JPH09204613A - 写真用磁気情報読み取り装置用研磨テープ、写真用磁気情報読み取り装置研磨テープ包装体及び写真用磁気情報読み取り装置のクリーニング方法 - Google Patents

写真用磁気情報読み取り装置用研磨テープ、写真用磁気情報読み取り装置研磨テープ包装体及び写真用磁気情報読み取り装置のクリーニング方法

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JPH09204613A
JPH09204613A JP3440396A JP3440396A JPH09204613A JP H09204613 A JPH09204613 A JP H09204613A JP 3440396 A JP3440396 A JP 3440396A JP 3440396 A JP3440396 A JP 3440396A JP H09204613 A JPH09204613 A JP H09204613A
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JP
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abrasive
layer
tape
polishing tape
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JP3440396A
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English (en)
Inventor
Yoshio Sakakibara
義夫 榊原
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ヘッドに付着した汚れを取り除いて安定
した磁気記録再生を行うために、ホコリやゴミのつきに
くい写真用磁気情報読み取り装置用研磨テープを提供す
る。 【解決手段】 可撓性支持体上の一方の最表面に、モー
ス高度が5以上の研磨剤を含む研磨剤層を有し、さらに
少なくとも一層の導電性層を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は写真用磁気情報読み
取り装置用研磨テープ、写真用磁気情報読み取り装置研
磨テープ包装体及び写真用磁気情報読み取り装置のクリ
ーニング方法に関するもので、写真用磁気情報読み取り
装置に付着した汚れを研磨除去し、磁気情報の読み取り
エラーを低減する写真用磁気読み取り装置用研磨テー
プ、写真用磁気情報読み取り装置研磨テープ包装体及び
写真用磁気情報読み取り装置のクリーニング方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、写真フィルムは光学的に情報を記
録するのみであったが、最近、特開平4−68336号
公報などに記載されているようにバック層に磁気記録層
を組み込むことにより、撮影時や現像時の情報を磁気記
録できる写真フィルムが開示されている。これらの写真
フィルムでは正確な磁気記録が行われることが必要であ
るが、写真フィルムのバインダーやフィルムを収納して
いるカートリッジの屑や、フィルムを現像したあとフィ
ルムに残った現像処理剤などの汚れが磁気ヘッドに付着
し、そのスペースロスにより出力の低下がひきおこされ
ることがある。これらのヘッド付着ゴミを取り除くため
に研磨層を有したフィルムが有効であるが、場合によっ
てはこういう研磨層フィルムを使用したとき、研磨層フ
ィルムに静電気によって付着したホコリなどのゴミによ
りかえって出力低下が起こることがわかった。特に、研
磨層と反対面に親水性コロイド層を設置するとき、カー
ルバランスを良くしたり、同種のカートリッジに入れら
れる写真フィルムと同様の挙動がとれるなどのメリット
があり好ましいが、スリット時や走行時に親水性コロイ
ド層から発生する切り屑などのゴミがかえって悪影響を
及ぼすこともあることがわかってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、磁気
ヘッドに付着した汚れを取り除いて安定した磁気記録再
生を行うために、ホコリやゴミのつきにくい写真用磁気
情報読み取り装置用研磨テープ、写真用磁気情報読み取
り装置研磨テープ包装体及び写真用磁気情報読み取り装
置のクリーニング方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明の写真用磁気
情報読み取り装置用研磨テープは可撓性支持体上の一方
の最表面に、モース硬度が5以上の研磨剤を含む研磨剤
層を有し、さらに少なくとも一層の導電性層を有するこ
とを特徴とする。また、研磨剤層中の研磨剤含有量が5
g/m2 以上50g/m2 以下であること、研磨剤層と
反対側に親水性コロイド層を有すること、研磨剤が、酸
化鉄、アルミナ、酸化クロム、炭化珪素、ダイヤモンド
から選ばれる少なくとも1種からなること、研磨剤層の
表面粗さがJIS B0601による中心線平均粗さ
(Ra)で0.02〜0.5μmであること、が好まし
い。
【0005】(2)カートリッジ本体101の内部に、
前記(1)の研磨テープ102を巻きつけたスプール1
03を回転自在に収納し、該スプール103の回転によ
り前記研磨テープ102の先端が自由にカートリッジ外
部に送り出し可能であり、カートリッジ本体101は前
記研磨テープ102を送り出すため、遮光機構を有して
もよい前記研磨テープ102の送り出し通路を有し、前
記スプール103のスプール軸112の両端内側に、そ
れぞれ一対のリップ付きフランジ113、114が前記
研磨テープ102保持のため取り付けられていることを
特徴とする写真用磁気情報読み取り装置研磨テープ包装
体。
【0006】(3)前記(1)の写真用磁気情報読み取
り装置用研磨テープ又は前記(2)の写真用磁気情報読
み取り装置研磨テープ包装体を用いる写真用磁気情報読
み取り装置のクリーニング方法。
【0007】上記(1)の態様は、支持体上に所定のモ
ース硬度の研磨剤を含む研磨層を有し、さらに少なくと
も一層の導電性層を有する写真用磁気装置の研磨テープ
である。
【0008】この様な技術は、写真用には今迄のところ
開示されておらず、研磨層の他に導電性層を有する研磨
テープとすることにより、本発明の課題を達成すること
ができる。
【0009】態様(2)は、該テープをカートリッジを
用いた包装体にすることにより、特定なカメラ、プリン
ターなどへの使用により、本発明の課題達成に好ましい
態様である。
【0010】また、態様(3)は、前記(1)の研磨テ
ープの使用もしくは態様(2)の特定カートリッジを用
いた包装体にして該研磨テープを使用することにより、
写真用磁気装置をクリーニングする方法であって、本発
明の課題を達成するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明における研磨層の研磨剤と
しては、酸化鉄、アルミナ、酸化クロム、炭化硅素、ダ
イヤモンド、人工ダイヤモンド等のモース硬度5以上の
研磨剤を単独又は混合使用してもよい。平均粒子サイズ
は、0.1〜10μmの範囲である。好ましくは、0.
1〜5.0μmであり、より好ましくは0.2〜1.0
μmである。研磨剤の塗布量は、5g/m2 以上50g
/m2 以下である。5g/m2 より少ない場合は、磁気
出力を回復するのに要する研磨テープの長さが多くな
り、また、50g/m2 より多い場合には製造上、コス
ト上の制約を受けることとなる。研磨層に使用されるバ
インダーとしては塩ビ系樹脂、ウレタン樹脂及びポリイ
ソシアネート以外に、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、反応型樹脂、電子線硬化型樹脂、紫外線硬化型
樹脂、可視光線硬化型樹脂、防黴樹脂やこれらの混合物
を使用することができる。
【0012】熱可塑性樹脂としては軟化温度が150℃
以下、平均分子量が10,000〜300,000、重
合度が約50〜2,000程度のものでより好ましくは
200〜700程度であり、例えば、アクリル酸エステ
ルアクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル塩化
ビニリデン共重合体、アクリル酸エステルスチレン共重
合体、メタクリル酸エステルアクリロニトリル共重合
体、メタクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合体、メ
タクリル酸エステルスチレン共重合体、ウレタンエラス
トマー、ナイロン−シリコン系樹脂、ニトロセルロース
−ポリアミド樹脂、ポリフッカビニル、塩化ビニリデン
アクリロニトリル共重合体、ブタジエンアクリロニトリ
ル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、
セルロース誘導体(セルロースアセテートブチレート、
セルロースダイアセテート、セルローストリアセテー
ト、セルロースプロピオネート、ニトロセルロース、エ
チルセルロース、メチルセルロース、プロピルセルロー
ス、メチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、アセチルセルロース等)、スチレンブタジエン共
重合体、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ク
ロロビニルエーテルアクリル酸エステル共重合体、アミ
ノ樹脂、各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂及びこれらの
混合物等が使用される。
【0013】特に塩ビ系樹脂としては、例えば塩化ビニ
ル酢酸ビニルビニルアルコール共重合体、塩化ビニルビ
ニルアルコール共重合体、塩化ビニル塩化ビニリデン共
重合体、塩化ビニルアクリロニトリル共重合体等が挙げ
られ、中でも、塩化ビニルの共重合体であるー(CHC
lCH2n ー(CHXCH2m ー(Xは、ーSO3
Na、ーSO3 H、ーPO4 H等の極性基)を基本単位
とするものが研磨層の強度及び研磨剤粒子の分散性の面
で望ましい。塩ビ系樹脂の中でも特に望ましいのは、分
散性、塗布膜強度の点から日本ゼオン社製のMR11
0、400X110A等である。また熱硬化性樹脂又は
反応型樹脂としては塗布液の状態では200,000以
下の分子量であり、塗布、乾燥後に加熱加湿することに
より、縮合、付加等の反応により分子量は無限大のもの
となる。また、これらの樹脂のなかで、樹脂が熱分解す
るまでの間に軟化又は溶融しないものが好ましい。具体
的には例えばフェノール樹脂、フェノキシ樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウ
レタンポリカーボネート樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、アクリル系反応樹
脂(電子線硬化樹脂)、エポキシ−ポリアミド樹脂、ニ
トロセルロースメラミン樹脂、高分子量ポリエステル樹
脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、メタクリル
酸塩共重合体とジイソシアネートプレポリマーの混合
物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの
混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリコー
ル/高分子量ジオール/トリフェニルメタントリイソシ
アネートの混合物、ポリアミン樹脂、ポリイミン樹脂及
びこれらの混合物等である。特にウレタン系樹脂として
は、特に制限されず従来よりバインダー樹脂として公知
のものを使用することができる。例えば、100%モジ
ュラスが50〜300Kg/mm2 のものが、ガラス転
移温度(Tg )は、−30〜50℃であるものが研磨材
を研磨層に保持する性能、また塗膜に適度の弾性を付与
するので望ましい。
【0014】具体的には大日本インキ(株)社製のC−
7209、パンデックス、日本ポリウレタン(株)社製
のN−2301、N−2302、N−2304、N−3
107、東洋紡(株)社製のUR−8200、UR−8
300、UR−8600等が挙げられ、中でも研磨剤粒
子の分散を促進させるための極性基を分子内に有するも
のが好ましい。これらの熱可塑、熱硬化性樹脂、反応型
樹脂は、本発明の官能基以外に官能基としてカルボン酸
(COOM)、スルフィン酸、スルフェン酸、スルホン
酸(SO3 M)、燐酸(PO(OM)(OM))、ホス
ホン酸、硫酸(OSO3 M)、及びこれらのエステル基
等の酸性基(MはH、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、炭化水素基)、アミノ酸類;アミノスルホン酸類、
アミノアルコールの硫酸又は燐酸エステル類、スルフォ
ベタイン、ホスホベタイン、アルキルベタイン型等の両
性類基、アミノ基、イミノ基、イミド基、アミド基等ま
た、水酸基、アルコキシル基、チオール基、アルキルチ
オ基、ハロゲン基(F、Cl、Br、I)、シリル基、
シロキサン基、エポキシ基、イソシアナト基、シアノ
基、ニトリル基、オキソ基、アクリル基、フォスフィン
基を通常1種以上6種以内含んでも良い、そして各々の
官能基は樹脂1gあたり1×10-6eq〜1×10-2
q含むことが研磨剤粒子の分散の促進、研磨層塗布膜の
強度の向上のために含んでも良い。
【0015】研磨層の研磨剤とバインダー樹脂との混合
割合は重量比で研磨剤100重量部に対してバインダー
樹脂5〜700重量部の範囲で使用される。好ましくは
5〜500重量部の範囲である。特に、7〜200重量
部の範囲が好ましい。本発明に用いられるポリイソシア
ネートとしては、特に制限されず従来よりバインダー樹
脂として公知のものを使用することができる。例えば、
トリレンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1、5
−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタン
トリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の
イソシアネート類、また当該イソシアネート類とポリア
ルコールとの生成物、またイソシアネート類の縮合に依
って生成した2〜10量体のポリイソシアネート、また
ポリイソシアネートとポリウレタンとの生成物で末端官
能基がイソシアネート等が挙げられ、中でもイソシアネ
ート基(−NCO)を1分子内中に3個以上あると架橋
が三次元的になされるので望ましい。
【0016】これらポリイソシアネート類の平均分子量
は100〜20000のものが好適である。これらポリ
イソシアネートの市販されている商品名としては、コロ
ネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロ
ネート2031、ミリオネートMR、ミリオネートMT
L(日本ポリウレタン株製)、タケネートD−102、
タケネートD−110N、タケネートD−200、タケ
ネートD−202、タケネート300S、タケネート5
00(武田薬品株製)、スミジュールT−80、スミジ
ュール44S、スミジュールPF、スミジュールL、ス
ミジュールNデスモジュールL、デスモジュールIL、
デスモジュールN、デスモジュールHL、デスモジュー
ルT65、デスモジュール15、デスモジュールR、デ
スモジュールRF、デスモジュールSL、デスモジュー
ルZ4273(住友バイエル社製)等があり、これらを
単独又は硬化反応性の差を利用して二つ又はそれ以上の
組み合わせによって使用することができる。また硬化反
応を促進する目的で、水酸基(ブタンジオール、ヘキサ
ンジオール、分子量が1000〜10000のポリウレ
タン、水等)、アミノ基(モノメチルアミン、ジメチル
アミン、トリメチルアミン等)を有する化合物や金属酸
化物の触媒や鉄アセチルアセトネート等の触媒を併用す
ることもできる。これらの水酸基やアミノ基を有する化
合物は多官能である事が望ましい。
【0017】上記のポリイソシアネートの中でも特に望
ましいのは、3次元的架橋密度を促進向上させるため、
3官能ポリイソシアネートが好ましく、日本ポリウレタ
ン社製のコロネート3040等が挙げられる。その他、
研磨層中には各種の機能を持った化合物が添加剤として
添加される。例えば、分散剤、潤滑剤、帯電防止剤、酸
化防止剤、防黴剤、着色剤、溶剤等が加えられる。分散
剤、分散助剤はバインダーへの研磨剤の分散を助ける目
的で加えることがある。分散剤、分散助剤としては、カ
プリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン
酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸、ベヘン
酸、マレイン酸、フタル酸等の炭素数2〜40個の脂肪
酸(R1 COOH、R1 は炭素数1〜39個のアルキル
基、フェニル基、アラルキル基)、前記の脂肪酸のアル
カリ金属(Li、Na、K、NH4 + 等)又はアルカリ
土類金属(Mg、Ca、Ba等)、Cu、Pb等から成
る金属石鹸(オレイン酸銅、等)、脂肪酸アミド;レシ
チン(大豆油レシチン)等が使用される。この他に炭素
数4〜40の高級アルコール、(ブタノール、オクチル
アルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコ
ール)及びこれらの硫酸エステル、スルホン酸、フェニ
ルスルホン酸、アルキルスルホン酸、スルホン酸エステ
ル、燐酸モノエステル、燐酸ジエステル、燐酸トリエス
テル、アルキルホスホン酸、フェニルホスホン酸、アミ
ン化合物等も使用可能である。また、ポリエチレングリ
コール、ポリエチレンオキサイド、スルホ琥珀酸、スル
ホ琥珀酸金属塩、スルホ琥珀酸エステル等も使用可能で
ある。これらの分散剤は通常一種類以上で用いられ、一
種類の分散剤はバインダー100重量部に対して0.0
05〜20重量部の範囲で添加される。これら分散剤の
使用方法は、強磁性微粉末や非磁性微粉末の表面に予め
被着させても良く、また分散途中で添加してもよい。
【0018】粉末状潤滑剤としては、グラファイト、二
硫化モリブデン、窒化硼素、弗化黒鉛、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、酸化珪素、酸化チタン、酸化亜鉛、
酸化錫、二硫化タングステン等の無機微粉末、アクリル
スチレン系樹脂微粉末、ベンゾグアナミン系樹脂微粉
末、メラミン系樹脂微粉末、ポリオレフイン系樹脂微粉
末、ポリエステル系樹脂微粉末、ポリアミド系樹脂微粉
末、ポリイミド系樹脂微粉末、ポリフッ化エチレン系樹
脂微粉末等の樹脂微粉末等がある。研磨層には、更に摩
擦係数の低減、塗布膜の弾性のコントロールという効果
を期待して以下のような有機化合物系潤滑剤を添加する
こともできる。その際の添加量としては、研磨剤粒子に
対して重量百分比で0.01〜10重量%である。好ま
しくは0.05〜5重量%である。また有機化合物系潤
滑剤としてはシリコンオイル(ジアルキルポリシロキサ
ン、ジアルコキシポリシロキサン、フェニルポリシロキ
サン、フルオロアルキルポリシロキサン(信越化学製K
F96、KF69等))、脂肪酸変性シリコンオイル、
フッ素アルコール、ポリオレフィン(ポリエチレンワッ
クス、ポリプロピレン等)、ポリグリコール(エチレン
グリコール、ポリエチレンオキシドワックス等)、テト
ラフルオロエチレンオキシドワックス、ポリテトラフル
オログリコール、パーフルオロアルキルエーテル、パー
フルオロ脂肪酸、パーフルオロ脂肪酸エステル、パーフ
ルオロアルキル硫酸エステル、パーフルオロアルキルス
ルホン酸エステル、パーフルオロアルキルベンゼンスル
ホン酸エステル、パーフルオロアルキル燐酸エステル等
の弗素や珪素を導入した化合物、アルキル硫酸エステ
ル、アルキルスルホン酸エステル、アルキルホスホン酸
トリエステル、アルキルホスホン酸モノエステル、アル
キルホスホン酸ジエステル、アルキル燐酸エステル、琥
珀酸エステル等の有機酸及び有機酸エステル化合物、ト
リアザインドリジン、テトラアザインデン、ベンゾトリ
アゾール、ベンゾトリアジン、ベンゾジアゾール、ED
TA等の窒素・硫黄を含む複素(ヘテロ)環化合物、炭
素数10〜40の一塩基性脂肪酸と炭素数2〜40個の
一価のアルコール、二価のアルコール、三価のアルコー
ル、四価のアルコール及び六価のアルコールのいずれか
1つ又は2つ以上とから成る脂肪酸エステル類、炭素数
10個以上の一塩基性脂肪酸と該脂肪酸の炭素数と合計
して炭素数が11〜70個と成る一価〜六価のアルコー
ルから成る脂肪酸エステル類、炭素数8〜40の脂肪酸
又は脂肪酸アミド類、脂肪酸アルキルアミド類、脂肪族
アルコール類も使用できる。これら化合物の具体的な例
としては、カプリル酸ブチル、カプリル酸オクチル、ラ
ウリン酸エチル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸オクチ
ル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸ブチル、ミリス
チ酸オクチル、ミリスチン酸2エチルヘキシル、パルミ
チン酸エチル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸オク
チル、パルミチン酸2エチルヘキシル、ステアリン酸エ
チル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル、
ステアリン酸オクチル、ステアリン酸2エチルヘキシ
ル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソアミル、ス
テアリン酸2エチルペンチル、ステアリン酸2ヘキシル
デシル、ステアリン酸イソトリデシル、ステアリン酸ア
ミド、ステアリン酸アルキルアミド、ステアリン酸ブト
キシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、
アンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒドロソル
ビタントリステアレート、アンヒドロソルビタンテトラ
ステアレート、オレイルオレート、オレイルアルコー
ル、ラウリルアルコール、モンタンワックス、カルナウ
バワックス、等が有り単独又は組み合わせ使用できる。
【0019】帯電防止剤としては、後述の導電性層に添
加する素材が使用できる。酸化防止剤としては、一般的
に防錆剤として知られているアルキルフェノール、ベン
ゾトリアジン、テトラアザインデン、スルファミド、グ
アニジン、核酸、ピリジン、アミン、ヒドロキノン、E
DTA等の金属キレート剤、錆どめ剤であるナフテン
酸、アルケニルコハク酸、燐酸、ジラウリルフォスフェ
ート等、油性剤として知られているナタネ油、ラウリル
アルコール等、極圧剤であるジベンジルスルフィド、ト
リクレジルフォスフェート、トリブチルホスファイト等
が用いられる。これらは清浄分散剤、粘度指数向上剤、
流動点降下剤、泡どめ剤等としても用いられる。これら
の潤滑剤はバインダー100重量部に対して0.01〜
30重量部の範囲で添加される。
【0020】また防黴剤としては、2−(4−チアゾリ
ル)−ベンズイミダゾール、N−(フルオロジクロロメ
チルチオ)−フタルイミド、10、10’−オキシビス
フェノキサルシン、2、4、5、6テトラクロロイソフ
タロニトリル、P−トリルジヨードメチルスルホン、ト
リヨードアリルアルコール、ジヒドロアセト酸、フェニ
ルオレイン酸水銀、酸化ビス(トリブチル錫)、サルチ
ルアニライド等がある。このようなものは、例えば「微
生物災害と防止技術」1972年工学図書、「化学と工
業」32、904(1979)等に於いて示されてい
る。着色剤としては、フタロシアニン色素、シアニン色
素、キレート色素等染料や顔料に用いる工業用色素を用
いることができる。溶剤は分散、混練、塗布の際に使用
し、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、
テトラヒドロフラン等のケトン系;メタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノー
ル等のアルコール系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチ
ル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル
系;ジエチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、
グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン等のエーテ
ル系;ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、ク
ロルベンゼン、スチレン等のタール系(芳香族炭化水
素);メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩
化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジク
ロルベンゼン等の塩素化炭化水素、N、N−ジメチルホ
ルムアルデヒド、ヘキサン、水等が使用できる。またこ
れら溶媒は通常任意の比率で2種以上で用いる。また1
重量%以下の量で微量の不純物(その溶媒自身の重合
物、水分、原料成分等)を含んでもよい。これらの溶剤
は、塗布液合計の固形分100重量部に対して100〜
20,000重量部で用いられる。好ましい塗布液の固
形分率は1〜70重量%である。
【0021】研磨層の形成は上記の組成等を任意に組合
せて有機溶媒に溶解・混練・分散し、塗布溶液として支
持体上に塗布・乾燥する。溶解、分散、混練の方法には
特に制限はなく、また各成分の添加順序(樹脂、粉体、
潤滑剤、溶媒等)、溶解、分散・混練中の添加位置、分
散温度(0〜80°C)等は適宜設定することができ
る。研磨塗料の調製には通常の攪拌機、分散機、混練
機、例えば、二本ロールミル、三本ロールミル、ボール
ミル、ペブルミル、トロンミル、サンドグラインダー、
ツエ グバリ(Szegvari)アトライター、高速イ
ンペラー、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディス
パー、ニーダー、高速ミキサー、リボンブレンダー、コ
ニーダー、インテンシブミキサー、タンブラー、ブレン
ダー、ディスパーザー、ホモジナイザー、単軸スクリュ
ー押し出し機、二軸スクリュー押し出し機、及び超音波
分散機等を用いることができる。通常溶解、分散・混練
にはこれらの機械を複数備え、連続的に処理を行う。混
練分散に関する技術の詳細は、T.C.PATTON著
(テー、シー、パットン)“Paint Flow a
nd Pigment Dispersion”(ペイ
ント フロー アンド ピグメント デイ スパージョ
ン)1964年John Wiley & Sons社
発行(ジョン ウイリー アンド サンズ)や田中信一
著『工業材料』25巻37(1977)等や当該書籍の
引用文献に記載されている。これら分散、混練の補助材
料として分散・混練を効率よく進めるため、球相当径で
10cmφ〜0.05mmφの径のスチールボール、ス
チールビーズ、セラミツクビーズ、ガラスビーズ、有機
ポリマービーズを用いることが出来る。またこれら材料
は球形に限らない。また、米国特許第2581414号
公報及び同第2855156号公報等の明細書にも記載
がある。本発明においても上記の書籍や当該書籍の引用
文献等に記載された方法に準じて混練分散を行い研磨層
塗料及びバック層塗料を調製することができる。
【0022】支持体上へ研磨層用塗布液を設ける方法と
しては、塗布、噴霧等がある。塗布の場合塗布液の粘度
を1〜20000センチストークス(25°C)に調整
し、エアードクターコーター、コンマドクターコータ
ー、ブレードコーター、エアナイフコーター、スクイズ
コーター、含浸コーター、リバースロールコーター、ト
ランスファーロールコーター、グラビアコーター、キス
コーター、キヤストコーター、スプレイコーター、ロッ
ドコーター、正回転ロールコーター、カーテンコータ
ー、押出コーター、バーコーター、リップコータ等が利
用出来、その他の方法も可能であり、これらの具体的説
明は朝倉書店発行の『コーテイング工学』253頁〜2
77頁(昭和46.3.20.発行)等に詳細に記載さ
れている。また所望の液の塗布の前に下塗り層塗布又は
支持体との密着力向上のためにコロナ放電処理等を行っ
ても良い。また研磨層を多層で構成したいときは、同時
多層塗布、逐次多層塗布等を行ってもよい。これらは、
例えば、特開昭57−123532号公報、特公昭62
−37451号公報、特開昭59−142741号公
報、特開昭59−165239号公報の明細書等に記載
されている。このような方法により支持体上に約1〜1
000μmほどで研磨層を設けた後、直ちに20〜13
0°Cで乾燥させる処理を施したのち、形成した研磨層
を0.1〜100μm厚みに乾燥する。乾燥後の研磨層
は好ましくは0.5〜25μmの厚みである。0.8〜
15μmが特に好ましい。このときの支持体の搬送速度
は、通常10m/分〜900m/分で行われ、複数の乾
燥ゾーンで乾燥温度を20℃〜130℃で制御し塗布膜
の残留溶剤量を0.1〜40mg/m2 とする。研磨層
のJIS B0601による中心線平均粗さ(Ra)は
0.02〜0.2ミクロンであり、好ましくは0.03
〜0.1ミクロンである。研磨層の中心線平均粗さ(R
a)が0.02ミクロン未満の場合、磁気ヘッドのクリ
ーニング効果が発現しにくく、摩擦特性が著しく劣るた
め好ましくなく、一方、研磨層の中心線平均粗さ(R
a)が0.2ミクロンを超えると研磨性が異常に増大
し、磁気ヘッドのライフが極端に短くなり、好ましくな
い。また、本発明の研磨テープは特開平4−68336
号公報か特開平4−73737号公報に開示されている
ようなカートリッジに組みこまれ、カメラなどの機器中
でとり扱われることが好ましい。このとき機器のセンサ
ーとして赤外光線の反射を用いることが多く、研磨層の
赤外光(ex.950μm)の反射率は1%以上が好ま
しい。
【0023】また本発明における導電性層には、帯電防
止剤が好ましく用いられる。それらの帯電防止剤として
は、特に制限はなく、たとえばアニオン性高分子電解質
としてはカルボン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を
含む高分子で例えば特開昭48−22017号公報、特
公昭46−24159号公報、特開昭51−30725
号公報、特開昭51−129216号公報、特開昭55
−95942号公報に記載されているような高分子であ
る。カチオン性高分子としては例えば特開昭49−12
1523号公報、特開昭48−91165号公報、特公
昭49−24582号公報に記載されているようなもの
がある。またイオン性界面活性剤もアニオン性とカチオ
ン性とがあり、例えば特開昭49−85826号公報、
特開昭49−33630号公報、米国特許第2,99
2,108号公報、米国特許第3,206,312号公
報、特開昭48−87826号公報、特公昭49−11
567号公報、特公昭49−11568号公報、特開昭
55−70837号公報などに記載されているような化
合物を挙げることができる。
【0024】帯電防止剤として最も好ましいものは、Z
nO、TiO2 、SnO2 、Al23 、In2 3
SiO2 、MgO、BaO、MoO3 、V2 5 の中か
ら選ばれた少くとも1種の結晶性の金属酸化物あるいは
これらの複合酸化物(Sb、P、B、In、S、Si、
Cなど)の微粒子、更にはゾル状の金属酸化物あるいは
これらの複合酸化物の微粒子、さらにカーボンブラッ
ク、グラファイト、カーボンブラックグラフトポリマー
などである。本発明に使用される導電性の結晶性酸化物
又はその複合酸化物の微粒子又は針状フィラーはその体
積抵抗率が107 Ω−cm以下、より好ましくは105
Ω−cm以下である。またその粒子サイズは0.001
〜1.0μm、特に0.001〜0.3μmとすること
が望ましい。更に効率良く導電性を与えるために、一次
微粒子を一部凝集させて0.01〜0.2μmにした導
電性の結晶性酸化物又はその複合酸化物の微粒子やフィ
ラーを用いることが好ましい。更に、これらを用いて帯
電防止層を作製する場合に到達する導電性としては、好
ましくは処理前、処理後共にその電気抵抗が1012Ω以
下であり、より好ましくは1010Ω以下、特に好ましい
のは電気抵抗が109.5 Ω以下である。その場合一般的
に含有量としては、5〜500mg/m2 が好ましく特
に好ましくは10〜350mg/m2 である。バインダ
ーとしては前述の研磨層に用いたバインダーや、後述の
親水性コロイド層に用いるバインダーなどが使用でき
る。 バインダーの量は1〜500mg/m2 が好まし
く、特に5〜300mg/m2 が好ましい。導電性の結
晶性酸化物又はその複合酸化物の微粒子又は針状フィラ
ーとバインダーの量の比は1/300〜100/1が好
ましく、より好ましくは1/100〜100/5であ
る。尚、導電性は前述の研磨層側に設置してもよいし、
後述の親水性コロイド層側に設置してもよい。
【0025】次に本発明の支持体上に研磨層を有する側
とは支持体を挟んで反対側に親水性コロイド層が設けら
れる。親水性コロイド層には、例えば、ゼラチンを含む
層が代表的に挙げられ、ゼラチン層を含む層はハロゲン
化銀を含有しない非感光層であってもよく、またハロゲ
ン化銀を含有する感光層であってもよい。さらに感光層
の場合、ハロゲン化銀の他にカプラーや可塑剤(オイ
ル)等のカラー感光材料を構成するのに必要な各種添加
剤を含有することができる。
【0026】また、ゼラチン含有層は、ハロゲン化銀を
含む感光層を構成する単層又は複数の層からなっていて
もよい。この場合、感光層を構成するときに用いること
ができる技術及び無機・有機素材については欧州特許第
436,938A2号公報に記載されているものが適用
できる。ゼラチン層の最上層にはマット剤層を設置する
ことが好ましい。
【0027】研磨テープにパーフオレーション(穿孔)
を有してもよく、また、設けなくてもよい。パーフオレ
ーション(穿孔)を有する場合、テープの幅方向の一方
の端に設けてもよく、幅方向の両端に設けてもよい。
【0028】本発明の研磨テープの支持体としては可撓
性のものであれば何でもよいが、素材としてポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリ
エステル類、ポリプロピレン等のポリオレフイン類、セ
ルローストリアセテート、セルロースダイアセテート等
のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂
類、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリ
スルホン、ポリフェニルスルホン、ポリベンゾオキサゾ
ール等のプラスチック等が好ましい。特にポリエステル
類が好ましく、特にTg(ガラス転移温度)が50〜2
00℃のものが好ましい。これらのポリエステル支持体
は熱処理が施されることが好ましく、その際にはTg〜
(Tg−50℃)の温度で0.1〜1500時間行う必
要がある。この効果は熱処理温度が高いほど早く進む。
しかし熱処理温度がガラス転移温度を越えると巻きぐせ
の付き易いフィルムとなる。従ってこの熱処理はガラス
転移温度以下で行うことが必要である。熱処理温度は4
0℃以上Tg未満、より好ましくはTg−20℃以上T
g未満で熱処理を行う。40℃未満で行うと十分な巻き
癖効果を得るためには長時間を要し工業生産性が劣る。
熱処理はこの温度範囲内の一定温度で実施してもよく、
冷却しながら熱処理してもよい。冷却の平均冷却速度は
−0.01〜−20℃/時間、より好ましくは−0.1
〜−5℃/時間である。この熱処理時間は、0.1時間
以上1500時間以下、さらに好ましくは0.5時間以
上200時間以下である。0.1時間以下では十分な効
果を得ることができず、1500時間以上では効果が飽
和する一方、支持体の着色や脆化が起こりやすくなる。
これら支持体の中心線平均表面粗さは0.001〜1.
5μm(カットオフ値0.25mm)が好ましい。本発
明においては、支持体は厚み40〜180μmである。
60〜150μmが好ましい。また、支持体の長手又は
幅方向のいずれかのヤング率が400kg/mm2 以上
であることがテープの耐久性から望ましい。これらのポ
リエステルフィルムを支持体に使用する場合、これらポ
リエステル支持体がいずれも疎水性の表面を有するた
め、支持体上にゼラチンなどの親水性コロイド層を強固
に接着させる事は非常に困難である。この様な難点を克
服するために紫外線照射処理、火焔処理、コロナ処理、
グロー処理などのうち、少なくとも1つをおこなうこと
が好ましい。
【0029】さらに、本発明においては、研磨テープ
は、長手方向に対し幅方向の長さは、16〜36mmで
使用される。写真用磁気装置の研磨テープとしては、3
5mm幅もしくは24mm幅であることが好ましい。こ
の中にあっても24mm幅が特に好ましい。
【0030】また、本発明の上記幅方向の長さを有する
研磨テープにあっては、パーフオレーションはあっても
よく、また、なくてもよい。パーフオレーションを有す
る場合には、幅方向の一方の端に設けてもよく、幅方向
の両端に設けてもよい。
【0031】次に、図を参照しつつ、本発明の一態様で
ある写真用磁気情報読み取り装置研磨テープの包装体
(以下、「研磨テープパトローネ」ともいう。)100
の構造についてまず説明する。図1は、その研磨テープ
パトローネの分解斜視図、図2は、それを半径方向から
見た図、図3は、それを図2とは異なる位置で、半径方
向から見た図である。
【0032】研磨テープパトローネ100は、パトロー
ネ本体101の内部に、研磨テープ102を巻き付けた
スプール103を回動自在に収納しており、パトローネ
本体101の外周にパトローネラベル104が粘着され
ている。カートリッジ本体(パトローネ本体)101
は、2つの成形部品である上・下ケース105、106
からなる。
【0033】ゲート150を有する上ケース105と、
下ケース106との正面側合わせ目には研磨テープ10
2を送り出すためのテープ送り出し口107(通路)が
形成されている。テープ送り出し口107の奥には、蓋
部材108と、これの奥に配置され研磨テープ102の
先端を分離するための分離爪109とがそれぞれ設けら
れている。蓋部材108は、両端部にそれぞれキー溝1
10、111が形成され、カメラに装填された際にキー
溝110、111に係合するカメラ側の開閉用駆動軸の
回動によってテープ送り出し口107を塞ぐ閉じ位置と
研磨テープの出入りが許容される開き位置との間で回動
される。図5には、ロックポウル144と蓋部材108
が係合し、蓋部材が閉じ位置でロックされた状態を示し
てある。
【0034】スプール103は、スプール軸112の両
端内側にそれぞれ一対のリップ付きフランジ113、1
14が取り付けられ、一方のフランジ113の外側にデ
ータディスクが設けられている。また他方のフランジ1
14の外側に使用表示部材123が取り付けられる。デ
ータディスク115には、データラベルが貼付けられ
る。スプール軸112、データディスク115、各フラ
ンジ113、114が係合する一対のフランジ係合部1
17、118、研磨テープ後端係止用のスリット11
9、及び使用表示部材支持部120とがそれぞれ一体に
形成されており、カメラに装填された際にスプール10
3の両端部に設けたカギ穴上のキー溝121、122に
カメラ側の駆動軸が係合し、この駆動軸の回転によって
回動される。
【0035】使用表示部材123には、軸受け部12
4、2つのラチェット爪125、ギヤ126、及び使用
表示板127とが一体に形成されており、これらはスプ
ール軸112と一体に回転する。
【0036】研磨テープパトローネ100の内部は、ギ
ヤ126と噛み合うようにスプールロック128が収納
されている。このスプールロック128は、蓋部材10
9が閉じる位置にある時には、ギヤ126に係合してス
プール軸112の回転ロックを行い、不用意な研磨テー
プ102の送り出しを防止し、また、蓋部材109が開
き位置にある時にはギヤ126との係合を解除する。
【0037】一対のフランジ113、114は、プラス
チック材料で成形されており、断面が薄肉カップ状とな
っている。カップ状の底部にはフランジ係合部117、
118に回動自在に係合する丸穴129、130がそれ
ぞれ設けられている。また、カップ状の開口縁部13
1、132は、スプール軸112に取り付けられた際に
互いに向き合うようになり、これらの間に巻回される研
磨テープ102の最外周両端を包み込む(図6参照)。
これらの開口縁部131、132によってスプール10
3の回転を研磨テープ102の最外周まで伝達させるこ
とができるとともに、テープロール142の巻き緩みを
防止している。
【0038】フランジ114には、丸穴130を取り囲
むように、所定ピッチで4個の穴133が形成されてい
る。これらの穴133には、スプール軸112が研磨テ
ープ送り出し方向に回転した際に使用表示部材123の
ラチェット爪125が係合する。ラチェット爪125
は、前記穴133に係合した際にスプール軸112の回
転をフランジ114に伝達させ、スプール軸112が研
磨テープ巻き取り方向に回転した際には使用表示部材1
23のラチェット爪125が前記穴133を乗り越え、
スプール軸112の回転をフランジ114に伝達させる
ことはない。
【0039】ところで、研磨テープ102を送り出す際
には、スプール103をテープ送り出し方向に回転させ
る。スプール103がテープ送り出し方向に回転させら
れると、研磨テープ102の先端が分離爪109に接触
し、研磨テープ先端の内側に巻回された部分から分離さ
れる。続いてスプール103が回転させられると、厚み
が薄い一対のフランジ113、114は弾性を有してい
るから、分離されたテープ先端によってそれぞれ外側に
押し広げられ、これによって一対のフランジ113、1
14の包み込みから開放された研磨テープ先端(図3の
143)はテープ送り出し口を通じて研磨テープパトロ
ーネ100の外に送り出される。また、スプール軸11
2が研磨テープ巻き取り方向(研磨テープ送り出し方向
とは逆方向)に回転した際にはフランジ113、114
ともスプール軸112と一体に回転することはない。し
たがって、研磨テープ102を巻き取る際には、フラン
ジ113、114が回転しないことから、これらの開口
縁部131、132と研磨テープ102との間に滑りを
生じ、研磨テープ102がフランジの開口縁部131、
132の下に滑り込むことによって研磨テープが巻き込
まれる。
【0040】データディスク115は、大径扇型部分1
34と切り欠き部分135とからなる。バーコードラベ
ル116は、データディスク115と相似の形状をして
おり、データディスクに貼り付けられる。
【0041】バーコードラベル116には、バーコード
が印刷されており、様々な情報、例えば収納する研磨テ
ープ102の種類等を表している。この情報は、スプー
ル103がテープ送り出し方向に回転された際に、図5
に示すように、上ケース105の一側面に形成された開
口136を介してカメラ側に設けた読取りセンサによっ
て読み取られ、収納された研磨テープの種類やテープの
長さ方向のカウント、感光性層を有する研磨テープの場
合は露光枚数のカウント、露出値の算出等に用いられ
る。
【0042】この研磨テープパトローネ100では、研
磨テープ102の先端までも全部収納するため、研磨テ
ープが収納されているのかが外観から見ても区別がつか
ない。そこで、研磨テープを収納した研磨テープパトロ
ーネ100を再度カメラに装填して研磨するために、あ
るいは感光性層を有する研磨テープにあっては、再度カ
メラに装填されて撮影が行われることを防止するため
に、後装填防止用の開口137を下ケース106の一側
面に形成している。この一側面は、カメラのパトローネ
室に向けて挿入される側であり、パトローネ室内には開
口137に入り込むレバーが設けられている。
【0043】研磨テープパトローネ100は、研磨テー
プを使用し、研磨が終了してテープを収納している状態
になっても、再度研磨テープが使用できるようにするた
めには、開口137に大径扇型部分134を露呈してい
ない状態となるように予め情報が与えられるようにして
おき、カメラ側の駆動軸によってスプール103の停止
位置が元に戻るよう制御される。したがって、カメラ側
ではレバーの移動量がないことを検出することで再度研
磨テープを使用することができる。
【0044】一方、感光性層を有する研磨テープパトロ
ーネ100では、露光済のテープを収納している場合に
は開口137に大径扇型部分134を露呈した状態とな
るように、また未露光のテープを収納している場合には
開口137に大径扇型部分134を露呈していない状態
となるようにカメラ側の駆動軸によってスプール103
の停止位置が制御される。したがって、カメラ側ではレ
バーの移動量を検出することで露光済か否かを見分ける
ことができる。
【0045】さらに、ユーザーが外観から見ても把握で
きるように、この研磨テープパトローネ100では、図
4に示すように、他の側面(開口136、137を設け
た側面とは反対側の側面)に、研磨テープが収納された
際の使用状況表示用開口138、研磨テープの一部を使
用してテープを収納した時の使用状況表示用開口13
9、及び研磨テープ全部を使用してテープを収納した際
の使用状況表示用開口140、感光性層を有するテープ
にあっては現像済みのテープを収納した際の使用状況表
示用開口141とを形成し、スプール103の停止位置
を制御して奥に位置する使用表示板127を前記4つの
使用状況表示用開口138〜141のうち何れかに露呈
させて研磨テープの使用状況を表示するようにしてい
る。
【0046】さらに、本パトローネ100には、収納さ
れた研磨テープ102の検出用に用いられる特定検出ノ
ッチ145が設けられている。これは感光性層を有する
場合は感度検出ノッチであってもよい。これは、バーコ
ードラベルに書かれたバーコードを読むバーコードリー
ダーを持たない安価カメラで研磨テープであることもし
くは感度を検出するための特定のノッチである。図5の
ように検出用特定ノッチ145が設けられている場合
は、収納された研磨テープ102が写真感光材料でな
く、研磨テープであることを示している。また感光性層
を有する場合は、ノッチが設けられている場合はISO
感度400以上であり、ノッチがない場合はISO感度
400以下であることを示している。
【0047】さらに、本パトローネ100には、収納さ
れた研磨テープ102が使用可能もしくは現像済みか否
かを表す表示タブが設けられている。図4に示されるよ
うに、このタブ147はパトローネ100の一側面に設
けられた開口146内に設けられ、このタブ147が折
り取られている場合には収納された研磨テープ102が
性能劣化や有効期限外などの使用不可もしくは現像済み
であることを示している。
【0048】次に、本発明のパトローネ100の製法の
代表例について具体的に述べる。上ケース・下ケース1
05、106、スプール103、及び蓋部材108は、
ハイインパクトポリスチレン樹脂(電気化学工業製 デ
ンカスチロール HI−R−Q)に、遮光性を付与する
ためにカーボンブラック(三菱化学製 三菱カーボンブ
ラック #950)1.0重量%、及び滑性を付与する
ためのシリコーンオイル(信越化学工業製 信越シリコ
ーン KF96H−粘度3万cs)1.5重量%を混練し
た樹脂を用い射出成形法によって成形する。
【0049】使用表示部材123は、上述のハイインパ
クトポリスチレン樹脂に、上述のカーボンブラック0.
01重量%、及び酸化チタン(石原産業製 CR60−
2)3.5重量%を混練した樹脂を用い射出成形法によ
って成形する。
【0050】フランジ113、114は、ポリスチレン
樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂のポリマーアロイ
(旭化成製 ザイロン X9101)から作られた厚み
150μmのテープを用い、真空・圧空法によって成形
する。
【0051】パトローネラベル104は、まず厚み50
μmの白色顔料入ポリスチレンテープの片面に印刷適正
を付与するコーティングを行い、その裏面に粘着剤を付
設した後剥離紙を張り付けた離型紙付き粘着ラベル原反
を作成する。その原反の表面に図7に示したように、数
字で書かれたパトローネID番号印刷スペース151、
メーカー名、商品名、テープの種類・テープの長さ(露
光枚数相当)、感光性層を有する場合には感度、露光枚
数、注意書き、及びユーザーが記入するメモ欄等を印刷
する品種等の印刷スペース152、及びバーコード印刷
スペース153がある。まず品種等印刷スペースを印刷
し、その後ハーフカット加工を行い、さらにその後でバ
ーコード及びパトローネID番号を印刷して作成する。
バーコードには、製造業者名、製造ロット、製造日、収
納された研磨テープの種類、テープの長さ、(露光枚数
相当)、感光性層を有する場合には感度、露光枚数、及
びパトローネID番号等がコード化されて印刷されてい
る。カートリッジID番号は、カートリッジ一個一個に
付けられた固有の番号である。
【0052】バーコードラベル116は、厚み50μm
の透明ポリスチレンテープの片面に厚さ約400オング
ストロームのアルミ蒸着層を設け、その上に粘着剤を付
設した後剥離紙を張り付けた離型紙付き粘着ラベルを作
成し、アルミ蒸着層の反対面にバーコードを印刷した
後、外周部分のハーフカットを行い、さらに中央の穴抜
き加工を行って作成する。
【0053】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明する。ここに示す成分、割合、操作順序等は本発明の
趣旨から逸脱しない範囲において変更しうるものである
ことは本業界に携わる者にとっては容易に理解されるこ
とである。従って本発明は下記の実施例に制限されるべ
きではない。なお実施例中の「部」とあるのは「重量
部」のことである。 1)支持体 ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマー100重
量部と紫外線吸収剤としてTinuvin P.326
(チバ・ガイギーCiba−Geigy社製)2重量部
とを乾燥した後、300℃にて溶融後、T型ダイから押
し出し、140℃で3.3倍の縦延伸を行ない、続いて
130℃で3.3倍の横延伸を行ない、更に250℃で
6秒間熱固定して厚さ90μmのPENフイルムを得
た。なおこのPENフイルムにはブルー染料、マゼンタ
染料及びイエロー染料(公開技報:公技番号94−60
23号記載のI−1,I−4,I−6,I−24,I−
26,I−27,II−5)を適当量添加した。更に、
直径20cmのステンレス巻き芯に巻付けて、110
℃、48時間の熱履歴を与え、巻き癖のつきにくい支持
体とした。
【0054】2)下塗層の塗設 上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV放電処
理、更にグロー放電処理をした後、一方の面にゼラチン
0.1g/m2 、ソジウムα−スルホジ−2−エチルヘ
キシルサクシネート0.01g/m2 、サリチル酸0.
04g/m2 、p−クロロフェノール0.2g/m2
(CH2 =CHSO2 CH2 CH2 NHCO)2 CH2
0.012g/m2 、ポリアミド−エピクロルヒドリン
重縮合物0.02g/m2 の下塗液を塗布して(10c
c/m2 、バーコーター使用)、下塗層を延伸時高温面
側に設けた。乾燥は115℃、6分実施した(乾燥ゾー
ンのローラーや搬送装置はすべて115℃となってい
る)。上記支持体の下塗層の上に下記組成の帯電防止層
を塗設した。
【0055】3)帯電防止層の塗設 平均粒径0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複
合物の比抵抗は5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次
凝集粒子径約0.08μm)を0.2g/m2、セラチ
ン0.05g/m2 、(CH2 =CHSO2 CH2 CH
2 NHCO)2CH2 0.02g/m2 、ポリ(重合度
10)オキシエチレン−p−ノニルフェノール0.00
5g/m2 及びレゾルシンと塗布した。
【0056】4)親水性コロイド層の塗設 次に、前記で得られたバック層の反対側に、特開平6−
337505号公報、実施例1、試料127と同じ組成
のカラーネガフィルムの各層を重層塗布した。
【0057】5)研磨層の塗設 上記した親水性コロイド層を設けた面と支持体を挟んで
反対側の面にポリエステルポリウレタン樹脂からなる下
塗層を0.1μm厚に塗布したのち下記の組成で調製し
た研磨塗布液を、アルミナの塗布量が18g/m2 とな
るようにバーコード塗布を行いサンプルを作成した。こ
こで研磨剤塗布液調製にあたりガラスビーズを用いてサ
ンドグラインダー分散を行なった。
【0058】 〔研磨層〕 研磨剤(アルミナ平均粒径0.4μm、モース硬度9) 100部 結合剤(ポリエステルポリウレタン、スルホン酸ナトリウム1×10-3当量/ g樹脂含有、分子量50000) 10部 結合剤(ポリイソシアネート、トリメチロールプロパン(1モル)のTDI( 3モル)付加物) 2部 希釈剤(メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=2/1) 200部 希釈剤(トルエン/MIBK) 150部
【0059】作成した研磨テープを24mm幅にスリッ
トした。ここで得た研磨テープを研磨テープ1Aとす
る。また、研磨テープ1Aに対し、帯電防止層のみを設
置しないで同様に作成したものを研磨テープ1Bとす
る。また、研磨剤層の表面粗さはいずれもJIS B0
601による中心線平均粗さ(Ra)が0.06であっ
た。
【0060】一方、写真感光材料は、以下の記載に従っ
て作成した。 1)支持体 写真感光材料用に用いた支持体は、前述の研磨テープに
用いたものと同じものを用いた。
【0061】2)下塗層の塗設 上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV放電処
理、更にグロー放電処理をした後、それぞれの面にゼラ
チン0.1g/m2 、ソジウムα−スルホジ−2−エチ
ルヘキシルサクシネート0.01g/m2 、サリチル酸
0.04g/m2 、p−クロロフェノール0.2g/m
2 、(CH2 =CHSO2 CH2 CH2NHCO)2
2 0.012g/m2 、ポリアミド−エピクロルヒド
リン重縮合物0.02g/m2 の下塗液を塗布して(1
0cc/m2 、バーコーター使用)、下塗層を延伸時高
温面側に設けた。乾燥は115℃、6分実施した(乾燥
ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115℃となって
いる)。 3)バック層の塗設 下塗後の上記支持体の片方の面にバック層として下記組
成の帯電防止層、磁気記録層更に滑り層を塗設した。
【0062】3−1)帯電防止層の塗設 平均粒径0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複
合物の比抵抗は5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次
凝集粒子径約0.08μm)を0.2g/m2、セラチ
ン0.05g/m2 、(CH2 =CHSO2 CH2 CH
2 NHCO)2CH2 0.02g/m2 、ポリ(重合度
10)オキシエチレン−p−ノニルフェノール0.00
5g/m2 及びレゾルシンと塗布した。 3−2)磁気記録層の塗設 3−ポリ(重合度15)オキシエチレン−プロピルオキ
シトリメトキシシラン(15重量%)で被覆処理された
コバルト被着−γ−酸化鉄(比表面積41m2/g、長
軸0.2μm、単軸0.03μm、飽和磁化77emu
/g、Fe+2/Fe+3=6/94、表面は酸化アルミ酸
化珪素で酸化鉄の2重量%で処理されている)0.06
g/m2 をジアセチルセルロース1.2g/m2 (酸化
鉄の分散はオープンニーダーとサンドミルで実施し
た)、硬化剤としてC25 C(CH2 OCONH−C
63 (CH3 )NCO)3 0.3g/m2 を、溶媒と
してアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
を用いてバーコーターで塗布し、膜厚1.2μmの磁気
記録層を得た。乾燥は115℃、6分実施した(乾燥ゾ
ーンのローラーや搬送装置はすべて115℃)。X−ラ
イト(ブルーフィルター)での磁気記録層のDB の色濃
度増加分は約0.1、また磁気記録層の飽和磁化は4.
2emu/g、保磁力7.3×104 A/m、角形比は
65%であった。
【0063】3−3)滑り層の調製 ジアセチルセルロース(25mg/m2 )、C613
H(OH)C1020COOC4081(6mg/m2 )混
合物を塗布した。なお、この混合物は、キシレン/プロ
ピレンモノメチルエーテル(1/1)中で105℃で溶
融し、常温のプロピレンモノメチルエーテル(10倍
量)に注加分散して作製した後、アセトン中で分散物
(平均粒径0.01μm)にしてから添加した。乾燥は
115℃、6分行なった(乾燥ゾーンのローラーや搬送
装置はすべて115℃)。
【0064】4)感光層の塗設 次に、前記で得られたバック層の反対側に、特開平6−
337505号公報、実施例1、試料127と同じ組成
の各層を重層塗布し、カラーネガフイルムを作成した。
【0065】この感光材料を24mm幅に裁断した。こ
の試料1000mをとり、磁気記録層の塗布面側からヘ
ッドギャップ5μm、ターン数2,000の入出力可能
なヘッドを用いて、1,000/sの送り速度でFM信
号を記録した。
【0066】この試料を富士写真フイルム(株)CN−
16現像処方でシネ式現像処理を行ったあと、もう一度
先述のヘッドに通して出力信号を読み取った。この現像
済フィルムを1000m通した後、ヘッドに汚れが付着
し当初の出力に対して6dB低下した。このヘッド上に
先に示した研磨テープ1Aを5m通過させたあと、先述
の感光材料に同様の磁気記録を施した未現像サンプルを
通して出力の回復を見た。同様のテストを研磨フィルム
1Bについても行った。テストはそれぞれ10回ずつ行
い、結果を表1に示した。
【0067】
【表1】
【0068】表1より、研磨テープ1Aは完全に出力回
復させているのに対し、研磨テープ1Bは出力を回復さ
せる確率が低く、時にはむしろ出力低下させていること
がわかる。
【0069】〔実施例2〕実施例1において研磨テープ
の親水性コロイド層を、前述の感光材料から青感性乳剤
層と緑感性乳剤層を除去した模擬感光材料に置き換えた
以外は実施例1と全く同様にして研磨テープ2A(導電
性層あり)及び研磨テープ2B(導電性層なし)を作成
し、実施例1と同様のテストを行った。その結果を表2
に示すが、やはり導電性層のついている研磨テープ2A
の方が出力回復において明らかな優位性を示した。
【0070】
【表2】
【0071】〔実施例3〕実施例1において研磨テープ
の親水性コロイド層を、厚さ10μmのゼラチン層に置
き換えた以外は実施例1と全く同様にして研磨テープ3
A(導電性層あり)及び研磨テープ3B(導電性層な
し)を作成し、実施例1と同様のテストを行った。その
結果を表3に示すが、やはり導電性層のついている研磨
テープ3Aの方が出力回復において明らかな優位性を示
した。
【0072】
【表3】
【0073】〔実施例4〕実施例1において研磨剤の塗
布量を表4に示すように変化させた他は研磨テープ1A
と全く同様に研磨テープ41〜46を作成した。実施例
1と全く同様にしてヘッドに汚れを付着させて出力を6
dB低下させた後、上記研磨テープ41〜46を長さを
変えて通過させて出力が6dB回復するのに必要な長さ
を求めた。その結果を表4に示すが、研磨剤の塗布量が
少ないと出力回復するのに多くの量を必要とすることが
わかり、研磨剤塗布量が5g/m2 以上が好ましいこと
が分かる。
【0074】
【表4】
【0075】〔実施例5〕実施例1において研磨剤塗布
液のサンドグラインダー分散の程度を変えた以外は実施
例1と全く同様に研磨テープを作成した(サンプル51
〜55)。これらのサンプルを各50mずつ磁気ヘッド
を通過させたあと、ヘッドの傷を顕微鏡で検査した結果
を表5に示す。Raが0.1μmまでは問題ないが、
0.2μmを越えると傷が目立つようになることが分か
る。
【0076】
【表5】
【0077】
【発明の効果】本発明によれば研磨層の他に導電性層を
有するために、磁気ヘッドに付着した汚れを取り除く効
果とともに、ホコリやゴミがつきにくく、安定した磁気
記録再生を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一態様である写真用磁気情報読み取り
装置研磨テープ包装体(研磨テープパトローネ)の分解
斜視図である。
【図2】図1の研磨テープ包装体を半径方向から見た図
である。
【図3】図1の研磨テープ包装体を図2とは異なる位置
で、半径方向から見た図である。
【図4】図1の研磨テープ包装体をその軸方向から見た
図である。
【図5】図1の研磨テープ包装体をその軸方向他方から
見た図である。
【図6】図1の研磨テープ包装体の、軸方向に沿って切
断した断面図である。
【図7】離型紙付き粘着ラベル原反を示す図である。
【符号の説明】
100 研磨テープパトローネ 101 パト
ローネ本体 102 研磨テープ 103 スプ
ール 104 パトローネラベル 107 テー
プ送り出し口 112 スプール軸 113 フラ
ンジ 114 フランジ 115 デー
タディスク 116 バーコードラベル 132 大径
扇型部分 143 テープ先端 145 研磨
テープ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性支持体上の一方の最表面に、モー
    ス硬度が5以上の研磨剤を含む研磨剤層を有し、さらに
    少なくとも一層の導電性層を有することを特徴とする写
    真用磁気情報読み取り装置用研磨テープ。
  2. 【請求項2】 前記研磨剤層中の研磨剤含有量が、5g
    /m2 以上50g/m2 以下であることを特徴とする請
    求項1に記載の写真用磁気情報読み取り装置用研磨テー
    プ。
  3. 【請求項3】 前記支持体上の前記研磨剤層と反対側に
    親水性コロイド層を有することを特徴とする請求項1又
    は2に記載の写真用磁気情報読み取り装置用研磨テー
    プ。
  4. 【請求項4】 前記研磨剤が、酸化鉄、アルミナ、酸化
    クロム、炭化珪素、ダイヤモンドから選ばれる少なくと
    も1種からなることを特徴とする請求項1、2及び3の
    いずれか1項に記載の写真用磁気情報読み取り装置用研
    磨テープ。
  5. 【請求項5】 前記研磨剤層の表面粗さがJIS B0
    601による中心線平均粗さ(Ra)で0.02〜0.
    2μmであることを特徴とする請求項1、2、3及び4
    のいずれか1項に記載の写真用磁気情報読み取り装置用
    研磨テープ。
  6. 【請求項6】 カートリッジ本体101の内部に、請求
    項1、2、3、4及び5のいずれか1項に記載の研磨テ
    ープ102を巻きつけたスプール103を回転自在に収
    納し、該スプール103の回転により前記研磨テープ1
    02の先端が自由にカートリッジ外部に送り出し可能で
    あり、カートリッジ本体101は前記研磨テープ102
    を送り出すため、遮光機構を有してもよい前記研磨テー
    プ102の送り出し通路を有し、前記スプール103の
    スプール軸112の両端内側に、それぞれ一対のリップ
    付きフランジ113、114が前記研磨テープ102保
    持のため取り付けられていることを特徴とする写真用磁
    気情報読み取り装置研磨テープ包装体。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4及び5のいずれか
    1項に記載の写真用磁気情報読み取り装置用研磨テープ
    又は請求項6に記載の写真用磁気情報読み取り装置研磨
    テープ包装体を用いることを特徴とする写真用磁気情報
    読み取り装置のクリーニング方法。
JP3440396A 1996-01-29 1996-01-29 写真用磁気情報読み取り装置用研磨テープ、写真用磁気情報読み取り装置研磨テープ包装体及び写真用磁気情報読み取り装置のクリーニング方法 Pending JPH09204613A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10293449B2 (en) 2013-05-17 2019-05-21 3M Innovative Properties Company Easy-clean surface and method of making the same

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