JPH09165162A - ガイド装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガイド位置合わせ誤差がケージに伝達される
こと、および拘束装置（８）の不要な係合を自動的に防
止する、柱状ガイド（２）を走行するエレベータ用のガ
イド装置および拘束装置を提供する。 【解決手段】 このために、ローラ担体（６）は、ガイ
ド（２）のプロファイルの中心に位置する回転の中心
（１８）を用いて回転移動でき、それによって、ガイド
（２）のプロファイルの誤った捻れに追従できるように
構成される。ガイド装置のローラ担体（６）は同時に、
拘束装置（８）の担体でもある。拘束装置（８）は、ロ
ーラ担体（６）にかたく接続された固定装置（１４）内
で垂直に変位できるように構成され、バッファ（１９）
を含む当接装置（１２）を介して、ガイド装置とは独立
にエレベータケージとの動作可能接続部を有する。拘束
制動の場合、ガイド装置には力は作用しない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術】本発明は、ガイド位置合わせ誤差
がケージ（ｃａｇｅ）に伝達されることと、拘束装置の
不要な係合を自動的に防止する、柱状ガイドを走行する
エレベータ用のガイド装置および拘束装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】通常、垂直線からの水平方向逸脱はガイ
ド位置合わせ誤差として定義されている。押し出し加工
プロファイル（ｅｘｔｒｕｄｅｄ ｐｒｏｆｉｌｅｓ）
による柱状ガイドの場合、他の種類の位置合わせ誤差が
発生する。製造方法の種類のために、特に、たとえばガ
イド長が５ｍないし６ｍである場合、ガイド軸の周りの
数度のわずかな捻れを完全に回避することはできない。
剛性が高いため、かつこの種のガイドに使用される設置
モードの配慮から、張力の影響の下での弾性変形のため
のそのような捻れの反転はもはや可能ではない。このた
め、この種のガイドのガイド装置が、同様にガイドコー
スに従うことができるようにするにはある種の可動性を
有さなければならない。

【０００３】スイス特許出願第３８６６５１号は、ボー
ルソケット内に支持され、この取り付け方法のために、
捻れたガイドでの適応移動のための追加自由度を有する
スライドガイドシュー（ｓｌｉｄｅ ｇｕｉｄｅ ｓｈ
ｏｅ）を説明し図示している。

【０００４】ボールソケットによる取り付けの原則を使
用して、柱状ガイドにガイドローラを包含することはで
きない。なぜなら、その場合、ガイド装置の回転の中心
がガイド断面の外側に位置し、かつこの取り付け形態
は、完全に真っ直ぐなガイドの追跡運動に対する自由度
が大きすぎるからである。

【０００５】柱状ガイドは、従来型の拘束装置の係合の
ために、突起ブレーキリム（ｌｉｍｂ）を備え、このブ
レーキリムは、捻れ誤差の場合に、拘束装置に接触し、
したがって拘束装置の不要な係合をもたらす恐れがあ
る。この対策としてブレーキウェッジとブレーキ表面と
の間により大きなエアギャップを与えることは、ブレー
キウェッジの走行が制限されているため、条件によって
は可能ではなく、問題を部分的に解決するに過ぎない。

【０００６】米国特許第５１５９９９５号は、二つのガ
イドローラを含むウェッジ拘束装置を説明し図示してい
る。二つのスプラング（ｓｐｒｕｎｇ）ガイドローラ
は、拘束装置にかたく接続され、ブレーキウェッジとブ
レーキ表面との間のエアギャップよりも小さな、限られ
たバネ走行を有する。

【０００７】この装置を用いた場合も、依然としてガイ
ドローラのバネ走行をブレーキウェッジとブレーキ表面
との間のエアギャップに含めなければならないので、エ
アギャップは依然としてかなり大きな寸法にしなければ
ならない。このため、常に拘束装置のトリガ時に不要な
反応遅延が発生する。さらに、新しい拘束装置を作製
し、あるいは既存の拘束装置を改造しなければならず、
コストがかかる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、前述の欠点を有さず、共通の装置によって捻れ
た柱状ガイドに沿ってケージガイドおよび拘束装置を追
跡できるようにする、ケージガイドおよび拘束装置用の
自動追跡装置を作製することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この課題は、請求項１で
特徴付けられ、説明および図面によって例示された本発
明によって解決される。

【００１０】本発明は、ガイド断面内に位置する回転の
中心の周りで回転移動できるように水平平面上に構成さ
れたガイド装置と、従来型の拘束装置の担体として提供
されるガイド装置を特徴とする。

【００１１】有利な改良は従属する特許請求項に記載さ
れている。

【００１２】回転移動は、固定装置の円弧状スロット
（ｓｌｏｔ）と、スロット内を摺動するガイドピンによ
って可能になる。

【００１３】ローラガイド装置は、摩擦を低減させるた
めに平行な追跡回転ベアリングセグメント間で案内され
保持される。

【００１４】各ガイド装置の共通の担体上の平面に三つ
のローラが構成され、そのうち二つのローラは、ガイド
プロファイルに後方から係合する。

【００１５】ガイド装置上に構成される拘束装置は、垂
直方向へ変位できるように構成され、その変位走行は、
エレベータケージにダンパと共に配設される当接装置
（ａｂｕｔｍｅｎｔ）によって制限され減衰される。

【００１６】拘束制動の場合、制動力は、ガイド装置に
力を作用させずに直接エレベータケージへ伝達される。

【００１７】本発明を実施例の助けを借りて下記で詳し
く説明し図面に示す。

【００１８】

【発明の実施の形態】図１は、柱状ガイド２を走行する
エレベータケージ１を示す。ローラガイド３は基本的
に、エレベータケージ１の上方のヨーク（ｙｏｋｅ）４
の両側に示されている。

【００１９】図２は、ローラガイド３の形のガイド装置
の詳細を示す。ほぼＶ字形であり、二つのリムを有し、
水平方向に構成されたローラ担体６において、それぞれ
のガイドローラ１１は、回転軸が、たとえば互いに９０
°の角度をなし、二つのリムのそれぞれの外側端部の内
側で支持される。第三のガイドローラ１１は、回転軸が
ヨーク４に対して垂直に延び、ローラ担体６の基部中の
二つの短いフォーク（ｆｏｒｋ）リム間に支持される。
ローラ担体は、二つのガイドプレート７間で案内され保
持され、ガイドプレート７は、中心１８がプロファイル
断面内に位置する移動円１５の半径を有する短い円形ガ
イドスロット１３を有する。ローラ担体６は、ガイドピ
ン１９がガイドスロット１３の長さの範囲内で水平方向
に移動できるようにガイドスロット１３を通過すること
によってガイドスロット１３内で案内される。ガイドプ
レート７はアーム５に固定され、アーム５はヨーク４に
かたく接続される。ローラ担体６の右側リム上に従来型
の拘束装置８用の固定装置１４が存在する。拘束装置８
は、固定装置１４内である程度垂直方向上向きに変位す
ることができ、固定装置１４は、ローラ担体６のリムに
かたく接続される。当接装置１２は、ヨーク４にかたく
接続され、左側端部によって拘束装置８の上方端面を越
えて突き出る。拘束装置８は、ガイド２の突出伸長部と
して構成されたブレーキリム１０の周りに係合する。二
つの横方向ガイドローラ１１はそれぞれ、ガイド２の二
つの成型平面走行表面２０のそれぞれ上を走行する。中
央ガイドローラ１１は、ガイド２の湾曲部上に形成され
た平面走行表面２１上を走行する。ガイド２の可能な捻
れ角度を１６および１７で示す。

【００２０】図３の場合のガイド装置の側面立面図で
は、アーム５が省略され、ローラ担体６上が直視されて
いる。ローラ担体６がどのように、上下ガイドプレート
７内へ開放する貫通ガイドピン９と共に、上下ガイドプ
レート７間で案内され保持されるかがさらに明白であ
る。拘束制動の場合に、急激に生じる高い減速力を減衰
的にエレベータケージ１に伝達するバッファが１９で示
されている。

【００２１】このバッファ１９と、拘束装置８の垂直変
位可能性によって、依然としてウェッジ拘束装置を上向
き拡張速度範囲で使用することができる。拘束装置８の
トリガおよび始動時には、拘束装置８が、固定装置１４
内に落下した際に上向きに変位し、次いで制動力をバッ
ファ１９および当接装置１２を介してヨーク４に伝達し
エレベータケージ１に伝達するので、ガイド装置に力は
加えられない。

【００２２】ガイド２の押し出し加工プロファイルは、
前述のように、全長にわたってわずかに捻れることがあ
り、この捻れは、二つの捻れ角度１６および１７によっ
て誇張的に示されている。ローラ担体６は、前述のよう
に取り付けられ、場合によっては円形移動線１５上の水
平平面内で変位できるため、このような移動をエレベー
タケージ１に伝達せずにこのような捻れに追従すること
ができる。移動円１５の中心は、ガイド２のプロファイ
ル断面の中心１８でもある。ガイド２間の追跡寸法は、
ガイド装置が捻れ誤差を吸収するだけでよく、したがっ
てエレベータケージ１が不要な横方向移動を経験しない
ように、組立時に正確に設定される。ガイドスロット１
３は、ガイド２の最大捻れ誤差に対する何らかの動きの
余裕が依然として存在するように寸法付けられる。

【００２３】図面に示した解決策は基本的な解決策であ
る。実際には、特に、変位移動に対する小さな摩擦に留
意し、同時に十分に高い安定性が得られるように留意す
る必要がある。したがって、たとえば、ガイドプレート
７は、適当に適応化されたアーム５上の二つの平面にお
いて互いに離れた位置に構成し、それによってローラ担
体６用の剛性の二重ガイドとして働くようにすることが
できる。摩擦を低減し、特殊な潤滑装置を回避するため
に、局所摺動表面の場合に適当な材料結合によってブロ
ッキングおよびキャンティング（ｃａｎｔｉｎｇ）を防
止する。

【００２４】ローラ担体６の案内および取り付けは、特
殊なケースでは、溝が移動円１５の円形セグメントとし
て形成された追跡回転ベアリングのセグメントによって
行うことができる。

【００２５】ローラ担体６の弾性支持および案内に関す
る第二の変形例を図４および５に示す。この解決策で
は、ローラ担体６は、二つの弾性ベアリングによって保
持され案内される。第１の弾性ベアリング２３は、ガイ
ドローラ１１の後方に、ローラ担体６の背側のガイドロ
ーラの軸と同じ高さに構成される。第二の弾性ベアリン
グ２４は、右側ガイドローラ１１の後方のローラ担体６
の右側リムの下方に構成される。二つの弾性ベアリング
２３および２４の軸は、互いに約９０°の角度をなすよ
うに構成される。第１の弾性ベアリング２３は、アーム
２２を介してヨーク４に接続され、第二の弾性ベアリン
グ２４はベアリング固定装置３０によって同様にヨーク
４に接続される。二つの弾性ベアリング２３および２４
はそれぞれ、ローラ担体６に配設された二つのそれぞれ
のベアリングリム２６と、ベアリング軸を形成するベア
リングピン２５と、ベアリングピン２５とベアリングボ
ア（ｂｏｒｅ）２７との間の管状弾性インサート２８
と、弾性インサート２８の端面に構成された二つの圧力
ワッシャ２９とからなる。

【００２６】弾性ベアリング２３および２４またはその
管状弾性インサート２８は、その軸方向に対して横向き
の硬度が軸方向の硬度の少なくとも２倍であるという特
性を有する。このため、移動円１５の平面中のローラ担
体６は、小さな弾性抵抗を有するガイド２の可能な捻れ
に追従することができ、同時に、減衰を受けるが垂直方
向によりかたく固定することができる。そのような特性
を有する弾性インサート２８はたとえば、半径方向に十
分な硬度を有する多孔ゴム製円盤のスタック（ｓｔａｃ
ｋ）で構成することができ、小さな力によって軸方向に
板バネのように弾性変形することができる。この場合、
圧力ワッシャ２９が、ゴム製円盤の外径よりも小さなは
めあわせ直径を有し、あるいは場合によっては弾性イン
サート２８の端面の方へ湾曲した構造を有することが不
可欠である。

【００２７】本発明による装置またはローラ担体６は、
エレベータ速度が低い場合は、ガイドローラ１１ではな
くはめあわせガイドスライド部材を備えることもでき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】柱状ガイド付きエレベータの斜視立面図であ
る。

【図２】ガイド装置の平面図である。

【図３】ガイド装置の側面立面図である。

【図４】下から見たガイド装置の第二の変形例を示す図
である。

【図５】第二の変形例の側面立面図である。

【符号の説明】

２ ガイド ６ ローラ担体 ８ 拘束装置 １２ 当接装置 １４ 固定装置 １８ 中心 １９ バッファ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クリストフ・リーベトラオ スイス国、ツエーハー−5737・メンツイケ ン、ミユルテンシユトラーセ・19 (72)発明者 アルブレヒト・モルロツク ドイツ国、デー−72160・ホルブ、ホーブ スシユトラーセ・14 (72)発明者 ユルゲン・マーンケ ドイツ国、デー−75233・テイーフエンブ ロン、フオーゲルサンクベーグ・10

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガイド位置合わせ誤差がケージに伝達さ
   れることと、拘束装置の不要な係合を自動的に防止す
   る、柱状ガイドを走行するエレベータ用のガイド装置お
   よび拘束装置であって、ガイド装置（３）が、ガイドの
   断面内に位置する中心の周りで回転移動できるように構
   成され、拘束装置（８）の担体として構成されることを
   特徴とするガイド装置。
2. 【請求項２】 ローラ担体（６）が、ガイドプレート
   （７）の円弧状スロット（１３）内で摺動するガイドピ
   ン（９）によって回転移動できるように案内され保持さ
   れることを特徴とする請求項１に記載のガイド装置。
3. 【請求項３】 ローラ担体（６）が、追跡回転ベアリン
   グのセグメント間で回転移動できるように案内され保持
   されることを特徴とする請求項１に記載のガイド装置。
4. 【請求項４】 ローラ担体（６）が、弾性ベアリング
   （２３、２４）によって回転移動できるように案内され
   保持されることを特徴とする請求項１に記載のガイド装
   置。
5. 【請求項５】 弾性ベアリング（２３、２４）が、互い
   に４５°ないし１３５°の範囲の角度をなすように構成
   されることを特徴とする請求項４に記載のガイド装置。
6. 【請求項６】 弾性ベアリング（２３、２４）が弾性イ
   ンサート（２８）を備え、弾性インサートの半径方向の
   硬度が、軸方向の硬度の少なくとも２倍であることを特
   徴とする請求項４に記載のガイド装置。
7. 【請求項７】 ガイド（２）のプロファイルが後方から
   ガイドローラ（１１）に係合されることを特徴とする請
   求項１に記載のガイド装置。
8. 【請求項８】 ローラ担体（６）が、拘束装置（８）用
   の固定装置（１４）を備え、拘束装置（８）が固定装置
   （１４）内で垂直に変位できるように構成されることを
   特徴とする請求項１に記載のガイド装置。
9. 【請求項９】 拘束装置（８）が、ローラ担体（６）と
   は独立にエレベータケージ（１）との動作可能接続部を
   備えることを特徴とする請求項８に記載のガイド装置。
10. 【請求項１０】 エレベータケージ（１）との動作可能
    接続部が、ヨーク（４）にかたく接続された当接装置
    （１２）と当接装置（１２）に構成されたバッファ（１
    ９）で形成されることを特徴とする請求項９に記載のガ
    イド装置。