JPH09202394A - 固液混合物を輸送する方法及び輸送容器 - Google Patents

固液混合物を輸送する方法及び輸送容器

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JPH09202394A
JPH09202394A JP8010253A JP1025396A JPH09202394A JP H09202394 A JPH09202394 A JP H09202394A JP 8010253 A JP8010253 A JP 8010253A JP 1025396 A JP1025396 A JP 1025396A JP H09202394 A JPH09202394 A JP H09202394A
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JP
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liquid
solid
mixture
liquid mixture
cwm
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JP8010253A
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Harumitsu Yanagimachi
治光 柳町
Hidekazu Nakamura
中村  英和
Takashige Omura
隆重 大村
Hiroki Usui
洋基 薄井
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JGC Corp
Original Assignee
JGC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 CWM(石炭−水混合物)の輸送時に生じや
すい石炭粒子の沈降堆積を遅らせ、清掃の必要を軽減す
る。 【構成】 容器に収容されたCWMの液面の上下の空間
を横方向に多数の区画に分けることにより液面の揺動を
妨げた状態で、つまり、それによって液全体の流動を抑
制しながら輸送を行なう。 CWM用タンカーにおいて
は、ハニカム構造または厚さのある格子構造のものを、
船倉の天井から上下動可能に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体中に固体粒子が懸
濁した固液混合物、代表的にはCWM(石炭−水混合
物)の輸送、とくに輸送船による輸送に関する。
【0002】
【従来の技術】石炭の粉末を水中に懸濁させたCWM
は、安価なエネルギー源として利用が盛んになりつつあ
る。 CWMの輸送は、産炭国で調製されたCWMを大
型の輸送船で国内の基地に輸入し、いったん陸地の大型
のタンクに貯蔵したのち、そこから小型の内航タンカー
に分けて利用地へ運ぶ、という手順によっている。
【0003】CWMの取扱いに関しては、石炭粒子が水
中で沈降分離する傾向をいかに抑えるかが大きな問題で
ある。 とくにCWM輸送船では船倉の底に堆積するC
WMを定期的に除去しなければならず、ひんぱんな除去
は輸送計画にとって不利であるばかりか、費用も嵩む。
【0004】そこで、こうした問題を解決する努力がな
されている。 最近の例を挙げれば、石炭スラリー輸送
船のタンクの船長方向の両端底部付近に吸入側ベルマウ
スと吐出側ベルマウスとを対向配設し、これらを循環ポ
ンプを介した配管で結んだ循環ラインを構成し、タンク
底部のスラリーを強制循環させることによって、堆積部
の発生を防ぐという提案がある(特開平6−31268
8号)。 また、これまでは、船倉においてもスラリー
の流動を発生させることが沈澱防止に役立つと考えられ
て来たので、船首尾方向に仕切板を設けるとともに、仕
切板と底面の間にスラリー通路を設けることが提案され
た(特公平7−98511号)。 しかし、そこで想定
しているスラリーの流動とは、かなり大きな横揺れの発
生を前提としたものである。 輸送船を実際に航行させ
たときの横揺れは、それほど大きいものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、CW
Mの輸送船による輸送に代表される固液混合物の輸送に
おいて、循環ポンプのような、連続的または断続的な運
転を要する設備を使用することなく、固体粒子の沈降堆
積を効果的に防止ないし軽減できるような輸送方法を提
供することにある。 その方法の実施に適した輸送容器
を提供することも、本発明の目的に含まれる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の固液混合物を輸
送する方法は、液体中に固体粒子が懸濁している固液混
合物を輸送するに当り、混合物を収容する容器の液面の
上下にわたって液面を横方向に細分する区画部材を設け
た容器を使用し、輸送中に液面の揺動が生じにくい状態
に保つことにより液体中の固体粒子の沈積を防止しつつ
輸送することを特徴とする。
【0007】上記の輸送方法の実施に使用する本発明の
固液混合物の輸送容器は、図1に示すように、液体中に
固体粒子が懸濁している固液混合物(1)を収容する箱
形のタンク(2)であって、固液混合物を送り込み、ま
た抜き出すポンプ(図示してない)を備え、タンクの内
部に液面付近の空間を横方向に細分する区画部材(3)を
設け、液面の揺動を防止することにより液体中の固体粒
子の沈積を防止しつつ輸送することができるように構成
した容器である。
【0008】図示した例は、CWM輸送船の船倉の天井
に、区画部材(3)を、流体圧装置(5)により昇降可
能に設け、固液混合物の収容量の変動に対応できるよう
にしたものである。
【0009】図1の区画部材は、図2および図3に示す
構造をもつ。 このハニカム構造は最少の材料で効果的
に空間を区画することができて好ましいが、もちろん格
子状そのほか任意の形状の区画部材を使用することがで
きる。
【0010】
【作用】CWMの石炭粒子の沈降堆積は、地上のタンク
に貯蔵している間よりも、輸送船で輸送している間の方
が進みやすいことが知られた。 その理由としては、水
中に分散懸濁している石炭粒子は、粒子同志が添加剤の
効果により緩いネットワークを構成し、その結果、比重
差のある固体粒子の沈降が防止されているところ、船の
運動に伴ってCWMが揺れ動き、ネットワークが破壊さ
れて沈降しやすくなる、という機構が考えられる。
【0011】地上のCWM貯蔵タンクにおいては、堆積
を防ぐために液を撹拌すること、とくに底面近くにおい
て液を流動させることが行なわれ、この目的のために、
プロペラによる撹拌やポンプによる循環流の形成が行な
われている。 発明者らは、容器中でCWMにさまざま
な動きをさせて試験した中で、動きを止めた(撹拌機を
停止した)ときに、堆積量が最も少いことを見出した。
【0012】次に発明者らは、船のローリング・ピッチ
ングに伴う船倉内での液の流動、とくに液面近くの浅い
部分に生じる流動に着目し、液面の揺動を抑えれば、液
全体の流動も少なくなり、上記のネットワークの破壊が
緩和されるのではないか、と考えて実験したところ、有
効であることを確認して本発明に至った。
【0013】上部に空間をもつタンク内の液は、タンク
が揺れたとき、たとえば船倉がタンクであって船のロー
リングが起ったとき、全体として流動して大きな撹拌力
を受ける。 これに対し、区画部材で液面の上下を横方
向に多数の区画に仕切ると、液面近くの液の流動は図4
にみるように各区画内に制限され、全体的な大きな流動
は防止される。 CWMのような粘度の高い液において
は、こうした流動の抑制は液全体を撹拌する力を生じに
くくする上で、効果的に作用する。 撹拌力の低下は、
前記したネットワークの破壊を緩和し、固形分の沈降に
ブレーキをかける。
【0014】この効果をいっそう明瞭に確認するため、
船倉内のCWMが輸送船の動揺によって受ける剪断速度
について、流動シュミレーションを行なった。 図5
は、±3.8°のローリングを想定したときの剪断速度
の分布を、速度のオーダーによって、A,B(=A/1
0),C(=A/100),D(=A/1000)に分
けて示したものである。 この図にみるように、区画が
ない場合は液面、液面の少し下、および船底の一部に沿
って剪断速度の高い領域が出る。 船底に沿った部分で
は、この剪断力により堆積がひきおこされる。 一方、
図6は片側に2枚の縦方向の区画を置いた場合の、剪断
速度の分布を示す。 図6では、剪断速度が高く、従っ
て堆積がひきおこされる領域が、液面またはその近くに
限定されている。 このため、船底の近くでの堆積は起
らない。(液面またはその近くで堆積の原因が生じて
も、上方の部分が下降したとき、底部に至るまでの領域
では流体内の流動によって拡散され、堆積は起りにくい
から、結局、長期にわたって堆積は生じないことにな
る。
【0015】こうした機構から明らかなように、区画は
細かいほど、つまり区画部材の横方向の区画の間隔が小
さいほど効果が高い。 適切な間隔はタンク容量やタン
クに加えられる揺れの激しさによって異なり、規模が大
きなものは間隔が比較的大きくてもある程度有効である
が、揺れが激しければ密にすべきである。 実用上は、
例えばCWM輸送船では、2m以内、なるべく1mまた
はそれより小さくしたい。
【0016】区画部材の縦方向の高さは、やはりタンク
の容量や揺れの激しさに応じて決定すべきである。 液
面(予想される最も高い位置)より上の部分は、流動し
た液が区画部材を超えて溢れないだけあればよいが、液
面より下の部分は、深くまで区画があるほどよい。 し
かし実際上は、常に1m程度液に浸っていれば十分であ
る。 なお、静置時の液面の高さが毎回の使用において
ほぼ一定である場合は、上記のような高さがあればよい
が、変動する場合は、前記のように昇降手段を用意して
区画部材の位置を変え、液中に適切な深さで浸るように
することが好ましく、それをしない場合は、区画部材の
高さを大きくとることが望ましい。
【0017】
【実施例】鋼板のプレス加工および溶接により、一辺5
0cmの正六角形が隣接しつつ展開する、図1および図2
に示すようなハニカム構造体を製作し、区画部材を用意
した。 ハニカムの高さは1mである。 CWMタンカ
ー船の長さ方向に区画された4箇の船倉を改造し、第二
および第四の船倉の天井に、図1に示したように、油圧
シリンダーである流体圧装置(4)を設け、これに上記
の区画部材(3)をとりつけた。
【0018】各船倉を規定量のCWM(粘度900cp)
で満たし、未改造の船倉はそのまま(上部に1〜2mの
空間が残る)にし、改造船倉は区画部材を油圧シリンダ
ーで降下させて、静水時に液面下に約70cmの深さで浸
り、約30cmが液面上に出る位置に置いた。
【0019】この状態で航海をし、輸送したCWMを払
い出し、また別のCWMを運ぶことを、15回にわたっ
て繰り返し、約2カ月を経過した。 CWMの堆積物
は、未改造船倉においては清掃を必要とする厚さに達し
ていたが、改造船倉の方は、その半分以下の厚さであっ
て、少なくともそれまでと同じ回数の航海を続けること
が可能と考えられた。
【0020】この時点で堆積物を採取してその性状をし
らべたところ、下記のような差異がみられた。
【0021】 平均沈澱高さ(mm) 平均固形分濃度(%) 堆積物の状態 改造船倉 186 73.8 柔らかくて少ない 未改造船倉 324 77.4 硬くて多い
【0022】
【発明の効果】本発明に従ってCWMを液面の流動を抑
えつつ輸送すれば、輸送中の液全体の流動が少なくなる
結果、石炭粒子の沈降が緩和され、堆積の進行が従来よ
り遅くなるから、輸送船でいえば、船倉の清掃のインタ
ーバルにより多い航海回数を稼ぐことができる。 この
ことは、輸送船のやりくりを容易にするとともに、清掃
に要するコストを低減し、ひいてはCWM使用のコスト
を低減するのに役立つ。
【0023】この効果は、CWMに限らず、水または有
機溶媒のような液体中に固体粒子が懸濁していて、両者
の比重差のゆえに固体粒子の沈降が避け難い固液混合物
一般に関しても、多かれ少なかれ得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の固液混合物の輸送容器の一例であっ
て、CWM輸送船の船倉の構造を示す垂直断面(船に関
しては横断面)図。
【図2】 図1の船倉に設けた区画部材の構造を示す平
面図。
【図3】 図2のI−I方向断面図。
【図4】 区画部材によりCWMの液面の揺動が抑制さ
れ、液全体の流動が減少する機構の説明図。
【図5】 ローリングにより船倉内のCWMに生じる剪
断速度の分布を、区画がない場合について示す横断面
図。
【図6】 ローリングにより船倉内のCWMに生じる剪
断速度の分布を、区画を設けた場合について示す横断面
図。
【符号の説明】
1 固液混合物(CWM) 2 タンク 3 区画部材 4 流体圧装置(油圧シリンダー)
フロントページの続き (72)発明者 薄井 洋基 山口県宇部市常盤台2557 山口大学工学部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体中に固体粒子が懸濁している固液混
    合物を輸送するに当り、混合物を収容する容器の液面の
    上下にわたって液面を横方向に細分する区画部材を設け
    た容器を使用し、輸送中に液面の揺動が生じにくい状態
    に保つことにより液体中の固体粒子の沈積を防止しつつ
    輸送することを特徴とする固液混合物を輸送する方法。
  2. 【請求項2】 固液混合物がCWM(石炭−水混合物)
    である請求項1の固液混合物を輸送する方法。
  3. 【請求項3】 液体中に固体粒子が懸濁している固液混
    合物を収容する箱形のタンクであって、固液混合物を送
    り込み、また抜き出すポンプを備え、タンクの内部に液
    面付近の空間を横方向に細分する区画部材を設け、液面
    の揺動を防止することにより液体中の固体粒子の沈積を
    防止しつつ輸送することができるように構成した固液混
    合物の輸送容器。
  4. 【請求項4】 区画部材を、タンク内で、固液混合物の
    収容量の変動に対応して昇降可能に設けた請求項3の固
    液混合物の輸送装置。
  5. 【請求項5】 CWM(石炭−水混合物)輸送船の船倉
    の天井に、流体圧装置により昇降可能な区画部材を設け
    た請求項4の固液混合物の輸送容器。
JP8010253A 1996-01-24 1996-01-24 固液混合物を輸送する方法及び輸送容器 Pending JPH09202394A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101348358B1 (ko) * 2012-02-03 2014-01-08 삼성중공업 주식회사 선박의 화물창
CN109436605A (zh) * 2018-12-27 2019-03-08 吉林大学 一种轻量化防侧翻罐体结构

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Effective date: 20011030