JPH09173346A - 光ファイバ式レーザ手術装置 - Google Patents

光ファイバ式レーザ手術装置

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JPH09173346A
JPH09173346A JP7354422A JP35442295A JPH09173346A JP H09173346 A JPH09173346 A JP H09173346A JP 7354422 A JP7354422 A JP 7354422A JP 35442295 A JP35442295 A JP 35442295A JP H09173346 A JPH09173346 A JP H09173346A
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JP
Japan
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laser
optical fiber
wavelength
light guide
small
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Application number
JP7354422A
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English (en)
Inventor
Akio Tanaka
昭男 田中
Shinichi Nakahara
信一 中原
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ光治療に使用されるレーザ手術装置に
おいて、小型軽量でポータブルかつ波長選択性に優れた
光ファイバ式レーザ手術装置を提供する。 【解決手段】 発振波長の異なる複数出射部を有する半
導体レーザ素子1−1,1−2と、出射されたレーザ光
を伝送する細径導光路3−1,3−2,3−3と、これ
を束ねたバンドルケーブル4と、集光ユニット6と、レ
ーザ光を照射部位8まで導く光ファイバ7とを設けるこ
とにより、電源および装置冷却機構が大幅に簡易化で
き、応答性も良く、小型軽量でポータブル性と波長選択
性に優れた光ファイバ式レーザ手術装置を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザ光治療に使用
される光ファイバ式レーザ手術装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、レーザ光治療技術が進歩するにつ
れ、光ファイバ式レーザ手術装置の小型軽量性や波長選
択性の重要性が指摘されている。
【0003】以下に従来の光ファイバ式レーザ手術装置
について説明する。図9は従来の光ファイバ式レーザ手
術装置の概略構成を示すものである。図9において、9
1は第1の波長を発振する固体レーザ発振器で、92は
第2の波長を発振する固体レーザ発振器である。これら
の固体レーザ発振器としては、レーザ手術に必要な出力
の発振能力と生体への吸収効率の点から、イットリウム
・アルミニウム・ガーネット(以下、YAGという)に
ネオジウム(Nd)を添加した波長1.06μmのN
d:YAGとホロミウム(Ho)を添加した波長2.1
μmのHo:YAGまたはエルビウム(Er)を添加し
た波長2.94μmのEr:YAGを用いることが多
い。93は第1の固体レーザ発振器91から出たレーザ
光の方向を変えるための固定ミラー、94は第2の固体
レーザ発振器92の前に配置する可動ミラーで指令に応
じて移動する。95は固体レーザ発振器91または92
から出たレーザ光、96はレーザ光95を集光する集光
ユニット、97は集光ユニット96で絞られたレーザ光
を導く単芯の光ファイバである。98は治療対象となる
照射部位で、光ファイバ97から出たレーザ光が非接触
もしくは接触状態で照射される。99はレーザ手術装置
の操作盤、100は操作盤99からの指令によって固体
レーザ発振器91または92の出力を制御する共用電源
制御ユニットである。2台の固体レーザ発振器の駆動電
源は共用化して小型化が図られている。
【0004】以上のように構成された光ファイバ式レー
ザ手術装置について、以下その動作について説明する。
まず、操作盤99からの指令により2台の固体レーザ発
振器91または92のいずれかが選ばれ、第1の固体レ
ーザ発振器91を選んだ場合には可動ミラー94が第2
の固体レーザ発振器92の正面光軸上に点線で示すよう
に移動する(駆動機構は図示せず)。同時に、共用電源
制御ユニット100は第1の固体レーザ発振器91を設
定出力条件で発振させる。第1の固体レーザ発振器91
から出たレーザ光は固定ミラー93によって進行方向を
変え、前記所定位置にある可動ミラー94で最終光軸上
に再度進行方向を変える。レーザ光95はレンズ等の集
光ユニット96で集光されて、光ファイバ97に入射さ
れる。光ファイバ97で導かれたレーザ光は治療対象と
なる照射部位98に非接触もしくは接触状態で照射され
る。また、操作盤99から第2の固体レーザ発振器92
を選んだ場合には、可動ミラー94は図の実線に示す位
置に退避するように制御される。そして、第2の固体レ
ーザ発振器92から出たレーザ光95が光軸上の集光ユ
ニット96に直接入り、上記と同様にして治療対象とな
る照射部位98に非接触もしくは接触状態で照射され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、まず固体レーザ発振器91および92自体
が数十ワット級の固体レーザ装置であるため、水冷機構
や大型電源を搭載する必要があり、さらに各固体レーザ
発振器から出るレーザ光も大径であるため、各固体レー
ザ発振器からの細径導光路や可動ミラー94を含むレー
ザ光路の切換機構も必然的に大型でかつ複雑化してポー
タブル性に欠けるという問題点を有していた。また、光
励起が必要な固体レーザ発振器では出力安定性を確保し
て波長変更するには時間がかかり、治療現場での操作性
に劣るという問題点を有していた。
【0006】本発明は上記従来の問題点を解消して、小
型軽量でかつ波長選択性に優れた光ファイバ式レーザ手
術装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の光ファイバ式レーザ手術装置は、発振波長の
異なる複数の半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子か
ら出射された個別のレーザ光を伝送する細径導光路と、
細径導光路を束ねたバンドルケーブルと、バンドルケー
ブルから出射された複数のレーザ光を集光する集光ユニ
ットと、集光ユニットで集光されたレーザ光を照射部位
まで導く光ファイバとを設ける構成としたものである。
そしてこの構成によって、従来の大型で低効率な固体レ
ーザ発振器が、超小型で高効率の半導体レーザ素子の集
合体で代替されるため、電源および装置冷却機構が大幅
に簡易化できる。また、半導体レーザ素子は、固体レー
ザ発振器のような光励起が不要でレーザ発振の応答性も
良く、さらにレーザ光路の切換機構も不要となり、小型
軽量でポータブル性と波長選択性に優れたものにするこ
とができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は前記する従来の固定レー
ザ発振器を用いた手術装置の問題点を解消するために、
請求項1記載に係る発明は、発振波長の異なる複数の半
導体レーザ素子と、半導体レーザ素子から出射された個
別のレーザ光を伝送する細径導光路と、導光路を束ねた
バンドルケーブルと、バンドルケーブルから出射された
複数のレーザ光を集光する集光ユニットと、集光ユニッ
トで集光されたレーザ光を照射部位まで導く光ファイバ
とを備える構成としたものであり、超小型で高効率の半
導体レーザ素子の集合体でレーザ手術ができ、電源およ
び装置冷却機構が簡易で、光励起の必要もなくレーザ発
振の応答性も良く、さらに、レーザ光路の切換機構も不
要で、小型軽量でポータブル性と波長選択性に優れたも
のである。
【0009】そして、その半導体レーザ素子は、請求項
2記載に係る発明では、複数のレーザを出射する複数出
射部を有する半導体レーザ素子とし、また、請求項3記
載に係る発明では、単一のレーザを出射する単一出射部
を有する半導体レーザ素子としたものである。
【0010】また、バンドルケーブルは、請求項4記載
に係る発明では、複数の細径導光路を稠密に束ねた構成
とし、請求項5記載に係る発明では、外周部に長波長レ
ーザの細径導光路を配設し、請求項6記載に係る発明で
は、中心にガイド光用レーザの細径導光路を配設したも
ので、集光エネルギー密度を向上したり、治療を行う手
術者の操作性を向上することができる。
【0011】また、請求項7記載に係る発明では、半導
体レーザ素子が760〜830nmおよび1900〜2
000nmの少なくとも2種類の波長のものとしたもの
で、レーザメスの切開,蒸散,止血,凝固作用が特に大
きい。
【0012】また、請求項8記載に係る発明では、生体
に対し高吸収率な波長のレーザを優先して照射した後、
他の波長のレーザを照射可能とする制御手段を備えるこ
とにより、照射する全レーザ光を効率良く吸収できる。
【0013】また、請求項9記載に係る発明では、少な
くとも1つのレーザ波長に対して高吸収率で、かつ生体
に無害な液体をレーザ照射開始位置に吹き付ける手段を
備えることとしたもので、前記の吹き付けられた位置に
レーザを照射すると、特定した波長のレーザ光は極めて
効率良く吸収されるものである。
【0014】また、請求項10記載に係る発明では、少
なくとも1つのレーザ波長が760〜830nmで、か
つ液体がインドシアニングリーンとしたもので、レーザ
メスの切開,蒸散をより有効にできるものである。
【0015】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の実施例1について図面を参
照しながら説明する。
【0016】図1において、1−1は第1の波長を持つ
複数出射部を有する半導体レーザ素子であり、例えばレ
ーザ出射部が直線状に配置しているいわゆるリニヤアレ
ー型高出力半導体レーザ素子がこれに該当する。1−2
は第2の波長を持つ同様な複数出射部を有する半導体レ
ーザ素子で、1−3はガイド光用レーザで照射対象部位
を視認するため微小出力の可視光レーザである。2−1
は前記複数出射部を有する半導体レーザ素子1−1の出
射部から出た複数のレーザ光を複数点に集光させる集光
素子であり、3−1は前記複数出射部を有する集光素子
2−1で集光された複数のレーザ光が入射する複数の細
径導光路である。各細径導光路3−1としては、例えば
コア径100μm程度で可撓性に優れた光ファイバが望
ましい。2−2および3−2は前記複数出射部を有する
半導体レーザ素子1−2用の集光素子および細径導光路
であり、2−3および3−3は前記ガイド光用レーザ1
−3用の集光素子および細径導光路である。4は前記細
径導光路3−1および3−2,3−3を束ねたバンドル
ケーブルで、外径をできるだけ細くするのが良い。5は
バンドルケーブル4から出たレーザ光であり、バンドル
径に応じたビーム径を持ち、基本的にその発散角は個々
の細径導光路からの発散角と同じとなる。6は集光ユニ
ット、7は光ファイバ、8は照射部位、9は操作盤で図
9に示す従来例の96,97,98,99と同様なもの
であり、その詳細な説明を省略する。10は電源制御ユ
ニットで操作盤9からの指令を受けて全ての半導体レー
ザ素子1−1および1−2を同時駆動する。
【0017】以上のように構成された光ファイバ式レー
ザ手術装置について、その動作を説明する。まず、複数
出射部を有する半導体レーザ素子1−1および1−2か
らの出力は、固体レーザに比べて低出力なため、高能率
な切開を行うにはシステム全てのレーザ出力を有効に用
いる必要がある(レーザ手術装置では少なくとも15〜
20ワットのレーザ出力が必要と言われ、現状半導体レ
ーザでは単一出射部での最大出力は約1ワットであ
る)。さらに、半導体レーザでは固体レーザとは異なり
大規模な電源が不要なため、電源を共用する必要がな
い。このため、操作盤9からの指令により全ての複数出
射部を有する半導体レーザ素子1−1および1−2は、
基本的には電源制御ユニット10を介して同時に発振さ
せる。複数出射部を有する半導体レーザ素子1−1およ
び1−2の出射部から出た複数のレーザ光は、集光素子
2−1および2−2により複数点に集光されて、それぞ
れ細径導光路3−1および3−2に入射する。切開用レ
ーザだけでなくガイド光用レーザ1−3もまた同様に細
径導光路3−3に入射する。これらのレーザ光はバンド
ルケーブル4内を経由してその端面から一定の発散角で
広がるレーザ光5となる。一般には、このレーザ光5の
発散角は図9に示した従来の光ファイバ式レーザ手術装
置におけるレーザ光95の発散角より大きいが、最適に
設計された集光ユニット6によって従来と同様の光ファ
イバ7に入射させることができる。その後の挙動は、図
9に示した従来の光ファイバ式レーザ手術装置における
動作と同様である。
【0018】以上のように本実施例1によれば、従来の
大型で低効率な固体レーザ発振器が、超小型で高効率の
半導体レーザ素子の集合体で代替されるため、電源およ
び装置冷却機構が大幅に簡易化できる。また、半導体レ
ーザ素子は、固体レーザ発振器のような光励起が不要で
レーザ発振の応答性も良く、さらにレーザ光路の切換機
構も不要となり、小型軽量でポータブル性と波長選択性
に優れたものにすることができる。
【0019】(実施例2)以下、本発明の実施例2につ
いて図面を参照しながら説明する。
【0020】図2において、1−3はガイド光用レー
ザ、3−1,3−2,3−3は細径導光路、4はバンド
ルケーブル、5はレーザ光、6は集光ユニット、7は光
ファイバ、8は照射部位、9は操作盤、10は電源制御
ユニットで以上は図1に示す実施例1の構成と同様のも
のである。図1の実施例1の構成と異なるのは、複数出
射部を有する半導体レーザ素子1−1,1−2に代え
て、単一出射部を有する半導体レーザ素子11−1,1
1−2を多数個用いた点と、複数のレーザ光を複数点に
集光させる集光素子2−1,2−2に代えて、レーザ光
を単独に集光させる集光素子12−1,12−2を用い
た点である。
【0021】上記のように構成された光ファイバ式レー
ザ手術装置について、その動作を説明する。実施例1と
同様にして、操作盤9からの指令により全ての単一出射
部を有する半導体レーザ素子11−1および11−2
は、基本的には電源制御ユニット10を介して同時に発
振させる。単一出射部を有する半導体レーザ素子11−
1および11−2の出射部から出たレーザ光は、単独に
集光させる集光素子12−1および12−2により個別
に集光されて、それぞれ細径導光路3−1および3−2
に入射する。この後の動作は実施例1と同様である。
【0022】以上のように本実施例2によれば、実施例
1とは半導体レーザ素子の形態が異なるだけなため、実
施例1と同様の効果を得ることができる。
【0023】(実施例3)以下、本発明の実施例3につ
いて説明する。
【0024】本実施例3の特徴とするところは、実施例
1または2の構成にその一部を限定したことにある。す
なわち、実施例1,2に示したバンドルケーブル4中に
配置する細径導光路3−1,3−2,3−3を稠密充填
の構成とする。
【0025】上記のように構成された光ファイバ式レー
ザ手術装置について、その動作を図3を参照して説明す
る。図3は、多数の細径導光路3−1,3−2および単
数の細径導光路3−3を稠密に配置したバンドルケーブ
ル4の断面の一実施例である。細径導光路3−1,3−
2,3−3は一般に円形断面を持つため、円形断面のバ
ンドルケーブル4内に稠密充填できる場合は限定され
る。図3でA,B,Cで各層を区別して、この層数をn
とした場合、充填される総数NはN=3n(n−1)−
1となる。そこで、細径導光路の総数N=17(層数n
=3),N=37(n=4),N=61(n=5)の場
合に各層数で最大の配置となる。逆に言えば、N=1
7,N=37の場合には稠密配置が容易であり、外径が
最小(真円に近い)のバンドルケーブル4を製造しやす
い。さらに、バンドルケーブル4の外径が小さいほど出
射されるレーザ光5の寸法が小さくなり、光ファイバ7
への集光性が良くなる。
【0026】以上のように実施例3によれば、実施例1
や2と同様の効果に加えて、真円度の高いバンドルケー
ブル4が得やすく集光エネルギー密度を向上できる。
【0027】(実施例4)以下、本発明の実施例4につ
いて説明する。
【0028】本実施例4の特徴とするところは、実施例
3の構成にその一部を限定したことにある。すなわち、
実施例3に示したバンドルケーブル4中で細径導光路3
−1,3−2,3−3を稠密充填に配置し、かつ最外周
層に長波長の半導体レーザを入射する細径導光路を配し
た構成とする。
【0029】上記のように構成された光ファイバ式レー
ザ手術装置について、その動作を図3および図4を参照
して説明する。図3は、細径導光路3−1,3−2,3
−3を稠密に配置したバンドルケーブル4の断面の一実
施例であり、長波長の半導体レーザが入射する細径導光
路はCの位置にある。一般に、光をレンズで集光する場
合、その集光性はレンズの収差に左右されることは周知
であり、図4(a)に示すように光軸から離れた光ほ
ど、また図4(b)に示すように短波長の光ほど屈折し
た光はレンズ側に近づく傾向がある。このため、より長
波長となる半導体レーザが入射する細径導光路を最外周
に配置することにより、上記図4(a)と図4(b)と
の傾向を相殺できるようになり、収差が小さくなり光フ
ァイバ7への集光性が良くなる。
【0030】以上のように本実施例4によれば、前記実
施例1,2と同様の効果に加えて、収差改善により一層
集光エネルギー密度を向上できる。
【0031】(実施例5)以下、本発明の実施例5につ
いて説明する。
【0032】本実施例5の特徴とするところは、実施例
3の構成にその一部を限定したことにある。すなわち、
実施例3に示したバンドルケーブル4中で細径導光路3
−1,3−2,3−3を稠密充填に配置し、かつ中心に
ガイド光用レーザの細径導光路3−3を配した構成とす
る。
【0033】上記のように構成された光ファイバ式レー
ザ手術装置について、その動作を図3および図1を参照
して説明する。図3は、細径導光路3−1,3−2,3
−3を稠密に配置したバンドルケーブル4の断面の一実
施例であり、ガイド光用レーザの細径導光路3−3はA
の位置にある。この構成ではガイド光はバンドルケーブ
ル4の中心にあるため、図1に示す集光ユニット6の光
軸に一致させやすく、光ファイバ7の中心に入射するた
め常に治療対象の照射部位8の中心にガイド光用レーザ
1−3が照射される。
【0034】以上のように本実施例5によれば、前記実
施例1,2,3と同様の効果に加えて、治療を行う手術
者の操作性も向上できる。
【0035】(実施例6)以下、本発明の実施例6につ
いて説明する。
【0036】本実施例6の特徴とするところは、実施例
1の構成にその一部を限定したことにある。すなわち、
第1の波長に760〜830nmの半導体レーザを、第
2の波長に1900〜2000nmの半導体レーザを用
いて構成する。
【0037】上記のように構成された光ファイバ式レー
ザ手術装置について、その動作を図5および図1を参照
して説明する。図5は半導体レーザで得られる光の波長
と生体組織への透過度との関係を示す特性図である。縦
軸は光消散長(光の強度が1/10にまで減衰する距
離)で表されており、その値が大きいほどレーザ光が組
織内に深く入ることを示す。一般に、組織の表層でレー
ザ光が完全に吸収されるほど切開,蒸散性は優れ、また
照射領域を限定しやすいために安全性が高くなる。この
ためには、1900〜2000nmの波長が適している
ことが図5からわかる。また、高出力が得やすい760
〜830nmの波長の半導体レーザでは、組織内に比較
的深くまでレーザ光が達するので、止血や凝固性に優れ
る特徴がある。そこで、これらの両波長域の半導体レー
ザ素子1−1および1−2から出たレーザ光は実施例1
と同様に治療対象の照射部位8に照射されるため、これ
らの他の波長を用いた場合よりも切開,蒸散,止血,凝
固作用がより大きくなる。
【0038】以上のように本実施例6によれば、実施例
1,2と同様の効果に加えて、レーザメスの効能,効果
である切開,蒸散,止血,凝固をより有効にできる。
【0039】(実施例7)以下、本発明の実施例7につ
いて説明する。
【0040】本実施例7の特徴とするところは、実施例
1の構成に照射時間調整手段を付加したことにある。す
なわち実施例1では、異なる波長の半導体レーザ1−1
および1−2を同時に発振させる電源制御ユニット10
を用いているが、この後に2種類の波長の発振開始時間
に差を生じさせるための照射時間差制御手段を付加した
構成とする。
【0041】上記のように構成された光ファイバ式レー
ザ手術装置について、その動作を図6を参照して説明す
る。生体に対して吸収性が優れた第1の波長の半導体レ
ーザが図6に示すように優先して照射されると、短時間
で照射部位の表層組織が炭化を始める。この炭化層は実
質上、全ての半導体レーザの波長に対して吸収性が優れ
るため、これが形成された後に第2の波長の半導体レー
ザ(炭化層がなければ低吸収率のもの)を照射すると全
レーザ光を効率良く吸収される。
【0042】以上のように本実施例7によれば、実施例
1,2と同様の効果に加えて、レーザメスの切開,蒸散
をより有効にできる。
【0043】(実施例8)以下、本発明の実施例8につ
いて説明する。
【0044】本実施例8の特徴とするところは、実施例
1の構成に液体吹き付け手段を付加したことにある。す
なわち、図1に示す光ファイバ7の先端部に、少なくと
も1つのレーザ波長に対して高吸収率で、かつ生体に無
害な液体をレーザ照射開始位置に吹き付ける液体吹き付
け手段を付加して構成される。この液体吹き付け手段は
図7に示すように構成される。7は光ファイバ、7−1
はフィルタ、7−2はインクジェットである。
【0045】上記のように構成された光ファイバ式レー
ザ手術装置について、その動作を図7を参照して説明す
る。少なくとも1つのレーザ波長に対して高吸収率で、
かつ生体に無害な液体はインクジェット7−2に蓄えら
れ、外部からフィルタ7−1を経由して送り込まれる圧
搾空気(図示せず)によってレーザ照射直前に吹き付け
滴下される。この吹き付けられた位置にレーザが照射さ
れると、少なくとも1つの波長のレーザ光は極めて効率
良く吸収される。
【0046】以上のように本実施例8によれば、実施例
1,2と同様の効果に加えて、レーザメスの切開,蒸散
をより有効にできる。
【0047】(実施例9)以下、本発明の実施例9につ
いて説明する。
【0048】本実施例9の特徴とするところは、実施例
8の構成で少なくとも1つのレーザ波長が760〜83
0nmの半導体レーザで、かつインクジェットでの吹き
付け液体をインドシアニングリーン(以下、ICGとい
う)としたものである。
【0049】ICGは肝臓検査用に広く使われているも
のであり、生体に対しては全く無害であることが知られ
ている。図8に示すように、ICGは760〜830n
mの波長に対して吸収特性が極めて高く実施例8に対す
る最適条件となる。
【0050】以上のように本実施例9によれば、実施例
1,2と同様の効果に加えて、レーザメスの切開,蒸散
をより有効にできる。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明は、発振波長の異な
る複数の半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子から出
射された個別のレーザ光を伝送する細径導光路と、細径
導光路を束ねたバンドルケーブルと、バンドルケーブル
から出射された複数のレーザ光を集光する集光ユニット
と、集光ユニットで集光されたレーザ光を照射部位まで
導く光ファイバとを設けることにより、従来の大型で低
効率な固体レーザ発振器を、超小型で高効率の半導体レ
ーザ素子の集合体で代替されるため、電源および装置冷
却機構が大幅に簡易化できる。半導体レーザ素子は、固
体レーザ発振器のような光励起が不要でレーザ発振の応
答性も良く、さらにレーザ光路の切換機構も不要とな
り、小型軽量でポータブル性と波長選択性に優れた光フ
ァイバ式レーザ手術装置を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における光ファイバ式レーザ
手術装置の構成図
【図2】本発明の実施例2における光ファイバ式レーザ
手術装置の構成図
【図3】本発明の実施例3におけるバンドルケーブル内
の細径導光路の配置図
【図4】(a)は入射光の高さと集光状態との関連を示
す説明図 (b)は波長と集光状態との関連を示す説明図
【図5】光の波長と生体組織への透過度との関係を示す
特性図
【図6】本発明の実施例7における照射時間差を示す説
明図
【図7】本発明の実施例8における液体吹き付け装置の
要部拡大断面図
【図8】光の波長とICGへの透過度との関係を示す特
性図
【図9】従来の光ファイバ式レーザ手術装置の構成図
【符号の説明】
1−1,1−2 複数出射部を有する半導体レーザ素子 1−3 ガイド光用レーザ 2−1,2−2,2−3 集光素子 3−1,3−2,3−3 細径導光路 4 バンドルケーブル 5 レーザ光 6 集光ユニット 7,97 光ファイバ 7−1 フィルタ 7−2 インクジェット 8,98 照射部位 9,99 操作盤 10 電源制御ユニット 11−1,11−2 単一出射部を持つ半導体レーザ素
子 12−1,12−2 単独に集光させる集光素子 91,92 固体レーザ発振器 93 固定ミラー 94 可動ミラー 100 共用電源制御ユニット
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項10
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】上記のように構成された光ファイバ式レー
ザ手術装置について、その動作を図6を参照して説明す
る。生体に対して吸収性が優れた第1の波長の半導体レ
ーザが図6に示すように優先して照射されると、短時間
で照射部位の表層組織が炭化を始める。この炭化層は実
質上、全ての半導体レーザの波長に対して吸収性が優れ
るため、これが形成された後に第2の波長の半導体レー
ザ(炭化層がなければ低吸収率のもの)を照射すると全
レーザ光効率良く吸収される。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発振波長の異なる複数の半導体レーザ素
    子と、半導体レーザ素子から出射された個別のレーザ光
    を伝送する細径導光路と、導光路を束ねたバンドルケー
    ブルと、バンドルケーブルから出射された複数のレーザ
    光を集光する集光ユニットと、集光ユニットで集光され
    たレーザ光を照射部位まで導く光ファイバとを備えた光
    ファイバ式レーザ手術装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも1つ以上の半導体レーザ素子
    が複数のレーザを出射する複数出射部を有する請求項1
    記載の光ファイバ式レーザ手術装置。
  3. 【請求項3】 半導体レーザ素子が単一のレーザを出射
    する単一出射部を有する請求項1記載の光ファイバ式レ
    ーザ手術装置。
  4. 【請求項4】 バンドルケーブルが複数の細径導光路を
    稠密に束ねた構成を有する請求項1記載の光ファイバ式
    レーザ手術装置。
  5. 【請求項5】 バンドルケーブルの外周部に長波長レー
    ザの細径導光路を配した請求項1記載の光ファイバ式レ
    ーザ手術装置。
  6. 【請求項6】 バンドルケーブルの中心にガイド光用レ
    ーザの細径導光路を配した請求項1記載の光ファイバ式
    レーザ手術装置。
  7. 【請求項7】 半導体レーザ素子が760〜830nm
    および1900〜2000nmの少なくとも2種類の波
    長のものである請求項1記載の光ファイバ式レーザ手術
    装置。
  8. 【請求項8】 生体に対し高吸収率な波長のレーザを優
    先して照射した後、他の波長のレーザを照射可能とする
    制御手段を付加した請求項1記載の光ファイバ式レーザ
    手術装置。
  9. 【請求項9】 少なくとも1つのレーザ波長に対して高
    吸収率で、かつ生体に無害な液体をレーザ照射開始位置
    に吹き付ける手段を付加した請求項1記載の光ファイバ
    式レーザ手術装置。
  10. 【請求項10】 少なくとも1つのレーザ波長が760
    〜830nmで、かつ液体がインドシアニングリーンで
    ある請求項1記載の光ファイバ式レーザ手術装置。
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