JPH09180195A - 光ディスク情報書込制御方法およびその装置 - Google Patents

光ディスク情報書込制御方法およびその装置

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JPH09180195A
JPH09180195A JP8336149A JP33614996A JPH09180195A JP H09180195 A JPH09180195 A JP H09180195A JP 8336149 A JP8336149 A JP 8336149A JP 33614996 A JP33614996 A JP 33614996A JP H09180195 A JPH09180195 A JP H09180195A
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JP
Japan
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pulse
signal
length
write
optical disk
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Application number
JP8336149A
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English (en)
Inventor
Seiichi Iwasa
誠一 岩佐
Nagaaki Etsuno
長明 越野
Kenichi Uchiumi
研一 内海
Masahiro Nakada
正弘 中田
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/004Recording, reproducing or erasing methods; Read, write or erase circuits therefor
    • G11B7/0045Recording
    • G11B7/00456Recording strategies, e.g. pulse sequences

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  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Optical Head (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度書込を行った場合でも正確な記録ビッ
ト形状を維持してC/N比の良い再生信号を得る。 【解決手段】 記録ビットの書込信号を、書込可能な温
度まで媒体の温度を速やかに上昇させる開始部、上昇し
た媒体の温度を放熱とバランスして保持する中間部、レ
ーザビーム照射終了に伴って起こる温度降下を所定条件
に保つ終了部の3つの部分に分け、書込信号を、各パル
スのパルス幅がそれぞれ好適な条件となるように、3つ
の部分それぞれに対してパルス化を行うことにより、書
込信号の長さに対応する一連のパルス列となし、書込信
号の長さが情報に対応して変わった際には、パルス列の
中間部のパルスの数を変えるようになし、かつ、パルス
列の長さおよび/または振幅を、書込信号の直前にある
スペース信号の長さに応じて制御し、制御されたパルス
列をレーザ照射手段に印加して書込を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク情報書
込制御方法およびその装置に係り、詳しくは、レーザビ
ームによって情報の書込・読出を行う光ディスク装置に
対し、特に情報を正確に書込むための書込制御方法およ
びその装置に関する。近年、コンピュータシステムの大
容量化に伴い、書き換え可能な大容量ファイルとして、
光磁気ディスク、相変化光ディスク等の光ディスクへの
期待が高まっている。そのため、大容量の文書データや
画像情報(イメージ情報)を、光学的にディスク状の媒
体に記録する光ディスク装置の開発が行われており、す
でにOA市場をねらった製品が出ている。
【0002】光ディスクにおける情報記録は、ディスク
媒体上へのレーザビーム照射による熱的効果によって、
例えば媒体の磁化を反転させたり、あるいは媒体の結晶
状態を変化させることにより行われる。記録方式の中で
も、特に書込ビット(例えばレーザ照射)および非書込
ビット(例えばレーザ非照射)の長さが情報を担ういわ
ゆる長穴記録においては、正確なビット形状を媒体上に
書込むことが読取りエラーを減らし装置の信頼性を高め
る上で特に重要である。
【0003】なお、本発明の適用対象である光ディスク
は長穴記録方式のものであれば、光磁気ディスク等も含
むものである。
【0004】
【従来の技術】図30は長穴記録の一例としてコンパク
トディスク形式の信号(以下、CD信号という)を示す
もので、この例ではHigh信号(“H”)およびLo
w信号(“L”)は3τから11τ(τは単位周期=2
30ns)の長さを持っており、これらHigh、Low
の長さが情報を担っている。
【0005】従来の光ディスク装置においては、例えば
5τのHigh信号については5τ(230ns×5=1
150ns)の時間だけレーザを照射し、Low信号につ
いてはレーザを照射しないといった方法で媒体上へ書込
を行っている。この場合、媒体が一定速度で回転してい
るため書込情報のパルス幅nτ(n=3〜11)は媒体
上のビット長さをnL(L:時間τに相当する媒体上の
単位長さ)に変換され、記録される。この様子の一例は
図31(a)、(b)のように示される。
【0006】ところが、このような従来の光ディスク情
報書込制御方法およびその装置にあっては、より高密度
記録を行うために媒体の回転速度を遅く(Lを短く)し
ていくと、当該ビット書込に際して発生する熱の影響に
より、例えばn≧7という長いビットについては図31
(c)に示すようなビット形状が書込まれてしまい、情
報読取りに際しC/N比が劣化して読取エラーを生じる
という問題点があった。
【0007】この問題に対処するため、High信号に
相当するレーザビームを間欠的(パルス状)に印加する
ことが行われており、例えば次に掲げる文献(1)〜
(6)にその方法が開示されている。 (1) 特開昭63−160017号公報 (2) 特開昭63−263632号公報 (3) 特開昭62−229542号公報 (4) 特開昭63−266632号公報 (5) 特開昭63−153726号公報 (6) 特開昭63−266633号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
知の方法では、媒体の回転速度を遅くしていった場合の
C/N比の劣化をある程度以下にすることはできない。
すなわち、媒体の回転速度を遅くしていった場合には、
当該ビット書込に際して発生した熱のみならず、直前の
ビット書込に際して発生した熱の残り(余熱)の影響も
大きくなるため、ビット間スペースの長さ(直前のスペ
ース長)によって当該ビットの書込開始位置が異なって
しまう現象が生じ、その結果、マーク長が変動してしま
うからである。
【0009】上記公知の方法は当該書込ビットの熱に対
する対策にはなるものの、直前ビットからの余熱に対す
る対策は何らなされておらず、高密度書込時のC/N比
劣化対策が十分とは言えない。また、直前ビットからの
余熱対策に関連するものとして、 (7) 特開昭63−269321号公報 (8) 特開昭63−302424号公報 (9) 特開昭64−59633号公報記載の技術があ
る。
【0010】しかしながら、上記公報(1)〜(9)に
記載されている内容は、後述するごとく、本発明の課題
を何ら解決するものではない。上記文献記載の各技術に
ついて、具体的に述べると、次の通りである。 (1) 特開昭63−160017号公報 この装置では、レーザ光を制御する手段が信号ビットの
長さに応じた時間内でレーザ光を複数パルスに分割して
付与するように構成されており、レーザ光制御手段は前
記信号ビットの長さに応じてレーザ光を分割するととも
に、分割レーザ光パルスの各先頭パルス幅を後続パルス
より大とし、さらに、分割レーザ光パルスの各先頭パル
スのパルス強度を後続パルスより大としている。
【0011】したがって、パルス状レーザ光による書込
みについては述べているものの、具体的なパルス化手段
については何ら記述されておらず、上記問題点を解決す
るには至っていない。 (2) 特開昭63−263632号公報 この装置では、レーザ光を制御する手段が信号ビットの
長さに応じた時間内でレーザ光をその照射すべき期間の
終了直前で分割させた2パルスとして付与するように構
成されており、上記特開昭63−160017号公報に
記載のものを、更に簡略化して同様の効果を得ようとし
ているが、上記同様の理由で問題点を解決できるもので
はない。 (3) 特開昭62−229542号公報 記録媒体の記録層の記録感度に適合した光ビーム照射時
間に対応する予め定められたパルス幅のパルスを一定周
期で発生するパルス発振器と、このパルス発振器から出
力されるパルス信号のレーザ駆動回路への導出を記録パ
ルス発生器から出力される記録パルスに応じて制御する
ゲート回路とを具備し、前記レーザ駆動回路がゲート回
路の出力によってレーザ光源の光出力を制御するもので
ある。
【0012】しかし、CD信号をパルス化する手段に関
するものであり、しかもパルス幅は一定で、かつ記録パ
ルス内で変更することは原理的にできない。 (4) 特開昭63−266632号公報 光、電子線などのエネルギービームを照射して記録媒体
の原子配列の変化によって記録を行う情報の記録方法に
おいて、エネルギースポットの中心が記録点の端から端
まで通過する時間より短いパルス幅の単一又は複数のパ
ルスで記録点を形成している。しかし、パルス状のレー
ザビームにより書込みを行い、パルス幅はビット長の3
/4より狭くすればより好ましく、1/2より狭くすれ
ばさらに好ましく、1/4より狭くすれば特に好ましい
ことが述べられているのみで、パルス化の方法等につい
ては何ら述べられていない。 (5) 特開昭63−153726号公報 連続する放射線パルスからなる1個の群の内の各放射線
パルスのエネルギー量は、1個の放射線パルスにより生
じる情報体中の温度上昇とその群の内の以前の放射線パ
ルスにより既に発生している温度との合計が常に一定と
なる条件を考慮してその群の内の位置によって決めよう
とするもので、方法および装置に関する全9項のクレー
ムからなっている。これは、本願明細書中に引用した論
文の共著者による出願で論文とほぼ同様の内容であり、
問題点を完全に解決できるものではない(詳細は後
述)。 (6) 特開昭63−266633号公報 書込み信号パルスを始端部、中間部、終端部の3部分に
分割することが開示されている。ただし、各部分の各々
のパルス幅が独立に設定できること、各々のパルスの発
生を独立に禁止するパルス禁止手段等は開示されておら
ず、後にも述べるように最適の書込みビット形状を得る
目的には適さず、問題点を完全に解決できるものではな
い。また、本願発明の主要な構成要件である、直前のス
ペース長に応じて書込信号の長さを制御することについ
ては何ら記述されていない。 (7) 特開昭63−269321号公報 レーザ光制御手段が、長いビットを形成する場合にレー
ザ光の照射時間を短めにしたり、また、直前のブランク
長が短いビットを形成する場合に前記レーザ光の照射時
間を短めにすることを特徴とするものである。CD原盤
や追記型ディスク等、膜の溶融によるビットの形成を前
提に考えており、しかも、直前のブランク長が短いビッ
トを形成する場合に、レーザ光の照射時間を短めにする
具体的な手段が何ら示されていない。さらに、通常書込
んであり、パルス化書込については何ら記述されていな
い。したがって、上述した問題点を解決できる具体的技
術の示唆はない。 (8) 特開昭63−302424号公報 レーザ光制御手段が、直前のブランク長が短いビットを
形成する場合にはレーザ光の照射時間を短めにし、直前
のブランク長が長いビットを形成する場合にはレーザ光
の照射開始を早めるもので、上記第7の公報記載の技術
と同様ほぼ同じ内容で、具体的技術手段、パルス化書込
については何ら記述されておらず問題点を解決できる具
体的技術の示唆はない。 (9) 特開昭64−59633号公報 ビット位置記録の光ディスク装置において書込間隔が短
い場合に後続の書込ビット径が大きくなってしまう現象
をさけるため、ビット間隔を検出して、間隔が短い場合
には書込レーザパワーを小さくするものである。パルス
間隔を検出し、それに応じてレーザ光量を変えることは
開示されている。ただし、本例はマーク長記録ではな
く、ビット位置記録であり、前提とする記録方式が全く
異なる。したがって、上記(7)、(8)の公報記載の
技術と同様に問題点を解決できるものではない。
【0013】そこで本発明は、高密度書込を行った場合
でも、正確な記録ビット形状を維持してC/N比の良い
再生信号を得ることのできる光ディスク情報書込制御方
法およびその装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明による光ディスク
情報書込制御方法は上記目的達成のため、当該ビット書
込に際して発生した熱の影響のみならず、直前のビット
書込に際して発生した余熱の影響をも補正するものであ
る。すなわち、請求項1記載の発明は、記録ビットの長
さが情報を担う長穴記録を行う光ディスクの情報書込制
御方法において、前記記録ビットの書込信号を、 a)書込可能な温度まで媒体の温度を速やかに上昇させ
る開始部と、 b)上昇した媒体の温度を放熱とバランスして保持する
中間部と、 c)レーザビーム照射終了に伴って起こる温度降下を所
定条件に保つ終了部と、の3つの部分に分け、前記書込
信号を、各パルスのパルス幅がそれぞれ好適な条件とな
るように、前記3つの部分それぞれに対してパルス化を
行うことにより、前記書込信号の長さに対応する一連の
パルス列となし、前記書込信号の長さが情報に対応して
変わった際には、前記パルス列の前記中間部のパルスの
数を変えるようになし、かつ、前記パルス列の長さおよ
び/または振幅を、前記書込信号の直前にあるスペース
信号の長さに応じて制御し、該制御されたパルス列をレ
ーザ照射手段に印加して書込を行うようにしたことを特
徴とする。
【0015】また、請求項2記載の発明は、光ディスク
媒体に対しレーザ照射手段によりレーザを照射して記録
ビットの長さが情報を担う長穴記録を行う光ディスク情
報書込制御装置において、前記記録ビットの書込信号を
予め定められた範囲で遅延する第1の遅延手段と、該第
1の遅延手段で遅延された前記書込信号を予め定められ
た範囲で更に遅延する第2の遅延手段と、前記第1およ
び第2の遅延手段の出力信号から開始部制御信号、中間
部制御信号および終了部制御信号を生成する制御信号発
生手段と、該各制御信号に基づいて前記記録ビットの書
込信号を、書込可能な温度まで媒体の温度を速やかに上
昇させる開始部と、上昇した媒体の温度を放熱とバラン
スして保持する中間部と、レーザビーム照射終了に伴っ
て起こる温度降下を所定条件に保つ終了部との3つの部
分に分け、前記3つの部分それぞれに対してパルス化を
行って前記書込信号の長さに対応する一連のパルス列を
生成するパルス化手段と、前記パルス列の長さおよび/
または振幅を、前記書込信号の直前にあるスペース信号
の長さに応じて制御するパルス列制御手段と、を設けた
ことを特徴とする。
【0016】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の発明において、前記パルス列を構成する各パルスの
パルス幅を独立に設定できる手段を持つことを特徴とす
る。また、請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明
において、前記パルス化手段から複数チャネルのパルス
化出力を出すとともに、各チャネルのパルス化出力の開
始部、中間部および終了部各々のパルスの発生を独立に
禁止するパルス禁止手段を有することを特徴とする。
【0017】また、請求項5記載の発明は、請求項2記
載の発明において、前記複数チャネルのパルス化出力が
それぞれに異なる光出力を発生する複数の光出力発生回
路に接続されることを特徴とする。また、請求項6記載
の発明は、請求項2記載の発明において、前記パルス化
手段のパルス化クロックの周期を、前記書込信号の基本
クロックの周期より短くしたことを特徴とする。
【0018】また、請求項7記載の発明は、請求項2記
載の発明において、前記パルス列制御手段は、予め定め
られた長さの基準信号を持ち、該基準信号と前記書込信
号の直前にあるスペース信号の長さとを比較してマーク
長制御信号を作成し、該マーク長制御信号により前記パ
ルス列の制御を行うように構成したことを特徴とする。
【0019】また、請求項8記載の発明は、請求項7記
載の発明において、前記パルス列制御手段は、複数個の
基準信号を持つことを特徴とする。また、請求項9記載
の発明は、請求項2、請求項3または請求項4記載の発
明において、前記マーク長制御信号により書込開始パル
スの光出力を制御することを特徴とする。
【0020】また、請求項10記載の発明は、請求項2
記載の発明において、前記パルス列制御手段は、開始部
パルスが通過する予め定められた通過時間を持つ複数個
の通過路で構成される少なくとも1組の通過路群と、書
込マーク直前のスペース長を認識するスペース認識手段
と、認識結果に応じて前記開始部パルスの通過路を選択
する通過路選択手段とを含むことを特徴とする。
【0021】また、請求項11記載の発明は、請求項1
0記載の発明において、前記通過路群の通過時間が、書
込が行われる光ディスク円板の半径位置に応じて変化す
ることを特徴とする。また、請求項12記載の発明は、
請求項10または請求項11記載の発明において、前記
通過路群を複数組持ち、該各通過路群における最大通過
時間が異なるように構成されていることを特徴とする。
【0022】また、請求項13記載の発明は、請求項2
記載の発明において、前記スペース認識手段の認識結果
に基づいて前記パルス列の光出力の振幅を制御すること
を特徴とする。本発明では、記録ビットの書込信号がパ
ルス化されるとともに、該パルス化された前記記録ビッ
トの書込信号のパルス列の長さおよび/または振幅が、
該書込信号の直前にあるスペース信号の長さに応じて制
御される。そのため、前記記録ビット直前の記録ビット
書込に際して発生した熱の影響をも効果的に補正するこ
とができ、マーク長・スペース長の如何にかかわらず良
好なビット形状が得られる。
【0023】したがって、高密度書込を行った場合で
も、簡単なハードウエアを付加するだけで正確な記録ビ
ット形状が書込まれ、C/N比の良い、高品質の再生信
号が得られる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて説
明する。 『従来技術の問題点の分析』まず、本発明者は前述の問
題点の正確な分析とその解決策について検討した。前記
第1の問題点、すなわち高密度記録を行うために媒体の
回転速度を遅くした場合、正常なビット形状が書込まれ
なくなる現象は、次のように考えることができる。媒体
の回転速度が通常の回転速度の場合にはレーザビーム照
射による媒体の局部的な温度上昇と媒体の放熱による温
度降下が一定のバランスを保ち、熱的効果による書込み
が行われる境界(以下、書込境界)はほぼレーザビーム
に一致している。したがって、例えば11τのビットを
書込んだとすると、媒体上には長さ11L、幅d(d:
レーザビームの直径)のビットが形成される。
【0025】一方、高密度記録のために媒体の回転速度
を遅くすると、単位面積当りのレーザビーム照射エネル
ギーが大きくなるため、放熱による温度降下が間に合わ
なくなり、照射時間が長くなるにつれ、熱が徐々に蓄積
されてビーム照射位置の前後の位置にも熱が流れ出して
いく。熱的効果によって一定時間に書込を行うために必
要なレーザビームのエネルギーには下限が存在するか
ら、例えば回転速度を1/2にした場合でもレーザビー
ムのエネルギーを1/2にして書込むわけにはいかず、
必ず上記現象が発生する。
【0026】したがって、例えば7τ以上といった長い
ビットを書込む場合、レーザビームが2L位置、3L位
置、4L位置と進むに従って熱の蓄積が大きくなり、徐
々に隣接位置への熱の影響が増大するとともに、書込境
界もレーザビーム径dを越えて拡がっていく。ビットの
終端、すなわち上記例では7L位置付近では直後にレー
ザビーム照射が終了し、放熱による温度降下が支配的に
なるから書込境界はほぼビーム径となる。
【0027】このようなモデルを考えると、図31
(c)に示すビット形状が説明できる。特に、結晶状態
(結晶相)の変化により反射率を変えて記録を行う相変
化型媒体においては、溶融状態からの急冷あるいは徐冷
によって結晶状態を変化させHigh・Low情報を書
込むため、隣接位置からの熱の流れ出しの影響が顕著で
ある。
【0028】一例として急冷によってHigh情報を書
込むタイプの相変化型媒体を考えてみるに、書込ビット
長がある程度以上長くなって(例えば7τ以上)隣接位
置への熱の影響があると、例えば3τ位置では4τ位置
からの熱の流れ出しの影響を受け、4τ位置では5τか
ら、以後順次nτ位置では(n+1)τ位置からの熱の
流れ出しの影響を受けてしまい、結果的に急冷ではなく
徐冷に近い条件となってしまう。このような状態ではあ
る程度以上長いビットのHigh情報書込は非常に不安
定となる。長いビットを書込む場合にも安定なHigh
書込状態を得ること、すなわち安定な急冷状態を実現す
るためには書込ビット長nτ(n=3〜11)の間でレ
ーザビームを間欠的(パルス状)に照射し、書込を行う
ことが有効である。これについては、D.J.Gravesteijn
et al "Phase-change Optical d-ata storage in GaS
b", Applied Optics, 26, 4772 (1987) に、4.3 MHz
(τ=230ns)の周波数で80ns幅を持つパルス列に
よる書込が記述されている。
【0029】本発明者は、種々のHigh書込ビット長
(以下マーク長)を上記文献の例に従って媒体上に書込
み、ビット形状の観察を行った。その結果、上記文献に
記されているように、一定のパルス幅を持つパルス列に
よる書込では、該パルス幅を変えてやっても、また光パ
ワーを適当に変えてやってもマーク長3τから11τに
わたって良好なビット形状を実現するパルス幅条件を見
出すことはできなかった。すなわち、マーク長が最も短
い3τの場合にはパルス幅180nsのパルス3個で書き
込んだときに良好なビット形状が得られたが、この条件
の11個のパルスでマーク長が最も長い11τを書込む
と、光エネルギーが大きすぎて、前記従来例として示し
た連続光による書込と同様なビット形状の異常が起こっ
てしまった。
【0030】逆に11τの場合に良好なビット形状を与
える120nsのパルス幅条件では、光エネルギーの不足
により3τのビットを正常に書込むことができなかっ
た。マークを構成する前記パルス列のパルス幅を変えて
記録する方法は前述したように特開昭63−26663
3号公報に開示されている。この開示例ではパルス列を
始端部、中間部、終端部の3部分に分け、始端部および
終端部のパルス幅を中間部のパルス幅より大きくするも
のである。ただ、ここに開示されている方法では始端部
(以下開始部と称する)、中間部、終端部(以下終了
部)の各部を複数のパルスで構成した場合、各部内のパ
ルス各々のパルス幅を独立に設定することができないた
め、種々のパルス幅の組み合わせのもとで最適の書込ビ
ット形状を得る目的には適さない。
【0031】そこで本発明者は、前記マークを構成する
パルス列の各パルス幅を独立に設定できる後述する装置
を考え、種々のパルス幅の組み合わせのもとで種々のマ
ーク長を書込むとともに、書込まれたビット形状の観察
を行った。図1は上記観察結果より得られた好適な書込
パルス条件の一例と、そのときの書込ビット形状を示す
ものである。具体的には、図1(a)は7τのHigh
情報(マーク)と7τのLow情報(スペース)とを繰
り返す入力信号を用い、パルス周期T=τ(230ns)
として第1パルス幅200ns、第2パルス幅150ns
(開始部)、第3パルス幅120ns、第4〜第6パルス
幅100ns(中間部)、第7パルス幅130ns(終了
部)の条件で書込を行った場合の書込ビット形状を示し
たものである。連続したレーザビームによる書込(前記
図30(c))に比べてビット形状の著しい改善が見ら
れた。
【0032】また、図1(b)には7τのスペース、1
1τのマークに対し、第1パルス幅200ns、第2パル
ス幅150ns(開始部)、第3パルス幅120ns、第4
〜第10パルス幅100ns(中間部)、第11パルス幅
130ns(終了部)の条件で書込んだビット形状を示
す。同様に図1(c)には、7τのスペース3τのマー
クに対し、第1パルス幅200ns、第2パルス幅150
ns(開始部)、第3パルス幅130ns(終了部、この場
合には中間部パルスは出ない)の条件で書込んだビット
形状を示す。何れも同図(a)と同様に良好なビット形
状が得られた。
【0033】この実験結果の物理的意味を考察してみる
に、 媒体を書込可能な温度まで速やかに上昇させる部分 ……(開始部) 開始部で上昇した温度を媒体の放熱とバランスして保つ部分 ……(中間部) レーザビーム照射終了に伴って起こる温度降下を好適条件に保つ部分 ……(終了部) という以上3つの機能からなっていると解釈することが
できる。したがって、マーク長の変化に際し、中間部の
パルスを増減し、中間部の長さを変えることは、単に温
度を保持する機能を持つ部分の長さを変えているにすぎ
ず、マーク長にかかわらず良好なビット形状が得られる
ことが十分理解できる。
【0034】ただ、中間部パルスについては図1
(a)、(b)に示すように、その先頭パルスのパルス
幅を他のパルス幅より広くする方がより良好なビット形
状が得られる。さて、これまで述べてきた実験ではマー
ク長のみに注目し、スペース長については便宜上一定と
してきた。しかしながら、実際のCD信号では3τから
11τまでの長さを持つマークおよびスペースの組合わ
せにより情報を記録している。したがって、マークを書
込んだ後、次にマークを書込むまでのスペースは3τか
ら11τの間で常に変化している。特に媒体の急冷ある
いは徐冷によって結晶状態を変化させ、記録を行う相変
化型媒体においては、直前のビットを書込んだ際の余熱
の影響が懸念される。
【0035】前記余熱の影響を明確に把握するために、
スペース長を3τから11τまで変化させ、そにれ伴う
マーク長の変化を観察した。図32はこの様子を示した
ものである。記録媒体には(In0.40Sb0.600.94
0.06の組成を持つ記録膜を60nm製膜したものを用
い、線速度1.2m/sの条件で実験した。横軸には注
目する書込マーク直前のスペース長をとり、縦軸には注
目する書込マーク長を時間単位でとり、書込マーク長が
3τ、7τおよび11τの場合の結果を示す。図中の×
はパルス化を行わない通常書込(レーザパワー5m
W)、○は前述した好適なパルス条件でパルス化を行っ
た場合(レーザパワー12mW)のデータである。
【0036】通常書込の場合には直前のスペース長が3
τと11τとでは書込マーク長の差が300ns(1.3
τ相当)にも達してしまい、マーク長を正しく判別する
ことは全く不可能である。パルス化書込を行った場合に
は直前のスペース長3τと11τの場合における書込マ
ーク長の差は150nsとなり確かに改善されてはいる。
しかしながら、この値とてもτ(=230ns)の値の6
5%に相当し、読取時における各マーク長の判別基準で
ある0.5τを越えているため、すべてのマーク長を正
しく判別することはできない。
【0037】このように余熱の影響が大きいため、従来
の技術によりパルス化を行っただけでは、CD信号に代
表される実際の長穴記録信号を正確に書込み、正確に読
取ることはできない。以下に示す実施例は上記問題点を
解決し、CD信号に代表される長穴記録信号を正確に書
込み、C/N比の良い、高品質の再生信号を得ることが
できる光ディスク情報書込制御方法およびその装置を提
供するものである。 『第1実施例』第2〜7図は本発明に係る光ディスク情
報書込制御方法およびその装置の第1実施例を示す図で
ある。図2は光ディスク情報書込制御装置の全体構成図
であり、この図において、該書込制御装置は大きく分け
て、入力CD信号D0 (記録ビットの書込信号に相当)
が入力し、該CD信号D0 を予め定められた範囲で遅延
する第1の遅延回路(第1の遅延手段)1と、第1の遅
延回路1で遅延されたCD信号(第1の遅延信号D1
を予め定められた範囲でさらに遅延する第2の遅延回路
(第2の遅延手段)2と、これら第1、第2の遅延回路
1、2の出力信号(第1、第2の遅延信号D1 、D2
から開始部制御信号A、中間部制御信号B、終了部制御
信号Cを生成する制御信号発生回路(制御信号発生手
段)3と、これら各制御信号により記録ビットの書込信
号、すなわち入力CD信号D0 を開始部、中間部および
終了部の3つの部分に分け、それぞれに応じたパルスを
発生するパルス化回路(パルス化手段)4と、前記入力
CD信号D0 の直前にあるスペース長を認識し、該スペ
ース長に応じてパルス列の長さを制御するパルス列制御
回路(パルス列制御手段)10と、により構成される。
【0038】パルス化回路4からのパルス化出力はレー
ザダイオード5に入力されており、レーザダイオード5
はこのパルス化出力に基づいてレーザビームを発生す
る。レーザビームはレンズ6を通し集光されて回転軸7
を中心として回転している光ディスク媒体8に照射され
長穴記録が行われる。上記レーザダイオード5およびレ
ンズ6はレーザ照射手段9を構成する。
【0039】第1の遅延回路1および第2の遅延回路2
としては、例えばクロックに同期した遅延が得られるシ
フトレジスタ等のディジタル的手段が望ましいが、遅延
線等のアナログ的手段であってもよい。また、本実施例
では第1の遅延時間をτ、第2の遅延時間を2τとして
説明するが、これは本質的なものではなく、符号規格に
より予め定められた最小スペース長(CD信号の場合は
3τ)以下であればよく、また、1.5τ、0.25τ
といった小数でもかまわない。
【0040】パルス化回路4の詳細は図3のように示さ
れ、図3では便宜上1組のパルス化回路4のみを示して
いるが、実際上は開始部、中間部、終了部のそれぞれに
ついて図3に示す回路が必要である。図3において、パ
ルス化回路4はクリア回路11、カウンタ12、遅延回
路13、デコード回路14、パルス幅設定回路15およ
び集合回路としてのオアゲート16により構成される。
クリア回路11は遅延回路17、インバータ18および
ナンドゲート19からなり、各制御信号A、B、Cの立
下りエッジに同期してカウンタ12をクリアさせる信号
を発生し、カウンタ12のクリア端子に出力する。カウ
ンタ12のカウントイネーブル端子には各制御信号A、
B、Cが入力され、クロック端子にはパルス化クロック
が入力される。いま、最初に制御信号Aがカウンタ12
に入力される場合を例にとると、カウンタ12は同信号
が“H”になるとカウントを開始し、“L”になるとカ
ウントを停止する。このとき、クリア回路11からは遅
延回路17の遅延時間(例えば50ns)で決まるパルス
幅のクリアパルスがカウンタ12のクリア端子に加えら
れ、カウンタ12の内容は“0”にリセットされる。
【0041】具体的には、図4に示すように2τの幅を
もつ制御信号Aが入力すると、カウンタ12の内容は0
→1→2→0と変化する。カウンタ12の出力である2
0 桁(A,Aバー)、21 桁(B,Bバー)、22
(C,Cバー)、23 桁(D,Dバー)は次段のデコー
ド回路14に入力されており、デコード回路14は、例
えばアンドゲート20a〜20n(本実施例ではn=1
5)により構成される。n=15としているのは、
“1”から“F”までの15個を用い、“0”を用いて
いないからである。
【0042】また、パルス幅設定回路15はモノマルチ
バイブレータ21a〜21n(本実施例ではn=15)
からなり、これらには例えば、モノマルチバイブレータ
21aに代表として示すようにボリウムからなるパルス
幅調整手段22が設けられている。なお、これは他のモ
ノマルチバイブレータ21b〜21nについても同様で
あり、したがって、後述の第1パルス……第nパルスの
各パルス幅を独立に設定することが可能である。
【0043】ここで、カウンタ12の内容が“0”のと
きにはA=B=C=D=0、Aバー=Bバー=Cバー=
Dバー=1であり、デコード回路14の入力のうち、す
べてが“1”となる組合わせはないから、デコード回路
14の出力側は“0”のままで何ら信号が現れない。一
方、カウンタ12の内容が“1”のときには、A=Bバ
ー=Cバー=Dバー=1、A=B=C=D=0であるか
ら、A・Bバー・Cバー・Dバーの入力の組合わせをも
つアンドゲート20aの出力側にだけ適当に遅延(例え
ば50ns)されたパルス化クロックが現れ、モノマルチ
バイブレータ21aをトリガする。カウンタ12の内容
が“2”のときには、B=Aバー=Cバー=Dバー=
1、Bバー=A=C=D=0となるから、アンドゲート
20bにだけパルス化クロックが現れ、モノマルチバイ
ブレータ21bをトリガする。以下、カウンタ12の内
容が“3,4,5…15”となるに従い順次図示はして
いないが、モノマルチバイブレータ21c、21d……
21nをトリガする。すなわち、モノマルチバイブレー
タ21a〜21nは開始部制御信号Aによって発生すべ
き第1パルス、第2パルス……第nパルス(n=15)
を発生する。なお、図4に示す例のように開始部制御信
号Aの幅が2τであり、これを変化させない場合にはア
ンドゲートおよびモノマルチバイブレータはそれぞれ2
個だけでよい。
【0044】モノマルチバイブレータ21a〜21nの
出力は集合回路としてのオアゲート16で合成され、第
1パルス、第2パルス……第nパルスが時間軸上に順次
現れる開始部パルスとなって出力される。中間部パル
ス、終了部パルスも上記開始部パルスと全く同様にして
作られ、出力される。さらに、開始部パルス、中間部パ
ルス、終了部パルスは図示しない集合回路(図4の集合
回路と同様)によって合成され、図4の最下端に示すパ
ルス化出力となってレーザダイオード5に印加される。
【0045】次に、制御信号発生回路およびパルス列制
御回路を説明するにあたり、まず、図4に示すタイミン
グチャートを参照して制御信号発生回路の基本動作を説
明する。入力CD信号D0 は第1の遅延回路1を通って
第1の遅延回路D1 となり、同信号D1 はさらに第2の
遅延回路2を通って第2の遅延信号D2 となる。なお、
本実施例では、便宜上第1の遅延時間をτ、第2の遅延
時間を2τとして説明するが、これは本質的なものでは
なく、符号規格により予め定められた最小スペース長
(CD信号の場合は3τ)以下であればよく、また、
1.5τ,0.25τといった小数でもかまわない。
【0046】制御信号発生回路3に入った前記信号
0 、D1 、D2 は論理演算が施され、A=D1 ・(D
1 バー・D2 バー)、B=(D0 ・D1 )・(D1 ・D
2 )およびC=(D1 ・D2 )・Bバーという制御信号
が形成される。ここに「・」は論理積を「−」は否定を
表す。制御信号Aは開始部制御信号、Bは中間部制御信
号、Cは終了部制御信号となる。入力CD信号D0 に対
する各制御信号A、B、Cのタイミングは図4に示され
るが、開始部制御信号Aのパルス幅は第2の遅延回路2
の遅延時間(図3の例では2τ)に一致し、終了部制御
信号Cのパルス幅は第1の遅延回路1の遅延時間(図3
の例ではτ)に一致し、さらに、中間部制御信号Bのパ
ルス幅は入力CD信号のパルス幅から第1および第2の
遅延回路1、2の遅延時間を引いたものに一致する。こ
れは、前記制御信号A、B、Cを形成する論理演算から
得られる当然の結果である。したがって、開始部制御信
号Aのパルス幅および/または終了部制御信号Cのパル
ス幅を変更する場合には、第2の遅延回路2の遅延時間
および/または第1の遅延回路1の遅延時間を変更すれ
ばよい。
【0047】各制御信号A、B、Cはパルス化回路4に
入り、各制御信号A、B、Cのパルス幅に応じた数でか
つ適当なパルス幅を持つパルスに変換され、レーザダイ
オード5を駆動して光ディスク媒体8に照射され、長穴
記録が行われる。次に、図5〜図7を参照してパルス列
制御回路の動作を説明する。パルス列制御回路ではま
ず、スペース長がこの信号長より短い場合にマーク長
(最終的にはパルス列の長さ)を減ずる基準信号を発生
する。基準信号の発生は図5に示すようにクリア端子を
持つモノマルチバイブレータ43、遅延回路44、4
5、インバータ46、47およびアンドゲート48、ナ
ンドゲート49を備えてパルス列制御回路42を構成
し、そのタイミングチャートを図6に示すように、入力
CD信号の立下りでリセットし、D0 信号よりτだけ遅
れたD1 信号の立下りでセットする回路とし、これから
基準信号Eを発生している。なお、50はボリウムから
なるモノマルチバイブレータ43のパルス幅調整手段で
あり、基準信号長を、例えば7τに調整するものであ
る。
【0048】図7はマーク3τ、スペース3τ、マーク
3τ、スペース7τ、マーク5τのCD信号を例に取っ
たタイミングを示すものである。なお、(ア)は入力C
D信号D0 、(イ)は第1遅延信号D1 、(ウ)は第2
遅延信号D2 、(エ)は第3遅延信号D3 、(オ)はD
0 ・D1 、(カ)はD1 ・D2 、(キ)はD1・D3
(ク)は中間部制御信号B(B=(D0 ・D1 )・(D
1 ・D2 ))、(ケ)は信号A(A=D1 ・(D1 ・D
2 )バー)、(コ)は終了部制御信号C(C=(D1
2 )・Bバー)、(サ)は開始部補助信号D(D=D
1 ・(D1 ・D 3 )バー)、(シ)はリセット信号、
(ス)はセット信号、(セ)は基準信号E(E=7
τ)、(ソ)は信号F(F=D・E)、(タ)は信号
A′(A′=A・Fバー)、(チ)はパルス化クロック
T(T=τ)、(ツ)はパルス化出力である。
【0049】図7において、基準信号Eは本来7τの長
さを持っているが、これ以前にリセット信号がくると
(図7の例では5τ)“L”となり、τ後のセット信号
で再び“H”にセットされ、7τ後に“L”となる。基
準信号Eがセットされるタイミングは第1の遅延出力D
1 の立下りに一致しているから、D1 のタイミングを基
準としてみれば、マークの始まり部分においてEが
“H”ならば直前のスペース長は7τより短く、Eが
“L”ならば7τ以上であると判定できる。
【0050】スペース長が7τより短い場合に、マーク
長を短くし、パルス列を制御するためには開始部補助信
号Dを使用する。信号Dは、第1遅延信号D1 をマーク
長を短くしたい長さだけ(図7の例ではτ)遅延した第
3遅延信号D3 を用いて、D=D1 ・(D1 バー・D3
バー)の演算で作られる。次に基準信号EからD・E=
F(マーク長制御信号)を作り、さらに、A・Fバー=
A′を作って開始部制御信号とする。A′は直前のスペ
ース長が基準信号より短いときには開始位置がτだけ遅
れ、基準信号長以上のときにはAと同じ開始位置とな
る。終了位置はAと全く同じであるから、直前のスペー
ス長の長短に応じて書込マーク長を制御できるわけであ
る。制御信号発生回路の基本動作の項で述べたA、B、
Cの各制御信号に代えて、A′、B、Cを各制御信号と
してパルス化回路4に入力することにより、直前のスペ
ース長に応じた長さのパルス列を持つパルス化出力(図
7下端)が得られる。
【0051】以上のことから、本実施例では記録ビット
の書込信号を3つの部分に分け、該3つの部分それぞれ
をパルス化し、該パルス化された各パルスのパルス幅が
各々独立に設定できるので、前記3つの部分それぞれに
最適な条件で媒体にレーザビームを照射することができ
る。さらに書込信号直前のスペース長を判断し、該スペ
ース長に応じて出力パルス列の長さを制御できるので、
直前の書込ビットからの余熱の影響を効果的に補正する
ことができ、高密度書込を行った場合でも正確な記録ビ
ット形状を維持して、C/N比の良い再生信号を得るこ
とができる。
【0052】なお、以上の説明ではパルス化回路のカウ
ンタを2進4桁としたが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、桁数を増しさらに多くのパルス幅設定回路
を付加することができることは言うまでもない。また、
第1〜第nパルスを発生するモノマルチバイブレータの
代わりにカウンタ等のディジタル的手段でパルス幅を決
定してもよいことは勿論である。
【0053】さらに、パルス列制御回路の基準信号の発
生にアナログ的なモノマルチバイブレータを用いたが、
カウンタ等ディジタル的な手段により実現してもよいこ
とは勿論である。また、上記説明では便宜上基準信号を
1個だけとした例を示したが、これを複数個とし、複数
個の開始部補助信号を組合わせて、例えばスペース長3
τ〜4τではマーク長−τ、5τ〜7τではマーク長−
0.5τ、8τ〜11τではマーク長そのままといっ
た、よりきめ細かな制御をしてもよいことは言うまでも
ない。 『第2実施例』図8は本発明の第2実施例を示す図であ
り、本実施例はパルス化クロックの周期Tを(1/2)
・τとしたものである。すなわち、図8に作動のタイミ
ングチャートを示すように、本実施例ではパルス化の分
解能が第1実施例の倍となるため、よりきめ細かなパル
ス幅設定を行うことができる。この場合、開始部のパル
スのパルス幅条件を第1実施例と同じにしたければ、モ
ノマルチバイブレータ21aおよびモノマルチバイブレ
ータ21cのパルス幅設定を第1実施例と同じに設定
し、モノマルチバイブレータ21bおよびモノマルチバ
イブレータ21dについてはパルスの後縁がモノマルチ
バイブレータ21aまたはモノマルチバイブレータ21
cで設定したパルスの後縁を越えないように小さなパル
ス幅に設定しておけばよい。
【0054】図3に示すパルス化回路4ではモノマルチ
バイブレータ21a、モノマルチバイブレータ21b…
…モノマルチバイブレータ21nの出力は集合回路であ
るオアゲート16により論理的に合成されるから、2つ
のパルスを同時に発生しても故障等が生じることは全く
ない。あるいは、モノマルチバイブレータ21aおよび
モノマルチバイブレータ21cを(1/2)・τに設定
し、残りのパルス幅をモノマルチバイブレータ21bお
よびモノマルチバイブレータ21dで設定してもよい。
なお、これは終了部についても全く同様である。また、
パルス化クロックの周期を(1/3)・τ、(1/4)
・τとより細かくして分解能を上げてもよいことは言う
までもない。 『第3実施例』第9〜11図は本発明の第3実施例を示
す図であり、本実施例では、図9に示すようにパルス化
回路(パルス化手段)31から複数のパルス化出力(C
h1とCh2の2チャネル)を第1、第2の光出力発生
回路32、33にそれぞれ出力し、これからレーザダイ
オード34に供給するとともに、各チャネルの開始部、
中間部、終了部各々の第1パルス、第2パルス……第n
パルスの発生を各々独立に禁止するパルス禁止手段35
を設けた点が特徴である。
【0055】パルス禁止手段35はスナップスイッチ等
のスイッチ群により構成され、具体的には図10に示す
ように示される。すなわち、デコード回路14としての
アンドゲート20a……20nの次段にはパルス禁止手
段35aが設けられてモノマルチバイブレータ36a〜
36nに接続され、さらに集合回路37aでまとめられ
てパルス化出力のチャネル1を発生させている。また、
同様に他方のパルス禁止手段35bが設けられてモノマ
ルチバイブレータ38a〜38nに接続され、さらに集
合回路39でまとめられて、パルス化出力のチャネル2
を発生させている。
【0056】図11は第3実施例のタイミングとレーザ
ダイオード34の光出力の様子を示すもので、マーク長
5τ、開始部制御信号Aの幅2τ、終了部制御信号Cの
幅τ、パルス化クロックT=(1/2)・τの場合を一
例として示している。本実施例ではT=(1/2)・τ
としているから、開始部は4個、終了部は2個、中間部
は最大16個のパルス禁止手段35が有効となる。ま
た、同図(b)に○×で示すようにチャネル1、チャネ
ル2のパルス禁止手段35a、35bを設定すると、各
チャネルのパルス化出力は同図(c)に示すようにな
る。チャネル1およびチャネル2の出力はそれぞれ第1
光出力発生回路32および第2の光出力発生回路33に
接続されているから、レーザダイオード34の光出力は
同図(d)に示すように先頭の2個のパルスについては
通常より大きい第2の大きさの光出力に、その他のパル
スについては通常の第1の大きさの光出力となる。
【0057】このように、パルス化回路31を複数チャ
ネルとし、かつ各パルスの発生を各々独立に禁止するパ
ルス禁止手段35を持つことにより、前記各実施例のよ
うにパルス幅だけではなく、光出力をも変えることがで
きるため、より細かく最適な書込条件を定めることがで
きる。なお、本実施例ではチャネル数を2としたが、さ
らに3以上とし、よりきめ細かに光出力を変えるように
してもよい。また、パルス禁止手段には必ずしもスイッ
チを持つ必要はなく、当該位置のパルス発生手段を削除
したり、結線をはずす等の手段を用いてもよいことは勿
論である。 『第4実施例』第12、13図は本発明の第4実施例を
示す図であり、本実施例は前記「従来技術の問題点の分
析」の項で述べた直前の書込ビットから来る余熱の影響
を補正する手段として、直前のスペース長に応じて書込
開始部パルスの光出力を制御するものである。制御信号
としては第1の実施例で示したマーク長制御信号Fを用
いる。すなわち、図12に示すように、第3実施例の構
成として示した図9の構成の一部にマーク長制御信号F
の入力する光出力制御回路51が設けられ、第2の光出
力発生回路33に接続されている。そして、光出力制御
回路51により図13に示すタイミングチャートで示す
ように、マーク長制御信号Fに基づき直前のスペース長
に応じて書込開始部パルスの振幅が変えられて、光出力
がきめ細かく制御される。したがって、本実施例の方法
でも余熱の影響を効果的に補正することができる。
【0058】また、上記説明では便宜上基準信号Eを1
個だけとし、マーク長制御信号Fも1個だけとした例を
示したが、第1実施例と同様に複数個の基準信号E1
nから複数個のマーク長制御信号F1 〜Fn を作り、
光出力制御回路で各々のマーク長制御信号に応じた大き
さの光出力を出すように構成し、よりきめ細かな制御を
行っても良いことは言うまでもない。 『第5実施例』図14は本発明の第1、第2実施例によ
って余熱の影響を補正した結果を示す図、第15〜17
図は本発明の第5実施例を示す図である。
【0059】第1実施例では以前に書込んだビットから
の余熱の影響を補正するため、直前のスペース長の長さ
に応じて発生パルスの数を増減することによりマーク書
込開始位置を制御している。図14は第1実施例に第2
実施例を適用した場合、すなわちパルス化クロックを
(1/2)τとし、前述した好適な書込パルス条件(パ
ルス化クロックτ)の各パルス幅をほぼ半分とした書込
パルス条件のもとで、余熱補正0.5τ(前記第3の遅
延信号D3 の遅延時間0.5τ)、基準信号長6τ(直
前のスペース長が3τ〜5τのときだけ余熱補正がかか
る)とした場合の余熱補正の様子を示したものである。
図中の○は余熱補正なし、Δが上記条件で余熱補正を行
った場合である。補正により直前のスペース長が3τ〜
5τのときには書込マーク長が約0.5τ短くなったた
め、読取信号の判別基準である±0.5τ以内に収まる
ようになり、余熱補正の効果が現れている。
【0060】しかしながら、この方法では書込開始位置
の分解能がパルス化クロックの周期で制限されてしま
う。したがって、よりきめ細かい補正を行いたい場合、
例えば書込開始位置を直前のスペース長が1τ変化する
たびに10nsずつ変化させたい場合には、周期10ns
(周波数100MHz)のパルス化クロックが必要とな
り、一般に使われているTTLでは実現が困難である。
また、直前のスペース長が3τから11τまでの間で1
τ変化するごとに対応して書込開始位置を制御したい場
合には9個の基準パルスが必要であり、ハード量もかな
り増加してしまう。
【0061】第5実施例は、このようなきめ細かな書込
開始位置制御を簡単なハードウエアで実現しようとする
ものである。図15はそのために必要な部分の構成を示
す図であり、この図において、本実施例のパルス列制御
回路は、必要な数だけ設けられた先頭パルス(図3に示
す開始部第1パルス)の通過路群54と、直前のスペー
ス長を認識するスペース認識手段55と、認識結果に応
じて先頭パルスの通過路を選択する通過路選択手段56
とを含んで構成される。スペース認識手段55はスペー
ス長を1τ単位で計数するカウンタ57と、インバータ
58、59と、遅延回路60と、ナンドゲート61と、
カウンタ57の出力信号が入力するデコード回路として
のアンドゲート62a〜62nとにより構成される。ま
た、通過路群54は先頭パルスの通過路としての直列接
続したディレイライン(DL)63a〜63nにより構
成され、通過路選択手段56は各スペース長およびディ
レイライン63a〜63nの出力が入力するアンドゲー
ト64a〜64nと、集合回路としてのオアゲート65
とにより構成され、オアゲート65からは先頭パルス出
力として先に示した図3におけるモノマルチバイブレー
タ21aのトリガ信号が発生する。
【0062】以上の構成において、図16にタイミング
チャートを示すように、第1の遅延信号D1 の反転信号
1 バーをカウンタ57のイネーブル端子に入力してお
くと、スペース部が入力され、D1 バーが“H”になる
とカウンタ57はクロックの計数を開始する。スペース
部が終わり、マーク部が入力されると、D1 バーは
“L”になり、カウンタ57は直前の内容を維持したま
ま停止する。すなわち、マーク部が始まった時点でカウ
ンタ57は直前のスペース長の情報を蓄積するメモリと
して機能する。したがって、カウンタ57の内容をデコ
ードすることにより、マーク部が始まった時点では直前
のスペース長に対応する1個のデコーダ出力だけが
“H”となる。図16には3デコーダ(スペース長3τ
に対応)と10デコーダ(スペース長10τに対応)の
出力を一例として示す。この出力を使って先頭パルスの
通過路を選択する。カウンタ57はD1 バーの立上りで
リセットされ、次のスペース長のカウントを開始する。
【0063】一方、先の図3に示すモノマルチバイブレ
ータ21aのトリガとなる先頭パルス(開始部第1パル
ス)はその前で取り出されて先頭パルス通過路群54と
してのディレイライン63a〜63nに入る。該通過路
群54は従属接続されたディレイライン63a〜63n
(DL11、DL10……DL3 )で構成され、各ディレイ
ライン63a〜63nに付けられた添字は直前のスペー
ス長に対応する。各ディレイライン63a〜63nの出
力には前記デコード回路としてのアンドゲート62a〜
62nの出力によって制御されるアンドゲート64a〜
64nが接続されているから、直前のスペース長に応じ
た遅延時間の経路を通ったパルスだけが取り出されてモ
ノマルチバイブレータ21a(図3参照)をトリガす
る。このようにしてマーク部直前のスペース長の認識と
それに応じた先頭パルス発生位置の制御が行われる。
【0064】なお、各ディレイライン63a〜63n
に、例えば5ns単位でタップを設けておくことにより、
この分解能で先頭パルス発生位置を制御することがで
き、一般に使われるTTLで10ns以下の分解能を達成
することができる。上記説明では通過路選択手段56を
1個とし、開始部第1パルスだけを遅延させて余熱補正
を行ったが、通過路選択手段56を複数個とし、開始部
第1〜第nパルスを遅延させて余熱補正を行うこともで
きる。この場合、スペース認識手段55は1個でよい。
さらに、開始部第1〜第nパルス各々に対応する各々の
通過路選択手段の遅延時間を、例えば、直前のスペース
長が3τのときの第1パルスの遅延時間を150nsと
し、第2パルスの遅延時間を140ns、……第nパルス
の遅延時間を(150−10n)ns、というように徐々
に変えたり、或いは直前のスペース長が10τのときの
第1パルスの遅延時間を20nsとし、第2パルスの遅延
時間を15ns、……第nパルスの遅延時間を(20−5
n)nsというように徐々に変えてやれば、図17に示す
ような出力パルス列を得ることができ、よりきめ細かな
余熱補正を行うことができる。 『第6実施例』第18、19図は本発明の第6実施例を
示す図である。第5実施例で述べた直前のスペース長に
応じた先頭パルス位置の制御は、長穴記録のうちでもC
D(コンパクトディスク)に代表される回転線速度一定
の記録には適しているものの、光磁気ディスクに代表さ
れる回転角速度一定の記録には、そのままでは適用でき
ない。すなわち、回転角速度一定の記録では回転半径が
大きい円板外周部に行くほど線速度が速くなり、時間的
に同じ長さの信号を記録しても媒体上の記録長さは内周
部に比べて長い。したがって、直前のスペース長が同じ
でも、外周部では内周部に比べ媒体上の距離が遠く余熱
の影響は少ない。
【0065】そこで、第6実施例は円板の回転半径に応
じて前記各ディレイライン63a〜63nの遅延時間を
変えるようにしたものである。本実施例の適用対象であ
る回転角速度一定の記録においては、光ヘッドの位置あ
るいは媒体中に記録されたアドレスから現在の回転半径
位置を知ることができるような手段が設けられており、
この手段は、例えば2進符号で表された信号などが一般
的である。そのため、本実施例では図19に示すように
デコード回路としてのアンドゲート71a〜71nに2
進信号で表された半径位置信号を入力し、適当な数だけ
設けられた半径位置デコーダとしてのアンドゲート71
a〜71nの出力は該当するただ1個だけが“H”とな
る。各アンドゲート71a〜71nの出力S1 〜Sn
図18に示すように半径位置選択ゲートとしてのn群の
アンドゲート72A1 〜72An 、72B1 〜72
n 、……72N1 〜72Nnに入力されており、これ
らの各ゲートの他の入力端子はディレイライン63a〜
63nの出力タップ1、2……nに接続されている。ま
た、各ゲート72A1 〜72An 、……72N1 〜72
n の出力は群ごとにまとめられオアゲート73a〜7
3nに入力され、その次段には第5実施例と一部が共通
のスペース認識手段55が設けられている。したがっ
て、半径位置選択ゲートの出力S1 〜Sn のうち1個を
“H”とすることにより、ディレイライン63a〜63
nの出力タップ1、2……nのうちの1つが選択され、
この出力タップを通った先頭パルス信号だけが次段のデ
ィレイラインに入力されるとともに、その後の論理処理
により先頭パルス出力となる。
【0066】なお、各ディレイライン63a〜63nの
入力と出力タップ間の遅延時間は各ディレイラインで同
一とする必要はなく、ディスク媒体の特性に応じて設定
してやればよい。また、直前のスペース長に応じた通過
路の選択手段は第5実施例と全く同様である。上記説明
では先頭パルス(開始部第1パルス)だけで余熱補正す
る例を示したが、第5実施例と同様に、第18、19図
に示す回路を複数個用意し、開始部第1パルス〜第nパ
ルスを使った余熱補正を行ってもよいことは言うまでも
ない。 『第7実施例』第20〜27図は本発明の第7実施例を
示す図である。本実施例は直前のスペース長に応じた余
熱補正を、前述した各実施例より更にきめ細かに行うも
のである。
【0067】図21に示す本実施例のパルス列制御回路
80はスペース認識回路81と時間圧縮回路82とで構
成される。スペース認識回路81は図15に示したスペ
ース認識手段55と同様の回路で、直前のスペース長3
τ〜11τに応じたスペース長信号を発生する。時間圧
縮回路82は電圧制御遅延回路83と遅延時間制御回路
84とで構成される。電圧制御遅延回路83は印加され
た制御電圧によってその遅延時間が変わる回路で、可変
容量ダイオードとインダクタンスを組み合わせた、一般
にはVCVDL(Voltage Controlle
d Variable Delay Line)と呼ば
れている素子で構成される。本実施例ではジェーピーシ
ー社製の素子を2個使用して、図22に示すように、0
〜15Vの制御電圧に対して1020ns〜700nsの可
変範囲を得ている。
【0068】さて、上記電圧制御遅延回路33に、例え
ば図23に示す長さ3τ(690ns)の鋸歯状制御電圧
を印加した場合を考えると、電圧制御遅延回路83の遅
延時間は横軸の経過時間に対して図24に示すように変
化する。経過時間0のタイミングで電圧制御遅延回路8
3に入力されたパルスは同遅延回路83内を伝播する
が、その伝播中にも遅延回路83の遅延時間は図24に
示すように刻々と変化している。したがって、パルスは
入力タイミングにおける遅延回路83の遅延時間(10
20ns)と定常状態における遅延時間(700ns)との
平均値、すなわち(1020+700)/2=860ns
だけ遅延されて出力端に現れる。また、経過時間300
nsのタイミングで入力されたパルスはそのタイミングに
おける遅延回路83の遅延時間が880nsであるから
(880+700)/2=790nsだけ遅延される。こ
のように鋸歯状制御電圧が印加された時点から遅れて入
力されたパルスほど遅延時間が少なくなる。ただし、6
90ns以上遅れて入力されたパルスについてはもはや制
御電圧が印加されていないため、遅延時間はすべて70
0nsとなる。
【0069】図25に上記原理に基づいてパルス列の時
間圧縮を行った一例を示す。直前のスペース長3τにお
ける余熱補正値を160nsとし、これに相当する鋸歯状
制御電圧を(b)に示す15V、690nsとしている。
また、入力パルス列としては(a)に示すマーク長4τ
の好適なパルス化を施したものとする。第1パルスの前
縁は遅延され、860ns後に出力される。また、第1パ
ルスの後縁は100ns後に入力されるから、上記原理よ
り(974+700)/2=837nsだけ遅延され、経
過時間の原点を基準とすれば837+100=937ns
の時点で出力される。したがって、出力パルス列の第1
パルス幅は937−860=77nsとなる。同様に第2
パルスの前縁は948ns、後縁は1025nsとなり、パ
ルス幅は第1パルスと同様77nsとなる。以下同様に、
第3パルスは前縁1036ns、幅62ns、第4パルスは
前縁1125ns、幅46ns、第5、第6パルスの前縁は
それぞれ1213ns、1301ns、幅はそれぞれ46n
s、39nsとなる。第7パルスが入力される時点では制
御電圧は定常状態となっているから、第7および第8パ
ルスはそのまま700nsだけ遅延されて出力される。こ
のようにして(c)に示す出力パルス列が得られる。実
際には様々のマーク長およびスペース長が組み合わされ
たパルス列が入力されるが、その最終パルス後縁の位置
はすべて入力パルスから700nsだけ遅れた位置を保っ
ている。すなわち、入力信号のマーク長、スペース長の
関係を保ちながら、各パルス列の先頭から鋸歯状制御電
圧幅に相当する部分のパルス列だけが余熱補正のために
時間圧縮される。
【0070】図17に示す第5実施例の方法では、第1
パルスを160ns遅らせ、第2、第3、第4パルスをそ
れぞれ150ns、140ns、130ns遅らせて余熱補正
を行ったとしても、各スペース部分が圧縮されるだけで
各パルス幅そのものは変化しない。一方、本実施例の方
法では各スペース部分のみならず各パルス幅も同じ割合
で圧縮されることが大きな特徴である。
【0071】図25(a)に示すパルス列を例にとって
説明すると、パルス幅の合計は590nsであり、パルス
列の長さ885nsに対する割合(パルス化率)は約67
%である。一方、図17に示す第5実施例の方法ではパ
ルス幅の合計は同じで、パルス列の長さだけが885−
160=725nsとなるから、パルス化率は590/7
25=0.81、81%と入力パルス列より大きくなっ
てしまう。これに対して、本実施例の方法ではパルス幅
の合計は487nsであり、パルス化率は487/725
=0.67、約67%となり、入力パルス列のパルス化
率と同じになる。
【0072】パルス化率は書込レーザビームのエネルギ
ー密度とも考えることができ、これを好適なパルス条件
である入力パルス列と同じに保つことは、余熱補正を行
った際にもより正確なビット形状を書込めることを意味
している。また、余熱補正の範囲も開始部パルスに限る
ことなく中間部パルスにまで及ぼすことができる。すな
わち、本実施例の時間圧縮による余熱補正では、原理的
にどのような形状、組合わせのパルス列が入力されて
も、補正範囲全域にわたって該入力パルス列を相似的に
圧縮することができる。したがって、前述した各実施例
のようにパルス列が開始部、中間部、終了部に必ずしも
分離されている必要はなく、例えば、3τ〜11τのマ
ーク長各々が全く異なった組合わせのパルス列で構成さ
れている場合でも、余熱補正を効果的に行うことができ
る。
【0073】図26に遅延時間制御回路84の一例を示
す。遅延時間制御回路84は前記第1遅延信号D1 から
制御電圧幅に等しい幅のパルスを作る補正範囲設定回路
90と、該パルスを鋸歯状波に変換する鋸歯状波発生回
路91と、スペース認識手段55、81の結果に応じて
好適な余熱補正のための遅延時間を設定する遅延時間設
定回路92と、出力波形を15Vを基準とした波形に変
換する引算回路93とで構成される。
【0074】補正範囲設定回路90はモノマルチバイブ
レータ94で構成され、図27(a)に示すような入力
信号D1 の各マーク立上りで始まる一定幅のパルス(図
27(b)参照)を発生する。パルス幅はボリウム94
Rで設定でき、この例ではパルス幅3τ(690ns)と
している。前記パルスは微分回路95による鋸歯状波発
生回路91で図27(c)のように変換され、遅延時間
設定回路92に入る。なお、Rfはオペアンプのフィー
ドバック抵抗で、これを調整することにより鋸歯状波の
直線性を変えることができる。
【0075】遅延時間設定回路92は各スペース長に対
応する9組の増幅器96とスイッチ手段97とで構成さ
れる。各増幅器96の増幅率はRf/Rで決まるため、
各増幅器96のフィードバック抵抗Rf3〜Rf11を
変えることによって出力鋸歯状波のピーク値を変えるこ
とができ、各増幅器96の出力を図27(d)に示すよ
うに設定することができる。各増幅器96の出力にはア
ナログスイッチ等のスイッチ手段97が接続されてお
り、該スイッチは前記スペース認識手段55から出力さ
れるスペース長信号によって制御される。したがって、
スイッチ手段97の出力側にはスペース長(余熱補正
値)に応じたピーク電圧をもつ唯一個の鋸歯状波が現れ
る。
【0076】引算回路93は1倍の反転増幅器98であ
り、オペアンプと抵抗Re、Rsにより構成され、入力
端子間の差を出力する。正入力端子が15Vに接続され
ているため、負入力端子に入力される鋸歯状波を引算し
た図27(e)に示す波形が出力される。なお、Reは
スイッチ手段97がすべてオフの場合に負入力端子を0
Vに保つためのものである。引算回路の出力は鋸歯状制
御電圧として電圧制御遅延回路に印加され、前述した時
間圧縮が行われる。
【0077】上記各回路に使われるオペアンプは15V
以上の出力電圧がとれるもので、高速、高スルーレート
のものが望ましく、例えばLH0032CG等を使用す
るのがよい。なお、上記一例では補正範囲設定回路90
と鋸歯状波発生回路91をモノマルチバイブレータ94
とオペアンプによる微分回路95で構成したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、例えば非対称時定数
を持つモノマルチバイブレータのベース側に発生する鋸
歯状波を利用して二つの回路を一体化してもよいことは
勿論である。
【0078】図20に本実施例による好適な余熱補正結
果の一例を示す。図中の○が補正なし、△が補正ありの
データである。書込パルス列は図25(a)に示した好
適なパルス条件とし、直前のスペース長3τ時の補正値
(最大補正)を160ns、スペース長4τ時の補正値を
100ns、以下順次60ns、30ns、20ns、とし、ス
ペース長8τ以上はすべて10nsとした。若干の非直線
性はあるものの、ほぼ完全な余熱補正が行われている。 『第8実施例』第28、29図に第8実施例を示す。第
7実施例では余熱補正の範囲(鋸歯状波制御電圧の幅)
を3τとして説明してきた。これはCD信号の最小マー
ク長が3τであり、補正範囲を例えば5τ以上とすると
マーク長3τの場合のパルス列の最終パルス位置が規定
の位置から大きく遅れてしまう問題が生ずるためであ
る。ところが一方では、7τ以上といった長いマーク長
のパルス列に対しては、例えば5τ以上のより広範囲の
補正を行い、入力パルス列とより相似に近いパルス列と
したい要請もある。本実施例は、より広範囲の補正を行
った場合にも短いマーク長のパルス列の最終パルスが規
定位置に出るようにするものである。
【0079】図28に本実施例の遅延時間制御回路を示
す。この遅延時間制御回路は図26の回路と一部が異な
り、引算回路101の負入力側を選択的に0電位に接続
するスイッチ102と、該スイッチ102の開閉タイミ
ングを制御するスイッチ制御回路103と、第1遅延信
号を反転してスイッチ制御回路103に入力するインバ
ータ104とを持つことを特徴としている。スイッチ制
御回路103には例えば第1遅延信号D1 バーといった
スイッチ制御信号が入力される。D1 バーはマーク時に
Low、スペース時にHighとなるから、これをスイ
ッチ制御回路103で適当なタイミングに調整してスイ
ッチを制御してやれば、引算回路101の負入力側の電
圧をマークが終わる寸前には必ず0Vとなるようにする
ことができる。
【0080】前記補正範囲設定回路90で4τのパルス
幅が設定され、マーク長3τのパルス列が前記電圧制御
遅延回路83に入力される場合を考えると、引算回路1
01の入力波形は図29(a)に示す波形となり、出力
波形は同図(b)に示す波形となる。したがって、引算
回路101の出力波形を前記電圧制御遅延回路83に印
加すると、該遅延回路83の遅延時間はマーク長3τの
パルス列の最終パルスが入力される寸前に定常状態に復
帰する。よって、最終パルスが出力されるタイミングは
他のマーク長のパルス列の最終パルスと同様に、入力時
点+700nsの位置となる。
【0081】なお、前記補正範囲設定回路90で設定さ
れたパルス幅より長いマーク長のパルス列については、
該設定されたパルス幅の制御信号が定常状態になるまで
前記スイッチ102がオフとなっているため、何ら影響
はない。
【0082】
【発明の効果】本発明の方法によれば、高密度書込を行
った場合にも隣接書込位置からの余熱の影響を効果的に
補正して、正確な記録ビット形状を書込むことができ、
C/N比の良い高品質の再生信号を得ることができる。
また、本発明の装置構成によれば、簡単なハードウェア
を付加するだけで上記余熱の影響を効果的に補正して上
記記録ビット形状を書込むことができ、同様の効果を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するために好適な書込パル
ス条件の一例と書込ビット形状を示す図である。
【図2】第1実施例の全体構成図である。
【図3】第1実施例のパルス化回路のブロック図であ
る。
【図4】第1実施例の基本動作を示すタイミングチャー
トである。
【図5】第1実施例の基準信号発生回路の回路図であ
る。
【図6】第1実施例の基準信号発生回路のタイミングチ
ャートである。
【図7】第1実施例のパルス列制御回路のタイミングチ
ャートである。
【図8】第2実施例のタイミングチャートである。
【図9】第3実施例のパルス化回路の出力系統を示す図
である。
【図10】第3実施例のパルス禁止手段の詳細な回路図
である。
【図11】第3実施例のタイミングチャートである。
【図12】第4実施例のパルス化出力信号の出力系統を
示す図である。
【図13】第4実施例の光出力の制御のタイミングチャ
ートである。
【図14】第1、第2実施例によって余熱の影響を補正
した結果を示す図である。
【図15】第5実施例のパルス列制御回路の要部の構成
を示すブロック図である。
【図16】第5実施例のタイミングチャートである。
【図17】第5実施例のの複数の通過路選択手段による
パルス出力を示す図である。
【図18】第6実施例の先頭パルス発生のための回路を
示す図である。
【図19】第6実施例の半径位置の選択のための回路を
示す図である。
【図20】第7実施例の余熱補正の一例を示す図であ
る。
【図21】第7実施例のパルス列制御回路の構成を示す
図である。
【図22】第7実施例の電圧制御遅延回路の特性を示す
図である。
【図23】第7実施例の鋸歯状制御電圧と遅延時間を示
す図である。
【図24】第7実施例の電圧制御遅延回路の特性を示す
図である。
【図25】第7実施例の時間圧縮による余熱補正を施し
た出力パルス列を示す図である。
【図26】第7実施例の遅延時間制御回路の回路図であ
る。
【図27】第7実施例の遅延時間制御回路の各部の動作
波形を示す図である。
【図28】第8実施例のより広範囲の余熱補正を行う遅
延時間制御回路を示す図である。
【図29】第8実施例の遅延時間制御回路の各部の動作
波形を示す図である。
【図30】CD信号の一例を示す図である。
【図31】従来の方法による記録ビットの形状を示す図
である。
【図32】直前のスペース長による書込マーク長の変化
を示す図である。
【符号の説明】
1:第1の遅延回路(第1の遅延手段) 2:第2の遅延回路(第2の遅延手段) 3:制御信号発生回路(制御信号発生手段) 4、31:パルス化回路(パルス化手段) 5:レーザダイオード 8:光ディスク媒体 9:レーザ照射手段 10、80:パルス列制御回路(パルス列制御手段) 32:第1の光出力発生回路 33:第2の光出力発生回路 35:パルス禁止手段 51:光出力制御回路 54:通過路群 55:スペース認識手段 56:通過路選択手段 81:スペース認識回路(スペース認識手段) 82:時間圧縮回路(時間圧縮手段) 83:電圧制御遅延制御回路 84:遅延制御回路 90:補正範囲設定回路 91:鋸歯状波発生回路 92:遅延時間設定回路 93101:引算回路 94:モノマルチバイブレータ 95:微分回路 96:増幅器 97:スイッチ手段 102:スイッチ 103:スイッチ制御回路
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年1月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明による光ディスク
情報書込制御方法は上記目的達成のため、当該ビット書
込に際して発生した熱の影響のみならず、直前のビット
書込に際して発生した余熱の影響をも補正するものであ
る。すなわち、請求項1記載の発明は、記録ビットの長
さが情報を担う情報記録を行う光ディスクに、マーク信
号部とスペース信号部で構成された情報信号を書込むた
めの情報書込制御方法において、前記マーク信号部に相
当する情報信号を、 a)書込可能な温度まで媒体の温度を速やかに上昇させ
る開始部と、 b)上昇した媒体の温度を放熱とバランスして保持する
中間部と、 c)レーザビーム照射終了に伴って起こる温度降下を所
定条件に保つ終了部と、の3つの部分に分け、前記マー
ク信号部に相当する情報信号を、各パルスのパルス幅が
それぞれ好適な条件となるように、前記3つの部分それ
ぞれに対してパルス化を行うことにより、前記マーク信
号部に相当する情報信号の長さに対応する一連のパルス
列となし、前記マーク信号部に相当する情報信号の長さ
が情報に対応して変わった際には、前記パルス列の前記
中間部のパルスの数を変えるようになし、かつ、前記パ
ルス列の長さおよび/または振幅を、前記マーク信号部
に相当する情報信号の直前にあるスペース信号部に相当
する情報信号の長さに応じて制御し、該制御されたパル
ス列をレーザ照射手段に印加して書込を行うようにした
ことを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】また、請求項2記載の発明は、光ディスク
媒体に対しレーザ照射手段によりレーザを照射して記録
ビットの長さが情報を担う情報記録を行う光ディスク
に、マーク信号部とスペース信号部で構成された情報信
号を書込むための光ディスク情報書込制御装置におい
て、前記マーク信号部に相当する情報信号を予め定めら
れた範囲で遅延する第1の遅延手段と、該第1の遅延手
段で遅延された前記マーク信号部に相当する情報信号を
予め定められた範囲で更に遅延する第2の遅延手段と、
前記第1および第2の遅延手段の出力信号から開始部制
御信号、中間部制御信号および終了部制御信号を生成す
る制御信号発生手段と、該各制御信号に基づいて前記
ーク信号部に相当する情報信号を、書込可能な温度まで
媒体の温度を速やかに上昇させる開始部と、上昇した媒
体の温度を放熱とバランスして保持する中間部と、レー
ザビーム照射終了に伴って起こる温度降下を所定条件に
保つ終了部との3つの部分に分け、前記3つの部分それ
ぞれに対してパルス化を行って前記マーク信号部に相当
する情報信号の長さに対応する一連のパルス列を生成す
るパルス化手段と、前記パルス列の長さおよび/または
振幅を、前記マーク信号部に相当する情報信号の直前に
あるスペース信号に相当する情報信号の長さに応じて制
御するパルス列制御手段と、を設けたことを特徴とす
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】また、請求項5記載の発明は、請求項4記
の発明において、前記複数チャネルのパルス化出力が
それぞれに異なる光出力を発生する複数の光出力発生回
路に接続されることを特徴とする。また、請求項6記載
の発明は、請求項2記載の発明において、前記パルス化
手段のパルス化クロックの周期を、前記マーク信号部に
相当する情報信号の基本クロックの周期より短くしたこ
とを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】また、請求項7記載の発明は、請求項2記
載の発明において、前記パルス列制御手段は、予め定め
られた長さの基準信号を持ち、該基準信号と前記マーク
信号部に相当する情報信号の直前にあるスペース信号
に相当する情報信号の長さとを比較してマーク長制御信
号を作成し、該マーク長制御信号により前記パルス列の
制御を行うように構成したことを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】また、請求項8記載の発明は、請求項7記
載の発明において、前記パルス列制御手段は、複数個の
基準信号を持つことを特徴とする。また、請求項9記載
の発明は、請求項2、請求項3または請求項4記載の発
明において、請求項7記載のマーク長制御信号により書
込開始パルスの光出力を制御することを特徴とする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】また、請求項13記載の発明は、請求項2
記載の発明において、請求項10記載のスペース認識手
段の認識結果に基づいて前記パルス列の光出力の振幅を
制御することを特徴とする。本発明では、記録ビットの
書込信号がパルス化されるとともに、該パルス化された
前記記録ビットの書込信号のパルス列の長さおよび/ま
たは振幅が、該書込信号の直前にあるスペース信号の長
さに応じて制御される。そのため、前記記録ビット直前
の記録ビット書込に際して発生した熱の影響をも効果的
に補正することができ、マーク長・スペース長の如何に
かかわらず良好なビット形状が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内海 研一 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 中田 正弘 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録ビットの長さが情報を担う長穴記録を
    行う光ディスクの情報書込制御方法において、 前記記録ビットの書込信号を、 a)書込可能な温度まで媒体の温度を速やかに上昇させ
    る開始部と、 b)上昇した媒体の温度を放熱とバランスして保持する
    中間部と、 c)レーザビーム照射終了に伴って起こる温度降下を所
    定条件に保つ終了部と、の3つの部分に分け、 前記書込信号を、各パルスのパルス幅がそれぞれ好適な
    条件となるように、前記3つの部分それぞれに対してパ
    ルス化を行うことにより、前記書込信号の長さに対応す
    る一連のパルス列となし、前記書込信号の長さが情報に
    対応して変わった際には、前記パルス列の前記中間部の
    パルスの数を変えるようになし、 かつ、前記パルス列の長さおよび/または振幅を、前記
    書込信号の直前にあるスペース信号の長さに応じて制御
    し、 該制御されたパルス列をレーザ照射手段に印加して書込
    を行うようにしたことを特徴とする光ディスク情報書込
    制御方法。
  2. 【請求項2】光ディスク媒体に対しレーザ照射手段によ
    りレーザを照射して記録ビットの長さが情報を担う長穴
    記録を行う光ディスク情報書込制御装置において、 前記記録ビットの書込信号を予め定められた範囲で遅延
    する第1の遅延手段と、 該第1の遅延手段で遅延された前記書込信号を予め定め
    られた範囲で更に遅延する第2の遅延手段と、 前記第1および第2の遅延手段の出力信号から開始部制
    御信号、中間部制御信号および終了部制御信号を生成す
    る制御信号発生手段と、 該各制御信号に基づいて前記記録ビットの書込信号を、
    書込可能な温度まで媒体の温度を速やかに上昇させる開
    始部と、上昇した媒体の温度を放熱とバランスして保持
    する中間部と、レーザビーム照射終了に伴って起こる温
    度降下を所定条件に保つ終了部との3つの部分に分け、 前記3つの部分それぞれに対してパルス化を行って前記
    書込信号の長さに対応する一連のパルス列を生成するパ
    ルス化手段と、 前記パルス列の長さおよび/または振幅を、前記書込信
    号の直前にあるスペース信号の長さに応じて制御するパ
    ルス列制御手段と、を設けたことを特徴とする光ディス
    ク情報書込制御装置。
  3. 【請求項3】前記パルス列を構成する各パルスのパルス
    幅を独立に設定できる手段を持つことを特徴とする請求
    項2記載の光ディスク情報書込制御装置。
  4. 【請求項4】前記パルス化手段から複数チャネルのパル
    ス化出力を出すとともに、 各チャネルのパルス化出力の開始部、中間部および終了
    部各々のパルスの発生を独立に禁止するパルス禁止手段
    を有することを特徴とする請求項2記載の光ディスク情
    報書込制御装置。
  5. 【請求項5】前記複数チャネルのパルス化出力がそれぞ
    れに異なる光出力を発生する複数の光出力発生回路に接
    続されることを特徴とする請求項2記載の光ディスク情
    報書込制御装置。
  6. 【請求項6】前記パルス化手段のパルス化クロックの周
    期を、前記書込信号の基本クロックの周期より短くした
    ことを特徴とする請求項2記載の光ディスク情報書込制
    御装置。
  7. 【請求項7】前記パルス列制御手段は、予め定められた
    長さの基準信号を持ち、 該基準信号と前記書込信号の直前にあるスペース信号の
    長さとを比較してマーク長制御信号を作成し、該マーク
    長制御信号により前記パルス列の制御を行うように構成
    したことを特徴とする請求項2記載の光ディスク情報書
    込制御装置。
  8. 【請求項8】前記パルス列制御手段は、複数個の基準信
    号を持つことを特徴とする請求項7記載の光ディスク情
    報書込制御装置。
  9. 【請求項9】前記マーク長制御信号により書込開始パル
    スの光出力を制御することを特徴とする請求項2、請求
    項3または請求項4記載の光ディスク情報書込制御装
    置。
  10. 【請求項10】前記パルス列制御手段は、開始部パルス
    が通過する予め定められた通過時間を持つ複数個の通過
    路で構成される少なくとも1組の通過路群と、 書込マーク直前のスペース長を認識するスペース認識手
    段と、 認識結果に応じて前記開始部パルスの通過路を選択する
    通過路選択手段とを含むことを特徴とする請求項2記載
    の光ディスク情報書込制御装置。
  11. 【請求項11】前記通過路群の通過時間が、書込が行わ
    れる光ディスク円板の半径位置に応じて変化することを
    特徴とする請求項10記載の光ディスク情報書込制御装
    置。
  12. 【請求項12】前記通過路群を複数組持ち、該各通過路
    群における最大通過時間が異なるように構成されている
    ことを特徴とする請求項10または請求項11記載の光
    ディスク情報書込制御装置。
  13. 【請求項13】前記スペース認識手段の認識結果に基づ
    いて前記パルス列の光出力の振幅を制御することを特徴
    とする請求項2記載の光ディスク情報書込制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003091818A (ja) * 2001-09-20 2003-03-28 Ricoh Co Ltd 情報記録方法及び情報記録装置
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