JPH09187349A - 冷暖マットレス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マット表面の温度を変化させ、体に負担のか
からない範囲で、自律神経を刺激し、血行を促進させる
ことができる冷暖マットレスを提供する。 【解決手段】 冷暖マットレス１００は、内部に冷温水
通路を有する合成樹脂等の素材のシートから構成される
通水マット１５と、通電によりペルチェ効果を発揮する
素子パネル２と、前記素子パネル２の一方の面に密着
し、通水路を備えた冷温水パネル１と、前記通水マット
１５と冷温水パネル１との間で冷温水を循環させる冷温
水ポンプ１７と、前記素子パネル２への直流電流の通電
方向を交互に切り換える機能を有する電源ユニット３０
とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、睡眠に用いられる
冷暖マットレスに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、心地よい睡眠に効果がある寝
具として、柔軟な袋状容器内に通水路を備えた通水マッ
トを備え、適温に加温された温水が前記通水路内を流動
するように構成された、いわゆるウォーターベッドが知
られている。

【０００３】このようなウォーターベッドにおいては、
ヒーター等の加熱手段により前記通水路内の水を加温す
るように構成されているが、反対に温度を下げたいとき
には冷却手段を持たないために、自然放熱により冷却さ
れるまで待つしか方法がないという欠点を有していた。

【０００４】かかる欠点を解決するために、特開平５ー
２８５０３０号公報において、ペルチェ効果を利用して
加熱・冷却を行うように構成された流動体封入ベッドが
開示されている。

【０００５】ここで、ペルチェ効果は、相互に接合され
た２つの異なる導体、若しくは半導体を通して直流電流
を流すことで、接合部の一方が高温になって発生した熱
を外部に放出（加温作用）し、他方が低温になって外部
から熱を吸収（冷却作用）する現象としてよく知られて
おり、直流電流を流す方向、つまり、直流電流の極性を
単に切り換えるだけの操作によって、これらの加温、冷
却の両作用を任意に選択して得ることができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の流動体封入ベッドにおいては、加熱あるいは冷却が
択一的に行われるように構成されたものであり、マット
表面に連続的に温度変化を生じさせることにより、自律
神経を刺激し、血行の促進を図ることは不可能であっ
た。

【０００７】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、マット表面の温度を交互に変化
させ、体に負担のかからない範囲で、自律神経を刺激
し、血行を促進させることが可能な冷暖マットレスを提
供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項１に記載の冷暖マットレスは、柔軟な袋状容
器内に通水路を備えた通水マットと、通電によりペルチ
ェ効果を発揮する素子パネルと、前記素子パネルの一方
の面に密着し、通水路を備えた冷温水パネルと、前記通
水マットと冷温水パネルとの間で冷温水を循環させる冷
温水循環手段とを備えたものを対象として、特に、前記
素子パネルへの直流電流の通電方向を交互に切り換える
切り換え手段を備えている。

【０００９】従って、前記素子パネルに所定方向への通
電が行われると、前記素子パネルの前記冷温水パネル側
が発熱することにより冷温水パネル内の水が加熱されて
温水となり、その温水は前記冷温水循環手段により通水
マットに送られマット表面の温度は上昇する。次に、前
記切り換え手段により、前記素子パネルへの通電方向が
切り換えられると、前記素子パネルの前記冷温水パネル
側が冷えることにより冷温水パネル内の水が冷却されて
冷水となり、その冷水は前記冷温水循環手段により通水
マットに送られマット表面の温度は低下する。このよう
に、前記切り換え手段によって通電方向が交互に切り換
えられることにより、マット表面の温度が変化し、使用
者の自律神経を刺激して血行の促進を図ることができ
る。

【００１０】また、請求項２に記載の冷暖マットレス
は、前記素子パネルへの直流電流の通電方向を交互に切
り換える時間の間隔を設定する時間設定手段を備えてい
るので、希望通りに前記時間の間隔を設定することがで
き、従って、マット表面の温度の上昇と低下を所望の周
期で繰り返すことができる。

【００１１】また、請求項３に記載の冷暖マットレス
は、前記素子パネルの前記冷温水パネルとは反対の面に
密着し、フィンを備えた吸放熱板と、前記吸放熱板の部
分において空気を流通させる通風手段とを備えている。
従って、前記素子パネルの前記冷温水パネル側の温度が
上昇している状態では、前記吸放熱板は、前記通風手段
が流通させる空気より吸熱するため、前記素子パネルの
前記冷温水パネル側の温度上昇が促進される。一方、前
記素子パネルの前記冷温水パネル側の温度が低下してい
る状態では、前記吸放熱板は、前記通風手段が流通させ
る空気に放熱するため、前記素子パネルの前記冷温水パ
ネル側の温度低下が促進される。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した冷暖マ
ットレスの実施の形態について図面を参照して説明す
る。

【００１３】まず、冷暖マットレス１００の構成につい
て説明する。

【００１４】冷暖マットレス１００は、通水マット１５
と、送水チューブ１８と、冷温水ポンプ１７と、冷温水
供給ユニット１０と、電源ユニット３０と、マットカバ
ー１９と、操作パネル２５とから構成されている。

【００１５】通水マット１５は、内部に冷温水通路１５
aを有する合成樹脂等の素材のシート１５ｂから構成さ
れ、冷温水の温度を検出する温度センサ１６が設置され
ている。

【００１６】冷温水ポンプ１７は、後述する冷温水供給
ユニット１０で作られた冷温水を送水チューブ１８を通
して前記通水マット１５に送水するものである。尚、冷
温水ポンプ１７は本発明の冷温水循環手段を構成するも
のである。

【００１７】冷温水供給ユニット１０は、冷温水パネル
１と、通電によりペルチェ効果を発揮する素子パネル２
と、吸放熱板３と、吸放熱ファン４とから構成される。

【００１８】冷温水パネル１は、図１乃至図３に示すよ
うに、金属板（銅、アルミニウム）１aに金属管（銅、
アルミニウム）１bをコイル状に取り付けたもので、電
流の流れを切り替えることによって両面の冷暖が切り替
わるペルチェ効果を有する素子パネル２の片面に密着さ
せ、金属管１b内に通した水を効率よく冷却、加熱する
ものである。冷温水パネル１は、素子パネル２との接触
面以外は断熱材１cで被覆されている。

【００１９】素子パネル２は、直流電流を与えるとペル
チェ効果により、片面が吸熱面（低温側）、反対が放熱
面（高温側）となる半導体素子２aと、半導体素子２aを
接続するケーブル２b、半導体素子２aの周囲を被覆する
断熱材２cより構成され、吸熱面は冷却側、放熱面は加
熱側として作用する。

【００２０】吸放熱板３は、金属製（銅、アルミニウ
ム）の板３a及び多数のフィン３bよりなり、素子パネル
２の表面に密着して組み立てられ、通気への排熱あるい
は通気からの吸熱を効率良く行なうための熱交換器とし
て作用する。

【００２１】吸放熱ファン４は、吸放熱板３に周囲の空
気を通し、放熱時の熱交換を効率よく行なう為の送風機
である。尚、吸放熱ファン４は本発明の通風手段を構成
するものである。

【００２２】尚、前記冷温水供給ユニット１０を構成す
る各部材は、ケーシング５ａ・５ｂで覆われている。

【００２３】電源ユニット３０は、素子パネル２、吸放
熱ファン４、循環用ポンプ１７に電力を供給し、且つ前
記素子パネル２への通電方向を一定時間毎に交互に切り
換える機能を有するものである。

【００２４】操作パネル２５は、通水マット１５の温度
範囲を設定する温度設定部２０と、前記素子パネル２へ
の通電方向を切り替える時間の間隔を設定する時間設定
部２１とを備えている。尚、時間設定部２１は本発明の
時間設定手段を構成するものである。

【００２５】尚、操作パネル２５以外の各部材は、使用
時にはマットカバー１９により覆われて、外部からは見
えないように構成されている。

【００２６】次に、冷暖マットレス１００の使用時にお
ける作用について説明する。

【００２７】まず、操作パネル２５の温度設定部２０に
より、変化させる冷温水温度の範囲、すなわち最高温度
と最低温度を設定する。また、同じく操作パネル２５の
時間設定部２１により、前記素子パネル２への通電方向
を交互に切り換える時間の間隔、すなわち通水マットに
温水と冷水を交互に供給する時間の間隔を、例えば分単
位で設定する。

【００２８】次に、電源ユニット３０より冷温水供給ユ
ニット１０に、電力の供給を開始する。この際、ペルチ
ェ効果をもつ素子２aは、ペルチェ効果により吸放熱板
３側が吸熱（冷却）となり、フィン３bの表面温度が下
がる。それにより、冷温水パネル１側が放熱（加熱）と
なり、金属板１aからの熱伝導によって金属管１bは高温
となる。

【００２９】さらに、吸放熱ファン４の運転により吸放
熱板３は周囲の空気より熱を効率よく吸収するため、通
水パネル１（放熱）側へ熱を放出し、通水パネル１の加
熱は促進される。

【００３０】一方、冷温水ポンプ１７により送水された
水は、冷温水パネル１内を通り、供給された電力と、前
記吸放熱板３による吸熱により昇温し温水となり、前記
送水チューブ１８を通り通水マット１５に送られる。

【００３１】温水の温度は、前記温度センサ１６により
検出され、前記温度設定部２１により設定した最高温度
まで上昇すると、前記時間設定部２１により設定された
時間に達するまで、最高温度付近を保つように電源ユニ
ット３０によって制御される。

【００３２】次に、前記時間設定部２１により設定され
た時間経過後、電源ユニット３０は素子パネル２に与え
る直流電流を反転させて供給する。

【００３３】すると、吸放熱板３が放熱（加熱）とな
り、冷温水パネル１側が吸熱（冷却）となる。吸放熱フ
ァン４により放熱を促進させると、冷温水パネル１も低
温となり、冷温水ポンプ１７より送られた水は冷却され
て冷水となり、前記送水チューブ１８を通り通水マット
１５に送られる。

【００３４】冷水の温度は、前記温水の場合と同様に、
前記温度センサ１６により検出され、前記温度設定部２
１により設定した最低温度まで低下すると、前記時間設
定部２１により設定された時間に達するまで、最低温度
付近を保つように電源ユニット３０により制御される。

【００３５】次に、前記時間設定部２１により設定され
た時間経過後、電源ユニット３０は素子パネル２に与え
る直流電流を反転させて供給する。

【００３６】このように、冷暖マットレス１００は、通
水マット１５に所望の温度の温水と冷水の供給を一定時
間毎に交互に繰り返すことができる。

【００３７】従って、使用者は、自律神経の刺激を受
け、血行を促進させながら眠りにつくことができ、さら
に快適な温度で眠り続けることができるので、睡眠の効
果である疲労回復や、新陳代謝の促進を助長することが
できる。

【００３８】また、好みの温度に設定することができる
ので、季節を問わず、快適に使うことができる。

【００３９】また、通水マット１５に温水と冷水を交互
に供給する時間の間隔を使用者が任意に設定できるの
で、体に負担のかからない範囲で使用することができ
る。

【００４０】尚、本発明は以上詳述した実施の形態に限
定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲にお
いて、種々の変更を加えることができる。

【００４１】例えば、前記実施の形態においては、通水
マット１５への温水と冷水の供給をの交互に繰り返すよ
うにしたが、通常のウォーターベッドと同様に一定温度
を維持することも可能である。

【００４２】また、前記温水と冷水の供給を一定時間繰
り返した後に、通常のウォーターベッドと同様に一定温
度を維持するように構成することも可能である。このよ
うに構成すれば、一定時間の血行促進の後に、心地よい
睡眠を助長することができる。

【００４３】また、操作パネル２５は、使用者が前記冷
暖マットレス１００上に横たわった状態で操作を行える
ように、リモートコントローラの形態としてもよい。

【００４４】また、前記通水マット１５において、人体
の頭部該当部位、肩部から大腿部周辺に至る所定部位、
および膝部以下から足先部までの所定部位に対応して、
選択的に冷温水を供給可能に構成してもよい。

【００４５】

【発明の効果】以上説明したことから明かなように、請
求項１に記載の冷暖マットレスは、柔軟な袋状容器内に
通水路を備えた通水マットと、通電によりペルチェ効果
を発揮する素子パネルと、前記素子パネルの一方の面に
密着し、通水路を備えた冷温水パネルと、前記通水マッ
トと冷温水パネルとの間で冷温水を循環させる冷温水循
環手段とを備えたものを対象として、特に、前記素子パ
ネルへの直流電流の通電方向を交互に切り換える切り換
え手段を備えている。従って、マット表面の温度が変化
し、使用者の自律神経を刺激し、血行の促進を図ること
ができる。

【００４６】また、請求項２に記載の冷暖マットレス
は、前記素子パネルへの直流電流の通電方向を交互に切
り換える時間の間隔を設定する時間設定手段を備えてい
るので、希望通りに前記時間の間隔を設定することがで
き、従って、マット表面の温度の上昇と低下を所望の周
期で繰り返すことができる。

【００４７】また、請求項３に記載の冷暖マットレス
は、前記素子パネルの前記冷温水パネルとは反対の面に
密着し、フィンを備えた吸放熱板と、前記吸放熱板の部
分において空気を流通させる通風手段とを備えている。
従って、前記素子パネルに密着した冷温水パネルを効率
的に加熱・冷却することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の冷暖マットレスの構成を
模式的に示す図である。

【図２】冷温水供給ユニットにおける吸熱時の熱の流れ
を模式的に示す図である。

【図３】冷暖マットレスの分解斜視図である。

【符号の説明】

１ 冷温水パネル ２ 素子パネル ３ 吸放熱板 ４ 吸放熱ファン １５ 通水マット １５a 冷温水通路 １５b 合成樹脂等の素材のシート １７ 冷温水ポンプ １８ 送水チューブ ２１ 時間設定部 ２５ 操作パネル ３０ 電源ユニット １００ 冷暖マットレス

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 柔軟な袋状容器内に通水路を備えた通水
   マットと、通電によりペルチェ効果を発揮する素子パネ
   ルと、前記素子パネルの一方の面に密着し、通水路を備
   えた冷温水パネルと、前記通水マットと冷温水パネルと
   の間で冷温水を循環させる冷温水循環手段とを備えた冷
   暖マットレスにおいて、 前記素子パネルへの直流電流の通電方向を交互に切り換
   える切り換え手段を備えたことを特徴とする冷暖マット
   レス。
2. 【請求項２】 前記素子パネルへの直流電流の通電方向
   を交互に切り換える時間の間隔を設定する時間設定手段
   を更に備えたことを特徴とする請求項１に記載の冷暖マ
   ットレス。
3. 【請求項３】 前記素子パネルの前記冷温水パネルとは
   反対の面に密着し、フィンを備えた吸放熱板と、 前記吸放熱板の部分において空気を流通させる通風手段
   と、 を更に備えたことを特徴とする請求項１若しくは２に記
   載の冷暖マットレス。