JPH09174483A - 気密グローブボックス - Google Patents

気密グローブボックス

Info

Publication number
JPH09174483A
JPH09174483A JP33730195A JP33730195A JPH09174483A JP H09174483 A JPH09174483 A JP H09174483A JP 33730195 A JP33730195 A JP 33730195A JP 33730195 A JP33730195 A JP 33730195A JP H09174483 A JPH09174483 A JP H09174483A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
glove
work
airtight
glove box
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP33730195A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhito Todoki
一仁 十々木
Takeshi Matsuda
健 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nishiyama Corp
Ebara Industrial Cleaning Co Ltd
Original Assignee
Nishiyama Corp
Ebara Industrial Cleaning Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nishiyama Corp, Ebara Industrial Cleaning Co Ltd filed Critical Nishiyama Corp
Priority to JP33730195A priority Critical patent/JPH09174483A/ja
Publication of JPH09174483A publication Critical patent/JPH09174483A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manipulator (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業中の不自然な姿勢を根本的に解消し、も
って、作業性を著しく向上し得る気密グローブボックス
を提供する。 【解決手段】 気密グローブボックス11は、作業対象
物12を存在させる第1室21の雰囲気と作業者を存在
させる第2室22の雰囲気とを隔壁部材13を介して遮
断し、第2室22の内圧を第1室21の内圧よりも高く
してある。また、作業対象物12に対する所定の作業を
行うグローブ30を備えている。特に、グローブ30が
交換自在に取り付けられると共に作業者の上半身が入り
込む可撓性素材から形成された本体部31が、隔壁部材
13から第1室21内に向けて突出するように設けてあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有害な物質を取り
扱う際に用いられる気密グローブボックスの改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、有害な物質を取り扱う際に
は、気密グローブボックスが用いられている。この種の
気密グローブボックスは、有害な物質を含んだ作業対象
物を存在させる第1室と、作業者を存在させる第2室と
を区画する隔壁部材を有し、この隔壁部材を介して、第
1室の雰囲気と第2室の雰囲気とを遮断している。第1
室内の空気を排気処理設備で吸引することなどにより、
第2室の内圧が第1室の内圧よりも高くなるように保持
し、換言すれば、第1室を第2室より負圧に保持して、
有害な物質を含んだ空気が作業者に向けて流れないよう
にし、気密性を担保している。そして、気密グローブボ
ックスには、作業対象物に対する所定の作業を行うた
め、隔壁部材に形成したグローブポートに、グローブが
取り付けられている。
【0003】前記隔壁部材は、視認性を確保するため透
明なアクリル板などからなり、垂直方向に立設されてい
る。また、前記グローブは、ゴムなどの可撓性素材から
形成され、作業者の腕のみが入り込むようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の気密グロー
ブボックスにあっては、垂直方向に立設された隔壁部材
から、グローブの中に入った腕のみが第1室内に向けて
突出している。したがって、汚染のない室内で行う通常
の作業姿勢に比べ、手だけを伸ばして作業を行うという
極めて不自然な作業姿勢になってしまい、作業性はよく
なかった。
【0005】また、個々の作業者ごとに肩幅や身長が違
うことから、作業性は一層悪くなってしまう。このよう
な作業者の肩幅などの相違に対応するため、隔壁部材に
複数のグローブポートを形成し、各グローブポートにグ
ローブを取り付けておくことも考えられる。しかしなが
らこのように構成しても、作業中の不自然な姿勢を根本
的に解消することはできず、作業性の向上には限界があ
った。
【0006】本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決
するためになされたものであり、作業中の不自然な姿勢
を根本的に解消し、もって、作業性を著しく向上し得る
気密グローブボックスを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1記載の発明は、作業対象物を存在させる第1
室の雰囲気と作業者を存在させる第2室の雰囲気とを隔
壁部材を介して遮断し、前記第2室の内圧が前記第1室
の内圧よりも高くなるようにし、前記作業対象物に対す
る所定の作業を行うグローブを備えてなる気密グローブ
ボックスにおいて、前記グローブが取り付けられると共
に作業者の上半身が入り込む可撓性素材から形成された
本体部を、前記隔壁部材から前記第1室内に向けて突出
するように設けたことを特徴とする気密グローブボック
スである。
【0008】このように構成すれば、作業者の上半身全
体が本体部に入り込むことから、作業者は、その上半身
の姿勢として、身体をねじるなど作業内容に応じて種々
の姿勢をとることができる。したがって、手の部分だけ
が第1室に突出する従来技術に比べて、作業中の不自然
な姿勢が根本的に解消され、作業の行動範囲が格段に広
くなり、作業を極めて楽に行うことができ、作業性が向
上する。さらに、作業者の上半身全体が本体部に入り込
むことから、個々の作業者ごとに肩幅や身長が違ってい
ても、作業性が損なわれることがない。
【0009】また、請求項2記載の本発明は、前記隔壁
部材のうち前記本体部が設けられた部位を傾斜させて配
置したことを特徴とする。
【0010】このように構成すれば、作業者は直立状態
の姿勢をとることができ、かつ、作業者の前面側に、十
分な広さを有する作業スペースが確保される。
【0011】また、請求項3記載の本発明は、前記隔壁
部材に形成され前記本体部内と前記第2室内とを連通す
る出入用開口を傾斜させたことを特徴とする。
【0012】作業者は出入用開口を通って本体部内に入
り込むが、出入用開口を傾斜させれば、作業者は身体を
少し前屈みにするだけで本体部内に入り込むことがで
き、本体部への出入りを簡単かつ楽に行い得る。
【0013】また、請求項4記載の本発明は、前記本体
部は、作業者の上半身が自由な姿勢をとり得るように変
形自在な余剰部を備えていることを特徴とする。
【0014】このように構成すれば、余剰部が変形する
ことにより、作業者は、その上半身の姿勢として、作業
内容に応じて種々の姿勢をとることができる。したがっ
て、作業の行動範囲が一層広くなって作業を極めて楽に
行うことができ、作業性が一層向上する。
【0015】また、請求項5記載の本発明は、前記余剰
部は、少なくとも、作業者に直立状態の姿勢と前屈み状
態の姿勢との間の移動を許容し、両室の差圧により膨ら
むように拡大したり、縮むように縮小したりすることを
特徴とする。
【0016】身体に過度の負担が作用しない作業姿勢を
考慮すれば、作業者がその上半身のみを作業対象物を持
ったまま左右方向に大きく倒す姿勢をとることは考えら
れない。したがって、余剰部により、少なくとも直立状
態の姿勢と前屈み状態の姿勢との間の移動が許容されれ
ば、作業に必要な姿勢を十分にとることができる。な
お、このようにした場合でも、本体部は可撓性素材から
形成されているので、上半身をねじったり、作業対象物
を持ったまま左右に向きを変えたりすることはできる。
【0017】また、請求項6に記載の本発明は、前記第
2室を気密性が保たれる状態に区画形成し、作業者が上
半身の姿勢を変化させた際に、前記第2室の内圧を略一
定に維持する圧力調整手段を設けてなる気密グローブボ
ックスである。
【0018】第2室を気密性が保たれる状態に区画形成
すると、作業者が上半身の姿勢を変化させるのに伴って
本体部の内容積が変化し、本体部を含む第2室全体の内
容積も変化する。第2室全体の内容積を減じる方向に作
業者が動くと、第2室が密閉され空気の逃げ場がないこ
とから、第2室の内圧が高められる。このとき圧力調整
手段により第2室の内圧を略一定に維持することによ
り、作業者が第2室の内圧を高める方向に動く場合で
も、違和感を感じることなく大気圧状態下での動きと同
様に、直ぐに所望の姿勢をとることができる。
【0019】また、請求項7記載の本発明は、前記圧力
調整手段は、作業者が上半身の姿勢を変化させた際に前
記第2室の内容積を略一定に維持するように、前記第2
室の内方または外方に変位するダイヤフラムから形成さ
れていることを特徴としている。
【0020】第2室全体の内容積を減じる方向に作業者
が動いて第2室の内圧が高められるときには、ダイヤフ
ラムは第2室の外方に変位し、第2室の内容積を略一定
に維持する。ダイヤフラムの変位により第2室の内圧が
略一定に維持され、作業者が第2室の内圧を高める方向
に動く場合でも、違和感を感じることなく大気圧状態下
での動きと同様に、直ぐに所望の姿勢をとることができ
る。一方、第2室全体の内容積を増す方向に作業者が動
いて第2室の内圧が低くなるときには、ダイヤフラムは
第2室の内方に変位し、第2室の内容積を略一定に維持
する。ダイヤフラムの変位により第2室の内圧が略一定
に維持され、第1室の空気が第2室に流れ込むことがな
くなり、第2室の気密性が維持される。
【0021】また、請求項8記載の本発明は、作業者が
とる上半身の姿勢によって前記余剰部が拡大するときに
前記ダイヤフラムを前記第2室の内方に強制的に変位さ
せる変位手段をさらに有することを特徴とする。
【0022】第2室全体の内容積を増す方向に作業者が
動くときには、余剰部が拡大しており、第2室の内圧が
低くなる。このときには、ダイヤフラムは変位手段によ
り強制的に第2室の内方に変位され、第2室の内容積を
略一定に維持する。ダイヤフラムの変位により第2室の
内圧が略一定に維持され、第1室の空気が第2室に流れ
込むことがなくなり、第2室の気密性が維持される。
【0023】また、請求項9記載の本発明は、前記本体
部および前記ダイヤフラムの少なくとも一方は、前記第
2室の内方側から着脱自在に取り付けられ、これら既設
の前記本体部または前記ダイヤフラムを新設の本体部ま
たはダイヤフラムに交換する際には、取り外した既設の
前記本体部または前記ダイヤフラムをそのまま前記第1
室側に移すようにしたことを特徴とする。
【0024】このように本体部またはダイヤフラムの交
換に際して、取り外した既設本体部またはダイヤフラム
をそのまま第1室側に移すようにすれば、第2室内の空
気が汚されることがない。
【0025】また、請求項10記載の本発明は、作業対
象物を存在させる第1室の雰囲気と作業者を存在させる
第2室の雰囲気とを隔壁部材を介して遮断し、前記第2
室の内圧が前記第1室の内圧よりも高くなるようにし、
前記作業対象物に対する所定の作業を行うグローブを備
えてなる気密グローブボックスにおいて、前記隔壁部材
から前記第1室内に向けて突出するように設けられ、作
業者の上半身が入り込む可撓性素材から形成された本体
部と、前記本体部に設けたグローブポートに交換自在に
取り付けられ、変形させることが可能な連結部材が基端
部に設けられたグローブと、を有し、前記第1室と前記
第2室との差圧により、前記連結部材の外周面を前記グ
ローブポートの内周面に密着させて、前記グローブが前
記グローブポートに取り付けられてなり、前記グローブ
ポートに既に取り付けられている既設グローブを新たな
新設グローブに交換する際には、前記連結部を変形させ
て前記既設グローブを前記グローブポートから取り外
し、取り外した前記既設グローブをそのまま前記第1室
側に移すようにしたことを特徴とする気密グローブボッ
クスである。
【0026】このようにグローブの交換に際して、取り
外した既設グローブをそのまま第1室側に移すようにす
れば、第2室内の空気が汚されることがない。
【0027】また、請求項11記載の本発明は、グロー
ブの交換作業は、新設グローブを着けた状態で行い、前
記既設グローブの取り外し作業と、前記新設グローブの
取り付け作業とを連続して行い得るようにしたことを特
徴とする。
【0028】このようにグローブの交換作業を新設グロ
ーブを着けた状態で行い、既設グローブの取り外し作業
と、新設グローブの取り付け作業とを連続して行い得る
ようにすれば、交換作業を迅速かつ簡単に行うことがで
きる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係
る気密グローブボックスを組み込んだ処理施設を示す概
略構成図、図2は、気密グローボックスの正面図、図3
および図4は、気密グローボックスの側断面図であり、
それぞれ、作業者が直立状態の姿勢をとっている状態お
よび前屈み状態の姿勢をとっている状態を示している。
【0030】図1に示すように、処理施設10に組み込
んだ気密グローブボックス11は、有害な物質を含んだ
作業対象物12を存在させる第1室21と、作業者を存
在させる第2室22とを区画する隔壁部材13を有し、
この隔壁部材13を介して、第1室21の雰囲気と第2
室22の雰囲気とを遮断している。また、本実施の形態
では、第2室22を気密性が保たれる状態に区画形成し
てあり、第2室22の雰囲気と、通路や居室などを形成
する第3室23の雰囲気とを隔壁部材14を介して遮断
している。作業対象物12は、気密グローブボックス1
1に近接して配置されたベルトコンベヤ15上に載置さ
れて搬送されるようになっている。そして、気密グロー
ブボックス11に備えられたグローブをとおして、作業
者は、作業対象物12に対し、可燃物と不燃物との分別
や、部品の交換作業などの所定の作業を行う。気密グロ
ーブボックス11は、1つ、あるいは複数台設けられて
いる。なお、作業対象物12は、第1室21の気密性を
保持する図示しない搬入口および搬出口を通って、第1
室21に搬入され、第1室21から搬出される。
【0031】処理施設10にはさらに、第1室21内の
空気を吸引して有害な物質の除去処理を行う排気処理設
備16が設けられている。また、第1室21と第2室2
2とを区画する隔壁部材13には両室の差圧を所定値に
維持する公知の第1調整弁17が設けられ、同様に、第
2室22と第3室23とを区画する隔壁部材14には両
室の差圧を所定値に維持する公知の第2調整弁18が設
けられている。排気処理設備16で第1室21内の空気
を吸引することにより、第1調整弁17の作用によっ
て、第2室22の内圧P2 が第1室21の内圧P1 より
も高くなるように保持され、第2調整弁18の作用によ
って、第3室23の内圧P3 が第2室22の内圧P2 よ
りも高くなるように保持される。換言すれば、第1室2
1を第2室22より負圧に保持し、第2室22を第3室
23より負圧に保持し、有害な物質を含んだ空気が作業
者や通路などに向けて流れないようにし、気密性を担保
している。なお、第3室23を大気開放とした場合に
は、第1、第2調整弁17、18により、第2室22
は、例えば、−20mmAq程度、第3室23は−50
mmAq程度の負圧に保持されるようにしてある。
【0032】特に、本実施の形態の気密グローブボック
ス11は、図2〜図4に示すように、グローブ30が取
り付けられると共に作業者の上半身全体が入り込む可撓
性素材から形成された本体部31が、隔壁部材13から
第1室21内に向けて突出するように設けられている。
以下、気密グローブボックス11の構成を詳細に説明す
る。
【0033】《気密グローブボックス11の外形》気密
グローブボックス11は、金属製のフレーム32と、こ
のフレーム32にシール材を介して取り付けられた板材
33とを有する。気密グローブボックス11の背面側に
は、ドア体34により開閉自在な出入口35が設けられ
ている。ドア体34も、金属製フレームと、このフレー
ムにシール材を介して取り付けられた板材とから構成さ
れている。作業者は、前記出入口35を通って、第3室
23と気密グローブボックス11内との間を行き来す
る。作業中にあっては、当然ながら、出入口35はドア
体34により閉じられている。前記各板材33は、作業
者の状態を目視観察し得るように、例えばアクリル板な
どの透明板から形成されている。この板材33が隔壁部
材13,14に相当している。
【0034】板材のうち本体部31が設けられる部位の
板材13aは、本体部31の前面側つまりグローブ30
側が下がる方向に傾斜させて配置してある。このように
することで、作業者は直立状態の姿勢をとることがで
き、かつ、作業者の前面側に、腰の高さ程度に位置する
十分な広さを有する作業スペースを確保できる。
【0035】さらに、前記板材13aを傾斜させること
により、この板材13aに形成され本体部31内と第2
室22内とを連通する出入用開口36も傾斜することに
なる。出入用開口36が水平方向に配置されている場合
には、作業者は腰を深く下ろし潜り込むようにして本体
部31内に入り込まなければならないが、本実施の形態
のように出入用開口36が傾斜して配置されていれば、
作業者は身体を少し前屈みにするだけで本体部31内に
入り込むことができ、本体部31への出入りを簡単かつ
楽に行い得る。
【0036】《本体部31》本体部31は第2室22の
内方側から着脱自在に取り付けられるようになってお
り、本体部31の端縁は、出入用開口36の周縁に、第
2室22の内方側からボルトなどで止め付けられてい
る。
【0037】本体部31は、作業者の上半身全体が入り
込む服形状をなし、遮蔽すべき有害な物質に対応して適
切な素材を用いて縫製されている。頭部の前面はアクリ
ル板などの透明板40から形成されている。肩から肘に
かけて腕部41が伸び、腕部41の先端に設けたグロー
ブポート42にグローブ30が交換自在に取り付けられ
ている。グローブ30およびその取り付け構造について
は後に詳述する。
【0038】このように作業者の上半身全体が本体部3
1に入り込むことから、身体をねじるなどの動きをする
こともでき、手の部分だけが第1室21に突出する従来
技術に比べて、作業中の不自然な姿勢が根本的に解消さ
れ、作業の行動範囲が格段に広くなり、作業性が著しく
向上する。さらに、作業者の上半身全体が本体部31に
入り込むことから、個々の作業者ごとに肩幅や身長が違
っていても、作業性が損なわれることがない。
【0039】また、本体部31には、作業者の上半身が
自由な姿勢をとり得るように変形自在な余剰部43が備
えられている。余剰部43を設ける位置は特に限定され
るものではないが、作業の邪魔とならないように、図示
例のように本体部31の背面側に設けるのがよい。この
余剰部43は、少なくとも、作業者に直立状態の姿勢
(図3の状態)と前屈み状態の姿勢(図4の状態)との
間の移動を許容し、膨らむように拡大したり、縮むよう
に縮小されたりする。図4に示されるように余剰部43
が風船のように膨らむのは、第2室22の内圧P2 が第
1室21の内圧P1 よりも高いからである。なお、本体
部31の左右位置に余剰部43を積極的に設けてもよい
が、身体に過度の負担が作用しない安全な作業姿勢を考
慮すれば、作業者がその上半身のみを作業対象物12を
持ったまま左右方向に大きく倒す姿勢をとることは考え
られず、本実施の形態では背面側にのみ余剰部43を設
けてある。但し、本体部31の背面側にのみ設けた余剰
部43であっても、本体部31は可撓性素材から形成さ
れているので、作業者は、上半身をねじったり、作業対
象物12を持ったまま左右に向きを変えたり、左右方向
に十分に倒れた姿勢をとることができる。
【0040】このように余剰部43を設ければ、当該余
剰部43が変形して、作業者はその上半身の姿勢をさら
に自由にとることができ、作業の行動範囲のさらなる拡
大を図れ、作業も一層容易に行い得る。
【0041】《圧力調整手段45》本体部31は可撓性
を有するので、本体部31内に入り込んだ作業者がその
上半身の姿勢を変化させると、本体部31、特に余剰部
43の形状が大きく変化する。例えば、作業者がその上
半身の姿勢を、図4に示す前屈み姿勢から図3に示す直
立姿勢まで変化させる場合には、余剰部43は、風船の
ように膨らんだ拡大形状から、縮んで折り畳まれた縮小
形状まで変化する。余剰部43の形状が変化するのに伴
い、本体部31の内容積は変化する。本実施の形態では
第2室22を気密性が保たれる状態に区画形成してある
ので、本体部31の内容積が変化すると、本体部31を
含んだ第2室22全体の内容積も変化することになる。
上記例のように、作業者がその上半身の姿勢を前屈み姿
勢から直立姿勢まで変化させる場合には、第2室22全
体の内容積は、余剰部43が占める空間の内容積の変化
分だけ、減じられることになる。
【0042】第2室22全体の内容積を減じる方向に作
業者が動くということは、第2室22が密閉され空気の
逃げ場がないことから、第2室22の内圧を高める方向
に作業者が動くということを意味している。本発明者ら
は、当初、第2室22の内圧を高める方向に作業者が動
く場合でも、作業者の背筋力だけで、本体部31の余剰
部43を拡大形状から縮小形状まで変化させ得ると考え
ていた。ところが、実際に行ってみたところ、図4に示
す前屈み姿勢から図3に示す直立姿勢まで戻そうとする
と、膨らんだ余剰部43により背中が押されるような感
覚を受け、ひじょうに大きな力を要し、また、直ぐに戻
すことができないことが分かった。
【0043】そこで、気密グローブボックス11には、
作業者が上半身の姿勢を変化させた際に、第2室22の
内圧を略一定に維持する圧力調整手段45を設けてあ
る。圧力調整手段45により第2室22の内圧を略一定
に維持することにより、作業者が第2室22の内圧を高
める方向に動く場合でも、違和感を感じることなく大気
圧状態下での動きと同様に、直ぐに所望の姿勢をとるこ
とができる。先の例について言えば、作業者は、余剰部
43が風船のように膨らんでいる前屈み姿勢から、余剰
部43が縮んで折り畳まれた直立姿勢まで、上半身の姿
勢を楽に、かつ、迅速に戻すことができる。
【0044】なお、第2室22の内圧が上昇した分だ
け、第2室22の空気は第1調整弁17を通って第1室
21に吸引されるが、第1調整弁17のこのような機能
は比較的ゆっくりと発揮されるものであり、作業者の姿
勢変化に追従し、かつ、迅速に、第2室22の内圧を略
一定に維持することはできない。したがって、第1室2
1と第2室22の差圧を維持する機能を備える調整弁1
7は、本明細書に言う「圧力調整手段」に相当しない。
【0045】また、前屈み姿勢から直立姿勢への姿勢変
化を容易にするために、本体部31に「重し」を接続す
ることも考察してみたが、第1室21と第2室22との
差圧が変化するごとに「重し」の重量を変える必要性が
あり、作業性の改善を図ることができなかった。
【0046】《圧力調整手段45としてのダイヤフラム
46および変位手段47》本発明者らは、作業者の姿勢
変化に追従し、かつ、迅速に、第2室22の内圧を略一
定に維持する構成について鋭意研究した結果、第2室2
2の内圧が上昇したときに空気の逃げ場が形成されるよ
うにすればよい点に着目して、気密グローブボックス1
1に使用して最適な圧力調整手段45の具体的な構成を
完成するに至った。
【0047】本実施の形態では、気密グローブボックス
11の板材のうち第1室21側に臨む板材13bに、開
口44を形成し、この開口44に、圧力調整手段45と
してのダイヤフラム46を取り付けてある。ダイヤフラ
ム46は第2室22の内方側から着脱自在に取り付けら
れるようになっており、ダイヤフラム46の端縁は、開
口44の周縁に、第2室22の内方側からボルトなどで
止め付けられている。ダイヤフラム46は、ゴム素材か
ら形成された略円錐形形状を有し、第2室22の内容積
を増減するように変位自在となっている。図4に示すよ
うに、作業者が前屈み姿勢をとって余剰部43が風船の
ように膨らむときには、第2室22の内容積を減じるよ
うに第2室22の内方に変位する。一方、図3に示すよ
うに、作業者が直立姿勢をとって余剰部43が縮んで折
り畳まれるときには、第2室22の内容積を増すように
第2室22の外方で当該第2室22より負圧である第1
室21に変位する。
【0048】図3に示す作業者が直立姿勢をとっている
ときを基準として、第1室21と第2室22との差圧
(例えば30mmAq)により、ダイヤフラム46が第
1室21側に突出するように、当該ダイヤフラム46の
弾性力が設定されている。ダイヤフラム46の受圧面積
は、拡大形状になっている場合の余剰部43の受圧面積
とほぼ等しくなるようにしてある。さらに、第2室22
の内方および外方にダイヤフラム46が変位することに
より形成される空間の内容積は、余剰部43が拡大形状
および縮小形状をとるときの当該余剰部43の内容積の
差にほぼ等しく設定してある。
【0049】図4に示す作業者が前屈み姿勢をとって
も、第2室22が第1室21よりも負圧になることはな
いので、このままでは、ダイヤフラム46は第2室22
の内方側に突出するように変位することはない。このた
め、気密グロブボックス11は、作業者がとる上半身の
姿勢によって余剰部43が膨らむとき、すなわち、作業
者が前屈み姿勢をとるときに、ダイヤフラム46を第2
室22の内方に強制的に変位させる変位手段47をさら
に有する。
【0050】この変位手段47は、第2室22内に回動
自在に設けられた「く」の字形状を有するリンク板48
を有し、このリンク板48の一方の揺動端とダイヤフラ
ム46とをワイヤ49を介して連結し、リンク板48の
他方の揺動端と本体部31とをワイヤ50を介して連結
して構成されている。
【0051】作業者が直立姿勢から前屈み姿勢に向けて
移動すると、この移動につれてワイヤ50が引かれ、リ
ンク板48は、初期位置(図3の状態)から回動軸51
を中心に反時計回り方向に回動する。このリンク板の回
動につれてワイヤ49が引かれ、ダイヤフラム46が第
2室22の内方に引き込まれて強制的に変位される。一
方、作業者が前屈み姿勢から直立姿勢に向けて移動する
と、ワイヤ50が緩み、ダイヤフラム46が第1室21
と第2室22との差圧により第1室21側に突出するよ
うに変位する。このダイヤフラム46の変位に伴ってワ
イヤ49が引かれ、リンク板48が回動軸51を中心に
時計回り方向に回動して、初期位置に復帰する。
【0052】ワイヤ49により引っ張られるダイヤフラ
ム46は、その強度を維持するために、布素材で補強さ
れたゴム素材から形成され、同様に、本体部31のうち
ワイヤ50が接続される部位も布素材で補強されてい
る。
【0053】《グローブ30》前述したように、本体部
31における腕部の先端に設けたグローブポート42に
は、グローブ30が交換自在に取り付けられている。
【0054】図5に示すように、腕部41の先端には、
グローブポート42を形成するリング形状のカラー55
が差し込まれている。カラー55の外周部に形成された
環状溝56内に腕部41を挟み込むようにOリング57
を嵌め込むことにより、当該カラー55は腕部41の先
端に取り付けられている。カラー55は樹脂材料から形
成され、グローブポート42をなす中心孔は先端側が小
径となる断面円錘台形状に形成されている。腕部41の
先端端部にはストッパ用のOリング58が止め付けら
れ、カラー55が腕部41の先端から抜け落ちることが
ないようにしてある。
【0055】グローブ30は、ゴムなどの柔軟な素材か
らなり、その基端部60には、変形させることが可能な
連結部材としてのインナ61が設けられている。インナ
61はグローブポート42とほぼ同形形状を有し、第1
室21と第2室22との差圧により、インナ61の外周
面がグローブポート42の内周面に密着して、グローブ
30がグローブポート42に取り付けられるようになっ
ている。前記インナ61は、厚さ0.3〜0.5mm程
度の薄肉のポリプロピレンなどから形成され、第1室2
1と第2室22との差圧程度では変形しないが、作業者
が握り潰すようにすれば容易に変形し得るようになって
いる。
【0056】《作業者の作業》次に、本実施の形態の気
密グローブボックス11を用いた作業者の作業について
説明する。
【0057】第3室23は大気圧であり、第1、第2調
整弁17,18により、第2室22は、−20mmAq
程度、第3室23は−50mmAq程度の負圧に保持さ
れている。作業者は、出入口35を通って、第3室23
から気密グローブボックス11内の第2室22に入り、
ドア体34を閉めて第2室22を密閉する。作業者は出
入用開口36を通って本体部31内に入り込む。ここに
出入用開口36を傾斜して配置してあるので、本体部3
1への出入りを簡単かつ楽に行い得る。そして、作業者
は、グローブ30をとおして、作業対象物12に対し、
可燃物と不燃物との分別や部品の交換作業などの所定の
作業を行う。
【0058】この作業において、作業者の上半身全体が
本体部31に入り込み、さらに本体部31に設けた余剰
部43が変形することから、作業者は作業内容に応じて
種々の姿勢をとることができる。したがって、手の部分
だけが第1室21に突出する従来技術に比べて、作業の
行動範囲が格段に拡大し、作業を極めて楽に行うことが
でき、作業性が向上する。また、本体部31が設けられ
る部位の板材13aを傾斜させて配置してあるので、作
業者は直立姿勢をとることができ、かつ、作業者の前面
側に、腰の高さ程度に位置する十分な広さを有する作業
スペースを確保できる。
【0059】作業者が前屈み姿勢から直立姿勢に戻す場
合には、第2室22の外方に変位したダイヤフラム46
が形成する空間に、姿勢を戻すのに伴って逃げた空気が
入るので、第2室22の内圧が高められることはない。
したがって、作業者は、上半身の姿勢を楽に、かつ、迅
速に戻すことができる。
【0060】一方、作業者が直立姿勢から前屈み姿勢に
動く場合には、変位手段47によりダイヤフラム46が
第2室22の内方に強制的に変位されるので、本体部3
1の余剰部43が風船のように膨らんでも、第2室22
の内圧が急激に低下することはなく、第2室22の気密
性が維持される。
【0061】《本体部31またはダイヤフラム46の交
換作業》次に、本体部31またはダイヤフラム46の交
換作業について説明する。なお、説明の便宜上、出入用
開口36に既に取り付けられている本体部31を既設本
体部ともいい、既設本体部に代えて新たに取り付ける本
体部31を新設本体部ともいう。同様に、開口44に既
に取り付けられているダイヤフラム46を既設ダイヤフ
ラムともいい、既設ダイヤフラムに代えて新たに取り付
けるダイヤフラム46を新設ダイヤフラムともいう。
【0062】既設本体部を交換するには、第2室22内
でボルトを外して、既設本体部を出入用開口36から取
り外す。次いで、取り外した既設本体部を、そのまま、
出入用開口36を通して第1室21側に捨てる。引き続
いて速やかに、新設本体部の端縁を、出入用開口36の
周縁に、第2室22の内方側からボルトなどで止め付け
る。
【0063】既設ダイヤフラムを交換するには、本体部
31の交換と同様に、第2室22内でボルトを外して、
既設ダイヤフラムを開口44から取り外す。次いで、取
り外した既設ダイヤフラムを、そのまま、開口44を通
して第1室21側に捨てる。引き続いて速やかに、新設
ダイヤフラムの端縁を、開口44の周縁に、第2室22
の内方側からボルトなどで止め付ける。
【0064】このように取り外した既設本体部または既
設ダイヤフラムをそのまま第1室21側に移すようにし
たので、交換作業に伴って第2室22内の空気が汚され
ることがない。
【0065】《グローブ30の交換作業》次に、グロー
ブ30の交換作業について説明する。なお、説明の便宜
上、グローブポート42に既に取り付けられているグロ
ーブ30を既設グローブ30aともいい、既設グローブ
30aに代えて新たに取り付けるグローブ30を新設グ
ローブ30bともいう。
【0066】図6(A)(B)に示すように、グローブ
30の交換作業は、新設グローブ30bを着けた状態で
行う。まず、既設グローブ30aの基端部60をつま
み、若干手前に引きながら、グローブポート42から剥
がすようにしてインナ61を握り潰す。インナ61を握
り潰すことにより、既設グローブ30aは、グローブポ
ート42から取り外される。次いで、取り外した既設グ
ローブ30aを、そのまま、グローブポート42を通し
て第1室21側に捨てる。引き続いて速やかに、手をグ
ローブポート42から前方つまり第1室21側に向けて
突き出す。すると、第1室21と第2室22との差圧に
より、新設グローブ30bは、そのインナ61の外周面
がグローブポート42の内周面に密着し、グローブポー
ト42に取り付けられる。
【0067】このように取り外した既設グローブ30a
をそのまま第1室21側に移すようにしたので第2室2
2内の空気が汚されることがない。また、グローブ30
の交換作業を新設グローブ30bを着けた状態で行い、
既設グローブ30aの取り外し作業と、新設グローブ3
0bの取り付け作業とを連続して行い得るようにしたの
で、交換作業を迅速かつ簡単に行うことができる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
本発明によれば、作業者の上半身全体が本体部に入り込
むことから、作業者は、その上半身の姿勢として、身体
をねじるなど作業内容に応じて種々の姿勢をとることが
できる。したがって、手の部分だけが第1室に突出する
従来技術に比べると、作業中の不自然な姿勢を根本的に
解消することができ、作業の行動範囲が格段に広くな
り、作業を極めて楽に行うことができ、作業性が向上す
る。さらに、作業者の上半身全体が本体部に入り込むこ
とから、個々の作業者ごとに肩幅や身長が違っていて
も、作業性が損なわれることがない。
【0069】また、請求項2に記載の本発明によれば、
作業者は直立状態の姿勢をとることができ、かつ、作業
者の前面側に、十分な広さを有する作業スペースを確保
することができる。
【0070】また、請求項3に記載の本発明によれば、
出入用開口を傾斜させてあるので、作業者は身体を少し
前屈みにするだけで本体部内に入り込むことができ、本
体部への出入りを簡単かつ楽に行い得る。
【0071】また、請求項4に記載の本発明によれば、
余剰部が変形することにより、作業者は、その上半身の
姿勢として、作業内容に応じて種々の姿勢をとることが
できる。したがって、作業の行動範囲が一層広くなって
作業を極めて楽に行うことができ、作業性が一層向上す
る。
【0072】また、請求項5に記載の本発明によれば、
余剰部により、少なくとも直立状態の姿勢と前屈み状態
の姿勢との間の移動が許容されるので、作業者が左右方
向に大きく倒れる姿勢を取ることは考えられないことか
ら、作業に必要な姿勢を十分にとることができる。
【0073】また、請求項6に記載の本発明によれば、
圧力調整手段により第2室の内圧を略一定に維持するこ
とにより、作業者が第2室の内圧を高める方向に動く場
合でも、違和感を感じることなく大気圧状態下での動き
と同様に、直ぐに所望の姿勢をとることができる。
【0074】また、請求項7に記載の本発明によれば、
ダイヤフラムの変位により第2室の内圧が略一定に維持
され、作業者が第2室の内圧を高める方向に動く場合で
も、違和感を感じることなく大気圧状態下での動きと同
様に、直ぐに所望の姿勢をとることができる。さらに、
ダイヤフラムの変位により第2室の内圧が略一定に維持
されるので、第1室の空気が第2室に流れ込むことがな
く、第2室の気密性が維持される。
【0075】また、請求項8に記載の本発明によれば、
第2室全体の内容積を増す方向に作業者が動くときに
は、余剰部が拡大しており、第2室の内圧が低くなる。
このときには、ダイヤフラムが変位手段により強制的に
第2室の内方に変位されることにより第2室の内圧が略
一定に維持されるので、第1室の空気が第2室に流れ込
むことがなくなり、第2室の気密性が維持される。
【0076】また、請求項9に記載の本発明によれば、
本体部またはダイヤフラムの交換に際して、取り外した
既設本体部または既設ダイヤフラムをそのまま第1室側
に移すようにしたので、第2室内の空気が汚されること
がない。
【0077】また、請求項10に記載の本発明によれ
ば、グローブの交換に際して、取り外した既設グローブ
をそのまま第1室側に移すようにした気密グローブボッ
クスであるので、第2室内の空気が汚されることがな
い。
【0078】また、請求項11に記載の本発明によれ
ば、グローブの交換作業を新設グローブを着けた状態で
行い、既設グローブの取り外し作業と、新設グローブの
取り付け作業とを連続して行い得るようにしたので、交
換作業を迅速かつ簡単に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る気密グローブボッ
クスを組み込んだ処理施設を示す概略構成図である。
【図2】 気密グローボックスの正面図である。
【図3】 気密グローボックスの側断面図であり、作業
者が直立状態の姿勢をとっている状態を示す図である。
【図4】 気密グローボックスの側断面図であり、作業
者が前屈み状態の姿勢をとっている状態を示す図であ
る。
【図5】 気密グローボックスの本体部に取り付けられ
るグローブの要部を示す概略断面図である。
【図6】 図6(A)(B)は、グローブの交換作業の
説明に供する図である。
【符号の説明】
11…気密グローブボックス 12…作業対象物 13…隔壁部材 21…第1室 22…第2室 23…第3室 30…グローブ(30a…既設グローブ、30b…新設
グローブ) 31…本体部 33…板材(隔壁部材) 36…出入用開口 41…腕部 42…グローブポート 43…余剰部 45…圧力調整手段 46…ダイヤフラム 47…変位手段 60…グローブの基端部 61…インナ(連結部材) P1 …第1室の内圧 P2 …第2室の内圧 P3 …第3室の内圧
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年1月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】処理施設10にはさらに、第1室21内の
空気を吸引して有害な物質の除去処理を行う排気処理設
備16が設けられている。また、第1室21と第2室2
2とを区画する隔壁部材13には両室の差圧を所定値に
維持する公知の第1調整弁17が設けられ、同様に、第
2室22と第3室23とを区画する隔壁部材14には両
室の差圧を所定値に維持する公知の第2調整弁18が設
けられている。排気処理設備16で第1室21内の空気
を吸引することにより、第1調整弁17の作用によっ
て、第2室22の内圧P2 が第1室21の内圧P1 より
も高くなるように保持され、第2調整弁18の作用によ
って、第3室23の内圧P3 が第2室22の内圧P2 よ
りも高くなるように保持される。換言すれば、第1室2
1を第2室22より負圧に保持し、第2室22を第3室
23より負圧に保持し、有害な物質を含んだ空気が作業
者や通路などに向けて流れないようにし、気密性を担保
している。なお、第3室23を大気開放とした場合に
は、第1、第2調整弁17、18により、第2室22
は、例えば、−20mmAq程度、第室2は−50
mmAq程度の負圧に保持されるようにしてある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】第3室23は大気圧であり、第1、第2調
整弁17,18により、第2室22は、−20mmAq
程度、第室2は−50mmAq程度の負圧に保持さ
れている。作業者は、出入口35を通って、第3室23
から気密グローブボックス11内の第2室22に入り、
ドア体34を閉めて第2室22を密閉する。作業者は出
入用開口36を通って本体部31内に入り込む。ここに
出入用開口36を傾斜して配置してあるので、本体部3
1への出入りを簡単かつ楽に行い得る。そして、作業者
は、グローブ30をとおして、作業対象物12に対し、
可燃物と不燃物との分別や部品の交換作業などの所定の
作業を行う。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作業対象物(12)を存在させる第1室(21)
    の雰囲気と作業者を存在させる第2室(22)の雰囲気とを
    隔壁部材(13)を介して遮断し、前記第2室(22)の内圧(P
    2)が前記第1室(21)の内圧(P1)よりも高くなるように
    し、前記作業対象物(12)に対する所定の作業を行うグロ
    ーブ(30)を備えてなる気密グローブボックスにおいて、 前記グローブ(30)が取り付けられると共に作業者の上半
    身が入り込む可撓性素材から形成された本体部(31)を、
    前記隔壁部材(13)から前記第1室(21)内に向けて突出す
    るように設けたことを特徴とする気密グローブボック
    ス。
  2. 【請求項2】 前記隔壁部材(13)のうち前記本体部(31)
    が設けられた部位を傾斜させて配置したことを特徴とす
    る請求項1に記載の気密グローブボックス。
  3. 【請求項3】 前記隔壁部材(13)に形成され前記本体部
    (31)内と前記第2室(22)内とを連通する出入用開口(36)
    を傾斜させたことを特徴とする請求項2に記載の気密グ
    ローブボックス。
  4. 【請求項4】 前記本体部(31)は、作業者の上半身が自
    由な姿勢をとり得るように変形自在な余剰部(43)を備え
    ていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか
    に記載の気密グローブボックス。
  5. 【請求項5】 前記余剰部(43)は、少なくとも、作業者
    に直立状態の姿勢と前屈み状態の姿勢との間の移動を許
    容し、前記両室(21,22) の差圧により膨らむように拡大
    したり、縮むように縮小されたりすることを特徴とする
    請求項4に記載の気密グローブボックス。
  6. 【請求項6】 前記第2室(22)を、気密性が保たれる状
    態に区画形成し、 作業者が上半身の姿勢を変化させた際に、前記第2室(2
    2)の内圧(P2)を略一定に維持する圧力調整手段(45)を設
    けてなる請求項5に記載の気密グローブボックス。
  7. 【請求項7】 前記圧力調整手段(45)は、作業者が上半
    身の姿勢を変化させた際に前記第2室(22)の内容積を略
    一定に維持するように、前記第2室(22)の内方または外
    方に変位するダイヤフラム(46)から形成されていること
    を特徴とする請求項6に記載の気密グローブボックス。
  8. 【請求項8】 作業者がとる上半身の姿勢によって前記
    余剰部(43)が拡大するときに前記ダイヤフラム(46)を前
    記第2室(22)の内方に強制的に変位させる変位手段(47)
    をさらに有することを特徴とする請求項7に記載の気密
    グローブボックス。
  9. 【請求項9】 前記本体部(31)および前記ダイヤフラム
    (46)の少なくとも一方は、前記第2室(22)の内方側から
    着脱自在に取り付けられ、 これら既設の前記本体部(31)または前記ダイヤフラム(4
    6)を新設の本体部またはダイヤフラムに交換する際に
    は、取り外した既設の前記本体部(31)または前記ダイヤ
    フラム(46)をそのまま前記第1室(21)側に移すようにし
    たことを特徴とする請求項7に記載の気密グローブボッ
    クス。
  10. 【請求項10】 作業対象物(12)を存在させる第1室(2
    1)の雰囲気と作業者を存在させる第2室(22)の雰囲気と
    を隔壁部材(13)を介して遮断し、前記第2室(22)の内圧
    (P2)が前記第1室(21)の内圧(P1)よりも高くなるように
    し、前記作業対象物(12)に対する所定の作業を行うグロ
    ーブ(30)を備えてなる気密グローブボックスにおいて、 前記隔壁部材(13)から前記第1室(21)内に向けて突出す
    るように設けられ、作業者の上半身が入り込む可撓性素
    材から形成された本体部(31)と、 前記本体部(31)に設けたグローブポート(42)に交換自在
    に取り付けられ、変形させることが可能な連結部材(61)
    が基端部(60)に設けられたグローブ(30)と、を有し、 前記第1室(21)と前記第2室(22)との差圧により、前記
    連結部材(61)の外周面を前記グローブポート(42)の内周
    面に密着させて、前記グローブ(30)が前記グローブポー
    ト(42)に取り付けられてなり、 前記グローブポート(42)に既に取り付けられている既設
    グローブ(30a) を新たな新設グローブ(30b) に交換する
    際には、前記連結部材(61)を変形させて前記既設グロー
    ブ(30a) を前記グローブポート(42)から取り外し、取り
    外した前記既設グローブ(30a) をそのまま前記第1室(2
    1)側に移すようにしたことを特徴とする気密グローブボ
    ックス。
  11. 【請求項11】 グローブの交換作業は、新設グローブ
    (30b) を着けた状態で行い、前記既設グローブ(30a) の
    取り外し作業と、前記新設グローブ(30b) の取り付け作
    業とを連続して行い得るようにしたことを特徴とする請
    求項10に記載の気密グローブボックス。
JP33730195A 1995-12-25 1995-12-25 気密グローブボックス Withdrawn JPH09174483A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33730195A JPH09174483A (ja) 1995-12-25 1995-12-25 気密グローブボックス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33730195A JPH09174483A (ja) 1995-12-25 1995-12-25 気密グローブボックス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09174483A true JPH09174483A (ja) 1997-07-08

Family

ID=18307340

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33730195A Withdrawn JPH09174483A (ja) 1995-12-25 1995-12-25 気密グローブボックス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09174483A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011005598A (ja) * 2009-06-26 2011-01-13 Earekkusu:Kk 作業フード及び当該作業フードを備えた作業ボックス
JP2013238464A (ja) * 2012-05-15 2013-11-28 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 不活性ガスバウンダリ形成設備
JP2021195802A (ja) * 2020-06-16 2021-12-27 日本エアーテック株式会社 診察ブース

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011005598A (ja) * 2009-06-26 2011-01-13 Earekkusu:Kk 作業フード及び当該作業フードを備えた作業ボックス
JP2013238464A (ja) * 2012-05-15 2013-11-28 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 不活性ガスバウンダリ形成設備
JP2021195802A (ja) * 2020-06-16 2021-12-27 日本エアーテック株式会社 診察ブース

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4974586A (en) Breathing mask
US4960143A (en) Containment apparatus
CH672741A5 (ja)
JP5119319B2 (ja) ストーマパウチ装具
WO2006055724A9 (en) Protective seal mechanism
US4867576A (en) Trash bag with inflatable rim
CA1191125A (en) Balloon envelope and method of fabricating same
JPH09174483A (ja) 気密グローブボックス
EP1820541A1 (en) Protective device
US7850668B2 (en) Ostomy appliance
US7546643B1 (en) Mechanically enhanced self-donning gown
US7182081B2 (en) Protective breathing hood
US4944291A (en) Device and process for hygienic mouth to mouth artificial respiration
JP5412188B2 (ja) パスボックス及びアイソレーター装置
JP4516519B2 (ja) 安全キャビネット
CN212088284U (zh) 一种能配合使用助听器的口罩
EP3987968A1 (en) Pleated protective clothing
CN215081447U (zh) 一种感染科用隔离装置
DE102016003649B4 (de) Atemschutzgerät und Verfahren zum Betrieb eines Atemschutzgeräts
GB2133274A (en) Personnel protection garments
US5694921A (en) Protective jacket
KR200497126Y1 (ko) 비강 확장 기능을 갖는 보건용 마스크
CN108478955A (zh) 设面罩的消防自救呼吸器
JP3643622B2 (ja) クーリングスーツ
KR20220011317A (ko) 마스크 걸이끈 통증 방지구

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030304