JPH09168260A - 回転機のロータ磁石材料着磁方法及び装置 - Google Patents

回転機のロータ磁石材料着磁方法及び装置

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JPH09168260A
JPH09168260A JP7325547A JP32554795A JPH09168260A JP H09168260 A JPH09168260 A JP H09168260A JP 7325547 A JP7325547 A JP 7325547A JP 32554795 A JP32554795 A JP 32554795A JP H09168260 A JPH09168260 A JP H09168260A
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JP
Japan
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magnetizing
rotor
stator
magnet material
rotor magnet
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JP7325547A
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English (en)
Inventor
Kenichi Kuroda
健一 黒田
Yasushi Suga
裕史 菅
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着磁ヨークのような専用治具を用いることな
く、ロータ外周部に設けられたロータ磁石材料を着磁す
る。 【解決手段】 ステータ巻線を巻き付けたステータ及び
このステータに内挿され外周部にロータ磁石を設けたロ
ータを備える回転機の、ロータ磁石材料の着磁にに適用
する。ロータ磁石材料を外周部に設けたロータ2をステ
ータに内挿した状態で、ステータのステータ巻線に所定
の電流を供給し、ステータ巻線が形成するステータコイ
ル7w、7u、7vに所定の着磁磁界を発生させ、この
着磁磁界中に配置されたロータ磁石材料を着磁する。こ
の方法に用いる装置は、ステータのステータ巻線に上記
所定の電流を供給する着磁電流供給手段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はロータ磁石材料着磁
方法及び装置、特にロータ外周部に設けられたロータ磁
石材料に所定の着磁磁界を作用させ、このロータ磁石材
料を着磁して永久磁石とするロータ磁石材料着磁方法及
び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、モータや発電機として、ステータ
巻線を巻き付けたステータと、このステータに内挿さ
れ、外周部に永久磁石からなるロータ磁石を設けたロー
タを備える回転機が用いられている。この回転機用のロ
ータは、外周部にロータ磁石用のロータ磁石材料を設け
たロータに対して着磁磁界を作用させ、着磁磁界中に配
置されたロータ磁石材料を着磁して永久磁石とすること
により製造することができる。このロータ磁石材料とし
ては、フェライト、サマリウム、コバルト、ネオジム等
の材質が用いられている。
【0003】以下、従来より上記ロータ磁石材料の着磁
に用いられているロータ磁石材料着磁装置の一例につい
て説明する。この装置は、外周部に4個のロータ磁石材
料が等間隔に貼設されたロータを着磁対象とし、この4
個のロータ磁石材料に、交互にN極またはS極の4極着
磁を行う。
【0004】図7は、従来のロータ磁石材料着磁装置の
構成を示すブロック図である。本従来装置は直流電源7
1と着磁ヨーク73とからなる。直流電源71はAC電
源からの交流電流を直流電流に変換するコンバータを備
え、着磁ヨーク73に対して直流電流を供給する。着磁
ヨーク73は、直列に接続された4個の着磁コイル75
a〜75dを備え、両端の着磁コイル75a、75dに
直流電源71が接続されている。
【0005】図8は、着磁ヨーク73の構成を、ロータ
77と共に示す断面図である。同図において、ヨーク本
体79は透磁率μの大きい鉄系材料からなり、ヨーク本
体79の中央に設けられた開口部にロータ77が挿嵌さ
れている。4個の着磁コイル75a〜75dは、上記開
口部の円周方向に等間隔に、互いに近接して設けられて
いる。また隣合う着磁コイルにおいては、導線が互いに
逆向きに巻回されている。以上の構成において、直流電
源71からの電流供給を受けると、着磁コイル75a〜
75dに図示曲線のような4極の着磁磁界81が発生す
る。
【0006】以上に従来のロータ磁石材料着磁装置の構
成を説明した。本従来装置の着磁工程においては、まず
ロータ77がヨーク本体79に挿嵌され、ロータ77の
外周部のロータ磁石材料83が各着磁コイル75a〜7
5dの中央部と対向するように配置される。そして直流
電源71より着磁コイル75a〜75dに直流電流が供
給されて着磁磁界81が発生する。その結果、着磁磁界
81中に配置されたロータ磁石材料83が、図示の如く
交互にN極またはS極に着磁される。着磁工程の終了し
たロータ77は、ステータ巻線を巻き付けたステータに
内挿され、回転機として完成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のロータ磁石材料
着磁装置は、上記着磁ヨークのような専用治具を備えて
おり、従って従来技術では、この専用治具を備えるため
の設備費用が必要である。また新規設計のロータの製造
開始前に上記専用治具を作成しなくてはならないので、
相当の準備期間が必要である。
【0008】本発明の目的は、上記のような専用治具を
備えることなく、ロータ外周部に設けられたロータ磁石
材料を着磁することが可能なロータ磁石材料着磁方法を
提供することにある。またこのロータ磁石材料着磁方法
を実施可能な装置を提供することを目的とする。そして
上記方法または装置を提供することで、設備費用の削減
による製造コストの低減を可能とし、またロータ製造の
準備期間を短縮して製品をより早く提供可能とすること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ステータ巻線
を巻き付けたステータと、該ステータに内挿され外周部
に永久磁石からなるロータ磁石を設けたロータを備える
回転機の製造工程において、ロータ外周部に設けられた
ロータ磁石材料を着磁するロータ磁石材料着磁方法であ
って、該ロータ磁石材料を外周部に設けたロータを前記
ステータに内挿した状態で、前記ステータのステータ巻
線に所定の電流を供給し、ステータ巻線が形成するステ
ータコイルに所定の着磁磁界を発生させ、この着磁磁界
中に配置された該ロータ磁石材料を着磁するものであ
る。
【0010】ここで「着磁磁界」とは、従来装置の着磁
コイルが発生する磁界と同様に、着磁対象たるロータ磁
石材料に作用する磁界であり、着磁対象に対応して位
置、方向及び強さが設定される。そしてこの着磁磁界中
に配置されることでロータ磁石材料が着磁され、永久磁
石のロータ磁石となる。
【0011】上記構成によれば、外周部に設けたロータ
磁石材料を着磁する前のロータが、組付け対象のステー
タに内挿される。そして前記ステータのステータ巻線に
所定の電流が供給され、ステータ巻線が形成するステー
タコイルに所定の着磁磁界が発生する。その結果、この
着磁磁界中に配置されたロータ磁石材料が着磁されて永
久磁石となる。以上のようにステータ巻線を利用するこ
とにより、従来技術に説明した専用治具たる着磁ヨーク
は不要となる。
【0012】また本発明は、ステータ巻線を巻き付けた
ステータと、該ステータに内挿され外周部に永久磁石か
らなるロータ磁石を設けたロータを備える回転機の製造
工程において、ロータ外周部に設けられたロータ磁石材
料を着磁するロータ磁石材料着磁装置であって、該ロー
タ磁石材料を外周部に設けたロータを前記ステータに内
挿した状態で、前記ステータのステータ巻線に所定の電
流を供給し、ステータ巻線により形成されるステータコ
イルに所定の着磁磁界を発生させる着磁電流供給手段を
備え、着磁電流供給手段からの電流供給により発生した
着磁磁界中に配置された該ロータ磁石材料を着磁するも
のである。
【0013】上記構成は、本発明のロータ磁石材料着磁
方法を実施可能な装置である。この装置は、ステータ巻
線に所定の電流を供給する着磁電流供給手段を備えれば
よく、従来のような着磁ヨークは備えなくてよい。
【0014】また上記本発明のロータ磁石材料着磁装置
の好ましい一態様において、前記ロータ磁石材料は、前
記ロータ外周部に貼設されたロータ磁石材料片からな
り、前記ロータを前記ステータに内挿した状態における
前記ステータに対する前記ロータの位相を検出するロー
タ位相検出手段と、検出されたロータの位相に基づい
て、前記ステータ巻線に供給される電流の供給方向と電
流値を制御して、前記ステータコイルに所望の位置及び
方向の着磁磁界を発生させる制御手段と、を備え、前記
ロータの位相における前記ロータ磁石着磁材料の着磁に
適した位置及び方向に着磁磁界を発生させる。
【0015】上記構成によれば、ロータを前記ステータ
に内挿した状態において、ロータ位相検出手段が、ステ
ータに対するロータの位相を検出する。そして制御手段
が、検出されたロータの位相に基づいて、ステータ巻線
に供給される電流の供給方向と電流値を制御する。その
結果、上記検出された位相におけるロータ磁石着磁材料
の着磁に適した所望の位置及び方向に着磁磁界が発生す
る。従ってロータが、任意の位相に内挿される場合、ま
たは予め設定された複数位相のいずれかに内挿される場
合に、ロータの外周部に設けられたロータ磁石材料の着
磁が、ロータの位相に関わらず同様に行われる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0017】図1は、本実施形態の着磁対象のロータ2
を内挿するACサーボモータ1の断面図である。このA
Cサーボモータ1は、W相、U相、V相の三相交流の電
流により駆動され、ロータ2とこれを内挿するステータ
3とを備える。ロータ2には、外周部に4個のロータ磁
石4′が等間隔に貼設されている。ステータ3は、ステ
ータ本体5と、各々W相、U相、V相の電流の供給を受
けるステータコイル7w、7u、7vとを備える。ステ
ータコイル7w、7u、7vは、ステータ本体5に設け
られたロータ2を内挿する円筒部内周の複数のスロット
6に、各々導線からなるステータ巻線を巻き付けるよう
にして設けられている。図1において、各ステータコイ
ル7w、7u、7vを形成するステータ巻線には、各々
w、u、vの符号が付されている。また、同図におい
て、各ステータ巻線に付した符号「・」及び「×」は巻
付け方向を示しており、「・」は手前の方向へ、「×」
は向こう側へステータ巻線が巻き付けられていることを
示している。上記ACサーボモータ1では、ステータコ
イル7w、7u、7vに3相交流電流を流すことにより
4極の回転磁界が発生し、電磁力によりロータ2が回転
する。
【0018】「本発明によるロータ磁石材料着磁方法」
図2は、本実施形態の着磁方法を示す、図1と同様のA
Cサーボモータ1の断面図である。以下、上記ACサー
ボモータ1を例として、本発明において、ロータ2の外
周部に設けられたロータ磁石材料4を着磁して、ロータ
磁石4′とする方法について説明する。
【0019】図2に示すように、本方法では、着磁前の
ロータ2をステータ3に内挿して、ACサーボモータ1
としての組付け状態とする。この際、後述するように、
ロータ2はステータ3に対してどのような位相で組み付
けても、この位相に対応しての着磁が可能だが、ここで
は、図示のように各ロータ磁石材料4が45゜方向に配
置して組み付けられた場合について説明する。このロー
タ2を内挿した状態で、ステータコイル7w、7u、7
vに対して、図示電流ia、ib、icを供給する。以
下、この電流を着磁電流という。
【0020】図3は、上記の各着磁電流ia、ib、i
cの方向と大きさを示す説明図である。図3に示す着磁
電流ia、ib、icをステータコイル7w、7u、7
vに供給することで、以下に説明するように、従来技術
と同様の着磁磁界が発生する。
【0021】前述の従来技術において発生する着磁磁界
81(図8)は、図示のように4極の磁界である。一
方、ACサーボモータ1がモータとして動作する際に、
ステータコイル7w、7u、7vに発生する回転磁界も
同様に4極の磁界である。従って、「上記回転磁界の一
局面であり、図2の着磁磁界と同位置の磁界を発生させ
るような電流」であって、かつ、「着磁に要求される強
さの磁界を発生させるべく、モータとしての使用時より
も大きい電流」を供給することで、ステータコイル7
w、7u、7vに従来技術と同様の着磁磁界が発生す
る。図3には、このような着磁電流ia、ib、icの
方向及び大きさが示されている。
【0022】図3に示すように、着磁電流iaはプラス
電流であり、着磁電流ib、icは着磁電流iaより絶
対値の小さいマイナス電流である。ここで、前述の図2
において、各ステータ巻線に付した「・」「×」は、図
3の着磁電流ia、ib、icを供給した時に、各ステ
ータ巻線に流れる電流の方向を示しており、「・」は手
前側に、「×」は向こう側に電流が流れることを示して
いる。図3の着磁電流ia、ib、icの供給により、
図2のように、連続する6箇所のスロット6のステータ
巻線毎に同方向へ電流が流れる。そして着磁電流ia、
ib、icの大きさの関係から、上記6箇所のスロット
6のうちで、着磁電流iaが流れる中央2箇所のステー
タ巻線に、その両側箇所のステータ巻線よりも大きい電
流が流れる。以上のような着磁電流ia、ib、icの
供給により、図2に矢印を付した曲線で示す着磁磁界9
が発生する。
【0023】図2に示すように、着磁磁界9は4極の磁
界であり、従って4つの磁束の経路を含み、隣合う磁束
経路は矢印で示すように反対回りである。各磁束は、ロ
ータ磁石材料4の部分でステータ3からロータ2に入
り、その隣のロータ磁石材料4の部分でロータ2からス
テータ3に入る。この着磁磁界9中に配置されることに
より、ロータ磁石材料4が、図2の如く交互にN極また
はS極に着磁されて永久磁石となる。
【0024】以上に、本実施形態の着磁方法を説明し
た。約言すると、本実施形態では、ロータ2をステータ
3に内挿した状態で、ステータコイル7w、7u、7v
に着磁電流ia、ib、icを供給して着磁磁界9を発
生させ、この着磁磁界9中に配置されたロータ磁石材料
4を着磁する。
【0025】なお、本実施形態で発生する着磁磁界9
は、前述の如く、ACサーボモータ1をモータとして使
用する際の回転磁界の一局面をさらに強くした磁界であ
る。従って、上記方向及び大きさの着磁電流ia、i
b、icの供給は、従来のACサーボモータ1に対する
周知の電流供給手法に準じて行うことができる。
【0026】また、上記方法は、組付け状態におけるロ
ータ2のステータ3に対する位相に関係なく、任意の位
相において適用可能である。前述のように、着磁磁界9
はモータの回転磁界の一局面であり、ロータ2の位相に
対応して任意の方向に発生させることができるからであ
る。その他ロータ2を、予め設定した複数の位相のいず
れか、または所定の1の位相に、組み付けまたは組付け
固定して着磁してもよいことはもちろんである。
【0027】さらに、上記実施形態では、ロータ2が静
止している場合を想定して説明した。これに対し、ロー
タ2が回転している場合でも、この回転に応じて、モー
タ使用時に準じた手法により着磁磁界9を回転させるこ
とで、着磁を行うことができる。
【0028】さらにまた、上記実施形態では、本発明を
ACサーボモータ1のロータ2に適用する場合について
説明したが、ステータ巻線を巻き付けたステータと、こ
のステータに内挿される永久磁石を備えたロータを有す
るモータであれば、あらゆるモータに適用することがで
きる。また上記構造のあらゆる発電機にも、モータと同
様の電力供給をステータ巻線に行うことで、本発明を適
用することができる。
【0029】なお、上記の各種変形例は、以下に説明す
るロータ磁石材料着磁装置において、そのまま該装置の
構成とすることができる。
【0030】「本発明によるロータ磁石材料着磁装置」
以下、上記着磁方法に示した着磁電流ia、ib、ic
をACサーボモータ1のステータコイル7w、7u、7
vに供給してロータ磁石材料4を着磁するロータ磁石材
料着磁装置について説明する。
【0031】(1)ロータ磁石材料着磁装置の構成 図4は、上記方法を用いてロータ磁石材料4を着磁する
ロータ磁石材料着磁装置の構成を、上記のACサーボモ
ータ1と共に示すブロック図である。このロータ磁石材
料着磁装置は、コンバータ11、インバータ13、位相
センサ15及び電子制御装置(以下ECUという)17
とからなる。
【0032】コンバータ11は、図示しないAC電源か
ら供給された交流電流を直流電流に変換し、この直流電
流をインバータ13へ供給する装置である。コンバータ
11とインバータ13の間には、平滑用コンデンサ19
が設けられており、この平滑用コンデンサ19は、コン
バータ11において交流電流を直流電流へ変換する際に
発生する脈動を滑らかにする。
【0033】インバータ13は、コンバータ11より供
給される電流から、所望の方向及び大きさの着磁電流i
a、ib、icをACサーボモータ1のステータコイル
7w、7u、7vへ供給する装置である。インバータ1
3は、複数の半導体及びダイオードを接続したスィチン
グ部13a、13b、13cを備えており、各スィチン
グ部13a、13b、13cは、半導体素子のスィチン
グパルス幅を調整し、この調整に応じた方向及び大きさ
の電流を、各々ステータコイル7w、7u、7vへの電
流供給路に流す。また本装置では、インバータ13から
ステータコイル7u、7vへの電流供給路に電流センサ
25、27が設けられており、電流センサ25、27、
ステータコイル7u、7vへ供給される電流の方向及び
大きさを検出してECU17へ出力する。
【0034】位相センサ15は、ACサーボモータ1と
接続され、ロータ2のステータ3に対する位相θを検出
し、ECU17へ出力する装置である。この位相センサ
15としては、例えば、ACサーボモータ1に内蔵され
る回転センサと同構造の装置を用いることができる。
【0035】ECU17は、インバータの半導体素子の
スィチングパルス幅の変調を制御する装置であり、電流
制御回路21とPWM(Pulse Width Mo
dulation)制御回路23とを備えている。
【0036】電流制御回路21には、位相センサ15か
らロータ2の位相θが入力され、また、入力手段を介し
て着磁電流指令値i*が入力される。着磁電流指令値i
*は、ステータコイル7w、7u、7vが所要の強さの
着磁磁界9を発生させるために要求される電流の大きさ
を表す情報である。電流制御回路21は、これらの入力
情報に基づいて、各ステータコイル7w、7u、7vへ
供給すべき着磁電流ia、ib、icの方向及び大きさ
を決定し、PWM制御回路23へ出力するように構成さ
れている。この決定は、電流制御回路21での演算処理
によって行われる。また、ここで決定される着磁電流i
a、ib、icの方向及び大きさは、前述の着磁方法に
対応するものである。すなわち、ロータの位相θに対応
した方向に着磁磁界9が発生するように着磁電流ia、
ib、icの方向及び大きさの関係を定め、かつ、着磁
電流指令値i*に対応した大きさの電流供給が行われる
ように着磁電流ia、ib、icの大きさを定める。以
下、電流制御回路21が決定する方向及び大きさの着磁
電流ia、ib、icを、「決定着磁電流ia、ib、
ic」という。
【0037】なお、上記決定手法の変形例として、電流
制御回路21における電流方向および大きさの決定は、
以下の構成により行ってもよい。すなわち、ロータの位
相θおよび着磁電流指令値i*に対応する、着磁電流i
a、ib、icの大きさ及び方向を表すマップを予め作
成し記憶手段に保持しておき、電流制御回路21はこの
マップから着磁電流ia、ib、icの大きさ及び方向
を読み出すように構成してもよい。
【0038】PWM制御回路23には、前述のように着
磁電流ia、ib、icの大きさ及び方向が入力され
る。PWM制御回路23は、これらの情報を基に、イン
バータ13の各スィチング部13a、13b、13cへ
信号a、b、cを出力するように構成されている。この
信号a、b、cは、決定着磁電流ia、ib、icをス
テータコイル7w、7u、7vに供給するように、各ス
ィチング部13a、13b、13cに設けられた半導体
素子のスィチングパルス幅を変調する信号である。
【0039】さらに、本装置は、以下に説明するよう
に、電流センサ25、27からの情報を基に、ACサー
ボモータ1への供給電流をフィードバック制御して、決
定着磁電流ia、ib、icを供給するように構成され
ている。ECU17の内部にて、電流センサ25、27
から入力されるステータコイル7u、7vへの供給電流
の方向及び大きさの情報が、各々決定着磁電流ib、i
cの情報と比較され、この比較結果がPWM制御回路2
3に入力される。また、ECU17の内部にて、電流セ
ンサ25、27からの情報を基にステータコイル7wへ
の供給電流の方向及び大きさが演算され、この演算結果
が、決定着磁電流iaの情報と比較され、この比較結果
もPWM制御回路23に入力される。PWM制御回路2
3は、これらの情報を基に、決定着磁電流ia、ib、
icをステータコイル7w、7u、7vに供給すべく、
各スィチング部13a、13b、13cに設けられた半
導体素子のスィチングパルス幅をさらに変調する信号
a、b、cを、各スィチング部13a、13b、13c
へ出力するように構成されている。
【0040】以上に本ロータ磁石材料着磁装置の構成を
説明した。なお、上記において、コンバータ11、イン
バータ13、及びPWM制御回路23を備えたECU1
7は、ACサーボモータ1をモータとして動作させる場
合に用いる装置と同様に構成し、または、そのまま流用
することができる。また、位相センサ15を設けずに、
ACサーボモータ1に内臓される回転センサを利用し、
この回転センサが検出するロータの位相θをECU17
へ出力するように構成してもよい。
【0041】(2)着磁工程 以下、本装置を用いてACサーボモータ1のロータ2外
周部に設けられたロータ磁石材料4を着磁する着磁工程
について説明する。
【0042】着磁前のロータ2がステータ3に内挿され
てACサーボモータ1としての組付け状態とされ、AC
サーボモータ1の各ステータコイル7w、7u、7v
が、インバータ13の各スィチング部13a、13b、
13cへ達する配線に接続される。さらに位相センサ1
5がACサーボモータ1に取り付けられる。この状態
で、ロータ磁石材料4の着磁が開始される。
【0043】図5は、ECU17に制御されてインバー
タ13が動作し、ロータ磁石材料4が着磁される過程を
示すフローチャートである。以下、同図を用いてロータ
磁石材料4の着磁過程を説明する。
【0044】まず、位相センサ15で、ステータ3に対
するロータの位相θが検出され、ECU17の電流制御
回路21へ入力される(S1)。またステップS1と前
後して、もしくは同時に、着磁に必要なACサーボモー
タ1への供給電流の大きさを示す着磁電流指令値i*が
電流制御回路21へ入力される(S2)。電流制御回路
21は、ロータの位相θと着磁電流指令値i*の情報に
基づいて、インバータ13がステータコイル7w、7
u、7vへ供給すべき着磁電流ia、ib、icの方向
と大きさ(決定着磁電流)を決定し、PWM制御回路2
3へ出力する(S3)。
【0045】PWM制御回路23は、入力情報に基づい
て、インバータ13のスィチング部13a、13b、1
3cに設けられた半導体素子のスイッチンクグパルス幅
を変調する信号a、b、cを各スィチング部13a、1
3b、13cへ出力し、インバータ13は、信号a、
b、cに従って各半導体素子のスィチングパルス幅を変
調する(S4)。その結果、インバータ13からステー
タコイル7w、7u、7vへ電流が供給される(S
5)。ECU17は、電流センサ25、27からの情報
と電流制御回路21からの出力情報を比較して、ステー
タコイル7w、7u、7vへ供給されている電流の方向
及び大きさが、決定着磁電流ia、ib、icとなって
いるか否かを判定する(S6)。ステータコイル7w、
7u、7vへの供給電流が、決定着磁電流ia、ib、
icとなっていない場合には、ステップS3へ戻り、P
WM制御回路23がインバータ13の半導体素子のスィ
チングパルス幅をさらに変調する信号a、b、cをイン
バータ部13に対して出力する。
【0046】ステップS6において、ステータコイル7
w、7u、7vへの供給電流が、決定着磁電流ia、i
b、icとなった場合には、その時点で、着磁に必要な
強さの着磁磁界9がステータコイル7w、7u、7vに
発生している(S7)。そして、この着磁磁界9中に配
置されたロータ磁石材料4が、交互にN極またはS極と
なるように着磁されて永久磁石となる(S8)。
【0047】図6は、本装置によってACサーボモータ
1へ供給される電流の大きさを時間の経過とともに示す
説明図である。同図において初期の電流値が上昇する部
分は、上記ステップS4〜S6の制御により供給電流が
大きくなる過程を示しており、本装置ではこの間に数ミ
リ秒が経過する。電流値がピークとなる部分は、上記ス
テップS7において、着磁に必要な強さの電流供給が行
われた状態を示している。図示のように、ピーク後は、
着磁が終了して電流値が減少していく。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、ステータ巻線を利用
し、このステータ巻線に電流を供給してステータコイル
に着磁磁界を発生させ、着磁磁界中に配置したロータ磁
石材料を着磁するので、従来技術に説明したような着磁
ヨークは不要となる。また本発明により構成される装置
は、前述のようにステータ巻線に電流を供給する着磁電
流供給手段を備えればよく、従って小規模に構成され、
汎用性がある。以上より本発明によれば設備費用が削減
され製造コストが低下する。また、ロータ製造開始まで
の準備期間が短縮され、より早い製品供給が可能とな
る。
【0049】また本発明によれば、ステータに対してロ
ータがどのような位相に内挿されていても、ロータ磁石
材料に同様の着磁を行うことができる。従ってロータを
ステータに挿入する際、特定の位相にロータを組付け保
持する必要がないので、組付けが容易となり生産性が向
上する。また、ロータの位相を検出し、この位相に適し
た着磁磁界を作用させるので、ロータ磁石材料の着磁状
態が正確となり品質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の着磁対象であるロータを
内挿する、ACサーボモータの断面図である。
【図2】 本発明の実施形態の着磁方法を示す、図1と
同様のACサーボモータの断面図である。
【図3】 ステータコイルに供給する着磁電流の大きさ
と方向を示す説明図である。
【図4】 本発明の実施形態のロータ磁石材料着磁装置
の構成を示すブロック図である。
【図5】 図4の装置において、ECUに制御されてイ
ンバータが動作し、ロータ磁石材料が着磁される過程を
示すフローチャートである。
【図6】 図4の装置によってACサーボモータへ供給
される電流の大きさを時間の経過とともに示す説明図で
ある。
【図7】 従来のロータ磁石材料着磁装置の構成を示す
ブロック図である。
【図8】 図7の装置を構成する着磁ヨークの断面図で
ある。
【符号の説明】
1 ACサーボモータ、2 ロータ、3 ステータ、4
ロータ磁石材料、5ステータ本体、7w,7u,7v
ステータコイル、9 着磁磁界、11 コンバータ、
13 インバータ、13a、13b,13c スィチン
グ部、15位相センサ、17 電子制御装置(EC
U)、 21 電流制御回路、23 PWM制御回路、
25,27 電流センサ、ia,ib,ic 着磁電
流。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステータ巻線を巻き付けたステータと、
    該ステータに内挿され外周部に永久磁石からなるロータ
    磁石を設けたロータを備える回転機の製造工程におい
    て、ロータ外周部に設けられたロータ磁石材料を着磁す
    るロータ磁石材料着磁方法であって、 該ロータ磁石材料を外周部に設けたロータを前記ステー
    タに内挿した状態で、前記ステータのステータ巻線に所
    定の電流を供給し、ステータ巻線が形成するステータコ
    イルに所定の着磁磁界を発生させ、この着磁磁界中に配
    置された該ロータ磁石材料を着磁することを特徴とする
    ロータ磁石材料着磁方法。
  2. 【請求項2】 ステータ巻線を巻き付けたステータと、
    該ステータに内挿され外周部に永久磁石からなるロータ
    磁石を設けたロータを備える回転機の製造工程におい
    て、ロータ外周部に設けられたロータ磁石材料を着磁す
    るロータ磁石材料着磁装置であって、 該ロータ磁石材料を外周部に設けたロータを前記ステー
    タに内挿した状態で、前記ステータのステータ巻線に所
    定の電流を供給し、ステータ巻線により形成されるステ
    ータコイルに所定の着磁磁界を発生させる着磁電流供給
    手段を備え、 着磁電流供給手段からの電流供給により発生した着磁磁
    界中に配置された該ロータ磁石材料を着磁することを特
    徴とするロータ磁石材料着磁装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のロータ磁石材料着磁装
    置において、 前記ロータ磁石材料は、前記ロータ外周部に貼設された
    ロータ磁石材料片からなり、 前記ロータを前記ステータに内挿した状態における、前
    記ステータに対する前記ロータの位相を検出するロータ
    位相検出手段と、 検出されたロータの位相に基づいて、前記ステータ巻線
    に供給される電流の供給方向と電流値を制御して、前記
    ステータコイルに所望の位置及び方向の着磁磁界を発生
    させる制御手段と、 を備え、 前記ロータの位相における前記ロータ磁石着磁材料の着
    磁に適した位置及び方向に着磁磁界を発生させることを
    特徴とするロータ磁石材料着磁装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999035729A2 (en) * 1997-12-29 1999-07-15 Empresa Brasileira De Compressores S.A. - Embraco A process for magnetizing the permanent magnets of an electric motor rotor and a process for assembling a hermetic compressor motor
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