JPH09195366A - サイホン式洋風便器 - Google Patents

サイホン式洋風便器

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JPH09195366A
JPH09195366A JP2195196A JP2195196A JPH09195366A JP H09195366 A JPH09195366 A JP H09195366A JP 2195196 A JP2195196 A JP 2195196A JP 2195196 A JP2195196 A JP 2195196A JP H09195366 A JPH09195366 A JP H09195366A
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JP
Japan
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siphon
water
end edge
toilet
collision
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JP2195196A
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Inventor
Yoshinobu Nakamura
好伸 中村
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Daido Hoxan Inc
Original Assignee
Daido Hoxan Inc
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Publication date
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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E03WATER SUPPLY; SEWERAGE
    • E03DWATER-CLOSETS OR URINALS WITH FLUSHING DEVICES; FLUSHING VALVES THEREFOR
    • E03D2201/00Details and methods of use for water closets and urinals not otherwise provided for
    • E03D2201/30Water injection in siphon for enhancing flushing

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洋風便器におけるサイホン式トラップウエイ
の構成を改善して、サイホン現象を素早く起動させると
共に、汚物の詰り発生をも防止可能とする。 【解決手段】 給水口2から供与の洗浄水Wが、リム通
水路3を介し便鉢4とジェット水路5からサイホン式ト
ラップウエイ6のトラップウエイ入口6aより順次立上
がり部6c、立下り部6eへと流入してサイホン現象が
起動し、便鉢4内の汚物を排水口7から放流可能であ
る。立下り部6eの堰流下端縁部6mからのサイホン水
1 をサイホン水射出筒部6fの下降傾斜受承面6iか
ら下降傾斜射出面6jを介して、サイホン水衝突鉛直筒
部6gのサイホン水衝突面6qに衝当流下させ、サイホ
ン水W1 の重力による連続流下エネルギを増進させて、
サイホンの起動を早める。最下端曲降筒部6hに円弧状
の外側、内側内周壁面6s、6vを夫々形成して汚物の
衝当時における滑りをよくし詰りを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既知の如くサイホ
ンの原理を用いることにより、供与された洗浄水によっ
て汚物を排出口から、随時放流することのできる洋風便
器に係り、特に少ない量の洗浄水によってサイホンを素
早く起動させることができ、しかも、上記の汚物が、サ
イホン水の流れるサイホン式トラップウエイ内にあっ
て、不本意に詰ってしまうといったことのないようにし
たサイホン式洋風便器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のサイホン式洋風便器としては、図
3に示す如く洗浄水の供与後にあって、可及的速やかに
サイホン現象を起動させることを目的として、便器本体
aにおける便鉢bに、別途付設した図示しないロータン
クから洗浄水Wを供与し、これを便器本体aの給水口c
からリム通水路dを介して、便鉢bの下位に配設されて
いるジェット水路eに流下させ、当該ジェット水路eの
ジェットホールfより、図示の洗浄水Wを噴出させるよ
うにしている。
【0003】このようにすることで、当該噴出流である
洗浄水Wは、サイホン式トラップウエイgのトラップウ
エイ入口h内へ向けて強制送流されるから、周知の如く
逆U字状に曲成されたサイホン式トラップウエイg内
に、当該洗浄水Wが素早く充満状態となり、サイホン現
象が少量の洗浄水Wにより早期に起動させることができ
る。この結果、便鉢b内の汚物は、サイホン式トラップ
ウエイgに連通する排水口iから放流されることになる
が、ここで、図3にあってjは便鉢bの底部にあって開
口した流出口を示し、kは便鉢bに貯油された洗浄水W
の溜水面を示している。
【0004】しかし、上記の従来例によるときは、サイ
ホン式トラップウエイgにあって、その立上り部g1
ら最高部位g2 を経て、さらに立上り部g3 に至ると、
ここでは可成り蛇行しながら下降して排出口iに開口す
るよう構成されており、しかも当該蛇行に基づく多数の
屈曲箇所にあって、その曲率半径が小さく設定されてい
ることから、便鉢b内の洗浄水Wにおける汚物が、当該
屈曲箇所にあってブリッジ状態に係止されて、サイホン
式トラップウエイg内に詰ってしまう虞れが高いことに
なる。
【0005】また、上記図3の如き従来例とは逆に、汚
物の詰り発生防止を重視し、これを解消しようとするも
のに、図4の如き従来例のあることも知られている。こ
れによるときは、図3の如きジェット水路eを設けるこ
となく、サイホン式トラップウエイgの立下り部g3
は、図3における如き蛇行はなくなって直線的部分とな
り、従って、汚物の詰りは発生し難いが、サイホン現象
は洗浄水Wの供与開始後、その直後における少量の洗浄
水Wのみでは起動し得ないものとなっている。このた
め、上記何れの従来例にあっても、汚物の詰り防止と、
サイホン現象の早期起動を両立させることができなかっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来例
では二者択一であった欠陥を、同時に解消させようとす
るもので、請求項1によるときは、サイホン式トラップ
ウエイにおける立下り部の構成を、順次サイホン水射出
筒部、サイホン水衝突鉛直筒部、排出口に連設の最下端
曲成筒部とによって適切に構成することにより、便鉢の
洗浄水における汚物の詰りを充分に解消し得ると共に、
サイホン現象を、前記の図3の従来例よりも、さらに素
早く始動させ得るようにし、万一汚物が詰っても、その
清掃作業を簡易迅速に行い得るようにするのが、その目
的である。
【0007】さらに、請求項2にあっては、上記の請求
項1におけるサイホン水射出筒部にあって形成される下
降傾斜受承面の受承傾斜角と、この下降傾斜受承面の下
端から曲折されて連続する下降傾斜射出面の射出傾斜角
とにつき、所定の角度差範囲を設定することで、より一
層サイホン現象の起動を早期に行わせ得るようにしてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、請求項1にあっては、便器本体後部の給
水口と、これに供与される洗浄水が、便器本体前部まで
回流されるリム通水路と、当該リム通水路から上記洗浄
水が流入する便鉢とを、便器本体の上位側に形成すると
共に、当該便鉢の底部に開成する流出口から便器本体の
前方下位側にあっては、上記リム通水路からの洗浄水が
流下して、ジェットホールより前記流出口に向け噴出す
るジェット水路を、そして当該流出口から便器本体の後
方下位側にあっては、上記ジェットホールからの洗浄水
を受容するトラップウエイ入口より、便鉢の途中高さま
で立ち上った最高部位から立ち下って曲成され、かつ洗
浄水の放流される排水口に連通して略均一な流水断面積
をもったサイホン式トラップウエイが、夫々設けられて
なるサイホン式の洋風便器において、上記サイホン式ト
ラップウエイの外向きに傾斜上昇する立上り部から、そ
の最高部位における堰部の外周を回装して下降する立上
り部が、順次上位から内向きに傾斜下降するサイホン水
射出筒部、サイホン水衝突鉛直筒部、内向きに傾斜下降
して、縦装の前記排水口に連設された最下端曲降筒部と
からなり、上記サイホン水射出筒部の外側内壁には、前
記堰部から流下する洗浄水としてのサイホン水が受承さ
れる所定の受承傾斜角をもった下降傾斜受承面と、その
下端縁から曲折されて上記の受承傾斜角よりも小さな射
出傾斜角をもたせた下降傾斜射出面とが連設されると共
に、当該下降傾斜射出面の射出端縁部は、前記堰部にお
ける堰流下端縁部の略直下位に配設され、前記のサイホ
ン水衝突鉛直筒部には、上記の射出端縁部を含む上位横
口部から下位横口部まで鉛直状に形成され、かつ、その
内側内壁には、上記の下降傾斜射出面から放流されたサ
イホン水が流当するサイホン水衝突面が縦設され、前記
の最下端曲降筒部には、上記の下位横口部におけるサイ
ホン水衝突面の衝突下端縁部を中心として、所定半径に
て円弧状に曲成した外側内周壁面と、これに対向して前
記排水口に連設のトラップウエイ出口部における外側出
口端縁部を中心として、所定半径にて円弧状に曲成した
内側内周壁面を形成し、かつ、上記外側出口端縁部と前
記下降傾斜射出面の射出端縁部とを結ぶ線よりも、前記
衝突下端縁部が便器本体の内側寄りに配設されていると
共に、当該衝突下端縁部の略直下位にあって、上記の外
側出口端縁部が形成されていることを特徴とするサイホ
ン式洋風便器を提供しようとしている。
【0009】さらに、請求項2にあっては、上記請求項
1にあって、サイホン式トラップウエイにおける堰部か
ら流下する洗浄水としてのサイホン水が受承される下降
傾斜受承面のもつ受承傾斜角θ2 と、下降傾斜受承面の
下端から曲折されて形成された下降傾斜射出面の射出傾
斜角θ1 とが、θ1 >0にしてθ2 >θ1 であり、か
つ、20°<θ2 −θ1 <40°であることを、その内
容としている。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明を図1に示した一実施例に
よって詳記すると、先ず以下の構成については、前記図
3にあって開示されている従来例と実質的に同一であ
る。すなわち、便器本体1にあって、その便器本体後部
1aにおける上位側1bには、給水口2が上向きに開口
され、これに図示しないロータンクから供与されること
になる洗浄水Wが、便器本体前部1cまで分岐して回流
されるリム通水路3も、便器本体1の上位側1bに設け
られ、さらに、当該上位側1bの中央部には、上記洗浄
水Wが、リム通水路3の各所に多穿された射水口3aか
ら流下する便鉢4を、上向き開口の状態にて形成してあ
る。
【0011】さらに、上記便鉢4の底部に開口された流
出口4aから、便器本体1の前方下位側にあっては、上
記のリム通水路3における合流箇所3bからの洗浄水W
が流下して、ジェットホール5aから上記の流出口4a
に向け噴出するジェット水路5が形成されており、一方
当該流出口4aから便器本体1の後方下位側にあって
は、上記のジェットホール5aから噴出する洗浄水Wを
受容するトラップウエイ入口6aが開口されている。
【0012】このトラップウエイ入口6aから流入した
洗浄水Wは、便鉢4の途中高さまで立ち上った最高部位
6bより立ち下って曲成されたサイホン式トラップウエ
イ6を流れ、さらに、流下して排水口7から放流される
ことになるのであり、以上の構成は前述の通り従来のサ
イホン式洋風便器と変るところはない。
【0013】本願における請求項1のサイホン式洋風便
器にあっては、そのサイホン式トラップウエイ6が円形
とか角形の流水断面をもち、略均一な流水断面積をもつ
よう構成されている。さらに、サイホン式トラップウエ
イ6の外向き(図中左側)に傾斜上昇する立上り部6c
から、その最高部位6bにおける堰部6dの外周を回装
して下降する立下り部6eの構成が、順次上位から、内
向き(図中右側)に傾斜下降するサイホン水射出筒部6
fと、サイホン水衝突鉛直筒部6gと、さらに内向きに
傾斜下降して、縦装の前記排出口7に連設されている最
下端曲降筒部6hとの連設により構成されている。
【0014】そして、本発明では、先ず上記したサイホ
ン水射出筒部6fにあって、その外側壁面には、前記の
堰部6dから流下する洗浄水Wによるサイホン水W1
が、図2(C)に示される通り受承されることになる下
降傾斜受承面6iと、その下端縁から上側へ向けて曲折
された下降傾斜射出面6jとが連設されており、さら
に、当該下降傾斜射出面6jの射出端縁部6kは、同上
堰部6dにおける堰流下端縁部6mの略直下位に配設さ
れているが、このように構成する根拠については、次に
説示される。
【0015】ここで、図1の点P1 と点P2 は、夫々上
記下降傾斜受承面6iの上端縁と下端縁を示しており、
下降傾斜射出面6jが保有している射出傾斜角θ1 は、
θ1>0であり、かつ、下降傾斜受承面6iが保有して
いる受承傾斜角θ2 よりも小さく設立されている。さら
に、後に詳記される通り、上記の如く単にθ2 >θ1
するのでなしに、望ましくは、請求項2のように20°
<θ2 −θ1 <40°の範囲に設定することによって、
サイホン現象の起動時期を、より一層速くすることがで
きることになる。
【0016】次に前記のサイホン水衝突鉛直筒部6gに
つき説示すると、上記した射出端縁部6kを含んで形成
されている上位横口部6nから、これと平行に形成され
ている下位横口部6pまでが鉛直状に縦設された箇所で
あり、しかも、その内側内壁には、上記下降傾斜射出面
6jの射出端縁部6kから放流されたサイホン水W1
流当することとなるように、サイホン水衝突面6qが縦
設されており、従って、当該サイホン水衝突鉛直筒部6
gは、流水断面が円形とか角形にて、洗浄水Wが重心に
より鉛直状に流下する水路を形成していることになる。
【0017】さらに、前記の最下端曲降筒部6hには、
上記の下位横口部6pにおけるサイホン水衝突面6qの
衝突下端縁部6rを中心として、所定半径R1 にて円弧
状に曲成した外側内周壁面6sと、これに離間対向して
前記排水口7に連設のトラップウエイ出口部6tにおけ
る外側出口端縁部6uを中心として、所定半径R2 にて
円弧状に曲成した内側内周壁面6vとが形成されてい
る。
【0018】しかも、上記の外側出口端縁部6uと、前
記の下降傾斜射出面6jにおける射出端縁部6kとを結
ぶ線Lよりも、前記衝突下端縁部6rが、便器本体1の
内側寄りに配設されており、さらに、当該衝突下端縁部
6rの略直下位にあって、上記の外側出口端縁部6uが
形成されている。
【0019】このように、請求項1に係るサイホン式ト
ラップウエイ6の立下り部6eは構成されていることか
ら、その全体が蛇行状に形成されておらず、かつ、略均
一な流水断面積をもたせてあるばかりか、給水口2から
洗浄水Wが供与されて、図2の如く便鉢4における洗浄
水Wの溜水面W′が上昇して来ると、同上図(A)の如
く洗浄水Wは堰部6dを越流して垂下するだけの第1の
流れF1 が排水口7まで流れて、外側微加圧空所E1
内側開成空所E2 が遮断状態にて分離形成される。次に
同図(B)の通り、堰部6dを越す第2の流れF2 に成
長し、このとき上記の内側開成空所E2 が、排水口7の
洗浄水膜による閉成で、内側閉成空所E3となる。
【0020】次に、図2(C)に示されているような疑
似サイホンS1 が形成されることになるのであるが、こ
の際、堰部6dからの洗浄水であるサイホン水W1 は、
下降傾斜受承面6iに受承されて、下降傾斜射出面6j
から下方へ流れて行きこれにより当該サイホン水W1
上位には、上側微負圧空所E4 が閉成され、前記の内側
閉成空所E3 は、堰部6dまで成長して、閉側閉成拡大
空所E5 を形成するに至る。
【0021】そして、図2(D)に開示の如く便鉢4の
洗浄水Wは、その溜水面W′が低下して、それよりも、
サイホン式トラップウエイ6における洗浄水Wのサイホ
ン水位Ws が上昇することで、溜水面W′の水位とサイ
ホン水位Ws とが不平衡状態となるに至り、これによっ
て、図2(D)に明示する如く当該サイホン水W1 は、
下降傾斜射出面6jからサイホン水衝突鉛直筒部6gの
サイホン水衝突面6qに衝当し、さらに、最下端曲降筒
部6hの外側内周壁面6sを回流して、排水口7より流
出することになり、かくして第1成長サイホンS2 が形
成されることになる。そして、この際、上位側には上側
負圧空所E6 が閉成されると共に、内側上位閉成空所E
7 と内側下位閉成空所E8 、そして外側下位閉成空所E
9 が形成される。
【0022】次に、図2(E)にあって明示の如く、こ
の時点では、便鉢4における溜水面W′が、さらに低下
することで第1成長サイホンS2 よりも太い第2成長サ
イホンS3 が形成することとなり、この場合には、サイ
ホン水位Ws が上昇して上側負圧空所E6 が小さくな
り、前記の外側下位閉成空所E9 が消失して、内側上位
閉成空所E7 と内側下位閉成空所E8 が小さくなる。そ
して同図(F)の第3成長サイホンS4 の状態に達した
ときは、便鉢4の溜水面W′が、より一層低下して上側
負圧空所E6 と内側下位閉成空所E8 とが消失して、内
側上位閉成空所E7 が小さくなる。
【0023】そして、便鉢4における溜水面W′が、前
記流出口4aの上位に達するまで低下するに至れば、疑
似満水サイホンS5 を形成するに至り、この際には僅か
な内側上位閉成空所E7 だけの空気が残留することにな
り、さらに、上記の溜水面W′が低下しても、図2
(H)のようにジェット水路5からの洗浄水Wが、ジェ
ットホール5aよりトラップウエイ入口6aに噴入され
ることから、サイホン式トラップウエイ6にあって、内
側上位閉成空所E7 も消失し完全満水サイホンS6が形
成され、便鉢4の汚物は当該サイホン現象により配水口
7から放流されることになる。
【0024】さて、上記のようにしてサイホン水W1
成長することになるのであるが、本発明は前記の構成に
基づき、図1によって理解されるように長く太い汚物で
あっても、これがサイホン式トラップウエイ6内で、円
滑に流れなかったり、さらには、詰ってしまうといった
ことを解消するのに有効な作用が、以下のようにして発
揮されることとなる。すなわち、第1に立下り部6eに
あってサイホン水衝突鉛直筒部6gにおける衝突下端縁
部6rが、射出端縁部6kと外側出口端縁部6uとを結
ぶ線Lよりも、便器本体1の内側寄りに設定されている
ことから、汚物がサイホン水射出筒部6fより、上記の
サイホン水衝突鉛直筒部6gへ向けて通過し易いことに
なる。
【0025】また、第2には上記サイホン水衝突鉛直筒
部6gの下位に連設の最下端曲降筒部6hにあって、対
向する外側内周壁面6sと内側内周壁面6vとが、夫々
衝突下端縁部6rと外側出口端縁部6uとを中心とする
所定半径R1 、R2 の円弧状面により形成されているこ
とから、汚物の端部が直交状態にて衝突してしまうとい
った壁面がなくなり、円滑な流送を保証することが可能
となる。
【0026】さらに、第3には前掲サイホン水衝突鉛直
筒部6gが形成されていることから、ここでは洗浄水W
や汚物に対する重力を100%利用できることになり、
サイホン式トラップウエイ6内の洗浄水につき、その流
速を上げ、これにより、当該汚物を高速で搬送できるか
ら、それだけ詰り発生に対する防止性能を向上し得るこ
とになる。
【0027】一方、本発明ではサイホン現象の起動を、
少量の洗浄水Wにより短時間に生じさせることができる
ことになるが、その第1の理由は、前記した如く立下り
部6eにおける最上位のサイホン水射出筒部6fにあっ
て、堰流下端縁部6mの略直下位に、下降傾斜射出面6
jにおける射出端縁部6kが形成されていることであ
る。すなわち、今この射出端縁部6kが便器本体1の内
側(図面の右側)寄りに配設されているとすれば、射出
端縁部6kの位置が下降し、従って、この射出端縁部6
kと衝突下端縁部6rとの距離、すなわち、サイホン水
衝突鉛直筒部6gの高さが短縮されることになり、この
結果洗浄水の落下流速が低下して、サイホン現象の起動
が遅くなってしまうのである。
【0028】逆に、上記の射出端縁部6kが、便器本体
1の外側(図面の左側)寄りにあったとすれば、これよ
り流下するサイホン水W1 をサイホン水衝突面6qに衝
当させるためには、どうしても点P1 から点P2 までの
下降傾斜受承面6iの受承傾斜角θ2 を小さくしなけれ
ばならなくなる。従って、当該下降傾斜受承面6iと堰
部6dから流下するサイホン水W1 とのなす受承交差角
θ3 が大きくなり、このことにより、当該サイホン水W
1 の流下する速度が低下して、サイホン現象を起こしに
くくなってしまうのである。
【0029】次に、サイホン現象の起動を早めることの
できる第2の理由について以下説示すると、これは、サ
イホン水射出筒部6fにあって形成した前記の下降傾斜
受承面6iの受承傾斜角θ2 と、当該下降傾斜受承面6
iに連設されて、点P2 から射出端縁部6kまで形成さ
れている下降傾斜射出面6jの射出傾斜角θ1 との相互
関係に存する。すなわち、前記の如くθ1 >0であり、
しかもθ2 >θ1 であるよう構成されている請求項1の
発明によるときは、受承傾斜角θ2 につき、これを大き
くすることで、堰部6dから流下されたサイホン水W1
が、下向きに勢いよく跳ねかえり、このサイホン水W1
を、θ2 より小さな射出傾斜角θ1 を保有している下降
傾斜射出面6jにより、その射出方向を調整し、これに
より、当該サイホン水W1 をサイホン水衝突面6qに衝
当流下させ得ることになるから、早期にサイホン現象を
起動できる大きな流下速度のサイホン水が得られること
になるのである。
【0030】さらに、サイホン現象の素早い起動につき
配慮するならば、今、θ2 −θ1 が小さくなればなるほ
ど、下降傾斜受承面6i(P1 −P2 )と、下降傾斜射
出面6j(P2 −6k)とのなす曲げ角度が小さくなる
から、水流に対する損失は小さくなって望ましいが、射
出傾斜角θ1 と受承交差角θ3 が大きくなるのであるか
ら、結局サイホン水W1 の流下速度が低下してサイホン
現象の起動が、次第に遅延する傾向を示すことになる。
【0031】一方、逆にθ2 −θ1 を大きくして行く
と、射出傾斜角θ1 と、上記の受承交差角θ3 とが小さ
くなって行き、サイホン現象を素早く発生させ得ること
になるが、下降傾斜受承面6iと下降傾斜射出面6jと
のなす曲げ角度が大きくなることから、サイホン水W1
の流速が低下してしまい、サイホン現象が、次第に起き
にくくなって来る。そして、上記の如き観点からして、
実際上20°<θ2 −θ1 <40°の範囲内に、θ2
θ1 角度を設定するのが望ましいことが、実験結果とし
て確認された。
【0032】上記の実験によるときは、θ2 =65°で
θ1 =25°、従ってθ2 −θ1 =40°までは、前記
のサイホン水位Ws =15mmであり、当該40°より
もθ2 −θ1 を大きくして行くと、Ws は15mmより
も大となって行き、下降傾斜受承面6iと下降傾斜射出
面6jとのなす曲げ角度により流体力学上の不利が表わ
れ、さらに当該曲げ角度が90°に近くなると汚物の詰
りが生ずる原因ともなる。また、θ2 =60°でθ1
30°とすることでθ2 −θ1 =30°とした場合は、
サイホン水位はθ2 −θ1 =40°のときと同じくWs
=15mm程度であったが、θ2 =55°でθ1 =35
°、従ってθ2 −θ1 =20°としたときにはWs =1
9mmとなった。
【0033】しかし、上記のWs =15mmとかWs
19mm程度であることは、通常この種のサイホン式洋
風便器の場合には、サイホン水位Ws が30mmになら
ないと、サイホン現象が完全に至らないことを考えれ
ば、充分に実用上効果のある結果が得られるということ
になる。尚、既知の如く図2(H)のように便鉢4内の
洗浄水Wにつき、サイホン現象が生じて溜水面W′が次
第に低下して行き、所定の時間が経過すれば、当該溜水
面W′が流水口4aの下位側にまで達するが、これによ
り、当該流水口4aから洗浄水W中に侵入した空気が、
トラップウエイ入口6aからサイホン式トラップウエイ
6内にまで達し、この結果、サイホン水W1 内の当該空
気が泡として介入するに至り、サイホン水の重力による
落流しようとする力は、当該泡に基づく水の流れに対し
ての抵抗力と、空気の浮力とにより減殺され、遂には、
サイホン現象の破壊が生じて、汚物の放流現象が終わる
ことになる。
【0034】
【発明の効果】本発明は以上のようにして構成されてい
るので、請求項1によるときは、サイホン式トラップウ
エイの立下り部を、適切に形成されたサイホン水射出筒
部とサイホン水衝突鉛直筒部そして最下端曲降筒部の連
設によって構成するようにしたから、特にサイホン水衝
突鉛直筒部と最下端曲降筒部との構成によって、汚物の
詰りの発生を大幅に解消することができ、さらに、サイ
ホン水射出筒部の下降傾斜受承面と下降傾斜射出面およ
び射出端縁部の夫々、受承傾斜角、射出傾斜角および配
装関係位置の選定により、サイホン現象が起こるまでの
洗浄に寄与しない水量を減らすことができ、これにより
ロータンク等から供与される洗浄水の有効利用について
の改善についても同時に、その目的を達成し得ることに
なる。
【0035】従って、万一汚物が詰ったような場合で
も、サイホン式トラップウエイに直線箇所と円弧状内壁
面が多いため、パイプクリーナの如き排水配管を差し込
むことで、これを当該サイホン式トラップウエイの奥ま
で挿入することができるから、清掃の目的をも簡易迅速
に完遂することができる。
【0036】さらに請求項2によるときは、射出傾斜角
θ1 と受承傾斜角θ2 との相差角の範囲を規制すること
で、より一層サイホン現象発生までの時間短縮につき、
その信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るサイホン式洋風便器の一実施例を
示した縦断側面図である。
【図2】(A)(B)(C)(D)(E)(F)(G)
(H)は、図1のサイホン式洋風便器によって、洗浄水
によるサイホン現象の発生から完了までの経過を示した
縦断側面説明図である。
【図3】従来の所謂サイホンジェット式洋風便器を示
し、(A)はその縦断側面略示図、(B)は平面略示図
である。
【図4】従来の所謂セミサイホン式洋風便器を示し、
(A)はその縦断側面略示図、(B)は平面略示図であ
る。
【符号の説明】
1 便器本体 1a 便器本体後部 1b 上位側 1c 便器本体前部 2 給水口 3 リム通水路 4 便鉢 4a 流出口 5 ジェット水路 5a ジェットホール 6 サイホン式トラップウエイ 6a トラップウエイ入口 6b 最高部位 6c 立上り部 6d 堰部 6e 立下り部 6f サイホン水射出筒部 6g サイホン水衝突鉛直筒部 6h 最下端曲降筒部 6i 下降傾斜受承面 6j 下降傾斜射出面 6k 射出端縁部 6m 堰流下端縁部 6n 上位横口部 6p 下位横口部 6q サイホン水衝突面 6r 衝突下端縁部 6s 外側内周壁面 6t トラップウエイ出口部 6u 外側出口端縁部 6v 内側内周壁面 L 結ぶ線 R1 所定半径 R2 所定半径 W 洗浄水 W1 サイホン水 θ1 射出傾斜角 θ2 受承傾斜角

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 便器本体後部の給水口と、これに供与さ
    れる洗浄水が、便器本体前部まで回流されるリム通水路
    と、当該リム通水路から上記洗浄水が流入する便鉢と
    を、便器本体の上位側に形成すると共に、当該便鉢の底
    部に開成する流出口から便器本体の前方下位側にあって
    は、上記リム通水路からの洗浄水が流下して、ジェット
    ホールより前記流出口に向け噴出するジェット水路を、
    そして当該流出口から便器本体の後方下位側にあって
    は、上記ジェットホールからの洗浄水を受容するトラッ
    プウエイ入口より、便鉢の途中高さまで立ち上った最高
    部位から立ち下って曲成され、かつ洗浄水の放流される
    排水口に連通して略均一な流水断面積をもったサイホン
    式トラップウエイが、夫々設けられてなるサイホン式の
    洋風便器において、上記サイホン式トラップウエイの外
    向きに傾斜上昇する立上り部から、その最高部位におけ
    る堰部の外周を回装して下降する立上り部が、順次上位
    から内向きに傾斜下降するサイホン水射出筒部、サイホ
    ン水衝突鉛直筒部、内向きに傾斜下降して、縦装の前記
    排水口に連設された最下端曲降筒部とからなり、上記サ
    イホン水射出筒部の外側内壁には、前記堰部から流下す
    る洗浄水としてのサイホン水が受承される所定の受承傾
    斜角をもった下降傾斜受承面と、その下端縁から曲折さ
    れて上記の受承傾斜角よりも小さな射出傾斜角をもたせ
    た下降傾斜射出面とが連設されると共に、当該下降傾斜
    射出面の射出端縁部は、前記堰部における堰流下端縁部
    の略直下位に配設され、前記のサイホン水衝突鉛直筒部
    には、上記の射出端縁部を含む上位横口部から下位横口
    部まで鉛直状に形成され、かつ、その内側内壁には、上
    記の下降傾斜射出面から放流されたサイホン水が流当す
    るサイホン水衝突面が縦設され、前記の最下端曲降筒部
    には、上記の下位横口部におけるサイホン水衝突面の衝
    突下端縁部を中心として、所定半径にて円弧状に曲成し
    た外側内周壁面と、これに対向して前記排水口に連設の
    トラップウエイ出口部における外側出口端縁部を中心と
    して、所定半径にて円弧状に曲成した内側内周壁面を形
    成し、かつ、上記外側出口端縁部と前記下降傾斜射出面
    の射出端縁部とを結ぶ線よりも、前記衝突下端縁部が便
    器本体の内側寄りに配設されていると共に、当該衝突下
    端縁部の略直下位にあって、上記の外側出口端縁部が形
    成されていることを特徴とするサイホン式洋風便器。
  2. 【請求項2】 サイホン式トラップウエイにおける堰部
    から流下する洗浄水としてのサイホン水が受承される下
    降傾斜受承面のもつ受承傾斜角θ2 と、下降傾斜受承面
    の下端から曲折されて形成された下降傾斜射出面の射出
    傾斜角θ1 とが、θ1 >0にしてθ2 >θ1 であり、か
    つ、20°<θ2 −θ1 <40°である請求項1記載の
    サイホン式洋風便器。
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