JPH09201078A - 振動波駆動装置 - Google Patents

振動波駆動装置

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JPH09201078A
JPH09201078A JP8005620A JP562096A JPH09201078A JP H09201078 A JPH09201078 A JP H09201078A JP 8005620 A JP8005620 A JP 8005620A JP 562096 A JP562096 A JP 562096A JP H09201078 A JPH09201078 A JP H09201078A
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JP
Japan
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motor
vibration wave
metal
porous fluororesin
fluororesin
Prior art date
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Pending
Application number
JP8005620A
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English (en)
Inventor
Takashi Kai
丘 甲斐
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動波駆動装置において、駆動の間に摩擦や
振動によりフッ素樹脂から他の樹脂粉末が脱落する等し
て、動作特性に悪影響が及ぶ。 【解決手段】 圧電変換により振動を生ずる振動体5と
この振動体に摺動部材1を介して接触する接触体3とを
相対移動させる振動波駆動装置において、摺動部材とし
て、多孔質フッ素樹脂にニッケル等の金属を電着したも
のを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電変換によって
振動体に進行性振動波を発生させ、この振動体とこれに
接触する接触体とを相対移動させる振動波駆動装置(振
動波モータ)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】振動波モータは、振動体とこれに加圧接
触する接触体とから構成され、圧電変換によって振動す
る振動体と接触体間の摩擦によって両者を相対回転させ
るものである。このような振動波モータの振動体の摺動
面には、特開平4−125084号公報および特開平4
−248379号公報等にも提案されているように、振
動体と接触体間の摩擦を大きくして駆動効率を上げるた
め、摩擦係数の大きな摺動部材が配設されることが多
い。
【0003】そして、摺動部材と接触体との接触状態に
よって、そのモータの起動トルク、無負荷回転数、モー
タ回転数およびモータ効率等の諸特性が左右される。こ
のため、従来摺動部材の材料としては、特開平4−11
7183号公報および特開平1−206880号公報に
提案されているようにフッ素樹脂に耐熱性樹脂粉末を混
合したものや、特開平4−117182号公報、特開平
3−173368号公報および特開平3−173369
号公報にて提案されているように熱可塑性樹脂にフッ素
樹脂粉末を混合したもの等、フッ素樹脂を用いて耐摩耗
性を向上させた材料が多く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フッ素
樹脂は他の樹脂との接着性が悪いため、上記材料のよう
にフッ素樹脂中に他の樹脂粉末が配合されていたり他の
樹脂中にフッ素樹脂粉末が配合されたりするだけでは、
モータ駆動の間に摩擦や振動により、フッ素樹脂から他
の樹脂粉末が脱落したり他の樹脂からフッ素樹脂粉末が
脱落したりする。これにより摺動部材の摩擦係数が不安
定化してモータの動作特性に悪影響が及んだり、摩耗粉
が比較的多く発生することによって摺動面に傷が付き易
くなったりするという欠点があった。
【0005】さらに、摺動摩擦によって発熱した結果、
樹脂の摺動面が劣化し、摩擦係数の不安定化や樹脂の材
料強度の低下等といった問題が生ずる。
【0006】そこで、本発明の第1の目的は、長時間の
使用によっても摩擦係数の変動が少なく、安定したモー
タの諸特性が得られる摺動部材を用いた振動波駆動装置
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本願第1の発明では、圧電変換により振動を生ず
る振動体とこの振動体に摺動部材を介して接触する接触
体とを相対移動させる振動波駆動装置において、摺動部
材を、多孔質フッ素樹脂と金属との複合体により形成し
ている。
【0008】すなわち、多孔質フッ素樹脂にニッケル等
の金属を電着して、多孔質フッ素樹脂の孔部の隅々まで
金属を充填することにより、フッ素樹脂から金属を脱落
しにくくし、耐熱性および摩擦係数の安定性を向上させ
るとともに、摩耗粉の発生を抑えるようにしている。
【0009】ここで、多孔質フッ素樹脂としては、ポリ
テトラフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン
−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロ
エチレン−フルオロアルキルビニルエーテル共重合体、
テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロ
ロフルオロエチレン樹脂等を単体又は混合体組成で用い
ることが望ましい。さらに、耐磨耗性、耐クリープ性を
向上させる目的のために、ガラス繊維、グラファイト繊
維、カーボン繊維、二硫化モリブデン粉末等の無機充填
材を含有したもの、ポリアミド繊維、ポリイミド粉末等
の有機充填材を含有した充填材入りフッソ樹脂を用いる
こともできる。
【0010】また、多孔質フッ素樹脂に金属を電着する
には、シート状に加工した多孔質フッソ樹脂の表面に、
真空中での金属の蒸着、もしくはスパッタリング等の方
法により、厚さ50〜100nmの導電膜を成膜する。
次いで、電着装置を用いて、ニッケルチップを陽極、導
電化膜を形成した多孔質フッソ樹脂を陰極として、スル
ファミン酸ニッケル電着液中で通電する。
【0011】このようにして電着すると、導電化膜を形
成した多孔質フッソ樹脂表面にニッケル金属を析出させ
ることができる。そして、表面を研磨することにより、
多孔質フッソ樹脂の気孔部にニッケルが充填された、摺
動部材が得られる。
【0012】このようにして得られた摺動部材は、多孔
質フッソ樹脂の孔のすみずみまでニッケル金属が充填さ
れるため、ニッケル金属の脱落がおこらず、耐熱性に優
れ、モータの起動トルク、回転数、モータ効率等の安定
したモータが得られる。
【0013】なお、多孔質フッ素樹脂の孔部の径を10
0μm以下にすることにより、複合材料としたときの摩
擦抵抗の均一性を確保するのが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)図1に、本発明の第1実施形態である
振動波モータを示している。この図において、5は振動
体である。この振動体5は、リング状の金属性弾性部材
2と、この弾性部材2の下面に周方向に並べられて接着
された複数個の圧電素子4とを有して構成されている。
【0015】ここで、弾性部材2は、ステンレスやリン
青銅等から形成され、その上部は周方向に複数の歯がほ
ぼ等間隔で並んだ櫛歯状に形成されている。また、複数
の圧電素子4は、円周方向に交互に異なる方向(厚さ方
向)に分極処理されており、弾性部材2のほぼ半周を区
切りとした2群に分けられる。なお、圧電素子4の弾性
部材2に対する接着は、エポキシ樹脂系等の耐熱性接着
剤が用いられる。
【0016】そして、弾性部材2の櫛歯の上面(摺動
面)には、フッ素樹脂と金属からなる複合材料によって
形成された摺動シート1が、上記の耐熱性接着剤を用い
て接着されている。
【0017】具体的には、摺動シート1は、厚さ0.3
mmの多孔質フッ素樹脂シートであるテフロン繊維シー
トの気孔部にニッケルを電着法により充填したものであ
り、その摺動面は研磨仕上げされている。
【0018】また、振動体5(弾性部材2)の櫛歯の上
面(摺動シート1の表面)には、リング状の移動体3の
下面(摺動面)が加圧接触する。ここで、移動部材3
は、SUS440で形成されており、摺動面は硬度Hv
=500以上に熱処理された後、4000番前後の研磨
加工が施されている。
【0019】このように構成された振動波モータにおい
て、2群の圧電素子4に互いに同周波数で90°位相の
異なる2つの周波電圧を印加すると、圧電素子4が伸縮
運動し、これにより弾性部材2に縦振動と横振動が励起
される。そして、これら2つの振動の合成により、弾性
部材2に周方向に進行する進行性振動波が発生し、弾性
部材2(櫛歯)の上面の各質点が楕円運動する。なお、
弾性部材2の上部を櫛歯にすることにより、楕円運動が
増幅される。そして、この楕円運動が摺動シート1と移
動体3との摩擦によって移動体3に伝達され、移動体3
が回転駆動される。
【0020】(第1実施形態における実施例および実験
結果)まず、厚さ0.3mmで、Φ200mmのテフロ
ン繊維シート(フロン工業製、商品名「R−350」)
の表面に、ニッケルを50nmの厚さにスパッターして
導電化処理し、これをΦ250mmの丸型原盤ホルダー
に固定して電着を行ない、摺動シート1を作った。
【0021】電着において、陽極にはニッケル球をチタ
ンのかごに入れたものを用い、電着液には、スルファミ
ン酸ニッケル四水和物450g/l(リットル)、ホウ
酸30g/l、ピット防止剤5ml/lの入った水溶液
100リットルを用いた。なお、電着は、液温45℃、
pH4.0の条件下で行なった。
【0022】電流条件は、初め3Aで30分間通電し、
次に50Aまで電流を増加させた。こうして、積算電流
が4000Aになるまで電着を行ない、厚さ100μm
のニッケルをフッソ繊維シートの表面に電着した。そし
て、このシートを厚さ0.3mmに切削加工し、これを
振動体3の表面にエポキシ樹脂を用いて接着した後、ニ
ッケル電着膜の表面を研磨して、直径40mmの振動波
モータを製作した。なお、摺動シート1の摩擦係数は
0.14であった。
【0023】このように製作した振動波モータの実装テ
ストにおいて、初期の起動トルクは800g−cmであ
り、100万回動作後の起動トルクは760g−cmに
しか低下しなかった。このことから分かるように、本実
施形態の振動波モータは、動作時間による起動トルクの
変動が少ない。
【0024】また、100万回動作後の磨耗深さは2μ
mにしかならず、動作時に異常な摩擦雑音の発生も認め
られなかった。
【0025】(第2実施形態)また、平均孔径が10μ
m(但し、最大孔径100μm以下)の多孔質フッ素樹
脂シートであるテフロンフィルターシート(フロン工業
製、商品名「F−3009」)に第1実施形態にて説明
したようにニッケルを電着させることによって、摺動シ
ート1を作ってもよい。
【0026】このように製作した直径40mmの振動波
モータの実装テストにおいて、初期の摺動シート1の摩
擦係数は0.16で、起動トルクは900g−cmであ
り、100万回動作後の摩擦係数は0.18で、起動ト
ルクは870g−cmにしか低下しなかった。このこと
から分かるように、本実施形態の振動波モータは、動作
時間による起動トルクの変動が少ない。
【0027】また、100万回動作後の磨耗深さは2μ
mにしかならず、動作時に異常な摩擦雑音の発生も認め
られなかった。
【0028】なお、上記各実施形態では、摺動シートを
振動体5の摺動面に取り付けた場合について説明した
が、本発明は、摺動シートを移動体3の摺動面に取り付
けた場合にも適用できる。
【0029】また、本発明は、以上の実施形態および変
形例、またはそれら技術要素を必要に応じて組み合わせ
て用いてもよい。
【0030】(実施形態と請求の範囲との関係)上記実
施形態において、振動体5が請求の範囲にいう振動体
に、移動体3が請求の範囲にいう接触体に、摺動シート
1が請求の範囲にいう摺動部材にそれぞれ相当する。
【0031】なお、以上が本発明の各構成と実施形態の
各構成の対応関係であるが、本発明はこれら実施形態の
構成に限られるものではなく、請求項に示した機構また
は実施形態の構成が持つ機能が達成できる構成であれば
どのようなものであってもよい。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本願第1の発明で
は、振動体と接触体との間に介在する摺動部材を、多孔
質フッ素樹脂と金属との複合材料、例えば多孔質フッ素
樹脂にニッケル金属を電着した材料により形成してい
る。このため、本発明を用いれば、多孔質フッ素樹脂の
孔部の隅々まで金属を充填することができ、フッ素樹脂
から金属を脱落しにくくして、摺動部材の耐熱性および
摩擦係数の安定性を向上させるとともに、摩耗粉の発生
を抑えることができる。従って、このような摺動部材を
用いることにより、起動トルク、回転数、駆動効率が安
定した振動波駆動装置を実現することができる。
【0033】なお、多孔質フッ素樹脂の孔部の径を10
0μm以下にすれば、摺動部材の摩擦抵抗の均一性を確
保することができ、長時間運転したも安定した動作特性
が得られる振動波駆動装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である振動波モータの外
観斜視図である。
【符号の説明】
1…摺動シート 2…弾性部材 3…移動体 4…圧電素子 5…振動体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電変換により振動を生ずる振動体とこ
    の振動体に摺動部材を介して接触する接触体とを相対移
    動させる振動波駆動装置において、 前記摺動部材は、多孔質フッ素樹脂と金属との複合材料
    により形成されていることを特徴とする振動波駆動装
    置。
  2. 【請求項2】 前記金属が、多孔質フッ素樹脂の孔部に
    充填されていることを特徴とする請求項1に記載の振動
    波駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記摺動部材が、多孔質フッ素樹脂に金
    属を電着して形成されたことを特徴とする請求項1又は
    2に記載の振動波駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記金属が、ニッケル金属であることを
    特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の振動波駆
    動装置。
  5. 【請求項5】 前記多孔質フッ素樹脂の孔部の径が10
    0μm以下であることを特徴とする請求項1から4のい
    ずれかに記載の振動波駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記多孔質フッ素樹脂が、無機充填材を
    含有していることを特徴とする請求項1から5のいずれ
    かに記載の振動波駆動装置。
JP8005620A 1996-01-17 1996-01-17 振動波駆動装置 Pending JPH09201078A (ja)

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JP8005620A JPH09201078A (ja) 1996-01-17 1996-01-17 振動波駆動装置

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JP (1) JPH09201078A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001170541A (ja) * 1999-12-20 2001-06-26 Hirano Tecseed Co Ltd 両面塗工型塗工装置
JP2011166907A (ja) * 2010-02-08 2011-08-25 Nikon Corp 振動波モータ、レンズ鏡筒およびカメラ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001170541A (ja) * 1999-12-20 2001-06-26 Hirano Tecseed Co Ltd 両面塗工型塗工装置
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