JPH09191951A - スライドボード付き机 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 机に向かう執務者の手のとどく所に、スライ
ド式に移動できる筆記板を設け、執務能率の向上を図
る。 【解決手段】 机本体１の後端より立設した支持部材３
の上部前面にキャビネット４を取付け、このキャビネッ
ト４の左右長手方向に設けたレール５に、キャビネット
４の前面を部分的に覆う筆記板６を移動自在に架設す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、机上に架設したキ
ャビネットの前面の一部を閉塞する筆記板を、左右移動
自在に設けて、執務の効率化を図ることができるように
したスライドボード付き机に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、間仕切パネルの前面に、筆記板や
掲示板などのボードを懸架したり、移動式のボードを立
て掛けたりし、また、実公昭62-41644号公報に記載のよ
うに、収納家具本体の前面に、引き違い扉の代わりに、
筆記板等のボードを左右移動自在に懸架して、連絡事項
や作業日程、会議中の発言などを書き込むことが行われ
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術のよう
に、オフィスを区画する間仕切パネルの前面に懸架した
り、或いは立て掛けたりした移動式のボードでは、自席
で執務中にパソコン等に向かいながら思い浮かんだアイ
デアやイメージを即座に書き留めるには、ボードが離れ
すぎている。そのため、自席から離れると、執務作業が
中断して効率を損なうことになる。

【０００４】机周りを囲む簡易式の間仕切パネルの執務
者の側面、または背面にボードを懸架するか、或いは机
に隣接させて移動式のボードを立て掛けるようにする
と、これらによって、机周りのスペースが狭められるこ
とになるばかりか、執務者の側面または背面に余りに接
近しすぎていると、執務者がボードに衝突して危険であ
る。

【０００５】またボードが、机の背面側のように遠い位
置にあると、執務者は、立ち上がって大きく腕を延ばさ
なければ、ボードに手が届かない。

【０００６】さらにこのボードは、執務者個人でしか使
用できず、隣の机の執務者と同一ボードを共用して、ア
イデアやディスカッションのまとめなどを書き込んだり
訂正したりすることはできない。

【０００７】収納家具本体の前面に引き違い扉の代わり
に、ボードを左右移動自在に懸架することもあるが、収
納家具は、前記間仕切パネルと同様に、机の執務エリア
より遠く離れて配置されることが通常であるため、自席
から離れることによって、執務作業が中断されて、効率
を損なうことになる。

【０００８】執務者の周囲に収納家具を配置しても、ボ
ードに書き込むためには、後を振り向かねばならず、前
側にボードを設けて書き留めた内容を確認しながら執務
することはできない。また、収納家具の引き違い扉に替
わるスライドボードは大形となり、かつその左右移動に
際して、大きな摺動音を発するため、執務の妨げにな
る。

【０００９】本発明の目的は、机に向かう執務者の手の
とどく所に、スライド式に移動できる筆記板を設け、も
って執務能率の向上を図ることにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題は、次のようにして解決される。 (１) 机本体の後端に立設した支持部材の上部前面にキ
ャビネットを取付け、このキャビネットの左右長手方向
に設けたレールに、前記キャビネットの前面を部分的に
覆う筆記板を移動自在に架設したこと。

【００１１】(２) 上記(１)項において、机本体の天板
前縁に凹窪部を形成させる。

【００１２】(３) 上記(１)または(２)項において、机
本体が左右に並んで連設されており、これらの机本体の
キャビネットにわたってレールが連続して延びており、
このレールのいくつかの位置に筆記板を一時停止させる
手段が設けられる。

【００１３】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の１実施例を示す
斜視図で、２つの同形の机本体(１)が、左右方向に並ん
で連設されている。机本体(１)は、前縁が波形をなして
凹窪部(2a)を形成している天板(２)を備え、天板(２)の
後端より立設された支柱、パネル等の支持部材(３)の上
部には、全面開放の掛け吊りキャビネット(４)が取り付
けられている。

【００１４】キャビネット(４)の頂部の前部には、左右
方向のレール(５)が敷設されており、このレール(５)
は、隣の机本体(１)のレール(５)と連続している。

【００１５】レール(５)には、黒板、白板のような筆記
板、すなわちボード(６)が滑動自在に懸架されている。
ボード(６)の下部には、粉受け兼用レール(７)が、上部
のレール(５)と同様に、左右に連続可能に配設されてい
る。

【００１６】図２に示すように、ボード(６)の裏面の上
部の両端部付近には、取付金具(８)により、ローラ(９)
が、レール(５)上を走行できるように取り付けられてい
る。従って、ボード(６)は、このローラ(９)を介してキ
ャビネット(４)上に懸架されている。

【００１７】ボード(６)の下端には、取付金具(10)によ
りローラ(11)が実質的に４５度の角度で取り付けられて
いる。このローラ(11)は、キャビネット(４)の角を落と
した下隅部に取り付けた粉受け兼用レール(７)のローラ
受け部分に収容され、筆記板(６)を案内している。粉受
け兼用レール(７)の前部は、筆記板(６)の下部にわたる
ように前方に突出して、白墨の粉受けとなっている。

【００１８】このような構成であるので、筆記板(６)
は、レール(５)上を左右方向に自由に隣の机(１)まで滑
動することができ、隣の執務者と共用することができ
る。

【００１９】この筆記板(６)の滑動を一時停止させる手
段がレール(５)に設けられている。すなわち、図３に示
すようなボールキャッチ(12)が、そのボール(12a)がば
ね(12b)に付勢されてレール面から突出するように、レ
ール(５)に埋め込まれている。ローラ(９)がボール(12
a)に接触すると、筆記板(６)は一時停止する。筆記板
(６)をさらに押すと、ローラ(９)は、ばね(12b)の力に
抗してボール(12a)を押し下げて移動することができ
る。

【００２０】図４に示す変形例では、一時停止手段は、
レール(５)に形成した単なる窪み部分(13)である。筆記
板(６)のローラ(９)が、この窪み部分(13)に落ち込んで
一時停止する。筆記板(６)をさらに押せば、ローラ(９)
は窪み部分(13)を越えて移動することができる。

【００２１】

【発明の効果】机に向かった執務者の前方身近にスライ
ドボードを設けたので、机に向かってパソコン等を操作
しながら、身体を大きく移動したり、腕を伸ばしたりす
ることもなく、アイデアやイメージなどを書き留め、こ
れを目視確認しながらパソコン操作等の執務を中断する
ことなく継続できて、執務効率を高めることができる。

【００２２】請求項２記載の発明のように、机本体の天
板前縁に凹窪部を形成させると、キャビネット前面のボ
ードを、より身近にすることができ、机前方に腰掛け、
或いは凹窪部で立ち上がって、アイデアやイメージ、デ
ィスカッションのまとめなどを書き留めることができ
る。

【００２３】請求項３記載の発明のように、机本体が左
右に並んで連設され、これらの机本体のキャビネットに
わたってレールが連続して延びており、このレールのい
くつかの位置に筆記板を一時停止させる手段が設けられ
ていると、隣の執務者など複数人でチーム討議を行いな
がら、ボードを左右身近に引き寄せて共用して使用する
ことができる。この際、レールの適所にボードの一時停
止手段を設けることにより、ボードを一時固定して書き
込むことができるとともに、左右にスライドさせたボー
ドが、不用意に隣の執務者に衝突することを防止でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例である机を、２個側方へ連設し
た状態を示す斜視図である。

【図２】図１に示した筆記板付近の拡大側面図である。

【図３】レールに取り付けた一時停止手段の拡大縦断面
図である。

【図４】一時停止手段の変形例の拡大縦断面図である。

【符号の説明】

(１)机本体 (２)天板 (2a)凹窪部 (３)支持部材 (４)キャビネット (５)レール (６)筆記板（ボード） (７)粉受け兼用レール (８)取付金具 (９)ローラ (10)取付金具 (11)ローラ (12)ボールキャッチ（一時停止手段） (12a)ボール (12b)ばね (13)窪み部分

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 机本体の後端より立設した支持部材の上
   部前面にキャビネットを取付け、このキャビネットの左
   右長手方向に設けたレールに、前記キャビネットの前面
   を部分的に覆う筆記板を、移動自在に架設したことを特
   徴とするスライドボード付き机。
2. 【請求項２】 机本体の天板前縁に凹窪部を形成したこ
   とを特徴とする請求項１記載のスライドボード付き机。
3. 【請求項３】 机本体が左右に並んで連設され、かつこ
   れらの机本体のキャビネットにわたってレールが連続し
   て延びており、このレールのいくつかの位置に、筆記板
   を一時停止させる手段を設けたことを特徴とする請求項
   １または２記載のスライドボード付き机。