JPH09191117A - 半導体薄膜 - Google Patents
半導体薄膜Info
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- JPH09191117A JPH09191117A JP8001568A JP156896A JPH09191117A JP H09191117 A JPH09191117 A JP H09191117A JP 8001568 A JP8001568 A JP 8001568A JP 156896 A JP156896 A JP 156896A JP H09191117 A JPH09191117 A JP H09191117A
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
- Y02E10/548—Amorphous silicon PV cells
Landscapes
- Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)
- Photovoltaic Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 膜厚0.4 〜2nm のSi(H) 層に挟まれ
た、膜厚 1〜2nm のSi1-xGex (H) 層(0<X<1) の組成x
が徐々に積層方向に変化しており、Si1-x Gex (H)層内
の積層方向のある位置においてピーク値を有するように
形成され、Si(H) 層、Si1-x Gex (H) 層が2周期以上積
層された、例えば周期ポテンシャル形状が調和型もしく
は三角型である、光活性な半導体薄膜およびこれを用い
た太陽電池。 【効果】 Eg=1.47eV の(a-Si:H/a-Si1-x Ge x :H(0<
x<0.8))n多層膜において、例えば、光感度 1.8×105 が
得られる。また、この膜を単接合非晶質太陽電池の光活
性層に適用することで、例えば、初期変換効率10.18%、
屋外暴露(1年) 後変換効率9.10% の性能を有する単接合
非晶質太陽電池が得られる。
た、膜厚 1〜2nm のSi1-xGex (H) 層(0<X<1) の組成x
が徐々に積層方向に変化しており、Si1-x Gex (H)層内
の積層方向のある位置においてピーク値を有するように
形成され、Si(H) 層、Si1-x Gex (H) 層が2周期以上積
層された、例えば周期ポテンシャル形状が調和型もしく
は三角型である、光活性な半導体薄膜およびこれを用い
た太陽電池。 【効果】 Eg=1.47eV の(a-Si:H/a-Si1-x Ge x :H(0<
x<0.8))n多層膜において、例えば、光感度 1.8×105 が
得られる。また、この膜を単接合非晶質太陽電池の光活
性層に適用することで、例えば、初期変換効率10.18%、
屋外暴露(1年) 後変換効率9.10% の性能を有する単接合
非晶質太陽電池が得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池の高性能
化に関し、とくに、それを構成する光活性層( 半導体薄
膜 )の高品質化を図る技術に関する。
化に関し、とくに、それを構成する光活性層( 半導体薄
膜 )の高品質化を図る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】a-SiGe:H薄膜は、薄膜中のシリコンおよ
びゲルマニウムの組成を変化させることにより、光学的
バンドギャップ( 以下、光学ギャップ(Eg); Tauc'sプロ
ットにより求めた値 )を1.0eV 〜1.7eV までの広い範囲
にわたって制御することが可能である。そのため、従来
の水素を含む非晶質シリコン薄膜 (以下、a-Si:H薄膜)
(Eg=1.7〜1.8eV )を光活性層に用いた非晶質太陽電池
と、このa-SiGe:H薄膜を光活性層に用いた非晶質太陽電
池とを積層したタンデムセルにより、太陽光に含まれる
スペクトルに対して幅広い光吸収が可能であり、薄膜で
あって、かつ、より高効率で光安定な非晶質太陽電池を
形成することができるものと期待されているのである。
びゲルマニウムの組成を変化させることにより、光学的
バンドギャップ( 以下、光学ギャップ(Eg); Tauc'sプロ
ットにより求めた値 )を1.0eV 〜1.7eV までの広い範囲
にわたって制御することが可能である。そのため、従来
の水素を含む非晶質シリコン薄膜 (以下、a-Si:H薄膜)
(Eg=1.7〜1.8eV )を光活性層に用いた非晶質太陽電池
と、このa-SiGe:H薄膜を光活性層に用いた非晶質太陽電
池とを積層したタンデムセルにより、太陽光に含まれる
スペクトルに対して幅広い光吸収が可能であり、薄膜で
あって、かつ、より高効率で光安定な非晶質太陽電池を
形成することができるものと期待されているのである。
【0003】また、単接合セルにおいても、光学ギャッ
プEg=1.5eVの光活性層を用いることにより、初期変換効
率10.5%(AM-1.5、100mW/cm2 下測定) 、屋外暴露(1年)
後の変換効率9.5%以上の性能を有する、単接合非晶質太
陽電池が得られる可能性があるため、アモルファス太陽
電池の実用化に向けて、さまざまな、a-SiGe:H薄膜の形
成方法が試みられている。
プEg=1.5eVの光活性層を用いることにより、初期変換効
率10.5%(AM-1.5、100mW/cm2 下測定) 、屋外暴露(1年)
後の変換効率9.5%以上の性能を有する、単接合非晶質太
陽電池が得られる可能性があるため、アモルファス太陽
電池の実用化に向けて、さまざまな、a-SiGe:H薄膜の形
成方法が試みられている。
【0004】たとえば、最近、実用化に向けた、単接合
a-Si太陽電池において、屋外暴露 1年相当初期劣化後効
率η=8.8%(1cm2) が報告されている(1994 年秋、応用物
理学会学術講演会(19a-ZK-5,三洋電機) 。しかしなが
ら、実用化にとって必要条件となる屋外暴露1年相当初
期劣化後効率η=9.5%(1cm2) 以上の性能を有する単接合
非晶質太陽電池はまだ得られていない。
a-Si太陽電池において、屋外暴露 1年相当初期劣化後効
率η=8.8%(1cm2) が報告されている(1994 年秋、応用物
理学会学術講演会(19a-ZK-5,三洋電機) 。しかしなが
ら、実用化にとって必要条件となる屋外暴露1年相当初
期劣化後効率η=9.5%(1cm2) 以上の性能を有する単接合
非晶質太陽電池はまだ得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、太陽電池の
光活性層に用いられるa-SiGe:H薄膜の高品質化をはかる
ことにより、初期変換効率として10.0% 以上、屋外1年
暴露光劣化試験後の変換効率として、9.0%以上の単接合
非晶質薄膜太陽電池、または、単接合結晶太陽電池を提
供することを目的としている。
光活性層に用いられるa-SiGe:H薄膜の高品質化をはかる
ことにより、初期変換効率として10.0% 以上、屋外1年
暴露光劣化試験後の変換効率として、9.0%以上の単接合
非晶質薄膜太陽電池、または、単接合結晶太陽電池を提
供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の発明特
定事項により特徴づけられるものである。 〔1〕 Si(H) 層とSi1-x Gex (H) 層(0<x<1) が交互に
積層され、該膜厚0.4〜2nm のSi(H) 層に挟まれた、該
膜厚1〜2nm のSi1-x Gex (H) 層(0<x<1) の組成x が、
積層方向に徐々に変化し、Si1-x Gex (H) 層内の積層方
向のある位置においてピーク値を有することを特徴とす
るSi(H) 層およびSi1-x Gex (H) 層が2周期以上積層形
成された、光活性な半導体薄膜。
定事項により特徴づけられるものである。 〔1〕 Si(H) 層とSi1-x Gex (H) 層(0<x<1) が交互に
積層され、該膜厚0.4〜2nm のSi(H) 層に挟まれた、該
膜厚1〜2nm のSi1-x Gex (H) 層(0<x<1) の組成x が、
積層方向に徐々に変化し、Si1-x Gex (H) 層内の積層方
向のある位置においてピーク値を有することを特徴とす
るSi(H) 層およびSi1-x Gex (H) 層が2周期以上積層形
成された、光活性な半導体薄膜。
【0007】〔2〕 Si1-xGex (H) 層の光学ギャップ
(Eg)の積層方向の変化が、主として2次関数となり、積
層膜としては、主として調和型の周期ポテンシャルを有
する項〔1〕記載の半導体薄膜。 〔3〕 Si1-x Ge x (H) 膜の光学ギャップ(Eg)が、層
内の組成x のピーク値の両側で、積層方向に直線的に変
化し、積層膜としては、主として三角型の周期ポテンシ
ャルを有する請求項1記載の半導体薄膜。
(Eg)の積層方向の変化が、主として2次関数となり、積
層膜としては、主として調和型の周期ポテンシャルを有
する項〔1〕記載の半導体薄膜。 〔3〕 Si1-x Ge x (H) 膜の光学ギャップ(Eg)が、層
内の組成x のピーク値の両側で、積層方向に直線的に変
化し、積層膜としては、主として三角型の周期ポテンシ
ャルを有する請求項1記載の半導体薄膜。
【0008】〔4〕 項〔1〕〜項〔3〕の何れかに記
載の半導体薄膜が結晶であり、これを光活性層に用いる
結晶太陽電池。 〔5〕 項〔1〕〜項〔3〕の何れかに記載の半導体薄
膜が非晶質であり、これを光活性層に用いる非晶質太陽
電池。
載の半導体薄膜が結晶であり、これを光活性層に用いる
結晶太陽電池。 〔5〕 項〔1〕〜項〔3〕の何れかに記載の半導体薄
膜が非晶質であり、これを光活性層に用いる非晶質太陽
電池。
【0009】〔6〕 項〔1〕記載の半導体薄膜の形成
方法であって、xのピーク値がSi1-Gex (H) 層の半ばに
位置するようになるように、反応室に導入する主体とな
るゲルマンおよびシランの流量の時間制御を行い、か
つ、Si(H) 層、続いて、Si1-xGex (H) 層を1周期、グ
ロー放電により、連続で形成した後、放電を停止し、モ
ノシランに対するゲルマンのガス組成比が1%以下に減じ
られた後に、再放電を行い、2周期以上の形成を繰り返
す、プラズマCVD 法を用いた半導体薄膜の形成方法。
方法であって、xのピーク値がSi1-Gex (H) 層の半ばに
位置するようになるように、反応室に導入する主体とな
るゲルマンおよびシランの流量の時間制御を行い、か
つ、Si(H) 層、続いて、Si1-xGex (H) 層を1周期、グ
ロー放電により、連続で形成した後、放電を停止し、モ
ノシランに対するゲルマンのガス組成比が1%以下に減じ
られた後に、再放電を行い、2周期以上の形成を繰り返
す、プラズマCVD 法を用いた半導体薄膜の形成方法。
【0010】このように、モノシランに対するゲルマン
のガス組成比が1%以下に減じられた後に、再放電を行う
ことにより、実質的にGeのない Si(H)層を形成すること
ができるのである。必ずしもゲルマンのガス組成比が実
質的に0%になるまで待つ必要はないのである。 〔7〕 項〔6〕記載の半導体薄膜の形成方法におい
て、 Si1-xGex (H) 層の光学ギャップ(Eg)の積層方向の
変化が、ほぼ2次関数となり、積層膜としては、主とし
て調和型( 2次関数型 )を基本として含む周期ポテンシ
ャルとなるように、反応室内のガス組成比を制御して形
成を行う半導体薄膜形成方法。
のガス組成比が1%以下に減じられた後に、再放電を行う
ことにより、実質的にGeのない Si(H)層を形成すること
ができるのである。必ずしもゲルマンのガス組成比が実
質的に0%になるまで待つ必要はないのである。 〔7〕 項〔6〕記載の半導体薄膜の形成方法におい
て、 Si1-xGex (H) 層の光学ギャップ(Eg)の積層方向の
変化が、ほぼ2次関数となり、積層膜としては、主とし
て調和型( 2次関数型 )を基本として含む周期ポテンシ
ャルとなるように、反応室内のガス組成比を制御して形
成を行う半導体薄膜形成方法。
【0011】〔8〕 項〔6〕記載の半導体薄膜の形成
方法において、 Si1-xGex (H) 膜の光学ギャップ(Eg)
が、層内の組成x のピーク値の両側で、積層方向にほぼ
直線的に変化し、積層膜としては、主として三角型を基
本として含む周期ポテンシャルなるように、反応室内の
ガス組成比を制御して形成を行う半導体薄膜の形成方
法。ここで、調和型( 2次関数 )を基本として含む周期
ポテンシャルとは、後記するように〔図1〕の(a) に示
したようなもので、また、三角型を基本として含む周期
ポテンシャルとは〔図1〕の(b) に示すようなものであ
る。これらのプロファイルをもつ周期ポテンシャルは、
例えば〔図2〕のごとく、ガス組成比( これはオンライ
ンでモニター可能である )と、得られる薄膜のバンドギ
ャップのデータを準備し、かつ、ガス組成比を、薄膜形
成時に精密にモニターしながら、プログラム制御するこ
とにより容易に形成することができるのである。
方法において、 Si1-xGex (H) 膜の光学ギャップ(Eg)
が、層内の組成x のピーク値の両側で、積層方向にほぼ
直線的に変化し、積層膜としては、主として三角型を基
本として含む周期ポテンシャルなるように、反応室内の
ガス組成比を制御して形成を行う半導体薄膜の形成方
法。ここで、調和型( 2次関数 )を基本として含む周期
ポテンシャルとは、後記するように〔図1〕の(a) に示
したようなもので、また、三角型を基本として含む周期
ポテンシャルとは〔図1〕の(b) に示すようなものであ
る。これらのプロファイルをもつ周期ポテンシャルは、
例えば〔図2〕のごとく、ガス組成比( これはオンライ
ンでモニター可能である )と、得られる薄膜のバンドギ
ャップのデータを準備し、かつ、ガス組成比を、薄膜形
成時に精密にモニターしながら、プログラム制御するこ
とにより容易に形成することができるのである。
【0012】
〔9〕 項〔1〕記載の半導体薄膜形成に
おいて、反応室に導入する主体となるGe(H) ビームおよ
びSi(H) ビーム量の時間制御を行い、かつ、Si(H) 層、
続いて、Si1-x Gex (H) 層を、周期的にMBE 法により、
2周期以上の形成を繰り返す半導体薄膜の形成方法。 〔10〕 Si1-xGex (H) 層の光学ギャップ(Eg)の積層
方向の変化が、ほぼ2次関数となり、積層膜としては、
主として調和型の周期ポテンシャルとなる項
おいて、反応室に導入する主体となるGe(H) ビームおよ
びSi(H) ビーム量の時間制御を行い、かつ、Si(H) 層、
続いて、Si1-x Gex (H) 層を、周期的にMBE 法により、
2周期以上の形成を繰り返す半導体薄膜の形成方法。 〔10〕 Si1-xGex (H) 層の光学ギャップ(Eg)の積層
方向の変化が、ほぼ2次関数となり、積層膜としては、
主として調和型の周期ポテンシャルとなる項
〔9〕記載
の半導体薄膜の形成方法。
の半導体薄膜の形成方法。
【0013】〔11〕 Si1-xGex (H) 膜の光学ギャッ
プ(Eg)が、層内の組成x のピーク値の両側で、積層方向
にほぼ直線的に変化し、積層膜としては、主として三角
型の周期ポテンシャルなる項
プ(Eg)が、層内の組成x のピーク値の両側で、積層方向
にほぼ直線的に変化し、積層膜としては、主として三角
型の周期ポテンシャルなる項
〔9〕記載の半導体薄膜の
形成方法。
形成方法。
【0014】
【発明の実施の形態】まず、添付図面について説明する
に、〔図1〕は(Si(H)/Si1-x Ge x (H))n 多層膜の伝導
帯および荷電子帯のポテンシャルプロファイルを示す図
であって、(a) は、Si1-x Ge x (H)が主として2次関数
型である場合を示し、(b) はSi1-x Ge x (H)が主として
三角型である場合を示す。〔図2〕はa-Si1-x Gex :H(x
=0〜1)におけるGeH4流量と光学ギャップの関係を示し、
〔図3〕は、a-Si1-x Gex :H(x=0〜1)における膜中のGe
組成比xと光学ギャップEgの関係を示し、〔図4〕は、
(Si(H)/Si1-x Ge x (H))n 多層膜の光学ギャップと光感
度の関係を示す。また、〔図5〕は、本発明で規定する
(a-Si:H/a-Si 1-x Ge x :H(x=0 〜0.8))n多層膜を、非晶
質太陽電池の光活性層に適用した場合のセル構成の模式
図を示す。
に、〔図1〕は(Si(H)/Si1-x Ge x (H))n 多層膜の伝導
帯および荷電子帯のポテンシャルプロファイルを示す図
であって、(a) は、Si1-x Ge x (H)が主として2次関数
型である場合を示し、(b) はSi1-x Ge x (H)が主として
三角型である場合を示す。〔図2〕はa-Si1-x Gex :H(x
=0〜1)におけるGeH4流量と光学ギャップの関係を示し、
〔図3〕は、a-Si1-x Gex :H(x=0〜1)における膜中のGe
組成比xと光学ギャップEgの関係を示し、〔図4〕は、
(Si(H)/Si1-x Ge x (H))n 多層膜の光学ギャップと光感
度の関係を示す。また、〔図5〕は、本発明で規定する
(a-Si:H/a-Si 1-x Ge x :H(x=0 〜0.8))n多層膜を、非晶
質太陽電池の光活性層に適用した場合のセル構成の模式
図を示す。
【0015】本発明において、光活性層に用いる水素化
シリコン薄膜(Si(H)) と水素化シリコンゲルマニウム薄
膜(Si1-x Ge x (H) 層(0<x<1))を交互に積層した薄膜、
すなわち、水素化シリコン薄膜/水素化シリコンゲルマ
ニウム薄膜多層膜( 以下(Si(H)/Si1-x Ge x (H))n と表
現する) は、非晶質薄膜の場合は、基本的に、容量結合
型プラズマCVD装置の反応室内に、シランおよびゲル
マンを導入し、流量の時間制御を行い、かつ、Si(H)
層、続いて、Si1-x Gex (H) 層を1周期、グロー放電に
より、基板上に連続で形成した後、放電を停止し、さら
に、モノシランに対するゲルマンガスの組成比 (γ) が
1%以下に減じられた後に、再放電を行って、2周期以上
の形成を繰り返し行うことにより形成される。この場
合、ガス流量比は、対応するSi1-x Gex (H) 層の光学ギ
ャップ(Eg)の設計プロファイル値が形成されるように変
化させる。
シリコン薄膜(Si(H)) と水素化シリコンゲルマニウム薄
膜(Si1-x Ge x (H) 層(0<x<1))を交互に積層した薄膜、
すなわち、水素化シリコン薄膜/水素化シリコンゲルマ
ニウム薄膜多層膜( 以下(Si(H)/Si1-x Ge x (H))n と表
現する) は、非晶質薄膜の場合は、基本的に、容量結合
型プラズマCVD装置の反応室内に、シランおよびゲル
マンを導入し、流量の時間制御を行い、かつ、Si(H)
層、続いて、Si1-x Gex (H) 層を1周期、グロー放電に
より、基板上に連続で形成した後、放電を停止し、さら
に、モノシランに対するゲルマンガスの組成比 (γ) が
1%以下に減じられた後に、再放電を行って、2周期以上
の形成を繰り返し行うことにより形成される。この場
合、ガス流量比は、対応するSi1-x Gex (H) 層の光学ギ
ャップ(Eg)の設計プロファイル値が形成されるように変
化させる。
【0016】本発明においては、Si1-x Gex (H) 層内の
光学ギャップの変化は、組成x のピーク値がSi1-x Gex
(H) 層の半ば近くに位置するようなポテンシャル変化を
有するものとするのである。この変化の代表例として、
特に調和型( 2次関数型 )ポテンシャルまたは三角型ポ
テンシャルを選択することが好ましい。これはビリアル
定理により、量子井戸のポテンシャルが2次の調和型で
ある場合において、キャリアの運動エネルギーの期待値
(<P2>:規格化後) とポテンシャルエネルギーの期待値(<
V>) が等しくなるとされ、また、量子井戸のポテンシャ
ルが1次である場合にはキャリアの運動エネルギーの期
待値(<P2>:規格化後) は、ポテンシャルエネルギーの期
待値(<V>) の2 倍となるとされ、キャリアの運動にとっ
て、次数の低いポテンシャルプロファイルが有利である
と推定されるからである。
光学ギャップの変化は、組成x のピーク値がSi1-x Gex
(H) 層の半ば近くに位置するようなポテンシャル変化を
有するものとするのである。この変化の代表例として、
特に調和型( 2次関数型 )ポテンシャルまたは三角型ポ
テンシャルを選択することが好ましい。これはビリアル
定理により、量子井戸のポテンシャルが2次の調和型で
ある場合において、キャリアの運動エネルギーの期待値
(<P2>:規格化後) とポテンシャルエネルギーの期待値(<
V>) が等しくなるとされ、また、量子井戸のポテンシャ
ルが1次である場合にはキャリアの運動エネルギーの期
待値(<P2>:規格化後) は、ポテンシャルエネルギーの期
待値(<V>) の2 倍となるとされ、キャリアの運動にとっ
て、次数の低いポテンシャルプロファイルが有利である
と推定されるからである。
【0017】本発明においては、上記のごとき薄膜形成
に際し、薄膜形成性の主体のガスに対して、微量のドー
ピングガスもしくは主体に対して10% 以下の量の希釈ガ
スを用いる場合もある。Si(H) 層の厚みとしては、0.4
〜2nm と比較的薄い膜厚を用いることが好ましい。これ
より薄すぎるもの、これを越える厚すぎるものはあまり
好ましくない。またSi1-x Gex (H) 層の厚みとしては、
1〜2nm 程度の膜厚を用い、光学ギャップ1.3 〜1.6eV
のSi1-x Gex (H) 層を形成することが好ましい。同じ
く、これより薄すぎるもの、これを越える厚すぎるもの
はあまり好ましくない。以上のごとくして得られた膜は
結晶太陽電池または非晶質太陽電池の光活性層に好適に
適用することができる。
に際し、薄膜形成性の主体のガスに対して、微量のドー
ピングガスもしくは主体に対して10% 以下の量の希釈ガ
スを用いる場合もある。Si(H) 層の厚みとしては、0.4
〜2nm と比較的薄い膜厚を用いることが好ましい。これ
より薄すぎるもの、これを越える厚すぎるものはあまり
好ましくない。またSi1-x Gex (H) 層の厚みとしては、
1〜2nm 程度の膜厚を用い、光学ギャップ1.3 〜1.6eV
のSi1-x Gex (H) 層を形成することが好ましい。同じ
く、これより薄すぎるもの、これを越える厚すぎるもの
はあまり好ましくない。以上のごとくして得られた膜は
結晶太陽電池または非晶質太陽電池の光活性層に好適に
適用することができる。
【0018】本発明における、光活性層に用いる水素化
非晶質シリコンゲルマニウム薄膜(a-SiGe:H 薄膜) の形
成は、容量結合型プラズマCVD装置の反応室内に、シ
ランおよびゲルマンを導入し、流量の時間制御を行い、
かつ、Si(H) 層、続いて、Si 1-x Gex (H) 層を1周期、
グロー放電により、基板上に連続で形成した後、放電を
停止し、さらに、モノシランに対するゲルマンガスの組
成比が1%以下に減じられた後に、再放電を行って、2周
期以上の形成を繰り返し行う。ゲルマンガスの組成比が
1%以下に減じられれば、所望のSi(H) 層が形成できるの
であり、実質的にゲルマンの含有量が0%になるまで待
つ必要はないのである。この場合、ガス流量比は、対応
するSi1-x Gex (H) 層の光学ギャップ(Eg)の設計値( プ
ロファイル )が基板上に形成されるようプログラムす
る。この方法を実現する方法としては、すでに述べたよ
うに、反応室内のゲルマンおよびシランのグロー放電に
起因する発光スペクトル測定を行うことにより、反応室
内のガス組成をモニターを行って検証する。例えば、モ
ノシランとモノゲルマンを導入してグロー放電を発生さ
せた場合、モノゲルマンに起因する波長305nm 付近の発
光および、モノシランに起因する波長410nm 付近の発光
ピークの比、I(305)/I(410) を測定することで、反応室
内のモノシランとモノゲルマンのガス組成比を知ること
ができる。
非晶質シリコンゲルマニウム薄膜(a-SiGe:H 薄膜) の形
成は、容量結合型プラズマCVD装置の反応室内に、シ
ランおよびゲルマンを導入し、流量の時間制御を行い、
かつ、Si(H) 層、続いて、Si 1-x Gex (H) 層を1周期、
グロー放電により、基板上に連続で形成した後、放電を
停止し、さらに、モノシランに対するゲルマンガスの組
成比が1%以下に減じられた後に、再放電を行って、2周
期以上の形成を繰り返し行う。ゲルマンガスの組成比が
1%以下に減じられれば、所望のSi(H) 層が形成できるの
であり、実質的にゲルマンの含有量が0%になるまで待
つ必要はないのである。この場合、ガス流量比は、対応
するSi1-x Gex (H) 層の光学ギャップ(Eg)の設計値( プ
ロファイル )が基板上に形成されるようプログラムす
る。この方法を実現する方法としては、すでに述べたよ
うに、反応室内のゲルマンおよびシランのグロー放電に
起因する発光スペクトル測定を行うことにより、反応室
内のガス組成をモニターを行って検証する。例えば、モ
ノシランとモノゲルマンを導入してグロー放電を発生さ
せた場合、モノゲルマンに起因する波長305nm 付近の発
光および、モノシランに起因する波長410nm 付近の発光
ピークの比、I(305)/I(410) を測定することで、反応室
内のモノシランとモノゲルマンのガス組成比を知ること
ができる。
【0019】この場合、予め、定常状態におけるI(305)
/I(410) と、Si1-x Gex (H) 層の組成x の関係式および
〔図3〕に示すような、組成x と光学ギャップ(Eg)の関
係式を求めておくことで、目的の光学ギャッププロファ
イルを推定でき、さらにポテンシャルプロファイルに変
換して、目的のポテンシャルプロファイルが実現するよ
うな、ガス流量、排気コンダクタンスの時間変化プログ
ラムを作成できる。ここで、光学ギャップから、ポテン
シャルに換算する方法として、予め、組成x の異なるSi
1-x Gex (H) 薄膜の荷電子帯(Ev)を光電子分光法(UPS、
XPS)により求め、荷電子帯のポテンシャル差を推定し、
さらに光学ギャップを考慮して伝導帯(Ec)のポテンシャ
ル差を推定することで求められる。Si1-x Ge x (H) 層
内のポテンシャルの変化は、組成x のピーク値がSi1-x
Ge x (H) 層の半ば近くに位置するようなポテンシャル変
化を有するものとする。この変化の代表例として、特に
調和型ポテンシャルまたは三角型ポテンシャルを選択す
ることが好ましい。
/I(410) と、Si1-x Gex (H) 層の組成x の関係式および
〔図3〕に示すような、組成x と光学ギャップ(Eg)の関
係式を求めておくことで、目的の光学ギャッププロファ
イルを推定でき、さらにポテンシャルプロファイルに変
換して、目的のポテンシャルプロファイルが実現するよ
うな、ガス流量、排気コンダクタンスの時間変化プログ
ラムを作成できる。ここで、光学ギャップから、ポテン
シャルに換算する方法として、予め、組成x の異なるSi
1-x Gex (H) 薄膜の荷電子帯(Ev)を光電子分光法(UPS、
XPS)により求め、荷電子帯のポテンシャル差を推定し、
さらに光学ギャップを考慮して伝導帯(Ec)のポテンシャ
ル差を推定することで求められる。Si1-x Ge x (H) 層
内のポテンシャルの変化は、組成x のピーク値がSi1-x
Ge x (H) 層の半ば近くに位置するようなポテンシャル変
化を有するものとする。この変化の代表例として、特に
調和型ポテンシャルまたは三角型ポテンシャルを選択す
ることが好ましい。
【0020】本発明においては、主体のガス( シランお
よび/またはゲルマン )に対して、微量のドーピングガ
スや、主体のガスに対して10% 以下の量の希釈ガスが用
いられるが、ドーピングガスとしては、B2H6やBF3 とい
ったp 型のドーパントとなりうる原子を有するガスが望
ましい。しかしながら、 n型のドーパントとなりうる原
子を有する、PH3 やPF3 といったガスを用いることもで
きる。また、希釈ガスとしては、H2やHeが好ましいが、
他の公知の不活性ガスを用いることもできることは云う
までもない。
よび/またはゲルマン )に対して、微量のドーピングガ
スや、主体のガスに対して10% 以下の量の希釈ガスが用
いられるが、ドーピングガスとしては、B2H6やBF3 とい
ったp 型のドーパントとなりうる原子を有するガスが望
ましい。しかしながら、 n型のドーパントとなりうる原
子を有する、PH3 やPF3 といったガスを用いることもで
きる。また、希釈ガスとしては、H2やHeが好ましいが、
他の公知の不活性ガスを用いることもできることは云う
までもない。
【0021】ゲルマンガスとしては、下記式 Ge n H2n+2(n は自然数) で表される、モノゲルマン、ジゲルマン、などの化合物
が用いられる。シランガスとしては、下記式 Si n H2n+2(n は自然数) で表される、モノシラン、ジシラン、トリシランなどの
化合物が用いられる。
が用いられる。シランガスとしては、下記式 Si n H2n+2(n は自然数) で表される、モノシラン、ジシラン、トリシランなどの
化合物が用いられる。
【0022】本発明において、形成されるSi(H) 層の厚
みとしては、すでに述べたように、0.4 〜2nm 程度の薄
い膜厚が用いられる。またSi1-x Gex (H) 層の厚みとし
ては、1 〜2nm 程度の薄い膜厚を用い、 (Si(H)/Si1-x
Ge x (H))n多層膜を基本とする、光学ギャップ1.3 〜1.
6eV のa-SiGe:H薄膜を形成する。これらの薄膜は、結晶
または非晶質であり、これらの膜を、結晶太陽電池また
は非晶質太陽電池の光活性層に適用する。なお、非晶質
膜の形成方法は上記のごとくプラズマCVD 法によるのが
好ましいが、結晶質膜の形成方法は、同様にして、熱CV
D 法やMBE 法により行うことができるのである。
みとしては、すでに述べたように、0.4 〜2nm 程度の薄
い膜厚が用いられる。またSi1-x Gex (H) 層の厚みとし
ては、1 〜2nm 程度の薄い膜厚を用い、 (Si(H)/Si1-x
Ge x (H))n多層膜を基本とする、光学ギャップ1.3 〜1.
6eV のa-SiGe:H薄膜を形成する。これらの薄膜は、結晶
または非晶質であり、これらの膜を、結晶太陽電池また
は非晶質太陽電池の光活性層に適用する。なお、非晶質
膜の形成方法は上記のごとくプラズマCVD 法によるのが
好ましいが、結晶質膜の形成方法は、同様にして、熱CV
D 法やMBE 法により行うことができるのである。
【0023】プラズマCVD 法に用いられる高周波電源と
しては、主として、工業的には13.56MHz、100MHz、2.45
GHz の周波数が使用されるが、適宜、成膜目的に合わ
せ、周波数選択が行われる。原料ガスは、シーケンサー
により制御された、マスフローコントローラを介して反
応室に供給され、所定の圧力に制御されたあと、RF電極
に高周波電力を印加して、その間、ガス流量制御をプロ
グラムに沿って行わしめ、所定時間放電を行い、薄膜を
基板に堆積する。薄膜の組成x が設計どおりであるかど
うかは、超高分解能透過電子顕微鏡を用いて、積層方向
のSiとGeのコントラストから、組成x の変化の観察を行
うことが可能である。
しては、主として、工業的には13.56MHz、100MHz、2.45
GHz の周波数が使用されるが、適宜、成膜目的に合わ
せ、周波数選択が行われる。原料ガスは、シーケンサー
により制御された、マスフローコントローラを介して反
応室に供給され、所定の圧力に制御されたあと、RF電極
に高周波電力を印加して、その間、ガス流量制御をプロ
グラムに沿って行わしめ、所定時間放電を行い、薄膜を
基板に堆積する。薄膜の組成x が設計どおりであるかど
うかは、超高分解能透過電子顕微鏡を用いて、積層方向
のSiとGeのコントラストから、組成x の変化の観察を行
うことが可能である。
【0024】本発明の半導体薄膜をプラズマCVD 法で形
成する場合には、(Si(H)/Si1-x Ge x (H))n の形成温度
は、100 〜250 ℃、好ましくは 120〜 220℃、形成圧力
は、0.01〜1Torr、好ましくは0.05〜 0.15Torr で行わ
れる。印加されるRF電力密度は、Si(H) 層形成の場合、
1mW/cm2 〜 1W/cm2 、好ましくは 2mW/cm2〜 30mW/c
m 2 、また、Si1-x Ge x(H) 層形成の場合、1mW/cm2 〜
1W/cm2 、好ましくは 2mW/cm2〜 15mW/cm2 なるRF電力
密度で堆積を行う。この時のSi(H) 層の堆積速度として
は、0.1 〜1A /s 、好ましくは、0.2 〜0.6 Å/sで行
う。また、Si1-x Gex(H) 層の堆積速度としては、0.5
Å/s以下、好ましくは、0.1 〜0.4 Å/sで行うのであ
る。
成する場合には、(Si(H)/Si1-x Ge x (H))n の形成温度
は、100 〜250 ℃、好ましくは 120〜 220℃、形成圧力
は、0.01〜1Torr、好ましくは0.05〜 0.15Torr で行わ
れる。印加されるRF電力密度は、Si(H) 層形成の場合、
1mW/cm2 〜 1W/cm2 、好ましくは 2mW/cm2〜 30mW/c
m 2 、また、Si1-x Ge x(H) 層形成の場合、1mW/cm2 〜
1W/cm2 、好ましくは 2mW/cm2〜 15mW/cm2 なるRF電力
密度で堆積を行う。この時のSi(H) 層の堆積速度として
は、0.1 〜1A /s 、好ましくは、0.2 〜0.6 Å/sで行
う。また、Si1-x Gex(H) 層の堆積速度としては、0.5
Å/s以下、好ましくは、0.1 〜0.4 Å/sで行うのであ
る。
【0025】Si1-x Gex (H) 層の形成に用いられるガス
の混合割合としては、SiH4:GeH4:B2H6:H2=10:(0 〜20):
(0〜0.0001):(0〜1)の範囲のものが好ましい。一回に形
成するSi(H) 層の膜厚は、すでに述べたように、0.4nm
〜2nm 以下で形成を行うが、より好ましくは、0.4nm 以
上、1.0nm 以下である。また、Si1-x Gex (H) 層の膜厚
は、1〜2nm で形成を行う。
の混合割合としては、SiH4:GeH4:B2H6:H2=10:(0 〜20):
(0〜0.0001):(0〜1)の範囲のものが好ましい。一回に形
成するSi(H) 層の膜厚は、すでに述べたように、0.4nm
〜2nm 以下で形成を行うが、より好ましくは、0.4nm 以
上、1.0nm 以下である。また、Si1-x Gex (H) 層の膜厚
は、1〜2nm で形成を行う。
【0026】なお、(Si(H)/Si1-x Ge x (H))n 積層薄膜
の平均的光学ギャップは、クローニッヒ・ペニーの量子
モデル( 固体物理学入門;Kittel、第6版) を使って計
算される、伝導帯(Ec)、価電子帯(Ev)における第1量子
ミニバンドのボトム間のエネルギー差で求められる。こ
の場合、 Si(H)層および、Si1-x Gex (H) 層の有効質量
は、真空ガス排気、放電断続法で形成することにより、
(Si(H)/Si1-x Ge x (H))n のSi1-x Ge x (H)層内の組成
x を一定にした薄膜多層膜の光学ギャップの実測値と、
第1量子ミニバンドのボトム間のエネルギー差から求め
られた光学ギャップの比較から求まる値を使用する。
の平均的光学ギャップは、クローニッヒ・ペニーの量子
モデル( 固体物理学入門;Kittel、第6版) を使って計
算される、伝導帯(Ec)、価電子帯(Ev)における第1量子
ミニバンドのボトム間のエネルギー差で求められる。こ
の場合、 Si(H)層および、Si1-x Gex (H) 層の有効質量
は、真空ガス排気、放電断続法で形成することにより、
(Si(H)/Si1-x Ge x (H))n のSi1-x Ge x (H)層内の組成
x を一定にした薄膜多層膜の光学ギャップの実測値と、
第1量子ミニバンドのボトム間のエネルギー差から求め
られた光学ギャップの比較から求まる値を使用する。
【0027】本発明の多層薄膜は、Si1-x Gex (H) 層の
光学ギャップ(Eg)の積層方向の変化が、主として2次関
数となり、積層膜としては、主として調和型の周期ポテ
ンシャルを有するようなものであるか、または、Si1-x
Ge x (H)膜の光学ギャップ(Eg)が、層内の組成x のピー
ク値の両側で、積層方向に直線的に変化し、積層膜とし
ては、主として三角型の周期ポテンシャルを有するよう
な半導体薄膜であることが好ましい。これに対し、一般
的な凹凸型( 矩形型 )ポテンシャルを有する積層膜で
は、ポテンシャルプロファイルをフーリエ変換したとき
の次数が高次のものとなるので好ましくないのである。
また、サインカーブやコサインカーブのごとき三角関数
型のプロファイルでは、高次の項を含むとともに、Si
(H) 層のごときシリコン層の部分が、極めて薄くなり、
ゲルマニウム層を含む層が実質的に連続してしまうの
で、これまた、好ましくないのである。
光学ギャップ(Eg)の積層方向の変化が、主として2次関
数となり、積層膜としては、主として調和型の周期ポテ
ンシャルを有するようなものであるか、または、Si1-x
Ge x (H)膜の光学ギャップ(Eg)が、層内の組成x のピー
ク値の両側で、積層方向に直線的に変化し、積層膜とし
ては、主として三角型の周期ポテンシャルを有するよう
な半導体薄膜であることが好ましい。これに対し、一般
的な凹凸型( 矩形型 )ポテンシャルを有する積層膜で
は、ポテンシャルプロファイルをフーリエ変換したとき
の次数が高次のものとなるので好ましくないのである。
また、サインカーブやコサインカーブのごとき三角関数
型のプロファイルでは、高次の項を含むとともに、Si
(H) 層のごときシリコン層の部分が、極めて薄くなり、
ゲルマニウム層を含む層が実質的に連続してしまうの
で、これまた、好ましくないのである。
【0028】(Si(H)/Si1-x Ge x (H))n の平均的な光学
ギャップとしては、Eg=1.2〜1.7eV程度のものが得られ
るが、これを、太陽電池の光活性層に適用する場合に
は、Eg=1.4〜1.6eV 程度のものが好ましい。以下、〔図
5〕に示した、(a-Si:H/a-Si1-x Ge x :H(x=0 〜0.8))n
多層膜を非晶質太陽電池の光活性層に適用する場合のセ
ル構成の模式図を参照しながら、説明する。
ギャップとしては、Eg=1.2〜1.7eV程度のものが得られ
るが、これを、太陽電池の光活性層に適用する場合に
は、Eg=1.4〜1.6eV 程度のものが好ましい。以下、〔図
5〕に示した、(a-Si:H/a-Si1-x Ge x :H(x=0 〜0.8))n
多層膜を非晶質太陽電池の光活性層に適用する場合のセ
ル構成の模式図を参照しながら、説明する。
【0029】非晶質太陽電池の光活性層に、本発明の(S
i(H)/Si1-x Ge x (H))n 多層膜を適用する場合は、基板
上に p型もしくは n型の半導体薄膜を1 〜100nm 形成
し、その上に p型もしくは n型のドーパントを1015〜10
18cm-3、含有する弱ドープa-Si:H薄膜またはa-SiC:H 薄
膜を5 〜30nm形成し、さらに、光学ギャップ約1.70〜1.
86eVの真性a-Si:H薄膜を5 〜30nm形成したのち、Ge組成
y が徐々に変化するa-Si y Gey :H薄膜( バッファー層ま
たは界面層 )を10〜30nm形成し、本発明のa-Si:H/a-Si
1-xGex :H)n薄膜多層膜を膜厚10〜500nm 形成する。そ
して、さらに組成yが徐々に変化するa-Si1-y Gey :H薄
膜( バッファー層または界面層 )を10〜30nm形成したの
ちに、光学ギャップ約1.70〜1.86eVの真性a-Si:H薄膜を
5 〜30nm形成し、さらに n型もしくは p型のドーパント
を1015〜1018cm-3、含有する弱ドープa-Si:H薄膜または
a-SiC:H 薄膜を5 〜30nm形成し、引続き n型もしくは p
型の半導体薄膜、電極を形成して、非晶質太陽電池を形
成するのである。
i(H)/Si1-x Ge x (H))n 多層膜を適用する場合は、基板
上に p型もしくは n型の半導体薄膜を1 〜100nm 形成
し、その上に p型もしくは n型のドーパントを1015〜10
18cm-3、含有する弱ドープa-Si:H薄膜またはa-SiC:H 薄
膜を5 〜30nm形成し、さらに、光学ギャップ約1.70〜1.
86eVの真性a-Si:H薄膜を5 〜30nm形成したのち、Ge組成
y が徐々に変化するa-Si y Gey :H薄膜( バッファー層ま
たは界面層 )を10〜30nm形成し、本発明のa-Si:H/a-Si
1-xGex :H)n薄膜多層膜を膜厚10〜500nm 形成する。そ
して、さらに組成yが徐々に変化するa-Si1-y Gey :H薄
膜( バッファー層または界面層 )を10〜30nm形成したの
ちに、光学ギャップ約1.70〜1.86eVの真性a-Si:H薄膜を
5 〜30nm形成し、さらに n型もしくは p型のドーパント
を1015〜1018cm-3、含有する弱ドープa-Si:H薄膜または
a-SiC:H 薄膜を5 〜30nm形成し、引続き n型もしくは p
型の半導体薄膜、電極を形成して、非晶質太陽電池を形
成するのである。
【0030】なお、結晶太陽電池も同様にして、熱CVD
法やMBE 法により形成できる。例えば、MBE 法において
は、ガスの代わりに Kセルや電子ビーム加熱るつぼに入
れられた、SiやGeを用いて、それぞれの蒸発速度を水晶
振動子膜厚計で、モニターしながら、設定された組成x
を有する(Si(H)/Si1-x Ge x (H))n 多層膜の形成を行う
のである。
法やMBE 法により形成できる。例えば、MBE 法において
は、ガスの代わりに Kセルや電子ビーム加熱るつぼに入
れられた、SiやGeを用いて、それぞれの蒸発速度を水晶
振動子膜厚計で、モニターしながら、設定された組成x
を有する(Si(H)/Si1-x Ge x (H))n 多層膜の形成を行う
のである。
【0031】本発明において、薄膜形成用基板について
は、特に限定される条件はない。薄膜形成用基板として
は、ITO、SnO2 、ZnOからなる透明導電膜付き
青板ガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス等、従来用
いられている透明導電膜付きガラス基板材料が有用であ
るが、さらに、金属や導電性を有するプラスチックスも
薄膜形成基板材料として用いることができる。以下、実
施例により本発明の実施の態様の一例を説明する。
は、特に限定される条件はない。薄膜形成用基板として
は、ITO、SnO2 、ZnOからなる透明導電膜付き
青板ガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス等、従来用
いられている透明導電膜付きガラス基板材料が有用であ
るが、さらに、金属や導電性を有するプラスチックスも
薄膜形成基板材料として用いることができる。以下、実
施例により本発明の実施の態様の一例を説明する。
【0032】
(実施例1)反応室の容量が、約20l である、プラズマ
CVD装置を用いて、(Si(H)/Si1-xGe x (H))n 多層膜
を石英基板上に形成した。RF電源の周波数は、13.56 M
Hzを使用した。a-Si:H層、およびa-Si1-x Ge x:H層の
原料ガスとして、モノシラン、モノゲルマンおよび、水
素希釈1ppm濃度のジボランを用いて成膜を行い、これら
の原料ガスを、シーケンサーで制御した、マスフローコ
ントローラおよびバルブを介して反応室に供給した。な
お、a-Si1-x Ge x:H層形成時のモノゲルマン、水素希釈
ジボラン(1ppm)の混合比はGeH4:(B2H6(1ppm)/H2)=5:1と
して行った。
CVD装置を用いて、(Si(H)/Si1-xGe x (H))n 多層膜
を石英基板上に形成した。RF電源の周波数は、13.56 M
Hzを使用した。a-Si:H層、およびa-Si1-x Ge x:H層の
原料ガスとして、モノシラン、モノゲルマンおよび、水
素希釈1ppm濃度のジボランを用いて成膜を行い、これら
の原料ガスを、シーケンサーで制御した、マスフローコ
ントローラおよびバルブを介して反応室に供給した。な
お、a-Si1-x Ge x:H層形成時のモノゲルマン、水素希釈
ジボラン(1ppm)の混合比はGeH4:(B2H6(1ppm)/H2)=5:1と
して行った。
【0033】すなわち、これら原料ガスは所定の圧力に
制御されたあと、RF電極に高周波電力を印加して、モノ
シランおよびモノゲルマンはそれぞれ予め求めた設定に
従って流量制御しながら、所定時間放電を行い、 a-Si:
H/a-Si1-x Ge x:H(0<x<0.8)層を形成し、RF放電を停止
した。さらに、反応室内を2 ×10-6Torrまで真空排気し
た。この工程を繰り返し、(a-Si:H/a-Si1-x Ge x :H(x=
0 〜0.8))n多層膜を形成した。a-Si:H層、a-Si1-x Ge x
:H(0<x<0.8)層の設定厚みとしては、それぞれ0.5nm 、
1.0nm とし、n=120 とした。合計の膜厚は185nm となる
まで行った。すなわち、(a-Si:H/a-Si1-x Ge x :H(0<x<
0.8))n多層膜の形成温度は、160 ℃で行った。モノシラ
ン流量はa-Si:H層形成においては、10sccm、a-Si1-x Ge
x :H(0<x<0.8)層形成時には 5〜20sccmとし、また、モ
ノゲルマン流量はa-Si:H層形成においては、0sccm 、a-
Si1-x Ge x :H(0<x<0.8)層形成時には 0〜10sccmの間で
変化させた。a-Si1-x Gex :H (0<x<0.8)層のポテンシャ
ルプロファイルは、膜厚の半ばにおいて最も低くなり、
さらに、2 次関数となるようにモノゲルマン流量を制御
した。流量の制御量は予め、反応室のガス組成シミュレ
ーションにより流量を決定し、さらに発光スペクトル分
析を行って流量プログラムの微調整を行った。ここで、
モノゲルマン流量と光学ギャップの関係は、実験的に定
めた〔図2〕に示す関係を用いた。
制御されたあと、RF電極に高周波電力を印加して、モノ
シランおよびモノゲルマンはそれぞれ予め求めた設定に
従って流量制御しながら、所定時間放電を行い、 a-Si:
H/a-Si1-x Ge x:H(0<x<0.8)層を形成し、RF放電を停止
した。さらに、反応室内を2 ×10-6Torrまで真空排気し
た。この工程を繰り返し、(a-Si:H/a-Si1-x Ge x :H(x=
0 〜0.8))n多層膜を形成した。a-Si:H層、a-Si1-x Ge x
:H(0<x<0.8)層の設定厚みとしては、それぞれ0.5nm 、
1.0nm とし、n=120 とした。合計の膜厚は185nm となる
まで行った。すなわち、(a-Si:H/a-Si1-x Ge x :H(0<x<
0.8))n多層膜の形成温度は、160 ℃で行った。モノシラ
ン流量はa-Si:H層形成においては、10sccm、a-Si1-x Ge
x :H(0<x<0.8)層形成時には 5〜20sccmとし、また、モ
ノゲルマン流量はa-Si:H層形成においては、0sccm 、a-
Si1-x Ge x :H(0<x<0.8)層形成時には 0〜10sccmの間で
変化させた。a-Si1-x Gex :H (0<x<0.8)層のポテンシャ
ルプロファイルは、膜厚の半ばにおいて最も低くなり、
さらに、2 次関数となるようにモノゲルマン流量を制御
した。流量の制御量は予め、反応室のガス組成シミュレ
ーションにより流量を決定し、さらに発光スペクトル分
析を行って流量プログラムの微調整を行った。ここで、
モノゲルマン流量と光学ギャップの関係は、実験的に定
めた〔図2〕に示す関係を用いた。
【0034】光学ギャップから伝導帯、荷電子帯のポテ
ンシャルプロファイルには、a-Si:H薄膜(Eg=1.77eV) と
a-Ge:H薄膜(Eg=1.0eV)の伝導帯差が0.62eV、価電子帯差
が0.15eVとして、a-Si1-x Ge x (H)のポテンシャルは、
a-Ge:H薄膜との光学ギャップ差を伝導帯と荷電子帯で、
a-Si:H薄膜とa-Ge:H薄膜における比(0.62:0.15) に配分
して変化させた。なお、形成圧力は、最初のa-Si:H層に
おいては50mTorr 、その後のa-Si1-x Gex :H (0<x<0.8)
の成膜においては、圧力は50m 〜100mTorrに変化させ
た。排気コンダクタンス制御バルブは一定として行っ
た。RF電力密度は、6mW/cm2 で行った。RF電極の大きさ
はφ10cmである。この時の(a-Si:H/a-Si1-xGe x :H(0<x
<0.8))n多層膜の平均の堆積速度は0.2A/sであった。得
られた、(a-Si:H/a-Si1-x Ge x :H(0<x<0.8))n多層膜の
光感度(光導電率と暗導電率の比: σp/σd 、σp 測定
光:AM1.5、100mW/cm2)) および光学ギャップを、〔図
4〕に示す。これより、Eg=1.47eV において光感度が
1.8×105 いうこれまでに報告された値(Eg=1.47eV、光
感度 1.5×105; 1994 年秋、応用物理学会学術講演会(2
2a-ZH-1,広島大学) よりも、高い値が得られることが確
認された。
ンシャルプロファイルには、a-Si:H薄膜(Eg=1.77eV) と
a-Ge:H薄膜(Eg=1.0eV)の伝導帯差が0.62eV、価電子帯差
が0.15eVとして、a-Si1-x Ge x (H)のポテンシャルは、
a-Ge:H薄膜との光学ギャップ差を伝導帯と荷電子帯で、
a-Si:H薄膜とa-Ge:H薄膜における比(0.62:0.15) に配分
して変化させた。なお、形成圧力は、最初のa-Si:H層に
おいては50mTorr 、その後のa-Si1-x Gex :H (0<x<0.8)
の成膜においては、圧力は50m 〜100mTorrに変化させ
た。排気コンダクタンス制御バルブは一定として行っ
た。RF電力密度は、6mW/cm2 で行った。RF電極の大きさ
はφ10cmである。この時の(a-Si:H/a-Si1-xGe x :H(0<x
<0.8))n多層膜の平均の堆積速度は0.2A/sであった。得
られた、(a-Si:H/a-Si1-x Ge x :H(0<x<0.8))n多層膜の
光感度(光導電率と暗導電率の比: σp/σd 、σp 測定
光:AM1.5、100mW/cm2)) および光学ギャップを、〔図
4〕に示す。これより、Eg=1.47eV において光感度が
1.8×105 いうこれまでに報告された値(Eg=1.47eV、光
感度 1.5×105; 1994 年秋、応用物理学会学術講演会(2
2a-ZH-1,広島大学) よりも、高い値が得られることが確
認された。
【0035】(実施例2)実施例1に示される条件にお
いて形成した(a-SiGe:H/a-Ge:H)n多層膜を、単接合非晶
質太陽電池の光活性層に適用した。非晶質太陽電池の構
成としては、SnO2透明導電性ガラス基板/p+. a-SiC:H膜
(10nm)/ p -.a-SiC:H 膜(6nm)/a-Si:H膜(10nm)/Ge グレ
ーディッドa-Si1-y Gey :H膜(Eg=1.77→1.50eV、15nm)/
(a-Si:H/a-Si1-x Ge x :H)n 多層膜(Eg=1.47eV、150nm)
/Ge グレーディッドa-Si1-y Gey :H膜(Eg=1.50→1.77e
V、15nm)/a-Si:H膜(10nm)/n-.a-Si:H膜(4nm)/n +.a-Si:
H膜(10nm)/ITO(20nm)/Ag(200nm)とした。ここで、活性
層に用いた(a-Si:H/a-Si1-x Ge x :H(0<x<0.8))n多層膜
は〔図1(a)〕に示した、調和型周期ポテンシャルを有す
る薄膜を適用した。その結果、屋外暴露1年相当、初期
劣化後効率として、η=9.10%の単接合非晶質太陽電池が
得られることが確認された。
いて形成した(a-SiGe:H/a-Ge:H)n多層膜を、単接合非晶
質太陽電池の光活性層に適用した。非晶質太陽電池の構
成としては、SnO2透明導電性ガラス基板/p+. a-SiC:H膜
(10nm)/ p -.a-SiC:H 膜(6nm)/a-Si:H膜(10nm)/Ge グレ
ーディッドa-Si1-y Gey :H膜(Eg=1.77→1.50eV、15nm)/
(a-Si:H/a-Si1-x Ge x :H)n 多層膜(Eg=1.47eV、150nm)
/Ge グレーディッドa-Si1-y Gey :H膜(Eg=1.50→1.77e
V、15nm)/a-Si:H膜(10nm)/n-.a-Si:H膜(4nm)/n +.a-Si:
H膜(10nm)/ITO(20nm)/Ag(200nm)とした。ここで、活性
層に用いた(a-Si:H/a-Si1-x Ge x :H(0<x<0.8))n多層膜
は〔図1(a)〕に示した、調和型周期ポテンシャルを有す
る薄膜を適用した。その結果、屋外暴露1年相当、初期
劣化後効率として、η=9.10%の単接合非晶質太陽電池が
得られることが確認された。
【0036】(実施例3)実施例2において、(a-Si:H/
a-Si1-x Ge x :H(0<x<0.8))n多層膜のポテンシャル形状
として〔図1(b)〕に示される、三角型周期ポテンシャル
を有する薄膜を適用した。その結果、屋外暴露1年相
当、初期劣化後効率として、η=8.91%の単接合非晶質太
陽電池が得られることが確認された。〔表1〕に実施例
2および実施例3の、a-Si1-x Gex :Hを単接合非晶質太
陽電池の光活性層に適用したときのセル特性を示した。
a-Si1-x Ge x :H(0<x<0.8))n多層膜のポテンシャル形状
として〔図1(b)〕に示される、三角型周期ポテンシャル
を有する薄膜を適用した。その結果、屋外暴露1年相
当、初期劣化後効率として、η=8.91%の単接合非晶質太
陽電池が得られることが確認された。〔表1〕に実施例
2および実施例3の、a-Si1-x Gex :Hを単接合非晶質太
陽電池の光活性層に適用したときのセル特性を示した。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明は、実施例から明らかなごとく、
(a-Si:H/a-Si1-x Ge x :H(0<x<0.8))n多層膜構造におい
て、薄いa-Si:H層、調和型、三角型周期ポテンシャルを
有するa-Si1-x Ge x :H(0<x<0.8)を用いることで、(Si
(H)/Si1-x Ge x (H))n 多層膜において光感度の改善を
はかることができ、また、(a-Si:H/a-Si1-x Ge x :H(0<
x<0.8))n多層膜を、単接合非晶質太陽電池の光活性層に
適用することで、屋外暴露1年相当の初期劣化後効率と
して、η=9.10%と、太陽光発電の実用化にとって重要な
技術が開発できたものと自負している。
(a-Si:H/a-Si1-x Ge x :H(0<x<0.8))n多層膜構造におい
て、薄いa-Si:H層、調和型、三角型周期ポテンシャルを
有するa-Si1-x Ge x :H(0<x<0.8)を用いることで、(Si
(H)/Si1-x Ge x (H))n 多層膜において光感度の改善を
はかることができ、また、(a-Si:H/a-Si1-x Ge x :H(0<
x<0.8))n多層膜を、単接合非晶質太陽電池の光活性層に
適用することで、屋外暴露1年相当の初期劣化後効率と
して、η=9.10%と、太陽光発電の実用化にとって重要な
技術が開発できたものと自負している。
【図1】(Si(H)/Si1-x Ge x (H))n 多層膜の伝導帯およ
び荷電子帯のポテンシャルプロファイルを示す図
び荷電子帯のポテンシャルプロファイルを示す図
【図2】a-Si1-x Gex :H(x=0〜1)におけるGeH4流量と光
学ギャップの関係を示す図
学ギャップの関係を示す図
【図3】a-Si1-x Gex :H(x=0〜1)における膜中Ge組成比
xと光学ギャップの関係を示す図
xと光学ギャップの関係を示す図
【図4】(Si(H)/Si1-x Ge x (H))n 多層膜の光学ギャッ
プと光感度の関係を示す図
プと光感度の関係を示す図
【図5】(a-Si:H/a-Si1-x Ge x :H(x=0 〜0.8))n多層膜
を非晶質太陽電池の光活性層に適用した場合のセル構成
の模式図
を非晶質太陽電池の光活性層に適用した場合のセル構成
の模式図
1 透明導電膜付き基板 2 p型もしくは n型の半導体薄膜 3 p型もしくは n型のドーパントを1015〜1018cm-3、
含有する弱ドープa-Si:H薄膜またはa-SiC:H 薄膜 4 真性a-Si:H薄膜 5 Ge組成y が徐々に変化するa-Si1-y Gey :H薄膜 6 (a-Si:H/a-Si1-xGex :H)n多層膜 7 Ge組成y が徐々に変化するa-Si1-y Gey :H薄膜 8 真性a-Si:H薄膜 9 n型もしくは p型のドーパントを1015〜1018cm-3、
含有する弱ドープa-Si:H薄膜またはa-SiC:H 薄膜 10 n 型もしくは p型の半導体薄膜 11 電極
含有する弱ドープa-Si:H薄膜またはa-SiC:H 薄膜 4 真性a-Si:H薄膜 5 Ge組成y が徐々に変化するa-Si1-y Gey :H薄膜 6 (a-Si:H/a-Si1-xGex :H)n多層膜 7 Ge組成y が徐々に変化するa-Si1-y Gey :H薄膜 8 真性a-Si:H薄膜 9 n型もしくは p型のドーパントを1015〜1018cm-3、
含有する弱ドープa-Si:H薄膜またはa-SiC:H 薄膜 10 n 型もしくは p型の半導体薄膜 11 電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳川 紀行 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 福田 伸 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内
Claims (11)
- 【請求項1】 Si(H) 層とSi1-x Gex (H) 層(0<x<1) が
交互に積層され、該膜厚0.4 〜2nm のSi(H) 層に挟まれ
た、該膜厚1〜2nm のSi1-x Gex (H) 層(0<x<1) の組成
x が、積層方向に徐々に変化し、Si1-x Gex (H) 層内の
積層方向のある位置においてピーク値を有することを特
徴とするSi(H) 層およびSi1-x Gex (H) 層が2周期以上
積層形成された、光活性な半導体薄膜。 - 【請求項2】 Si1-xGex (H) 層の光学ギャップ(Eg)の
積層方向の変化が、主として2次関数となり、積層膜と
しては、主として調和型の周期ポテンシャルを有する請
求項1記載の半導体薄膜。 - 【請求項3】 Si1-x Ge x (H) 膜の光学ギャップ(Eg)
が、層内の組成x のピーク値の両側で、積層方向に直線
的に変化し、積層膜としては、主として三角型の周期ポ
テンシャルを有する請求項1記載の半導体薄膜。 - 【請求項4】 請求項1〜請求項3の何れかに記載の半
導体薄膜を光活性層に用いる結晶太陽電池。 - 【請求項5】 請求項1〜請求項3の何れかに記載の半
導体薄膜を光活性層に用いる非晶質太陽電池。 - 【請求項6】 請求項1記載の半導体薄膜の形成方法で
あって、xのピーク値がSi1-Gex (H) 層の半ばに位置す
るようになるように、反応室に導入する主体となるゲル
マンおよびシランの流量の時間制御を行い、かつ、Si
(H) 層、続いて、Si1-x Gex (H) 層を1周期、グロー放
電により、連続で形成した後、放電を停止し、モノシラ
ンに対するゲルマンのガス組成比が1%以下に減じられた
後に、再放電を行い、2周期以上の形成を繰り返す、プ
ラズマCVD 法を用いた半導体薄膜の形成方法。 - 【請求項7】 請求項6記載の半導体薄膜の形成方法に
おいて、 Si1-xGex(H) 層の光学ギャップ(Eg)の積層方
向の変化が、ほぼ2次関数となり、積層膜としては、主
として調和型の周期ポテンシャルとなるように、反応室
内のガス組成比を制御して形成を行う半導体薄膜形成方
法。 - 【請求項8】 請求項6記載の半導体薄膜の形成方法に
おいて、 Si1-xGex(H) 膜の光学ギャップ(Eg)が、層内
の組成x のピーク値の両側で、積層方向にほぼ直線的に
変化し、積層膜としては、主として三角型の周期ポテン
シャルなるように、反応室内のガス組成比を制御して形
成を行う半導体薄膜の形成方法。 - 【請求項9】 請求項1記載の半導体薄膜形成におい
て、反応室に導入する主体となるGe(H) ビームおよびSi
(H) ビーム量の時間制御を行い、かつ、Si(H)層、続い
て、Si1-x Gex (H) 層を、周期的にMBE 法により、2周
期以上の形成を繰り返す半導体薄膜の形成方法。 - 【請求項10】 Si1-xGex (H) 層の光学ギャップ(Eg)
の積層方向の変化が、ほぼ2次関数となり、積層膜とし
ては、主として調和型の周期ポテンシャルとなる請求項
9記載の半導体薄膜の形成方法。 - 【請求項11】 Si1-xGex (H) 膜の光学ギャップ(Eg)
が、層内の組成x のピーク値の両側で、積層方向にほぼ
直線的に変化し、積層膜としては、主として三角型の周
期ポテンシャルなる請求項9記載の半導体薄膜の形成方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8001568A JPH09191117A (ja) | 1996-01-09 | 1996-01-09 | 半導体薄膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8001568A JPH09191117A (ja) | 1996-01-09 | 1996-01-09 | 半導体薄膜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09191117A true JPH09191117A (ja) | 1997-07-22 |
Family
ID=11505135
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8001568A Pending JPH09191117A (ja) | 1996-01-09 | 1996-01-09 | 半導体薄膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09191117A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008098668A (ja) * | 2001-02-12 | 2008-04-24 | Asm America Inc | 半導体膜の改良された堆積方法 |
JP2011018884A (ja) * | 2009-07-07 | 2011-01-27 | Korea Iron & Steel Co Ltd | 光起電力装置及びその製造方法 |
US20120073644A1 (en) * | 2009-06-12 | 2012-03-29 | Seung-Yeop Myong | Photovoltaic Device |
EP2273564A3 (en) * | 2009-07-03 | 2012-12-19 | Kisco | Photovoltaic device and manufacturing method thereof |
US8921205B2 (en) | 2002-08-14 | 2014-12-30 | Asm America, Inc. | Deposition of amorphous silicon-containing films |
-
1996
- 1996-01-09 JP JP8001568A patent/JPH09191117A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008098668A (ja) * | 2001-02-12 | 2008-04-24 | Asm America Inc | 半導体膜の改良された堆積方法 |
US8921205B2 (en) | 2002-08-14 | 2014-12-30 | Asm America, Inc. | Deposition of amorphous silicon-containing films |
US20120073644A1 (en) * | 2009-06-12 | 2012-03-29 | Seung-Yeop Myong | Photovoltaic Device |
EP2273564A3 (en) * | 2009-07-03 | 2012-12-19 | Kisco | Photovoltaic device and manufacturing method thereof |
JP2011018884A (ja) * | 2009-07-07 | 2011-01-27 | Korea Iron & Steel Co Ltd | 光起電力装置及びその製造方法 |
EP2273563A3 (en) * | 2009-07-07 | 2012-12-05 | Kisco | Photovoltaic device and manufacturing method thereof |
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