JPH09167228A - 画像変換方法及び装置、並びに、それらを利用した画像整形方法及び装置、並びに、それらを利用したシステム - Google Patents

画像変換方法及び装置、並びに、それらを利用した画像整形方法及び装置、並びに、それらを利用したシステム

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JPH09167228A
JPH09167228A JP7325875A JP32587595A JPH09167228A JP H09167228 A JPH09167228 A JP H09167228A JP 7325875 A JP7325875 A JP 7325875A JP 32587595 A JP32587595 A JP 32587595A JP H09167228 A JPH09167228 A JP H09167228A
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binary
mask
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Application number
JP7325875A
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English (en)
Inventor
Toru Fujii
徹 藤井
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 整形対象となる画像から細線を残しつつ孤立
点ノイズ等を除去し、しかも境界線のスムージング化ま
でをも行う。 【解決手段】 与えられた2値画像の解像度を低下さ
せ、解像度を低下された2値画像上に局所マスクを走査
して局所画像を抽出し、抽出された局所画像内の輪郭線
の方向に対応した2値の標準パターンを決定し、決定さ
れた標準パターンによって局所画像内の所定領域を表現
した画像を生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、解像度
を低下された画像から元の画像に近い画像を再現する場
合等に有効な画像変換方法及び装置、並びに、それらを
利用して孤立点や欠落点を含む粗い画像を整形する画像
整形方法及び装置、並びに、それらを利用したシステム
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の画像整形方法としては、(1)入
力画像データを空間周波数のスペクトルに変換してから
解像度を上げる方法(例えば、特開平06−33792
7号公報参照)、(2)描画系のソフトウェアやCAD
(Computer Aided Design)に一般に使用されているス
プライン(spline)補間による方法、(3)所謂膨脹マ
スクや収縮マスクを用いてノイズ除去や線の凹凸修正を
行う方法、等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の画像整形方法(1)〜(3)にあっては、そ
れぞれ、次のような問題点があった。先ず、入力画像デ
ータを空間周波数のスペクトルに変換してから解像度を
向上させる方法(1)にあっては、画像から周波数への
変換・逆変換の為の処理が複雑である。従って、ソフト
ウェアにてシリアルに処理させようとすると、処理時間
が長くなる為に、リアルタイム性が低下する。他方、ハ
ードウェアにて処理させようとすると、乗算・除算等が
多数含まれる為に、回路規模が大きくなってコストアッ
プに繋がる。
【0004】次に、スプライン補間による方法(2)に
あっては、補間処理の前処理として、境界線の分岐・折
れ点(節点)・領域のラベリング等を行うのであるが、
この前処理を任意の画像データに対して行うためには複
雑な処理が必要であり、もしも、この前処理で失敗する
と、補間処理にても修復することができなくなる。次
に、膨脹マスクや収縮マスクを用いてノイズ除去や線の
凹凸を修正する方法(3)にあっては、ある程度の整形
処理は可能であるがその能力はさほど高いものではな
い。また、この方法(3)にあっては、後述するよう
に、細線を残したまま、孤立点を除去すると言った用途
には適しない。尚、孤立点を除去するだけであれば、与
えられた画像の解像度を単に低下させることも考えられ
るが、これでは細線・境界線がギザギザになってしま
い、反って、画像品質を低下させる。
【0005】このように、以上説明した3つの方法の中
で、膨脹・収縮による方法(3)にあっては、演算処理
それ自体は簡単である利点を有する反面、孤立点や欠落
点等のノイズを除去しつつ文字や図形の輪郭を滑らかに
する用途に関してはなおも問題点が残されている。以下
に、この点を、さらに、具体的な例を挙げて、図25〜
図28を参照しつつ説明する。
【0006】膨脹・収縮による画像整形方法を用いて、
孤立点や欠落点等のノイズを除去しつつ文字や図形の輪
郭を滑らかにする場合にあっては、一般に、2つの手法
が考えられる。第1の手法にあっては、整形対象となる
画像に対して、先ず、膨脹処理(黒画素を太らせる)を
施して黒塗り図形内部の欠落点(ノイズによる白抜き部
分)を塗り潰し修正し、次いでこれに収縮処理(黒画素
を細らせる)を施して孤立点(黒塗り図形外部に点在す
るノイズによる黒点部分)を除去しようとするものであ
る。第2の手法にあっては、整形対象となる画像に対し
て、先ず、収縮処理(黒画素を細らせる)を施して孤立
点(黒塗り図形外部に点在するノイズによる黒点部分)
を除去し、次いでこれに膨脹処理(黒画素を太らせる)
を施して黒塗り図形内部の欠落点(ノイズによる白抜き
部分)を塗り潰し修正しようとするものである。
【0007】整形対象となる画像に対して、第1の手
法、第2の手法を適用した場合における初期画像
(a)、中間画像(b〜d)、最終画像(e,f)の幾
つかの具体例を図25に示す。尚、この例では、説明の
便宜上、整形対象となる画像は2値画像(多階調画像で
はない)であるものと想定する。周知のように、膨脹処
理(黒画素を太らせる)及び収縮処理(黒画素を細らせ
る)の基本アルゴリズムは、要するに、整形対象となる
画像上において相隣接する個々の画素に順次に注目し
(以下、このとき順次に注目される画素を『注目画素』
と言う)、その注目画素の周囲隣接画素列の中の特定の
画素列を抽出し、それら画素列の値(白又は黒)が一定
の条件を満足するか否かを判定し、この判定結果に応じ
て前記注目画素の値(黒又は白)を決定する処理を繰り
返すものである。ここで、注目画素の周囲隣接画素列の
中の特定画素列を抽出するためには、『膨脹マスク』
(膨脹処理の場合)や『収縮マスク』(収縮処理の場
合)等と称されるマスクパターンが使用される。
【0008】膨脹マスク及び収縮マスクの幾つかの具体
例を図26に示す。同図に示されるように、いずれのマ
スクも画素を縦横一定数配列した正方形状に構成されて
おり、図において黒く塗り潰された画素が注目画素を表
わしている。すなわち、図26(a)に示されるもの
は、マスク幅『2』(水平方向画素数2×垂直方向画素
数2の画素配列パターンの意)及びシフト幅『S=1』
(画像上を水平ラインに沿って横方向に1画素ずつシフ
トされるの意)の膨脹マスクであり、正方形状に配列さ
れた4個の画素列の中で左下の黒く塗り潰された1個の
画素が注目画素とされている。そして、この膨脹マスク
を使用した膨脹処理においては、注目画素の周囲隣接画
素の中の図中白抜きで表わされた3個の画素列(図で
は、上の画素、右の画素、右上の画素)の中に、黒画素
が少なくとも1個でも存在すれば、左下に位置する注目
画素の値は『黒』に決定される。
【0009】図26(b)に示されるものは、マスク幅
『3』及びシフト幅『S=1』の膨脹マスクであり、正
方形状に配列された9個の画素列の中で真中の黒く塗り
潰された1個の画素が注目画素とされている。そして、
この膨脹マスクを使用した膨脹処理においては、注目画
素の周囲隣接画素の中の図中白抜きで表わされた8個の
画素列の中に、黒画素が少なくとも1個でも存在すれ
ば、真中に位置する注目画素の値は『黒』に決定され
る。
【0010】図26(c)に示されるものは、マスク幅
『2』及びシフト幅『S=1』の収縮マスクであり、正
方形状に配列された4個の画素列の中で右上の黒く塗り
潰された1個の画素が注目画素とされている。そして、
この収縮マスクを使用した収縮処理においては、注目画
素の周囲隣接画素の中の図中白抜きで表わされた3個の
画素列の中に、白画素が少なくとも1個でも存在すれ
ば、右上に位置する注目画素の値は『白』に決定され
る。
【0011】図26(d)に示されるものは、マスク幅
『3』及びシフト幅『S=1』の収縮マスクであり、正
方形状に配列された9個の画素列の中で真中の黒く塗り
潰された1個の画素が注目画素とされている。そして、
この収縮マスクを使用した収縮処理においては、注目画
素の周囲隣接画素の中の図中白抜きで表わされた8個の
画素列の中に、白画素が少なくとも1個でも存在すれ
ば、真中に位置する注目画素の値は『白』に決定され
る。
【0012】図26(a)〜図26(d)に示されるマ
スクを用いて整形対象画像中の各画素の値を順次決定す
るにおいては、整形対象画像を構成する各画素の値(す
なわち、画像データ)を所定単位毎に一定の手順で切り
出さねばならない。画像データ切り出し手順の具体例を
図27及び図28に示す。
【0013】図27(a)に示されるものは、マスク幅
『2』及びシフト幅『S=1』の膨脹マスクを用いて膨
脹処理を行う場合の画像データ切り出し手順である。こ
の画像データ切り出し処理で大切なことは、画像データ
を構成する全ての水平ラインが注目画素によって漏れな
く走査されることである。ここで、図26(a)から明
らかなように、マスク幅『2』及びシフト幅『S=1』
の膨脹マスクの場合、その注目画素はマスクの左下に位
置している。その為、もしも、画像データの切り出しを
最初から2ラインずつ行うと、画像データの1ライン目
の走査がスキップされてしまう。従って、この例にあっ
ては、画像データの切り出しに際しては、最初は画像デ
ータの1ライン目に相当する1ラインについてこれを1
画素ずつ水平方向へとシフトしつつ行い、1ライン目が
終了するのを待って、2ラインずつの切り出しに切り替
えるようにしている。尚、このとき、画像データの外側
部分は白画素と見做して処理するものとする。
【0014】図27(b)に示されるものは、マスク幅
『2』及びシフト幅『S=1』の収縮マスクを用いて収
縮処理を行う場合の画像データ切り出し手順である。図
26(c)から明らかなように、マスク幅『2』及びシ
フト幅『S=1』の膨脹マスクの場合、その注目画素は
マスクの右上に位置している。従って、この例にあって
は、画像データの切り出しは最初から2ラインずつ行う
ようにしている。
【0015】図28に示されるものは、マスク幅『3』
及びシフト幅『S=1』の膨脹マスク(若しくは収縮マ
スク)を用いて膨脹処理(若しくは収縮処理)を行う場
合の画像データ切り出し手順である。前述したように、
この画像データ切り出し処理で大切なことは、画像デー
タを構成する全ての水平ラインが注目画素にて漏れなく
走査されることである。ここで、図26(b)又は図2
6(d)から明らかなように、マスク幅『3』及びシフ
ト幅『S=1』の膨脹マスク(若しくは収縮マスク)の
場合、その注目画素はマスクの真中に位置している。そ
の為、もしも、画像データの切り出しを最初から3ライ
ンずつ行うと、画像データの1ライン目の走査がスキッ
プされてしまう。従って、この例にあっては、画像デー
タの切り出しに際しては、最初は画像データの1ライン
目及び2ライン目に相当する2ラインについてこれを1
画素ずつシフトしつつ行い、1ライン目及び2ライン目
が終了するのを待って、3ラインずつの切り出しに切り
替えるようにしている。
【0016】次に、以上説明したマスク構成及び画像デ
ータ切り出し手順を前提とした画像整形処理の結果を図
25を参照しつつ説明する。同図において、整形対象と
なる初期画像(a)は、例えば、スキャナで読み取られ
た手書き図形やファクシミリにて受信されたノイズの多
い原稿等に相当するものであり、右上がりの太い帯状斜
線に本来相当する画面中央部の黒領域には多数の欠落点
(ノイズの存在に起因する白抜き部分)が存在し、また
その黒領域の輪郭線はノイズの存在により酷く凸凹とな
っている。さらに、画面の左上部分には1画素分の孤立
点(ノイズの存在に起因する黒点部分)が存在する。
【0017】図25(a)に示される初期画像に対し
て、図26(a)に示されるマスク幅『2』及びシフト
幅『1』の膨脹マスクを用いて膨脹処理を施した結果得
られた中間画像を図25(b)に示す。図25(b)か
ら明らかなように、この例によれば、画面中央部の黒領
域に存在した欠落点は全て黒く塗り潰されて消滅してお
り、更に、同黒領域の周囲輪郭線も同図(a)の初期画
面に比べれば滑らかになっている。しかしながら、画面
の左上部分に存在した孤立点については、1画素分であ
ったものが4画素分にまで膨脹してしまっている。
【0018】図25(b)に示される中間画像に対し
て、図26(c)に示されるマスク幅『2』及びシフト
幅『1』の収縮マスクを用いて収縮処理を施した結果得
られた最終画像を図25(e)に示す。図25(e)か
ら明らかなように、この例によれば、画面中央部の黒領
域は細らせられて初期画像に近いものとなっており、更
に、同黒領域の周囲輪郭線も同図(a)の初期画面に比
べれば整っている。しかし、画面の左上部分に存在した
孤立点については、初期画像と同様に1画素分のままで
残されている。つまり、この例によれば、欠落点や輪郭
線の凹凸についてはある程度修正されるものの、孤立点
については除去されないことがわかる。
【0019】図25(a)に示される初期画像に対し
て、図26(b)に示されるマスク幅『3』及びシフト
幅『1』の膨脹マスクを用いて膨脹処理を施した結果得
られた中間画像を図25(c)に示す。図25(c)か
ら明らかなように、この例によれば、画面中央部の黒領
域に存在した欠落点は全て黒く塗り潰されて消滅してお
り、更に、同黒領域の周囲輪郭線も同図(a)の初期画
面に比べれば滑らかになっている。しかしながら、画面
の左上部分に存在した孤立点については、1画素分であ
ったものが9画素分にまで膨脹してしまっている。
【0020】図25(c)に示される中間画像に対し
て、図26(d)に示されるマスク幅『3』及びシフト
幅『1』の収縮マスクを用いて収縮処理を施した結果得
られた最終画像を図25(e)に示す。図25(e)か
ら明らかなように、この例にあっても、画面中央部の黒
領域は細らせられて初期画像に近いものとなっており、
更に、同黒領域の周囲輪郭線も同図(a)の初期画面に
比べれば整っている。しかしながら、画面の左上部分に
存在した孤立点については、初期画像と同様に1画素分
のままで残されている。つまり、この例にあっても、欠
落点や輪郭線の凹凸については修正されるものの、孤立
点については除去されないことがわかる。
【0021】図25(a)に示される初期画像に対し
て、図26(c)に示されるマスク幅『2』及びシフト
幅『1』の収縮マスクを用いて収縮処理を施した結果得
られた中間画像を図25(d)に示す。図25(d)か
ら明らかなように、この例によれば、画面の左上部分に
存在した孤立点については除去されている。しかしなが
ら、画面中央部の帯状黒領域部分はその途中で途切れて
しまっている。
【0022】図25(d)に示される中間画像に対し
て、図26(a)に示されるマスク幅『2』及びシフト
幅『1』の膨脹マスクを用いて膨脹処理を施した結果得
られた最終画像を図25(f)に示す。図25(f)か
ら明らかなように、この例にあっては、孤立点について
は除去されされるものの、欠落点や輪郭線の凹凸につい
ては修正されないどころか、全く別異の形状に変化して
しまうことがわかる。
【0023】このように、従来の膨脹・収縮処理を用い
た画像整形方法にあっては、空間周波数のスペクトルに
変換してから解像度を向上させる方法やスプライン(sp
line)補間による方法に比較して複雑な演算処理が不要
であると言う利点を有する反面、膨脹処理と収縮処理と
の相互間における二律背反性の為に、孤立点や欠落点等
のノイズを除去しつつ文字や図形の輪郭を滑らかにする
用途には適しないという問題点がある。
【0024】ここにおいて、本発明者は鋭意研究の結果
として次のような知見を得た。すなわち、孤立点や欠落
点の含まれた粗い画像の整形のためには、整形対象であ
る画像から、文字や図形等の輪郭の特徴についてはある
程度残しつつも、孤立点と欠落点を確実に除去しなけれ
ばならない。
【0025】ところで、この目的の為には、整形対象と
なる画像の解像度を低下させることが良いと考えられ
る。すなわち、如何に粗い画像とは言え、孤立点に相当
する黒画素と細線に相当する黒画素とではその密度に差
があるはずであるから、当該画像の解像度を低下させて
より大きな面積の画素値として代表させれば、前者は白
画素また後者は黒画素として明確に識別され、図25
(d)に示される収縮マスクを用いた場合のように、細
線が途切れることはないと考えられる。同様な理由か
ら、文字や図形中の欠落点についてもより大きな面積の
画素値として代表させれば黒画素となると考えられる。
その為、整形対象である画像の解像度を低下させれば、
文字や図形等の輪郭の特徴についてはある程度残しつつ
も、孤立点と欠落点を確実に除去できる筈である。
【0026】しかしながら、このようにして解像度の低
下された画像に含まれる文字や図形の輪郭は、ある程
度、整形前の輪郭の特徴を残しているとは言え、実際の
ところ、輪郭線は酷く凸凹となって画質は低下してお
り、そのままでは画像整形の目的を達しているとはとて
も言い難い。もっとも、整形対象となる画像(ノイズを
含む)の解像度を低下させた結果得られる画像と整形対
象となる画像の原画像(ノイズを含まない)の解像度を
低下させた結果得られる画像とでは、より大きな面積の
画素値で代表させるとする解像度低下処理の性質からし
て、さほど大きな相違はないと考えられる。
【0027】してみれば、あらかじめ解像度低下画像の
局所的特徴とこれに対応する標準的な原画像の局所的な
特徴との相関関係を既知のものとしておけば、原画像が
よほど特殊な特徴を有するものでない限りは、この関係
を用いて解像度低下画像から原画像に近い画像を逆に再
現できる筈である。また、このことは、上述した2値画
像に限らず、多値画像やカラー画像についても成り立つ
ものと考えられる。
【0028】この発明は、上述の知見に基いてなされた
ものであり、その目的とするところは、解像度の低下さ
れた画像からその原画像に近い画像を逆に再現すること
ができる画像変換方法及び装置を提供することにある。
この発明の他の目的とするところは、複雑な演算処理が
不要であり、しかも、孤立点や欠落点を含む粗い画像に
対しても適用が可能な画像整形方法及び装置を提供する
ことにある。
【0029】この発明の更に他の目的とするところは、
それら画像変換方法及び装置、並びに、画像整形方法及
び装置を利用した各種のシステムを提供することにあ
る。
【0030】
【課題を解決するための手段】この出願の請求項1(又
は請求項10)に記載の発明は、2値画像上に局所マス
クを走査して局所2値画像を抽出する画像抽出ステップ
(又は手段)と、 前記抽出された局所2値画像内の輪
郭線の方向に対応した標準2値パターンを決定するパタ
ーン決定ステップ(又は手段)と、前記決定された標準
2値パターンによって前記局所2値画像内の所定領域を
表現した画像を生成する画像生成ステップ(又は手段)
と、を具備する、ことを特徴とするものである。
【0031】ここで、『局所マスク』とは、与えられた
2値画像から所定の大きさの局所2値画像を抽出する際
の切り出しウィンドウとして機能するものであり、後に
説明する実施の態様においては、図2(b)に示される
3画素(水平方向)×3画素(垂直方向)の拡大整形マ
スクと同じ大きさの切り出しウィンドウがこれに相当す
るものである。
【0032】また、『局所2値画像内の所定領域』と
は、局所2値画像内においてあらかじめその位置が決定
されている1若しくは2画素以上の画素からなる一塊の
連結領域のことであり、後に説明する実施の態様におい
ては、図2(b)に示される3画素(水平方向)×3画
素(垂直方向)の拡大整形マスクの中心に位置する1画
素がこれに相当する。
【0033】また、『標準2値パターン』とは、抽出さ
れた局所2値画像が解像度を低下されたものと想定した
場合、元の解像度の高い局所2値画像上における『所定
領域』の推定される標準的な位置パターンのことであ
り、後に説明する実施の態様においては、図4乃至図7
に示される拡大整形画像データ標準パターンがこれに相
当する。尚、図4乃至図7に示される例では、図2
(b)に示される拡大整形マスクの中心に位置する1画
素は、2画素(水平方向)×2画素(垂直方向)の拡大
整形画像データ標準パターンに置き換えられているが、
拡大整形画像データ標準パターンの幅は偶数画素には限
られない。例えば、図2(b)に示される拡大整形マス
クの中心に位置する1画素を、3画素(水平方向)×3
画素(垂直方向)、或いは、5画素(水平方向)×5画
素(垂直方向)の拡大整形画像データ標準パターンと置
き換えることもできる。
【0034】そして、この請求項1若しくは請求項10
に記載の発明によれば、与えられた2値画像の輪郭線上
の局所パターンは、その部分の輪郭線の方向に応じた適
切なる標準パターンに置き換えられる為、滑らかな輪郭
線を持つパターンが得られることとなる。
【0035】この出願の請求項2(又は請求項11)に
記載の発明は、前記請求項1(又は請求項10)に記載
の発明において、前記パターン決定ステップ(又は手
段)は、前記抽出される局所2値画像を、輪郭線の方向
別にあらかじめ用意された輪郭線2値画像パターンのそ
れぞれと比較し、最大の一致度を与える方向の輪郭線2
値画像パターンに対応する標準2値パターンを、局所2
値画像内の輪郭線の方向に対応した標準2値パターンと
して決定する、ことを特徴とするものである。
【0036】ここで、『輪郭線2値画像パターン』と
は、輪郭線の方向を簡単な論理演算処理等で検出する為
の基準パターンのことであり、後に説明する実施の態様
においては、図4乃至図7に示される拡大整形マスク標
準パターンがこれに相当する。尚、ここで言う『輪郭線
の方向』とは、必ずしも、輪郭線を構成する直線の傾き
を意味するものではなく、例えば、輪郭線が直角コーナ
ー部分や45°コーナー部分である場合、そのコーナー
部分がどちらを向いているか等をも含むものである。ま
た、最大の一致度を与える方向の輪郭線2値画像パター
ンが2以上に存在する場合には、例えば、それらに対応
する複数の拡大整形画像データ標準パターンの論理和を
取る等のように一定の法則に従って協調処理を実行する
ことが好ましいであろう。
【0037】そして、この請求項2若しくは請求項11
に記載の発明によれば、輪郭線の方向検出処理は、方向
別の輪郭線画像パターンとの一致度の算出により行われ
る為、三角関数等を用いて輪郭線の方向検出を行う場合
と比較して、計算量が各段に少なくて済むこととなる。
この出願の請求項3(又は請求項12)に記載の発明
は、前記請求項1(又は請求項10)に記載の発明にお
いて、前記画像生成ステップは、前記局所2値画像内の
中心画素を前記標準2値パターンにて置換したものに相
当する画像を生成する、ことを特徴とするものである。
【0038】ここで、『中心画素』とは、中心に位置す
る一塊の画素のことであり、必ずしも、1画素に限るも
のではない。後に説明する実施の態様においては、図2
(b)に示される3画素(水平方向)×3画素(垂直方
向)の拡大整形マスクの中心に位置する1画素がこれに
相当する。また、『置換』とは、入力画像が格納されて
いるメモリ上において所謂『上書き』することを必ずし
も意味するものではなく、入力画像が格納されているメ
モリとは異なるメモリ上において画像データを置き換え
ることをも含んでいる。そして、この請求項3(又は請
求項12)に記載の発明によれば、中心画素を標準2値
パターンに置換するので、輪郭線の平滑化と画像の拡大
とが同時に実行され、処理時間の短縮が図られる。
【0039】この出願の請求項4(又は請求項13)に
記載の発明は、与えられた2値画像の解像度を低下させ
る解像度変換ステップと、前記解像度を低下された2値
画像上に局所マスクを走査して局所2値画像を抽出する
画像抽出ステップと、前記抽出された局所2値画像内の
輪郭線の方向に対応した標準2値パターンを決定するパ
ターン決定ステップと、前記決定された標準2値パター
ンによって前記局所2値画像内の所定領域を表現した画
像を生成する画像生成ステップと、を具備する、ことを
特徴とするものである。
【0040】ここで、『2値画像の解像度を低下させ
る』とは、一般的に言えば、与えられた2値画像をその
単位画素よりも大きな画素の明暗値として2値化するも
のであり、後に説明する実施の態様では、図2(a)に
示される4画素(水平方向)×4画素(垂直方向)の縮
小マスクを用いた縮小処理がこれに相当する。そして、
この請求項4(又は請求項13)に記載の発明によれ
ば、解像度低下処理に際してノイズ成分が除去される
為、ノイズが少なくしかも輪郭の滑らかな画像が得られ
ることとなる。すなわち、孤立点や欠落点が除去される
一方必要な細線は確実に残され、しかも輪郭の滑らかな
画像が得られるのである。
【0041】この出願の請求項5(又は請求項14)に
記載の発明は、多値画像上に局所マスクを走査して局所
多値画像を抽出する画像抽出ステップ(又は手段)と、
前記抽出された局所多値画像内の輪郭線の方向に対応
した標準多値パターンを決定するパターン決定ステップ
(又は手段)と、前記決定された標準多値パターンによ
って前記局所画像内の所定領域を表現した画像を生成す
る画像生成ステップ(又は手段)と、を具備する、こと
を特徴とするものである。ここで、『多値画像』には、
モノクロの多値画像のみならず、カラーの多値画像も含
まれる。
【0042】この請求項5(又は請求項14)に記載の
発明によれば、与えられた多値画像の輪郭線上の局所パ
ターンは、その部分の輪郭線の方向に応じた適切なる標
準多値パターンに置き換えられる為、滑らかな輪郭線を
持つパターンが得られることとなる。
【0043】この出願の請求項6(又は請求項15)に
記載の発明は、前記請求項5(又は請求項14)に記載
の発明において、前記パターン決定ステップ(又は手
段)は、前記抽出される局所多値画像を2値化処理した
後、得られた局所2値画像を輪郭線の方向別にあらかじ
め用意された輪郭線2値画像パターンのそれぞれと比較
し、最大の一致度を与える方向の輪郭線2値画像パター
ンに対応する標準多値パターンを、局所画像内の輪郭線
の方向に対応した標準多値パターンとして決定する、こ
とを特徴とするものである。
【0044】この請求項6(又は請求項15)に記載の
発明によれば、輪郭線の方向検出処理は、方向別の輪郭
線画像パターンとの一致度の算出により行われる為、三
角関数等を用いて輪郭線の方向検出を行う場合と比較し
て、計算量が各段に少なくて済むこととなる。しかも、
多値画像を2値画像に変換してから輪郭線の検出を行う
為、輪郭線を確実に検出することができる。
【0045】この出願の請求項7(又は請求項16)に
記載の発明は、前記請求項5(又は請求項14)に記載
の発明において、前記画像生成ステップ(又は手段)
は、前記局所多値画像内の中心画素を前記標準多値パタ
ーンにて置換したものに相当する画像を生成する、こと
を特徴とするものである。そして、この請求項7(又は
請求項16)に記載の発明によれば、中心画素を標準多
値パターンに置換するので、輪郭線の平滑化と画像の拡
大とが同時に実行され、処理時間の短縮が図られる。
【0046】この出願の請求項8(又は請求項17)に
記載の発明は、与えられた多値画像の解像度を低下させ
る解像度変換ステップ(又は手段)と、前記解像度を低
下された多値画像上に局所マスクを走査して局所多値画
像を抽出する画像抽出ステップ(又は手段)と、前記抽
出された局所多値画像内の輪郭線の方向に対応した標準
多値パターンを決定するパターン決定ステップ(又は手
段)と、前記決定された標準多値パターンによって前記
局所画像内の所定領域を表現した画像を生成する画像生
成ステップ(又は手段)と、を具備する、ことを特徴と
するものである。
【0047】そして、この請求項8(又は請求項17)
に記載の発明によれば、解像度低下処理に際してノイズ
成分が除去される為、ノイズが少なくしかも輪郭の滑ら
かな多値画像が得られることとなる。すなわち、孤立点
や欠落点が除去される一方必要な細線は確実に残され、
しかも輪郭の滑らかな多値画像が得られる。この出願の
請求項9(又は請求項18)に記載の発明は、前記請求
項5(若しくは請求項14)乃至請求項8(若しくは請
求項17)のいずれかに記載の発明において、前記標準
多値パターンの濃度データは、前記局所多値画像内の濃
度データに対応して決定されることを特徴とするもので
ある。ここで、『局所多値画像内の濃度データ』とは、
後に詳細に説明する実施の形態においては、図22に示
される縮小画素濃度データ(DsB,DsW)がこれに
相当する。
【0048】そして、この請求項9(又は請求項18)
に記載の発明によれば、元の多値画像の濃淡傾向を損ね
ることなく、輪郭線を滑らかに整形することができる。
【0049】この出願の請求項19に記載の発明は、画
像を所定の解像度にて読み取るためのイメージスキャナ
と、前記イメージスキャナで読み取られた画像若しくは
この画像を拡大処理した画像を処理する前記請求項10
若しくは請求項14に記載の画像変換装置、若しくは、
前記イメージスキャナで読み取られた画像若しくはこの
画像を拡大処理した画像を処理する前記請求項13若し
くは請求項17に記載の画像整形装置と、前記画像変換
装置若しくは画像整形装置にて処理された画像を出力す
るディスプレイやプリンタ等の画像出力装置と、を具備
する、ことを特徴とする画像処理システムである。
【0050】そして、この請求項19に記載の発明によ
れば、イメージスキャナの解像度に拘らず高画質な映像
やハードコピー等を得ることができる。
【0051】この出願の請求項20に記載の発明は、与
えられたビットマップフォントを拡大する拡大処理手段
と、前記拡大処理手段にて拡大されたビットマップフォ
ントを処理する前記請求項10若しくは請求項14に記
載の画像変換装置、若しくは、前記請求項13若しくは
請求項17に記載の画像整形装置と、前記画像変換装置
若しくは画像整形装置にて処理された画像を出力するデ
ィスプレイやプリンタ等の画像出力装置と、を具備す
る、ことを特徴とする画像処理システムである。
【0052】そして、この請求項20に記載の発明によ
れば、多数のサイズのビットマップフォントを内蔵せず
とも、様々なサイズの高画質な拡大文字等をディスプレ
イに表示させたり、プリンタからプリントアウトさせる
ことができる。
【0053】この請求項21に記載の発明は、ネットワ
ークを介して受信された画像若しくはこの画像を拡大処
理して得られた画像を処理する前記請求項10若しくは
請求項14に記載の画像変換装置、若しくは、前記請求
項13若しくは請求項17に記載の画像整形装置と、前
記画像変換装置若しくは画像整形装置にて処理された画
像を出力するディスプレイやプリンタ等の画像出力装置
と、を具備する、ことを特徴とする画像処理システムで
ある。
【0054】そして、この請求項21に記載の発明によ
れば、受信側にて画像整形が行われるため、伝送される
べき画像データ量を減少させることができ、更に、画像
を階層的に伝送する場合には、伝送途中であってもその
画像全体を比較的鮮明に表示したりプリントアウトさせ
ることができる。
【0055】
【発明の実施の形態】以下に、この発明に係る画像変換
方法及び装置、並びに、それらを利用した画像整形方法
及び装置の実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明
する。前述したように、本発明の画像変換方法及び装置
は、様々な原因により解像度の低下された画像の輪郭を
整形するのに有効である。ここで言う『様々な原因によ
り解像度の低下された画像』とは、精細な原稿を一定解
像度のスキャナにて読み取らせた結果として解像度が低
下した画像や、精細な原稿を一定解像度のファクシミリ
にて伝送させた結果として解像度が低下した画像、更に
は、規定のドットフォントを積極的に拡大処理(相似的
に拡大する)した結果として解像度が低下した画像等が
含まれることは勿論である。
【0056】ところで、図25〜図28を参照して先に
詳説したように、孤立点や欠落点等のノイズ成分の多い
粗い画像を整形する場合、『膨脹処理』と『収縮処理』
の組み合わせでは十分にその目的を達成できない。すな
わち、『膨脹処理』が先で『収縮処理』が後の場合に
は、欠落点や画像輪郭のギザギザはある程度修正される
が孤立点を除去することはできず、逆に、『収縮処理』
が先で『膨脹処理』が後の場合には、孤立点は除去され
るが本来の画像部分までは除去されてしまう。
【0057】しかるに、整形対象となる画像の解像度を
低下させれば、文字や図形等の輪郭の特徴についてはあ
る程度残しつつも、整形対象である画像から孤立点と欠
落点を除去できるが、このようにして解像度の低下され
た画像に含まれる文字や図形の輪郭は、酷くギザギザと
なって画質は低下しており、そのままでは画像整形の目
的を達しているとはとても言い難い。
【0058】そこで、孤立点や欠落点を除去する目的で
解像度の低下された画像に対して、本発明に係る画像変
換方法及び装置を適用して画像の輪郭を整形する画像整
形方法及び装置として、本発明の実施の形態を以下に説
明する。
【0059】先ず、本発明の画像整形方法及び装置(本
発明の画像変換方法及び装置を含む。)を図1〜図11
を参照しつつ概念的に説明する。本発明の画像整形方法
(又は装置)にあっては、与えられた2値画像の解像度
を低下させる解像度変換ステップ(又は手段)と、前記
解像度を低下された2値画像上に局所マスクを走査して
局所画像を抽出する画像抽出ステップ(又は手段)と、
前記抽出された局所画像内の輪郭線の方向に対応した2
値の標準パターンを決定するパターン決定ステップ(又
は手段)と、前記決定された標準パターンによって前記
局所画像内の所定領域を表現した画像を生成する画像生
成ステップ(又は手段)と、を具備する、ことを特徴と
するものである。
【0060】このような、本発明の画像整形方法及び装
置の一実施形態における画像処理の過程を図1に示す。
同図において、(a)は整形対象となる2値の初期画
像、(b)は初期画像に対して解像度低下のための『縮
小処理』を施した結果として得られる2値の中間画像、
(c)は中間画像に対して標準パターンとの置き換えの
為の『拡大処理』を施した結果として得られる2値の最
終画像である。尚、中間画像(b)の構成画素について
は、他の画像との対比を容易とするために、面積比で実
際の4倍の大きさに描かれていることに注意されたい。
【0061】ここで、『縮小処理』とは与えられた画像
の解像度を低下させる為の処理であり、具体的には、整
形対象となる画像上において相隣接する一塊の画素に順
次に注目し(以下、このとき順次に注目される画素を
『注目画素』と言う)、その注目画素の周囲隣接画素列
を抽出し、それら画素列の値(白又は黒)が一定の条件
を満足するか否かを判定し、この判定結果に応じて前記
注目画素の値(黒又は白)を決定する処理を繰り返すも
のである。ここで、注目画素の周囲隣接画素列を抽出す
るためには、『縮小マスク』と称されるマスクパターン
が使用される。
【0062】縮小マスクの具体例を図2(a)に示す。
同図に示されるものは、マスク幅『4』(水平方向画素
数4×垂直方向画素数4の画素配列パターンの意)及び
シフト幅『S=2』(画像上を水平ラインに沿って横方
向に2画素ずつシフトされるの意)の縮小マスクであ
り、正方形状に配列された16個の画素列の中で真中の
黒く塗り潰された4個の画素が注目画素とされている。
そして、この縮小マスクを使用した縮小処理において
は、注目画素の周囲隣接画素である図中白抜きで表わさ
れた12個の画素列の中に、黒画素が所定の閾値以上に
存在すれば、真中に位置する4個の注目画素の値は全て
『黒』に決定される。
【0063】尚、この閾値の値をどのような値に設定す
るかは、中間画像の画質に影響を与える点から重要であ
る。この閾値の値を余りに大きく設定すると、中間画素
中には孤立点が除去されずに残されてしまい、逆に、余
りに小さく設定すると、中間画像中には孤立点のみなら
ず正常な細線までもが消失してしまう。従って、この閾
値の値としては、例えば、初期画像中に含まれる細線の
中で、中間画像にも残したい細線の縮小マスク内の画素
数程度に設定することが好ましい。
【0064】そして、この縮小処理によれば、周囲12
個の画素列の全体としての明暗傾向は、それらの画素列
の中心に位置する4個の画素により構成される画素塊の
2値状態により代表化され、その結果、初期画像の解像
度は低下されて、孤立点の除去や欠落点の塗り潰し等の
修正がなされることとなる。図2(a)に示されるマス
クを用いて整形対象画像中の各注目画素の値を順次決定
するにおいては、整形対象画像を構成する各画素の値
(すなわち、画像データ)を所定単位毎に一定の手順で
切り出さねばならない。画像データ切り出し手順の具体
例を図3(a)に示す。
【0065】図3(a)に示されるものは、マスク幅
『4』及びシフト幅『S=2』の縮小マスクを用いて縮
小処理を行う場合の画像データ切り出し手順である。こ
の画像データ切り出し処理で大切なことは、画像データ
を構成する全ての水平ラインが注目画素によって漏れな
く走査されることである。ここで、図2(a)から明ら
かなように、マスク幅『4』及びシフト幅『S=2』の
縮小マスクの場合、その注目画素はマスクの真中に位置
している。その為、もしも、画像データの切り出しを最
初から4ラインずつ行うと、画像データの1ライン目の
走査がスキップされてしまう。従って、この例にあって
は、画像データの切り出しに際しては、最初は画像デー
タの1ライン目,2ライン目,3ライン目にそれぞれ相
当する3ラインについてこれを2画素ずつ水平方向へと
シフトしつつ行い、これが終了するのを待って、4ライ
ンずつの切り出しに切り替えるようにしている。尚、こ
のとき、画像データの外側部分は白画素と見做して処理
するものとする。
【0066】一方、『拡大処理』とは与えられた画像
(この例では中間画像)上に局所マスクを走査して局所
画像を抽出し、その局所画像内の輪郭線の方向に対応し
た2値の標準パターンを決定し、その決定された標準パ
ターンによって前記局所画像内の所定領域を表現した画
像を生成し、これにより画像の輪郭線を滑らかなものと
する処理である。具体的には、整形対象となる画像上に
おいて相隣接する個々の画素に順次に注目し(以下、こ
のとき順次に注目される画素を『注目画素』と言う)、
その注目画素の周囲隣接画素列を抽出し、それら周囲隣
接画素列の2値パターンがあらかじめ用意された標準パ
ターン(後述する『拡大整形マスク標準パターン』)の
いずれに該当するかを判定し、この判定結果に応じて当
該標準パターン(後述する『拡大整形マスク標準パター
ン』)に対応する画像データ(後述する『拡大整形画像
データ標準パターン』)を注目画素の内容として決定す
る処理を繰り返すものである。ここで、注目画素の周囲
隣接画素列を抽出するためには、『拡大マスク』と称さ
れるマスクパターンが使用される。
【0067】拡大マスクの具体例を図2(b)に示す。
同図に示されるものは、マスク幅『3』(水平方向画素
数3×垂直方向画素数3の画素配列パターンの意)及び
シフト幅『S=1』(画像上を水平ラインに沿って横方
向に1画素ずつシフトされるの意)の拡大マスクであ
り、正方形状に配列された9個の画素列(局所画像に相
当)の中で真中の黒く塗り潰された1個の画素が注目画
素とされている。そして、この拡大マスクを使用した拡
大処理においては、注目画素の周囲隣接画素列の中の図
中白抜きで表わされた8個の画素列の2値パターンが、
あらかじめ用意された複数の標準パターン(以下、これ
を『拡大整形マスク標準パターン』と言う)(図4〜図
7参照)と照合され、最も高い一致度を与える拡大整形
マスク標準パターンに対応する画像データ(以下、これ
を『拡大整形画像データ標準パターン』と言う)(図4
〜図7参照)が注目画素の内容として決定される。すな
わち、これを概念的に説明すれば、図2(b)におい
て、正方形状に配列された9個の画素列(局所画像に相
当)の中で真中の黒く塗り潰された注目画素は、図4〜
図7に示された複数の拡大整形画像データ標準パターン
のいずれかにより置換されるのである。尚、ここで言う
『置換』とは、概念的な意味での置換であり、実際に、
画像メモリ上において注目画素が拡大整形画像データに
書き替えられるわけではないことに注意されたい。
【0068】複数用意された拡大整形マスク標準パター
ン及びそれらに対応する拡大整形画像データ標準パター
ンの具体例を図4〜図7に示す。図4乃至図5には、与
えられた2値画像上の輪郭線の直線部分を図2(b)に
示されるマスク幅『3』の拡大マスクを通して観察した
場合に得られるであろう16種類の拡大整形マスク標準
パターンが示されている。すなわち、この例では、傾斜
角度を22.5°づつ異ならせてなる16個の角度
(0.0°、22.5°、45.0°、67.5°、9
0.0°、112.5°、135.0°、157.5
°、180.0°、202.5°、225.0°、24
7.5°、270.0°、292.5°、315.0
°、337.5°)の直線のそれぞれに対応する16種
類の拡大整形マスク標準パターンが示されている。尚、
図4乃至図5に示される拡大整形マスク標準パターンに
おいて、黒く塗り潰された画素は黒画素指定、白抜きの
画素は白画素指定であり、また灰色の画素は白画素又は
黒画素のいずれの指定でも良いことを示している。
【0069】また、これら16個の拡大整形マスク標準
パターンのそれぞれには、マスク幅『2』(水平方向2
画素×垂直方向2画素)の拡大整形画像データ標準パタ
ーンが輪郭線の方向別に用意されている。これらの拡大
整形画像データ標準パターンは、ある画像の解像度を低
下させた結果、上述した16個の拡大整形マスク標準パ
ターンが得られたとした場合、それら拡大整形マスク標
準パターンの注目画素部分は元の画像(解像度低下前の
原画像)では標準的にはどのようなパターンであったか
を想定して作成されている。その為、拡大整形マスク標
準パターンの注目画素部分(真中の黒画素部分)をその
拡大整形マスク標準パターンに対応する拡大整形画像デ
ータ標準パターンにて仮想的に置換すれば、原画像がよ
ほど特殊な形態を有するものでない限りは、解像度が低
下された画像から低下前の原画像の直線部分を逆に復元
することができるのである。
【0070】図6には、与えられた2値画像上の直角コ
ーナー部分を図2(b)に示されるマスク幅『3』の拡
大マスクを通して観察した場合に得られるであろう8種
類の拡大整形マスク標準パターンが示されている。すな
わち、この例では、傾斜角度を45°づつ異ならせてな
る8個の角度(0.0°、45.0°、90.0°、1
35.0°、180.0°、225.0°、270.0
°、247.5°)の直線コーナー部分のそれぞれに対
応する8種類の拡大整形マスク標準パターンが示されて
いる。尚、図6に示される拡大整形マスク標準パターン
において、黒く塗り潰された画素は黒画素指定、白抜き
の画素は白画素指定であり、また灰色の画素は白画素又
は黒画素のいずれの指定でも良いことを示している。
【0071】また、これら8個の拡大整形マスク標準パ
ターンのそれぞれには、マスク幅『2』(水平方向2画
素×垂直方向2画素)の拡大整形画像データ標準パター
ンが輪郭線の方向別に用意されている。これらの拡大整
形画像データ標準パターンは、ある画像の解像度を低下
させた結果、上述した8個の拡大整形マスク標準パター
ンが得られたとした場合、それら拡大整形マスク標準パ
ターンの注目画素部分は元の画像(解像度低下前の原画
像)では標準的にはどのようなパターンであったかを想
定して作成されている。その為、拡大整形マスク標準パ
ターンの注目画素部分(真中の黒画素部分)をその拡大
整形マスク標準パターンに対応する拡大整形画像データ
標準パターンにて仮想的に置換すれば、原画像がよほど
特殊な形態を有するものでない限りは、解像度が低下さ
れた画像から低下前の原画像の直角コーナー部分を逆に
復元することができるのである。
【0072】図7には、与えられた2値画像上の45°
コーナー部分を図2(b)に示されるマスク幅『3』の
拡大マスクを通して観察した場合に得られるであろう8
種類の拡大整形マスク標準パターンが示されている。す
なわち、この例では、傾斜角度を45°づつ異ならせて
なる8個の角度(0.0°、45.0°、90.0°、
135.0°、180.0°、225.0°、270.
0°、247.5°)の45°コーナー部分のそれぞれ
に対応する8種類の拡大整形マスク標準パターンが示さ
れている。尚、図7に示される拡大整形マスク標準パタ
ーンにおいて、黒く塗り潰された画素は黒画素指定、白
抜きの画素は白画素指定であり、また灰色の画素は白画
素又は黒画素のいずれの指定でも良いことを示してい
る。
【0073】また、これら8個の拡大整形マスク標準パ
ターンのそれぞれには、マスク幅『2』(水平方向2画
素×垂直方向2画素)の拡大整形画像データ標準パター
ンが輪郭線の方向別に用意されている。これらの拡大整
形画像データ標準パターンは、ある画像のの解像度を低
下させた結果、上述した8個の拡大整形マスク標準パタ
ーンが得られたとした場合、それら拡大整形マスク標準
パターンの注目画素部分は元の画像(解像度低下前の原
画像)では標準的にはどのようなパターンであったかを
想定して作成されている。その為、拡大整形マスク標準
パターンの注目画素部分(真中の黒画素部分)をその拡
大整形マスク標準パターンに対応する拡大整形画像デー
タ標準パターンにて仮想的に置換すれば、原画像がよほ
ど特殊な形態を有するものでない限りは、解像度が低下
された画像から低下前の原画像の45°コーナー部分を
逆に復元することができるのである。
【0074】図2(b)に示されるマスクを用いて与え
られた画像中の各注目画素の値を順次決定するにおいて
は、整形対象画像を構成する各画素の値(すなわち、画
像データ)を所定単位毎に一定の手順で切り出さねばな
らない。画像データ切り出し手順の具体例を図3(b)
に示す。
【0075】図3(b)に示されるものは、マスク幅
『3』及びシフト幅『S=1』の拡大マスクを用いて拡
大処理を行う場合の画像データ切り出し手順である。こ
の画像データ切り出し処理で大切なことは、画像データ
を構成する全ての水平ラインが注目画素によって漏れな
く走査されることである。ここで、図2(b)から明ら
かなように、マスク幅『3』及びシフト幅『S=1』の
拡大マスクの場合、その注目画素はマスクの真中に位置
している。その為、もしも、画像データの切り出しを最
初から3ラインずつ行うと、画像データの1ライン目の
走査がスキップされてしまう。従って、この例にあって
は、画像データの切り出しに際しては、最初は画像デー
タの1ライン目,2ライン目にそれぞれ相当する2ライ
ンについてこれを1画素ずつ水平方向へとシフトしつつ
行い、これが終了するのを待って、3ラインずつの切り
出しに切り替えるようにしている。尚、このとき、画像
データの外側部分は白画素と見做して処理するものとす
る。
【0076】次に、以上説明したマスク構成(縮小マス
ク、拡大マスク、拡大整形マスク標準パターン、拡大整
形画像データ標準パターン)及び画像データ切り出し手
順を前提とした画像整形処理の結果を図1を参照しつつ
説明する。同図において、整形対象となる初期画像
(a)は、例えば、スキャナで読み取られた手書き図形
やファクシミリにて受信されたノイズの多い原稿等に相
当するものであり、右上がりの太い帯状斜線に本来相当
する画面中央部の黒領域には多数の欠落点(ノイズの存
在に起因する白抜き部分)が存在し、またその黒領域の
輪郭線はノイズの存在により酷く凸凹となっている。さ
らに、画面の左上部分には1画素分の孤立点(ノイズの
存在に起因する黒点部分)が存在する。
【0077】図1(a)に示される初期画像に対して、
図2(a)に示されるマスク幅『4』及びシフト幅
『2』の縮小マスクを用いて縮小処理を施した結果得ら
れた中間画像を図1(b)に示す。図1(b)から明ら
かなように、この例によれば、画面中央部の黒領域に存
在した欠落点は全て黒く塗り潰されて消滅しており、し
かも、画面の左上部分に存在した孤立点についても完全
に消滅している。しかし、同黒領域の周囲輪郭線につい
ては酷くギザギザとなってしまっている。
【0078】図1(b)に示される中間画像に対して、
図2(b)に示されるマスク幅『3』及びシフト幅
『1』の収縮マスク、及び図4乃至図7に示される拡大
整形マスク標準パターン並びに拡大整形画像データ標準
パターンを用いて拡大処理を施した結果得られた最終画
像を図1(c)に示す。図1(c)から明らかなよう
に、この例によれば、画面中央部の黒領域は細らせられ
て初期画像に近いものとなっており、しかも、同黒領域
の周囲輪郭線は同図(b)の中間画面に比べて各段に滑
らかとなっている。このように、本発明に係る画像整形
方法及び装置によれば、縮小処理と拡大処理とを組み合
わせることにより、孤立点や欠落点の含まれるノイズの
多い画像であっても、これを比較的に簡単な論理演算処
理にて確実に整形することが可能となる。
【0079】本発明に係る画像整形方法及び装置による
画像整形結果の他の幾つかの実例を図8乃至図9に示
す。図8(a)は垂直線からの傾斜角度0°の直線の場
合、図8(b)は垂直線からの傾斜角度22.5°の直
線の場合、図8(c)は垂直線からの傾斜角度45°の
直線の場合である。図9(a)はその二等分線が垂直線
から角度0°傾斜した直角コーナー部分、図9(b)は
その二等分線が垂直線から角度45°傾斜した直角コー
ナー部分、図9(c)は一方の辺が垂直線から角度45
°傾斜した45°コーナー部分である。これらの例から
明らかなように、本発明に係る画像整形方法及び装置は
直線部分のみならず、様々な角度のコーナー部分にも適
用することができ、これらを適宜に組み合わせることに
よって、任意の画像の整形が可能となる。
【0080】次に、以上で概念的に説明した本発明に係
る画像整形方法及び装置の実施の形態をコンピュータの
データ処理手順を中心としてより具体的に説明する。図
12は本発明に係る画像整形方法及び装置を実現する為
にコンピュータ内部でソフトウェア的に実行される各種
の機能を直観的な理解が容易なようにハードウェア的な
幾つかの装置に分解して示す概念的ブロック図、図13
はその動作を時系列的に理解させるためのフローチャー
トである。尚、この実施形態では2値画像データのみを
取り扱うものとし、黒画素は『1』、白画素は『0』の
値をそれぞれとるものとする。また、図13に示される
ように、一般に、画像データの画素の連続性に関しては
2通りの解釈が存在するが、ここでは黒画素4連結で処
理するものとするので、図14に示されるように、斜め
方向の黒画素は連結していないものと考える。
【0081】図11のフローチャートに示されるよう
に、本発明の画像整形装置にあっては、先ず、初期設定
として、画像整形処理にて使用する各種パラメータの設
定が行なわれる(図11,ステップ1101)。この各
種パラメータの設定は、図10のブロック図において
は、パラメータ入力装置1により行われるように示され
ている。
【0082】パラメータ入力装置1は、画像整形装置の
起動時にパラメータの設定を行う。具体的には、縮小マ
スク作成装置2に対しては縮小マスクのマスク幅(W
s)及びシフト幅(Ss)の設定が行われ、縮小画像作
成装置3に対しては縮小画像データの閾値(T)の設定
が行われ、拡大整形マスク作成装置4に対しては拡大整
形マスクのマスク幅(We)、シフト幅(Se)の設定
が行われ、拡大整形画像作成装置5に対しては拡大整形
マスクのマスク幅(We)、シフト幅(Se)、拡大整
形データパターンのマスク幅(We´)、シフト幅(S
e´)並びに標準パターン数(N)設定が行われる。但
し、拡大整形マスクのマスク幅(We)は拡大整形マス
ク標準パターンと、また拡大整形画像データパターンの
マスク幅(We´)並びにシフト幅(Se´)は拡大画
像データ標準パターンとそれぞれ整合がとれていなけれ
ばならない。
【0083】拡大整形マスク標準パターン、拡大整形画
像データ標準パターンは、拡大整形画像作成装置5で拡
大整形画像データを作成するときに使用されものであ
り、その一例が図4〜図7に示されている。拡大整形マ
スク標準パターン並びに拡大整形画像データ標準パター
ンは、次のような設計思想(1),(2)に基づいて作
成される。
【0084】(1) 近似的には、拡大整形マスク標準
パターンと拡大整形画像データ標準パターンとは同じ形
とする。 (2) 拡大整形マスク標準パターンの注目画素が外に
凸の形状である場合には、その外側を削るようにして、
拡大整形画像データ標準パターンを作成する。
【0085】上述のような設計思想(1),(2)を導
入すれば、半平面の領域の境界線は、細線の場合と同じ
となる。従って、拡大整形マスク標準パターン、拡大整
形画像データ標準パターンが妥当なものであるかどうか
は、図8乃至図9に示されるように、様々な方向・角度
の細線パターンについて考えれば良いことが判る。図8
乃至図9から明らかなように、本例では、幅『1』の細
線を縮小してから拡大すると、幅『2』〜『3』の細線
に膨脹することが判る。
【0086】このようにしてパラメータの設定が完了し
たならば、縮小マスク作成装置2は当該画像整形装置に
保持されている入力画像データ(D)の読み込みを開始
する(図11,ステップ1102)。その後、縮小マス
クに相当する局所画像データが作成できるだけの入力画
像データ(D)が読み込まれたならば(図11,ステッ
プ1104YES)、パラメータ入力装置1から受け取
った縮小マスク幅(Ws)並びにシフト幅(Ss)に従
って縮小マスク相当の局所画像データの切り出しを行う
(図11,ステップ1105)。このとき、先に説明し
たように、縮小マスクの注目画素は必ず入力画像データ
内に含まれていなければならないため、図3(a)に示
されるマスク幅『4』並びにシフト幅『2』の縮小マス
クの場合には、図4(a)に示されるように、最初は3
ライン、その後は2ラインづつの入力画像データ(D)
を読み込む必要がある。その際、入力画像データの外側
部分は白画素として処理されるものとする。
【0087】ここで、入力画像データ(D)を構成する
各座標値の画像データ(Dxy)は図15の表に示され
るように定義されており、さらに、上記の縮小マスクの
切り出し処理は、具体的にはC言語にて記述された数1
の実行により行われる。
【数1】
【0088】ここで、図4〜図7に示されるように、拡
大成形マスク標準パターンが8連結を想定して作成され
ている場合には、縮小画像データについても8連結でな
ければならない。従って、入力画像を1/2に縮小する
ためには、図3(a)並びに図13から明らかなよう
に、マスク幅『4』及びシフト幅『2』のオーバーラッ
プのある縮小マスクを使用しなければならない。これに
対して、拡大成形マスク標準パターンが8連結を想定し
て作成されている場合であれば、マスク幅『2』及びシ
フト幅『2』の縮小マスクを使用することもできる。
【0089】また、この処理は、縮小マスクが横1ライ
ン分だけ操作してから、次の縮小画像作成装置に制御を
渡すようにすれば、わざわざ現在の入力画像データの座
標値を次の縮小画像作成装置に送る必要はない。ここ
で、オーバーラップのある縮小マスクを使用する場合、
全ての画素が2つの縮小マスクに含まれるように全体の
バランスを考えて、通常、以下の数2が成り立つよう
に、マスク幅並びにシフト幅は設定される。
【数2】
【0090】このようにして切り出された縮小マスク相
当の局所画像データは、次いで、縮小画像作成装置3へ
と送られ、ここで縮小画像の作成が行われる(図11,
ステップ1106)。縮小画像作成装置3は、縮小マス
ク作成装置2から切り出される縮小マスク相当の局所画
像データを受け取り、これに図2(a)に示される縮小
マスクを適用して、マスクから臨む12個の白抜き画素
内の黒画素数をカウントする。次に、縮小画像作成装置
3は、カウントされた黒画素数をパラメータ入力装置1
から受け取った縮小マスクの閾値(T)に基づいて弁別
し、縮小マスクの真中に位置する注目画素(4個の画
素)の値を黒画素とするか白画素とするかを決定する。
このようにして決定された結果は、縮小画像データ(D
s)として一時記憶領域に退避される。
【0091】ここで、縮小マスク(Ms)を構成する各
座標値の画像データ(Msx´y´)は図16の表に示
されるように定義されており、縮小画像データ(Ds)
を構成する各座標値の画像データ(Dsxsys)は図
17の表に示されるように定義されており、さらに、上
記の縮小画像データ作成処理は、具体的にはC言語にて
記述された数3の実行により行われる。
【数3】
【0092】このとき、縮小マスクの注目画素は、縮小
画素データの1画素として考えるものとする。また、縮
小マスクの閾値(T)は、例えば、数4に示されるよう
に、保存したい細線の縮小マスク内の画素数に設定する
と良い。
【数4】
【0093】次に、拡大整形マスク作成装置4では、拡
大整形マスクが作成できるだけの縮小画像データが作成
された時点で、縮小画像データ(Ds)から拡大整形マ
スク相当の局所画像データの切り出しを行う(図11,
ステップ1107YES,1108)。すなわち、拡大
整形マスク作成装置4は、先ず、縮小画像作成装置3に
て作成され、一時記憶領域に退避された縮小画像データ
(Ds)を受け取り、次いで、パラメータ入力装置1か
ら受け取った拡大整形マスクのマスク幅(We)並びに
シフト幅(Se)に基づいて、受け取った縮小画像デー
タ(Ds)から拡大整形マスク相当の局所画像データの
切り出しを行う。
【0094】このとき、先に説明したように、拡大整形
マスクの注目画素は必ず縮小画像データ内に含まれてい
なければならないため、図3(b)に示されるマスク幅
『3』並びにシフト幅『1』の拡大整形マスクの場合に
は、図4(b)に示されるように、最初は2ライン、そ
の後は1ラインづつの縮小画像データ(Ds)を読み込
む必要がある。その際、縮小画像データの外側部分は白
画素として処理されるものとする。
【0095】ここで、拡大整形マスク(Me)を構成す
る各座標値の画像データ(Dexs´ys´)は図18
の表に示されるように定義されており、さらに、上記の
拡大整形マスク相当の局所画像データの切り出し処理
は、具体的にはC言語にて記述された数5の実行により
行われる。
【数5】
【0096】このようにして切り出された拡大整形マス
ク相当の局所画像データは、次いで、拡大整形画像作成
装置5へと送られ、ここで拡大整形画像の作成が行われ
る(図11,ステップ1109)。このとき、図4〜図
7に示されるように、拡大整形マスク標準パターンは3
×3であるから、拡大整形マスクとしては、図2(b)
に示されるように、マスク幅『3』並びにシフト幅
『1』の拡大整形マスクが使用される。また、この処理
は、拡大整形マスクが横1ライン分だけ走査してから次
の拡大整形画像装置に制御を渡すようにすれば、わざわ
ざ現在の縮小画像データの座標血を次の拡大整形画像作
成装置に送る必要はない。
【0097】拡大整形画像作成装置5は、先ず、拡大整
形マスク作成装置4で切り出した拡大整形マスク相当の
局部画像データを受け取り、次いで、この局部画像デー
タを図4〜図7に示される標準パターン数(N)分の拡
大整形マスク標準パターンと照合し、一致する拡大整形
マスク標準パターンの順番(i´)を探索する。ここ
で、拡大整形マスク標準パターン(Pmi)を構成する
各座標値の画像データ(Pmixs´ys´)は図19
の表に示されるように定義されており、さらに、上記の
探索処理における拡大整形マスク標準パターンとの一致
/不一致の判定は、図4〜図7の拡大整形マスク標準パ
ターンにおける黒画素を『1』,白画素を『0』,どち
らでも良い画素を『2』とする、C言語にて記述された
数6の実行により行われる。
【数6】
【0098】次に、拡大整形画像作成装置5は、パラメ
ータ入力装置1から受け取った拡大整形画像データパタ
ーンのマスク幅(We´)並びにシフト幅(Se´)に
基づいて、拡大整形画像データパターンを作成する。こ
のとき、図4〜図7に示されるように、拡大整形画像デ
ータ標準パターンは2×2であるから、拡大整形マスク
としては、マスク幅『2』並びにシフト幅『2』の拡大
整形画像データパターンが使用される。ここで、拡大整
形マスク標準パターン(Pdi)を構成する各座標値の
画像データ(Pdixe´ye´)は図20の表に示さ
れるように定義されている。この拡大整形画像データパ
ターンの作成は、次のようにして行われる。
【0099】先ず、一致する拡大整形マスク標準パター
ンがない場合には、拡大整形画像データパターンを、拡
大整形マスクの注目画素内の最大の画素濃度と同じ値で
塗り潰す。この処理は、C言語にて記述された数7の実
行により行われる。
【数7】
【0100】次に、一致する拡大整形マスク標準パター
ンが1つである場合には、一致した拡大整形マスク標準
パターンの順番の拡大整形画像データ標準パターンを、
そのまま拡大整形画像データパターンとする。この処理
は、C言語にて記述された数8の実行により行われる。
【数8】
【0101】さらに、一致する拡大整形マスク標準パタ
ーンが2つ以上である場合には、一致した拡大整形マス
ク標準パターンの順番の、全ての拡大整形画像データ標
準パターンの白画素を優先して統合する為に論理和をと
るものとする。その論理和の結果を、拡大整形画像デー
タパターンとする。この処理は、C言語にて記述された
数9の実行により行われる。
【数9】
【0102】最後に、この作成された拡大整形画像デー
タパターンは、拡大整形画像データとして書き込まれる
(図11,ステップ1110)。ここで、ここで、拡大
整形画像データ(De)を構成する各座標値の画像デー
タ(Pexeye)は図21の表に示されるように定義
されており、またこの処理は、C言語にて記述された数
10の実行により行われる。
【数10】
【0103】上記の処理(図11,ステップ1101〜
1110)を入力画像データが終了するまで繰り返し、
入力画像データが終了したならば(図11,ステップ1
103YES)、画像整形自体の処理を終了する。尚、
並列(パイプライン)処理する場合には、図11に破線
で示されるように、拡大整形マスクを作成する時に処理
を分岐して、同時に、入力画像データの読み込みを再開
すれば良い。この場合のタイムチャートを図12に示
す。同図において、T1は入力画像データの1ライン分
の読み込み処理期間、T2は縮小マスクの作成期間、T
3は縮小画像データの作成期間、T4は拡大整形マスク
の作成期間、T5は拡大整形画像データの作成期間、T
6は拡大整形画像データの1ライン分の書き込み期間で
ある。
【0104】次に、本発明に係る画像整形方法及び装置
を多値画像に適用する場合の実施形態を図22及び図2
3を参照して説明する。尚、これらの図において、図1
0及び図11と同一構成部分については、同符号を付し
て説明は省略する。図23に示されるように、パラメー
タ設定処理(ステップ1101)に続いて、多値の入力
画像データ(D)の読み込みを開始した後(ステップ1
102)、縮小マスクが作成できるだけの入力画像デー
タが読み込まれるのを待って(ステップ1104YE
S)、縮小マスク相当の局所画像データの切り出しが行
われる(ステップ1105)ことについては、2値画像
の場合と同様である。
【0105】このようにして得られた縮小マスク相当の
局所画像(Ms:ここでは、説明の便宜上、縮小マスク
と同一の符号で示す)は、多値画像であるからそのまま
では輪郭線の検出に不便である。そこで、この多値画像
である縮小マスク相当の局所画像(Ms)は、所定の2
値化処理により2値画像である縮小マスク相当の局所画
像(Ms´)に変換される(ステップ2301)。この
2値化処理は、図22のブロック図においては、2値画
像作成装置6により行われる。固定2値化処理を採用す
る場合、この処理はC言語で記述された数11の実行に
より行うことができる。
【数11】
【0106】一方、この画像整形装置にて最終的に出力
される画像は多値画像であることを考慮すると、最終的
に2値画像から多値画像への変換のためには、多値画像
である縮小マスク相当の局所画像(Ms)の濃度的な特
徴についても保存されていなければならない。その為、
上述の2値画像作成処理(ステップ2301)に続い
て、画素濃度算出処理が行われる(ステップ230
2)。この画素濃度算出処理(ステップ2302)は、
図22のブロック図においては、画素濃度作成装置7に
より行われる。
【0107】すなわち、先ず、画素濃度作成装置7は、
多値画像である縮小マスク相当の局所画像(Ms)に着
目し、それに含まれる黒画素相当の濃度総和及び白画素
相当の濃度総和を、C言語にて記述された数12を実行
することによりそれぞれ算出する。
【数12】
【0108】次いで、画素濃度作成装置7は、上で算出
された黒画素相当の濃度総和及び白画素相当の濃度総和
の平均を、C言語にて記述された数13を実行すること
によりそれぞれ算出し、これらを黒画素部分の縮小画素
濃度データ(DsB=DsBxsys)並びに白画素部
分の縮小画素濃度データ(DsW=DsWxsys)と
してそれぞれ保存する。
【数13】
【0109】その後、図11に示される2値画像の場合
と同様にして、縮小画像の作成処理(ステップ110
6)、拡大整形マスクの切り出し処理(ステップ110
8)、並びに、拡大整形画像の作成処理(ステップ11
09)が順次に実行され、これにより2値画像による拡
大整形画像(D)が得られる。
【0110】次いで、画像整形装置では、この2値画像
による拡大整形画像(D)を多値画像である拡大整形画
像(D´)に変換する(ステップ2303)。この2値
画像から多値画像への変換処理は、図22のブロック図
においては、画素濃度変換装置8により行われる。すな
わち、画素濃度変換装置8は、図4〜図7に示される拡
大整形画像データ標準パターンの黒画素部分並びに白画
素部分の画素のそれぞれに着目し、黒画素部分の画素に
ついては先に求められた縮小画素濃度データ(DsB=
DsBxsys)により、また白画素部分の画素につい
ては先に求められた白画素部分の縮小画素濃度データ
(DsW=DsWxsys)により置き換える。この処
理は、C言語にて記述された数14を実行することによ
り実現される。
【数14】
【0111】このようにして得られた多値画像による拡
大整形画像データ(D´)は、出力画像データとして所
定のメモリ領域に書き込まれることとなる。次に、以上
説明した2値画像並びに多値画像対応の画像整形方法及
び装置の幾つかの応用システムを図24を参照して説明
する。
【0112】図24(a)に示されるシステムは、粗い
若しくはノイズの多い画像を美しくしたり、或いは画像
を拡大した後に整形する等の用途に、本発明の画像整形
方法及び装置を適用したものである。同図(a)におい
て、入力画像データ(D)は、イメージスキャナ(単体
のものに限らず、コピー機やファクシミリ機に内蔵され
ているものを含む)100で読み取られた粗くノイズの
多い画像データや画像データベース101から読み出さ
れた画像データを想定したものである。
【0113】イメージスキャナにて読み取られた粗くノ
イズの多い画像データを入力画像データ(D)とした場
合、これを本発明の画像整形装置104に掛けて縮小処
理並びに拡大処理を施せば、これにより得られる拡大整
形画像データ(De)は、先に説明したように、細線を
残しつつ孤立点ノイズを除去ししかも境界線のスムージ
ング化のなされた高画質のものとなり、これをディスプ
レイ105やDTP描画ツール106に送れば、高画質
な映像やハードコピー等を得ることができる。また、画
像データベース101からネットワークを介して読み出
された画像を入力画像データ(D)とし、これをそのま
ま或いはこれに相似的な拡大処理103を施して得られ
た拡大画像データ(D´)を用いて様々な画像編集作業
等を行う場合にも、これを本発明の画像整形装置104
に掛けて縮小処理並びに拡大処理を施せば、これにより
得られる拡大整形画像データ(De)は、先に説明した
ように、細線を残しつつ孤立点ノイズを除去ししかも境
界線のスムージング化のなされた高画質のものとなり、
これをディスプレイ105やDTP描画ツール106に
送れば、高画質な映像やハードコピー等を得ることがで
きる。
【0114】図24(b)に示されるシステムは、ネッ
トワークを介して送られてくるマルチメディア画像を拡
大した後に整形する等の用途に、本発明の画像整形方法
及び装置を適用したものである。同図(b)において、
入力画像データ(D)はネットワークを介して送られて
くるマルチメディア画像200であり、この種の画像デ
ータの中には画質の低下したものも多く含まれている。
また、この種のマルチメディア画像の中には、インター
リーブ処理等が施されて階層的に送らてくるものも多
く、このような場合には1画面分の画像データ受信完了
を待たずとも、ある程度の画像データが受信された時点
で、画質は低いものの画面全体のおおよそのイメージを
表示させたりプリントアウトさせたりすることができ
る。
【0115】このような入力画像データ(D)若しくは
これに相似的拡大処理201を施してなる拡大入力デー
タ(D´)を、本発明の画像整形装置203に掛けて縮
小処理並びに拡大処理を施せば、これにより得られる拡
大整形画像データ(De)は、先に説明したように、細
線を残しつつ孤立点ノイズを除去ししかも境界線のスム
ージング化のなされた高画質のものとなり、これをディ
スプレイ204に送れば、高画質な映像を得ることがで
きる。特に、このようなシステムによれば、受信側にて
画像整形が行われるため、伝送されるべき画像データ量
を減少させることができ、更に、画像を階層的に伝送す
る場合には、伝送途中であってもその画像全体を比較的
鮮明に表示したりプリントアウトさせることができる。
【0116】図24(c)に示されるシステムは、ビッ
トマップフォントを拡大した後に整形する等の用途に、
本発明の画像整形方法及び装置を適用したものである。
同図(c)において、入力画像データ(D)はビットマ
ップフォントに相当する画像データであり、任意のサイ
ズの文字等を共通のビットマップフォントを用いてプリ
ントアウトさせようとすると、そのビットマップフォン
トを拡大することが必要となる。しかし、ビットマップ
フォントを相似的に拡大すれば、その画質は低下せざる
を得ない。
【0117】このような入力画像データ(D)に対し
て、フォント拡大処理301を施してなる拡大入力デー
タ(D´)を、本発明の画像整形装置302に掛けて縮
小処理並びに拡大処理を施せば、これにより得られる拡
大整形画像データ(De)は、先に説明したように、細
線を残しつつ孤立点ノイズを除去ししかも境界線のスム
ージング化のなされた高画質のものとなり、これをプリ
ンター303に送れば、高画質な拡大文字等をプリント
アウトさせることができる。特に、このようなシステム
によれば、簡単な演算処理にて任意の精細な拡大フォン
トを得ることが可能となる為、この演算を並列処理(パ
イプライン処理等)にて行えば、拡大フォントを得る為
の処理時間の高速化を図ることができ、同時に、様々な
サイズの文字フォントを容易する必要がなくなり、フォ
ントチップのコスト低減を図ることができる。
【0118】尚、以上の説明した図24(a)〜24
(c)の各システムにあっては、画像整形装置(10
4,203,302)内において、縮小処理と拡大処理
との双方を実行しているが、例えば、与えられた画像が
ノイズの少ないものであって、画像の輪郭のスムージン
グだけを要求されるような場合であれば、特に、縮小処
理については実行しなくても良いであろう。
【0119】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、この発明
にあっては、先ず、入力画像データを縮小して解像度を
低下させることによりノイズを除去し、その後、縮小し
た画像データを拡大すると同時に、マスク処理により標
準パターンと置き換えて整形するようにしたため、細線
を残しつつ孤立点ノイズを除去ししかも境界線のスムー
ジング化までをも行うと言う高度な画像整形処理をを非
常に簡単な処理(カウント、比較、論理積等)で実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像整形方法及び装置による画像
処理過程の一例を示す画像説明図である。
【図2】本発明に係る画像整形方法及び装置において使
用される縮小マスク並びに拡大整形マスクの一例を示す
画像説明図である。
【図3】本発明に係る画像整形方法及び装置における縮
小処理並びに拡大処理に際する画像きりだし手順を示す
画像説明図である。
【図4】本発明に係る画像整形方法及び装置において使
用される画像輪郭の直線部分に対応する拡大整形マスク
標準パターン並びにそれに対応する拡大整形画像データ
標準パターンの幾つかの例を示す画像説明図である。
【図5】本発明に係る画像整形方法及び装置において使
用される画像輪郭の直線部分に対応する拡大整形マスク
標準パターン並びにそれに対応する拡大整形画像データ
標準パターンの幾つかの例を示す画像説明図である。
【図6】本発明に係る画像整形方法及び装置において使
用される画像輪郭の直角コーナー部分に対応する拡大整
形マスク標準パターン並びにそれに対応する拡大整形画
像データ標準パターンの幾つかの例を示す画像説明図で
ある。
【図7】本発明に係る画像整形方法及び装置において使
用される画像輪郭の45°コーナー部分に対応する拡大
整形マスク標準パターン並びにそれに対応する拡大整形
画像データ標準パターンの幾つかの例を示す画像説明図
である。
【図8】本発明に係る画像整形方法及び装置を傾斜角度
の異なる幾つかの直線部分に適用した場合における画像
処理過程を示す画像説明図である。
【図9】本発明に係る画像整形方法及び装置を傾斜角度
の異なる幾つかの直角コーナー部分並びに45°コーナ
ー部分に適用した場合における画像処理過程を示す画像
説明図である。
【図10】本発明に係る画像整形方法及び装置をハード
ウェア的に実現すると仮定した場合の構成を示すブロッ
ク図である。
【図11】本発明に係る画像整形装置(図10)の動作
を時系列的に説明する概念フローチャートである。
【図12】本発明に係る画像整形方法及び装置を並列処
理(パイプライン処理)にて実現する場合の手順を示す
タイムチャートである。
【図13】与えられた画像に対してマスク幅並びにシフ
ト幅の異なる2通りの縮小処理を施した結果を示す画像
説明図である。
【図14】画像連結の定義を説明するための画像説明図
である。
【図15】入力画像データ(D)の構成画素(Dxy)
の定義内容を説明するための定義表である。
【図16】縮小マスク(Ms)相当の局所画像の構成画
素(Msx´y´)の定義内容を説明するための表であ
る。
【図17】縮小画像データ(Ds)の構成画素(Dsx
sys)の定義内容を説明するための表である。
【図18】拡大整形マスク(Me)相当の局所画像の構
成画素(Mexs´y´)の定義内容を説明するための
表である。
【図19】拡大整形マスク標準パターン(Pmi)の構
成画素(Pmixs´ys´)の定義内容を説明するた
めの表である。
【図20】拡大整形画像データ標準パターン(Pdi)
の構成画素(Pdixe´ye´)の定義内容を説明す
るための表である。
【図21】拡大整形画像データ(De)の構成画素(D
exeye)の定義内容を説明するための表である。
【図22】本発明に係る多値画像を対象とする画像整形
方法及び装置をハードウェア的に実現すると仮定した場
合の構成を示すブロック図である。
【図23】本発明に係る画像整形装置(図22)の動作
を時系列的に説明する概念フローチャートである。
【図24】本発明に係る画像整形方法及び装置の応用シ
ステムの幾つかの例を示す概念的な説明図である。
【図25】従来の膨脹処理と収縮処理との組み合わせに
よる画像整形方法における画像処理過程を示す画像説明
図である。
【図26】従来の膨脹処理と収縮処理との組み合わせに
よる画像整形方法において使用される膨脹マスク並びに
収縮マスクの一例を示す画像説明図である。
【図27】従来の膨脹処理と収縮処理との組み合わせに
よる画像整形方法における膨脹・収縮時の局所画像の切
り出し手順を示す画像説明図である。
【図28】従来の膨脹処理と収縮処理との組み合わせに
よる画像整形方法における膨脹・収縮時の局所画像の切
り出し手順を示す画像説明図である。
【符号の説明】
1 パラメータ入力装置 2 縮小マスク作成装置 3 縮小画像作成装置 4 拡大整形マスク作成装置 5 拡大整形画像作成装置 6 2値画像作成装置 7 画像濃度作成装置 8 画素濃度変換装置 D 入力画像データ Ds 縮小画像データ De 拡大整形画像データ Ms 縮小マスク Me 拡大整形マスク Pmi 拡大整形マスク標準パターン Pdi 拡大整形画像データ標準パターン

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2値画像上に局所マスクを走査して局所
    2値画像を抽出する画像抽出ステップと、 前記抽出された局所2値画像内の輪郭線の方向に対応し
    た標準2値パターンを決定するパターン決定ステップ
    と、 前記決定された標準2値パターンによって前記局所2値
    画像内の所定領域を表現した画像を生成する画像生成ス
    テップと、 を具備する、ことを特徴とする画像変換方法。
  2. 【請求項2】 前記パターン決定ステップは、前記抽出
    される局所2値画像を、輪郭線の方向別にあらかじめ用
    意された輪郭線2値画像パターンのそれぞれと比較し、
    最大の一致度を与える方向の輪郭線2値画像パターンに
    対応する標準2値パターンを、局所2値画像内の輪郭線
    の方向に対応した標準2値パターンとして決定する、こ
    とを特徴とする請求項1に記載の画像変換方法。
  3. 【請求項3】 前記画像生成ステップは、前記局所2値
    画像内の中心画素を前記標準2値パターンにて置換した
    ものに相当する画像を生成する、ことを特徴とする請求
    項1に記載の画像変換方法。
  4. 【請求項4】 与えられた2値画像の解像度を低下させ
    る解像度変換ステップと、 前記解像度を低下された2値画像上に局所マスクを走査
    して局所2値画像を抽出する画像抽出ステップと、 前記抽出された局所2値画像内の輪郭線の方向に対応し
    た標準2値パターンを決定するパターン決定ステップ
    と、 前記決定された標準2値パターンによって前記局所2値
    画像内の所定領域を表現した画像を生成する画像生成ス
    テップと、 を具備する、ことを特徴とする画像整形方法。
  5. 【請求項5】 多値画像上に局所マスクを走査して局所
    多値画像を抽出する画像抽出ステップと、 前記抽出された局所多値画像内の輪郭線の方向に対応し
    た標準多値パターンを決定するパターン決定ステップ
    と、 前記決定された標準多値パターンによって前記局所画像
    内の所定領域を表現した画像を生成する画像生成ステッ
    プと、 を具備する、ことを特徴とする画像変換方法。
  6. 【請求項6】 前記パターン決定ステップは、前記抽出
    される局所多値画像を2値化処理した後、得られた局所
    2値画像を輪郭線の方向別にあらかじめ用意された輪郭
    線2値画像パターンのそれぞれと比較し、最大の一致度
    を与える方向の輪郭線2値画像パターンに対応する標準
    多値パターンを、局所画像内の輪郭線の方向に対応した
    標準多値パターンとして決定する、ことを特徴とする請
    求項5に記載の画像変換方法。
  7. 【請求項7】 前記画像生成ステップは、前記局所多値
    画像内の中心画素を前記標準多値パターンにて置換した
    ものに相当する画像を生成する、ことを特徴とする請求
    項5に記載の画像変換方法。
  8. 【請求項8】 与えられた多値画像の解像度を低下させ
    る解像度変換ステップと、 前記解像度を低下された多値画像上に局所マスクを走査
    して局所多値画像を抽出する画像抽出ステップと、 前記抽出された局所多値画像内の輪郭線の方向に対応し
    た標準多値パターンを決定するパターン決定ステップ
    と、 前記決定された標準多値パターンによって前記局所画像
    内の所定領域を表現した画像を生成する画像生成ステッ
    プと、 を具備する、ことを特徴とする画像整形方法。
  9. 【請求項9】 前記標準多値パターンの濃度データは、
    前記局所多値画像内の濃度データに対応して決定される
    ことを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれかに記
    載の画像整形方法。
  10. 【請求項10】 2値画像上に局所マスクを走査して局
    所2値画像を抽出する画像抽出手段と、 前記抽出された局所2値画像内の輪郭線の方向に対応し
    た標準2値パターンを決定するパターン決定手段と、 前記決定された標準2値パターンによって前記局所2値
    画像内の所定領域を表現した画像を生成する画像生成手
    段と、 を具備する、ことを特徴とする画像変換装置。
  11. 【請求項11】 前記パターン決定手段は、前記抽出さ
    れる局所2値画像を、輪郭線の方向別にあらかじめ用意
    された輪郭線2値画像パターンのそれぞれと比較し、最
    大の一致度を与える方向の輪郭線2値画像パターンに対
    応する標準2値パターンを、局所2値画像内の輪郭線の
    方向に対応した標準2値パターンとして決定する、こと
    を特徴とする請求項10に記載の画像変換装置。
  12. 【請求項12】 前記画像生成手段は、前記局所2値画
    像内の中心画素を前記標準2値パターンにて置換したも
    のに相当する画像を生成する、ことを特徴とする請求項
    10に記載の画像変換装置。
  13. 【請求項13】 与えられた2値画像の解像度を低下さ
    せる解像度変換手段と、 前記解像度を低下された2値
    画像上に局所マスクを走査して局所2値画像を抽出する
    画像抽出手段と、 前記抽出された局所2値画像内の輪郭線の方向に対応し
    た標準2値パターンを決定するパターン決定手段と、 前記決定された標準2値パターンによって前記局所2値
    画像内の所定領域を表現した画像を生成する画像生成手
    段と、 を具備する、ことを特徴とする画像整形装置。
  14. 【請求項14】 多値画像上に局所マスクを走査して局
    所多値画像を抽出する画像抽出手段と、 前記抽出された局所多値画像内の輪郭線の方向に対応し
    た標準多値パターンを決定するパターン決定手段と、 前記決定された標準多値パターンによって前記局所画像
    内の所定領域を表現した画像を生成する画像生成手段
    と、 を具備する、ことを特徴とする画像変換装置。
  15. 【請求項15】 前記パターン決定手段は、前記抽出さ
    れる局所多値画像を2値化処理した後、得られた局所2
    値画像を輪郭線の方向別にあらかじめ用意された輪郭線
    2値画像パターンのそれぞれと比較し、最大の一致度を
    与える方向の輪郭線2値画像パターンに対応する標準多
    値パターンを、局所画像内の輪郭線の方向に対応した標
    準多値パターンとして決定する、ことを特徴とする請求
    項14に記載の画像変換装置。
  16. 【請求項16】 前記画像生成手段は、前記局所多値画
    像内の中心画素を前記標準多値パターンにて置換したも
    のに相当する画像を生成する、ことを特徴とする請求項
    14に記載の画像変換装置。
  17. 【請求項17】 与えられた多値画像の解像度を低下さ
    せる解像度変換手段と、 前記解像度を低下された多値
    画像上に局所マスクを走査して局所多値画像を抽出する
    画像抽出手段と、 前記抽出された局所多値画像内の輪郭線の方向に対応し
    た標準多値パターンを決定するパターン決定手段と、 前記決定された標準多値パターンによって前記局所画像
    内の所定領域を表現した画像を生成する画像生成手段
    と、 を具備する、ことを特徴とする画像整形装置。
  18. 【請求項18】 前記標準多値パターンの濃度データ
    は、前記局所多値画像内の濃度データに対応して決定さ
    れることを特徴とする請求項14乃至請求項17のいず
    れかに記載の画像整形装置。
  19. 【請求項19】 画像を所定の解像度にて読み取るため
    のイメージスキャナと、 前記イメージスキャナで読み
    取られた画像若しくはこの画像を拡大処理した画像を処
    理する前記請求項10若しくは請求項14に記載の画像
    変換装置、若しくは、前記イメージスキャナで読み取ら
    れた画像若しくはこの画像を拡大処理した画像を処理す
    る前記請求項13若しくは請求項17に記載の画像整形
    装置と、 前記画像変換装置若しくは画像整形装置にて処理された
    画像を出力するディスプレイやプリンタ等の画像出力装
    置と、を具備する、ことを特徴とする画像処理システ
    ム。
  20. 【請求項20】 与えられたビットマップフォントを拡
    大する拡大処理手段と、前記拡大処理手段にて拡大され
    たビットマップフォントを処理する前記請求項10若し
    くは請求項14に記載の画像変換装置、若しくは、前記
    請求項13若しくは請求項17に記載の画像整形装置
    と、 前記画像変換装置若しくは画像整形装置にて処理された
    画像を出力するディスプレイやプリンタ等の画像出力装
    置と、を具備する、ことを特徴とする画像処理システ
    ム。
  21. 【請求項21】 ネットワークを介して受信された画像
    若しくはこの画像を拡大処理して得られた画像を処理す
    る前記請求項10若しくは請求項14に記載の画像変換
    装置、若しくは、前記請求項13若しくは請求項17に
    記載の画像整形装置と、 前記画像変換装置若しくは画
    像整形装置にて処理された画像を出力するディスプレイ
    やプリンタ等の画像出力装置と、を具備する、ことを特
    徴とする画像処理システム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006309622A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Ricoh Co Ltd 画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラムおよび記録媒体
JP2007298625A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Toppan Printing Co Ltd 濃度分布マスクの製造方法

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