JPH09159979A - 導波路型光変調器 - Google Patents

導波路型光変調器

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JPH09159979A
JPH09159979A JP34602495A JP34602495A JPH09159979A JP H09159979 A JPH09159979 A JP H09159979A JP 34602495 A JP34602495 A JP 34602495A JP 34602495 A JP34602495 A JP 34602495A JP H09159979 A JPH09159979 A JP H09159979A
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JP
Japan
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waveguide
light
branch
type optical
electrodes
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Application number
JP34602495A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Yasuma
康浩 安間
Tomonori Ichikawa
智徳 市川
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Original Assignee
FDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直流バイアス電圧をかけなくても動作点を任
意の位置に自由に設定できるようにし、それによって本
質的にDCドリフトが生じないようにする。 【解決手段】 電気光学効果を有する結晶からなる導波
路基板30に閉ループ状の分岐部32を有する導波路3
4を形成するとともに、前記分岐部の両分岐導波路34
a,34bにそれぞれ電極36a,36bを形成した導
波路型光デバイス38と、その両電極間に交番駆動電圧
を印加する駆動回路40を具備し、該駆動回路により前
記電極間に印加する電位差に基づいて出射光の強度を制
御する導波路型光変調器である。導波路型光デバイスの
一方の分岐導波路34bの一部にフォトリフラクティブ
効果を利用した位相シフト部37を設け、入射光強度の
調整により導波光の位相を変化させることで直流バイア
ス電圧を必要とせずに単一の駆動回路による交番駆動電
圧の印加のみで光強度変調させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導波路型光デバイ
スを用いる電気光学効果を利用した光変調器に関し、更
に詳しく述べると、導波路型光デバイスの一方の分岐導
波路の一部にフォトリフラクティブ効果を利用した位相
シフト部を設けて導波光の位相を変化させることで、直
流バイアス電圧成分を持たない交番駆動電圧の印加のみ
で駆動することにより特性の安定化を図った光変調器に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】広い分野にわたるレーザ光の実用を可能
にした重要な技術の一つに、光の強度変調技術がある。
光の強度変調にはさまざまな物理的効果を利用した変調
技術が開発されているが、その応用例の一つに電気光学
効果を利用した導波路型光変調器がある。
【0003】この種の導波路型光変調器の一例を図6に
示し、そのA−A′断面を図7に示す。これは対称分岐
干渉型と呼ばれる形式である。Zカットのニオブ酸リチ
ウム(LiNbO3 )基板等の電気光学効果(電界によ
って屈折率が変化する現象)を有する一軸結晶からなる
導波路基板10に、閉ループ状の分岐部12を有する導
波路14を形成するとともに前記分岐部12の両分岐導
波路14a,14bの直上にそれぞれバッファ層(Si
2 ,Al2 3 )15を介して電極16a,16bを
形成した導波路型光デバイス18と、その電極16a,
16b間に駆動電圧を印加する駆動回路20を具備して
いる。導波路型光デバイス18に入力した入射光は、分
岐して分岐導波路14a,14bを通った後に結合し、
出射光として出力する。その際、駆動回路20により前
記電極16a,16b間に印加する電位差に基づいて出
射光の強度を制御する構成である。通常、低電圧駆動が
可能なように、ニオブ酸リチウム結晶のもつ電気光学定
数のうち最大値のr33を用いる。このため印加する電界
はz軸に平行となるようにする。
【0004】ここで導波路基板10に形成する導波路1
4は、通常、金属チタンを蒸着法などによりパターニン
グし、1000〜1050℃で8時間程度の熱処理を行
う方法(熱拡散法)によって形成している。具体的に
は、導波路基板10の長手方向の寸法は20〜30mm程
度であり、図面では分かりやすくするために広く描いて
いるが、分岐部12の両分岐導波路14a,14bの間
隔は20μm程度と極めて狭く設定されている。
【0005】このような光変調器は、図8の光変調特性
曲線aに示すような電圧Vに対する出射光強度Iの電気
光学特性を呈する。分岐導波路間に光学的な距離の差が
無い場合、理論的には電圧無印加状態において出射光強
度Iは極大値を示し、それよりも半波長電圧Vπだけ大
きい電圧(又は小さい電圧)を印加した状態において極
小値を示す。従って、この光変調器においてオン−オフ
の光信号を作成するためには、Vπ/2という値の直流
電圧VDCをオフセットとしてかけた状態(直流バイアス
電圧印加)で、振幅Vπ/2以下の交番信号(±v)を
乗せなければならない。これによって出射光のオン−オ
フ制御を行うことができる。これはデジタル変調の場合
であるが、アナログ変調の場合も同様である。直流バイ
アス電圧(VDC=Vπ/2)を印加した状態でアナログ
信号電圧を重畳すれば、前記光変調特性曲線の直線状の
部分を利用することで光強度を変調することができる。
【0006】従って、図6に示すように従来技術におい
ては、交番駆動電圧(±v)を直流バイアス電圧(VDC
=Vπ/2)に重畳するような駆動電源20を必要とす
る。また導波路型光デバイスには動作中、常時、一定の
直流電圧が印加され続けることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の導
波路型光デバイスでは、DC(直流)ドリフトと呼ばれ
る不安定現象が生じることが知られている。このDCド
リフトとは、長時間にわたって使用し続けていると光変
調特性(電圧−光強度特性)曲線が電圧印加方向にシフ
トし、動作点がずれてしまう現象を言う。このような不
安定現象が生じる理由については未だ十分に解明されて
いるわけではないが、熱拡散を利用して導波路を形成し
ているために表面層にキャリアが発生し、常時印加され
ている直流電圧によってキャリアが移動するために生じ
るのではないかと言われている。
【0008】そこで、このようなDCドリフトを抑制す
るためのさまざまな検討がなされている。例えば印加す
る直流バイアス電圧を自動的に調整する方法、あるいは
2個の駆動回路を組み合わせてバイアス電圧の極性を一
定時間ごとに反転させる方法などが提案されている。し
かし、このような従来のDCドリフト抑制方法では、周
辺回路が複雑になる欠点がある。
【0009】本発明の目的は、直流バイアス電圧をかけ
なくても動作点を任意の位置に自由に設定できるように
し、それによって本質的にDCドリフトが生じないよう
な導波路型光変調器を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、電気光学効果
を有する結晶からなる導波路基板に閉ループ状の分岐部
を有する導波路を形成するとともに、前記分岐部の両分
岐導波路の近傍に電極を形成した導波路型光デバイス
と、その電極間に交番駆動電圧を印加する駆動回路を具
備し、該駆動回路により前記電極間に印加する電位差に
基づいて出射光の強度を制御する導波路型光変調器であ
る。ここで本発明の特徴は、前記導波路型光デバイスの
一方の分岐導波路の一部にフォトリフラクティブ(Phot
o Refractive)効果を利用した位相シフト部を設け、入
射光強度の調整により導波光の位相を変化させることで
直流バイアス電圧を必要とせずに単一の駆動回路による
交番駆動電圧の印加のみで光強度変調させる点にある。
【0011】また本発明には、同一導波路基板上に、2
入力導波路と閉ループ状の分岐部を有する導波路と出力
導波路が直列に接続されるように設けると共に、閉ルー
プ状の分岐部を有する導波路の一方の分岐導波路の一部
にフォトリフラクティブ効果を利用した位相シフト部を
設け、前記出力導波路に位相シフト光の透過を阻止する
偏光子を設けた構造の導波路型光デバイスを用いる構成
もある。この場合、フォトリフラクティブ効果が生じ難
い波長λ1 で且つ1方向に偏光している信号光を一方の
入力導波路から入力すると共に、低パワーで容易にフォ
トリフラクティブ効果が起きる波長λ2 で且つ信号光と
は偏光が90°傾いている位相シフト光を他方の入力導
波路から入力し、前記位相シフト部で位相シフト光によ
り信号光の位相を変化させて単一の駆動回路による直流
バイアス電圧成分を持たない交番駆動電圧の印加のみで
信号光を光強度変調させる。
【0012】ここで導波路型光デバイスは、例えば一軸
結晶であるニオブ酸リチウム結晶からなる導波路基板
に、金属チタンを蒸着法などによってパターニングした
後、熱拡散処理することにより導波路を形成したもので
ある。また位相シフト部は、導波路基板であるニオブ酸
リチウムにFe2+をドープすることで形成することがで
きる。
【0013】
【発明の実施の形態】フォトリフラクティブ効果は入射
光の強度によって屈折率変化を生じる現象である。位相
シフト部はフォトリフラクティブ効果を生じる領域であ
り、従って、その領域では、入射光強度によって位相が
変化する。このような位相シフト部を一方の分岐導波路
に設けておくと、入射光の強度に応じて位相シフト部の
屈折率が変化するために、分岐していた導波光が結合し
た時の両導波光の位相差を任意に制御することが可能と
なる。これによって電圧無印加状態における相対的な出
射光強度を任意の値に設定できることになる。つまり、
直流バイアス電圧を印加しなくても動作点を自由に変え
ることができ、そのため本質的に従来技術のようなDC
ドリフトと呼ばれる不安定現象が生じるのを回避でき
る。
【0014】
【実施例】図1は本発明に係る導波路型光変調器の一実
施例を示す説明図である。この光変調器は、導波路型光
デバイス38とその駆動電源40との組み合わせによっ
て構成されている。導波路型光デバイスの断面構造は、
図7に示す従来技術と同様であってよい。
【0015】導波路型光デバイス38は、Zカットのニ
オブ酸リチウム(LiNbO3 )結晶からなる導波路基
板30に閉ループ状の分岐部32を有する導波路34を
形成するとともに、該分岐部32の両分岐導波路34
a,34bの直上にそれぞれバッファ層35を介して電
極36a,36bを形成し、一方の分岐導波路(ここで
は分岐導波路34b)の一部にフォトリフラクティブ効
果を利用した位相シフト部37を設けたものである。導
波路型光デバイス38の構造は、位相シフト部37を除
けば従来技術と同様であってよい。導波路基板30の長
さは20〜30mm程度であり、それに対して両方の分岐
導波路34a,34bの間隔は狭く(図面では分かりや
すくするために広く描いてあるが、実際は非常に狭い)
20μm程度である。導波路34は、蒸着法などによっ
て導波路基板30の表面に金属チタンを所定の形状にパ
ターニングした後、熱拡散法(例えば、1000〜10
50℃の温度で8時間程度の熱処理を行う方法)により
埋め込むことで形成する。
【0016】フォトリフラクティブ効果を利用した位相
シフト部37は、具体的には、分岐導波路となる部分に
所定の範囲にわたってFe2+をドープした領域からな
る。入射光の強度を調整することで、位相シフト部37
の屈折率を変化させ、それによって両分岐導波路34
a,34bを通る導波光の位相差を制御できる。本発明
では、これを利用して直流バイアス電圧を印加しない状
態でも自由に動作点を調整することが可能となる。
【0017】そのため、両方の電極36a,36bの間
に駆動電圧を印加する駆動回路40は、従来技術のよう
な直流バイアス電圧に交番駆動電圧を重畳した駆動信号
を発生するものではなく、所定の交番電圧信号のみを発
生する(直流バイアス電圧を必要としない)単一の駆動
回路でよい。
【0018】導波路34に入射光を導入し、直流バイア
ス電圧を必要としない状態で最適動作点が実現されるよ
うに、その光強度を調整する。そして駆動回路40によ
り交番駆動電圧を印加することで電位差に基づいて出射
光の強度を制御する。その様子を図2に示す。電圧Vに
対する出射光強度Iの関係は、光変調特性曲線bに示す
ような状態となる。つまり一方の分岐導波路34bにフ
ォトリフラクティブ効果を利用した位相シフト部37を
形成した場合には、入射光強度によってその位相シフト
部37での屈折率が変化するために、その後に結合した
時に両導波光の位相差を任意に制御可能となる。つまり
光変調特性曲線を左右にシフトできる。これによって図
2に示すように、電圧無印加状態における出射光強度I
が極大点と極小点の丁度中間に位置するように設定でき
る。この状態で±vの交番信号電圧を電極間に印加する
と、それに応じてオン−オフスイッチングする光出力が
得られる。駆動電圧信号を任意のアナログ信号で行え
ば、それに応じた光強度の出射光を出力させる(強度変
調させる)ことが可能となる。
【0019】位相シフト部37の長さは、次のようにし
て求める。フォトリフラクティブ効果による屈折率変化
Δnは、入射光の波長、強度、ニオブ酸リチウム中のF
e濃度などにより変化する。例えば、波長λ=0.48
8μm、12mW(空間伝搬光)の光を、0.1重量%
Feドープのニオブ酸リチウム中に入射すると、屈折率
変化Δn=3×10-4を引き起こす(ドープ無しの場合
には、Δnが10-6以下である)。導波路形状では、光
を狭い空間内に閉じ込めるために、光強度が約0.25
μWでも等価な変化が期待できる。図1の構成におい
て、光変調特性曲線をλ/4(π/2)だけシフトする
ためには、位相シフト部の長さL(μm)は次の式を満
たすように設定すればよい。 L(2.2063−2.206)/0.488=0.2
5 これを計算すると、位相シフト部の長さLは407μm
になる。つまり上記の条件では、理論的には407μm
の長さの位相シフト部を一方の分岐導波路に形成するこ
とにより、所期の目的を達成することができる。なお、
実際には両方の分岐導波路の製作上の寸法誤差(バラツ
キ)がある。入射光の強度の調整による動作点の設定
は、両方の分岐導波路の製作上の寸法誤差を吸収し、そ
れを含めて最適の動作点に設定することを可能にしてい
る。
【0020】フォトリフラクティブ効果は緩和現象であ
り、その緩和時間は、Feドープ結晶の場合、Fe2+
Fe3+に影響される。この比率が高い方が応答性がよ
く、早く飽和値に達する。そのため、本実施例のよう
に、ニオブ酸リチウム中にFe2+をドープすることで位
相シフト部を形成するのが望ましい。ドープ方法は熱拡
散法を用いればよい。ニオブ酸リチウム中への熱拡散
は、例えばFe2 3 を用いて行うことができる。
【0021】なお両分岐導波路を伝搬する導波光間の位
相差は入射光強度、Feドープ量、ドープ領域の長さに
より制御可能であるため、事前の試作実験によってデー
タを採取し、それに応じて製造すればよい。特にFeの
ドープ量の制御やドープ量の屈折率変化への対応は製作
に不可欠なデータである。同一の屈折率変化Δnを引き
起こさせる場合でも、入射光の波長、光強度、Fe濃度
などのうちのどのパラメータを変更するかは、使用条件
や製作条件などによって異なり、適宜選択して実行する
ことになる。
【0022】ところでフォトリフラクティブ効果は、入
射光の波長が短いほど効果が大きい傾向にある。そこで
図3に示すような装置構成も有効である。すなわちカッ
プラ50によって通信用信号光(例えば波長1.3μm
の近赤外光)と短波長レーザ光を結合して本発明に係る
導波路型光変調器52に供給し、その出射力のうち短波
長レーザ光をフィルタ(あるいは分波器など)54で除
去することにより光強度変調された通信用信号光のみ出
力させる構成である。短波長レーザ光によって光変調器
52の位相シフト部の屈折率を大きく変化させ、光変調
特性曲線をシフトして所望の動作点で光変調動作が行わ
れるように制御するのである。
【0023】図4に本発明の他の実施例を示し、図5に
その部分断面を示す。基板にはYカット(又はXカッ
ト)のニオブ酸リチウム結晶を用い、y方向(又はx方
向)に光が伝播するように導波路を形成する。同一導波
路基板上に、2入力導波路60と閉ループ状の分岐部を
有する導波路62と出力導波路64が直列に接続される
ように設けると共に、閉ループ状の分岐部を有する導波
路62の一方の分岐導波路の一部にフォトリフラクティ
ブ効果を利用した位相シフト部66を設け、更に前記出
力導波路64に位相シフト光の透過を阻止する金属装荷
型偏光子68を設け、導波路基板表面にて両分岐導波路
を挾むように3本の電極70を形成することで導波路型
光デバイスを構成する。ここでもz軸方向に平行に電界
を印加するようにしている。
【0024】ところで導波路上に直接金属を装荷する
と、導波路中に伝播するTE及びTMモード光に対して
異なる影響を及ぼす。導波路中を伝播するTMモード光
の電磁界分布がTEモード光のそれに比較してより深く
金属中に浸透するために、TMモード光には大きな伝播
損失が与えられる。金属装荷型偏光子68は、このモー
ド依存性を利用したものである。
【0025】導波路60,62,64は、前記実施例と
同様、金属チタンの熱拡散法によって基板内に形成すれ
ばよい。また位相シフト部66は一方の分岐導波路の一
部にFeを熱拡散することで形成する。金属装荷型偏光
子68及び電極70は、基板上に蒸着法あるいはスパッ
タ法によって直接金属を付着することで同時に形成でき
る。
【0026】2入力導波路60の一方の導波路には、フ
ォトリフラクティブ効果が生じ難い波長λ1 で且つ1方
向に偏光している信号光を入力し、他方の導波路には、
低パワーで容易にフォトリフラクティブ効果が起きる波
長λ2 で且つ信号光とは偏光が90°傾いている位相シ
フト光を入力する。信号光には、例えば波長1.3又は
1.55μmの近赤外光を用い、ニオブ酸リチウムの最
大の電気光学定数r33が有効に活用できるようにTE偏
光とする。他方、位相シフト光には、例えば波長0.4
88又は0.633μmの可視光を用い、且つ金属装荷
型偏光子で光吸収が起こるようにTM偏光とする。
【0027】中央の電極を接地し、両側の電極間に駆動
回路72を接続する。この駆動回路も、直流バイアス電
圧を必要としない交番電圧信号のみを発生する単一の駆
動回路でよい。
【0028】位相シフト光により位相シフト部66で信
号光の位相を変化させて、両分岐導波路での信号光に所
望の位相差を発生させる。これによって図2の光変調特
性曲線に示すのと同様、動作点を直流バイアス電圧を必
要としない状態の最適動作点にシフトさせる。そして駆
動回路72により交番駆動電圧を印加することで、発生
する電位差に基づいて信号光の強度が制御される。なお
位相シフト光は金属装荷型偏光子68で吸収されるた
め、光強度変調された信号光のみが出力することとな
る。
【0029】上記の実施例では金属装荷型偏光子を使用
しているが、他の偏光子の使用も可能である。この分野
で用いられる偏光子としては、プロトン交換導波路があ
る。これはTEあるいはTMモード光のいずれか一方に
のみ導波路として機能するものである。但し、Ti熱拡
散導波路との接続の問題や、作製プロセスの複雑化が伴
うため、電極作製プロセスにおいて同時に形成が可能な
金属装荷型偏光子の方が好ましい。
【0030】
【発明の効果】本発明は上記のように導波路型光デバイ
スの一方の分岐導波路の一部にフォトリフラクティブ効
果を利用した位相シフト部を設け、入射光強度の調整に
より導波光の位相を変化させ光変調特性曲線を所望の量
だけシフトさせる構成としたので、直流バイアス電圧を
必要とせず、交番駆動電圧を発生する単一の電源で駆動
でき、そのためDCドリフトと言う不安定現象が生じる
のを防止でき、信頼性の高い導波路型光変調器を得るこ
とができる。また必要な外部回路構成も簡素化できる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る導波路型光変調器の一実施例を示
す説明図。
【図2】その動作説明図。
【図3】本発明を利用した光変調装置の実施例を示す説
明図。
【図4】本発明に係る導波路型光変調器の他の実施例を
示す説明図。
【図5】その部分断面図。
【図6】従来の導波路型光変調器の一例を示す説明図。
【図7】そのA−A′断面図。
【図8】その動作説明図。
【符号の説明】
30 導波路基板 32 分岐部 34 導波路 34a,34b 分岐導波路 36a,36b 電極 37 位相シフト部 40 駆動回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気光学効果を有する結晶からなる導波
    路基板に閉ループ状の分岐部を有する導波路を形成する
    とともに、前記分岐部の両分岐導波路の近傍に電極を形
    成した導波路型光デバイスと、その電極間に交番駆動電
    圧を印加する駆動回路を具備し、該駆動回路により前記
    電極間に印加する電位差に基づいて出射光の強度を制御
    する導波路型光変調器において、 前記導波路型光デバイスの一方の分岐導波路の一部にフ
    ォトリフラクティブ効果を利用した位相シフト部を設
    け、入射光強度の調整により導波光の位相を変化させる
    ことで単一の駆動回路による直流バイアス電圧成分を持
    たない交番駆動電圧の印加のみで光強度変調させること
    を特徴とする導波路型光変調器。
  2. 【請求項2】 導波路型光デバイスは、導波路基板がZ
    カットのニオブ酸リチウム結晶からなり、導波路は金属
    チタンをパターニングし熱拡散処理することにより形成
    されていて、電極は分岐導波路上にバッファ層を介して
    設けられ、位相シフト部は導波路基板であるニオブ酸リ
    チウムにFe2+をドープすることによって形成されてい
    る請求項1記載の導波路型光変調器。
  3. 【請求項3】 電気光学効果を有する結晶からなる導波
    路基板に閉ループ状の分岐部を有する導波路を形成する
    とともに、前記分岐部の両分岐導波路の近傍に電極を形
    成した導波路型光デバイスと、その電極間に交番駆動電
    圧を印加する駆動回路を具備し、該駆動回路により前記
    電極間に印加する電位差に基づいて出射光の強度を制御
    する導波路型光変調器において、 前記導波路型光デバイスは、同一導波路基板上に、2入
    力導波路と閉ループ状の分岐部を有する導波路と出力導
    波路が直列に接続されるように設けると共に、閉ループ
    状の分岐部を有する導波路の一方の分岐導波路の一部に
    フォトリフラクティブ効果を利用した位相シフト部を設
    け、前記出力導波路に位相シフト光の透過を阻止する偏
    光子を設けた構造をなし、フォトリフラクティブ効果が
    生じ難い波長λ1 で且つ1方向に偏光している信号光を
    一方の入力導波路から入力すると共に、容易にフォトリ
    フラクティブ効果が起きる波長λ2 で且つ信号光とは偏
    光が90°傾いている位相シフト光を他方の入力導波路
    から入力し、前記位相シフト部で位相シフト光により信
    号光の位相を変化させて単一の駆動回路による直流バイ
    アス電圧成分を持たない交番駆動電圧の印加のみで信号
    光を光強度変調し出力させることを特徴とする導波路型
    光変調器。
  4. 【請求項4】 導波路型光デバイスは、導波路基板がX
    カット又はYカットのニオブ酸リチウムの結晶からな
    り、導波路は金属チタンをパターニングし熱拡散処理す
    ることにより形成されていて、電極は分岐導波路を挾む
    ように配置されていて、位相シフト部は導波路基板であ
    るニオブ酸リチウムにFe2+をドープすることによって
    形成され、偏光子が金属装荷型偏光子である請求項3記
    載の導波路型光変調器。
JP34602495A 1995-12-11 1995-12-11 導波路型光変調器 Pending JPH09159979A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006309199A (ja) * 2005-03-31 2006-11-09 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 光変調器
KR100668080B1 (ko) * 2005-08-23 2007-01-11 한양대학교 산학협력단 광굴절 물질을 이용한 공간 광 변조 장치 및 방법

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