JPH091693A - タイヤ成形ドラム装置におけるドラムセグメントの固着方法及びタイヤ成形ドラム装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］タイヤ成型ドラム装置のドラムセグメントの交
換にあたって、その取り付け及び取り外しを短時間で行
うことができるようにし、これによりタイヤの製造ライ
ンの停止時間を極力短くして、製造効率を向上させるこ
とを目的とする。 ［構成］タイヤ成形ドラム装置Ｄのドラムボディー１の
外面１０の所要箇所には磁石板２が複数枚埋め込んであ
る。磁石板２は、円柱周面状の外面１０と表面が面一に
なるようにしてある。ドラムボディー１の外面１０に
は、内面３０が外面１０の形状に沿うように形成された
ドラムセグメント３が取り付けてある。ドラムセグメン
ト３の内面３０には鉄片４が、磁石板２と対応して複数
埋め込んである。鉄片４は、内面３０と表面が面一にな
るようにしてある。ドラムボディー１の長さ方向の両端
部には、キーＫがドラムの放射方向に固着してある。ド
ラムセグメント３の長さ方向両端部の嵌合フランジ３２
内面には、キーＫと嵌め合うキー溝３１が設けてある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤ成形ドラム
装置におけるドラムセグメントの固着方法及びタイヤ成
形ドラム装置に関し、更に詳しくはドラムセグメントを
短時間でドラムボディーに取り付け或は取り外しができ
るようにした、ドラムセグメントの固着方法及びタイヤ
成形ドラム装置に関する。

【０００２】

【従来の技術とその課題点】タイヤの成形にはタイヤ成
形ドラム装置が使用されている。一般的なタイヤ成形ド
ラムの構造は実施例に対応する図１に示すように、分割
された複数のドラムボディー１の表面にそれぞれドラム
セグメントを固着したものである。このドラムセグメン
トの固着は、従来は図３に示すように複数のネジ９を用
いた固着手段で行われていた。

【０００３】ところで、成形されるタイヤには各種サイ
ズのものがあり、曲板状であるドラムセグメントは、サ
イズごとに異なる曲率及び幅のものが必要となる。ま
た、製造現場においては、一つの製造ラインで複数の種
類のタイヤを切り替えながら製造するのが一般的であ
り、ドラムセグメントは頻繁に交換される。従来のドラ
ムセグメントの交換は、ネジ９を緩めて外す〜旧ド
ラムセグメントを取り外す〜新ドラムセグメントを取
り付ける〜ネジ９を締め付ける、の各工程を経て行わ
れていた。

【０００４】ドラムセグメントが一枚であれば、ネジの
取り外しや締め付けに多少時間がかかってもそれほど問
題はない。しかし、タイヤ成形ドラム装置には、一台に
ついて１２枚前後のドラムセグメントが装着してある。
すなわち、一枚の交換時間が長いと、全体としては相当
な時間を交換作業に費やすことになり、しかも交換中は
製造ラインを止めなければならないので、これが製造効
率を低下させる大きな要因となっている。

【０００５】

【発明の目的】本発明は上記課題を解消するもので、タ
イヤ成型ドラム装置のドラムセグメントの交換にあたっ
て、その取り付け及び取り外しを短時間で行うことがで
きるようにし、これによりタイヤの製造ラインの停止時
間を極力短くして、製造効率を向上させることを目的と
する。

【０００６】

【発明の構成】上記目的を達成するために講じた発明の
構成は次の通りである。即ち、第１の発明にあっては、
タイヤ成形ドラム装置のドラムボディーにドラムセグメ
ントを固着するための方法であって、この方法は、ドラ
ムボディーとドラムセグメントを磁力により固着するよ
うにした、タイヤ成形ドラム装置におけるドラムセグメ
ントの固着方法である。

【０００７】第２の発明にあっては、ドラムボディーに
各種サイズのタイヤに対応したドラムセグメントを着脱
するようにしたタイヤ成形ドラム装置であって、このタ
イヤ成形ドラム装置は、ドラムセグメントとの接面部
に、ボディー側磁着手段が設けてあるドラムボディー
と、このドラムボディーとの接面部に、上記ボディー側
磁着手段と磁着可能なセグメント側磁着手段が設けてあ
るドラムセグメントと、を含んでいる、タイヤ成形ドラ
ム装置である。

【０００８】第３の発明にあっては、ドラムボディーと
ドラムセグメントの接面位置を所定の位置に固定するず
れ防止手段を備えている、第２の発明に係るタイヤ成形
ドラム装置である。

【０００９】ボディー側磁着手段とセグメント側磁着手
段は、磁石と磁性体のうち、互いに磁着可能な組合せか
らなる。例えば、一方が磁石である場合は、他方は磁石
あるいは磁性体である。また、一方が磁性体である場合
は、他方は磁石である。磁石はフェライト磁石のような
永久磁石でもよいし、電磁石でもよい。また、磁石が永
久磁石である場合は、磁力の設定が必要になる。すなわ
ち、タイヤ成型作業中にドラムセグメントが外れること
がなく、しかも、交換時の取り外しが容易にできるよう
に設定する。

【００１０】ずれ防止手段は、上記磁着手段による固定
を補助するものであって、その構造は特に限定はしな
い。例えば、キーとキー溝からなる構造、係止突起と係
止孔からなる構造などである。

【００１１】

【作用】ドラムボディーにドラムセグメントを固定する
場合は、ボディー側磁着手段とセグメント側磁着手段を
磁着させて固定する。ずれ防止手段を備えたものにあっ
ては、ずれ防止手段の作用により、ドラムボディーとド
ラムセグメントの接面部のずれを防止することができ
る。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明を図面に示した実施例に基
づき更に詳細に説明する。図１は本発明に係るタイヤ成
形ドラム装置のドラム部分の拡大時と縮小時を表わした
説明図、図２はタイヤ成形ドラム装置のドラムボディー
とドラムセグメントを表わした、図１におけるＡ−Ａ拡
大断面図である。タイヤ成形ドラム装置Ｄは、円形に複
数配置して設けてあるドラムボディー１と、これらの外
面に取り外し可能に取り付けてあるドラムセグメント３
を備えている。

【００１３】なお、本実施例のタイヤ成形ドラム装置Ｄ
の内部構造は公知であるので、例えばドラムボディー１
には放射方向への移動幅が大きいものと小さいものがあ
り、移動幅が大きいものには内嵌め型で幅が狭いドラム
セグメント３が取り付けてあり、移動幅が小さいものに
は外嵌め型で幅が広いドラムセグメント３が取り付けて
あるなどの、構造の詳細については説明を省略する。

【００１４】ドラムボディー１の外面１０の所要箇所に
は、ボディー側磁着手段である磁石板２が複数枚埋め込
んである。磁石板２は、円柱周面状の外面１０と表面が
面一になるようにしてある。磁石板２は永久磁石であ
り、本実施例ではドラムボディー１の幅方向に二列、長
さ方向にほぼ等間隔で四個、計八個が設けてあるが、個
数や取り付け位置については適宜設定できる。また、磁
石板２の強さは、タイヤ成型作業中にドラムセグメント
が外れることがなく、かつ交換時の取り外しが容易にで
きるように設定されている。

【００１５】ドラムボディー１の外面１０には、内面３
０が外面１０の形状に沿うように形成されたドラムセグ
メント３が取り付けてある。ドラムセグメント３の内面
３０には、磁性体である鉄片４が、上記磁石板２と対応
して複数埋め込んである。鉄片４は、内面３０と表面が
面一になるようにしてある。ドラムボディー１の長さ方
向の両端部には、ずれ防止手段を構成するキーＫがドラ
ムの放射方向に固着してある。また、ドラムセグメント
３の長さ方向の両端部には、軸方向のずれを防止するた
めの嵌合フランジ３２が設けてある。嵌合フランジ３２
の内面にはキーＫと嵌め合うキー溝３１が設けてある。
キーＫにキー溝３１を嵌め込んでドラムセグメント３を
装着することにより、ドラムセグメント３のドラムの接
面位置が決まり、ずれることはない。

【００１６】（作 用）ドラムボディー１にドラムセグ
メント３を固定する場合は、ドラムボディー１のキーＫ
とドラムセグメント３のキー溝３１の位置を合わせ、ド
ラムボディー１側の磁石板２にドラムセグメント３側の
鉄片４を磁着させて嵌め込み固定する。これにより、ド
ラムボディー１とドラムセグメント３の接面部がドラム
周方向及び軸方向にずれないようにする。製造するタイ
ヤのサイズを変える場合には、サイズに合わせてドラム
セグメント３を交換する必要がある。ドラムセグメント
３の取り外しは、ドラムセグメント３を磁着力に抗して
ドラムボディー１から引き離して行なう。本発明は図示
の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の
記載内において変形が可能である。

【００１７】

【発明の効果】本発明は上記構成を有し、次の効果を備
えている。 （ａ）ドラムセグメントを交換するときに、従来のネジ
による固着のようにドライバーを使用して締め付けたり
緩めたりするような面倒な作業が不要になり、ドラムセ
グメントを各磁着手段の磁着力に抗して引き離すだけで
容易に取り外すことができ、ドラムセグメントの固定も
ドラムボディーとドラムセグメントを接面させるだけで
容易にできる。従って、タイヤ成型ドラム装置全体で
も、ドラムセグメントの交換が短時間で可能となり、製
造ラインの停止時間が短くて済むので、製造効率が向上
する。

【００１８】（ｂ）ずれ防止手段を備えたものにあって
は、ずれ防止手段の作用により、ドラムボディーとドラ
ムセグメントの接面部のずれを防止することができ、ド
ラムボディーとドラムセグメントの固定がより確実にで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るタイヤ成形ドラム装置のドラム部
分の拡大時と縮小時を表わした説明図。

【図２】タイヤ成形ドラム装置のドラムボディーとドラ
ムセグメントを表わした、図１におけるＡ−Ａ拡大断面
図。

【図３】従来のドラムセグメントの固着構造を示した説
明図。

【符号の説明】

Ｄ タイヤ成形ドラム装置 １ ドラムボディー １０ 外面 ２ 磁石板 ３ ドラムセグメント ３０ 内面 ３１ キー溝 ３２ 嵌合フランジ ４ 鉄片 Ｋ キー

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 タイヤ成形ドラム装置のドラムボディー
   にドラムセグメントを固着するための方法であって、こ
   の方法は、 ドラムボディーとドラムセグメントを磁力により固着す
   るようにしたことを特徴とする、 タイヤ成形ドラム装置におけるドラムセグメントの固着
   方法。
2. 【請求項２】 ドラムボディーに各種サイズのタイヤに
   対応したドラムセグメントを着脱するようにしたタイヤ
   成形ドラム装置であって、このタイヤ成形ドラム装置
   は、 ドラムセグメントとの接面部に、ボディー側磁着手段が
   設けてあるドラムボディーと、 このドラムボディーとの接面部に、上記ボディー側磁着
   手段と磁着可能なセグメント側磁着手段が設けてあるド
   ラムセグメントと、を含んでいることを特徴とする、 タイヤ成形ドラム装置。
3. 【請求項３】 ドラムボディーとドラムセグメントの接
   面位置を所定の位置に固定するずれ防止手段を備えてい
   ることを特徴とする、 請求項２記載のタイヤ成形ドラム装置。