JPH09168714A - 空気清浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】広い範囲の空気を高い清浄効率で清浄化する。 【解決手段】空気清浄装置１の吸気ダクト２から吸入さ
れた外部の空気は噴霧部８から噴出された霧状の水を通
過するときに、塵埃などが水で吸収されて清浄化され
る。ここで清浄化された空気は気水分離部２０で水が分
離され、排気ダクト３及びシロッコファン３６を経て外
部に放出される。この空気清浄装置１は霧状の水で清浄
作用を行なうので空気抵抗が少なく、清浄の効率が高く
なると共に広い範囲の空気を清浄化できる。水受部２１
により使用済みの水を直接回収でき水の補給頻度が減少
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は水で空気を清浄化す
る空気清浄装置に関する。詳しくは、散水部から散布さ
れた水を捕集する水受部を設けることにより、水の回収
率を向上させた空気清浄装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の空気清浄装置には、活性炭や例え
ばポリプロピレンなどの化学繊維をフィルタとして使用
し、強制的に吸引した空気をこのフィルタを通すことに
より、空気中に含まれる塵埃や臭いなどを除去するフィ
ルタ型の清浄装置が知られている。また、空気中の塵埃
や臭いの成分などを例えば＋側に帯電させ、これを−側
の電極に引き寄せてペーパータオルなどで捕集するイオ
ン型の清浄装置も知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来例のうち
フィルタ型の清浄装置では、フィルタが比較的早く汚
れ、目詰まりを起こして清掃機能が低下するので、フィ
ルタを頻繁に交換する必要があり、面倒なだけでなく費
用がかかる。また、フィルタは活性炭や化学繊維などを
隙間なく詰めているため圧力損失が大きく、空気を吸引
するために能力の大きな動力源を必要とすることに加
え、装置が大型化する。

【０００４】イオン型の清浄装置では、空気の流れる速
度が大きいと＋側に帯電された塵埃などが−側に引き寄
せられずに空気と一緒に外部に放出されてしまうので、
空気を強制的に吸引して流すことができない。したがっ
て、清浄装置近傍の空気しか清浄することができず、広
い部屋の清浄化に対応できないという問題がある。

【０００５】そこで本発明は、上述したような課題など
を解決したものであって、安価でしかも広い範囲の空気
を効率よく清浄化できるようにすると共に、さらに浄化
用水の回収率を改善した空気清浄装置を提案するもので
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め本発明においては、外部から吸入した空気を清浄化し
て排出する空気清浄装置において、吸気ダクトから吸入
された外部の空気を清浄化するための水を散布する散水
部と、散水部を通過して清浄化された空気を外部に排気
するための排気ダクトと、吸気ダクト側から排気ダクト
側に空気を流すためのファンと、散水部から散布された
水を貯めるタンクと、散水部から散布された水を捕集す
る水受部とを備え、水受部が散水部の下側に設けられて
いることを特徴とするものである。

【０００７】吸気ダクトから吸入された外部の空気は散
水部から噴霧された霧状の水を通過するときに、塵埃な
どが捕集されて清浄化される。汚れた空気を清浄化する
ために使用した霧状の水は水受部により回収され、直接
水の溜まり部へと送られるため回収率が向上する。

【０００８】

【発明の実施の形態】続いて、本発明に係る空気清浄装
置の実施の一形態について、図面を参照して詳細に説明
する。

【０００９】図１は、本発明による実施の態様である空
気清浄装置１の構成を示している。空気清浄装置１はＬ
字状の吸気ダクト２が円筒状の排気ダクト３内のほぼ中
央に配置され、装置本体の中央部を横切るようにして取
付け固定された円板状の横板４上に載置固定される。横
板４の中央には吸気ダクト２の円筒部５の内径とほぼ同
寸法の通孔６が形成され、外周側半部には円周方向にわ
たり複数の通気孔７，７が形成されている。これら通孔
６と通気孔７は後述する散水部である噴霧部８により清
浄化された空気が通過する。

【００１０】吸気ダクト２の開口部は排気ダクト３の筒
壁９に開口した吸気口１０により外部に開放されてい
る。排気ダクト３の一端は筒壁９に設けられた排気口１
１に連結されている。

【００１１】吸気ダクト２の円筒部５内には空気を清浄
化するための水を散布する散水部、本例では水を霧状に
して噴出する円筒状の噴霧部８が設置される。

【００１２】噴霧部８は図２及び図３に示すように筒状
の枠部１４を有し、清浄化部材として厚肉で円筒状のス
ポンジ１３がこの枠部１４内に収納固定されている。枠
部１４は円板状の上板１５と下板１６がスポンジ１３の
上下に配置され、これら上板１５と下板１６の間に縦板
１７が等間隔（本例では４本）で設けられた格子状の枠
体１４によってスポンジ１３が保持されている。

【００１３】スポンジ１３の内側に形成された円筒状空
間にはパイプ状の固定ノズル１８がほぼ全長にわたり配
置されている。固定ノズル１８は上側の小径部１９と下
側の大径部２５とが連結したものであって、その下端部
にはねじ部が形成されて後述する水受部２１の結合孔２
１ａに螺合されている。固定ノズル１８には、その下側
より図１に示すタンク３１から水が供給される。

【００１４】小径部１９及び大径部２５には、それぞれ
長手方向に沿って複数のノズル孔２８，２９が設けら
れ、これらノズル孔２８，２９は先端に向かうほど小口
径となるように形成されている。これは固定ノズル１８
の先端側ほど静水圧が高くなり、基端側ほど静水圧が低
くなるので、このように口径をその位置に応じて夫々選
定することにより供給された水を全てのノズル孔２８，
２９から均一（同一量）に噴出させるためである。

【００１５】このように構成される噴霧部８は図３に示
すように円筒部５の上部に設けられた支持板２６に取付
けられているモータ１２により回転駆動される。すなわ
ち上板１５には継手３２が設けられ、この継手３２にモ
ータ１２の回転軸３３が連結されている。したがってモ
ータ１２が回転することにより回転軸３３に連結された
継手３２を介して枠部１４が回転する。

【００１６】このとき、固定ノズル１８のノズル孔２
８，２９から水が噴出され、多孔質体であるスポンジ１
３内を通過することにより、この水が多数の微細小粒に
細分化される。さらにスポンジ１３の回転による遠心力
で細分化された水が散布され、吸気ダクト２の円筒部５
内（噴霧部８の周囲）が霧状の水で覆われることにな
る。

【００１７】吸気ダクト２の吸気口１０から吸入され、
支持板２６の通気孔３４を通過した空気に含まれる塵埃
や臭いの成分などは、この霧状の水滴に吸着するので、
汚れた空気が清浄化される。この時点では清浄化された
空気には霧状の水が含まれた状態であるから気水混合体
となっている。

【００１８】吸気ダクト２及び噴霧部８の下側には、気
水分離部２０が設けられている。気水分離部２０の底部
中央は下方に突出させた水の溜り部３８が形成されてい
る。

【００１９】噴霧部８により清浄化された空気（気水混
合体）は横板４の通孔６を通り気水分離部２０へと流れ
込み、この気水分離部２０内で空気と水とに分離され
る。

【００２０】清浄化された空気は排気ダクト３の排気口
１１から外部に排気され、分離された水はそのまま溜ま
り部３８に滴下する。このようにして溜まり部３８に捕
集された水は、溜まり部３８の下側に着脱自在に配置さ
れたタンク３１に回収される。

【００２１】このような空気の流れは図１に示す排気ダ
クト３の上部に設けられたモータ３５で駆動されるシロ
ッコファン３６によって強制的につくられる。シロッコ
ファン３６は外部の空気を吸入する働きがあり、空気清
浄装置１内外に対する強制的な空気の循環ルートを生成
させる働きもあるから、室内の空気清浄化を促進させ
る。

【００２２】ところで、このように汚れた空気を清浄化
する際に噴霧部８から散布される霧状の水は円筒部５の
内壁に付着し、水滴となって落下する。このため、この
ような水を効率良く回収するために、横板４の下面には
さらに図４に示すような水受部２１が設けられている。

【００２３】図５に示すように、水受部２１は円環状に
形成され、中央部には水供給用ノズル２３が設けられて
おり、外周部には全周にわたり凹溝２２が形成されてい
る。

【００２４】凹溝２２と水供給用ノズル２３との間は放
射状に延びる複数のリブによって連結される。

【００２５】水供給用ノズル２３には図１に示すポンプ
３９の吐出口に接続された給水パイプ４０が接続され
る。

【００２６】図４に示すように、水受部２１の上板部５
１には複数のリブによって多数の通気孔５０が形成され
ている。水受部２１の周縁部には等間隔（本例では４箇
所）に取付部４９が設けられ、これら取付部４９に挿通
させたネジなどを用いて横板４の下面にこの水受部２１
が取付固定されている。

【００２７】図５に示すように凹溝２２の形状は次第に
傾斜するようになされ、図４に示すように凹溝２２のう
ち一巡した最深部２２ａには開口５８が形成されてい
る。この開口５８は水受部２１の凹溝２２部分に流れて
くる水を回収するためのもので、図６に示すように水受
部２１の下方に向って突設された接続部４６に連通され
ている。この接続部４６には図３に示す排出ノズル４７
が取付けられている。排出ノズル４７はその先端部を水
の溜まり部３８の底部にまで延出させている。

【００２８】すなわち汚れた空気を清浄化した霧状の水
は水滴となり、凹溝２２部分に落下しこの凹溝２２の傾
斜に沿って最深部２２ａへと流れ込み、開口５８から接
続部４６に連結された排出ノズル４７を通じて溜まり部
３８に排水される。

【００２９】このように本例では使用済みの水は水受部
２１により回収されて直接排出ノズル４７から溜まり部
３８へと送られている。このため回収用の水が途中で滞
留したり、蒸発したりすることがなく効率的に再使用す
ることができる。

【００３０】従って、タンク３１の水の補給作業の頻度
を減少することができる。

【００３１】一方、タンク３１の上部には、図７に示す
ようにこのタンク３１を溜り部３８に連結するための接
続部４５が設けられている。

【００３２】溜り部３８において接続部４５との対向面
には溜り部３８内の水を排出するための排水パイプ５６
と、吸入チューブ５９を介して送られてくるタンク３１
内の水を噴霧部８側に供給するためのＬ字状の供給パイ
プ５７が突出して取り付けられている。これら各パイプ
５６，５７は溜まり部３８の側面から突出している。

【００３３】排水パイプ５６は溜り部３８の底部付近に
取り付けられている。これは溜まり部３８の底部に存在
する（流れ込む）水を効率良く回収するためである。

【００３４】図７に示すように接続部４５内には、タン
ク３１の取り付け時に供給パイプ５７及び排水パイプ５
６に連結される継ぎ手部５２，５２が設けられている。

【００３５】これら継ぎ手部５２，５２はフィルタ３７
により清浄化（ろ化）された水を吸入する吸入チューブ
５９と溜まり部３８内の水を回収する排出チューブ６０
に夫々接続されている。

【００３６】タンク３１が所定の位置に配置されると、
供給パイプ５７と排水パイプ５６の先端部が継ぎ手部５
２，５２内に設けられた逆止弁４３を押し開く。これに
より、溜り部３８内の水をタンク３１に回収可能になる
と共に、タンク３１内の水を吸入チューブ５９を通じて
噴霧部８に供給可能になる。

【００３７】逆に、タンク３１が取り外されたときに
は、逆止弁４３が弾性により閉じられるので、タンク３
１内の水が外部に漏れることがなくなる。

【００３８】排水パイプ５６の溜り部３８側の開口部に
は、タンク３１を取り外したときに溜り部３８内の水が
漏出するのを防止するための、止め弁４０が開閉自在に
取り付けられている。止め弁４０はＬ字状の回動レバー
４１の下端部に排水パイプ５６の口径より大きなパッキ
ン５３が設けられ、上部側は支持部５４に回動自在に取
り付けられている。回動レバー４１の上端部は気水分離
部２０に取り付けられたソレノイド４２のロッド４４が
連結されている。

【００３９】タンク３１が取り付けられたときには、図
１に示す排気ダクト３の底部に設けられたマイクロスイ
ッチ５５が押されてソレノイド４２に通電され、このソ
レノイド４２のロッド４４が引き込まれ回動レバー４１
が支持部５４を支点として回動する。これにより止め弁
４０が開放され溜まり部３８内の水を排水パイプ５６を
通じて回収することができる。

【００４０】タンク３１が取り外されたときには、ソレ
ノイド４２への通電が断たれ、ロッド４４が押し出され
止め弁４０が閉められて溜まり部３８内の水が漏出する
のを防止する。

【００４１】この空気清浄装置１は、霧状の水の中に汚
れた空気を通過させることによって空気中の塵埃や臭い
の成分を水滴に捕集させて取り除くため空気抵抗が少な
く、空気清浄の効率が向上する。また、使用された水は
水受部により直接回収されるため、タンクに水を補給す
る頻度が減少する。さらに外部の空気を強制的にファン
で吸入し、これを清浄化して排出するから広範囲の空気
を清浄化することができる。

【００４２】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、外部から
吸入した空気を清浄化して排出する空気清浄装置におい
て、吸気ダクトから吸入された外部の空気を清浄化する
ための水を散布する散水部と、散水部を通過して清浄化
された空気を外部に排気するための排気ダクトと、吸気
ダクト側から排気ダクト側に空気を流すためのファン
と、散水部から散布された水を貯めるタンクと、散水部
から散布された水を捕集する水受部とを備え、水受部を
散水部の下側に設けるようにしたものである。

【００４３】したがって、本発明によれば、フィルタ型
の空気清浄装置のようにフィルタなどの消耗品を必要と
しないためコストの低減が図れ、しかもイオン型の空気
清浄装置より広い範囲にわたって空気を清浄化すること
が可能になる。また、水受部により再使用する水の回収
効率が向上するなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る空気清浄装置の実施の形態であ
る。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図である。

【図３】噴霧部８の構成を示す拡大図である。

【図４】水受部２１を示す平面図である。

【図５】図４のＢ−Ｂ断面図である。

【図６】図４のＣ矢視図である。

【図７】図１のＤ部詳細図である。

【符号の説明】

１ 空気清浄装置 ２ 吸気ダクト ３ 排気ダクト ８ 噴霧部 １０ 吸気口 １１ 排気口 １３ スポンジ １８ 固定ノズル ２０ 気水分離部 ２１ 水受部 ３１ タンク ３６ シロッコファン ３７ フィルタ ３８ 溜り部 ３９ ポンプ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外部から吸入した空気を清浄化して排気
   する空気清浄装置において、 吸気ダクトから吸入された外部の空気を清浄化するため
   の水を散布する散水部と、 上記散水部を通過して清浄化された空気を外部に排気す
   るための排気ダクトと、 上記吸気ダクト側から上記排気ダクト側に空気を流すた
   めのファンと、 上記散水部から散布された水を貯めるタンクと、 上記散水部から散布された水を捕集する水受部とを備
   え、 上記水受部が上記散水部の下側に設けられていることを
   特徴とする空気清浄装置。
2. 【請求項２】 上記水受部に形成した凹溝が傾斜してい
   ることを特徴とする請求項１記載の空気清浄装置。