JPH09175475A - 駆動補助力付自転車の駆動補助装置 - Google Patents

駆動補助力付自転車の駆動補助装置

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JPH09175475A
JPH09175475A JP34165495A JP34165495A JPH09175475A JP H09175475 A JPH09175475 A JP H09175475A JP 34165495 A JP34165495 A JP 34165495A JP 34165495 A JP34165495 A JP 34165495A JP H09175475 A JPH09175475 A JP H09175475A
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JP
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force
drive
resultant
rotation angle
crankshaft
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Application number
JP34165495A
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English (en)
Inventor
Kosaku Yamauchi
幸作 山内
Shinobu Tsutsumigoshi
忍 堤腰
Hisao Nagai
久雄 永井
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】電動モータの駆動補助力によるアシスト比を正
確に1対1または任意の比率に制御可能にする。 【解決手段】駆動補助力付自転車の駆動補助装置10は、
合力装置30がクランク軸11に同軸的に設けられたものに
おいて、ペダル踏力回転部材61と、駆動補助力回転部材
67と、合力回転部材53と、3つの回転部材53,61,67の間
の相対回動を許容する伝達部材(コイルスプリング76)
と、合力回転部材53に対するペダル踏力回転部材61の回
転角の進み遅れを検知する第一相対回転角検知部94と、
合力回転部材53に対する駆動補助力回転部材67の回転角
の進み遅れを検知する第二相対回転角検知部95と、を備
えて構成するとともに、上記第一および第二相対回転角
検知部からの入力に基づいて、アシスト比を1対1およ
び所定の比率になるように電動モータ31の出力を制御す
る制御装置を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自転車の車体に電
動モータと合力装置を内蔵した駆動補助装置を搭載し、
電動モータの駆動補助力により乗員のペダル踏力をアシ
ストして登坂走行や向い風を受けながらの走行を容易に
した駆動補助力付自転車に関する。
【0002】
【従来の技術】このような駆動補助力付自転車の駆動補
助装置に内蔵されている合力装置は、クランク軸に加わ
る乗員のペダル踏力と電動モータの駆動補助力とを合成
し、その合力を駆動輪に伝えるもので、従来から遊星ギ
ヤ装置や差動装置等が広く用いられている。
【0003】この合力装置によりペダル踏力と駆動補助
力とを合成する際には、駆動補助力によるアシスト比、
即ちペダル踏力と駆動補助力の比率が常に一定になるよ
うに、好ましくはアシスト比が常に1対1になるように
電動モータの出力を制御し、ペダルを踏んだ感覚を自然
にして駆動補助力付自転車の走行フィーリングを良好に
保つ必要がある。その際、いかなる場合でも駆動補助力
がペダル踏力を上回ることがないよう、特に注意しなけ
ればならない。
【0004】従来の駆動補助装置は、ペダル踏力を専用
の検出手段(トルクセンサ等)により検出して、その信
号を制御装置(小型のCPU等)に入力し、この制御装
置がペダル踏力に合わせて電動モータに流す電流を制御
し、アシスト比を1対1あるいは任意の比率に設定して
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ペダル
踏力を検出する検出手段の精度や、電流値に対する電動
モータの出力特性、あるいは合力装置のフリクションロ
ス等は、各個体毎に僅かずつ差があり、これらの小さな
差が累積されれば、アシスト比が容易に変動してしま
う。
【0006】故に、アシスト比を正確に1対1あるいは
任意の比率に設定するには、ペダル踏力検出手段の精度
を始め、電動モータの出力特性、合力装置のフリクショ
ンロス等を厳密に全数チェックし、駆動補助装置を全部
組み立ててから再度電動モータの出力をチェックすると
いう検査工程が必要になり、これによって駆動補助装置
の生産性低下と多大なコストアップを余儀なくされる。
【0007】しかも、仮に新車時にバッテリが正しく充
電された条件の元でアシスト比が1対1であったとして
も、万一バッテリが過充電されて電動モータの出力が向
上した場合や、慣らし運転後に合力装置のフリクション
ロスが軽減して相対的に電動モータの出力が向上した場
合には、駆動補助力がペダル踏力を上回る場合があるの
で、必ずしもアシスト比が1対1にならない。
【0008】もし駆動補助力がペダル踏力を上回ると、
駆動補助力付自転車の走行フィーリングが不自然になる
ばかりか、乗員が予期しない加速力がもたらされるた
め、この事態を避けるために予め電動モータの出力を小
さめに設定し、バッテリが過充電されたり合力装置のフ
リクションロスが軽減した場合でも駆動補助力がペダル
踏力を上回らないようにする必要がある。
【0009】ところが、バッテリが過充電されたり合力
装置のフリクションロスが軽減した場合に備えて予め電
動モータの出力を小さめに設定すると、バッテリが正し
く充電されている時や、合力装置のフリクションロスの
大きい新車時においては電動モータの出力が低くなり過
ぎ、やはりアシスト比を1対1に保つことができない。
なお、バッテリの電圧が低下している時には電動モータ
の出力が一段と弱まり、一層アシスト比が小さくなる。
【0010】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、電動モータの駆動補助力によるア
シスト比を正確に1対1または任意の比率に制御するこ
とのできる駆動補助力付自転車の駆動補助装置を提供す
ることを目的とする。
【0011】また、本発明のもう一つの目的は、駆動補
助力付自転車の駆動補助装置をコンパクト化することに
ある。
【0012】そして、本発明のさらにもう一つの目的
は、駆動用ドライブチェーンのチェーンテンションの有
無により、アシスト比が影響を受けることを防止してア
シスト比を一層正確に保つことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る駆動補助力付自転車の駆動補助装置
は、請求項1に記載したように、ペダル踏力により回転
駆動されるクランク軸と、駆動補助力を発生する電動モ
ータと、上記クランク軸および電動モータの回転力を合
成して駆動輪側に出力する合力装置とを備え、上記合力
装置がクランク軸に同軸的に設けられた駆動補助力付自
転車の駆動補助装置において、この合力装置を、クラン
ク軸と一体に回転するペダル踏力回転部材と、電動モー
タの回転力を受けてペダル踏力回転部材と同一方向に回
転する駆動補助力回転部材と、クランク軸回りに回転自
在で、その回転が駆動輪側に出力される合力回転部材
と、ペダル踏力回転部材および駆動補助力回転部材の回
転を合力回転部材に伝達しつつ、これら3つの回転部材
の間の相対回動を許容する伝達部材と、合力回転部材に
対するペダル踏力回転部材の回転角の進み遅れを検知す
る第一相対回転角検知部と、合力回転部材に対する駆動
補助力回転部材の回転角の進み遅れを検知する第二相対
回転角検知部と、を備えて構成するとともに、上記第一
および第二相対回転角検知部からの入力に基づいて、合
力回転部材に対するペダル踏力回転部材の回転角の進み
量と、合力回転部材に対する駆動補助力回転部材の回転
角の進み量との比率が1対1および所定の比率になるよ
うに電動モータの出力を制御する制御装置を設けたこと
を特徴とするものである。
【0014】また、本発明に係る駆動補助力付自転車の
駆動補助装置は、請求項2に記載したように、電動モー
タの主軸をクランク軸に平行させ、この電動モータの駆
動補助力を減速して合力装置に伝達する駆動補助力減速
装置をケーシング内の一側に配置する一方、合力装置の
ペダル踏力回転部材にはペダル踏力入力回転板を、駆動
補助力回転部材には駆動補助力入力回転板を、合力回転
部材には合力回転板を、それぞれ回転一体に設け、これ
ら3枚の回転板をクランク軸の軸方向に並べ重ねて配置
することにより合力部を構成し、この合力部においてペ
ダル踏力入力回転板および駆動補助力入力回転板の回転
が伝達部材を介して合力回転板に伝達されるようにする
とともに、この合力部をケーシング内の駆動補助力減速
装置に対して反対側に配置し、合力装置の第一および第
二相対回転角検知部を、合力部と駆動補助力減速装置と
の間に配置した。
【0015】さらに、本発明に係る駆動補助力付自転車
の駆動補助装置は、請求項3に記載したように、合力装
置の合力回転部材にドライブスプロケットを回転一体に
設け、このドライブスプロケットと駆動輪に設けたドリ
ブンスプロケットとの間にドライブチェーンを巻き掛け
て駆動輪を駆動するようにし、合力装置の第一および第
二相対回転角検知部における検知ポイント(ミニチュア
ベアリング)を、クランク軸の中心軸線を通りドライブ
チェーンの張り側チェーンラインに直交する基準面に一
致する点に配置した。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る
駆動補助力付自転車の左側面図である。
【0017】この駆動補助力付自転車1は、例えば金属
管製の車体フレーム2を備えており、この車体フレーム
2の前頭部には前輪3を支持するフロントフォーク4が
ハンドルバー5やバスケット6等と共に左右回動自在に
設けられる一方、車体フレーム2の後部には後輪7が軸
支され、車体フレーム2の中央上部にはサドル8が設置
されている。
【0018】そして、車体フレーム2の中央下部には電
動モータが内蔵された駆動補助装置10が搭載されてい
る。この駆動補助装置10には車幅方向に延びるクランク
軸11が軸支されており、このクランク軸11の両端部にク
ランク12Lおよびクランク12R(図1中には非図示)が
回転一体に固定され、両クランク12L,12Rの先端部に
それぞれペダル13が回転自在に設けられている。
【0019】また、クランク軸11には駆動補助装置10の
右側に位置するドライブスプロケット14が軸装されてお
り、このドライブスプロケット14と、後輪7に設けられ
たドリブンスプロケット15との間にドライブチェーン16
が巻装されている。
【0020】クランク軸11は、サドル8に着座した乗員
が足でペダル13を漕ぐことより矢印Aで示す方向に回転
駆動され、ドライブスプロケット14はクランク軸11の回
転と電動モータの駆動補助力とを同時に受けてクランク
軸11と同一方向に回転し、このドライブスプロケット14
の回転がドライブチェーン16を経てドリブンスプロケッ
ト15に伝達されて後輪7が駆動される。
【0021】ところで、駆動補助装置10の上部には内蔵
された電動モータの出力を制御する制御装置18が取り付
けられている。また、合成樹脂等で形成されたフレーム
カバー19が車体フレーム2の前半部から駆動補助装置10
までを覆っており、このフレームカバー19には電動モー
タの電源となるバッテリユニット20が着脱可能に設けら
れている。このバッテリユニット20は、例えば十数個の
小型バッテリ21と図示しない充電器とが合成樹脂製のバ
ッテリケース22内に密封された構成となっている。
【0022】図2は、本発明の一実施形態を示す駆動補
助装置10の横断面図であり、図3は図2のIII-III 矢視
による駆動補助装置10の縦断面図である。また、図4は
駆動補助装置の右側面図である。
【0023】この駆動補助装置10の外殻をなすケーシン
グ25は、例えばアルミ合金製であり、図2に示すように
車幅方向の略中央に位置するセンターケース25Mと、こ
のセンターケース25Mの左右に固定されるサイドケース
25Lおよびサイドケース25Rからなる3分割式に構成さ
れている。これらのケース25M,25L,25Rは、ケーシ
ング25の右側から挿入される数本の固定ボルト26によっ
て締結固定される。
【0024】ケーシング25の後部には前記クランク軸11
が軸受27,28 を用いて回転自在に軸支されており、この
クランク軸11の両端はケーシング25から左右に突出し、
この突出部に前記クランク12Lおよび12Rがボルト29で
固定される。そして、このクランク軸11には合力装置30
が同軸的に設けられている。
【0025】一方、ケーシング25の前部には前述の電動
モータ31が設置される。この電動モータ31は、センター
ケース25Mの縦壁面に4本のスタッドボルト32とナット
33で固定されており、その主軸34がクランク軸11と平行
になるように設置されている。
【0026】また、センターケース25Mを挟んで電動モ
ータ31の反対側には遊星ローラ減速機構35が設置されて
いる。この遊星ローラ減速機構35は、センターケース25
Mにボルト36で固定されたリングローラ37と、このリン
グローラ37の中心に位置する太陽ローラ38と、リングロ
ーラ37の内周面および太陽ローラ38の外周面の間に圧入
気味に介装された4個の遊星ローラ39と、太陽ローラ38
に対して同軸的かつ相対回転自在に設けられた減速キャ
リア40とを備えて構成されている。
【0027】太陽ローラ38は電動モータ31の主軸34と同
軸線上に軸支されて主軸34に対し回転一体である。ま
た、減速キャリア40には太陽ローラ38に平行する4本の
ローラ軸41が固定されており、これらのローラ軸41に4
個の遊星ローラ39が軸受42を介して回転自在に軸支され
ている。さらに、減速キャリア40には一次ドライブギヤ
43が回転一体に設けられている。
【0028】電動モータ31が作動して主軸34が回転する
と、太陽ローラ38も一体に回転し、固定されたリングロ
ーラ37と回転する太陽ローラ38との間で各遊星ローラ39
が自転しながら太陽ローラ38の廻りを公転し、これによ
り減速キャリア40と一次ドライブギヤ43が減速回転駆動
される。
【0029】ところで、遊星ローラ減速機構35とクラン
ク軸11との間には中間軸45が回転自在に軸支されてお
り、この中間軸45の左寄りに回転一体に設けられた大径
な一次ドリブンギヤ46が遊星ローラ減速機構35の一次ド
ライブギヤ43に噛み合っている。また、中間軸45の右側
には小径な二次ドライブギヤ47がワンウェイクラッチ48
を介して軸支されており、この二次ドライブギヤ47は合
力装置30の左側に軸支された二次ドリブンギヤ49に噛み
合っている。
【0030】遊星ローラ減速機構35と、一次ドライブギ
ヤ43を始めとする4枚のギヤ43,46,47,49 は駆動補助力
減速装置50を構成しており、図2から明らかなように、
この駆動補助力減速装置50はケーシング25内の左側に配
置されている。電動モータ31の主軸34の回転は、この駆
動補助力減速装置50によって3段階に減速されてから合
力装置30に伝達される。
【0031】図2および図3中に矢印で示すように、電
動モータ31の主軸34と遊星ローラ減速機構35の太陽ロー
ラ38および減速キャリア40、一次ドライブギヤ43はB方
向に回転し、中間軸45および一次ドリブンギヤ46、二次
ドライブギヤ47はC方向に回転し、二次ドリブンギヤ49
はクランク軸11の回転方向であるA方向に回転する。図
5は、クランク軸11に同軸的に設けられた合力装置30
を、図3のV-V 線に沿って展開した拡大断面図である。
この合力装置30は、例えば次のように構成されている。
【0032】まず、合力装置30には合力回転部材53が設
けられている。この合力回転部材53は、クランク軸11の
外周を包み、クランク軸11に対して回転自在である筒状
のインナースリーブ54と、このインナースリーブ54の右
端付近に形成されたフランジ55にビス56(図2、図3中
に表示)で回転一体に固定された合力回転板57とを主体
にしている。
【0033】インナースリーブ54の右端はケーシング25
から右側方に突出しており、この突出部58に前記ドライ
ブスプロケット14が回転一体に固定される。一方、合力
回転板57は、図3に示すように側面視で略十字形であ
り、その4つの頂点には接線方向に延びる長方形のスプ
リング孔60a〜60dが穿設されている。
【0034】また、合力装置30にはペダル踏力回転部材
61が設けられている。このペダル踏力回転部材61は、合
力回転部材53のインナースリーブ54の外周に重なる筒状
のミドルスリーブ62と、このミドルスリーブ62の右端に
回転一体に設けられたペダル踏力入力回転板63とを主体
にしており、ペダル踏力入力回転板63は合力回転板57の
右側に隣接している。
【0035】クランク軸11の左端付近には、例えばラチ
ェット式のワンウェイクラッチ64が設けられており、そ
の周囲を囲む筒状のクラッチハウジング65は右方に延び
てペダル踏力回転部材61のミドルスリーブ62に外周側か
ら重なり、この重なった部分66がスプライン結合等によ
り回転一体に連結されている。
【0036】ワンウェイクラッチ64は、クランク軸11の
A方向への回転のみをクラッチハウジング65を経てペダ
ル踏力回転部材61に伝え、クランク軸11が逆転した場合
や、ペダル踏力回転部材61の回転速度がクランク軸11の
回転速度を上回るような場合にはクラッチ接続を断つよ
うに構成されている。乗員のペダル踏力によってクラン
ク軸11がA方向へ回転した時、ペダル踏力回転部材61は
クランク軸11と一体にA方向へ回転する。
【0037】さらに、合力装置30には駆動補助力回転部
材67が設けられている。この駆動補助力回転部材67は、
ワンウェイクラッチ64のクラッチハウジング65およびペ
ダル踏力回転部材61のミドルスリーブ62よりも外周側に
位置する太い筒状のアウタースリーブ68と、このアウタ
ースリーブ68の右端に回転一体に設けられた駆動補助力
入力回転板69とを有しており、駆動補助力入力回転板69
は合力回転板57の左側に隣接している。
【0038】駆動補助力回転部材67のアウタースリーブ
68の左端は前に述べた二次ドリブンギヤ49に噛合クラッ
チ71を介して回転一体に結合されているため、駆動補助
力回転部材67は電動モータ31の駆動補助力を受けてペダ
ル踏力回転部材61と同じくA方向に回転する。
【0039】図3に示すように、ペダル踏力入力回転板
63と、駆動補助力入力回転板69は、その相対角度が90゜
ずれており、ペダル踏力入力回転板63が合力回転板57の
対向する2つのスプリング孔60aおよび60cに右側から
重なり、駆動補助力入力回転板69が合力回転板57の残る
2つのスプリング孔60bおよび60dに左側から重るよう
になっている。
【0040】そして、図6および図7にも示すように、
ペダル踏力入力回転板63と駆動補助力入力回転板69の両
端部には、合計4個のスプリングホルダ72が、それぞれ
2本のボルト73で固定されている。これらのスプリング
ホルダ72は、ペダル踏力入力回転板63には左側に、駆動
補助力入力回転板69には右側に固定されていて、合力回
転板57の4つのスプリング孔60a〜60dの部分が、ペダ
ル踏力入力回転板63または駆動補助力入力回転板69とス
プリングホルダ72とによって包囲される構成となってい
る。
【0041】ペダル踏力入力回転板63および駆動補助力
入力回転板69の両端部と、各スプリングホルダ72には、
合力回転板57の4つのスプリング孔60a〜60dに重なる
位置にスプリング凹部74が形成されており(図6、図7
参照)、これらの8つのスプリング凹部74と4つのスプ
リング孔60a〜60dとによって合計4室の円柱形のスプ
リング室75が形成され、これらのスプリング室75内にそ
れぞれコイルスプリング76が弾装されている。
【0042】ペダル踏力入力回転板63および駆動補助力
入力回転板69の回転は、それぞれコイルスプリング76を
介して合力回転板57に伝達される。このコイルスプリン
グ76は伸縮するため、その伸縮量だけペダル踏力入力回
転板63と合力回転板57との間、そして駆動補助力入力回
転板69と合力回転板57との間における相対回動が許容さ
れる。この相対回動は、図6および図7に示す各スプリ
ングホルダ72のストッパ部72aに、合力回転板57のエッ
ジ57aが当接するまでに止まる。
【0043】このように、コイルスプリング76は、ペダ
ル踏力入力回転板63および駆動補助力入力回転板69の回
転を合力回転板57に伝達しつつ、これら3枚の回転板の
間の相対回動を許容する伝達部材として機能する。な
お、合力装置30の3枚の回転板57,63,69およびスプリン
グホルダ72、コイルスプリング76は合力装置30の合力部
78を構成しており、図2から明らかなように、この合力
部78はケーシング25内の駆動補助力減速装置50に対して
反対側、即ち右側に配置されている。
【0044】図8は、図5のVIII-VIII 線に沿う合力装
置30の縦断面図である。図5および図8に示すように、
駆動補助力回転部材67のアウタースリーブ68の外周に
は、円筒状の第一ポジションスリーブ79と、さらにその
外側に重なる第二ポジションスリーブ80とが、それぞれ
回転自在かつ軸方向にも摺動自在に挿入されている。こ
の第一および第二ポジションスリーブ79,80 には、それ
ぞれの周囲を一周するセンサ溝79a,80aが刻設されて
いる。
【0045】そして、合力回転部材53のインナースリー
ブ54の中間部には、周方向に180 ゜の間隔を隔てて2本
のスラストカムピン81が突設されている。この2本のス
ラストカムピン81は円柱状に形成されており、その基部
がインナースリーブ54に堅固に締結されている。そし
て、このスラストカムピン81はインナースリーブ54から
放射方向に起立してミドルスリーブ62とアウタースリー
ブ68、さらに第一、第二ポジションスリーブ79,80 を貫
通している。
【0046】ミドルスリーブ62とアウタースリーブ68に
は、スラストカムピン81が貫通する貫通孔82,83 が穿設
されている。この貫通孔82,83 の内径は、スラストカム
ピン81が干渉しないように充分大きく設定されている。
また、第一、第二ポジションスリーブ79,80 には、図8
に示すように、クランク軸11の軸方向に沿う長円孔状の
スラストカム孔84が穿設されている。このスラストカム
孔84の幅は、スラストカムピン81が自在に、かつ遊びを
持つことなくスライド可能な大きさに設定されている。
【0047】また、ミドルスリーブ62には、周方向に18
0 ゜の間隔を隔てて2本の第一ラジアルカムピン86が突
設されている。この第一ラジアルカムピン86も、スラス
トカムピン81と同じく円柱状に形成されており、その基
部がミドルスリーブ62に締結され、ミドルスリーブ62か
ら放射方向に起立してアウタースリーブ68と第一、第二
ポジションスリーブ79,80 を貫通している。
【0048】アウタースリーブ68と第二ポジションスリ
ーブ80には、第一ラジアルカムピン86が干渉せずに貫通
する貫通孔87,88 が穿設され、第一ポジションスリーブ
79にはクランク軸11の軸方向に対して傾斜した短い長円
孔状の第一ラジアルカム孔89が穿設されている。この第
一ラジアルカム孔89の幅は、第一ラジアルカムピン86が
自在に、かつ遊びを持つことなくスライドできる大きさ
に定められている。
【0049】さらに、アウタースリーブ68には、周方向
に180 ゜の間隔を隔てて2本の第二ラジアルカムピン91
が突設されている。この第二ラジアルカムピン91も短い
円柱状で、その基部がアウタースリーブ68に締結されて
おり、アウタースリーブ68から放射方向に起立して第
一、第二ポジションスリーブ79,80 を貫通している。
【0050】第一ポジションスリーブ79には、第二ラジ
アルカムピン91が干渉せずに貫通する貫通孔92が穿設さ
れ、第二ポジションスリーブ80にはクランク軸11の軸方
向に対して傾斜した短い長円孔状の第二ラジアルカム孔
93が穿設されている。この第二ラジアルカム孔93は、第
二ラジアルカムピン91が自在に、かつ遊びを持つことな
くスライド可能な幅を持っている。
【0051】第一および第二ポジションスリーブ79,80
は、スラストカムピン81の作用により合力回転部材53
(インナースリーブ54)に対して回転一体であり、クラ
ンク軸11の軸方向には移動可能である。そして、第一ポ
ジションスリーブ79の第一ラジアルカム孔89と第二ポジ
ションスリーブ80の第二ラジアルカム孔93の傾斜方向
は、共に右ねじの傾斜方向とされている。
【0052】したがって、A方向へ回転する合力回転部
材53(インナースリーブ54)に対してペダル踏力回転部
材61(ミドルスリーブ62)の回転角が進んだ場合(進角
時)には第一ポジションスリーブ79が図5中で右方に移
動し、ペダル踏力回転部材61(ミドルスリーブ62)の回
転角が遅れた場合(遅角時)には第一ポジションスリー
ブ79が左方に移動する。
【0053】また、合力回転部材53(インナースリーブ
54)に対して駆動補助力回転部材67(アウタースリーブ
68)の回転角が進んだ場合には第二ポジションスリーブ
80が図5中で右方に移動し、駆動補助力回転部材67(ア
ウタースリーブ68)の回転角が遅れた場合には第二ポジ
ションスリーブ80が左方に移動する。
【0054】一方、ケーシング25にはポテンショメータ
等を用いた第一相対回転角検知部94と第二相対回転角検
知部95が設けられている。図4に示すように、例えば第
一相対回転角検知部94はボルト96で合力装置30の下方に
固定されており、第二相対回転角検知部95はボルト97で
合力装置30の上方に固定されている。
【0055】また、図2に示すように、この第一および
第二相対回転角検知部94,95 は、ケーシング25内におい
て、駆動補助力減速装置50と、合力装置30の合力部78と
の間に配置されている。そして、図9にも示すように、
第一、第二相対回転角検知部94,95 には回動アーム98,9
9 が設けられており、各回動アーム98,99 の先端にミニ
チュアベアリング101,102 が回転自在に軸支されてい
る。
【0056】ここで、図4に示すようにドライブチェー
ン16の張り側チェーンライン16aに直交してクランク軸
11の中心軸線を通る基準面Dを想定した場合、第一、第
二相対回転角検知部94,95 の検知ポイントであるミニチ
ュアベアリング101,102 は上記基準面Dに一致する点
E,Fに配置されている。
【0057】そして、第一相対回転角検知部94のミニチ
ュアベアリング101 が第一ポジションスリーブ79のセン
サ溝79a内に、第二相対回転角検知部95のミニチュアベ
アリング102 が第二ポジションスリーブ80のセンサ溝80
a内に、それぞれ摺動自在に、かつ幅方向には遊びを持
たないように嵌合される。
【0058】このため、第一ポジションスリーブ79と第
二ポジションスリーブ80の左右方向(クランク軸11の軸
方向)への動き、即ち合力回転部材53に対するペダル踏
力回転部材61の回転角の進み遅れと、合力回転部材53に
対する駆動補助力回転部材67の回転角の進み遅れとが、
第一、第二相対回転角検知部94,95 によってそれぞれ個
別に検知されるようになっている。
【0059】合力装置30は以上のように構成されてお
り、図10に示すように第一および第二相対回転角検知部
94,95 は制御装置18に電気的に接続されていて、第一、
第二相対回転角検知部94,95 の測定による第一、第二ポ
ジションスリーブ79,80 の軸方向への移動方向および移
動量が制御装置18に入力されるようになっている。な
お、制御装置18にはバッテリユニット20、電動モータ3
1、回転速度センサ103 等の機器類が電気的に接続され
ている。
【0060】回転速度センサ103 は図3に示すようにセ
ンターケース25Mの左側面にボルト104 で固定されたセ
ンサである。また、例えば二次ドリブンギヤ49の左側に
は円盤状の回転センサプレート105 がクランク軸11に対
して回転一体に設けられており、この回転センサプレー
ト105 の外周部に一定の間隔で設けられた凹凸形状106
の動きを回転速度センサ103 が読み取ることによってク
ランク軸11の回転速度が検出され、そのデータが制御装
置18に入力されるようになっている。
【0061】次に、このように構成された駆動補助装置
10の作用について説明する。
【0062】駆動補助力付自転車1の走行時には、クラ
ンク軸11がペダル踏力を受けてA方向に回転し、このク
ランク軸11の回転がワンウェイクラッチ64を経て合力装
置30のペダル踏力回転部材61に伝達され、ペダル踏力回
転部材61がA方向へ回転駆動される。一方、電動モータ
31の駆動補助力は駆動補助力減速装置50により減速され
て合力装置30の駆動補助力回転部材67に伝達され、駆動
補助力回転部材67も同じくA方向に回転駆動される。
【0063】合力装置30におけるペダル踏力回転部材61
(ペダル踏力入力回転板63)と駆動補助力回転部材67
(駆動補助力入力回転板69)の回転力は、それぞれコイ
ルスプリング76を介して合力回転部材53(合力回転板5
7)に伝達され、合力回転部材53をA方向に回転させ
る。この合力回転部材53の回転力はペダル踏力と駆動補
助力の合力であり、この合力がドライブスプロケット14
とチェーン16とドリブンスプロケット15によって駆動輪
である後輪7に出力される。このため、電動モータ31の
駆動補助力によりペダル踏力がアシストされ、小さなペ
ダル踏力でも楽に駆動補助力付自転車1を走行させるこ
とができる。
【0064】なお、乗員がペダル13を漕ぐのを止めた
り、クランク軸11を逆回転させた場合には、ワンウェイ
クラッチ64の作用によりペダル踏力回転部材61の回転が
停止する。
【0065】このように走行している時、合力装置30の
合力回転部材53には後輪7からの負荷が掛っているた
め、合力回転部材53の合力回転板57に対してペダル踏力
入力回転板63と駆動補助力入力回転板69の回転角が進む
(進角する)傾向となり、4個のコイルスプリング76が
圧縮されて合力回転板57と、ペダル踏力入力回転板63お
よび駆動補助力入力回転板69との間に相対回動が起き
る。
【0066】アシスト比が1対1である場合、つまりペ
ダル踏力と補助動力の強度が均等である場合には、合力
回転板57に対するペダル踏力入力回転板63の回転角の進
み量と、合力回転板57に対する駆動補助力入力回転板69
の回転角の進み量との比率が1対1となる。この時に
は、インナースリーブ54に対してミドルスリーブ62とア
ウタースリーブ68の回転角が同じ角度だけ進み(進角
し)、第一ポジションスリーブ79も第二ポジションスリ
ーブ80も共に右方に同じ距離だけ移動する。
【0067】しかし、例えばペダル踏力が駆動補助力よ
りも強大になってアシスト比が1対1でなくなった場合
には、合力回転板57に対するペダル踏力入力回転板63の
回転角の進み量が一層大きくなる反面、合力回転板57に
対する駆動補助力入力回転板69の回転角の進み量は減少
する。このため、第一ポジションスリーブ79は右方に一
層大きく移動し、第二ポジションスリーブ80は左方に移
動する。
【0068】反対に、駆動補助力がペダル踏力よりも強
大になった場合には、合力回転板57に対するペダル踏力
入力回転板63の回転角の進み量が減少する一方、合力回
転板57に対する駆動補助力入力回転板69の回転角の進み
量は大きくなり、第一ポジションスリーブ79は左方に移
動し、第二ポジションスリーブ80は右方に大きく移動す
る。
【0069】そして、このような第一および第二ポジシ
ョンスリーブ79,80 の移動方向および移動量が第一、第
二相対回転角検知部94,95 によって個別に検知され、そ
のデータが制御装置18に入力される。制御装置18は、こ
の第一、第二相対回転角検知部94,95 からの入力に基づ
いて、合力回転部材53に対するペダル踏力回転部材61の
回転角の進み量と、合力回転部材53に対する駆動補助力
回転部材67の回転角の進み量との比率が常に1対1にな
るように電動モータ31の出力を細かく制御する。
【0070】即ち制御装置18は、第一ポジションスリー
ブ79と第二ポジションスリーブ80が同じ方向に同じ量だ
け移動している状態の時にはアシスト比が1対1である
と見なして電動モータ31の出力をそのまま維持し、例え
ば第一ポジションスリーブ79が右方に、第二ポジション
スリーブ80が左方に移動した時には電動モータ31の出力
を向上させ、逆に第一ポジションスリーブ79が左方に、
第二ポジションスリーブ80が右方に移動した時には電動
モータ31の出力を低下させる。
【0071】なお、合力回転部材53に対するペダル踏力
回転部材61の回転角の進み量をPとし、合力回転部材53
に対する駆動補助力回転部材67の回転角の進み量をMと
した場合、PとMの比率を制御装置18に任意に設定させ
ることにより、アシスト比を1対1に限らず任意の比率
に設定することもできる。例えば、PとMの比率を1対
0.5 に設定した場合、ペダル踏力に対して補助動力が半
分となる。
【0072】このPとMの比率は、走行中に連続的に変
化させることも可能である。例えば駆動補助力付自転車
1の発進時にはアシスト比を最大比率の1対1に設定
し、車速が高まるにつれてアシスト比を低くして行け
ば、人力の負担を低減しつつ電動モータ31の消費電力を
大幅に省くことができ、バッテリユニット20の放電量を
抑えて走行距離を大きく伸ばすことができる。
【0073】さらに、制御装置18は回転速度センサ103
から入力されるクランク軸11の回転速度から車速を判断
し、例えば車速が一定以上になった時には電動モータ31
への電力供給量を減少させるか0にして車速が過大にな
らないようにする。
【0074】なお、この補助動力アシスト式自転車1
は、電動モータ31を作動させずにペダル踏力だけで走行
することもできる。この場合は、ペダル踏力を受けて合
力装置30全体がドライブスプロケット14とともにA方向
に回転し、ドライブスプロケット14の回転が後輪7に伝
達される。この時、合力装置30と共に二次ドリブンギヤ
49もA方向に回転し、二次ドライブギヤ47が逆駆動され
るが、ワンウェイクラッチ48の接続が断たれるので一次
ドリブンギヤ46と一次ドライブギヤ43、そして遊星ロー
ラ減速機構35と電動モータ31は逆駆動されない。このた
め、ペダル踏力が非常に軽く保たれ、普通の自転車と同
様に軽快に走行することができる。
【0075】以上のように駆動補助装置10を構成すれ
ば、ペダル踏力と駆動補助力とが合成される合力装置30
の部分で、直接的かつ機械的にアシスト比が検出される
ので、アシスト比を誤差なく正確に割り出すことができ
る。このため、従来のようにクランク軸11に加わるペダ
ル踏力を一旦検出し、それに合わせて電動モータ31の出
力を制御するという必要性がなく、ペダル踏力を検出す
るトルクセンサ等の検出手段が不要になる。
【0076】したがって、このペダル踏力検出手段の誤
差を考慮しなくてもよく、しかも電動モータ31の正味出
力によりアシスト比が1対1あるいは任意の比率に設定
されるので、電動モータ31の出力特性のばらつきや、バ
ッテリユニット20の充電状態、あるいは慣らし運転の前
後における合力装置30のフリクションロスの変化等によ
るアシスト比への影響を一切無視することができ、アシ
スト比を正確かつ容易に制御することができる。
【0077】しかも、この合力装置30の構造によれば、
常に大きさが変動するペダル踏力に合わせて電動モータ
31の出力を小刻みに変動させても、その出力変動のショ
ックが合力装置30のコイルスプリング76の伸縮によって
吸収されるため、ペダル13を漕ぐ乗員の足にショックが
伝わることがなく、駆動補助力付自転車1の乗車感が非
常に良い。
【0078】また、この駆動補助装置10の構成では、電
動モータ31の主軸34をクランク軸11に平行させ、駆動補
助力減速装置50をケーシング25内の一側(例えば左側)
に配置する一方、合力装置30の合力部78をケーシング25
内の駆動補助力減速装置50に対して反対側(例えば右
側)に配置し、第一および第二相対回転角検知部94,95
を駆動補助力減速装置50と合力部78との間に配置したの
で、第一、第二相対回転角検知部94,95 をクランク軸11
に近付けて合力装置30全体の側面輪郭を縮め、駆動補助
装置10のコンパクト化を図ることができる。
【0079】しかも、駆動補助力減速装置50と合力部78
との間にできるデッドスペースに第一、第二相対回転角
検知部94,95 が配置されるので、ケーシング25内のデッ
ドスペースの有効利用を図ることができる。
【0080】そして、この駆動補助装置10では、合力装
置30の第一および第二相対回転角検知部94,95 の検知ポ
イントであるミニチュアベアリング101,102 を、クラン
ク軸11の中心軸線を通りドライブチェーン16の張り側チ
ェーンライン16aに直交する基準面Dに一致する点に配
置したので、次のような効果がもたらされる。
【0081】即ち、ドライブチェーン16が巻装されるド
ライブスプロケット14は合力装置30の最も右寄りに設け
られているため、ドライブスプロケット14が回転駆動さ
れる時には、張り側チェーンライン16aのチェーンテン
ションにより、合力装置30全体を平面視で右回り(時計
回り)に回転させようとするモーメントが発生する。こ
のため、合力装置30の第一および第二ポジションスリー
ブ79,80 は、その前側(図4に示すG点付近)が右方
に、後側(H点付近)が左方に寄る形で僅かに傾斜す
る。
【0082】したがって、上記G点あるいはH点付近に
第一、第二相対回転角検知部94,95のミニチュアベアリ
ング101,102 を配置した場合、このようなチェーンテン
ションの影響による第一、第二ポジションスリーブ79,8
0 の傾斜を第一、第二相対回転角検知部94,95 が全て感
知してしまうので、第一、第二相対回転角検知部94,95
の検知精度が狂ってしまい、アシスト比が不正確になっ
てしまう。
【0083】しかし、第一、第二ポジションスリーブ7
9,80 は前記基準面Dが横切るE点,F点を軸にして傾
斜するため、このE点,F点では第一、第二ポジション
スリーブ79,80 の左右への移動量がゼロとなる。したが
って、このE点またはF点に第一、第二相対回転角検知
部94,95 のミニチュアベアリング101,102 を配置すれ
ば、チェーンテンションによる第一、第二ポジションス
リーブの79,80 傾斜を第一、第二相対回転角検知部94,9
5 が感知することがなくなり、アシスト比をより一層正
確に制御することができる。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る駆動
補助力付自転車の駆動補助装置は、乗員のペダル踏力と
電動モータの駆動補助力とを合成して駆動輪側に出力す
る合力装置がクランク軸に同軸的に設けられたものにお
いて、上記合力装置を、クランク軸と一体に回転するペ
ダル踏力回転部材と、電動モータの回転力を受けてペダ
ル踏力回転部材と同一方向に回転する駆動補助力回転部
材と、クランク軸回りに回転自在で、その回転が駆動輪
側に出力される合力回転部材と、ペダル踏力回転部材お
よび駆動補助力回転部材の回転を合力回転部材に伝達し
つつ、これら3つの回転部材の間の相対回動を許容する
伝達部材と、合力回転部材に対するペダル踏力回転部材
の回転角の進み遅れを検知する第一相対回転角検知部
と、合力回転部材に対する駆動補助力回転部材の回転角
の進み遅れを検知する第二相対回転角検知部と、を備え
て構成するとともに、上記第一および第二相対回転角検
知部からの入力に基づいて、合力回転部材に対するペダ
ル踏力回転部材の回転角の進み量と、合力回転部材に対
する駆動補助力回転部材の回転角の進み量との比率が1
対1および所定の比率になるように電動モータの出力を
制御する制御装置を設けたことを特徴とするものであ
る。
【0085】このように構成すれば、ペダル踏力と駆動
補助力とが合成される合力装置の部分で、直接的かつ機
械的にアシスト比が検出されるので、アシスト比を誤差
なく正確に割り出すことができる。
【0086】しかも電動モータの正味出力によりアシス
ト比が1対1あるいは任意の比率に設定されるので、電
動モータの出力特性のばらつきや、バッテリユニットの
充電状態、あるいは慣らし運転の前後における合力装置
のフリクションロスの変化等によるアシスト比への影響
を一切無視することができ、アシスト比を正確かつ容易
に制御することができる。
【0087】また、本発明に係る駆動補助力付自転車の
駆動補助装置は、電動モータの主軸をクランク軸に平行
させ、この電動モータの駆動補助力を減速して合力装置
に伝達する駆動補助力減速装置をケーシング内の一側に
配置する一方、合力装置のペダル踏力回転部材にはペダ
ル踏力入力回転板を、駆動補助力回転部材には駆動補助
力入力回転板を、合力回転部材には合力回転板を、それ
ぞれ回転一体に設け、これら3枚の回転板をクランク軸
の軸方向に並べ重ねて配置することにより合力部を構成
し、この合力部においてペダル踏力入力回転板および駆
動補助力入力回転板の回転が伝達部材を介して合力回転
板に伝達されるようにするとともに、この合力部をケー
シング内の駆動補助力減速装置に対して反対側に配置
し、合力装置の第一および第二相対回転角検知部を、合
力部と駆動補助力減速装置との間に配置したものであ
る。
【0088】このように構成すれば、第一および第二相
対回転角検知部をクランク軸に近付けて合力装置全体の
側面輪郭を縮め、駆動補助装置のコンパクト化を図るこ
とができる。
【0089】さらに、本発明に係る駆動補助力付自転車
の駆動補助装置は、合力装置の合力回転部材にドライブ
スプロケットを回転一体に設け、このドライブスプロケ
ットと駆動輪に設けたドリブンスプロケットとの間にド
ライブチェーンを巻き掛けて駆動輪を駆動するように
し、合力装置の第一および第二相対回転角検知部におけ
る検知ポイントを、クランク軸の中心線を通りドライブ
チェーンの張り側チェーンラインに直交する基準面に一
致する点に配置したので、チェーンテンションによる合
力装置の微小な傾斜を第一、第二相対回転角検知部が感
知することがなくなり、アシスト比をより一層正確に制
御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る駆動補助力付自転車の左側面図。
【図2】本発明の一実施形態を示す駆動補助装置の横断
面図。
【図3】図2のIII-III 矢視による駆動補助装置の縦断
面図。
【図4】駆動補助装置の右側面図。
【図5】図3のV-V 線に沿って展開した合力装置の拡大
断面図。
【図6】図5のVI-VI 線に沿う断面図。
【図7】図5のVII-VII 線に沿う断面図。
【図8】図5のVIII-VIII 線に沿う合力装置の縦断面
図。
【図9】第一および第二相対回転角検知部の平面図。
【図10】駆動補助装置の制御系統を示すブロック図。
【符号の説明】
1 駆動補助力付自転車 2 車体フレーム 7 駆動輪である後輪 10 駆動補助装置 11 クランク軸 14 ドライブスプロケット 15 ドリブンスプロケット 16 ドライブチェーン 16aドライブチェーンの張り側チェーンライン 18 制御装置 25 ケーシング 30 合力装置 31 電動モータ 34 電動モータの主軸 50 駆動補助力減速装置 53 合力回転部材 57 合力回転板 61 ペダル踏力回転部材 63 ペダル踏力入力回転板 67 駆動補助力回転部材 69 駆動補助力入力回転板 76 伝達部材としてのコイルスプリング 94 第一相対回転角検知部 95 第二相対回転角検知部 101,102 第一および第二相対回転角検知部の検知ポイン
トであるミニチュアベアリング D クランク軸の中心軸線を通りドライブチェーンの張
り側チェーンラインに直交する基準面 E,F 基準面Dに一致する点

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペダル踏力により回転駆動されるクラン
    ク軸11と、駆動補助力を発生する電動モータ31と、上記
    クランク軸11および電動モータ31の回転力を合成して駆
    動輪側に出力する合力装置30とを備え、上記合力装置30
    がクランク軸11に同軸的に設けられた駆動補助力付自転
    車の駆動補助装置において、この合力装置30を、クラン
    ク軸11と一体に回転するペダル踏力回転部材61と、電動
    モータ31の回転力を受けてペダル踏力回転部材61と同一
    方向に回転する駆動補助力回転部材67と、クランク軸11
    回りに回転自在で、その回転が駆動輪側に出力される合
    力回転部材53と、ペダル踏力回転部材61および駆動補助
    力回転部材67の回転を合力回転部材53に伝達しつつ、こ
    れら3つの回転部材53,61,67の間の相対回動を許容する
    伝達部材(コイルスプリング76)と、合力回転部材53に
    対するペダル踏力回転部材61の回転角の進み遅れを検知
    する第一相対回転角検知部94と、合力回転部材53に対す
    る駆動補助力回転部材67の回転角の進み遅れを検知する
    第二相対回転角検知部95と、を備えて構成するととも
    に、上記第一および第二相対回転角検知部94,95 からの
    入力に基づいて、合力回転部材53に対するペダル踏力回
    転部材61の回転角の進み量と、合力回転部材53に対する
    駆動補助力回転部材67の回転角の進み量との比率が1対
    1および所定の比率になるように電動モータ31の出力を
    制御する制御装置18を設けたことを特徴とする駆動補助
    力付自転車の駆動補助装置10。
  2. 【請求項2】 電動モータ31の主軸34をクランク軸11に
    平行させ、この電動モータ31の駆動補助力を減速して合
    力装置30に伝達する駆動補助力減速装置50をケーシング
    25内の一側に配置する一方、合力装置30のペダル踏力回
    転部材61にはペダル踏力入力回転板63を、駆動補助力回
    転部材67には駆動補助力入力回転板69を、合力回転部材
    53には合力回転板57を、それぞれ回転一体に設け、これ
    ら3枚の回転板57,63,69をクランク軸11の軸方向に並べ
    重ねて配置することにより合力部78を構成し、この合力
    部78においてペダル踏力入力回転板63および駆動補助力
    入力回転板69の回転が伝達部材(コイルスプリング76)
    を介して合力回転板57に伝達されるようにするととも
    に、この合力部78をケーシング25内の駆動補助力減速装
    置50に対して反対側に配置し、合力装置30の第一および
    第二相対回転角検知部94,95 を、合力部78と駆動補助力
    減速装置50との間に配置した請求項1に記載の駆動補助
    力付自転車の駆動補助装置10。
  3. 【請求項3】 合力装置30の合力回転部材53にドライブ
    スプロケット14を回転一体に設け、このドライブスプロ
    ケット14と駆動輪(後輪7)に設けたドリブンスプロケ
    ット15との間にドライブチェーン16を巻き掛けて駆動輪
    を駆動するようにし、合力装置30の第一および第二相対
    回転角検知部94,95 における検知ポイント(ミニチュア
    ベアリング101,102 )を、クランク軸11の中心軸線を通
    りドライブチェーン16の張り側チェーンライン16aに直
    交する基準面Dに一致する点E,Fに配置した請求項1
    に記載の駆動補助力付自転車の駆動補助装置10。
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