JPH09196864A - 水分測定方法 - Google Patents

水分測定方法

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JPH09196864A
JPH09196864A JP8006066A JP606696A JPH09196864A JP H09196864 A JPH09196864 A JP H09196864A JP 8006066 A JP8006066 A JP 8006066A JP 606696 A JP606696 A JP 606696A JP H09196864 A JPH09196864 A JP H09196864A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膚等の深さ方向に誘電率分布を有する測定
対象の特定深さにおける水分(水の濃度及びそれに寄与
する水の運動性に関する情報)を、実用的な速度で、精
度良く、しかも簡便に測定することが可能な、水分測定
方法を提供すること。 【解決手段】 所定の電気長を有する電極を測定対象の
表面に接触させた後、該電極を通じて所定の入力信号を
測定対象に入力し、該入力信号に対する反射信号を該電
極を通じて測定し、測定した反射信号を周波数成分に分
解することなく該反射信号の信号処理を行って該測定対
象の表層の特定の深さに存在する水の誘電緩和時間及び
誘電緩和強度を求め、該誘電緩和時間及び該誘電緩和強
度に基づいて該測定対象の表層の特定深さの水分を求め
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、深さ方向に誘電率
分布を有する測定対象の表層における特定の深さに存在
する水の量及び状態を測定する方法に係わり、特に、人
の皮膚の表層における水の量及び状態を測定する水分測
定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人の皮膚には、その表面に厚さ100〜
300μmの表皮が存在し、その最外層に、厚さ10〜
20μmの角質層(以下、「角層」という。)と呼ばれ
る組織が存在する。表皮、特に角層の領域の水分の測定
は、皮膚自体の性質の評価や、化粧品や医薬品等の皮膚
に塗布する塗布剤の評価等に有効である。
【0003】従来より、皮膚の表層における水分の測定
法としては、一般に高周波インピーダンス法が用いられ
ている。しかし、高周波インピーダンス法は、皮膚の表
層における水の挙動を直接的には観測していないため、
皮膚の表層における水分以外に測定値に影響を及ぼす因
子が多く、測定の正確さに問題があった。また、高周波
インピーダンス法により得られる情報は、皮膚表面から
どの程度の深さのものであるかがあいまいであった。さ
らに、この方法では、測定された水分が自由水又は結合
水のいずれであるのかという、水の状態に関する情報を
得ることができなかった。
【0004】他の測定方法として、表皮を剥離し、カー
ルフィッシャー法、示差走査熱量法(DSC法)、熱重
量法(TG法)などで水の量や状態を測定することは可
能であるが、これは被験者に著しい苦痛を強いる方法で
あり、測定方法としては適当ではない。
【0005】また、他の測定方法として、減衰全反射赤
外吸収法(ATR−IR法)、近赤外光の反射率を測定
する方法等によっても水の状態を測定することが可能で
あるが、前者の方法では、表面から約1μmまでの領域
しか測定することができないし、また、後者の方法で
は、少なくとも200μmよりも深い領域の測定をして
しまう。
【0006】従って、皮膚の水分測定法として一般に用
いられてきたこれらの測定方法では、非破壊で表皮の深
さ領域における水分量や状態を測定することはできなか
った。
【0007】これらの測定方法に対して、皮膚の水分測
定法として、皮膚の誘電率を測定し、そこに存在する水
の誘電緩和特性を測定し、斯かる誘電緩和特性から水分
量や状態を測定する方法が提案されている。この水分測
定法における、水の誘電緩和特性の測定法としては、周
波数領域測定法と時間領域反射法(以下、「TDR法
(Time Domain Reflectometory)」という。)の二種類
の測定方法があるが、近年、後者のTDR法に関する測
定技術及びその応用研究が積極的に進められている。
【0008】このTDR法は、測定対象に対して、例え
ばステップパルスなどの特定波形を有する入力信号を入
力してその反射信号を測定し、この反射信号の各周波数
成分の位相と強度の変化から測定対象の複素誘電率を求
める方法である。斯かるTDR法を利用した水分測定法
に関する従来技術として、特開平2−110357号公
報(同公報第4頁上右欄10行〜第7頁下右欄17行)
に記載の技術が知られている。
【0009】上記公報に記載の測定方法によれば、皮膚
中の水分含量を非破壊的かつ定量的に測定することがで
き、また、測定された水分が自由水又は結合水のいずれ
に起因するものであるかという情報も得ることができる
ので好ましい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載の方法では、測定深さ、測定速度の点で以下に
示すような課題があった。
【0011】〔測定深さ〕上記の水分測定方法において
利用している上記TDR法は、濃度が均一な液状物を測
定対象としているため、測定対象が深さ方向に濃度分布
を有する場合において、その特定深さにおける濃度を測
定することはできなかった。また、このTDR法におい
て汎用的に使用されている電極の電極長は100μm以
上であるため、肌性状と密接な関係にある角層領域にお
ける水分を選択的に測定することはできない。
【0012】〔測定時間〕また、上記のTDR法におい
ては、測定された反射信号を一旦周波数成分に分解し、
反射理論式から複素誘電スペクトルを求め、その複素誘
電スペクトルの緩和パラメーターを最小二乗近似によっ
て求めているので、その決定を自動的に行うことは困難
であり、操作者の関与が欠かせない。そのため、1測定
点を測定して水分量や水の状態に関する情報を得るまで
に数十分の時間を要し、汎用的な皮膚の水分測定に用い
るものとしては、好ましい測定速度とはいえなかった。
【0013】従って、本発明の目的は、皮膚等の深さ方
向に誘電率分布を有する測定対象の特定深さにおける水
分(水の濃度及びそれに寄与する水の運動性に関する情
報)を、実用的な速度で、精度良く、しかも簡便に測定
することが可能な、水分測定方法を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、TDR法による水分測定において、1)特定
の電気長を有する電極を用い、2)反射信号(反射波)
を周波数成分に分解することなく、直接解析することに
よって、上記目的を達成し得ることを知見し、本発明を
完成させるに至った。
【0015】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
であり、所定の電気長を有する電極を測定対象の表面に
接触させた後、該電極を通じて所定の入力信号を測定対
象に入力し、該入力信号に対する反射信号を該電極を通
じて測定し、測定した反射信号を周波数成分に分解する
ことなく該反射信号の信号処理を行って該測定対象の表
層の特定の深さに存在する水の誘電緩和時間及び誘電緩
和強度を求め、該誘電緩和時間及び該誘電緩和強度に基
づいて該測定対象の表層の特定深さの水分を求めること
を特徴とする水分測定方法を提供するものである。
【0016】以下、本発明の水分測定方法を詳細に説明
する。
【0017】〔適切な電気長の電極の選択〕本発明にお
いて、電極の電気長とは、同軸ケーブル等の伝送路の一
端に複素誘電率ε* (ω)の負荷を設け、他端から角振
動数ωの電磁波V(ω)を印加した場合の当該電磁波V
(ω)と、その反射信号R(ω)と、負荷の複素誘電率
ε*(ω)との関係式である下記〔数1〕において、パ
ラメーターγdとして含まれるものである。
【0018】
【数1】
【0019】この電気長γdは、複素誘電率ε* (ω)
が知られている公知の標準試料の反射信号を測定するこ
とにより求めることができる。また電気長は、電極の形
状と大きさによって定まる電極固有の物理量であり、測
定方法には依存しない。
【0020】本発明者らは、以下に説明する方法によっ
て、適切な電気長の電極を用いることで、特定の測定領
域の誘電緩和特性を得ることができることを見いだし
た。
【0021】(1)電極の作製 まず、筒状の外部電極10aの内部に、軸体状の内部電
極10bを配置し、これら外部電極10aと内部電極1
0bとの間をポリテトラフルオロエチレン製の絶縁材1
0cで充填し電極10を作製した(図7参照)。
【0022】(1a)電極の電気長の測定 次に、誘電スペクトルが既知であるアセトンを標準試料
として使用して通常のTDR測定を行い、上記電極の電
気長を求めた。即ち、電極を先端から2cmアセトンに
浸し、入力信号としてステップパルスを用いて反射信号
を測定し、入力信号と測定された反射信号とを使用し、
電極の電気長γdをパラメーターとして、〔数1〕から
誘電スペクトルを算出した。この場合、電気長γdの値
を変えながら誘電スペクトルを算出し、その算出した誘
電スペクトルの値がアセトンの既知の誘電スペクトルと
最も一致した場合の電気長γdを当該電極の電気長γd
とした。
【0023】(1b)電界の滲みだし領域の測定 次に、TDR法による電極先端の電界の滲みだし領域を
調べるために、水(表層)−ポリテトラフルオロエチレ
ン(下層)の2層からなる試料に対して、表層である水
の厚みを種々変化させて100MHzにおける誘電率を
次のように測定した。
【0024】まず、図8に示したように、ガラス板Gに
ポリテトラフルオロエチレン製のテープ(誘電率=2)
Tを貼ったものを、水浴(水の誘電率=78.3)Bに
入れ、上記テープに対向するように水浴B中に上記電極
10をセットした。また、この水浴Bは上下方向にスラ
イド可能なステージSに積置し、該ステージSには膜厚
計Mを取り付けた。そして上記ステージSを上下動させ
ることにより、上記電極10と上記テープTとの距離X
を変化させ、そのときの誘電率を測定した。この場合の
誘電率の測定は、ステップパルスを入力信号とする通常
のTDR法により行った。
【0025】得られた誘電率の結果を図9(a)及び
(b)に示した。なお、同図の誘電率変化率は、ポリテ
トラフルオロエチレンの誘電率を0、水の誘電率を10
0として規格化した値を示している。なお、図9(b)
は、図9(a)におけるL=−100〜500μmの範
囲の拡大図である。また、図10は、−ln(1−誘電
率変化率)と膜厚計Mの読みとの関係を示したものであ
る。なお、図9、図10において膜厚計Mの読み(即
ち、電極10と上記テープTとの距離x)が負の値の領
域は、電極10がテープTに接触したまま上方に移動し
ていることを表している。
【0026】このような誘電率の測定において、電極1
0がテープTに接している場合には、電極10からの入
力信号の滲みだしは該テープTのみに行われるので、図
9(a)及び(b)に示したように、観測される誘電率
は一定値を示す。一方、電極10をテープTから離して
いき、両者の距離xを大きくしていくと、電極10から
の入力信号の滲みだしは、水WとテープTとの双方に及
ぶので、観測される誘電率は大きくなる。そして、さら
に距離xを大きくしていくと、次第に誘電率は水の規格
値100に近づく。
【0027】ここで、図10において、距離xが正の領
域において、プロットが直線関係を示しており、測定さ
れる誘電率は距離xに対して指数関数的に変化している
ことが認められる。従って、表層(水)の誘電率を
ε1 、下層(ポリテトラフルオロエチレン)の誘電率を
ε2 、観測される誘電率をεobs とすると、観測される
誘電率εobs は次式で表される。
【0028】
【数2】
【0029】式中、d0 は図10のプロットでxが正の
領域における直線の傾きの逆数である。こうして求めら
れるd0 の値を表1に示した。
【0030】
【表1】
【0031】〔表1〕より、d0 の値は、電気長γdと
一致していることが認められる。そこで〔数2〕は〔数
3〕と表せる。
【0032】
【数3】
【0033】つまり、水のように深さ方向で誘電率が一
定な試料を測定した場合、観測される誘電率εobs
は、電極の電気長γdの範囲における情報が63%の重
みを占めている。またこのことは、水のように深さ方向
で誘電率が一定な媒体中では、電極先端に発生する電気
力線の63%が、電極先端から、電極の電気長γdの範
囲に存在すると言い換えることもできる。
【0034】しかし、深さ方向に誘電率分布を持つ試料
について誘電率を測定する場合には、水の場合のように
単純には取り扱えない。深さ方向に誘電率分布を持つ媒
体中を電気力線が通過する場合には、この媒体全体とし
ての見かけの誘電率εall は〔数4〕のように表現でき
る。
【0035】
【数4】
【0036】〔数3〕及び〔数4〕から、深さ方向に誘
電率分布ε(z)を持つ試料を電気長γdの電極で測定
した際に観測される誘電率εobs は〔数5〕のように表
現できる。
【0037】
【数5】
【0038】(1c)〔数5〕の妥当性の検証 〔数5〕の妥当性を調べるために、厚さ10μmのポリ
塩化ビニリデンフィルム(表層)−水(下層)の2層か
らなる試料に対して電極の電気長γdを種々変えて10
0MHzにおける誘電率を次のように測定し、〔数5〕
より得られる計算値との関係を調べた。
【0039】上記試料のように2層構造を有する場合に
は、〔数5〕は、〔数6〕のように表すことができる。
ポリ塩化ビニリデンフィルムの誘電率は2.4であるの
で、上記試料は、表面から深さD(10μm)までの誘
電率がε1 (2.4)で、D(10μm)以下の領域の
誘電率がε2 (78.3)として、〔数6〕に適用する
ことができる。
【0040】
【数6】
【0041】〔数6〕において、電極の電気長γdを変
化させた場合の誘電率の計算値と、上記試料について電
極の電気長γdを20、60、115、170、290
μmと変化させてTDR法により測定した誘電率の実測
値との対応関係を図11に示す。
【0042】図11に示したように、実測値と計算値と
はよく一致しており、〔数5〕の妥当性が検証された。
従って〔数5〕に基づいて、深さ方向に水分濃度分布を
有する測定対象について、特定の電気長を有する電極を
選択して用いることによって、特定深さにおける水分の
測定が可能であることが明らかになった。
【0043】本発明において使用する電極の電気長は、
特に限定されるものではないが、例えば本発明を皮膚の
表層における水分測定に適用する場合には、使用する電
極の電気長は、1〜300μm、好ましくは、1〜10
0μmに設定される。電気長が1μm未満であると、反
射波形の変化が小さすぎて正確な測定が困難となり、3
00μmを超えると、GHz領域の信号の減衰が大きく
なって測定精度が低下する。
【0044】また、本発明において使用する電極の形態
は、特に限定されるものではないが、図7に示した電極
のような形態とすることが好ましい。
【0045】〔入力信号〕本発明において、測定対象に
入力する入力信号としては、ステップパルス等の種々の
パルス信号が挙げられるが、これらの中でも特にステッ
プパルスが好ましい。また、パルス信号は、そのパルス
幅は、2psec〜300psecで、且つ電圧が0.
01volt〜10voltとすることが好ましい。
【0046】(1d)皮膚の水分モデルへの適用 緩和過程として近似的に自由水の配向のみを想定し、自
由水濃度を水分濃度と置くと、自由水の配向よりも十分
に遅い領域の誘電率と水分濃度には〔数7〕の関係があ
る。
【0047】
【数7】
【0048】一般に、生きている細胞より構成される皮
下組織の水分濃度は、血流等によって約0.7g/立方
センチメートルに保持されている。しかし、皮膚表層の
組織では、このような能動的な水分供給機構はないの
で、水分濃度は深部からの水の拡散速度と最表面での水
蒸気の蒸発速度によって支配されている。水の拡散様式
を最も単純なFick型の拡散で仮定し、また、蒸発速
度は、皮膚の最表層の平衡水蒸気圧と接している空気の
水蒸気圧及び接している空気の水蒸気圧の差分に比例す
ると仮定すると、皮膚の深さ方向の水分分布モデルとし
て、皮膚表面から深さDまでは直線的に水分濃度が上昇
し、深さDより深い領域で一定値Cconsであるとの水分
分布モデルが得られる(図12参照)。このとき、表面
から深さDまでの水分濃度は〔数8〕で表される。ここ
で、C1 は角層最外層の水分濃度である。
【0049】
【数8】
【0050】水分濃度と誘電率の関係を示す〔数7〕を
用いると、〔数8〕は、〔数9〕に変換することができ
る(図13参照)。ここでε1 は角層最外層の誘電率、
ε2は深さDより深い領域での誘電率である。
【0051】
【数9】
【0052】この〔数9〕の誘電率分布を有する系につ
いて、〔数5〕は、〔数10〕と表すことができる。
【0053】
【数10】
【0054】一般に角層の厚さは、20μm程度である
ので、Dは20μmとおくことができる。また、皮膚深
部の水分濃度は、0.7g/cm3 であるのでC
concは、0.7g/cm3 とおくことができ、〔数7〕
よりε2 の値を求めることができる。これらの値を〔数
10〕に適用し、〔数10〕を数値積分することによっ
て、〔数9〕の誘電分布を有する系におけるε1 、ε
obs 、及び電気長γdの関係を算定することができる。
そして、これらの結果及び〔数7〕を用いることによっ
て、ε1 、εobs を、C1 、Cobs に変換した関係を得
ることができる。この結果を図14に示す。
【0055】また、皮膚の深さ方向の水分分布モデルと
して、角層最外層の水分濃度C1 が0で、表面から深さ
D=20μmまでは、直線的に水分濃度が増加し、D=
20μmより深い領域でCing/cm3 の一定値を場合
について、Cinが変化する際における、表面から200
μmまでの領域の平均水分濃度Cav、Cobs 、及び電気
長γdの関係は、〔数7〕及び〔数10〕より求めるこ
とができる。この結果を図15に示す。
【0056】図14及び図15より明らかなように、角
層領域の平均的な水分濃度を測定するには電気長が60
μm程度の電極を用いればよく、表皮領域の平均的な水
分濃度を測定するには電気長が300μm程度の電極を
用いればよいことが認められる。また、角層領域のより
表層側の部分における水分濃度を測定するには、電気長
が60μmよりもさらに短い電極を用いればよいことが
認められる。即ち、特定の電気長を有する電極を選択し
て用いることによって、皮膚の表層の特定深さにおける
水分を測定することが可能である。
【0057】〔測定速度〕測定速度を向上するには反射
信号の処理・解析を完全に自動化することが必要であ
る。このためには、皮膚等の水分測定において、反射信
号を周波数成分に分解せず、直接1個ないしは複数個の
デバイ型の緩和系の重ね合わせとして処理することが有
効である。また、このように、反射信号を周波数成分に
分解せずに処理することは、従来に比べて測定時間を格
段に速くする上でも有効であり、特に、測定対象の水分
の経時変化をリアルタイムで測定する場合において有効
である。
【0058】入力信号として、例えばステップパルスを
使用した場合には、反射信号の処理は、以下のようにし
て行うことができる。
【0059】ステップパルスが理想的に瞬時にδ関数的
に立ち上がる場合において、反射信号を表す式は、H.
Fellner−Feldeggによって与えられてい
る(J.Phys.CHEM.1972,76,211
6)。
【0060】
【数11】
【0061】しかし、一般には、ステップパルスの立ち
上がりは瞬時とは見なせないので、ステップパルスの立
ち上がりに対してコンボリュートされた信号が観測され
る。空気及び測定対象に対する反射信号の測定を行い、
それぞれV(t)、R(t)とすると、ステップパルス
の立ち上がりが理想的と見なせない場合として、〔数1
2〕が導出される。ここで、V(t)は測定対象に負荷
される電圧を直接表すと考えられる。
【0062】
【数12】
【0063】〔数12〕に〔数11〕を代入すると、
〔数13〕となる。
【0064】
【数13】
【0065】実際の測定においては、反射信号は一定の
サンプリング間隔Δtでサンプリングされるので、〔数
13〕は〔数14〕と表される。
【0066】
【数14】
【0067】標準試料と測定対象の誘電緩和波形を、
〔数14〕をもとにフィッティングし、実測のViとパ
ラメーターとしての誘電緩和時間、誘電緩和強度を用い
てSiを計算し、実測値(Vi−Ri)との平方偏差を
最小にするように、各パラメーターを決定する。最小2
乗法は、微分補正法により行う(例えば、T.R.Mc
Calla著、三浦、田尾共訳、「計算機のための数値
計算法概論」第8章、p225参照)。このようにし
て、非線形最小2乗法により誘電緩和時間及び誘電緩和
強度を求めることで、測定速度を大幅に向上させること
が可能であり且つ高い精度で誘電緩和時間及び誘電緩和
強度を求めることができる。例えば、皮膚の水分測定に
おいては、誘電率は、3成分のデバイ型の緩和系として
表現できるので(特開平2−110357号公報)、
〔数14〕は、〔数15〕として表現すことができる。
そして、〔数14〕及び〔数15〕をもとに標準試料と
皮膚の緩和波形をフィッティングし、上記手法で誘電緩
和時間及び誘電緩和強度を求めることができる。なお、
標準試料には、誘電率が既知である、空気、アセトン等
が広い周波数領域で一定の誘電率を示す点で好ましい。
【0068】
【数15】
【0069】誘電緩和時間及び誘電緩和強度を求める場
合の反射信号の信号処理は、反射信号が数成分の重ね合
わせとして測定される場合、直流成分を含む場合につい
ても同様に行うことが可能である。また、デバイ型以外
の緩和系を示す場合も同様に行うことができる。
【0070】また、得られた誘電緩和時間及び誘電緩和
強度からの測定対象の水分を求める際の解析手法は、測
定対象に対して固有の誘電緩和時間を有する水の誘電緩
和強度で、求めた誘電緩和強度を除することによって行
う。
【0071】斯かる反射信号の処理及び解析は、コンピ
ューターソフトウェア上で数値積分によって行うことが
できる。また、例えば、上記ソフトウェアをマイコン化
して反射信号測定部や電極部部に組み込むことにより、
反射信号の信号処理系の処理速度を向上することも測定
速度の向上させる上で有効である。
【0072】〔測定精度〕電極と測定対象との接触再現
性は、測定精度を支配する主要な因子であるので、本発
明の方法を実施するに当たって、電極の接触圧力及び接
触角度を一定に制御する機構を測定装置に採用すること
は、接触再現性を良好にして測定精度を向上させる上で
効果的である。
【0073】〔簡便さ〕また、本発明の方法を実施する
に当たって、測定装置に、入力信号発生器及び電極が一
体化した構造を採用することは、測定対象に電極を近づ
けることを容易にさせ且つ伝送路のゆがみによる測定値
の変動を低減させる上で効果的である。また、伝送路に
フレキシブルケーブルを採用することは、測定対象に電
極を容易に接触させることができる等、操作性を向上さ
せる上で効果的である。
【0074】本発明の方法を実施する測定装置に、上記
の様な構成を採用することにより、汎用的な皮膚測定法
として必要十分な測定精度、測定速度、簡便さで測定対
象の特定深さにおける水分を測定することができ、従来
のTDR法と比較して、より実用的な水分測定を行うこ
とが可能である。
【0075】従って、本発明の水分測定方法を、例え
ば、従来の皮膚水分測定法の代わりに適用した場合、
1)水を直接的に測定しているので水以外の因子の影響
を受けにくい、2)測定領域が制御できる、3)水の運
動性に関する情報を得ることができる、3)被測定者の
負担が軽微であるという利点が得られる。
【0076】また、本発明の水分測定方法においては、
所定の電気長の電極を使用し、上述した本発明の水分測
定方法によって、同一の測定対象の表層の種々の深さに
存在する水の誘電緩時間及び誘電緩和強度を求め、当該
測定対象の表層の深さ方向における水分分布を求めるこ
とができる。斯かる測定対象の表層の深さ方向における
水分分布を求める場合には、電気長が、1〜1000μ
m、好ましくは、20〜300μmの電極を用いる。電
気長が1μm未満であると、反射信号の波形の変化が小
さくなりすぎて正確な測定ができない。また、1000
μmを超えると、1GHz以上の周波数成分の減衰が大
きくなり、正確な測定ができなくなる。また、水分分布
を求める際の電気長の間隔は、特に制限されないが、5
〜50μm程度が好ましい。
【0077】本発明の水分測定方法は、上述した皮膚の
表層における水分は勿論、食品、生体内部の特定部位、
コンクリート、木材等の水分測定に好適である。
【0078】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照しながら詳細に説明する。
【0079】図1及び図2は、本発明に係る水分測定方
法を皮膚の水分測定に適用した場合の水分測定装置の一
実施形態を示したものである。図1において、符号1は
水分測定装置を示している。
【0080】図1に示したように、上記水分測定装置1
は、パルス発生部(入力信号発生部)2と、プローブ部
3と、反射信号を測定する測定部4と、反射信号を信号
処理して解析する信号処理・解析部5とから構成されて
いる。パルス発生部2、プローブ部3、及び反射信号の
測定部4は、フレキシブルな同軸ケーブルを介して接続
されており、プローブ部3を皮膚へ接触する際の操作性
が良好なようになしてある。また、パルス発生部2と測
定部4は、フレキシブルな同軸ケーブルを介して接続さ
れており、パルス発生部2から測定部4へ、又は測定部
4からパルス発生部2へ、トリガー信号が伝送されるよ
うになしてある。
【0081】図2に示したように、上記プローブ部3
は、筒状のスライドセル30が、把持可能な筒状のケー
ス体31内においてその軸方向にスライド可能に設けら
れて構成されている。スライドセル30は、スプリング
32を介して所定間隔に配設された固定リング30a及
び可動リング30bに挿設されており、また、固定リン
グ32はケース体内に固定され、可動リングはスライド
セルに固定されている。スライドセル30の先端部に
は、電極33が配設されており、この電極33には、端
部にコネクター34を備えた同軸ケーブル35が接続さ
れている。なお、電極33は、筒状の外部電極内に軸体
状の内部電極が配設された構造のもの(図5参照)が使
用されている。また、電極33の周囲にはエポキシ樹脂
製のガイド36が配置されており、電極33の皮膚への
めり込みを防ぐようになしてある。また、電極33の押
圧力は、上記スプリング32によって一定に保たれるよ
うになしてある。なお、プローブ部3は、上記コネクタ
ー34をパワースプリッター(図示せず)に接続するこ
とによって使用でき、異なる電気長の電極を備えたプロ
ーブ部と交換する場合には、コネクター34ごと付け替
えることによって容易に交換できる構造となっている。
なお、符号37はパルス発生部2に接続されたプッシュ
スイッチである。
【0082】上記パルス発生部2は、市販のファンクシ
ョンジェネレーターで構成されており、上記反射信号の
測定部4は、市販のシンクロスコープで構成されてい
る。また、上記信号処理・解析部5は、反射信号の信号
処理及び解析を行う上記ソフトウェアを搭載した市販の
パーソナルコンピューターで構成されている。
【0083】上記水分測定装置1において、皮膚の水分
を測定する場合には、まず、上記プローブ3の電極33
を皮膚に略直角に接触させる。次いで、上記プッシュス
イッチ37を押してパルス発生部2によって所定の強度
及びパルス幅を有するステップパルス信号を発生させ、
このステップパルス信号を電極33を通じて皮膚に入力
する。そして、その際に反射される反射信号を上記電極
33を通じて測定部4で測定する。次いで、測定した反
射信号を上記処理・解析部5に転送して誘電緩和時間及
び誘電緩和強度を求め、これら誘電緩和時間及び誘電緩
和強度に基づいて、水分濃度を測定する。
【0084】第1実施形態の測定装置1においては、接
触回数が1回の時は測定開始から測定値の出力までは5
秒で可能である。また、測定精度を向上するために測定
を10回繰り返して行った場合でも、15秒で測定可能
であり、実用的な速度で測定を行うことができる。
【0085】図3及び図4は、本発明の水分測定方法を
皮膚の水分測定に適用した場合の水分測定装置の他の実
施形態を示したものである。図3において、符号は
1’、水分測定装置を示している。なお、反射信号の測
定部及び処理・解析部は、上記実施形態の水分測定装置
1と同様であるので、同一符号を付し、その説明は省略
する。
【0086】図4に示したように、上記水分測定装置
1’は、パルス発生器制御部(入力信号発生部)6と、
プローブ部7と、反射信号を測定する測定部4と、反射
信号を信号処理して解析する信号処理・解析部5とから
構成されている。パルス発生器制御部6、プローブ部
7、及び反射信号の測定部4は、フレキシブルな同軸ケ
ーブルを介して接続されており、プローブ部7を皮膚へ
接触する際の操作性が良好なようになしてある。また、
パルス発生器制御部6から測定部4へ、又は測定部4か
らパルス発生器制御部6へ、トリガー信号が伝送される
ようになしてある。
【0087】上記プローブ部7は、片手で把持可能な筒
状のケース体70内に、パルス発生器71、パワースプ
リッター72、スライドセル73、及び後述する電動モ
ーターを制御する制御装置74が配設されて構成されて
いる。
【0088】上記スライドセル73は、先端部に電極7
5を備えており、また、スライドセル73は、電動モー
ター76によって上下動するように設けられている。上
記電極75は、同軸ケーブルを介して上記パワースプリ
ッター72に接続されており、また、上記電極75の先
端部の側方には圧力センサー77が取り付けられてい
る。そして、この圧力センサー77の出力に基づいて、
上記制御装置74で電動モーター76を制御させること
によって、電極75の皮膚への押圧力が自動的に一定に
保たれるようになしてある。なお、電極75は、筒状の
外部電極内に軸体状の内部電極が配設された構造のもの
(図7参照)が使用されている。また、ケース体70の
先端部には、アクリル樹脂製のガイド78が取り付けら
れており、電極75を皮膚に接触させることに先立っ
て、あらかじめこのガイド78を皮膚に接触させること
によって、電極75の皮膚に常に略直角に接触できるよ
うになしてある。なお、上記パワースプリッター72は
同軸ケーブルを介して反射信号の測定部4及びパルス発
生器71に接続されており、パルス発生器71は同軸ケ
ーブルを介してパルス発生器制御部6に接続されてい
る。
【0089】上記パルス発生器71は、市販のパルスヘ
ッドで構成されており、また、上記パルス発生器制御部
6は、上記パルス発生器71用に市販されているコント
ローラーで構成されている。
【0090】上記水分測定装置1’において、皮膚の水
分を測定する場合には、まず、上記プローブ7の先端部
を皮膚に接触させる。次いで、測定部4からパルス発生
器制御部6へトリガー信号を送り、この信号を受けた上
記パルス発生器制御部6がパルス発生器71を制御して
所定の強度及びパルス幅を有するステップパルス信号を
発生させ、このステップパルス信号を電極75を通じて
皮膚に入力する。そして、その際に反射される反射信号
を上記電極75を通じて測定部4で測定する。次いで、
測定した反射信号を上記処理・解析部5に転送して誘電
緩和時間及び誘電緩和強度を求め、これら誘電緩和時間
及び誘電緩和強度に基づいて、水分濃度を測定する。
【0091】上記第2実施形態の水分測定装置1’にお
いても、上記第1実施形態の水分測定装置1と同様に、
接触回数が1回の時は測定開始から測定値の出力までを
5秒で終了することができる。また、測定精度を向上す
るために測定10回繰り返して行っても、15秒で測定
を終了することができる。
【0092】
【実施例】
〔第1実施例〕上記第1実施形態の測定装置1におい
て、角層領域を測定可能な電気長γdが60μmの電極
を用い、ヒトの皮膚(前腕屈側部)にステップパルス信
号を入力し、反射信号を測定した際の反射信号の測定波
形を図5(a)に示す。なお、同図(b)には、空気を
測定した際の反射信号の測定波形から皮膚を測定した際
の信号の測定波形を差し引いた差分波形を示した。皮膚
中には3つのデバイ型の誘電緩和過程があるが、第3誘
電緩和過程の誘電緩和時間は、本実施例の観測時間領域
に比べて十分に長いために、本実施例の反射信号の測定
波形に対する第3緩和過程の寄与は近似的に無視するこ
とができる。そこで、本実施例では、第3誘電緩和過程
を除いた2つのデバイ型の誘電緩和過程として、測定さ
れた反射信号を処理・解析した(標準試料:空気、誘電
率1)。5名の被験者の誘電緩和時間及び誘電緩和強度
の測定結果を〔表2〕に示す。
【0093】
【表2】
【0094】〔表2〕に示したように、すべての被験者
について10psec程度の誘電緩和時間と200ps
ec程度の誘電緩和時間の誘電緩和過程が存在すること
がわかる。通常、25℃における水の誘電緩和時間は9
psecであり、また、誘電緩和強度は73である。従
って、測定した誘電緩和時間から、この緩和過程は自由
水に由来するものであることがわかる。また、誘電緩和
強度は、その誘電緩和過程の起因となる双極子の単位体
積中の数に比例するので、皮膚中の自由水に起因する誘
電緩和強度を、水の誘電緩和強度73で除することによ
って、自由水の濃度を算出することができる。この結果
を〔表2〕に併せて示す。
【0095】〔表2〕から明らかなように、荒れ肌の人
は自由水量が少ないことがわかる。200psec付近
に観測される緩和過程は結合水に由来する緩和過程とワ
ーグナー効果に由来するもので、角層中の蛋白質の構造
あるいは角層細胞の構造が崩壊することによって減少す
る。従って、荒れ肌の人は200psec付近の緩和過
程の緩和強度が小さいことから、角層が痛んでいること
がわかる。
【0096】このように、本発明の水分測定方法によれ
ば、ヒトの皮膚の表層における水分を、実用的な速度
で、精度良く、しかも簡便に測定することが可能であ
り、ヒトの皮膚の性状を的確に評価することができる。
【0097】〔第2実施例〕上記第2実施形態の測定装
置1’によって、ヒトの前腕に30分間水を接触させた
後の皮膚の水分量の変化を電極の電気長を変えながら、
同一測定部位についてステップパルスを入力して反射信
号を測定し、ヒトの皮膚の深さ方向での水分量の経時変
化を調べた。なお、測定に用いた電極は、電気長γdが
60μm、100μm、270μmのもので、これらの
電極は、それぞれ角層領域、表皮の上部領域、表皮下部
領域に相当する測定深さを有するものである。また、標
準試料には、空気を使用した。その結果を図6(a)〜
(c)及び〔表3〕に示す。図6(a)〜(c)及び
〔表3〕に示したように、より浅い領域を測定する電極
ほど大きな変化を示しており、水分量の変動は表面付近
が最も大きいことが確認された。
【0098】
【表3】
【0099】このように、本発明の水分測定方法によれ
ば、ヒトの皮膚の表層における水分の経時変化を、リア
ルタイムで、精度良く、しかも簡便に測定することが可
能であり、ヒトの皮膚の性状変化を的確に評価すること
ができる。
【0100】
【発明の効果】本発明に係る水分測定方法によれば、以
下の効果を奏することができる。皮膚等の測定対象の表
層における水分を、実用的な速度で、精度良く、しかも
簡便に測定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水分測定方法の実施に用いる水分
測定装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】同実施形態の水分測定装置のプローブ部の構成
を示す一部を透視した斜視図である。
【図3】本発明に係る水分測定方法の実施に用いる水分
測定装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る水分測定方法の実施に用いる水分
測定装置の他の実施形態におけるプローブを示す一部を
断面視した斜視図である。
【図5】本発明に係る水分測定方法の第1実施例におけ
る測定結果を示す図であり、(a)は反射信号を測定し
た際の反射信号の測定波形を示す図であり、(b)は空
気を測定した際の反射信号の測定波形から皮膚を測定し
た際の信号の測定波形を差し引いた差分波形を示す図で
ある。
【図6】本発明に係る水分測定方法の第2実施例におけ
る測定結果を示す図であり、(a)は電気長が60μm
の電極を使用した場合の測定結果を示す図、(b)は電
気長がる電気長が100μmの電極を使用した場合の測
定結果を示す図、(c)は電気長が270μmの電極を
使用した場合の測定結果を示す図である。
【図7】本発明に係る水分測定方法に用いる電極の一実
施形態を示す側断面図である。
【図8】電極からの電解の滲みだし領域を調べるための
装置の概略図である。
【図9】図8の装置による測定結果を示す図であり、
(a)は誘電率変化率と膜厚計の読みとの関係を示す
図、(b)は(a)の拡大図である。
【図10】図8の装置による測定結果を示す図であり、
(a)は−ln(1−誘電率変化率)と膜厚計の読みと
の関係を示す図である。
【図11】〔数5〕の妥当性を示す、誘電率と電極の電
気長との関係を示す図である。
【図12】皮膚の水分モデルにおける水分濃度と皮膚表
面からの距離との関係を示す図である。
【図13】図12(〔数8〕)の皮膚の水分モデルにお
ける誘電率と皮膚表面からの距離との関係を示す図であ
る。
【図14】図12の皮膚の水分モデルにおける水分濃度
の計算値及び電気長を変化させて測定した皮膚の水分濃
度の実測値と、皮膚表面からの距離との関係を示す図で
ある。
【図15】電気長を変化させて測定した皮膚の水分濃度
の実測値と平均水分濃度との関係を示す図である。
【符号の説明】
10、33、75 電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の電気長を有する電極を測定対象の
    表面に接触させた後、該電極を通じて所定の入力信号を
    測定対象に入力し、該入力信号に対する反射信号を該電
    極を通じて測定し、測定した反射信号を周波数成分に分
    解することなく該反射信号の信号処理を行って該測定対
    象の表層の特定の深さに存在する水の誘電緩和時間及び
    誘電緩和強度を求め、該誘電緩和時間及び該誘電緩和強
    度に基づいて該測定対象の表層の特定深さの水分を求め
    ることを特徴とする水分測定方法。
  2. 【請求項2】 上記電極の電気長が1〜300μmであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の水分測定方法。
  3. 【請求項3】 電気長が1〜1000μmである電極を
    使用し、請求項1に記載の水分測定方法によって、測定
    対象の表層の種々の深さに存在する水の誘電緩時間及び
    誘電緩和強度を求め、該測定対象の表層の深さ方向にお
    ける水分分布を求めることを特徴とする水分測定方法。
  4. 【請求項4】 上記入力信号として、ステップパルス信
    号を入力することを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の水分測定方法。
  5. 【請求項5】 上記反射信号から上記誘電緩和時間及び
    誘電緩和強度を求めるに際し、ステップパルス信号の電
    位の立ち上がりに対してコンボリュートした式に非線形
    最小2乗法を用いることを特徴とする請求項4に記載の
    水分測定方法。
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