JPH09176819A - 複数の溶射機を用いた溶射方法 - Google Patents
複数の溶射機を用いた溶射方法Info
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- JPH09176819A JPH09176819A JP8035446A JP3544696A JPH09176819A JP H09176819 A JPH09176819 A JP H09176819A JP 8035446 A JP8035446 A JP 8035446A JP 3544696 A JP3544696 A JP 3544696A JP H09176819 A JPH09176819 A JP H09176819A
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- thermal spraying
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- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 材料を複合化する必要がなく、しかも異なる
材料からなる複合皮膜が容易に形成できる複数の溶射機
を用いた溶射方法を提供する。 【解決手段】 それぞれ異なる材料を溶射する複数の高
速火炎溶射機１０、１１を用いて、同一箇所に同時に溶
射する。
材料からなる複合皮膜が容易に形成できる複数の溶射機
を用いた溶射方法を提供する。 【解決手段】 それぞれ異なる材料を溶射する複数の高
速火炎溶射機１０、１１を用いて、同一箇所に同時に溶
射する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は複数の溶射機を用い
た溶射方法に係り、特に、その内の少なくとも一つの溶
射機には、金属・サーメット系の溶射に優れた高速火炎
溶射機を用いた溶射方法に関する。
た溶射方法に係り、特に、その内の少なくとも一つの溶
射機には、金属・サーメット系の溶射に優れた高速火炎
溶射機を用いた溶射方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】表面の耐腐食性や耐摩耗性を向上させる
ために、プラズマ溶射法や、火炎溶射法を用いて母材の
表面に溶射皮膜を形成することが行われている（例え
ば、特公昭６１−１５７８２号公報）。ところが、単一
組成の材料を溶射したのみでは、溶射皮膜と金属母材と
の物理的性質の相違から馴染みが悪いので、更に強固な
皮膜を形成するために、例えば金属とサーメット、サー
メットとセラミックスの複合物としたり、傾斜配合物と
することが行われている。
ために、プラズマ溶射法や、火炎溶射法を用いて母材の
表面に溶射皮膜を形成することが行われている（例え
ば、特公昭６１−１５７８２号公報）。ところが、単一
組成の材料を溶射したのみでは、溶射皮膜と金属母材と
の物理的性質の相違から馴染みが悪いので、更に強固な
皮膜を形成するために、例えば金属とサーメット、サー
メットとセラミックスの複合物としたり、傾斜配合物と
することが行われている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法で溶射皮膜の多層化、傾斜機能化を効率よく行うた
めには、組み合わせる溶射材料をそれぞれ超微粉（１
〜３μｍ）に粉砕し、これらを適当な比率に配合した
後、溶射粒子として使用し易い２０〜５０μｍの複合微
粉に造粒する必要があるが、この複合化する処理に極め
て手間がかかる。また溶射機を単純にブレンドして投
入した場合には材料に偏析が起こって、均一に溶射が出
来なかったり、あるいは残った複合材料の用途がない等
の問題がある。また、複数の材料を一つの溶射機を用い
て溶射を行えば、溶射距離、溶射角度、出力条件等の溶
射条件を何れかの溶射材料に合わせて溶射を行う必要が
あり、折衷的な条件で溶射を行う必要があった。このこ
とを具体的に説明すると、高速火炎溶射機の場合、パラ
メータの一つに溶射機のノズルのサイズがあり、自溶性
合金を溶射する場合には短いノズルで溶射を行う必要が
あり、Ｃｒ3 Ｃ2 ／ＮｉＣｒを溶射する場合には長いノ
ズルでないと溶射できないのが現状であり、これらの材
料を長短何れか一つの高速火炎溶射機では溶射施工が困
難であるという問題がある。本発明はかかる事情に鑑み
てなされたもので、材料を複合化する必要がなく、しか
も異なる材料からなる複合皮膜が容易に形成できる複数
の溶射機を用いた溶射方法を提供することを目的とす
る。
方法で溶射皮膜の多層化、傾斜機能化を効率よく行うた
めには、組み合わせる溶射材料をそれぞれ超微粉（１
〜３μｍ）に粉砕し、これらを適当な比率に配合した
後、溶射粒子として使用し易い２０〜５０μｍの複合微
粉に造粒する必要があるが、この複合化する処理に極め
て手間がかかる。また溶射機を単純にブレンドして投
入した場合には材料に偏析が起こって、均一に溶射が出
来なかったり、あるいは残った複合材料の用途がない等
の問題がある。また、複数の材料を一つの溶射機を用い
て溶射を行えば、溶射距離、溶射角度、出力条件等の溶
射条件を何れかの溶射材料に合わせて溶射を行う必要が
あり、折衷的な条件で溶射を行う必要があった。このこ
とを具体的に説明すると、高速火炎溶射機の場合、パラ
メータの一つに溶射機のノズルのサイズがあり、自溶性
合金を溶射する場合には短いノズルで溶射を行う必要が
あり、Ｃｒ3 Ｃ2 ／ＮｉＣｒを溶射する場合には長いノ
ズルでないと溶射できないのが現状であり、これらの材
料を長短何れか一つの高速火炎溶射機では溶射施工が困
難であるという問題がある。本発明はかかる事情に鑑み
てなされたもので、材料を複合化する必要がなく、しか
も異なる材料からなる複合皮膜が容易に形成できる複数
の溶射機を用いた溶射方法を提供することを目的とす
る。
【０００４】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項１
記載の複数の溶射機を用いた溶射方法は、異なる材料を
それぞれ溶射するプラズマ溶射機と高速火炎溶射機とを
用いて、同一箇所に同時に溶射している。請求項２記載
の複数の溶射機を用いた溶射方法は、請求項１記載の溶
射方法において、前記プラズマ溶射機によって溶射され
る材料はセラミックスからなり、前記高速火炎溶射機で
溶射される材料はサーメット又は金属からなる。請求項
３記載の複数の溶射機を用いた溶射方法は、それぞれ異
なる材料を溶射する複数の高速火炎溶射機を用いて、同
一箇所に同時に溶射している。そして、請求項４記載の
複数の溶射機を用いた溶射方法は、請求項１〜３のいず
れか１項に記載の溶射方法において、異なる材料によっ
て形成された溶射皮膜は、溶射された異なる材料が傾斜
配合されている。以上において、高速火炎溶射機とは灯
油（ケロシン）等の液体燃料を酸素を用いて燃焼させ、
温度が約２４００〜２６００℃程度、流速が２４００〜
２６００ｍ／秒程度の火炎に微粉からなる溶射材料を供
給して溶射を行う装置をいう。
記載の複数の溶射機を用いた溶射方法は、異なる材料を
それぞれ溶射するプラズマ溶射機と高速火炎溶射機とを
用いて、同一箇所に同時に溶射している。請求項２記載
の複数の溶射機を用いた溶射方法は、請求項１記載の溶
射方法において、前記プラズマ溶射機によって溶射され
る材料はセラミックスからなり、前記高速火炎溶射機で
溶射される材料はサーメット又は金属からなる。請求項
３記載の複数の溶射機を用いた溶射方法は、それぞれ異
なる材料を溶射する複数の高速火炎溶射機を用いて、同
一箇所に同時に溶射している。そして、請求項４記載の
複数の溶射機を用いた溶射方法は、請求項１〜３のいず
れか１項に記載の溶射方法において、異なる材料によっ
て形成された溶射皮膜は、溶射された異なる材料が傾斜
配合されている。以上において、高速火炎溶射機とは灯
油（ケロシン）等の液体燃料を酸素を用いて燃焼させ、
温度が約２４００〜２６００℃程度、流速が２４００〜
２６００ｍ／秒程度の火炎に微粉からなる溶射材料を供
給して溶射を行う装置をいう。
【０００５】
【作用】請求項１〜４記載の複数の溶射機を用いた溶射
方法においては、溶射皮膜を形成する個々の材料を独立
に溶射機に供給できるので、溶射材料毎に設定される最
適条件（溶射距離、材料供給量、溶射温度を含む出力条
件、溶射角度、材料供給位置、ノズル形状等溶射機のハ
ード状態）で溶射が行える。また、材料の複合化を行う
必要がなく、それぞれの材料を独立に溶射機に供給で
き、仮に溶射材料が残った場合でも、それを別の溶射材
料の原料として使用できる。そして、それぞれの溶射機
から溶射材料の噴出量を独立に制御でき、これによっ
て、任意の比率の複合溶射皮膜の形成ができる。更に
は、複数の材料を複合化した溶射材料を一つの溶射機で
溶射すると、未溶融の粒子が生じ易く、これが皮膜の機
械的強度や気孔率を低下させるが、複数の溶射機を用い
て最適の条件で溶射をすると、未溶融の粒子の発生を極
力防止できる。なお、複数の溶射機によって同一箇所を
溶射する場合には、溶射トーチを傾斜させる必要がある
が、溶射トーチの傾斜角度θが４５度未満になると、相
互の溶射機からの溶射粒子がぶつかり合って溶射皮膜の
形成が急激に低下するので、溶射トーチを立てる必要が
あり、傾斜角度θは相互の溶射トーチが干渉し合わない
９０度未満の角度（例えば７５〜８０度）となる。特
に、請求項１、２記載の複数の溶射機を用いた溶射方法
においては、プラズマ溶射機と高速火炎溶射機を用いて
いるので、それぞれに適合した材料を供給できる。即
ち、請求項２記載の複数の溶射機を用いた溶射方法のよ
うに、例えばプラズマ溶射機には融点の高いセラミック
スを供給し、高速火炎溶射機には、比較的融点の低い自
溶性合金、サーメット又は金属を供給して、これらの複
合材料からなる溶射皮膜を容易に形成できる。この場
合、高速火炎溶射機の方は火炎温度が低いので、サーメ
ットに変質が生じることもない。また、請求項３記載の
複数の溶射機を用いた溶射方法においては、複数の高速
火炎溶射機を用い、これに異なる溶射材料を供給して溶
射を行っているので、溶射条件を溶射材料に合わせて選
定でき、これによって適切な溶射が行える。即ち、具体
的には、自溶性合金を短いノズルを使用して、Ｃｒ3 Ｃ
2 ／ＮｉＣｒを長いノズルを使用して、それぞれを最適
条件で溶射できる。そして、請求項４記載の複数の溶射
機を用いた溶射方法においては、溶射皮膜が傾斜配合と
なっているので、金属母材に近い側に金属含有量を多く
し、表面側を非金属の含有量を多くすることができ、こ
れによってより金属母材に接合面が適合する溶射が行え
る。この場合には、材料毎に溶射機を独立に選択するこ
とによって、より効率的に更には任意の割合で複合化さ
れた溶射皮膜が形成できる。
方法においては、溶射皮膜を形成する個々の材料を独立
に溶射機に供給できるので、溶射材料毎に設定される最
適条件（溶射距離、材料供給量、溶射温度を含む出力条
件、溶射角度、材料供給位置、ノズル形状等溶射機のハ
ード状態）で溶射が行える。また、材料の複合化を行う
必要がなく、それぞれの材料を独立に溶射機に供給で
き、仮に溶射材料が残った場合でも、それを別の溶射材
料の原料として使用できる。そして、それぞれの溶射機
から溶射材料の噴出量を独立に制御でき、これによっ
て、任意の比率の複合溶射皮膜の形成ができる。更に
は、複数の材料を複合化した溶射材料を一つの溶射機で
溶射すると、未溶融の粒子が生じ易く、これが皮膜の機
械的強度や気孔率を低下させるが、複数の溶射機を用い
て最適の条件で溶射をすると、未溶融の粒子の発生を極
力防止できる。なお、複数の溶射機によって同一箇所を
溶射する場合には、溶射トーチを傾斜させる必要がある
が、溶射トーチの傾斜角度θが４５度未満になると、相
互の溶射機からの溶射粒子がぶつかり合って溶射皮膜の
形成が急激に低下するので、溶射トーチを立てる必要が
あり、傾斜角度θは相互の溶射トーチが干渉し合わない
９０度未満の角度（例えば７５〜８０度）となる。特
に、請求項１、２記載の複数の溶射機を用いた溶射方法
においては、プラズマ溶射機と高速火炎溶射機を用いて
いるので、それぞれに適合した材料を供給できる。即
ち、請求項２記載の複数の溶射機を用いた溶射方法のよ
うに、例えばプラズマ溶射機には融点の高いセラミック
スを供給し、高速火炎溶射機には、比較的融点の低い自
溶性合金、サーメット又は金属を供給して、これらの複
合材料からなる溶射皮膜を容易に形成できる。この場
合、高速火炎溶射機の方は火炎温度が低いので、サーメ
ットに変質が生じることもない。また、請求項３記載の
複数の溶射機を用いた溶射方法においては、複数の高速
火炎溶射機を用い、これに異なる溶射材料を供給して溶
射を行っているので、溶射条件を溶射材料に合わせて選
定でき、これによって適切な溶射が行える。即ち、具体
的には、自溶性合金を短いノズルを使用して、Ｃｒ3 Ｃ
2 ／ＮｉＣｒを長いノズルを使用して、それぞれを最適
条件で溶射できる。そして、請求項４記載の複数の溶射
機を用いた溶射方法においては、溶射皮膜が傾斜配合と
なっているので、金属母材に近い側に金属含有量を多く
し、表面側を非金属の含有量を多くすることができ、こ
れによってより金属母材に接合面が適合する溶射が行え
る。この場合には、材料毎に溶射機を独立に選択するこ
とによって、より効率的に更には任意の割合で複合化さ
れた溶射皮膜が形成できる。
【０００６】
【発明の効果】従って、請求項１〜４記載の複数の溶射
機を用いた溶射方法においては、溶射皮膜を形成する複
数の溶射材料に応じて溶射機を選定できるので、最適の
条件で溶射が行える。更に、複数の溶射材料を複合化等
をすることなく各溶射機に供給できるので、溶射材料費
が従来の混合材料に比較して廉価になり、更に複合化に
要する期間も必要ないので、製品の納期が早くなった。
具体的な効果として、高速火炎溶射機とプラズマ溶射機
を用い、ＷＣ／１２Ｃｏサーメットを高速火炎溶射機に
供給し、Ａｌ2 Ｏ3 系セラミックスをプラズマ溶射機に
よって溶射すると、未溶融粒子の減少もあって耐蝕性が
向上し、従来の約２倍の寿命を有する溶射皮膜の形成が
可能となった。また、２台の高速火炎溶射機を用い、一
方の高速火炎溶射機に自溶性合金を、他方の高速火炎溶
射機にＣｒ3 Ｃ2 ／ＮｉＣｒを供給することによって、
従来の一台の溶射機では出来なかった自溶性合金とＣｒ
3 Ｃ2 ／ＮｉＣｒサーメットの複合皮膜が容易に形成で
きた。ここで、自溶性合金とＣｒ3 Ｃ2 ／ＮｉＣｒサー
メットの複合皮膜は、Ｃｒ3 Ｃ2 ／ＮｉＣｒサーメット
の量を増加させると摩耗量が減り、自溶性合金とＣｒ3
Ｃ2 ／ＮｉＣｒサーメットの比率が３：７にすると、摩
耗試験（スガ式）による摩耗量が自溶性合金単体に比較
して半分になった。
機を用いた溶射方法においては、溶射皮膜を形成する複
数の溶射材料に応じて溶射機を選定できるので、最適の
条件で溶射が行える。更に、複数の溶射材料を複合化等
をすることなく各溶射機に供給できるので、溶射材料費
が従来の混合材料に比較して廉価になり、更に複合化に
要する期間も必要ないので、製品の納期が早くなった。
具体的な効果として、高速火炎溶射機とプラズマ溶射機
を用い、ＷＣ／１２Ｃｏサーメットを高速火炎溶射機に
供給し、Ａｌ2 Ｏ3 系セラミックスをプラズマ溶射機に
よって溶射すると、未溶融粒子の減少もあって耐蝕性が
向上し、従来の約２倍の寿命を有する溶射皮膜の形成が
可能となった。また、２台の高速火炎溶射機を用い、一
方の高速火炎溶射機に自溶性合金を、他方の高速火炎溶
射機にＣｒ3 Ｃ2 ／ＮｉＣｒを供給することによって、
従来の一台の溶射機では出来なかった自溶性合金とＣｒ
3 Ｃ2 ／ＮｉＣｒサーメットの複合皮膜が容易に形成で
きた。ここで、自溶性合金とＣｒ3 Ｃ2 ／ＮｉＣｒサー
メットの複合皮膜は、Ｃｒ3 Ｃ2 ／ＮｉＣｒサーメット
の量を増加させると摩耗量が減り、自溶性合金とＣｒ3
Ｃ2 ／ＮｉＣｒサーメットの比率が３：７にすると、摩
耗試験（スガ式）による摩耗量が自溶性合金単体に比較
して半分になった。
【０００７】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図１は本発明の一実施の形
態に係る複数の溶射機を用いた溶射方法の説明図であ
る。
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図１は本発明の一実施の形
態に係る複数の溶射機を用いた溶射方法の説明図であ
る。
【０００８】（第１の実施の形態）図１に示すように、
本発明の一実施の形態に係る複数の溶射機を用いた溶射
方法においては、第１の高速火炎溶射機１０と第２の高
速火炎溶射機１１を同時に使用し、金属母材の一例であ
る連続鋳造用鋳型直下のフットロール１２（ガイドロー
ルとして使用される）に溶射している。第１の高速火炎
溶射機１０、第２の高速火炎溶射機１１としては灯油及
び酸素を燃料として約２５００℃で、２５００〜２６０
０ｍ／秒の火炎を溶射材料と共に噴射させる能力を有す
るものを使用した。第１の高速火炎溶射機１０の溶射の
材料Ａとしては、自溶性合金（ＮｉＣｒＳｉＢ、ＣｏＣ
ｒＳｉＢ、ＦｅＣｒＳｉＢ等）を使用し、第２の高速火
炎溶射機１１の溶射の材料Ｂとしては、Ｃｒ3 Ｃ2 ／Ｎ
ｉＣｒサーメットを使用し、材料Ａ／材料Ｂ＝３／７と
した条件で溶射し、約０．９ｍｍの溶射皮膜１３を形成
した。この場合の第１の高速火炎溶射機１０の溶射距離
Ｌ1 は約３５０〜４００ｍｍ程度とし、第２の高速火炎
溶射機１１の溶射距離Ｌ2 は２５０〜３５０ｍｍとし
た。これによって、材料Ｂが変質することになく、材料
Ａと混合した状態で溶射されるので、付着力の大きい耐
摩耗性を有する複合性溶射皮膜１３が形成される。前記
条件で溶射したフットロール１２は、従来の自溶性合金
を溶射したフットロールの約３倍の寿命を有することが
確認された。
本発明の一実施の形態に係る複数の溶射機を用いた溶射
方法においては、第１の高速火炎溶射機１０と第２の高
速火炎溶射機１１を同時に使用し、金属母材の一例であ
る連続鋳造用鋳型直下のフットロール１２（ガイドロー
ルとして使用される）に溶射している。第１の高速火炎
溶射機１０、第２の高速火炎溶射機１１としては灯油及
び酸素を燃料として約２５００℃で、２５００〜２６０
０ｍ／秒の火炎を溶射材料と共に噴射させる能力を有す
るものを使用した。第１の高速火炎溶射機１０の溶射の
材料Ａとしては、自溶性合金（ＮｉＣｒＳｉＢ、ＣｏＣ
ｒＳｉＢ、ＦｅＣｒＳｉＢ等）を使用し、第２の高速火
炎溶射機１１の溶射の材料Ｂとしては、Ｃｒ3 Ｃ2 ／Ｎ
ｉＣｒサーメットを使用し、材料Ａ／材料Ｂ＝３／７と
した条件で溶射し、約０．９ｍｍの溶射皮膜１３を形成
した。この場合の第１の高速火炎溶射機１０の溶射距離
Ｌ1 は約３５０〜４００ｍｍ程度とし、第２の高速火炎
溶射機１１の溶射距離Ｌ2 は２５０〜３５０ｍｍとし
た。これによって、材料Ｂが変質することになく、材料
Ａと混合した状態で溶射されるので、付着力の大きい耐
摩耗性を有する複合性溶射皮膜１３が形成される。前記
条件で溶射したフットロール１２は、従来の自溶性合金
を溶射したフットロールの約３倍の寿命を有することが
確認された。
【０００９】（第２の実施の形態）次に、一方の溶射機
に高速火炎溶射機を用い、他方の溶射機にプラズマ溶射
機を用いた。高速火炎溶射機の溶射の材料Ｃとしては、
ＷＣ／１２Ｃｏサーメットを使用し、プラズマ溶射機の
溶射の材料Ｄとしては、Ａｌ2 Ｏ3 系のセラミックスを
使用し、材料Ｃ／材料Ｄ＝７／３とし、高速火炎溶射機
の溶射距離を２５０〜３５０ｍｍ程度とし、プラズマ溶
射機の溶射距離を７５ｍｍ程度として、溶融アルミのポ
ットロールに適用したが、これによって従来のＷＣ／１
２Ｃｏサーメット単独の溶射材料を溶射したものに比較
して、約３倍の寿命を有していることが確認された。
に高速火炎溶射機を用い、他方の溶射機にプラズマ溶射
機を用いた。高速火炎溶射機の溶射の材料Ｃとしては、
ＷＣ／１２Ｃｏサーメットを使用し、プラズマ溶射機の
溶射の材料Ｄとしては、Ａｌ2 Ｏ3 系のセラミックスを
使用し、材料Ｃ／材料Ｄ＝７／３とし、高速火炎溶射機
の溶射距離を２５０〜３５０ｍｍ程度とし、プラズマ溶
射機の溶射距離を７５ｍｍ程度として、溶融アルミのポ
ットロールに適用したが、これによって従来のＷＣ／１
２Ｃｏサーメット単独の溶射材料を溶射したものに比較
して、約３倍の寿命を有していることが確認された。
【００１０】なお、前記第１、第２の実施の形態におい
て、溶射費用は専用の複合粉末を使用した場合に比較し
て２／３に、製作納期を従来の方法に比較して著しく短
縮できた。また、前記実施の形態においては、溶射材料
を限定して説明したが、その他の溶射材料に本発明を適
用できることは当然であり、この場合それぞれの材料に
合わせて最適に溶射条件を設定できるので、従来に比較
して密着性を有し、更に用途に応じて耐摩耗性、耐蝕性
を有する優れた溶射皮膜を形成できる。なお、一般に融
点の高いセラミックスの場合にはプラズマ溶射機を、融
点の低い金属の場合には、高速火炎溶射機を使用するの
が好ましい。サーメットの場合には、プラズマ溶射機で
溶射すると、セラミックス分も溶解して変質し易いの
で、高速火炎溶射機で溶射するのが好ましく、これらの
複合材料による溶射皮膜を形成する場合には、それぞれ
に適用する溶射機を使用すると共に最適の溶射条件を選
定することによって、より目的に沿った溶射皮膜を形成
できる。
て、溶射費用は専用の複合粉末を使用した場合に比較し
て２／３に、製作納期を従来の方法に比較して著しく短
縮できた。また、前記実施の形態においては、溶射材料
を限定して説明したが、その他の溶射材料に本発明を適
用できることは当然であり、この場合それぞれの材料に
合わせて最適に溶射条件を設定できるので、従来に比較
して密着性を有し、更に用途に応じて耐摩耗性、耐蝕性
を有する優れた溶射皮膜を形成できる。なお、一般に融
点の高いセラミックスの場合にはプラズマ溶射機を、融
点の低い金属の場合には、高速火炎溶射機を使用するの
が好ましい。サーメットの場合には、プラズマ溶射機で
溶射すると、セラミックス分も溶解して変質し易いの
で、高速火炎溶射機で溶射するのが好ましく、これらの
複合材料による溶射皮膜を形成する場合には、それぞれ
に適用する溶射機を使用すると共に最適の溶射条件を選
定することによって、より目的に沿った溶射皮膜を形成
できる。
【００１１】そして、複数の溶射機を用いて別々の溶射
材料を同時に溶射する場合には、それぞれの溶射機の溶
射材料を徐々に変化させて、溶射材料を傾斜配合するこ
とも可能であり、例えば溶射皮膜の下部側には母材と親
密性の強い材料を溶射し、表面側には溶射皮膜によって
実際に要求される材料を溶射することが可能である。こ
れによって、従来の均一組織の皮膜より、更に付着強度
の強い、従って、寿命の長い溶射皮膜を形成することが
できる。勿論、この場合にも、溶射材料に応じてプラズ
マ溶射機と高速火炎溶射機とを適当に選択して行うこと
になる。
材料を同時に溶射する場合には、それぞれの溶射機の溶
射材料を徐々に変化させて、溶射材料を傾斜配合するこ
とも可能であり、例えば溶射皮膜の下部側には母材と親
密性の強い材料を溶射し、表面側には溶射皮膜によって
実際に要求される材料を溶射することが可能である。こ
れによって、従来の均一組織の皮膜より、更に付着強度
の強い、従って、寿命の長い溶射皮膜を形成することが
できる。勿論、この場合にも、溶射材料に応じてプラズ
マ溶射機と高速火炎溶射機とを適当に選択して行うこと
になる。
【図１】本発明の一実施の形態に係る複数の溶射機を用
いた溶射方法の説明図である。
いた溶射方法の説明図である。
１０ 第１の高速火炎溶射機 １１ 第２の高
速火炎溶射機 １２ フットロール １３ 溶射皮膜
速火炎溶射機 １２ フットロール １３ 溶射皮膜
Claims (4)
- 【請求項１】 異なる材料をそれぞれ溶射するプラズマ
溶射機と高速火炎溶射機とを用いて、同一箇所に同時に
溶射することを特徴とする複数の溶射機を用いた溶射方
法。 - 【請求項２】 前記プラズマ溶射機によって溶射される
材料はセラミックスであって、前記高速火炎溶射機で溶
射される材料はサーメット又は金属である請求項１記載
の複数の溶射機を用いた溶射方法。 - 【請求項３】 それぞれ異なる材料を溶射する複数の高
速火炎溶射機を用いて、同一箇所に同時に溶射すること
を特徴とする複数の溶射機を用いた溶射方法。 - 【請求項４】 異なる材料によって形成された溶射皮膜
は、溶射された異なる材料が傾斜配合されている請求項
１〜３のいずれか１項に記載の複数の溶射機を用いた溶
射方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8035446A JPH09176819A (ja) | 1995-10-24 | 1996-01-29 | 複数の溶射機を用いた溶射方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7-300631 | 1995-10-24 | ||
| JP30063195 | 1995-10-24 | ||
| JP8035446A JPH09176819A (ja) | 1995-10-24 | 1996-01-29 | 複数の溶射機を用いた溶射方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09176819A true JPH09176819A (ja) | 1997-07-08 |
Family
ID=26374436
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8035446A Pending JPH09176819A (ja) | 1995-10-24 | 1996-01-29 | 複数の溶射機を用いた溶射方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09176819A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1101832A1 (de) * | 1999-11-19 | 2001-05-23 | Basf Aktiengesellschaft | Verfahren zur kombinatorischen Herstellung einer Biblithek von Materialien |
-
1996
- 1996-01-29 JP JP8035446A patent/JPH09176819A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1101832A1 (de) * | 1999-11-19 | 2001-05-23 | Basf Aktiengesellschaft | Verfahren zur kombinatorischen Herstellung einer Biblithek von Materialien |
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