JPH09196140A - 無段変速装置 - Google Patents

無段変速装置

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Publication number
JPH09196140A
JPH09196140A JP595696A JP595696A JPH09196140A JP H09196140 A JPH09196140 A JP H09196140A JP 595696 A JP595696 A JP 595696A JP 595696 A JP595696 A JP 595696A JP H09196140 A JPH09196140 A JP H09196140A
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JP
Japan
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swash plate
pump
hydraulic
motor
hydraulic motor
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Application number
JP595696A
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English (en)
Inventor
Yasuhiko Ishikawa
泰彦 石川
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い変速比調整範囲を得ながら、構成簡単で
小型軽量にする。 【解決手段】 斜板39の角度を調整可能な油圧ポンプ
33と、斜板51の角度を調整可能な油圧モータ35
と、ポンプ33用の案内溝149とモータ35用の案内
溝151とを有するシフトコラム139と、案内溝14
9に係合する移動スリーブ153と、シフトフォーク1
63と溝165との係合により移動スリーブ153と相
対回転自在に連結されたカップリングスリーブ161
と、スリーブ161と斜板39とを連結するリンク17
1と、案内溝151に係合する移動スリーブ155と、
スリーブ155と斜板51とを連結するリンク173
と、シフトコラム139を回転させて各スリーブ15
3、155を移動操作し、各斜板39、51の角度を変
えて変速比を調整する変速比調整機構とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、車両の
動力伝達装置に用いられる無段変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特公平5−62261号公報に図7のよ
うな静油圧式無段変速機201が掲載されている。
【0003】この無段変速機201は、エンジンにより
回転駆動される一定角度のポンプ斜板203とポンプシ
リンダ205との相対回転により複数のポンププランジ
ャ207を押圧しシリンダ孔209から油圧を発生する
定容量型の斜板式油圧ポンプ211と、分配弁213を
介して油圧ポンプ211の油圧をモータシリンダ215
のシリンダ孔217に受けて3個以上の奇数個のモータ
プランジャ219を移動させて角度可変のモータ斜板2
21を押圧し、モータシリンダ215を回転させる可変
容量型の斜板式油圧モータ223と、モータ斜板221
の角度を変えて変速比を調整する変速制御装置225な
どから構成されている。
【0004】この変速制御装置225は、モータ斜板2
21に連結された作動レバー227と、シリンダ22
9、231の内部で作動レバー227の先端を挟み込む
一対のピストン233、235及びばね237、239
と、変速制御弁241と、変速レバー243などから構
成されている。
【0005】モータ斜板221は奇数個のモータプラン
ジャ219の押圧力を受けて振動し、この振動により作
動レバー227が脈動しピストン233、235を駆動
して油圧を発生する。変速制御弁241はこの油圧の方
向を変えてシリンダ229、231に導き、各ピストン
233、235の位置を変えて作動レバー227を揺動
操作し、モータ斜板221の角度を調整する。また、変
速レバー243は変速制御弁241の回動弁245を回
動し、シリンダ229、231に導びかれる油圧の方向
を変えて作動レバー227の揺動方向を変える。
【0006】変速制御装置225によって、このように
モータ斜板221の角度を変えると、油圧モータ223
の容量(各モータプランジャ219の吐出油量)が調整
される。
【0007】無段変速機201において、 変速比=1+(油圧モータ223の容量)/(油圧ポン
プ211の容量) であり、変速制御装置225による油圧モータ223の
容量調整によって変速比を変えることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、無段変速機
201では、上記のように、油圧モータ223の容量調
整だけを行っているから、変速比の調整範囲が狭い。実
際に得られる変速比調整範囲は0.5から1程度で、こ
れはレース用の車両で有効なものであり、一般車両で要
求される変速比調整範囲には対応できない。
【0009】そこで、この発明は、斜板式の油圧ポンプ
と油圧モータとを用い、広い範囲で変速比を調整するこ
とができる簡素な構成の無段変速装置の提供を目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の無段変速装置
は、斜板の角度を調整可能な斜板式油圧ポンプと、斜板
の角度を調整可能な斜板式油圧モータと、これらの間で
油圧を授受する油圧閉回路とを有し、油圧ポンプ側から
油圧モータ側に伝達される回転を変速する変速機構と、
油圧ポンプと油圧モータの両斜板角度を調整して変速比
を変える変速比制御装置とを備えたことを特徴とする。
【0011】このように、請求項1の無段変速装置は、
斜板式の油圧ポンプと斜板式の油圧モータとを用いた無
段変速装置において、油圧モータの容量調整だけを行う
従来例と異なって、油圧ポンプと油圧モータの両方の容
量調整を行うことにより、マイナス側からプラス側まで
の広い範囲で変速比を調整することが可能になり、一般
車両で要求される広い変速比調整範囲に対応可能であ
り、種々の車種に広く用いることができる。
【0012】請求項2の無段変速装置は、請求項1の無
段変速装置において、油圧ポンプ用の案内溝と油圧モー
タ用の案内溝とを有するシフトコラムと、油圧ポンプ用
の案内溝に係合する係合部を有する油圧ポンプ用移動ス
リーブと、シフトフォークと溝との係合により油圧ポン
プ用移動スリーブと相対回転自在に連結されたカップリ
ングスリーブと、カップリングスリーブと油圧ポンプ用
斜板とを連結するリンク機構と、油圧モータ用の案内溝
に係合する係合部を有する油圧モータ用移動スリーブ
と、油圧モータ用移動スリーブと油圧モータ用斜板とを
連結するリンク機構と、シフトコラムを回転させて各移
動スリーブを移動操作し、油圧ポンプ用斜板と油圧モー
タ用斜板の角度を変えて変速比を調整する変速比調整機
構とで変速比制御装置を構成したものであり、請求項1
の無段変速装置と同様に、油圧ポンプと油圧モータの両
方の容量調整により広い範囲の変速比が得られる。
【0013】これに加えて、一本のシフトコラムに油圧
ポンプ用の案内溝と油圧モータ用の案内溝とを設け、油
圧ポンプ用移動スリーブと油圧モータ用移動スリーブと
を介して油圧ポンプの斜板と油圧モータの斜板の角度調
整を同時に行えるように構成した。
【0014】こうして、油圧ポンプと油圧モータ両方の
容量調整を1セットの変速比制御装置で行えるから、広
い変速比調整範囲を持ちながら、部品点数の増加を防止
し小型軽量に構成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1ないし図6により本発明の一
実施形態を説明する。この実施形態は請求項1、2の特
徴を備えており、図1、図5はこの実施形態の無段変速
装置1を示す。なお、左右の方向は図1、5での左右の
方向であり、符号を与えていない部材等は図示されてい
ない。
【0016】図1のように、無段変速装置1はトランス
ミッションケース3の内部に配置されている。入力軸5
はトランスミッションケース3を左から貫通し、その内
部でベアリング7を介して支承されている。入力軸5と
トランスミッションケース3との間にはシール9が配置
され、外部へのオイル洩れを防止している。入力軸5の
左端側には入力フランジ11がスプライン連結され、ナ
ット13で固定されている。
【0017】エンジンの駆動力は入力フランジ11を介
して入力軸5を回転駆動する。
【0018】トランスミッションケース3と入力軸5と
の間にはギヤポンプ15が配置されており、トランスミ
ッションケース3の内部にはオイル溜りが設けられてい
る。入力軸5が回転するとギヤポンプ15が駆動され、
オイル溜りからオイルストレーナ17を介してオイルを
吸い上げる。
【0019】出力軸19はトランスミッションケース3
を右から貫通しており、その左端部はベアリング21を
介して入力軸5の支持孔23に支承され、右端側はベア
リング25を介してトランスミッションケース3に支承
されている。また、出力軸19の右端部には出力フラン
ジ27がスプライン連結され、ナット29で固定されて
いる。トランスミッションケース3と出力フランジ27
との間にはシール31が配置され、外部へのオイル洩れ
を防止している。
【0020】出力軸19は出力フランジ27を介して車
輪側に連結されている。
【0021】トランスミッションケース3の内部には、
可変容量の斜板式油圧ポンプ33及び可変容量の斜板式
油圧モータ35が配置されている。
【0022】斜板式油圧ポンプ33は、ポンプケース3
7、ポンプ斜板39、ポンプシリンダブロック41、各
5個のポンプピストン43及びピストンスプリング4
5、ディストリビュータバルブ47などから構成されて
いる。
【0023】また、斜板式油圧モータ35は、モータケ
ース49、モータ斜板51、モータシリンダブロック5
3、各5個のモータピストン55及びピストンスプリン
グ57、ディストリビュータバルブ59などから構成さ
れ、油圧ポンプ33と同サイズである。
【0024】ポンプケース37の左端部は噛み合い部6
1により入力軸5の右端部に連結されていると共に、ベ
アリング63を介して出力軸19上に支承されている。
ポンプ斜板39はポンプケース37との間に設けられた
球面状の摺動部65により揺動自在にされている。ポン
プシリンダブロック41の外周はベアリング67を介し
てポンプケース37の内周に相対回転自在に支持されて
いると共に、内周を出力軸19にスプライン連結されて
いる。各ポンプピストン43はポンプシリンダブロック
41のシリンダ69に移動自在に嵌裝され、各ピストン
スプリング45はポンプピストン43をポンプ斜板39
に押圧している。
【0025】また、モータケース49はベアリング71
を介して右端部を出力軸19上に支承されていると共
に、噛み合い部73によってモータリング75に連結さ
れている。このモータリング75はボルト77でトラン
スミッションケース3に固定されており、モータケース
49を回転不能にしている。
【0026】モータ斜板51はモータケース49との間
に設けられた球面状の摺動部79により揺動自在にされ
ている。モータシリンダブロック53の外周はベアリン
グ81を介してモータケース49の内周に相対回転自在
に支持されていると共に、内周を出力軸19にスプライ
ン連結されている。各モータピストン55はモータシリ
ンダブロック53のシリンダ83に移動自在に嵌裝さ
れ、各ピストンスプリング57はモータピストン55を
モータ斜板51に押圧している。
【0027】図2に示したように、ディストリビュータ
バルブ47は、ディストリビュータリング85と、ディ
ストリビュータボデイ87と、各5個のスプール89及
びディストリビュータスプリング91などから構成され
ている。また、ディストリビュータボデイ87には、ね
じ93とチェックスプリング95とボール97とからな
るチェックバルブ99が2組設けられている。
【0028】また、図3に示したように、ディストリビ
ュータバルブ59は、ディストリビュータリング101
と、ディストリビュータボデイ103と、各5個のスプ
ール105及びディストリビュータスプリング107な
どから構成されている。また、ディストリビュータボデ
イ103には、ねじ109とチェックスプリング111
とボール113とからなるチェックバルブ115が2組
設けられている。
【0029】図1のように、各ディストリビュータボデ
イ87、103の内周は出力軸19にスプライン連結さ
れている。図2、3のように、各ディストリビュータボ
デイ87、103には径方向外側に低圧側油路117が
設けられ、径方向内側に高圧側油路119が設けられて
いる。各低圧側油路117は互いに連通しており、各高
圧側油路119は互いに連通している。
【0030】また、各ディストリビュータリング85、
101はポンプケース37とモータケース49に圧入さ
れ、止め輪121でそれぞれ抜け止めされている。各ス
プール89、105は各ディストリビュータボデイ8
7、103のバルブ孔123、125の中でディストリ
ビュータスプリング91、107によって各ディストリ
ビュータリング85、101の内周127、129に押
圧されている。
【0031】図1のように、各シリンダブロック41、
53及びディストリビュータボデイ87、103は出力
軸19上で止め輪131、131とコイルばね133に
より位置決めされている。
【0032】ディストリビュータリング85、101の
内周127、129は出力軸19の中心に対して偏心し
ており、各スプール89、105は各ディストリビュー
タボデイ87、103の回転に伴って、内周127、1
29に案内されて径方向に移動し、それぞれ低圧側油路
117と高圧側油路119の一方を開放し他方を遮断す
る。
【0033】ディストリビュータリング85、101の
内周127、129の偏心によって、図2、図3の矢印
134が示すようにスプール89、105が径方向外側
に移動すると、図4の矢印135のように、これらのス
プール89、105と対向したシリンダ69、83が高
圧側油路119を介して連通する。このとき、高圧側シ
リンダ69は油圧モータ35の押し出し側(膨張側)シ
リンダ83と連通する。
【0034】また、図2、3の矢印136が示すように
スプール89、105が径方向内側に移動すると、図4
の矢印137のように、これらのスプール89、105
と対向したシリンダ69、83が低圧側油路117を介
して連通する。このとき、低圧側シリンダ69は油圧モ
ータ35の押し込み側(圧縮側)シリンダ83と連通す
る。
【0035】こうして、斜板式油圧ポンプ33と斜板式
油圧モータ35が構成されている。
【0036】図1、図5のように、トランスミッション
ケース3の内部にはシフトコラム139がすべり軸受け
141、141を介して回転自在に支承されている。シ
フトコラム139にはウォームホイール143が形成さ
れており、ウォームホイール143はウォーム145と
噛み合い、ウォームギヤ機構147(変速比調整機構)
を構成している。ウォーム145はステップモータ(変
速比調整機構)に連結されており、シフトコラム139
はこのステップモータによりウォームギヤ機構147を
介して精密に回転位置調整される。
【0037】シフトコラム139には、図6に展開して
示したような油圧ポンプ33用の案内溝149と油圧モ
ータ35用の案内溝151とが形成されている。また、
シフトコラム139上には移動スリーブ153、155
が嵌裝されており、各移動スリーブ153、155は凸
部157、159(係合部)で案内溝149、151に
それぞれ係合している。
【0038】図5のように、ポンプケース37の外周に
はカップリングスリーブ161が移動自在に配置されて
いる。また、移動スリーブ153にはシフトフォーク1
63が一体に形成され、カップリングスリーブ161の
溝165に係合している。従って、移動スリーブ153
が左右に移動すると、カップリングスリーブ161はポ
ンプケース37と一体に回転しながら左右に移動するこ
とができる。
【0039】図1のように、ポンプケース37とモータ
ケース49には切り欠き167、169が形成されてい
る。ポンプ斜板39は切り欠き167を貫通するリンク
171を介してカップリングスリーブ161に連結され
ており、モータ斜板51は切り欠き169を貫通するリ
ンク173を介して移動スリーブ155に連結されてい
る。
【0040】移動スリーブ153、155はシフトコラ
ム139が回転を停止すると各案内溝149、151に
よって位置を保持され、シフトコラム139が回転する
と案内溝149、151に案内されてシフトコラム13
9上を左右に移動する。
【0041】カップリングスリーブ161はこの移動ス
リーブ153の移動に伴って、図5に実線で描かれた位
置と破線で描かれた位置との間で移動操作される。ポン
プ斜板39はこのカップリングスリーブ161の移動操
作に伴ってリンク171を介して斜板角調整され、図1
に実線で描かれた斜板角(出力軸19の直交面に対して
15°)と破線で描かれた斜板角(出力軸19の直交面
に対して−15°)との間で揺動するように構成されて
いる。
【0042】また、モータ斜板51は移動スリーブ15
5の移動に伴いリンク173を介して斜板角調整され、
図1に実線で描かれた斜板角(出力軸19の直交面に対
して15°)から破線で描かれた斜板角(出力軸19の
直交面に対して0°)との間で揺動する。
【0043】こうして、変速比制御装置175が構成さ
れている。
【0044】入力軸5を回転させるエンジンの回転は、
図1に示したトルクフロー177のように、噛み合い部
61、ポンプケース37、ポンプ斜板39、ポンプピス
トン43、ポンプシリンダブロック41の順で機械的に
伝達され、出力軸19を回転させる。
【0045】これに加えて、入力軸5が回転すると、ポ
ンプケース37と一体回転するポンプ斜板39と出力軸
19を介して車輪側の負荷を受けるポンプシリンダブロ
ック41との間に相対回転が生じ、ポンプ斜板39によ
って押し下げられるポンプピストン43のシリンダ69
には高圧の油圧が発生し、ピストンスプリング45によ
りポンプ斜板39に押し返されるポンプピストン43の
シリンダ69には低圧の油圧が発生する。
【0046】高圧側シリンダ69の油圧は、上記のよう
に、ディストリビュータバルブ47、59の高圧側油路
119を介して油圧モータ35の押し出し側シリンダ8
3に与えられ、高圧の油圧が与えられたモータピストン
55はモータ斜板51の斜板角に沿って回転方向に移動
し、モータシリンダブロック53及びこれと連結された
出力軸19を回転させる。
【0047】また、この間に、油圧モータ35の押し込
み側シリンダ83に生じた油圧はディストリビュータバ
ルブ47、59の低圧側油路117を介して油圧ポンプ
33の低圧側シリンダ69に戻る。このように、油圧ポ
ンプ33と油圧モータ35とディストリビュータバルブ
47、59との間で油圧の閉回路が構成されている。
【0048】こうして、図1に示したトルクフロー17
9のように、入力軸5を回転させるエンジンの回転は、
上記のトルクフロー177とは別に、油圧ポンプ33で
発生した油圧により油圧モータ35に伝達され、出力軸
19を回転させる。
【0049】図1のように、入力軸5と出力軸19に
は、これらを通して油路181が設けられている。ギヤ
ポンプ15のオイルはこの油路181を通って油圧ポン
プ33と油圧モータ35とディストリビュータバルブ4
7、59などの各潤滑箇所に送られて、これらを潤滑す
る。
【0050】また、上記の閉回路からオイルが漏れて油
圧が下がると、図2、3に示したチェックバルブ99、
115が開放され、油路181から出力軸19の油路1
83とディストリビュータボデイ87、103の各油路
185、187とを通ってオイルが閉回路に補給され、
無段変速装置1の効率低下を防止する。
【0051】トランスミッションケース3の下部にはオ
イル溜りからオイルを抜くドレンボルト189が取り付
けられている。また、トランスミッションケース3の上
部には温度変化などによる内圧変化を緩和し、外部への
オイルの吹き出しを防止するエアブリーザ191が取り
付けられている。
【0052】変速比制御装置175は、上記のように、
ステップモータによりシフトコラム139の回転位置を
調整し、各案内溝149、151により各移動スリーブ
153、155を移動操作して、ポンプ斜板39とモー
タ斜板51の各斜板角を調整する。
【0053】以下、ポンプ斜板39とモータ斜板51の
各斜板角による増速比Rtと伝達トルクToと伝達効率
ηtrなどの変化を説明する。なお、以下の説明の中
で、 増速比:Rt=No/Ni (1)式 ただし、Ni:入力回転速度(rpm) No:出力回転速度(rpm)であり、
【数1】 増速比:Rt=Dp/(Dp+Dm)×ηV (2)式 ただし、Dp:油圧ポンプ33の容量 Dm:油圧モータ35の容量 ηV:下記 であり、
【数2】 伝達トルク:To=Ti/ηV×(ηtrm+ηtrh×Dm/Dp) (3)式 ただし、Ti :入力トルク(Nm) ηV :容積効率 (約1.00) ηtrm:機械伝達効率(約0.95) ηtrh:油圧伝達効率(約0.75) で
あり、
【数3】 伝達効率:ηtr= (ηtrm+ηtrh×Dm/Dp)/(1+Dm/Dp) (4)式 である。
【0054】(1)増速比Rt:0の状態(停止中) シフトコラム139を回転操作し、図6のように、ポン
プ斜板39の斜板角を0°(出力軸19の中心線に対し
て直角)に保持し、モータ斜板51の斜板角を15°に
保持する。
【0055】この場合、入力トルクによってポンプ斜板
39が回転しても、ポンプ斜板39の斜板角が0°であ
るからポンプピストン43はストロークせずポンプ斜板
39は空回りする。また、出力軸19は油圧モータ35
からの反力を受けて静止している。
【0056】このように、出力回転速度:No=0であ
るから、(1)式により増速比Rt=0となる。また、
入力軸5からのトルク伝達がないから、(3)式により
伝達トルク:Toも0になる。
【0057】(2)増速比Rt:0.5の状態 シフトコラム139を回転操作し、図6のように、ポン
プ斜板39とモータ斜板51の斜板角をそれぞれ15°
に保持する。(図1の状態)この場合、入力トルクによ
ってポンプ斜板39が回転しポンプピストン43がスト
ロークして、例えば、10cc/revのオイルを吐出
すると、このオイルは高圧側油路119を介して油圧モ
ータ35の押し出し側シリンダ83に与えられ、モータ
斜板51に沿ってモータピストン55を押圧し、その反
力によってモータシリンダブロック53及びこれと連結
された出力軸19をポンプ斜板39と同方向に回転させ
る。
【0058】このとき、モータシリンダブロック53を
1回転させるに必要なオイル量は10ccであるから、
(2)式により増速比Rt=0.5となる。また、増速
比Rt=0.5の状態では、油圧ポンプ33と油圧モー
タ35間のオイルの授受が等しくなるから、機械伝達
(図1のトルクフロー177)と油圧伝達(図1のトル
クフロー179)とで等量のトルクの伝達が行われる。
従って、伝達効率:ηtrは機械伝達効率と油圧伝達効
率とを平均した0.85になる。
【0059】(3)増速比Rt:1.0の状態 シフトコラム139を回転操作し、図6のように、ポン
プ斜板39の斜板角を15°に保持し、モータ斜板51
の斜板角を0°に保持する。
【0060】この場合、入力トルクによってポンプ斜板
39が回転しポンプピストン43がストロークして、例
えば、10cc/revのオイルを吐出しても、モータ
斜板51の斜板角を0°であるからモータピストン55
はストロークできず、モータシリンダブロック53と出
力軸19はポンプ斜板39からポンプピストン43とポ
ンプシリンダブロック41に伝達されるトルクによっ
て、ポンプ斜板39と同方向に空回りする。このとき、
ポンプ斜板39とポンプシリンダブロック41はポンプ
ピストン43に押しつけられてロック状態になり出力軸
19はポンプ斜板39同じ回転速度で回転する。
【0061】このように、入力回転速度:Ni=出力回
転速度:Noであるから、(1)式により増速比Rt=
1.0となる。また、増速比Rt=1.0の状態では油
圧ポンプ33と油圧モータ35間でオイルの授受がない
から、全てのトルクの伝達は機械伝達で行われる。従っ
て、伝達効率:ηtrは機械伝達効率の0.95にな
る。
【0062】(4)増速比Rt:−0.5の状態 シフトコラム139を回転操作し、図6のように、ポン
プ斜板39の斜板角をー15°に保持し、モータ斜板5
1の斜板角を15°に保持する。
【0063】入力トルクによってポンプ斜板39が回転
しポンプピストン43がストロークして、10cc/r
evのオイルを吐出すると、このオイルは高圧側油路1
19を介して油圧モータ35の押し出し側シリンダ83
に与えられ、モータ斜板51に沿ってモータピストン5
5を押圧し、その反力によってモータシリンダブロック
53及びこれと連結された出力軸19を回転させる。こ
の場合、ポンプ斜板39の斜板角とモータ斜板51の斜
板角が正負逆であるから出力軸19は入力軸5と反対方
向に回転する。
【0064】このとき、モータシリンダブロック53を
1回転させるに必要なオイル量は10ccであり、回転
方向が逆であるから、(2)式により増速比Rt=−
0.5となる。また、増速比Rt=0.5の場合と同様
に、油圧ポンプ33と油圧モータ35間のオイルの授受
が等しくなり、機械伝達と油圧伝達とで等量のトルクの
伝達が行われ、伝達効率:ηtrは0.85になる。
【0065】こうして、無段変速装置1が構成されてい
る。
【0066】上記のように、無段変速装置1は、油圧モ
ータの容量調整だけを行う従来例と異なって、斜板式油
圧ポンプ33と斜板式油圧モータ35の両方で斜板角を
調整し容量調整を行うことにより、上記のように、マイ
ナス側からプラス側までの広い範囲で変速比を調整する
ことが可能である。従って、一般車両で要求される広い
変速比調整範囲に対応可能であり、種々の車両に広く用
いることができる。
【0067】これに加えて、一本のシフトコラム139
に形成した油圧ポンプ33用の案内溝149と油圧モー
タ35用の案内溝151で移動スリーブ153と移動ス
リーブ155を移動操作して各斜板角を調整できるよう
に構成したから、1セットの変速比制御装置175で油
圧ポンプ33と油圧モータ35両方の容量調整を行い変
速比を調整することができる。
【0068】こうして、広い変速比調整範囲を持ちなが
ら、部品点数の増加を防止し小型軽量に構成できる。
【0069】なお、本発明の無段変速装置において、斜
板式油圧ポンプと斜板式油圧モータの斜板角調整範囲
は、実施例のように−15°〜15°の範囲に限らず、
任意の範囲で調整してよい。また、最大の斜板角も任意
に設定できる。
【0070】更に、斜板式油圧ポンプと斜板式油圧モー
タの容量は同一である必要はなく、互いに異なった容量
にしてもよい。同様に、各斜板式油圧ポンプと斜板式油
圧モータのピストン数やシリンダ容量は互いに異なった
値にしてもよい。
【0071】
【発明の効果】上記のように、請求項1の無段変速装置
は、油圧モータの容量調整だけを行う従来例と異なっ
て、油圧ポンプと油圧モータの両方で斜板角を調整し容
量調整を行うから、マイナス側からプラス側まで広い範
囲で変速比を調整することが可能である。従って、一般
車両で要求される広い変速比調整範囲に対応可能であ
り、種々の車種に広く用いることができる。
【0072】請求項2の無段変速装置は、請求項1の無
段変速装置と同様に、油圧ポンプと油圧モータの両方の
容量調整により広い範囲の変速比が得られる。
【0073】これに加えて、一本のシフトコラムに形成
した油圧ポンプ用の案内溝と油圧モータ用の案内溝で油
圧ポンプ用と油圧ポンプ用の各移動スリーブを移動操作
し、油圧ポンプと油圧モータの斜板角を調整できるよう
に構成したから、1セットの変速比制御装置で油圧ポン
プと油圧モータ両方の容量調整を行い変速比を調整する
ことができる。
【0074】こうして、広い変速比調整範囲を持ちなが
ら、部品点数の増加を防止し小型軽量に構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の無段変速装置を示す断面
図である。
【図2】図1のX−X断面図である。
【図3】図1のY−Y断面図である。
【図4】図1の実施形態において、斜板式油圧ポンプと
斜板式油圧モータ間のオイルの流れを示す概略図であ
る。
【図5】図1の無段変速装置を示す部分断面図である。
【図6】図1の無段変速装置に用いられるシフトコラム
の展開図である。
【図7】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 無断変速装置 33 斜板式油圧ポンプ 35 斜板式油圧モータ 39 斜板(油圧ポンプ33用) 51 斜板(油圧モータ35用) 139 シフトコラム 147 ウォームギヤ機構(変速比調整機構) 149 案内溝(油圧ポンプ33用) 151 案内溝(油圧モータ35用) 153 移動スリーブ(油圧ポンプ33用) 155 移動スリーブ(油圧モータ35用) 157、159 凸部(係合部) 161 カップリングスリーブ 163 シフトフォーク 165 溝 171、173 リンク 175 変速比制御装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 斜板の角度を調整可能な斜板式油圧ポン
    プと、斜板の角度を調整可能な斜板式油圧モータと、こ
    れらの間で油圧を授受する油圧閉回路とを有し、油圧ポ
    ンプ側から油圧モータ側に伝達される回転を変速する変
    速機構と、油圧ポンプと油圧モータの両斜板角度を調整
    して変速比を変える変速比制御装置とを備えたことを特
    徴とする無段変速装置。
  2. 【請求項2】 変速比制御装置が、油圧ポンプ用の案内
    溝と油圧モータ用の案内溝とを有するシフトコラムと、
    油圧ポンプ用の案内溝に係合する係合部を有する油圧ポ
    ンプ用移動スリーブと、シフトフォークと溝との係合に
    より油圧ポンプ用移動スリーブと相対回転自在に連結さ
    れたカップリングスリーブと、カップリングスリーブと
    油圧ポンプ用斜板とを連結するリンク機構と、油圧モー
    タ用の案内溝に係合する係合部を有する油圧モータ用移
    動スリーブと、油圧モータ用移動スリーブと油圧モータ
    用斜板とを連結するリンク機構と、シフトコラムを回転
    させて各移動スリーブを移動操作し、油圧ポンプ用斜板
    と油圧モータ用斜板の角度を変えて変速比を調整する変
    速比調整機構とからなる請求項1の無段変速装置。
JP595696A 1996-01-17 1996-01-17 無段変速装置 Pending JPH09196140A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002031209A (ja) * 2000-07-17 2002-01-31 Yanmar Diesel Engine Co Ltd 油圧装置
CN103753518A (zh) * 2014-01-10 2014-04-30 刘汝发 一种手动示教的机器人

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JP2002031209A (ja) * 2000-07-17 2002-01-31 Yanmar Diesel Engine Co Ltd 油圧装置
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