JPH09173679A

JPH09173679A - ドラム式洗濯乾燥機

Info

Publication number: JPH09173679A
Application number: JP9002709A
Authority: JP
Inventors: Takeo Noguchi; 武夫野口
Original assignee: Sharp Corp
Current assignee: Sharp Corp
Priority date: 1997-01-10
Filing date: 1997-01-10
Publication date: 1997-07-08
Anticipated expiration: 2016-09-04
Also published as: JP3205712B2

Abstract

(57)【要約】【課題】小型モータを使用して、洗濯および脱水に必
要なドラム回転力および回転速度を安全に得ることがで
きなかった。【構成】減速歯車機構からの減速回転動力を洗濯・乾
燥運転時にのみ出力軸に伝達するモータクラッチと、駆
動軸に固着され、脱水運転時に上記駆動軸からの回転動
力をベルトプーリに切換伝達する遠心クラッチからな
り、モータクラッチの駆動回路と、前記駆動回路が正常
にモータクラッチを駆動しうるか否かを検出した後にモ
ータクラッチを駆動させる制御回路を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、洗濯槽と脱水槽
とを兼ねたドラムが水平に軸支され、そのドラムが洗濯
と乾燥を低い回転で、遠心脱水を高い回転で運転される
ドラム式洗濯乾燥機に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、この種のドラム式洗濯機では、
ドラムの回転数を変えることにより洗濯、脱水、乾燥を
行うようになっているが、従来の整流子モータを使用
し、洗濯、乾燥及び脱水時の回転数を変えようとした場
合、整流子モータの寿命が短いため短期間のうちにモー
タ交換を必要とした。また誘導モータの極数変換によっ
て回転数を変えることも考えられるが、その場合、洗
濯、乾燥及び脱水時の回転数が限られたものになり、所
望の回転数に限定することができず、双方の作業を効率
よく実行できないことになっていた。

【０００３】

【発明が解決しょうとする課題】本発明はかかる点に鑑
みてなされたもので、ブラシレスモータを採用しモータ
の耐久性を向上させると共に洗濯及び脱水時のドラム回
転数を共に所望の回転数に設定できるようにしたもので
ある。

【０００４】ところで、ブラシレスモータを採用するこ
とにより、整流子モータの場合に起こり得るブラシ摩耗
がなくなり、耐久性が大幅に向上する反面、現在のブラ
シレスモータでは、整流子モータに匹敵する高トルクを
出すと非常に高価となる。また最高回転数が、整流子モ
ータに比較して低い為減速比を大きくし高トルクで使用
すると、脱水回転数が低くなり脱水性能が不十分とな
る。

【０００５】そこで、本発明は洗濯の低速回転時にギヤ
減速を採用し、高トルクで使用でき、一方脱水の高速回
転時はモータの切り替えのクラッチ及び遠心クラッチで
ギヤ減速をやめ十分な脱水性能を確保できる回転数での
運転を可能にするドラム式洗濯乾燥機の提供を目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明のドラム式洗濯
乾燥機は、本体ケースと、洗濯槽及び脱水槽を兼ね、本
体ケース内に水平に軸支された回転ドラムと、駆動モー
タと、この駆動モータの回転動力を回転ドラムに伝達す
る回転動力伝達手段とを備え、回転動力伝達手段は、上
記駆動モータの駆動軸と、この駆動軸の外周に同軸で相
対回転可能に設けられた出力軸と、この出力軸に固着さ
れたベルトプーリと、このベルトプーリと回転ドラムと
の間に掛設されたベルトと、上記駆動軸からの回転動力
を減速する減速歯車機構と、この減速歯車機構からの減
速回転動力を洗濯・乾燥運転時にのみ出力軸に伝達する
モータクラッチと、上記駆動軸に固着され、脱水運転時
に上記駆動軸からの回転動力をベルトプーリに切換伝達
する遠心クラッチからなり、さらに、モータクラッチの
駆動回路と、前記駆動回路が正常にモータクラッチを駆
動しうるか否かを検出した後にモータクラッチを駆動さ
せる制御回路を備えてなるドラム式洗濯乾燥機である。

【０００７】すなわち、この発明は回転ドラムの駆動モ
ータとしてブラシレスモータ（可変速モータ）を用い、
洗濯・乾燥運転時にはモータクラッチにより減速歯車機
構を作動させて減速による高トルクの動力を、一方脱水
運転時には遠心クラッチを作動させて直接ブラシレスモ
ータの駆動軸から高速回転動力を回転ドラムに伝達する
ことができる。また、制御回路は、駆動回路が正常にモ
ータクラッチを駆動しうるか否かを検出した後にモータ
クラッチを駆動させるので、洗濯乾燥機の運転が常に安
全に行われる。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１は本発明の一実施の形態にお
けるドラム式洗濯乾燥機の構成を概略的に示したもので
あり、先ずその概略構造を説明する。１は本体ケースと
しての外装体、２は水槽、３は洗濯槽と脱水槽と兼ねる
回転ドラム、４ａ及び４ｂは回転ドラム３を支持するド
ラム軸、２ａ及び２ｂはそれぞれドラム軸４ａ及び４ｂ
を支持する軸受け、５はドラム軸４ｂに固着されかつベ
ルト６を介してベルトプーリ７の回転を伝達するドラム
プーリ、８はブラシレスモータ（可変速モータ）９の回
転を変速する回転動力伝達手段としての変速機構組み
品、１０ａ及び１０ｂは水槽２内の洗濯液あるいはすず
き液を給排水する給水弁および排水弁である。

【０００９】図２は可変速機構組み品８の洗濯時動作断
面を示したものであり、１１はモータ９のモータシャフ
トで、遊星歯車１３とかみ合う太陽歯車１２を有し、か
つ遠心クラッチ機構のウエイト１４にクラッチアーム１
５を介して回転力を伝達する構成にしている。１６は遊
星歯車１３を支持しモータクラッチ１７と嵌合している
遊星歯車支持体である。１８は遊星歯車１３とかみ合う
内歯車で、外箱１９によって固定されている。クラッチ
用モータ２０はカム（図示しない）を内蔵し、レバー１
７ｇをモータ９の軸方向に往復運転させる。洗濯時に
は、モータクラッチ１７の制御板１７ｄはクラッチ用モ
ータ２０にてガイドピン１７ｈをコロ１７ｂから引き抜
いた状態になっている。

【００１０】遠心クラッチ機構のウエイト１４はモータ
シャフト１１の回転数が６００rpm以下と低速回転（洗
濯時）の為、内側に引っ張っているクラッチスプリング
２２によりプーリ７とは接触していない。なお、図６は
遠心クラッチ機構を示す正面図であり、図６において１
４ａはライニングである。

【００１１】図３はモータクラッチの洗濯時の動作説明
図であり、コロ（又はローラ）１７ｂが保持器１７ｃと
一体化したバネにより外輪（遊星歯車支持体１６）の傾
斜面と出力軸２３の間で食い込む様押し付けられてい
る。なお、外輪（遊星歯車支持体１６）が反時計廻りの
場合はコロ１７ｂにより、時計廻りの場合はコロ１７
ｂ′により、それぞれ出力軸２３に駆動力を伝達する。
以上の構成によりモータ９の回転は遊星歯車及びベルト
による減速、つまり遊星歯車支持体１６、モータクラッ
チ１７、出力軸２３、ベルトプーリ７、ベルト６にて所
定速度に減速されてドラム３に伝えられる。

【００１２】図４は可変速機構組み品の脱水時動作断面
を示したものであり、モータクラッチ１７の制御板１７
ｄをクラッチ用モータ２０がレバー１７ｇによって移動
させると、ガイドピン１７ｈがコロ１７ｂと出力軸２３
の間に差し込まれた状態となる為、遊星歯車支持体１６
の回転と出力軸２３の回転はフリーとなる。クラッチウ
エイト１４はモータシャフト１１の回転数が６００rpm
以上と高速回転（脱水時）の為、クラッチウエイト１４
の遠心力は内側に引っ張っているクラッチスプリング２
２の力より大きくライニング１４ａがプーリ７と圧接す
る。よってモータ９の回転は遊星歯車による減速から解
放されベルト減速のみとなり所定速度の脱水回転動作を
ドラム３に伝える。

【００１３】図５はモータクラッチ１７の脱水時の動作
横断面図を示す。クラッチ用モータ２０が制御板１７ｄ
のガイドピン１７ｈを押し込むことにより（コロ押し板
を介挿する場合はその板を介して）外輪（遊星歯車支持
体１６）と出力軸２３の間でフリー回転する状態を示
す。なお、図中制御板１７ｄのガイドピン１７ｈはコロ
１７ｂの一方向のみをフリー回転とする形状になってい
るが、両方向フリーにすることも可能である。

【００１４】図７はモータクラッチ１７と遊星歯車支持
体１６の要部分解斜視図、図８はモータクラッチ１７に
よって遊星歯車支持体１６が出力軸２３に結合される場
合を説明する斜視図、図９はモータクラッチ１７によっ
て遊星歯車支持体１６が出力軸２３の回転に対してフリ
ーになる場合を示す斜視図である。

【００１５】なお、以上の構成のドラム式洗濯機では、
洗濯時のドラム回転数を５０rpm、ドラム負荷トルク３
００Kg・cm、脱水起動時のドラム回転数を８０rpm、ド
ラム負荷トルク１５０Kg・cm、脱水時のドラム回転数を
1000rpm、ドラム負荷トルク３０Kg・cmに設定すると運転
がスムーズであることが判明した。なお、この仕様で設
定すると可変速幅が２０（1000／50）となる。ブラシレ
スモータの使用可変速幅をモータ価格も考慮し４に設定
すると、ギヤ変速は５（２０／４）となる。また使用モ
ータのトルク特性からプーリ回転にたいしてドラム回転
の減速比を１／1.5 に設定した。以上の設定によりモー
タ回転数は、洗濯時375rpm（ギヤ減速1 ／5 、ベルト減速1 ／1.5 ）脱水起動時600rpm（ギヤ減速1 ／5 、ベルト減速1 ／1.
5 ）脱水時1500rpm （ベルト減速1 ／1.5 ）となり、またモータ負荷トルクは、洗濯時40Kg・cm（300 ×ギヤ減速1 ／5 ×ベルト減速1
／1.5 ）脱水起動時20Kg・cm(150×ギヤ減速1 ／5 ×ベルト減速
1 ／1.5) 脱水時20Kg・cm（30cm×ベルト減速1 ／1.5 ）となった。

【００１６】上記モータ回転から遠心クラッチが作動す
るモータ回転数は６００rpm以上、1500rpm以下で設定す
れば良い事が分かる。そのときクラッチモータ２０でク
ラッチ１７を切り替え、出力軸２３をギヤ回転からフリ
ーにしておく必要がある。

【００１７】図１０は、図１に示す実施の形態の要部電
気回路図であり、ＭＣはマイクロコンピュータを内蔵す
る制御回路、ＤＰは各種項目を表示する表示器、ＫＢは
各種洗濯・乾燥条件を入力する制御パネルである。ＬＳ
はクラッチ用モータ２０に内蔵されたリミットスイッチ
であり、クラッチ用モータ２０によってレバー１７ｇが
往復すると、その動作に対応して切換わるようになって
いる。ｅは交流電源、ＴＲ１およびＴＲ２はスイッチＬ
Ｓを介してクラッチ用モータ２０に交流電源を接続する
トライアックである。つまり、トライアックＴＲ１が通
電すると、クラッチ用モータ２０が回転してガイドピン
１７ｈをコロ１７ｂから引き抜き、そして引き抜き動作
が終了すると、リミットスイッチＬＳがＴＲ２側に切換
わるので、クラッチ用モータ２０が停止する。また、ト
ライアックＴＲ２が通電すると、クラッチ用モータ２０
が回転してガイドピン１７ｈをコロ１７ｂに挿入し、そ
して挿入動作が終了すると、リミットスイッチＬＳがト
ライアックＴＲ１側に切換わるので、クラッチ用モータ
２０が停止する。ＣＴはクラッチ用モータ２０の断線の
有無を確認するためにモータ電流を検出するカレントト
ランス、ＰＣは交流電源ｅからクラッチ用モータ２０に
正常な電圧が印加されるか否かを検出するためのフォト
カプラ、ＲはフォトカプラＰＣの限流抵抗である。制御
回路ＭＣは、制御パネルＣＰ、カレントトランスＣＴ、
フォトカプラＰＣからの出力を受けて、表示器ＤＰ、給
水弁１０ａ、排水弁１０ｂ、モータ９、およびトライア
ックＴＲ１、ＴＲ２に出力するようになっている。

【００１８】図１１は図１の実施の形態洗濯から脱水工
程への移行動作を示すフローチャートである。図１１に
おいて、洗濯開始時においては、前述のように、ガイド
ピン１７ｈがコロ１７ｂから引き抜いた状態にあるの
で、回転ドラム３は低速回転し、それによって、洗濯工
程が実行される（ステップ１０１）。次に脱水開始時に
おいては、制御回路ＭＣはトライアックＴＲ２を短時間
（数ｍｓ）だけ導通させ、カレントトランスＣＴの出力
およびフォトカプラＰＣの出力から、クラッチ用モータ
２０に電源ｅから正常な電圧が印加される状態にあるか
否か、そして、クラッチ用モータ２０が断線していない
かどうかを確認する（ステップ１０２）。クラッチ用モ
ータ２０に正常な電圧が印加される状態にあり、かつ、
断線がないと判断すると、制御回路ＭＣはトライアック
ＴＲ２を通電させてクラッチ用モータ２０を駆動し、ガ
イドピン１７ｈをコロ１７ｂに挿入させる（ステップ１
０３）。挿入が完了するとリミットスイッチＬＳはトラ
イアックＴＲ１側に切換わる。そして、モータ９を高速
回転し、その回転力を前述のように遠心クラッチ機構を
介して回転ドラム３に伝達し、回転ドラム３を高速回転
させて、脱水工程を実行する（ステップ１０４）。脱水
工程が終了すると、図示しないセンサによって回転ドラ
ム３の停止を確認し（スイッチ１０５）、次に、トライ
アックのＴＲ１を短時間（数ｍｓ）だけ導通させ、カレ
ントトランスＣＴの出力およびフォトカプラＰＣの出力
から、クラッチ用モータ２０に電源ｅから正常な電圧が
印加される状態にあるか否か、そしてクラッチ用モータ
２０が断線していないかどうかを確認する（ステップ１
０６）。クラッチ用モータ２０が正常に作動する状態に
あることが確認されると、制御回路ＭＣはトライアック
ＴＲ１を通電させてクラッチ用モータ２０を駆動し、ガ
イドピン１７ｈをコロ１７ｂから抜き出し（ステップ１
０８）、運転を終了する。なお、ステップ１０２および
１０６においてクラッチ用モータ２０が正常に駆動しな
いと判断すると、クラッチ用モータ２０を駆動させず、
表示器ＤＰに「故障」を表示する。

【００１９】このようにして洗濯・脱水工程が実行され
るが、とくに、洗濯から脱水工程への移行時につまり、
回転ドラム３の低速回転から高速回転への切換え時に
は、モータクラッチ７を駆動するクラッチ用モータ２０
が正常に動作し得るか否かを確認するようにしている。
従って、クラッチ用モータ２０の動作不良によってモー
タクラッチ７が作動しないままモータ９が高速回転され
減速されたモータ回転力と減速されないモータ回転力と
が同時にベルトプーリに伝達されて、モータ９がロック
状態になるという事故が未然に防止される。

【００２０】

【発明の効果】この発明によれば、小型モータを使用し
て、洗濯および脱水に必要なドラム回転力および回転速
度を安全に得ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態を示す概略構成説明図で
ある。

【図２】本発明の一実施の形態を示す可変速機構の洗濯
時動作を説明する断面図である。

【図３】本発明の一実施の形態を示すモータクラッチの
洗濯時の動作説明図である。

【図４】図２の可変速機構の脱水時の対応図である。

【図５】図３のモータクラッチの脱水時の対応図であ
る。

【図６】本発明の一実施の形態を示す遠心クラッチの正
面図である。

【図７】本発明の一実施の形態を示すモータクラッチと
遊星歯車支持体との分解斜視図である。

【図８】本発明の一実施の形態を示すモータクラッチの
一作動状態を示す斜視図である。

【図９】本発明の一実施の形態を示すモータクラッチの
他の作動状態を示す斜視図である。

【図１０】図１に示す実施の形態の制御部を示す電気回
路図である。

【図１１】図１に示す実施の形態の動作の要部を示すフ
ローチャートである。

【符号の説明】

１外装体（本体ケース）３回転ドラム５ドラムプーリ６ベルト７プーリ８変速機構組み品（回転動力伝達手段）９ブラシレスモータ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】本体ケースと、洗濯槽及び脱水槽を兼
ね、本体ケース内に水平に軸支された回転ドラムと、駆
動モータと、この駆動モータの回転動力を回転ドラムに
伝達する回転動力伝達手段とを備え、回転動力伝達手段
は、上記駆動モータの駆動軸と、この駆動軸の外周に同
軸で相対回転可能に設けられた出力軸と、この出力軸に
固着されたベルトプーリと、このベルトプーリと回転ド
ラムとの間に掛設されたベルトと、上記駆動軸からの回
転動力を減速する減速歯車機構と、この減速歯車機構か
らの減速回転動力を洗濯・乾燥運転時にのみ出力軸に伝
達するモータクラッチと、上記駆動軸に固着され、脱水
運転時に上記駆動軸からの回転動力をベルトプーリに切
換伝達する遠心クラッチからなり、さらに、モータクラ
ッチの駆動回路と、前記駆動回路が正常にモータクラッ
チを駆動しうるか否かを検出した後にモータクラッチを
駆動させる制御回路を備えてなるドラム式洗濯乾燥機。