
面位置を調整し、共振周波数及び縦モード数の設定をす
るために、一対の平行平面の部分透過性反射鏡面34、
35は、それぞれの位置を光軸に沿って可変するための
駆動機構45を備えている。また、被測定試料42の位
置を調整するために光軸に沿って試料を移動する駆動機
構41を備えている。
【0061】図17は、一対の平行平面の部分透過性反
射鏡面34、35と集束作用を持つ媒質36を組み合わ
せ、被測定試料42を鏡面状に配置した素材測定用共振
器の構成であり、共振周波数を固定し、他の物理的作用
を加えることで生じる微小な変化を検出するのに適して
いる。この準光学的共振器の構成は、図16の構成の準
光学共振器と置き換えて使用することができる。
射鏡面34、35と集束作用を持つ媒質36を組み合わ
せ、被測定試料42を鏡面状に配置した素材測定用共振
器の構成であり、共振周波数を固定し、他の物理的作用
を加えることで生じる微小な変化を検出するのに適して
いる。この準光学的共振器の構成は、図16の構成の準
光学共振器と置き換えて使用することができる。
【0062】具体的には、短ミリ波からサブミリ波にお
ける磁気共鳴の測定で、周波数を固定し、磁場を掃引し
微細な共鳴構造を分析するために有効で有る。100〜
600GHzの磁気共鳴の測定には、4〜24テスラの
均一な磁場中に配置する必要があり、本発明による準光
学共振器の構成法によれば、小型で高い精度の共振器を
提供できることから、高周波磁気共鳴分野での利用が期
待できる。
ける磁気共鳴の測定で、周波数を固定し、磁場を掃引し
微細な共鳴構造を分析するために有効で有る。100〜
600GHzの磁気共鳴の測定には、4〜24テスラの
均一な磁場中に配置する必要があり、本発明による準光
学共振器の構成法によれば、小型で高い精度の共振器を
提供できることから、高周波磁気共鳴分野での利用が期
待できる。
【0063】
【発明の効果】本発明による準光学共振器を用いたミリ
波サブミリ波用装置では、共振器の空間との結合部が平
面鏡である部分透過性の反射鏡面になることから、 短ミリ波サブミリ波帯の高いフィネスを持つビーム入
出力型フィルターとして位相の乱れを生じ無い理想的な
高性能フィルターの実現が可能となった。 球面上へのパターン形成が不要となりアンテナの製作
上の自由度が増し、より複雑で高い加工精度が要求され
るアレーアンテナ等への発展の可能性が得られた。さら
に、多数の発振素子を並列配置することが容易であり、
特に100GHz以上の周波数帯での利点は大きい。 短ミリ波からサブミリ波帯での電磁波と物質素材の相
互作用を効果的に行うために、小型の高い精度の共振器
と反射面パターンの精密加工が重要であったが、本発明
による準光学共振器を用いたミリ波サブミリ波用装置で
は平面鏡の微細加工ですむことから従来の凹球面基板を
用いることによる微細加工上の困難と同時に、図5の凹
球面基板15自体が、入射波1の位相に乱れを生じさせ
る弊害の両方を同時に解決できる手法が実現された。
波サブミリ波用装置では、共振器の空間との結合部が平
面鏡である部分透過性の反射鏡面になることから、 短ミリ波サブミリ波帯の高いフィネスを持つビーム入
出力型フィルターとして位相の乱れを生じ無い理想的な
高性能フィルターの実現が可能となった。 球面上へのパターン形成が不要となりアンテナの製作
上の自由度が増し、より複雑で高い加工精度が要求され
るアレーアンテナ等への発展の可能性が得られた。さら
に、多数の発振素子を並列配置することが容易であり、
特に100GHz以上の周波数帯での利点は大きい。 短ミリ波からサブミリ波帯での電磁波と物質素材の相
互作用を効果的に行うために、小型の高い精度の共振器
と反射面パターンの精密加工が重要であったが、本発明
による準光学共振器を用いたミリ波サブミリ波用装置で
は平面鏡の微細加工ですむことから従来の凹球面基板を
用いることによる微細加工上の困難と同時に、図5の凹
球面基板15自体が、入射波1の位相に乱れを生じさせ
る弊害の両方を同時に解決できる手法が実現された。
【図1】公知の一対の平行平面鏡からなるファブリ・ペ
ロー共振器の構成を示す説明図。
ロー共振器の構成を示す説明図。
【図2】公知の部分透過性反射鏡面を持つ一対の球面反
射鏡を用いた準光学共振器の構成を示す説明図。
射鏡を用いた準光学共振器の構成を示す説明図。
【図3】公知の導波管に接続された微小結合孔を持つ球
面反射鏡を用いた準光学共振器の構成の一例を示す説明
図。
面反射鏡を用いた準光学共振器の構成の一例を示す説明
図。
【図4】公知の薄膜導体格子からなる部分透過性結合領
域を持つ球面反射鏡の構成を示す説明図。
域を持つ球面反射鏡の構成を示す説明図。
【図5】公知の薄膜導体格子からなる部分透過性結合領
域を持つ球面反射鏡を用いた準光学共振器の構成を示す
説明図。
域を持つ球面反射鏡を用いた準光学共振器の構成を示す
説明図。
【図6】公知の球面反射鏡を用いた準光学共振器を用い
たビーム出力型発振器の構成を示す説明図。
たビーム出力型発振器の構成を示す説明図。
【図7】公知の平凸球面状の誘電体基板を用いたガウシ
アンビーム型アンテナ装置の構成の一例を示す説明図
アンビーム型アンテナ装置の構成の一例を示す説明図
【図8】公知の平凸レンズの電磁波に対する集束作用を
模式的に示す説明図
模式的に示す説明図
【図9】本発明による準光学共振器を用いたミリ波サブ
ミリ波用装置の一部を成す集束媒質と反射鏡の組み合わ
せによる機能を模式的に示す説明図。
ミリ波用装置の一部を成す集束媒質と反射鏡の組み合わ
せによる機能を模式的に示す説明図。
【図10】本発明による準光学共振器を用いたミリ波サ
ブミリ波用装置の実施形態の一例であるビーム入出力型
フィルター装置を模式的に示す説明図。
ブミリ波用装置の実施形態の一例であるビーム入出力型
フィルター装置を模式的に示す説明図。
【図11】本発明による準光学共振器を用いたミリ波サ
ブミリ波用装置の準光学共振器の一般構成を模式的に示
す説明図。
ブミリ波用装置の準光学共振器の一般構成を模式的に示
す説明図。
【図12】本発明による準光学共振器を用いたミリ波サ
ブミリ波用装置の実施形態の他の一例であるガウシアン
ビーム型アンテナ装置の構成を示す説明図。
ブミリ波用装置の実施形態の他の一例であるガウシアン
ビーム型アンテナ装置の構成を示す説明図。
【図13】本発明による準光学共振器を用いたミリ波サ
ブミリ波用装置の実施形態の別の一例であるビーム出力
型発振装置の構成を示す説明図。
ブミリ波用装置の実施形態の別の一例であるビーム出力
型発振装置の構成を示す説明図。
【図14】本発明による準光学共振器を用いたミリ波サ
ブミリ波用装置の実施形態のその他の一例である電力合
成機能を持つビーム出力型発振装置の構成を示す説明
図。
ブミリ波用装置の実施形態のその他の一例である電力合
成機能を持つビーム出力型発振装置の構成を示す説明
図。
【図15】本発明による準光学共振器を用いたミリ波サ
ブミリ波用装置の実施形態のその他の一例である発振周
波数を可変とするビーム出力型発振装置の構成を示す説
明図。
ブミリ波用装置の実施形態のその他の一例である発振周
波数を可変とするビーム出力型発振装置の構成を示す説
明図。
【図16】本発明による準光学共振器を用いたミリ波サ
ブミリ波用装置の実施形態のその他の一例である精密素
材計測用装置の構成を示す説明図。
ブミリ波用装置の実施形態のその他の一例である精密素
材計測用装置の構成を示す説明図。
【図17】本発明による準光学共振器を用いたミリ波サ
ブミリ波用装置の実施形態のその他の一例である精密素
材計測用装置の他の共振器構成を示す説明図。
ブミリ波用装置の実施形態のその他の一例である精密素
材計測用装置の他の共振器構成を示す説明図。
1:入射波 2:透過波 3:平面反射鏡 4:平面反射鏡 5:繰り返し反射波5 6:球面反射鏡 7:球面反射鏡 8:基本共振モード 9:微小結合孔 10:微小結合孔 11:金属導波管 12:共振器側へ入った電磁波 13:球面反射鏡 14:部分透過性結合部 15:球面基板 16:薄膜導体格子(一次元) 17:薄膜導体格子(二次元) 18:導体反射鏡面 19:導体反射鏡面の一部を成すストリップ素子 20:導波路 21:導波路との結合部 22:負性抵抗増幅回路 23:発振出力ビーム 24:送信回路又は受信回路 25:導波路モード 26:空間ビーム 27:誘電体基板 28:平凸レンズの集光作用を模式的に示す図 29:二つの平凸レンズの集光作用を模式的に示す図 30:平面鏡に平凸レンズを組み合わせた反射鏡を模式
的に示す図 31:等価な集束作用を持つ球面反射鏡を模式的に示す
図 32:平板型集束作用を持つ媒質 33:凸レンズを含む集束作用を持つ媒質 34:部分透過性反射鏡面 35:部分透過性反射鏡面 36:集束作用を持つ媒質 37:能動素子 38:駆動回路 39:ミリ波サブミリ波信号源 40:サーキュレーター 41:光軸方向の駆動装置 42:被測定試料 43:反射波 44:高感度受信機 45:光軸方向の駆動装置
的に示す図 31:等価な集束作用を持つ球面反射鏡を模式的に示す
図 32:平板型集束作用を持つ媒質 33:凸レンズを含む集束作用を持つ媒質 34:部分透過性反射鏡面 35:部分透過性反射鏡面 36:集束作用を持つ媒質 37:能動素子 38:駆動回路 39:ミリ波サブミリ波信号源 40:サーキュレーター 41:光軸方向の駆動装置 42:被測定試料 43:反射波 44:高感度受信機 45:光軸方向の駆動装置
Claims (11)
- 【請求項1】電磁波信号波に対し集束作用を持つ媒質の
両側に、一対の平面反射鏡を配置し、双方の鏡面での反
射波が、該集束作用を持つ媒質を通過し繰り返し重畳さ
れるように対向させ共振器を構成し、該一対の平面反射
鏡は波長に比較して細かな格子状の導体パターンからな
る部分透過性の鏡面であり、当該共振器内部で繰り返し
反射する電磁波信号波に対し、上記一対の反射鏡面が同
じ反射損失を持つことを特徴とする準光学共振器を用い
たミリ波サブミリ波用装置。 - 【請求項2】電磁波信号波に対し集束作用を持つ媒質の
両側に、一対の平面反射鏡を配置し、双方の鏡面での反
射波が該集束作用を持つ媒質を通過し繰り返し重畳され
るように対向させ共振器を構成し、一方の反射鏡面に当
該共振器の光軸を中心とする円形の部分透過性の鏡面領
域を設け自由空間との電磁波結合部を成し、当該部分透
過性の鏡面領域が波長に比較して細かな格子状の導体パ
ターンからなる反射鏡面であり、当該共振器を構成する
他方の反射鏡は導体反射鏡面からなり、該反射鏡面の部
分を成すストリップ素子と、該ストリップ素子の裏面に
は高周波信号の導波路との結合部を備え、上記一対の反
射鏡面が同じ反射損失を持つことを特徴とする準光学共
振器を用いたミリ波サブミリ波用装置。 - 【請求項3】電磁波信号波に対し集束作用を持つ媒質の
両側に、一対の平面反射鏡を配置し、双方の鏡面での反
射波が該集束作用を持つ媒質を通過し繰り返し重畳され
るように対向させた共振器の構成と、一つ又は複数の負
性抵抗増幅回路と、該一対の平面反射鏡の一方は部分透
過性の反射鏡面であり、当該共振器を構成する他方の反
射鏡は導体反射鏡面からなり、該導体反射鏡面の一部を
なすストリップ素子の裏面に当該共振器と該一つ又は複
数の負性抵抗増幅回路の間を個別に高周波信号の導波路
により接続する結合部を備え、上記一対の反射鏡面の一
方の部分透過性の反射鏡面の反射率が、当該共振器の他
の導体反射鏡面を構成し負性抵抗増幅回路素子との結合
部を裏面に持つ反射鏡面の反射率に比較し高いことを特
徴とする準光学共振器を用いたミリ波サブミリ波用装
置。 - 【請求項4】電磁波信号源と電磁波信号波の伝送路と、
電磁波信号波に対し集束作用を持つ媒質の両側に、一対
の平面反射鏡を対向させ互いに平行に配置した共振器の
構成と、当該共振器を構成する該一対の平面反射鏡の導
体反射鏡面の中央部には、電磁波の波長に比較し1/2
0から1/100の空間周期の導体グリッド構造からな
る電磁波結合部を備え、平面状の被測定試料を当該共振
器の中央に移動し、該一対の反射鏡面と平行に保持する
機構又は、一方の導体反射鏡面上に保持する機構を持
ち、該共振器を構成する一対の反射鏡面の反射率が同じ
であり、該共振器を構成する一方の反射鏡面から入射し
た電磁波信号の反射波及び、他方の反射鏡面から出力さ
れる透過波を検出するための受信機とからなることを特
徴とする準光学共振器を用いたミリ波サブミリ波用装
置。 - 【請求項5】該一対の平行平面反射鏡面の間隔を一定に
保持する構成、又は、当該平行平面反射鏡面間隔を可変
調整させる駆動機構を持つことを特徴とする請求項1、
2、3及び4の準光学共振器を用いたミリ波サブミリ波
用装置。 - 【請求項6】該集束作用を持つ媒質は、電磁波信号波に
対し低損失な誘電体を用いた凸レンズ状であり、当該集
束作用を持つ媒質の厚さは実効波長の1/2又は、その
整数倍であることを特徴とする請求項1、2、3及び4
の準光学共振器を用いたミリ波サブミリ波用装置。 - 【請求項7】該集束作用を持つ媒質は、電磁波信号波に
対し低損失な誘電体を用いた平面板状であり、当該媒質
の厚さは中央部で実効波長の1/2又は、その整数倍の
厚さであり、周辺部では中央部に比較し実効的に薄くな
る中心部で高く周辺で低い屈折率分布を持つことを特徴
とする請求項1、2、3及び4の準光学共振器を用いた
ミリ波サブミリ波用装置。 - 【請求項8】該一対の平面反射鏡の鏡面導体は、マイク
ロ波、ミリ波、サブミリ波帯の電磁波に対し高周波損失
の小さい銅、アルミニウム、金、及び超伝導体等の薄膜
であることを特徴とする請求項1、2、3及び4の準光
学共振器を用いたミリ波サブミリ波用装置。 - 【請求項9】該集束作用を持つ媒質は、マイクロ波、ミ
リ波、サブミリ波帯の電磁波に対して低損失誘電体であ
るサファイア、石英、ダイヤモンド、酸化マグネシウ
ム、シリコン、ガリウムヒ素、インジウムリン、オレフ
ィン、ポリエチレン、PTFE、窒化シリコン、窒化ア
ルミ、及び微細粒子原料を用い発砲性の低誘電率セラミ
ックス等からなることを特徴とする請求項1、2、3及
び4の準光学共振器を用いたミリ波サブミリ波用装置。 - 【請求項10】電磁波信号波に対し集束作用を持つ媒質
の両側に、対向させて配置した当該一対の平面反射鏡の
一方の反射鏡に、高周波電磁界の導波路との結合部以外
の副次的な結合部を設け、バラクターダイオード等の能
動素子を装荷した回路と、当該能動素子に結合する駆動
回路と、該駆動回路に接続する信号源とからなることを
特徴とする請求項1、2及び3の準光学共振器を用いた
ミリ波サブミリ波用装置。 - 【請求項11】該平面状の被測定試料の付近に均一な磁
場分布を与える磁場発生機構と、当該磁場発生機構によ
る磁場は、24テスラ以下の磁場について連続可変掃引
できる構成であり、該平面状の被測定試料の付近に、変
調磁場を与えるための交流磁場発生装置とからなること
を特徴とする請求項4の準光学共振器を用いたミリ波サ
ブミリ波用装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3004796A JP2869861B2 (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | 準光学共振器を用いたミリ波サブミリ波用装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3004796A JP2869861B2 (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | 準光学共振器を用いたミリ波サブミリ波用装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09205319A true JPH09205319A (ja) | 1997-08-05 |
JP2869861B2 JP2869861B2 (ja) | 1999-03-10 |
Family
ID=12292917
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3004796A Expired - Lifetime JP2869861B2 (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | 準光学共振器を用いたミリ波サブミリ波用装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2869861B2 (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2014190964A (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-06 | Anritsu Corp | ミリ波帯スペクトラム解析装置および解析方法 |
CN104155527A (zh) * | 2014-07-29 | 2014-11-19 | 北京无线电计量测试研究所 | X波段准光腔材料的测定方法及其介电常数测量方法 |
CN110911438A (zh) * | 2018-09-14 | 2020-03-24 | 昆山国显光电有限公司 | 显示面板、显示屏和显示终端 |
CN113608032A (zh) * | 2021-07-08 | 2021-11-05 | 中电科思仪科技股份有限公司 | 一种准光腔双层材料介电性能测试方法 |
US11322726B2 (en) | 2018-09-14 | 2022-05-03 | Kunshan Go-Visionox Opto-Electronics Co., Ltd. | Display panel, display screen, and display terminal with multiple light paths and compensation layer in groove |
WO2023095525A1 (ja) * | 2021-11-23 | 2023-06-01 | Emラボ株式会社 | 開放形共振器を用いた誘電特性測定方法および誘電特性測定システム |
-
1996
- 1996-01-24 JP JP3004796A patent/JP2869861B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2023076781A (ja) * | 2021-11-23 | 2023-06-02 | Emラボ株式会社 | 開放形共振器を用いた誘電特性測定方法および誘電特性測定システム |
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