JPH09200745A - フレーム間圧縮符号化された情報の伝送方法およびそれを実現するための装置 - Google Patents

フレーム間圧縮符号化された情報の伝送方法およびそれを実現するための装置

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JPH09200745A
JPH09200745A JP512696A JP512696A JPH09200745A JP H09200745 A JPH09200745 A JP H09200745A JP 512696 A JP512696 A JP 512696A JP 512696 A JP512696 A JP 512696A JP H09200745 A JPH09200745 A JP H09200745A
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JP512696A
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Inventor
Takumi Tanabe
匠 田邊
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フレーム間圧縮符号化された情報を含む動画
像情報を通信ネットワークを介して伝送する際、伝送路
上でパケットが欠損しても、原情報パケットを再送する
だけで、遅滞のない動画像の伝送を可能にする伝送方法
およびそれを実現するための装置を提供する。 【解決手段】 情報発信装置12は、予測情報パケット
に先行して原情報パケットを送信するとともに、送信し
た原情報パケットを記憶しておき、情報受信装置13
は、送信された原情報パケットを記憶するとともに、伝
送路上で欠落したパケットを情報発信装置に対して通知
する。通知を受けた情報発信装置12は、記憶しておい
た原情報パケットのうち、欠落したパケットに相当する
原情報パケットを情報受信装置13に再送する。これに
より、情報受信装置13は、欠落した原情報パケットも
予測情報パケットの復号の前に受信することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、符号化された情報
の伝送方法に関し、より特定的には、フレーム間圧縮符
号化された情報を含む画像情報の伝送を行うパケット通
信ネットワーク・システムにおいて用いられる伝送方
法、情報発信装置、情報受信装置および中継装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、圧縮符号化技術の発達により、遠
隔地にある大量の情報を、通信ネットワークを介して手
にすることができるようになってきた。例えば、映画等
を蓄積しているサーバにユーザがアクセスして、好きな
時間に好きな映画を鑑賞することを可能にしたVOD
(Video on Demand)システムの実験が
各地で行われている。映画等の、動画像の圧縮符号化に
は、一枚のフレーム(画像)内で圧縮が完結する、すな
わち、復号器は、届いた一枚のフレームだけでそのフレ
ームを復号することができるフレーム内圧縮符号化と、
あるフレームを他のフレームから予測するようにして情
報を圧縮する、すなわち、予測されたフレームの復号に
は、もとになるフレームが必要なフレーム間圧縮符号化
との、2種類の符号化が組み合わされたハイブリッド符
号化が使用されることが多い。フレーム間圧縮符号化を
用いると、予測のもとになるフレーム(以下、原フレー
ム)に比べて、予測されたフレーム(以下、予測フレー
ム)の情報量を大きく削減することができて圧縮率が高
まる一方、何らかの理由で原フレームが復号器に届かな
かった場合、予測フレームの復号もできなくなる。特
に、通信ネットワークを介して、圧縮符号化された情報
を情報発信装置から情報受信装置へ送る場合には、原フ
レームが伝送路の途中で失われる、もしくは原フレーム
に訂正不能の誤りが生じることを考慮しなければならな
い。
【0003】上記のような課題を解決する方法として、
特開昭61−105965号公報に、伝送路の誤り率に
応じて画像の圧縮率を変更する画像情報処理システムが
開示されている。このシステムは、伝送路の誤り率が低
い場合に低い圧縮率のフレームを送り、誤り率が高くな
った場合には高い圧縮率のフレームを送ることを特徴と
しており、これにより、原フレームが損失したり誤った
りする確率を小さくすることができる。
【0004】また、特開平4−53379号公報には、
伝送中のあるフレームに訂正不可能な誤りが発生した場
合、誤りの発生したフレームの直前のフレームと直後の
フレームとから、誤ったフレームを予測して内挿する復
号化装置が開示されている。
【0005】また、特開平6−30227号公報には、
通信中にエラーが発生した場合に、いったん通信を切断
して、再び通信を接続した後、エラーのあった箇所から
送信しなおす装置が開示されている。さらに、一般の通
信ネットワーク・システムでは、こうした伝送路上の損
失もしくは誤りは、再送によって回復される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記画像情報
処理システムは、原フレームの損失もしくは誤りを完全
になくすことはできない。従って、損失もしくは誤りが
発生した原フレームがあれば、それをもとにしている予
測フレームを復号することができないという上記の課題
を本質的に解決しているわけでない。また、上記画像情
報処理システムにおいて用いられている方法は、情報発
信時に圧縮符号化を行う場合に限って有効であり、サー
バがあらかじめ圧縮符号化された情報を蓄積しておく形
態の、一般のVODシステムのような場合には利用でき
ない。
【0007】また、上記復号化装置において用いられて
いる方法は、損失もしくは誤りが発生したフレームが予
測フレームである場合は有効であるが、原フレームであ
る場合には、用いることができない。なぜなら、原フレ
ームの前後のフレームは予測フレームであることが多
く、前後の予測フレームから、失われた原フレームを予
測することはできないからである。
【0008】また、上記のいったん通信を切断する方法
は、動画像等の、連続した情報の通信には適さない。さ
らに、上記の再送する方法は、動画像を伝送する場合、
遅滞が生じることがある。なぜなら、ある一定の時間
(例えば30分の1秒)毎にフレームを復号しなければ
ならないため、伝送路の伝送遅延が大きい場合や、フレ
ームが短時間に集中して欠損した場合、再送が復号に間
に合わないためである。
【0009】従って、本発明の目的は、フレーム間圧縮
符号化された情報を含む動画像情報を、伝送路を介して
伝送する際に、伝送路上でフレームが欠落した場合に
も、欠落したフレームのうち、原フレームのみを再送す
るだけで、遅滞なく動画像情報を伝送できる伝送方法お
よびそれを実現するための装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】以下に
は、上記目的を達成するための本発明の構成を示すが、
後述する実施形態との対応関係を明確にするために、本
発明で採用される各構成要素には、対応する部分の参照
番号を付しておく。ただし、この参照番号は、あくまで
も理解を容易にするためおよび参考のために付されるの
であって、本発明の請求の範囲を限定的に解釈するもの
ではないことを予め指摘しておく。
【0011】第1の発明は、サーバ(11)が保有する
圧縮符号化された動画像情報を、フレーム間圧縮符号化
されていない情報のみを含む原情報パケットと、フレー
ム間圧縮符号化された情報のみを含む予測情報パケット
として、情報発信装置(12)から情報受信装置(1
3)へ伝送路(15)を介して伝送する方法であって、
予測情報パケットに先行して原情報パケットを所定の数
だけ送信し、当該原情報パケットのうち伝送路(15)
上で欠落した原情報パケットを速やかに再送することに
より、連続する動画像情報を遅滞なく伝送可能にするこ
とを特徴としている。
【0012】上記のように、第1の発明では、情報発信
装置は、予測情報パケットに先行して原情報パケットを
送信する。先行して送信した原情報パケットのうち、伝
送路上で欠落したパケットがあれば、情報発信装置は、
欠落したパケットに相当する原情報パケットを速やかに
再送する。これにより、情報受信装置は、欠落した原情
報パケットを予測情報パケットの到着前に受信すること
ができる。従って、原フレームの欠損のために予測フレ
ームの復号ができなくなるのを防ぐことができる。ま
た、欠落した原情報パケットのみを再送するため、再送
に要する時間を短縮することができる。
【0013】第2の発明は、第1の発明において、情報
発信装置(12)は、送信する原情報パケットを再送用
に記憶しておき、情報受信装置(13)は、受信した原
情報パケットを記憶するとともに、伝送路(15)上で
欠落した原情報パケットの再送要求を情報発信装置(1
2)に送信することを特徴としている。
【0014】上記のように、第2の発明では、情報発信
装置は、先行して送信する原情報パケットを、再送用に
記憶しておく。情報受信装置は、受信した原情報パケッ
トを記憶するとともに、欠落したパケットがあれば情報
発信装置に通知する。通知に応じて、情報発信装置は、
記憶している原情報パケットの中から、欠落したパケッ
トに相当するパケットを情報受信装置に対して再送す
る。再送用の原情報パケットを記憶しておくことによ
り、情報発信装置は、伝送路上で欠落したパケットを速
やかに再送することができる。また、情報受信装置は、
欠落した原情報パケットが再送されるまで、先に受信し
た原情報パケットを記憶しておくことにより、全ての原
情報パケットを、復号されるべき順序で復号器に出力す
ることができる。
【0015】第3の発明は、第2の発明において、情報
発信装置(12)は、伝送路(15)上で欠落した原情
報パケットを再送する際に、再送に引き続いて、送信済
みの原情報パケットに続く復号順序の原情報パケットを
所定の数量だけ送信することを特徴としている。
【0016】上記のように、第3の発明では、情報発信
装置は、欠落した原情報パケットを再送する際に、送信
済みの原情報パケットに続く所定の数の原情報パケット
を、併せて送信する。これにより、情報受信装置が記憶
している原情報パケットの数を所定の数以上に保つこと
ができ、従って、短時間に多くの原情報パケットが欠落
した場合にも、連続する動画像情報を遅滞なく伝送する
ことができる。
【0017】第4の発明は、第2の発明において、情報
発信装置(12)は、原情報パケットに順序番号を付与
し、情報受信装置(13)は、付与された順序番号が連
続しているか否かにより、原情報パケットの欠落を検出
することを特徴としている。
【0018】上記のように、第4の発明では、情報発信
装置が原情報パケットに順序番号を付与し、情報受信装
置は、付与された順序番号を監視することにより欠落し
た原情報パケットを特定して、当該パケットの順序番号
を情報発信装置に通知する。情報発信装置は、通知され
た順序番号のパケットを、記憶しているパケットの中か
ら検索して情報発信装置に再送する。このように、原情
報パケットに順序番号をつけることで、再送すべき原情
報パケットを容易に特定することができる。
【0019】第5の発明は、第4の発明において、情報
発信装置(12)は、欠落した原情報パケットを再送す
る際に、再送に引き続いて、送信済みの原情報パケット
に続く順序番号を有する原情報パケットを所定の数量だ
け送信することを特徴としている。
【0020】上記のように、第5の発明では、情報発信
装置は、欠落した順序番号の原情報パケットを送再する
際に、送信済みの原情報パケットに続く順序番号の原情
報パケットを併せて送信する。これにより、情報受信装
置が記憶している原情報パケットの数を所定の数以上に
保つことができ、従って、短時間に多くの原情報パケッ
トが欠落した場合にも、連続する動画像情報を遅滞なく
伝送することができる。
【0021】第6の発明は、サーバ(11)が保有する
圧縮符号化された動画像情報を、フレーム間圧縮符号化
されていない情報のみを含む原情報パケットと、フレー
ム間圧縮符号化された情報のみを含む予測情報パケット
として、情報発信装置(12、161)から情報受信装
置(92、165)へ伝送路(15、93、164)を
介し、かつ中継装置(91、162)を経て伝送する方
法であって、情報発信装置(12、161)は、予測情
報パケットに先行して原情報パケットを所定の数だけ送
信するとともに、再送用に記憶しておき、中継装置(9
1、162)は、中継する原情報パケットを再送用に記
憶しておき、当該原情報パケットのうち、情報発信装置
(12、161)と中継装置(91、162)との間の
伝送路(15)上で欠落した原情報パケットを情報発信
装置(12、161)が、中継装置(91、162)と
情報受信装置(92、165)との間の伝送路(93、
164)上で欠落した原情報パケットを中継装置(9
1、162)が、それぞれ速やかに再送することによ
り、連続する動画像情報を遅滞なく伝送可能にすること
を特徴としている。
【0022】上記のように、第6の発明では、パケット
は、情報発信装置から情報受信装置に向けて、伝送路を
介し、かつ中継装置を経て伝送される。情報発信装置
は、予測情報パケットに先行して原情報パケットを送信
するとともに、当該原情報パケットを再送用に記憶して
おく。中継装置は、送信された原情報パケットを中継す
る際に、当該パケットを再送用に記憶しておく。先行し
て送信された原情報パケットのうち、情報発信装置と中
継装置との間の伝送路上で欠落したパケットがあれば、
情報発信装置が、記憶しているパケットのうち欠落した
パケットに相当する原情報パケットを速やかに再送す
る。先行して送信された原情報パケットのうち、中継装
置と情報受信装置との間の伝送路上で欠落したパケット
があれば、中継装置が、記憶しているパケットのうち欠
落したパケットに相当する原情報パケットを速やかに再
送する。
【0023】これにより、情報受信装置は、情報発信装
置と中継装置との間の伝送路上で、または中継装置と情
報受信装置との間の伝送路上で欠落した原情報パケット
を、予測情報パケットの到着前に受信することができ
る。従って、原フレームの欠損のために予測フレームの
復号ができなくなるのを防ぐことができる。また、欠落
した原情報パケットのみを再送するため、再送に要する
時間を短縮できる。また、中継装置と情報受信装置との
間で原情報パケットが欠落した場合には、中継装置が当
該パケットを再送することにより、情報発信装置と中継
装置との間の伝送路を通過する情報量を減らすことがで
き、同時に、再送されるパケットの伝送経路を短縮する
ことができて、当該パケットが再度欠落する危険を減ず
ることができる。
【0024】第7の発明は、第6の発明において、情報
受信装置(92)は、欠落した原情報パケットの再送要
求を中継装置(91)に向けて送信し、中継装置(9
1)は、再送要求に応じて、欠落した原情報パケットに
相当するパケットを記憶していれば当該パケットを送信
し、記憶していなければ、情報発信装置(12)に指示
して、情報発信装置(12)が記憶している原情報パケ
ットを送信させることを特徴としている。
【0025】上記のように、第7の発明では、情報受信
装置は、伝送路上で欠落した原情報パケットの再送要求
を、中継装置に向けて送信する。再送要求を受信した中
継装置は、欠落した原情報パケットに相当するパケット
を記憶していれば、当該パケットを送信し、記憶してい
なければ、情報発信装置に対して、記憶しているパケッ
トを送信するよう指示する。これにより、情報受信装置
は、再送要求を中継装置に対してのみ送信すればよく、
従って、情報発信装置に対しても再送要求を送信するの
に比べて、より小さな送信出力でよい。
【0026】第8の発明は、第6の発明において、情報
受信装置(165)は、欠落した原情報パケットの再送
要求を情報発信装置(161)に向けて送信し、情報発
信装置(161)は、再送要求に応じて、欠落した原情
報パケットに相当するパケットを中継装置(162)が
記憶していれば、中継装置(162)に指示して、当該
パケットを再送させ、記憶していなければ、自己が記憶
している原情報パケットのうち、欠落した原情報パケッ
トに相当するパケットを送信することを特徴としてい
る。
【0027】上記のように、第8の発明では、情報受信
装置は、伝送路上で欠落した原情報パケットの再送要求
を、情報発信装置に向けて送信する。再送要求を受信し
た情報発信装置は、中継装置に指示して、中継装置が当
該パケットを記憶していれば、中継装置が記憶している
パケットを送信させる。中継装置が当該パケットを記憶
していなければ、情報発信装置は、自己が格納している
パケットを送信する。これにより、情報受信装置は、情
報発信装置にのみ再送要求を送信すればよく、従って、
中継装置と情報受信装置との間の伝送路は、下り伝送の
みの、放送型の伝送路とすることができる。
【0028】第9の発明は、サーバ(11)が保有する
圧縮符号化された動画像情報を、伝送路(15)を介し
て、パケットとして情報受信装置(13)に送信する情
報発信装置(12)であって、情報受信装置(13)
は、受信した原情報パケットに欠落があれば、当該パケ
ットの再送要求を送信する機能を有しており、情報発信
装置(12)は、サーバ(11)から圧縮符号化された
動画像情報を取得して、フレーム間圧縮符号化されてい
ない情報のみを含む原情報パケット、およびフレーム間
圧縮符号化された情報のみを含む予測情報パケットを生
成する生成手段(31)と、生成手段(31)が生成し
た原情報パケットを記憶する記憶手段(32)と、生成
手段(31)が生成した原情報パケットおよび予測情報
パケットを送信する送信手段(34)と、情報受信装置
(13)により送信された再送要求を受信する受信手段
(35)とを備え、送信手段(34)は、予測情報パケ
ットに先行して所定の数量の原情報パケットを送信し、
かつ受信手段(35)が再送要求を受信した場合に、記
憶手段(32)が記憶している原情報パケットのうち、
伝送路(15)上で欠落した原情報パケットに相当する
パケットを速やかに再送することを特徴としている。
【0029】上記のように、第9の発明の生成手段は、
サーバから取得した圧縮符号化された動画像情報をもと
に、原情報パケットおよび予測情報パケットを生成す
る。送信手段は、生成されたパケットのうち、原情報パ
ケットを予測情報パケットに先行して送信する。この
際、記憶手段は、伝送路上で欠落するパケットがある場
合に備えて、送信される原情報パケットを記憶してお
く。送信された原情報パケットを受信した情報受信装置
は、伝送路上で欠落した原情報パケットがあれば、当該
パケットの再送要求を情報発信装置に送信する。受信手
段が再送要求を受信すると、送信手段は、記憶手段が記
憶している原情報パケットのうち、欠落した原情報パケ
ットに相当するパケットを情報受信装置に向けて再送す
る。これにより、情報受信装置は、欠落した原情報パケ
ットを予測情報パケットの到着前に受信することができ
る。従って、原フレームの欠損のために予測フレームの
復号ができなくなるのを防ぐことができる。また、欠落
した原情報パケットのみを再送するため、再送に要する
時間を短縮することができる。
【0030】第10の発明は、第9の発明において、生
成手段(31)は、生成した原情報パケットに順序番号
を付与することを特徴としている。
【0031】上記のように、第10の発明の生成手段
は、生成した原情報パケットに順序番号を付与する。情
報受信装置は、付与された順序番号を監視することによ
り、欠落した原情報パケットを特定して、当該パケット
の順序番号を情報発信装置に通知する。情報発信装置
は、通知された順序番号のパケットを、記憶しているパ
ケットの中から検索して情報受信装置に再送する。この
ように、原情報パケットに順序番号をつけることで、再
送すべき原情報パケットを容易に特定することができ
る。
【0032】第11の発明は、第9の発明において、送
信手段(34)は、受信手段(35)が欠落した原情報
パケットの再送要求を受信した場合に、当該パケットの
再送に引き続いて、生成手段(31)が生成した原情報
パケットを所定の数量だけ送信することを特徴としてい
る。
【0033】上記のように、第11の発明の送信手段
は、欠落した原情報パケットを再送する際に、送信済み
の原情報パケットに続く所定の数の原情報パケットを、
併せて送信する。これにより、情報受信装置が記憶して
いる原情報パケットの数を所定の数以上に保つことがで
き、従って、短時間に多くの原情報パケットが欠落した
場合にも、動画像の伝送に遅滞が生じるのを防ぐことが
できる。
【0034】第12の発明は、第9の発明において、送
信手段(34)は、受信手段(35)が欠落した順序番
号の原情報パケットの再送要求を受信した場合に、当該
順序番号の原情報パケットの再送に引き続いて、生成手
段(31)が生成した、当該順序番号に引き続く順序番
号の原情報パケットを所定の数量だけ送信することを特
徴としている。
【0035】上記のように、第12の発明の送信手段
は、欠落した順序番号の原情報パケットを送信する際
に、送信済みの原情報パケットに続く順序番号の原情報
パケットを、併せて送信する。これにより、情報受信装
置が記憶している原情報パケットの数を所定の数以上に
保つことができ、従って、短時間に多くの原情報パケッ
トが欠落した場合にも、動画像の伝送に遅滞が生じるの
を防ぐことができる。
【0036】第13の発明は、情報発信装置(12)が
伝送路(15)を介して送信する、フレーム間圧縮符号
化されていない情報のみを含む原情報パケット、および
フレーム間圧縮符号化された情報のみを含む予測情報パ
ケットを受信して、自己と接続された復号器(14)に
出力する情報受信装置(13)であって、情報発信装置
(12)は、予測情報パケットに先行して原情報パケッ
トを送信し、かつ、当該原情報パケットのうち、伝送路
(15)上で欠落した原情報パケットを求めに応じて再
送する機能を有しており、情報受信装置(13)は、情
報発信装置(12)が送信した原情報パケットおよび予
測情報パケットを受信する受信手段(41)と、受信手
段(41)が受信した原情報パケットを記憶する記憶手
段(44)と受信手段(41)が受信した原情報パケッ
トに欠落がないかを監視する監視手段(43)と、監視
手段(43)が原情報パケットの欠落を見いだした場合
に、情報発信装置(12)に対して、当該パケットの再
送要求を送信する送信手段(48)とを備え、記憶手段
(44)が記憶した原情報パケットと、受信手段(4
1)が受信した、予測情報パケットおよび再送された原
情報パケットとを、復号されるべき順序で復号器(1
4)に出力することを特徴としている。
【0037】上記のように、第13の発明の受信手段
は、情報発信装置により予測情報パケットに先行して送
られた原情報パケットを受信する。記憶手段は、受信さ
れた原情報パケットを記憶する。伝送路上で欠落した原
情報パケットがあれば、監視手段が検出して、情報発信
装置に通知する。情報発信装置は、原情報パケットを送
信する際、伝送路上で原情報パケットが欠落する場合に
備えて、送信する原情報パケットを記憶しており、記憶
しているパケットのうち、欠落したパケットに相当する
パケットを通知に応じて再送する。これにより、情報受
信装置は、欠落した原情報パケットを、予測情報パケッ
トの到着前に受信することができ、先に記憶した原情報
パケットと併せて、到着したパケットを、復号すべき順
序に従って遅滞なく復号器に対して出力することができ
る。従って、原フレームの欠損のために予測フレームの
復号ができなくなるのを防ぐことができる。
【0038】第14の発明は、第13の発明において、
監視手段(43)は、原情報パケットに付与された順序
番号が連続しているか否かにより、原情報パケットの欠
落を検出することを特徴としている。
【0039】上記のように、第14の発明の監視手段
は、情報発信装置により付与された順序番号を監視する
ことにより、欠落した原情報パケットを特定する。送信
手段は、当該パケットの順序番号を情報発信装置に送信
する。情報発信装置は、受信した順序番号のパケット
を、記憶しているパケットの中から検索して情報発信装
置に再送する。このように、原情報パケットに順序番号
をつけることで、再送すべき原情報パケットを容易に特
定することができる。
【0040】第15の発明は、情報発信装置(12)が
伝送路(15)を介して送信する、フレーム間圧縮符号
化されていない情報のみを含む原情報パケット、および
フレーム間圧縮符号化された情報のみを含む予測情報パ
ケットを受信して、伝送路(93)を介して情報受信装
置(92)に送信する中継装置(91)であって、情報
発信装置(12)は、予測情報パケットに先行して所定
の数の原情報パケットを送信し、かつ当該原情報パケッ
トを記憶し、かつ記憶している原情報パケットを求めに
応じて再送する機能を有しており、情報受信装置(9
2)は、受信した原情報パケットを記憶し、かつ当該原
情報パケットに欠落がある場合に、中継装置(91)に
再送要求を送信する機能を備えており、中継装置(9
1)は、情報発信装置(12)が送信した原情報パケッ
トおよび予測情報パケットを受信し、かつ情報受信装置
(92)が送信する再送要求を受信する受信手段(11
2)と、受信手段(112)が受信した原情報パケット
を記憶する記憶手段(44)と、受信手段(112)が
受信した原情報パケットおよび予測情報パケットを前報
受信装置(92)に送信し、かつ記憶手段(44)が記
憶した原情報パケットを再送する送信手段(111)と
を備え、送信手段(111)は、受信手段(112)が
再送要求を受信した際、記憶手段(44)が記憶した原
情報パケットの中に要求されたパケットがある場合は、
当該パケットを再送し、要求されたパケットがない場合
には、情報発信装置(12)に再送要求を転送すること
を特徴としている。
【0041】上記のように、第15の発明の受信手段
は、情報発信装置により、予測情報パケットに先行して
送信された原情報パケットを受信する。送信手段は、受
信された原情報パケットを情報受信装置に向けて送信す
る。この際、記憶手段は、中継装置と情報受信装置との
間の伝送路上で原情報パケットが欠落する場合に備え
て、受信した原情報パケットを記憶しておく。なお、情
報発信装置と中継装置との間の伝送路上で原情報パケッ
トが欠落する場合に備えて、情報発信装置も原情報パケ
ットを記憶している。情報受信装置は、中継装置が送信
した原情報パケットを記憶するとともに、欠落したパケ
ットがあれば中継装置に再送要求を送信する。受信手段
が、送信された再送要求を受信すると、送信手段は、記
憶手段が記憶している原情報パケットのうち、欠落した
パケットに相当するパケットを情報受信装置に対して再
送する。記憶手段が、欠落したパケットに相当するパケ
ットを記憶していなければ、送信手段は、受信手段が受
信した再送要求を、情報発信装置に向けて転送する。情
報発信装置は、転送された再送要求に応じて、記憶して
いる原情報パケットの中から、欠落したパケットに相当
するパケットを再送する。
【0042】これにより、情報受信装置は、中継装置と
情報受信装置との間で、もしくは情報発信装置と中継装
置との間で欠落した原情報パケットを、予測情報パケッ
トの到着前に受信することができ、先に記憶した原情報
パケットと併せて、到着したパケットを、復号すべき順
序に従って遅滞なく復号器に対して出力することができ
る。従って、原フレームの欠損のために予測フレームの
復号ができなくなるのを防ぐことができる。また、中継
装置と情報受信装置との間で原情報パケットが欠落する
場合に備えて再送用の原情報パケットを記憶しておき、
要求に応じて再送することにより、情報発信装置と中継
装置との間の伝送路を通過する情報量を減らすことがで
きる。同時に、再送されるパケットの伝送経路を短縮す
ることができるため、当該パケットが再度欠落する危険
を減ずることができる。また、情報受信装置は、再送要
求を中継装置に対してのみ送信すればよく、従って、情
報発信装置に対しても再送要求を送信するのに比べて、
より小さな送信出力でよい。
【0043】第16の発明は、情報発信装置(161)
が伝送路(15)を介して送信する、フレーム間圧縮符
号化されていない情報のみを含む原情報パケット、およ
びフレーム間圧縮符号化された情報のみを含む予測情報
パケットを受信して、伝送路(164)を介して情報受
信装置(165)に送信する中継装置(162)であっ
て、情報発信装置(161)は、予測情報パケットに先
行して所定の数の原情報パケットを送信し、かつ当該原
情報パケットを記憶し、かつ、情報受信装置(165)
が送信する再送要求を受信して、中継装置(162)に
転送し、かつ記憶している原情報パケットを求めに応じ
て再送する機能を有しており、情報受信装置(165)
は、受信した原情報パケットを記憶し、かつ当該原情報
パケットに欠落がある場合に、情報発信装置(161)
に再送要求を送信する機能を備えており、中継装置(1
62)は、情報発信装置(161)が送信した原情報パ
ケットおよび予測情報パケットを受信し、かつ情報発信
装置(161)が転送する再送要求を受信する受信手段
(212)と、受信手段(212)が受信した原情報パ
ケットを記憶する記憶手段(44)と、受信手段(21
2)が受信した原情報パケットおよび予測情報パケット
を情報受信装置(165)に送信し、かつ記憶手段(4
4)が記憶した原情報パケットを再送し、かつ受信手段
(212)が受信した再送要求を情報発信装置(16
1)に返送するする送信手段(111)とを備え、送信
手段(111)は、受信手段(212)が再送要求を受
信した際、記憶手段(44)が記憶した原情報パケット
の中に、要求されたパケットがある場合は、当該パケッ
トを再送し、要求されたパケットがない場合には、情報
発信装置(161)に再送要求を返送することを特徴と
している。
【0044】上記のように、第16の発明の受信手段
は、情報発信装置により、予測情報パケットに先行して
送信された原情報パケットを受信する。送信手段は、受
信された原情報パケットを情報受信装置に向けて送信す
る。この際、記憶手段は、中継装置と情報受信装置との
間の伝送路上で原情報パケットが欠落する場合に備え
て、受信した原情報パケットを記憶しておく。なお、情
報発信装置と中継装置との間の伝送路上で原情報パケッ
トが欠落する場合に備えて、情報発信装置も原情報パケ
ットを記憶している。情報受信装置は、中継装置が送信
した原情報パケットを記憶するとともに、欠落したパケ
ットがあれば情報発信装置に再送要求を送信する。情報
発信装置は、送信された再送要求を中継装置に向けて転
送する。受信手段が、転送された再送要求を受信する
と、送信手段は、記憶手段が記憶している原情報パケッ
トのうち、欠落したパケットに相当するパケットを情報
受信装置に対して再送する。記憶手段が、欠落したパケ
ットに相当するパケットを記憶していなければ、送信手
段は、受信手段が受信した再送要求を、情報発信装置に
向けて返送する。情報発信装置は、返送された再送要求
に応じて、記憶している原情報パケットの中から、欠落
したパケットに相当するパケットを再送する。
【0045】これにより、情報受信装置は、中継装置と
情報受信装置との間で、もしくは情報発信装置と中継装
置との間で欠落した原情報パケットを、予測情報パケッ
トの到着前に受信することができ、先に記憶した原情報
パケットと併せて、到着したパケットを、復号すべき順
序に従って遅滞なく復号器に対して出力することができ
る。従って、原フレームの欠損のために予測フレームの
復号ができなくなるのを防ぐことができる。また、中継
装置と情報受信装置との間で原情報パケットが欠落する
場合に備えて再送用の原情報パケットを記憶しておき、
要求に応じて再送することにより、情報発信装置と中継
装置との間の伝送路を通過する情報量を減らすことがで
きる。同時に、再送されるパケットの伝送経路を短縮す
ることができるため、当該パケットが再度欠落する危険
を減ずることができる。また、情報受信装置は、情報発
信装置にのみ再送要求を送信すればよく、従って、中継
装置と情報受信装置との間の伝送路は、下り伝送のみ
の、放送型の伝送路とすることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下には、本発明の第1の実施形
態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本
実施形態に係る通信ネットワーク・システムの一例であ
る。図1において、本ネットワーク・システムは、サー
バ11、情報発信装置12、情報受信装置13、ユーザ
装置14および伝送路15で構成されている。本実施形
態は、VODシステムを想定しており、映画を鑑賞しよ
うとするユーザは、ユーザ装置14から見たい映画の識
別情報(例えば映画名)を入力する。入力された識別情
報は、情報受信装置13から伝送路15および情報発信
装置12を経て、サーバ11に送られる。サーバ11
は、受け取った識別情報をもとにその映画を検索して、
情報発信装置12、伝送路15および情報受信装置13
を経て、ユーザ装置14に送る。サーバ11に蓄積され
ている画像情報は、フレーム内圧縮符号化およびフレー
ム間圧縮符号化を組み合わせて圧縮符号化されている。
ユーザ装置14は、圧縮符号化された情報を受信して復
号し、復号して得られた動画像をユーザに表示する。
【0047】図2は、本システムにおいて送受信される
パケットの構成を示す図である。図2の(a)は、デー
タパケットの構成を示している。PA(プリアンブル;
Preamble)フィールドは、パケットを受信する
際の引き込みに用いられる情報を含む。SD(開始デリ
ミタ;Start Delimiter)フィールド
は、そのフィールドの後続部分に有意の情報があること
を示す情報を含む。DA(宛先アドレス;Destin
ation Address)フィールドは、パケット
の宛先のアドレスを含み、SA(送信元アドレス;So
urce Address)フィールドには、パケット
の送信元のアドレスが含まれる。TYPE(タイプ)フ
ィールドには、パケットの種類を示す情報であるタイプ
値が含まれる。なお、データパケットのタイプ値は0で
ある。LEN(長さ;Length)フィールドには、
DAフィールドからCRCフィールドの直前のフィール
ドまでの長さを示す情報が含まれる。
【0048】FTYPE(フレームタイプ;Frame
Type)フィールドは、そのフレームに含まれるデ
ータが原フレームのデータなのか、予測フレームのデー
タなのかを示す情報を含む。原フレームのデータを含む
パケットを原情報パケットと呼び、そのFTYPEフィ
ールドに0が書き込まれる。また、予測フレームのデー
タを含むパケットを予測情報パケットと呼び、そのFT
YPEフィールドには1が書き込まれる。なお、各パケ
ットに含まれるデータは、原フレームもしくは予測フレ
ームのどちらか一方のデータだけから構成されており、
従って、一つのパケットに2種類のフレームタイプが混
在することはない。ただし、一つのフレームのデータが
分割されて複数のパケットに含まれることは許される。
【0049】FSEQ(フレーム順序番号;Frame
Sequence Number)フィールドは、そ
のパケットのデータ部に含まれるフレームの復号順序を
示すフレーム順序番号を含む。フレーム順序番号は、各
動画像ソフト毎に、0を初期値として復号順に付与され
る。なお、上述のように一つのフレームを複数のパケッ
トに分割して送ることが許されるので、同一の順序番号
を有する複数のパケットが存在する場合もある。FSE
Qフィールドの最上位ビットはEOM(メッセージ終
了;End ofMessage)ビットである。EO
Mビットは、そのデータパケットが情報発信装置12か
ら情報受信装置13へ送られる最後のパケット、すなわ
ち、映画の画像情報を伝送する最終パケットである場合
が1であり、それ以外のパケットの場合は0である。
【0050】PSEQ(パケット順序番号;Packe
t Sequence Number)フィールドに
は、そのパケットがフレーム内のどの位置にあるのかを
示すパケット順序番号が含まれる。パケット順序番号
は、フレーム毎に、初期値を0として順に付与される。
PSEQフィールドの最上位ビットは、EOF(フレー
ム終了;End ofFrame)ビットである。EO
Fビットは、そのデータパケットがフレームを構成する
最後のパケットである場合が1であり、それ以外のパケ
ットの場合は0である。
【0051】データ部は可変長であって、圧縮符号化さ
れた画像データを含む。CRC(巡回冗長符号;Cyc
lic Redundancy Code)フィールド
は、DAフィールドからCRCフィールドまでに含まれ
る情報の誤りを検出するための巡回冗長符号を含む。E
D(終了デリミタ;End Delimiter)フィ
ールドは、有意の情報が終わったことを示す情報を含
む。なお、以上のフィールドうち、PA、SD、DA、
SA、TYPE、LEN、CRCおよびEDの各フィー
ルドは、本発明で用いられるすべてのパケットに含まれ
ており、上記と同じ意味を持つため、以下ではその説明
を省略する。また、TYPEフィールドに含まれるタイ
プ値は、各パケットの構成図にそれぞれ記載されてい
る。
【0052】図2の(b)は、情報受信装置13におい
て、原情報パケットが未到着であったり誤りがあったり
した場合に、情報受信装置13によって送られる誤り通
知パケットの構成を示している。誤り通知パケットのタ
イプ値は1である。誤り通知パケットは、上述のデータ
パケットと異なり、FTYPEフィールドおよびデータ
部を含まない。また、誤り通知パケットのFSEQフィ
ールドおよびPSEQフィールドにはそれぞれ、未到着
もしくは誤りが発見されたパケットに含まれていた、も
しくは含まれるべきパケット順序番号およびフレーム順
序番号が含まれる。
【0053】図2の(c)は、ユーザが映画を見たい場
合に、情報受信装置13からサーバ11へ送られる要求
パケットの構成を示している。要求パケットはデータ部
を含み、データ部には要求する映画の識別子(例えば映
画名)が含まれる。また、要求パケットのタイプ値は2
である。
【0054】図3は、図1の情報発信装置12の、要部
の構成を示すブロック図である。図3において、情報発
信装置12の要部は、インターフェース30、パケット
生成部31、原情報パケット用バッファ32、予測情報
パケット用バッファ33、送信部34、受信部35、タ
イマ36および制御部37を備えている。インタフェー
ス30は、図1のサーバ11に接続されていて、サーバ
11と情報発信装置12との間のデータのやりとりを仲
介する。パケット生成部31は、インタフェース30を
介してサーバ11から圧縮符号化された情報を取得し、
取得した情報をもとにデータパケットを生成する。ただ
し、パケット生成部31が生成するデータパケットに
は、PA、SD、CRCおよびEDの各フィールドは付
加されていない。パケット生成部31はまた、生成した
データパケットが原情報パケットであればそのパケット
を原情報パケット用バッファ32に送り、予測情報パケ
ットであれば予測情報パケット用バッファ33へ送る。
【0055】原情報パケット用バッファ32および予測
情報パケット用バッファ33は、それぞれパケット生成
部31が生成した原情報パケットおよび予測情報パケッ
トを格納する。原情報パケット用バッファ32および予
測情報パケット用バッファ33は、いずれも複数のバッ
ファから構成されており、本ネットワーク・システムに
接続された複数の情報受信装置それぞれに、専用のバッ
ファが割り当てられる。
【0056】送信部34は、プリアンブル、開始デリミ
タ、CRCおよび終了デリミタのパケットへの付加、送
信データの伝送路符号へのエンコードならびにシリアル
データの送信を行う。受信部35は、図1の伝送路15
からのシリアルデータの受信、受信データの伝送路符号
からのデコード、到着ビット列からの開始デリミタの検
出、到着パケットの認識およびCRCの検査、到着パケ
ットが自局宛てかどうかの判定、ならびに到着パケット
のパケットタイプの判定を行う。タイマ36は、一定時
間以上原情報パケット用バッファ32に保持された原情
報パケットを廃棄する。制御部37は、上記各構成要素
の動作を制御するとともに、現在の通信の状態が、通信
のはじめかどうかを管理している。ここで、通信のはじ
めであるとは、通信を開始してから原情報バッファが所
定量に達する前の状態を言う(以下においても同様であ
る)。
【0057】図4は、図1の情報受信装置13の、要部
の構成を示すブロック図である。図4において、情報受
信装置13の要部は、インターフェース40、受信部4
1、判定部42、監視部43、原情報パケット用バッフ
ァ44、予測情報パケット用バッファ45、合成部4
6、メモリ47、送信部48および制御部49を備えて
いる。図4のインタフェース40は、図1のユーザ装置
14と情報受信装置13との間のデータのやりとりを仲
介する。受信部41は、伝送路15からのシリアルデー
タの受信、受信データの伝送路符号からのデコード、到
着ビット列からの開始デリミタの検出、到着パケットの
認識およびCRCの検査、ならびに到着パケットが自局
宛てかどうかの判定を行う。判定部42は、到着パケッ
トのパケットタイプおよびフレームタイプの判定を行
う。監視部43は、判定部42により原情報パケット用
バッファ44へ送られる原情報パケットのフレーム順序
番号およびパケット順序番号を監視する。原情報パケッ
ト用バッファ44および予測情報パケット用バッファ4
5はそれぞれ、判定部42が原情報パケット、予測情報
パケットと判定したパケットを格納する。合成部46
は、原情報パケット用バッファ44および予測情報パケ
ット用バッファ45に格納されたパケットを復号順に並
べて、インタフェース40に送る。
【0058】メモリ47は、情報受信装置13から情報
発信装置12に送られる要求パケットおよび誤り通知パ
ケットのテンプレートを格納している。これらのテンプ
レートは、PA、SD、CRCおよびEDの各フィール
ドを持たず、DAフィールドに情報発信装置12のアド
レスが、SAフィールドには情報受信装置13のアドレ
スが、TYPEフィールドにはタイプ値が、それぞれ書
き込まれている。なお、書き込まれているタイプ値は、
要求パケット用のテンプレートの場合は2、誤り通知パ
ケット用のテンプレートの場合は1である。その他のフ
ィールドには、初期値として0が書き込まれている。
【0059】送信部48は、プリアンブル、開始デリミ
タ、CRCおよび終了デリミタのパケットへの付加、送
信データの伝送路符号へのエンコードならびにシリアル
データの送信を行う。制御部49は、上記各構成要素の
動作を制御する。制御部49は、また、現在の状態が通
信のはじめかどうかを管理している。
【0060】図5は、図1のユーザ装置14の構成を示
すブロック図である。図5において、ユーザ装置14
は、インターフェース50、復号器51、入力部52お
よび表示部53を備えている。インタフェース50は、
ユーザ装置14と情報受信装置13との間のデータのや
りとりを仲介する。復号器51は、圧縮符号化された画
像情報の復号を行う。入力部52は、ユーザの要求を入
力する。表示部53は、復号して得られた動画像を表示
する。
【0061】図6は、本発明の圧縮符号化において、原
フレームおよび予測フレームがどのような順序に並んで
いるかを示す図である。動画像は1秒につき30枚のフ
レームで構成されており、この30枚のフレームのうち
1枚目と16枚目の画像が原フレームであり、それ以外
は予測フレームである。つまり、0.5秒に一度、原フ
レームが現れることになる。
【0062】図7は、図1の情報受信装置13およびユ
ーザ装置14の動作を示すフローチャートである。以下
には、図4、5および7を用いて、情報受信装置13お
よびユーザ装置14の動作を説明する。ユーザがユーザ
装置14の入力部52から見たい映画の識別子(映画
名)を入力すると、この識別子と映画を要求する旨と
が、ユーザ装置14のインタフェース50および情報受
信装置13のインタフェース40を介して制御部49に
通知される(ステップS101)。
【0063】通知を受けた制御部49は、送信部48に
上記識別子を送信するとともに、メモリ47に指示し
て、要求パケット用のテンプレートを送信部48に対し
て送らせる。送信部48は、制御部49から上記識別子
を受け取ると、最初、PA、SDおよびEDフィールド
の生成、ならびにCRCの計算をおこなう。送信部48
は、次に、メモリ47から受け取った要求パケット用の
テンプレートに従って、生成したPA、SDおよびED
フィールドならびに計算したCRCをパケットに付加す
るとともに、上記識別子をパケットのデータ部に書き込
んで、要求パケットを完全なものとする。送信部48
は、続いて、完成したパケットを伝送路符号にエンコー
ドし、エンコードした要求パケットを伝送路15を介し
て情報発信装置12宛てに送信する(ステップS10
2)。なお、このとき制御部49が管理している通信の
状態は通信のはじめである。
【0064】受信部41は、伝送路15を介して、エン
コードされた要求パケットを受信する。受信部41は、
受信したパケットをデコードし、デコードしたパケット
のビット列から開始デリミタのビットパターンを検出し
て、それ以降に続く有意のビット列を抽出する。次に受
信部41は、抽出したビット列のDAおよびTYPEフ
ィールドに基づいて、受信したパケットが自局宛てのデ
ータパケットであるかどうかを確認し、さらにCRCを
用いてパケット内に誤りを含んでないかどうかを検査す
ることにより、正しいデータパケットを受信したか否か
を判断する(ステップS103)。
【0065】受信部41は、正しいデータパケットを受
信したと判断すると、その旨を制御部49に通知すると
ともに、受信したパケットを判定部42に送る。この
際、受信部41は、このパケットからPA、SD、CR
CおよびEDの各フィールドを取り除く。制御部49
は、判定部42に対して、受信されたデータパケットの
フレームタイプの判定を指示する。指示を受けた判定部
42は、FTYPEフィールドに含まれる情報に基づい
て、受信されたパケットが原情報パケットであるのか、
予測情報パケットであるのかを判定し、判定した結果を
制御部49に知らせる(ステップS104)。
【0066】制御部49は、受信されたパケットが原情
報パケットであると知らされると、監視部43に指示し
て、このパケットのFSEQフィールドおよびPSEQ
フィールドが正しい順序番号を含むかどうかを判定させ
る(ステップS105)。なお、正しい順序番号を含ん
でいるか否かは、次のように判定される。本実施形態で
は15フレーム毎に原フレームを含むので、原情報パケ
ットが正しく受信されている場合、FSEQフィールド
に含まれる順序番号は、直前に受信された原情報パケッ
トの順序番号に等しいか、または、その番号に15を加
算した値となるはずである。15を加算した値になるの
は、直前に受信された原情報パケットのEOFビットが
1の場合である。また、PSEQフィールドに含まれる
順序番号は、前述のように、フレームの最初のパケット
は0で、以降EOFビットが1となるまで1ずつ増加す
るはずである。
【0067】監視部43は、受信されたパケットのFS
EQフィールドおよびPSEQフィールドが正しい順序
番号を含んでいれば、その旨を制御部49に通知する。
通知を受けた制御部49は、判定部42に指示して、原
情報パケットを原情報パケット用バッファ44に送らせ
る(ステップS106)。続いて、制御部49は、管理
している通信の状態が通信のはじめであるか否かを判断
する(ステップS107)。管理している通信の状態が
通信のはじめである場合、制御部49は、原情報パケッ
ト用バッファ44に指示して、そのバッファの容量を制
御部49へ通知させる。制御部49は、通知された容量
が所定の量に達しているか否かを判断する(ステップS
107a)。
【0068】通知された容量が所定量に達していないと
判断した場合、制御部49は、ステップS103の処理
に戻る。管理している状態が通信のはじめでないと判断
するか、通知された容量が所定量に達していると判断す
るかのいずれかの場合には、制御部49は、合成部46
に指示して、原情報パケット用バッファ44および予測
情報パケット用バッファ45に含まれているデータパケ
ットを合成させる(ステップS108)。データパケッ
トは、合成される際、データ部以外の部分が除去され、
また、一つのフレームを分割して生成されたパケットで
あれば一つのフレームに結合される。データパケット
は、合成された結果、圧縮符号化されたフレーム列に戻
る。
【0069】合成して得られたフレーム列は、インタフ
ェース40およびユーザ装置14のインタフェース50
を介してユーザ装置14の復号器51に送られ、復号さ
れる(ステップS109)。送られたフレーム列を復号
する際、復号器51は、届いていないフレームがあれ
ば、前後のフレームからそのフレームを予測して内挿す
る。復号して得られた映画は、表示部53に送られ、ユ
ーザに表示される(ステップS110)。合成部46
は、合成するパケットのEOMビットを検査することに
より、その映画の終わりを判断する(ステップS11
1)。合成部46は、映画が終わりであると判断すれ
ば、その旨を制御部49に通知してステップS101に
戻り、終わりでないと判断すれば、ステップS103に
戻る。
【0070】ステップS104で、受信されたデータパ
ケットを原情報パケットでないと判定した場合には、制
御部49は、判定部42に指示して、受信されたパケッ
トを予測情報パケット用バッファ45に格納させ(ステ
ップS104a)、次いでステップS107以下の処理
を行う。
【0071】ステップS105で、受信された原情報パ
ケットのFSEQフィールドまたはPSEQフィールド
が正しい順序番号を含んでいないと判断した場合には、
監視部43は、その旨と、欠落した原情報パケットのF
SEQフィールドに入るべきフレーム順序番号と、PS
EQフィールドに入るべきパケット順序番号とを制御部
49に通知する。通知を受けた制御部49は、メモリ4
7に指示して、誤り通知パケット用のテンプレートを送
信部48に向けて送らせる。同時に、制御部49は、送
信部48に対して上記フレーム順序番号およびパケット
順序番号を通知する。
【0072】通知を受けた送信部48は、最初、PA、
SDおよびEDフィールドの生成およびCRCの計算を
おこなう。送信部48は、次に、メモリ47から受け取
ったテンプレートに従って、FSEQフィールドに上記
フレーム順序番号を、PSEQフィールドには上記パケ
ット順序番号を書き込むとともに、生成したPA、SD
およびEDフィールドならびに計算したCRCをそのパ
ケットに付加して、誤り通知パケットを完全なものとす
る。送信部48は、続いて、完成した誤り通知パケット
を伝送路符号にエンコードし、エンコードした誤り訂正
パケットを伝送路15を介して情報発信装置12宛てに
送信する(ステップS105a)。制御部49は、誤り
通知パケットの送信を指示した後、判定部42に指示し
て、受信されたパケットを原情報パケット用バッファ4
4に送らせる。
【0073】図8は、図1の情報発信装置12およびサ
ーバ11の動作を示すフローチャートである。以下に
は、図3および8を用いて、情報発信装置12およびサ
ーバ11の動作を説明する。図3の受信部35は、伝送
路15を介して、伝送路符号にエンコードされたシリア
ルデータを受信する。受信部35は、受信したデータを
デコードした後、デコードしたシリアルデータのビット
列から開始デリミタのビットパターンを検出して、それ
以降に続く有意のビット列を抽出する。受信部35は、
抽出したビット列のDAフィールドおよびTYPEフィ
ールドに基づいて、受信したパケットが自局宛ての要求
パケットであるかどうかを確認し、また、CRCを用い
てパケット内に誤りを含んでいないかどうかを検査する
ことにより、正しい要求パケットを受信したか否かを判
断する(ステップS201)。
【0074】受信部35は、正しい要求パケットを受信
したと判断すると、そのパケットのデータ部に含まれる
映画の識別子およびSAフィールドに含まれる送信元ア
ドレスをインタフェース30を介してサーバ11に送
る。サーバ11は、受信した識別子に該当する映画を検
索し、該当する映画を見いだすと、その映画の圧縮符号
化されたフレーム列をインタフェース30を介してパケ
ット生成部31に送り始める。その際、サーバ11はフ
レーム列の先頭に、受信部から受け取った送信元アドレ
スを付加して送る。パケット生成部31にサーバ11か
らのフレーム列が入力されると(ステップS202)、
パケット生成部31は、入力されたフレーム列からデー
タパケットを生成する(ステップS203)。なお、こ
のとき生成されるデータパケットには、PA、SD、C
RCおよびEDの各フィールドは付加されていない。
【0075】生成されるデータパケットのDAフィール
ドに、サーバ11から送られ、受信部35が受信した要
求パケットの送信元アドレスが、SAフィールドには、
情報発信装置12のアドレスが書き込まれる。また、T
YPEフィールドに0が書き込まれ、FTYPEフィー
ルドにはパケットのもととなっているフレームが原フレ
ームであるか、予測フレームであるかによって、0また
は1が書き込まれる。FSEQフィールドにそのパケッ
トのもととなっているフレームのフレーム順序番号が書
き込まれ、PSEQフィールドには、そのパケットがそ
のフレームを構成するパケットのうち何番目のパケット
であるかを示すパケット順序番号が書き込まれる。デー
タ部は、フレームの一部または全部を構成するデータを
含む。パケット生成部31はまた、生成したパケットが
フレームを構成する最後のデータパケットであればEO
Fビットを1に設定し、その映画の最後のパケットであ
ればEOMビットを1に設定する。
【0076】次に、パケット生成部31は、生成したパ
ケットが原情報パケットであるか否かを判断する(ステ
ップS204)。原情報パケットを生成した場合、パケ
ット生成部31は、その旨を制御部37に通知する。通
知を受けた制御部37が原情報パケット用バッファ32
を格納可能にさせると、パケット生成部31は、生成し
た原情報パケットを原情報パケット用バッファ32に送
る(ステップS205)。続いて、制御部37は、タイ
マー36を起動させる(ステップS206)。
【0077】原情報パケットの生成の通知を受けた制御
部37は、管理している通信の状態が通信のはじめであ
るか否かを判断する(ステップS207)。通信のはじ
めである場合は、制御部37は原情報パケット用バッフ
ァ32へ指示して、バッファの容量を制御部37へ通知
させる。次に、制御部37は通知された容量が所定量に
達しているか否かを判断する(ステップS207a)。
【0078】通知された容量が所定量に達していなけれ
ば、制御部37はステップS203に戻る。ステップS
207で通信のはじめでないと判断するか、またはステ
ップS207aで、通知された容量が所定量に達してい
ると判断した場合には、制御部37は、送信部34に指
示して、原情報パケット用バッファ32および予測情報
パケット用バッファ33に格納されているパケットを送
信させる(ステップS208)。この際、送信部34
は、はじめに所定量の原情報パケットを送信し、その後
は、15フレーム分の予測情報パケットを、次いで1フ
レーム分の原情報パケットを送信するという送信スケジ
ュールを繰り返す。
【0079】送信部34は、データパケットの送信の際
に、PA、SDおよびEDフィールドの生成ならびにC
RCの計算を行って、データパケットに付加することに
より、データパケットを完全なものとする。次に、送信
部34は、完成したデータパケットを伝送路符号にエン
コードして、伝送路15に送信する。なお、送信された
原情報パケットは送信後もタイマ36がタイムアウトす
るまで原情報パケット用バッファ32内に保持される
が、予測情報パケットは送信が完了すると予測情報パケ
ット用バッファ33から廃棄される。タイマー36は、
タイムアウトするか否かを判断する(ステップS20
9)。タイムアウトする場合、その旨が制御部37に通
知され、制御部37は、タイムアウトに対応する原情報
パケット用バッファ32内の原情報パケットを廃棄する
(ステップS209a)。
【0080】受信部35は、伝送路15を介して、伝送
路符号にエンコードされたシリアルデータを受信する
と、受信したデータをデコードし、デコードしたデータ
のビット列から開始デリミタのビットパターンを検出し
て、それ以降に続く有意のビット列を抽出する。受信部
35は、このパケットのDAフィールドおよびTYPE
フィールドに基づいて、自局宛ての誤り通知パケットで
あるかどうかを確認し、また、CRCを用いて、パケッ
ト内に誤りを含んでいないかどうかを検査することによ
り、正しい誤り通知パケットを受信したか否かを判断す
る(ステップS210)。正しいパケットを受信したと
判断すると、受信部41は、そのパケットのFSEQフ
ィールドおよびPSEQフィールドに含まれる欠落した
パケットのフレーム順序番号およびパケット順序番号
と、SAフィールドに含まれる送信元アドレスとを制御
部37へ通知する。
【0081】通知を受けた制御部37は、原情報パケッ
ト用バッファ32と送信部34とに指示して、通知され
たアドレスを有する送信元に対して、上記フレーム順序
番号およびパケット順序番号を持つ原情報パケットを、
ステップS208で示したものと同様の送信スケジュー
ルに従って、伝送路15を介して再送させる。再送が終
わると、送信部34は、その旨を制御部37に通知す
る。次いで制御部37は、予測情報パケット33に指示
して、原情報パケットの再送に要した時間内に送信する
ことができる量の予測情報パケットを、予測情報パケッ
ト用バッファ33から廃棄させる。
【0082】ステップS210において、誤り通知パケ
ットを受信しなかった場合には、送信部34は、EOM
ビットを検査して、送信するパケットが映画の終わりの
パケットであるか否かを判断する(ステップS21
1)。送信するパケットのEOMビットが0なら、送信
部34は、映画の終わりではないと判断してステップS
202に戻り、EOMビットが1ならば、映画の終わり
であると判断してその映画の送信を終了し、ステップS
201に戻る。
【0083】なお、本実施形態では、欠落したパケット
だけを再送しているが、送信済みの原情報パケットに引
き続く復号順序の原情報パケットを所定の量だけ送信す
ることも可能である。このことにより、情報受信装置1
3の原情報パケット用バッファ44に格納されている原
情報パケットの量を一定の量以上に保つことが可能とな
る。特に、原情報パケットの再送に要する時間内に復号
される分量の原情報パケットを送信すると、原情報パケ
ット用バッファ44に格納されているパケットを、ほぼ
一定量に保つことができる。
【0084】また、本実施形態では、通信のはじめに送
る原情報パケットの量を所定量とだけしているが、この
量として、1枚の原フレームを構成する原情報パケット
を単位として、所定の単位を送信するようにしてもよ
い。これにより、通信のはじめに送られる原情報パケッ
トの最後のパケットは、常に原情報パケットとなる。
【0085】また、本実施形態では、誤り通知パケット
はフレーム順序番号およびパケット順序番号をただ1組
だけ通知するが、誤り通知用パケットが一つのFSEQ
フィールドに対して複数のPSEQフィールドを含ん
で、複数のパケット順序番号を通知してもよい。また、
複数組のフレーム順序番号およびパケット順序番号を通
知してもよい。さらに、ある原フレームを構成する原情
報パケットのすべて、もしくはそのほとんどが失われた
場合に備えて、原フレームを構成するすべての原情報パ
ケットを意味する値を用意しておき、その値をPSEQ
フィールドに書き込むことにより、この原フレームを構
成するすべての原情報パケットを再送させるようにして
もよい。
【0086】また、本実施形態では、原情報パケットお
よび予測情報パケットの双方にフレーム順序番号および
パケット順序番号を付与するようにしているが、原情報
パケットのみにこれらの順序番号付与するようにしても
よい。この場合には、EOMビットをFSEQフィール
ド以外の別のフィールドに用意する必要がある。
【0087】また、本実施形態では、情報発信装置12
の原情報パケット用バッファ32内に保持されている原
情報パケットを廃棄する方法として、タイマ36を利用
したタイムアウトによる方法をとっているが、原情報パ
ケット用バッファ32が所定の量に達した時点で、最小
のフレーム順序番号をもつパケットの中で、最小のパケ
ット順序番号のパケットから順に廃棄することも可能で
ある。このことにより、情報発信装置12の構成をより
簡単にすることができる。
【0088】以上のように、本実施形態によれば、フレ
ーム間圧縮符号化された動画像の情報を配送するVOD
システムにおいて、伝送路上でフレームに損失や誤りが
あった場合に、原フレームを再送するだけで損失や誤り
の回復を図ることができる。通信のはじめに、所定量の
原フレームを予測フレームに先んじて送ることにより、
少なくとも原フレームだけは復号に間に合わせることが
可能となり、原フレームが届かないことによって、それ
をもとにしている予測フレームも復号できなくなるのを
防いでいる。また、原フレームが届けば、予測フレーム
が届かない場合でも、前後のフレームから予測して内挿
することが可能となる。
【0089】次に、本発明の第2の実施形態について、
図面を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と
同様の構成要素については同一の番号を付し、その詳細
な説明を省略する。図9は、本実施形態に係る通信ネッ
トワーク・システムの構成を示す図である。図9におい
て、本システムは、サーバ11、情報発信装置12、中
継装置91および携帯端末92で構成されており、情報
発信装置12と中継装置91とが伝送路15を介して、
中継装置91と形態端末92とは無線伝送路93を介し
て接続されている。
【0090】図9において、利用者が携帯端末92にサ
ーバ11内の情報(例えば映画)へのアクセス要求を入
力すると、そのアクセス要求は無線伝送路93を経て中
継装置91に送られる。中継装置91は、受信したアク
セス要求を伝送路15を介して情報発信装置12に送
る。アクセス要求を受け取った情報発信装置12は、要
求された情報をサーバ11から取り出し、伝送路15を
介して中継装置91に送る。中継装置91は、送られた
情報を無線伝送路93を介して携帯端末92に送る。こ
れにより、利用者は望む情報を得ることができる。な
お、無線伝送路93は、赤外線や電波を用いた伝送路で
ある。
【0091】図10は、図9の携帯端末92の構成を示
すブロック図である。図10において、携帯端末92
は、情報受信装置103、ユーザ装置104およびイン
タフェース102を備えている。インターフェース10
2は、情報受信装置103とユーザ装置104との間の
情報のやりとりを仲介する。ユーザ装置104は、図5
に示したユーザ装置14とほぼ同じ構成と機能とをもつ
が、ユーザ装置14のインタフェース50に対応する構
成要素を含まないという点が異なる。これは、情報受信
装置103とユーザ装置104とが一つの端末内に収め
られており、インタフェース102のみで動作が可能な
ためである。
【0092】情報受信装置103は、図4に示した情報
受信装置13とほぼ同じ構成と機能とをもつ。ただし、
情報受信装置13の受信部41および送信部48は、伝
送路15を介して情報の送受信を行っていたが、情報受
信装置103の受信部41および送信部48は、アンテ
ナ101を通じ、無線伝送路93を介して情報の送受信
を行う点が異なる。
【0093】図10の受信部41は、アンテナ101が
捉えた信号の受信、検波、符号判定、クロック再生、開
始デリミタの検出、到着パケットの認識およびCRCの
検査、ならびに到着パケットが自局宛かどうかの判定を
行う。送信部48は、プリアンブル、開始デリミタ、C
RCおよび終了デリミタをパケットに付加する。送信部
48はまた、無線伝送路93用の搬送波を送信データで
変調して被変調信号を生成し、生成した信号をアンテナ
101を通じて無線伝送路93へ送信する。送受信切替
スイッチ105は、制御部49からの指示により、情報
受信装置103の送信/受信の動作を切り替える。
【0094】図11は、図9の中継装置91の構成を示
すブロック図である。図11において、中継装置91
は、判定部42、監視部43、原情報パケット用バッフ
ァ44、予測情報パケット用バッファ45、合成部4
6、制御部110、送信部111、受信部112、アン
テナ11a、送受信切り替えスイッチ11b、タイマ1
18およびメモリ119を備えている。送信部111
は、有線送信部1111および無線送信部1112を含
む。受信部112は、有線受信部1121および無線受
信部1122を含む。
【0095】図11の制御部110は、中継装置91全
体の動作を制御する。有線送信部1111は、プリアン
ブル、開始デリミタ、CRC、終了デリミタのパケット
への付加、送信データの伝送路符号へのエンコードおよ
びシリアルデータの送信を行う。無線送信部1112
は、必要ならばパケットを分割して、プリアンブル、開
始デリミタ、CRCおよび終了デリミタを付加する。ま
た、無線送信部1112は、無線伝送路93用の搬送波
を送信データで変調して被変調信号を生成し、生成した
信号をアンテナ11aを通じて無線伝送路93へ送信す
る。
【0096】有線受信部1121は、伝送路15を介し
て伝送されるシリアルデータの受信、受信データの伝送
路符号からのデコード、到着ビット列からの開始デリミ
タの検出、到着パケットの認識およびCRCの検査、な
らびに到着パケットが自局宛かどうかの判定を行う。無
線受信部1122は、アンテナ11aが捉えた信号の受
信、検波、符号判定、クロック再生、開始デリミタの検
出、到着パケットの認識およびCRCの検査、到着パケ
ットが自局宛かどうかの判定、ならびに到着パケットの
パケットタイプの判定を行う。メモリ119は、誤り通
知パケットおよびチャネル設定パケットのテンプレート
を記憶する。
【0097】原情報パケット用バッファ44と予測情報
パケット用バッファ45とは、それぞれ複数のバッファ
から構成され、各バッファは、携帯端末毎にパケットを
格納する。アンテナ11aは、無線送信部1112が生
成した信号の発信と、中継装置91からの信号の受信を
行う。送受信切替スイッチ11bは、制御部110から
の指示によって、中継装置91の送信/受信の動作を切
り替える。一般に、無線を用いたデータ通信は有線によ
るものと比べて信頼性が低いため、無線通信で使用され
るパケットの最大パケット長は、有線通信での最大パケ
ット長よりも短く設定される。本実施形態においても上
記の点を考慮して、無線受信部1112においてパケッ
トを分割することにより、中継装置91が送信するパケ
ットのパケット長を、無線伝送路93の最大パケット長
以下となるようにする。
【0098】図12は、図9の無線伝送路93における
信号の伝送方法を説明するための図である。本実施形態
では、無線伝送の方法としてTDMA(時分割多重多元
接続;Time Division Multiple
Access)を採用する。本実施形態では、無線伝
送波の周期Tを11に分割して、利用者に情報を伝送す
るのに使用される10のデータチャネルと、要求パケッ
トおよび誤り通知パケットの伝送や同期のために使用さ
れる1つの制御チャネルとに割り当てる。さらに、制御
チャネルは、中継装置91から携帯端末92に送られる
制御情報のための下り制御チャネルと、携帯端末92か
ら中継装置91へ送られるパケットのための上り制御チ
ャネルとに分けられる。
【0099】図13は、本発明で用いられるチャネル設
定パケットの構成を示す図である。図13のチャネル設
定パケットは、中継装置91が、情報発信装置12から
受信したパケットを携帯端末92に送信する前に、送信
に使用するデータチャネルのチャネル番号を携帯端末9
2に知らせるために送られる。チャネル番号は、チャネ
ル設定パケットのCNUM(チャネル番号;Chann
el Number)フィールドに含まれる。チャネル
設定パケットのその他のフィールドは、図2で説明した
パケットのものと同様であり、タイプ値は3である。ま
た、携帯端末92のアドレスは、携帯端末92自身の識
別番号と、その送受信を中継する中継装置91の識別番
号とを含んでいる。中継装置91は、自局の識別番号を
含む宛先アドレスをもつパケットを受信したとき、自局
が中継すべきパケットであると判断する。
【0100】図14は、図9の携帯端末92の動作を示
すフローチャートである。以下には、図9の携帯端末9
2の動作について、図10および14を用いて説明す
る。ユーザが携帯端末92のユーザ装置104の入力部
52から見たい映画の識別子(映画名)を入力すると、
この識別子と映画を要求する旨が、インタフェース10
2および制御部49に通知される(ステップS30
1)。通知を受けた制御部49は、メモリ47に指示し
て、要求パケット用のテンプレートを送信部48に対し
て送らせるとともに、送信部48に上記識別子を通知す
る。さらに、制御部49は、図12の上り制御チャネル
のタイミングで、送受信切替スイッチ105を送信側に
切り替える。
【0101】送信部48は、情報発信装置12宛てに要
求パケットを送信する(ステップS302)。この際、
制御部49が管理している通信の状態は通信のはじめで
ある。送信部48は、送信する要求パケットのデータ部
に上記識別子を書き込む。また送信部48は、PA、S
DおよびEDフィールドの生成、ならびにCRCの計算
を行ってパケットに付加することにより、パケットを完
全なものとする。次いで送信部48は、無線伝送路93
の搬送波で、完成したパケットのビット列を変調し、変
調したビット列をアンテナ101を通じて送信する。送
信した後、制御部49は、送受信切替スイッチ105を
受信側に切り替える。
【0102】受信部41は、アンテナ101が捉えた、
変調された信号を受信する。受信部41は、受信した信
号を復調し、得られたビット列から開始デリミタのビッ
トパターンを検出して、それ以降に続く有意のビット列
を抽出する。次いで、受信部41は、抽出したビット列
のDAフィールドおよびTYPEフィールドに基づい
て、受信したビット列が自局宛てのチャネル設定パケッ
トであることを確認し、また、CRCを用いてパケット
内に誤りを含んでいないかどうかを検査することによ
り、正しいチャネル設定パケットを受信したか否かを判
断する(ステップS303)。
【0103】正しいチャネル設定パケットを受信したと
判断すると、受信部41は、受信したチャネル設定パケ
ットのCNUMフィールドに含まれるチャネル番号を制
御部49に送る。制御部49は、送られたチャネル番号
を記憶し、このチャネル番号のデータチャネルでデータ
パケットを受信する(ステップS304)。ステップS
305以降の動作は、図7のステップS103以降の動
作と、送受信切替スイッチ105の設定等、無線伝送に
かかわる部分を除いて同様であるので、説明を省略す
る。また、サーバ11および情報発信装置12の動作
は、第1の実施形態において図8を用いて説明した動作
と同様であるので、説明を省略する。
【0104】図15は、図9の中継装置91の動作を示
すフローチャートである。以下には、中継装置91の動
作を、図11および15を用いて説明する。図15のス
テップS401からステップS405aまでは、図8の
ステップS203からステップS207aまでと同様で
あるので、説明を省略する。ただし、図15のステップ
S404において、受信された原情報パケットが原情報
パケット用バッファ44に送られる際に、制御部110
は、タイマ118を設定する。また、ステップS405
aでは、制御部110は、原情報パケット用バッファ4
4の容量が所定の量に達したと判断した場合に、未使用
のデータチャネルを選択し、選択したチャネルのチャネ
ル番号を無線送信部1112に通知すると同時に、メモ
リ119に指示して、チャネル設定パケットのテンプレ
ートを無線送信部1112に向けて送らせる。その後、
制御部110は、送受信切替スイッチ11bを送信側に
切り替える。
【0105】無線送信部1112は、メモリ119から
受け取ったテンプレートに従って、CNUMフィールド
に制御部110から通知されたチャネル番号を含む完全
なチャネル設定パケットを生成し、生成したチャネル設
定パケットを下り制御チャネルを用いて送信する(ステ
ップS405b)。一方、合成部46は、原情報パケッ
ト用バッファ44と予測情報パケット用バッファ45に
格納されているデータパケットを合成する(ステップS
406)。次に、無線送信部1112は、制御部110
が設定したチャネル番号のデータチャネルを用いて、合
成部46が合成したデータパケットを送信する(ステッ
プS407)。所定の時間が経過して、タイマ118が
タイムアウトすると(ステップS408)、制御部11
0は、原情報パケット用バッファ44に指示して、所定
の保持時間が経過した原情報パケットを廃棄させる(ス
テップS408a)。
【0106】無線受信部1122は、アンテナ11aが
捉えた、変調された信号を受信すると、受信した信号を
復調し、復調して得られたビット列から開始デリミタの
ビットパターンを検出して、それ以降に続く有意のビッ
ト列を抽出する(ステップS409)。次に、無線受信
部1122は、抽出したビット列のDAフィールドおよ
びTYPEフィールドに基づいて、受信したパケットが
情報発信装置12宛ての誤り通知パケットであるかどう
かを判断する(ステップS410)。
【0107】受信したパケットが情報発信装置12宛て
の誤り通知パケットである場合、無線受信部1122
は、FSEQフィールドおよびPSEQフィールドに含
まれるフレーム順序番号およびパケット順序番号と、S
Aフィールドに含まれる送信元アドレスとを制御部11
0に通知する。制御部110は、通知されたフレーム順
序番号、パケット順序番号および送信元アドレスに対応
する原情報パケットが、原情報パケット用バッファ44
に格納されているか否かを判定する(ステップS410
a)。
【0108】原情報パケット用バッファ44が対応する
パケットを格納している場合、制御部110は、そのパ
ケットを合成部46、無線送信部1112およびアンテ
ナ11aを通じて送信させる(ステップS410b)。
対応するパケットがない場合、または受信したパケット
が誤り通知パケット以外のパケットである場合には、制
御部110は、無線受信部1122に指示して、無線受
信部1122が受信したパケットをそのまま有線送信部
1111に向けて転送させる。さらに、制御部110
は、有線送信部1111に指示して、転送されたパケッ
トを伝送路15を介して送信させる(ステップS41
1)。
【0109】以上のように、本実施形態によれば、利用
者が携帯端末を利用している場合でも、伝送路において
フレームが損失したり、誤りが生じた場合に、原フレー
ムを再送するだけで、圧縮符号化された画像情報を遅滞
なく伝送することが可能となる。また、本実施形態で
は、中継装置91にいったん原情報パケットを蓄え、携
帯端末92から誤り通知があった場合に、中継装置91
に蓄えられている原情報パケットを携帯端末92に再送
することにより、情報発信装置12およびサーバ11の
負荷を軽減し、かつ伝送路15を通過する情報量を減ら
すことができる。
【0110】次に、本発明の第3の実施形態について、
図面を参照しながら説明する。なお、第1および第2の
実施形態と同様の構成要素については同一の番号を付
し、その詳細な説明を省略する。図16は、本実施形態
に係るネットワーク・システムの構成を示す図である。
本実施形態も第2の実施形態と同様に中継装置を介した
情報アクセスの一例であるが、第2の実施形態とは、携
帯端末92からのアクセス要求や誤り通知が中継装置1
62を経由して送られるのではなく、上り無線伝送路1
63を介して情報発信装置161に直接送られる点が異
なる。上り無線伝送路163と下り無線伝送路164と
では、異なる周波数の電波が用いられる。上り無線伝送
路163では、携帯端末165毎のFDMA(周波数分
割多元接続;Frequency Division
Multiple Access)による伝送が行われ
る。一方、下り無線伝送路164は、下りチャネルだけ
の伝送路であって、そこでは、第2の実施形態と同様
に、TDMAによる伝送が行われる。また、中継装置1
62と携帯端末165との間の下り無線伝送路164
は、である。
【0111】図17は、図16の情報発信装置161の
構成を示すブロック図でる。図17において、情報発信
装置161は、インターフェース30、パケット生成部
31、原情報パケット用バッファ32、予測情報パケッ
ト用バッファ33、送信部34、タイマ36、制御部3
7、受信部171およびアンテナ1713を備えてい
る。受信部171は、有線受信部1711および無線受
信部1712を含む。
【0112】有線受信部1711は、伝送路15を介し
て送信されたシリアルデータの受信、受信データの伝送
路符号からのデコード、到着ビット列からの開始デリミ
タの検出、到着パケットの認識およびCRCの検査、な
らびに到着パケットが自局宛かどうかの判定を行う。無
線受信部1712は、アンテナ1713が捉えた信号の
受信、検波、符号判定、クロック再生、開始デリミタの
検出、到着パケットの認識およびCRCの検査、到着パ
ケットが自局宛てかどうかの判定、ならびに到着パケッ
トのパケットタイプの判定を行う。
【0113】図18は、図16の中継装置162の構成
を示すブロック図である。図18において、中継装置1
62は、図11の中継装置91の構成要素のうち、無線
受信部1122および送受信切替スイッチ11bを除く
全ての構成要素を備えている。
【0114】図19は、図16の携帯端末165の構成
を示すブロック図である。図19の携帯端末165は、
図10の携帯端末92の構成要素のうち、送信部48お
よび受信部41を除く全ての構成要素と、上り無線伝送
路送信部201および下り無線伝送路受信部202とを
備えている。上り無線伝送路送信部201は、上り無線
伝送路163用の搬送波でパケットを変調して送信す
る。下り無線伝送路受信部202は、下り無線伝送路1
64を介して伝送された信号を受信する。他の構成要素
は、それぞれ、図10の携帯端末92のものと同様の動
作を行う。
【0115】図20は、図16の情報発信装置161の
動作を示すフローチャートである。図20において、情
報発信装置161の動作のうち、ステップS501から
ステップS509aまでは、図8のフローチャートに示
した、情報発信装置12のステップS201からステッ
プS209aまでの動作と同様である。ただし、図20
のステップS501では、アンテナ1713が捉えた要
求パケットを無線受信部1712が受信する。
【0116】ステップS509、もしくはステップS5
09aの後、無線受信部1712がアンテナ1713か
らの信号を受信すると、無線受信部1712は、開始デ
リミタのビットパターンを検出して、それ以降に続く有
意のビット列を抽出する。続いて、無線受信部1712
は、抽出したビット列のDAフィールドおよびTYPE
フィールドに基づいて、受信したパケットが情報発信装
置12宛ての誤り通知パケットであるかどうかを判断す
る(ステップS510)。
【0117】情報発信装置12宛ての誤り通知パケット
であると判断すると、無線受信部1712は、受信した
誤り通知パケットのSAフィールドに含まれるアドレス
を制御部37に通知する。制御部37は、このアドレス
により、誤り通知パケットの発信元が中継装置162で
あるのか、携帯端末165であるのかをを判定する(ス
テップS510a)。携帯端末165からの誤り通知パ
ケットであると判断すると、制御部37は、無線受信部
1712と送信部34とに指示して、無線受信部171
2が受信した誤り通知パケットを、発信元の携帯端末1
65への伝送を中継する中継装置162を経て、携帯端
末165宛てに送信させる(ステップS510b)。送
信する際、送信部34は、誤り通知パケットのSAフィ
ールドとDAフィールドとを入れ替る。
【0118】ステップS510aで、受信した誤り通知
パケットの発信元が中継装置161であると判断する
と、制御部37は、無線受信部1712に指示して、無
線受信部1712が受信した誤り通知パケットのFSE
QフィールドおよびPSEQフィールドに含まれるフレ
ーム順序番号およびパケット順序番号と、SAフィール
ドに含まれる送信元アドレスとを制御部37自身宛に送
らせる。フレーム順序番号、パケット順序番号および送
信元アドレスを受け取ると、制御部37は、原情報パケ
ット用バッファ32と送信部34とに指示して、原情報
パケット用バッファ32に格納しているパケットのう
ち、受け取ったフレーム順序番号およびパケット順序番
号をもつ原情報パケットを中継装置161宛に送信させ
る。この際、送信部34は、上記送信元アドレスと宛先
アドレスとを入れ替えて送信する。ステップS511の
動作は、図8のステップS211の動作と同様である。
【0119】図21は、図16の中継装置162の動作
を示すフローチャートである。以下には、図18および
図20を用いて、図16の中継装置162の動作を説明
する。有線受信部1121は、伝送路15を介してパケ
ットを受信すると(ステップS601)、受信したパケ
ットのパケットタイプを判定する(ステップS60
2)。有線受信部1121が、受信したパケットをデー
タパケットであると判定すると、中継装置162は、ス
テップS603からステップS609aまでの動作を行
う。これらの動作は、図15のステップS402からス
テップS408aまでの動作と同様である。
【0120】有線受信部1121が、受信したパケット
を誤り通知パケットであると判断すると、そのパケット
のFSEQフィールドおよびPSEQフィールドに含ま
れるフレーム順序番号およびパケット順序番号と、DA
フィールドに含まれる宛先アドレスとを制御部110に
通知する。通知を受けた制御部110は、原情報パケッ
ト用バッファ44が格納している内容を確認して、通知
されたフレーム順序番号、パケット順序番号および宛先
アドレスに該当する原情報パケットがあるかどうかを判
定する(ステップS602a)。該当する原情報パケッ
トがあれば、制御部110は、原情報パケット用バッフ
ァ44および無線送信部1112に指示して、その原情
報パケットを誤り通知パケットに書き込まれている宛先
アドレスを持つ携帯端末162宛に送信させる。
【0121】ステップS602aで、該当する原情報パ
ケットがなければ、制御部110は、有線送信部111
1に指示して、有線受信部1121が受信した誤り通知
パケットを、情報発信装置161宛てに送信させる。こ
の際、誤り通知パケットのSAフィールドとDAフィー
ルドとは入れ替えて送信される。
【0122】また、図16の携帯端末165の動作は、
図14を用いて説明した携帯端末92の動作と同様であ
る。ただし、携帯端末165から送信されるパケット
は、中継装置162宛てではなく、情報発信装置161
宛てである。
【0123】以上のように、本実施形態によれば、利用
者が、サーバにより蓄積されている情報に携帯端末から
アクセスする場合でも、伝送路上でフレームが損失した
り、フレームに誤りが生じた際に、原フレームを再送す
るだけで、遅滞ない伝送が可能になる。また、本実施形
態では、中継装置と携帯端末との間の無線伝送路は、下
りのみであるため、中継装置と携帯端末との間は、上り
/下りでアクセス競合をしない放送型の無線伝送路とす
ることができる。従って、本実施形態は、大量の情報を
伝送するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る通信ネットワー
ク・システムの構成を示す図である。
【図2】本発明において送受信されるパケットの構成を
示す図である。
【図3】図1の情報発信装置12の、要部の構成を示す
ブロック図である。
【図4】図1の情報受信装置13の、要部の構成を示す
ブロック図である。
【図5】図1のユーザ装置14の構成を示すブロック図
である。
【図6】本発明の圧縮符号化において、原フレームおよ
び予測フレームがどのような順序で並んでいるかを示す
図である。
【図7】図1の情報受信装置13およびユーザ装置14
の動作を示すフローチャートである。
【図8】図1の情報発信装置12およびサーバ11の動
作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る通信ネットワー
ク・システムの構成を示す図である。
【図10】図9の携帯端末92の構成を示すブロック図
である。
【図11】図9の中継装置91の構成を示すブロック図
である。
【図12】図9の無線伝送路93における信号の伝送方
法を説明するための図である。
【図13】本発明で用いられるチャネル設定パケットの
構成を示しす図である。
【図14】図9の携帯端末92の動作を示すフローチャ
ートである。
【図15】図9の中継装置91の動作を示すフローチャ
ートである。
【図16】本発明の第3の実施形態に係る通信ネットワ
ーク・システムの構成を示す図である。
【図17】図16の情報発信装置161の構成を示すブ
ロック図でる。
【図18】図16の中継装置162の構成を示すブロッ
ク図である。
【図19】図16の携帯端末165の構成を示すブロッ
ク図である。
【図20】図16の情報発信装置161の動作を示すフ
ローチャートである。
【図21】図16の中継装置162の動作を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
11 サーバ 12、161 情報発信装置 13、103、203 情報受信装置 14、104 ユーザ装置 15 伝送路 30、40、50、102 インタフェース 31 パケット生成部 32、44 原情報パケット用バッファ 33、45 予測情報パケット用バッファ 34、48、111 送信部 35、41、112、171、212 受信部 37、49、110 制御部 42 判定部 43 監視部 46 合成部 47、119 メモリ 91、162 中継装置 92、165 携帯端末 93 無線伝送路 163 上り無線伝送路 164 下り無線伝送路

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーバが保有する圧縮符号化された動画
    像情報を、フレーム間圧縮符号化されていない情報のみ
    を含む原情報パケットと、フレーム間圧縮符号化された
    情報のみを含む予測情報パケットとして、情報発信装置
    から情報受信装置へ伝送路を介して伝送する方法であっ
    て、 予測情報パケットに先行して原情報パケットを所定の数
    だけ送信し、当該原情報パケットのうち伝送路上で欠落
    した原情報パケットを速やかに再送することにより、連
    続する動画像情報を遅滞なく伝送可能にすることを特徴
    とする伝送方法。
  2. 【請求項2】 前記情報発信装置は、送信する原情報パ
    ケットを再送用に記憶しておき、前記情報受信装置は、
    受信した原情報パケットを記憶するとともに、伝送路上
    で欠落した原情報パケットの再送要求を前記情報発信装
    置に送信することを特徴とする、請求項1に記載の伝送
    方法。
  3. 【請求項3】 前記情報発信装置は、伝送路上で欠落し
    た原情報パケットを再送する際に、再送に引き続いて、
    送信済みの原情報パケットに続く復号順序の原情報パケ
    ットを所定の数量だけ送信することを特徴とする、請求
    項2に記載の伝送方法。
  4. 【請求項4】 前記情報発信装置は、原情報パケットに
    順序番号を付与し、前記情報受信装置は、付与された順
    序番号が連続しているか否かにより、原情報パケットの
    欠落を検出することを特徴とする、請求項2に記載の伝
    送方法。
  5. 【請求項5】 前記情報発信装置は、欠落した原情報パ
    ケットを再送する際に、再送に引き続いて、送信済みの
    原情報パケットに続く順序番号を有する原情報パケット
    を所定の数量だけ送信することを特徴とする、請求項4
    に記載の伝送方法。
  6. 【請求項6】 サーバが保有する圧縮符号化された動画
    像情報を、フレーム間圧縮符号化されていない情報のみ
    を含む原情報パケットと、フレーム間圧縮符号化された
    情報のみを含む予測情報パケットとして、情報発信装置
    から情報受信装置へ伝送路を介し、かつ中継装置を経て
    伝送する方法であって、 前記情報発信装置は、予測情報パケットに先行して原情
    報パケットを所定の数だけ送信するとともに、再送用に
    記憶しておき、 前記中継装置は、中継する原情報パケットを再送用に記
    憶しておき、 当該原情報パケットのうち、前記情報発信装置と前記中
    継装置との間の伝送路上で欠落した原情報パケットを前
    記情報発信装置が、前記中継装置と前記情報受信装置と
    の間の伝送路上で欠落した原情報パケットを前記中継装
    置が、それぞれ速やかに再送することにより、連続する
    動画像情報を遅滞なく伝送可能にすることを特徴とする
    伝送方法。
  7. 【請求項7】 前記情報受信装置は、欠落した原情報パ
    ケットの再送要求を前記中継装置に向けて送信し、 前記中継装置は、再送要求に応じて、欠落した原情報パ
    ケットに相当するパケットを記憶していれば当該パケッ
    トを送信し、記憶していなければ、前記情報発信装置に
    指示して、前記情報発信装置が記憶している原情報パケ
    ットを送信させることを特徴とする、請求項6に記載の
    伝送方法。
  8. 【請求項8】 前記情報受信装置は、欠落した原情報パ
    ケットの再送要求を前記情報発信装置に向けて送信し、 前記情報発信装置は、再送要求に応じて、欠落した原情
    報パケットに相当するパケットを前記中継装置が記憶し
    ていれば、前記中継装置に指示して、当該パケットを再
    送させ、記憶していなければ、自己が記憶している原情
    報パケットのうち、欠落した原情報パケットに相当する
    パケットを送信することを特徴とする、請求項6に記載
    の伝送方法。
  9. 【請求項9】 サーバが保有する圧縮符号化された動画
    像情報を、伝送路を介して、パケットとして情報受信装
    置に送信する情報発信装置であって、 前記情報受信装置は、受信した原情報パケットに欠落が
    あれば、当該パケットの再送要求を送信する機能を有し
    ており、 前記情報発信装置は、 前記サーバから圧縮符号化された動画像情報を取得し
    て、フレーム間圧縮符号化されていない情報のみを含む
    原情報パケット、およびフレーム間圧縮符号化された情
    報のみを含む予測情報パケットを生成する生成手段と、 前記生成手段が生成した原情報パケットを記憶する記憶
    手段と、 前記生成手段が生成した原情報パケットおよび予測情報
    パケットを送信する送信手段と、 前記情報受信装置により送信された再送要求を受信する
    受信手段とを備え、 前記送信手段は、予測情報パケットに先行して所定の数
    量の原情報パケットを送信し、かつ前記受信手段が再送
    要求を受信した場合に、前記記憶手段が記憶している原
    情報パケットのうち、伝送路上で欠落した原情報パケッ
    トに相当するパケットを速やかに再送することを特徴と
    する情報発信装置。
  10. 【請求項10】 前記送信手段は、前記受信手段が欠落
    した原情報パケットの再送要求を受信した場合に、当該
    パケットの再送に引き続いて、前記生成手段が生成した
    原情報パケットを所定の数量だけ送信することを特徴と
    する、請求項9に記載の情報発信装置。
  11. 【請求項11】 前記生成手段は、生成した原情報パケ
    ットに順序番号を付与することを特徴とする、請求項9
    に記載の情報発信装置。
  12. 【請求項12】 前記送信手段は、前記受信手段が欠落
    した順序番号の原情報パケットの再送要求を受信した場
    合に、当該順序番号の原情報パケットの再送に引き続い
    て、前記生成手段が生成した、当該順序番号に引き続く
    順序番号の原情報パケットを所定の数量だけ送信するこ
    とを特徴とする、請求項11に記載の情報発信装置。
  13. 【請求項13】 情報発信装置が伝送路を介して送信す
    る、フレーム間圧縮符号化されていない情報のみを含む
    原情報パケット、およびフレーム間圧縮符号化された情
    報のみを含む予測情報パケットを受信して、自己と接続
    された復号器に出力する情報受信装置であって、 前記情報発信装置は、予測情報パケットに先行して原情
    報パケットを送信し、かつ、当該原情報パケットのう
    ち、伝送路上で欠落した原情報パケットを求めに応じて
    再送する機能を有しており、 前記情報受信装置は、 前記情報発信装置が送信した原情報パケットおよび予測
    情報パケットを受信する受信手段と、 前記受信手段が受信した原情報パケットを記憶する記憶
    手段と前記受信手段が受信した原情報パケットに欠落が
    ないかを監視する監視手段と、 前記監視手段が原情報パケットの欠落を見いだした場合
    に、前記情報発信装置に対して、当該パケットの再送要
    求を送信する送信手段とを備え、 前記記憶手段が記憶した原情報パケットと、前記受信手
    段が受信した、予測情報パケットおよび再送された原情
    報パケットとを、復号されるべき順序で前記復号器に出
    力することを特徴とする情報受信装置。
  14. 【請求項14】 前記監視手段は、原情報パケットに付
    与された順序番号が連続しているか否かにより、原情報
    パケットの欠落を検出することを特徴とする、請求項1
    3に記載の情報受信装置。
  15. 【請求項15】 情報発信装置が伝送路を介して送信す
    る、フレーム間圧縮符号化されていない情報のみを含む
    原情報パケット、およびフレーム間圧縮符号化された情
    報のみを含む予測情報パケットを受信して、伝送路を介
    して情報受信装置に送信する中継装置であって、 前記情報発信装置は、予測情報パケットに先行して所定
    の数の原情報パケットを送信し、かつ当該原情報パケッ
    トを記憶し、かつ記憶している原情報パケットを求めに
    応じて再送する機能を有しており、 前記情報受信装置は、受信した原情報パケットを記憶
    し、かつ当該原情報パケットに欠落がある場合に、前記
    中継装置に再送要求を送信する機能を備えており、 前記中継装置は、 前記情報発信装置が送信した原情報パケットおよび予測
    情報パケットを受信し、かつ前記情報受信装置が送信す
    る再送要求を受信する受信手段と、 前記受信手段が受信した原情報パケットを記憶する記憶
    手段と、 前記受信手段が受信した原情報パケットおよび予測情報
    パケットを前記情報受信装置に送信し、かつ前記記憶手
    段が記憶した原情報パケットを再送する送信手段とを備
    え、 前記送信手段は、前記受信手段が再送要求を受信した
    際、前記記憶手段が記憶した原情報パケットの中に要求
    されたパケットがある場合は、当該パケットを再送し、
    要求されたパケットがない場合には、前記情報発信装置
    に再送要求を転送することを特徴とする中継装置。
  16. 【請求項16】 情報発信装置が伝送路を介して送信す
    る、フレーム間圧縮符号化されていない情報のみを含む
    原情報パケット、およびフレーム間圧縮符号化された情
    報のみを含む予測情報パケットを受信して、伝送路を介
    して情報受信装置に送信する中継装置であって、 前記情報発信装置は、予測情報パケットに先行して所定
    の数の原情報パケットを送信し、かつ当該原情報パケッ
    トを記憶し、かつ、前記情報受信装置が送信する再送要
    求を受信して、前記中継装置に転送し、かつ記憶してい
    る原情報パケットを求めに応じて再送する機能を有して
    おり、 前記情報受信装置は、受信した原情報パケットを記憶
    し、かつ当該原情報パケットに欠落がある場合に、前記
    情報発信装置に再送要求を送信する機能を備えており、 前記中継装置は、 前記情報発信装置が送信した原情報パケットおよび予測
    情報パケットを受信し、かつ前記情報発信装置が転送す
    る再送要求を受信する受信手段と、 前記受信手段が受信した原情報パケットを記憶する記憶
    手段と、 前記受信手段が受信した原情報パケットおよび予測情報
    パケットを前記情報受信装置に送信し、かつ前記記憶手
    段が記憶した原情報パケットを再送し、かつ前記受信手
    段が受信した再送要求を前記情報発信装置に返送する送
    信手段とを備え、 前記送信手段は、前記受信手段が再送要求を受信した
    際、前記記憶手段が記憶した原情報パケットの中に、要
    求されたパケットがある場合は、当該パケットを再送
    し、要求されたパケットがない場合には、前記情報発信
    装置に再送要求を返送することを特徴とする中継装置。
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