JPH09199340A - 低騒音積層鉄心 - Google Patents
低騒音積層鉄心Info
- Publication number
- JPH09199340A JPH09199340A JP8005589A JP558996A JPH09199340A JP H09199340 A JPH09199340 A JP H09199340A JP 8005589 A JP8005589 A JP 8005589A JP 558996 A JP558996 A JP 558996A JP H09199340 A JPH09199340 A JP H09199340A
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- Japan
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- iron core
- magnetic flux
- noise
- flux density
- parameter
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 静止誘導器鉄心の発生する騒音を低減する。
【解決手段】 低騒音積層鉄心において、交流の励磁下
で最大磁束密度時の磁歪から磁束密度が0時の磁歪を引
いた差λ0-P が、正の値である鉄心材料と負の値である
鉄心材料からなり、次式で表されるパラメータNが0.
5以下に限定することにより積層鉄心の騒音を低減す
る。 【数1】
で最大磁束密度時の磁歪から磁束密度が0時の磁歪を引
いた差λ0-P が、正の値である鉄心材料と負の値である
鉄心材料からなり、次式で表されるパラメータNが0.
5以下に限定することにより積層鉄心の騒音を低減す
る。 【数1】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は変圧器等の静止誘導
器での騒音の小さい積層鉄心に関する。
器での騒音の小さい積層鉄心に関する。
【0002】
【従来の技術】変圧器やリアクトル等の静止誘導器は、
鉄心を交流励磁すると騒音を発生する。この騒音は電力
需要の増大に伴い多数の変圧器が都市内に設置されてい
ること、また近年の環境重視の風潮から、その低減が強
く求められている。騒音の原因としては、励磁コイル間
の電磁力による振動、鉄心の継ぎ目および層間の磁気力
による振動、電磁鋼板の磁歪による振動等が考えられ
る。
鉄心を交流励磁すると騒音を発生する。この騒音は電力
需要の増大に伴い多数の変圧器が都市内に設置されてい
ること、また近年の環境重視の風潮から、その低減が強
く求められている。騒音の原因としては、励磁コイル間
の電磁力による振動、鉄心の継ぎ目および層間の磁気力
による振動、電磁鋼板の磁歪による振動等が考えられ
る。
【0003】これらの内、鉄心からの騒音を低減する方
法については、例えば鉄心の設計磁束密度を低くするこ
とにより低磁束密度での電磁鋼板の低磁歪性を利用する
こと、あるいはIEEE Transactions
8(1972)p.677に示されているように、高配
向性の方向性電磁鋼板を用いて磁歪を低減すること、表
面皮膜の張力を上げること等が有効であることが知られ
ている。また、特開昭47−28419号公報に開示さ
れるように鉄心の締め付け方法を限定することによって
も、騒音を低減することができる。
法については、例えば鉄心の設計磁束密度を低くするこ
とにより低磁束密度での電磁鋼板の低磁歪性を利用する
こと、あるいはIEEE Transactions
8(1972)p.677に示されているように、高配
向性の方向性電磁鋼板を用いて磁歪を低減すること、表
面皮膜の張力を上げること等が有効であることが知られ
ている。また、特開昭47−28419号公報に開示さ
れるように鉄心の締め付け方法を限定することによって
も、騒音を低減することができる。
【0004】さらに、特開昭48−83329号公報に
開示されるように、鉄心を遮音ケースで取り囲むこと
や、特開昭56−40213号公報に開示されるよう
に、変圧器を防振ゴムの上に設置することによっても騒
音を減らすことができる。また、特開平3−23530
9号公報に示されるように、鉄心の表面部分にFe−
6.5重量%Siの低磁歪材料を用いることによっても
鉄心の騒音低減が可能である。
開示されるように、鉄心を遮音ケースで取り囲むこと
や、特開昭56−40213号公報に開示されるよう
に、変圧器を防振ゴムの上に設置することによっても騒
音を減らすことができる。また、特開平3−23530
9号公報に示されるように、鉄心の表面部分にFe−
6.5重量%Siの低磁歪材料を用いることによっても
鉄心の騒音低減が可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上に記した
技術による静止誘導器の騒音低減は不十分であり、さら
なる騒音の低減が望まれている。本発明は、この静止誘
導器での騒音をさらに低減することが可能な積層鉄心を
提供することを目的としたものである。
技術による静止誘導器の騒音低減は不十分であり、さら
なる騒音の低減が望まれている。本発明は、この静止誘
導器での騒音をさらに低減することが可能な積層鉄心を
提供することを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】静止誘導器用の積層鉄心
は通常、0.3mm厚程度の方向性電磁鋼板等を積層する
ことによって製造される。方向性電磁鋼板等の鉄心材料
は励磁されることによって材料自体が伸縮する磁歪特性
を持ち、これが鉄心の騒音の原因の一つとなっている。
交流で励磁したときの磁歪は磁束密度0のときの材料長
さl0 を基準に測定され、最大励磁磁束密度のときの材
料長さlとの差を基準長さl0 で割った、λ0-P =(l
−l0 )/l0 で表される。このλ0-P は材料によって
正の値をとることもあれば負の値をとることもある。λ
0-P の符号の異なる材料は図1に示すように交流励磁下
で逆位相で伸縮する。したがって、これらの材料から発
生する音波が逆位相であり打ち消し合うことが期待され
る。
は通常、0.3mm厚程度の方向性電磁鋼板等を積層する
ことによって製造される。方向性電磁鋼板等の鉄心材料
は励磁されることによって材料自体が伸縮する磁歪特性
を持ち、これが鉄心の騒音の原因の一つとなっている。
交流で励磁したときの磁歪は磁束密度0のときの材料長
さl0 を基準に測定され、最大励磁磁束密度のときの材
料長さlとの差を基準長さl0 で割った、λ0-P =(l
−l0 )/l0 で表される。このλ0-P は材料によって
正の値をとることもあれば負の値をとることもある。λ
0-P の符号の異なる材料は図1に示すように交流励磁下
で逆位相で伸縮する。したがって、これらの材料から発
生する音波が逆位相であり打ち消し合うことが期待され
る。
【0007】本発明者等はこの期待される現象を工業的
に利用することを考え鋭意実験を行った結果、以下の発
明に到った。即ち、λ0-P が正の値である鉄心材料と負
の値である鉄心材料からなり、次式で表されるパラメー
タNが0.5以下とすることにより積層鉄心の騒音を低
減できることを見いだした。
に利用することを考え鋭意実験を行った結果、以下の発
明に到った。即ち、λ0-P が正の値である鉄心材料と負
の値である鉄心材料からなり、次式で表されるパラメー
タNが0.5以下とすることにより積層鉄心の騒音を低
減できることを見いだした。
【数2】
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。λ0-P の値の符号の異なる複数の鉄心材料
から積層鉄心を製造する際に、次式で表されるパラメー
タNが0.5以下であるように構成する材料の量を限定
することによって騒音が低減できる。
て説明する。λ0-P の値の符号の異なる複数の鉄心材料
から積層鉄心を製造する際に、次式で表されるパラメー
タNが0.5以下であるように構成する材料の量を限定
することによって騒音が低減できる。
【数3】
【0009】このパラメータは小さい方が騒音の低減効
果が大きく0.5以下に限定するが、好ましくは0.2
以下が良い。また、このパラメータNは3種類以上の材
料から鉄心を構成する場合に、次式で置き換えても効果
は同等である。
果が大きく0.5以下に限定するが、好ましくは0.2
以下が良い。また、このパラメータNは3種類以上の材
料から鉄心を構成する場合に、次式で置き換えても効果
は同等である。
【数4】 ただし、そのとき構成する鉄心材料のうち少なくとも一
組の材料のλ0-P の符号が異なっていることを本発明の
要件とする。
組の材料のλ0-P の符号が異なっていることを本発明の
要件とする。
【0010】鉄心材料としては通常、方向性電磁鋼板を
使用するが、アモルファス材料、二方向性電磁鋼板等他
の鉄心材料、あるいはそれら材料との組み合わせであっ
ても、本発明の作用効果を損なうものではない。
使用するが、アモルファス材料、二方向性電磁鋼板等他
の鉄心材料、あるいはそれら材料との組み合わせであっ
ても、本発明の作用効果を損なうものではない。
【0011】鉄心の構成方法としては、図2(a)に示
すようにλ0-P が正の材料と負の材料を交互に積層して
も良いが、図2(b)に示すようにλ0-P が正の材料で
内周側の鉄心を構成し、λ0-P が負の材料で外周側の鉄
心を構成してもよいし、またその逆でもよい。また、図
2(c)に示すように数層からなる複数の鉄心部分をλ
0-P が正負の材料で交互に構成しても構わない。また、
積層鉄心の作製方法は積鉄心でも巻鉄心でも構わない。
以上のように積層鉄心を作製する事によって騒音を低減
することが出来る。
すようにλ0-P が正の材料と負の材料を交互に積層して
も良いが、図2(b)に示すようにλ0-P が正の材料で
内周側の鉄心を構成し、λ0-P が負の材料で外周側の鉄
心を構成してもよいし、またその逆でもよい。また、図
2(c)に示すように数層からなる複数の鉄心部分をλ
0-P が正負の材料で交互に構成しても構わない。また、
積層鉄心の作製方法は積鉄心でも巻鉄心でも構わない。
以上のように積層鉄心を作製する事によって騒音を低減
することが出来る。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに説明
する。 [実施例1]最高励磁磁束密度が1.7Tのときのλ0-
P が表1に示す値である0.3mm厚の方向性電磁鋼板A
と同板厚の方向性電磁鋼板Bを用いて積鉄心を作製し
た。積鉄心(1)はAの材料のみを使用し、積鉄心
(2)ではBの材料のみを用いた。またAとBの材料の
使用量を変え図2(b)に示す形態で5種類の積鉄心
(3)〜(7)を作製した。表2にそれぞれの鉄心の励
磁磁束密度1.7Tでの騒音を示し、図3にパラメータ
Nと騒音との関係を示す。図3からわかるように本発明
範囲内のパラメータNを持つ鉄心(4)〜(6)の騒音
が小さい。
する。 [実施例1]最高励磁磁束密度が1.7Tのときのλ0-
P が表1に示す値である0.3mm厚の方向性電磁鋼板A
と同板厚の方向性電磁鋼板Bを用いて積鉄心を作製し
た。積鉄心(1)はAの材料のみを使用し、積鉄心
(2)ではBの材料のみを用いた。またAとBの材料の
使用量を変え図2(b)に示す形態で5種類の積鉄心
(3)〜(7)を作製した。表2にそれぞれの鉄心の励
磁磁束密度1.7Tでの騒音を示し、図3にパラメータ
Nと騒音との関係を示す。図3からわかるように本発明
範囲内のパラメータNを持つ鉄心(4)〜(6)の騒音
が小さい。
【0013】
【表1】
【表2】
【0014】[実施例2]最高励磁磁束密度が1.6T
のときのλ0-P が表3に示す値である0.23mm厚の方
向性電磁鋼板Aと同板厚の方向性電磁鋼板Bを用いて積
鉄心を作製した。積鉄心(1)はAの材料のみを、積鉄
心(2)ではBの材料のみを用いた。積鉄心(3)では
AとBの材料を図2(a)に示すように交互に積層し
た。表4にそれぞれの鉄心の励磁磁束密度1.6Tでの
騒音を示す。表4から鉄心(3)の騒音が小さいことが
わかる。
のときのλ0-P が表3に示す値である0.23mm厚の方
向性電磁鋼板Aと同板厚の方向性電磁鋼板Bを用いて積
鉄心を作製した。積鉄心(1)はAの材料のみを、積鉄
心(2)ではBの材料のみを用いた。積鉄心(3)では
AとBの材料を図2(a)に示すように交互に積層し
た。表4にそれぞれの鉄心の励磁磁束密度1.6Tでの
騒音を示す。表4から鉄心(3)の騒音が小さいことが
わかる。
【0015】
【表3】
【表4】
【0016】
【発明の効果】以上説明した本発明に係る積層鉄心によ
って、静止誘導器鉄心の騒音を低減することができる。
って、静止誘導器鉄心の騒音を低減することができる。
【図1】λ0-P が正の材料と負の材料の交流励磁時の伸
びの変化を示す図。
びの変化を示す図。
【図2】本発明を構成するための鉄心材料の積層方法の
例を示す図。
例を示す図。
【図3】パラメータNと鉄心の騒音との関係を示す図。
Claims (1)
- 【請求項1】 低騒音積層鉄心において、交流の励磁下
で最大磁束密度時の磁歪から磁束密度が0時の磁歪を引
いた差λ0-P が、正の値である鉄心材料と負の値である
鉄心材料からなり、次式で表されるパラメータNが0.
5以下であることを特徴とする騒音特性にすぐれた積層
鉄心。 【数1】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8005589A JPH09199340A (ja) | 1996-01-17 | 1996-01-17 | 低騒音積層鉄心 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8005589A JPH09199340A (ja) | 1996-01-17 | 1996-01-17 | 低騒音積層鉄心 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09199340A true JPH09199340A (ja) | 1997-07-31 |
Family
ID=11615436
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8005589A Pending JPH09199340A (ja) | 1996-01-17 | 1996-01-17 | 低騒音積層鉄心 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09199340A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019102692A (ja) * | 2017-12-05 | 2019-06-24 | 日本製鉄株式会社 | 積鉄心 |
JPWO2018181831A1 (ja) * | 2017-03-30 | 2019-06-27 | Jfeスチール株式会社 | 変圧器鉄心 |
-
1996
- 1996-01-17 JP JP8005589A patent/JPH09199340A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2018181831A1 (ja) * | 2017-03-30 | 2019-06-27 | Jfeスチール株式会社 | 変圧器鉄心 |
KR20190110129A (ko) * | 2017-03-30 | 2019-09-27 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 변압기 철심 |
US11430599B2 (en) * | 2017-03-30 | 2022-08-30 | Jfe Steel Corporation | Transformer iron core |
EP3605566B1 (en) * | 2017-03-30 | 2023-06-07 | JFE Steel Corporation | Transformer iron core |
JP2019102692A (ja) * | 2017-12-05 | 2019-06-24 | 日本製鉄株式会社 | 積鉄心 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040921 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041005 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050215 |