JPH09159144A - 重質油エマルジョン燃料燃焼ボイラ - Google Patents

重質油エマルジョン燃料燃焼ボイラ

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JPH09159144A
JPH09159144A JP7324354A JP32435495A JPH09159144A JP H09159144 A JPH09159144 A JP H09159144A JP 7324354 A JP7324354 A JP 7324354A JP 32435495 A JP32435495 A JP 32435495A JP H09159144 A JPH09159144 A JP H09159144A
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JP
Japan
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heavy oil
oil emulsion
emulsion fuel
boiler
water
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JP7324354A
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English (en)
Inventor
Toshimitsu Ichinose
利光 一ノ瀬
Kimiyo Tokuda
君代 徳田
Akio Kai
昭夫 開
Shozo Kaneko
祥三 金子
Yuichi Hino
裕一 日野
Hiroshi Ogata
寛 緒方
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重質油エマルジョン燃料を用いるボイラにお
いて燃料中の水分によるボイラ効率の低下を防ぐと共に
ボイラ排ガス中に含まれる水分による酸露点の上昇を防
いだ重質油エマルジョン燃料焚きボイラを提供する。 【解決手段】 重質油エマルジョン燃料102はヒート
パイプを使用した加熱器110で加熱されたのち水分蒸
発器120で重質油の油分122と水蒸気及び軽質油可
燃ガスから成る蒸気121に分離され、重質油分122
はボイラ10のバーナ口へ供給される。蒸発した蒸気1
21は凝縮器140で凝縮され水分及び軽質油分の混じ
った液体141となる。液体141は油水分離器150
で油分151と水分152に分離され、油分151はボ
イラ10の点火トーチ用等の燃料に使われ、水分152
は一部を脱硫装置40の冷却水41に、また一部はアト
マイズ用蒸気9やボイラ内スートブロー用蒸気8等に使
用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、事業用、産業用の
重質油エマルジョン燃料燃焼ボイラに関する。
【0002】
【従来の技術】図10に従来の重質油エマルジョン燃料
燃焼ボイラの構成を示す。図10に示したボイラにおい
て、重質油エマルジョン燃料101は、燃料タンク10
0からボイラ10のバーナに直接供給される。バーナに
は重質油エマルジョン燃料101の噴霧用蒸気9が同時
に供給され、燃焼し易い粒径まで重質油エマルジョン燃
料101を霧化する。
【0003】この後、燃料101はボイラ10内で燃焼
される。一方、ボイラ10内の伝熱管等に付着する灰分
等を吹き飛ばす為に、別の水蒸気8がボイラ10内に供
給される。ボイラ10で燃焼後の排ガス11は、脱硝装
置20、脱塵装置30及び湿式脱硫装置40を経て、煙
突50から大気へ放出される。
【0004】従来の技術は、このように常温で重質油エ
マルジョン燃料101をボイラ10まで供給できるが、
重質油エマルジョン燃料101中には、約20〜30%
の水分が含まれる為、これがボイラ10内で蒸発する為
の熱が必要で、ボイラ効率が低下する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来の重質油
エマルジョン燃料燃焼ボイラでは、燃料中に含まれる多
量の水分によりボイラ効率が低下し、更に、ボイラ排ガ
ス中に多量の水分が含まれることとなるためにその水分
により酸露点の上昇が生じ、後流機器に腐食が生じたり
煤塵が付着するという問題があった。
【0006】本発明は、重質油エマルジョン燃料を用い
るボイラにおいて燃料中の水分によるボイラ効率の低下
を防ぐと共にボイラ排ガス中に含まれる水分による酸露
点の上昇を防いだ重質油エマルジョン燃料焚きボイラを
提供することを課題としている。
【0007】また、本発明は、重質油の欠点である燃焼
性の悪さを、燃焼時に油滴の微細化によって解消可能と
した重質油エマルジョン燃料焚きボイラを提供すること
を課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、重質油エマル
ジョン燃料燃焼ボイラにおける前記課題を解決するた
め、重質油エマルジョン燃料を加熱して脱水し、脱水後
の燃料をボイラの燃料とする。一方、脱水した水分の少
なくとも一部はボイラの水分利用系へ送給し、従来は他
から供給していた水分の代替として利用する。
【0009】重質油エマルジョン燃料を脱水のために加
熱するのにはボイラ排ガスを熱源として利用することが
できる。この場合、ボイラ排ガス取り出し部の上流側お
よびボイラ排ガス戻し部の下流側にそれぞれエコノマイ
ザを設けるのが好ましい。
【0010】ボイラ排ガスによって重質油エマルジョン
燃料を加熱するのには、水等を熱媒体としたヒートパイ
プ方式によって熱交換させることによって重質油エマル
ジョン燃料を加熱させるようにすると防火上安全で好ま
しい。
【0011】また、本発明において重質油エマルジョン
燃料から脱水した水分を送給するボイラの水分利用系と
しては、バーナアトマイズ用蒸気系、スートブロー用蒸
気系、または脱硫装置冷却水系などとすることができ
る。
【0012】更に、本発明による重質油エマルジョン燃
料燃焼ボイラにおいて、重質油エマルジョン燃料を脱水
のため加熱して発生した水蒸気と軽質分可燃ガスは、冷
却して凝縮させることによって水分と油分を分離して取
り出すようにしてよい。
【0013】この場合、重質油エマルジョン燃料を加熱
した際発生する水蒸気および軽質分可燃ガスを加熱前の
重質油エマルジョン燃料と熱交換させて冷却することに
より、重質油エマルジョン燃料を脱水のために加熱した
熱を回収するのが好ましい。
【0014】なお、重質油中の水分を1%以下にするた
め、加熱器のフラッシャー等の重質油エマルジョンを加
熱して脱水する手段を2基以上設けるのが好ましい。
【0015】ところで、重質油は粘稠の為、C重油(霧
化温度95℃)並の霧化特性を得ようとするとビチュー
メンで190℃、アスファルトで230℃まで昇温の必
要がある(図8参照)。また、重質油は元来残留炭素分
が多く、燃焼性が悪い油である。
【0016】そこで、重質油エマルジョンを脱水して回
収された重質油燃料の燃焼性を改善する為に、微少水滴
の沸とう微粒化現象を利用し、ボイラ内に霧化された油
滴(約100μm)を更に微粒化することで、油滴の表
面積を増加させ、燃え切りを良くすることが望まれる。
【0017】従って、本発明においては、重質油エマル
ジョンより脱水するに際して、必要な水分量を残すのが
好ましい。その量は0.5〜10wt%、好ましくは1〜
5wt%である。
【0018】更にまた、燃料中の水滴が大きい場合は、
高剪断型タービンミキサー、コロイドミル、ホモジナイ
ザー等の高剪断型攪拌機や、オリフィスやバルブをライ
ンに設けて高剪断をかける構成にする。これによって燃
料中の水滴の粒径は100μm以下、好ましくは50μ
m以下で、かつ、油中水滴型エマルジョンとなる。
【0019】更に、微粒化を促進し、水滴を安定化させ
る必要があるときは、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル(HLB1〜20)に代表される界面活性剤
を少量添加する。界面活性剤については、低コストで、
エマルジョン化を促進する物質であれば、単独又は混合
しても使用出来る。
【0020】脱水された重質油を霧化条件の高温にさら
すと、含まれる水分は蒸発される為に、飽和蒸気圧以上
(ビチューメンでは20kg/cm2、アスファルトでは25
kg/cm2)に加圧する必要がある。そこで、水分の調整お
よび微粒化は、燃料供給ラインで実施することが最善で
ある(図9参照)。
【0021】燃料タンク中の脱水された重質油に含まれ
る水分が足りない場合は、重質油エマルジョンからの分
離水などの補給水を添加する構成としてよい。脱水され
た重質油中の水分が不均一に分布する場合も、前記高剪
断攪拌機又はラインブレンダにより均一化出来る。
【0022】以上のように、本発明による重質油エマル
ジョン燃料燃焼ボイラでは、重質油エマルジョン燃料中
の水分を脱水し、脱水後の燃料のみをボイラ用の燃料と
することにより、ボイラへの多量水分投入によるボイラ
効率低下を防止できる。また、脱水した水分も他から供
給必要な水分の代替として利用するのでボイラ全体とし
ての効率が向上することとなる。
【0023】また、従来の重質油エマルジョン燃料燃焼
ボイラでは、多量の水分投入により出口排ガスの酸露点
が高く、ボイラ後流機器、配管内での結露による材料腐
食或は煤塵の付着、堆積、ひどい場合は閉塞というトラ
ブルを発生していたが、本発明の重質油エマルジョン燃
料燃焼ボイラでは、前記した手段でボイラへの水分投入
量が減少するので、これらトラブルが解決できる。
【0024】更にまた、本発明による重質油エマルジョ
ン燃料燃焼ボイラでは、低沸点成分(水及び一部の軽質
油)が分離された重質油がボイラのバーナへ供給される
ので、重質油の霧化温度条件(200℃前後)でのベー
パーロックが解消され、ボイラでの重質油の安定燃焼が
維持される。
【0025】以上のように本発明による重質油エマルジ
ョン燃料燃焼ボイラでは重質油エマルジョン燃料を燃料
と水分に分けて利用するのであるが、重質油エマルジョ
ン燃料は、常温で高粘性流体或いは固体の重質油の輸送
性とハンドリング性とを改善の為に、重質油発生元で水
分(例えば30%)と混ぜてエマルジョン化し、常温で
流体として取扱えるようにするものであって、これをボ
イラ用燃料にそのまま使用する必要はなく、本発明のボ
イラのように、再度脱水して使用できるようにすれば、
ボイラ効率上有利な使用機器となる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明による重質油エマル
ジョン燃料燃焼ボイラについて図1〜図7に示した実施
の形態に基づいて具体的に説明する。なお、以下の実施
の形態において、図10に示した従来の装置と同じ構成
の部分には説明を簡単にするため同じ符号を付してあ
る。
【0027】(実施の第1形態)まず、図1に示した本
発明の実施の第1形態について説明する。図1に示した
重質油エマルジョン燃料燃焼ボイラでは、図5に示した
ボイラと同様、ボイラ本体10と排ガス処理系の脱硝装
置20、脱塵装置30、湿式脱硫装置40及び煙突50
等から構成される重質油エマルジョン燃料焚きボイラに
おける燃料供給系に対し、重質油エマルジョン燃料中水
分の脱水システムが配備されている。なお、13はエコ
ノマイザを示している。
【0028】図1に示した燃焼ボイラにおける脱水シス
テムは、重質油エマルジョン燃料タンク100、重質油
エマルジョン燃料加熱器110、燃料中の水分蒸発器1
20、脱水後の燃料貯蔵タンク130及び脱水蒸気の凝
縮器140、油水分離器150、水分の再加熱器160
等から構成されている。
【0029】重質油エマルジョン燃料製造元から送られ
てきた燃料は燃料タンク100に貯蔵される。このタン
ク100から図示していないポンプを介して送られる重
質油エマルジョン燃料101は、後述する凝縮器140
で蒸気121の潜熱を吸収し温度上昇する。
【0030】凝縮器140を出た重質油エマルジョン燃
料102は、さらに、加熱器110で重質油エマルジョ
ン燃料102中の水分が蒸発可能な温度まで加熱され、
水分蒸発器120に供給される。加熱器110の加熱源
にはボイラ排ガス11の一部ガス12の顕熱を利用す
る。
【0031】ボイラ排ガス11の一部ガス12は、エコ
ノマイザ13出口近傍個所から取り出される例えば約4
00℃の燃焼排ガスであり、加熱器110を出た排ガス
は再びエコノマイザ13或いはエコノマイザ13とエコ
ノマイザ13の間の排ガス系へ戻される。
【0032】加熱器110の具体的な構成を図4に示し
てある。図4において、301は熱媒体として水等30
1aを利用したヒートパイプである。302は燃料容器
で、凝縮器140を出た重質油エマルジョン燃料102
が導かれ、内部に配設されたヒートパイプ301によっ
て加熱され高温の重質油エマルジョン燃料111となり
水分蒸発器120へと供給される。
【0033】303は排ガス容器で、エコノマイザ13
の出口近傍個所のガス温度400℃の燃焼ガス12が導
かれ内部に配設されているヒートパイプ301に熱を与
えヒートパイプ301中の熱媒体を加熱する。排ガス容
器303を出た燃焼排ガスは再びエコノマイザ13或い
はエコノマイザ13とエコノマイザ13との間の排ガス
系へ戻される。このようにヒートパイプを使用した加熱
器110により重質油エマルジョン燃料を加熱すると防
火上安全で好ましい。
【0034】水分蒸発器120に供給されて高温になっ
た燃料111は、重質油の油分122と水蒸気及び軽質
油可燃ガスから成る蒸気121に分離し、重質油分12
2は一旦燃料貯蔵タンク130に貯留後、ボイラ燃料1
31としてボイラ10のバーナ口へ供給される。
【0035】ボイラ10のバーナ口へ供給されるこの重
質油分122は低沸点成分(水及び一部の軽質油)が分
離された重質油なので、重質油の霧化温度条件(200
℃前後)でのベーパーロックが解消され、ボイラでの重
質油の安定燃焼が維持される。
【0036】なお、重質油分122は水蒸気及び軽質油
可燃ガスから成る蒸気121が蒸発した時点で常温では
流動性がなくなる為、燃料貯蔵タンク130及びバーナ
口までの配管等は加熱し、流動性を保持する必要があ
る。
【0037】蒸発した蒸気121は、それの持つ潜熱を
回収する為、凝縮器140に入れられ、ここで、常温の
重質油エマルジョン燃料101に熱を伝え、蒸気121
は凝縮後、水分及び軽質油分の混入した液体141とな
る。
【0038】この水分及び油分を各々同システム内で有
効に利用する為、油水分離器150で油分151と水分
152に分離し、油分151はボイラの点火トーチ用等
の燃料に、水分152は一部を脱硫装置40の冷却水4
1に、一部は再度加熱器160で加熱してボイラバーナ
のアトマイズ用蒸気9、或はボイラ内スートブロー用蒸
気8等に使用される。
【0039】アトマイズ用蒸気9及びスートブロー用蒸
気8は、ボイラ10には不可欠なものであり、本発明に
よって燃料中水分を利用しなければ他から供給必要であ
るものが、燃料中の水分でこれを補うことが出来るの
で、ボイラ10に供給する水分が大幅に減少でき、ボイ
ラ10の効率向上と後流機器の信頼性の向上を達成する
ことができる。
【0040】(実施の第2形態)次に、図2に示した本
発明の実施の第2形態について説明する。この実施形態
においては、燃料貯蔵タンク130からボイラ燃料13
1としてボイラ10へ供給される燃料供給系に高剪断型
タービンミキサー180を設けてある。その他の構成は
図1の構成と実質同じである。
【0041】このように、高剪断型タービンミキサー1
80を追設することにより、重質油中水分の微粒化を促
進させた燃料がボイラ10へ供給される。このことによ
り、ボイラ10内で燃料を噴霧後、更にその微細な水分
の破裂による燃料の微粒化が生じ、重質油は一層微粒化
される。これによって重質油の燃焼性が改善される。
【0042】(実施の第3形態)次に図3に示す本発明
の実施の第3形態について説明する。この実施形態で
は、燃料貯蔵タンク130からボイラ10へ供給される
燃料供給系において、高剪断型タービンミキサー180
の前にラインブレンダ190を配設し、その上流に分離
された水分152と添加剤200の少くともいづれか一
方を注入する構成としているその他の構成は図2と実質
同じである。
【0043】このような構成とすると、水分152、添
加剤200の少くともいづれか一方を添加し、それをラ
インブレンダ190の作用で燃料131へ予混合するこ
とによって油中水滴型エマルジョンを形成させると共
に、水滴の微粒化を促進させる。このことにより、ボイ
ラ10内での沸騰微粒化を一層促進させる。
【0044】(実施の第4形態)次に、図4に示す本発
明の実施の第4形態について説明する。この実施の第4
形態においては、図10に示したボイラと同様、ボイラ
本体10と排ガス処理系の脱硝装置20、脱塵装置3
0、湿式脱硫装置40及び煙突50等から構成される重
質油エマルジョン燃料焚きボイラにおける燃料供給系に
対し、重質油エマルジョン燃料中水分の脱水システムが
配備されている。
【0045】すなわち、図4に示した燃焼ボイラにおけ
る脱水システムは、重質油エマルジョン燃料タンク10
0、重質油エマルジョン燃料加熱器110、フラッシャ
ー170、170’脱水後の燃料貯蔵タンク130及び
脱水蒸気の凝縮器140、油水分離器150、水分の再
加熱器160等から構成されている。
【0046】重質油エマルジョン燃料製造元から送られ
てきた燃料は燃料タンク100に貯蔵される。このタン
ク100から図示していないポンプを介して送られる重
質油エマルジョン燃料101は、後述する凝縮器140
で蒸気121の潜熱を吸収し温度上昇する。
【0047】凝縮器140を出た重質油エマルジョン燃
料102は、さらに、加熱器110で重質油エマルジョ
ン燃料102中の水分が蒸発可能な温度まで加熱され、
フラッシャー170’,170に供給される。加熱器1
10とフラッシャーは、重質油分122中の水分を1%
以下にするために多段にする必要がある。図4には2段
のフラッシャー170及び170’を示してある。加熱
器110の加熱源にはボイラ排ガス11の一部ガス12
の顕熱を利用する。
【0048】フラッシャー170’,170に供給され
た高温の燃料111’,111は、重質油分122’,
122と水蒸気及び軽質油可燃ガスから成る蒸気121
に分離し、重質油分122は一旦燃料貯蔵タンク130
に貯留後、ボイラ燃料131としてボイラ10のバーナ
口へ供給される。
【0049】なお、重質油分122は常温では流動性が
なくなる為、燃料貯蔵タンク130及びバーナ口までの
配管等は加熱し、流動性を保持する必要がある。
【0050】前段のフラッシャー170’からの蒸発蒸
気9は、加熱器110により再加熱され、圧力を噴霧圧
力以上に調整されて、バーナ口に供給される。後段のフ
ラッシャー170から蒸発した蒸気121は、それの持
つ潜熱を回収する為、凝縮器140に入り、ここで、常
温の重質油エマルジョン燃料101に熱を伝え、蒸気1
21は凝縮後、水分及び軽質油分の混入した液体141
となる。
【0051】この水分及び軽質油分を各々同システム内
で有効に利用する為、油水分離器150で油分151と
水分152に分離し、油分151はボイラの点火トーチ
用等の燃料に、水分152は一部は脱硫装置40の冷却
水41に、一部は再度加熱器160で加熱してボイラ内
スートブロー用蒸気8等に使用される。
【0052】スートブロー用蒸気8は、ボイラ10には
不可欠なものであり、本発明の燃料中水分を利用しなけ
れば他から供給必要であるものが、燃料中の水分でこれ
を補うことが出来るので、ボイラ10に供給する水分が
大幅に減少でき、ボイラ10の効率向上と後流機器の信
頼性向上が達成できる。
【0053】(実施の第5形態)次に、図5に示す本発
明の実施の第5形態について説明する。本実施形態にお
いては、実施の第4形態と同様、加熱器110とフラッ
シャー170,170’を2段設けてある。本実施形態
においては、後段のフラッシャー170からの蒸発蒸気
をそのまゝバーナ口へ噴霧用蒸気9として供給し、前段
のフラッシャー170’からの蒸発蒸気121は、それ
の持つ潜熱を回収する為、凝縮器140に入れている。
【0054】(実施の第6形態)次に、図6に示した本
発明の実施の第6形態について説明する。図6に示した
ボイラにおいても、ボイラ本体10と排ガス処理系の脱
硝装置20、脱塵装置30、湿式脱硫装置40及び煙突
50等から構成される重質油エマルジョン燃料焚きボイ
ラにおける燃料供給系に対し、重質油エマルジョン燃料
中水分の脱水システムが配備されている。
【0055】この実施形態における脱水システムは、重
質油エマルジョン燃料タンク100、重質油エマルジョ
ン燃料循環ボイラ110’、フラッシャー170、脱水
後燃料貯蔵タンク130及び脱水蒸気の凝縮器140、
油水分離器150、水分の再加熱器160等から構成さ
れている。
【0056】重質油エマルジョン燃料製造元から送られ
てきた燃料は燃料タンク100に貯蔵される。このタン
ク100から図示していないポンプを介して送られる重
質油エマルジョン燃料101は、後述する凝縮器140
で蒸気121の潜熱を吸収し温度上昇する。さらに、循
環ボイラ110’で加熱され重質油エマルジョン燃料1
02中水分と一部の軽質油が蒸発され、フラッシャー1
70に供給される。
【0057】循環ボイラ110’の加熱源にはボイラ排
ガス11の一部ガス12の顕熱を利用する。フラッシャ
ー170に供給された高温の燃料111は、重質油中に
残存する水及び軽質油可燃ガスから成る蒸気121が分
離され、重質油分122は一旦燃料貯蔵タンク130に
貯留後、ボイラ燃料131としてボイラ10のバーナ口
へ供給される。
【0058】なお、重質油分122は常温では流動性が
なくなる為、燃料貯蔵タンク130及びバーナ口までの
配管等は加熱し、流動性を保持する必要がある。循環ボ
イラ110’からの蒸発蒸気9はバーナ口にアトマイズ
蒸気として供給する。
【0059】フラッシャー170で蒸発した蒸気121
は、それの持つ潜熱を回収する為、凝縮器140に入
り、ここで、常温の重質油エマルジョン燃料101に熱
を伝え、蒸気121は凝縮後、水分及び軽質油分の混入
した液体141となる。
【0060】この水分及び軽質油分を各々同システム内
で有効に利用する為、油水分離器150で油分151と
水分152に分離し、油分151はボイラの点火トーチ
用等の燃料に、水分152は一部を脱硫装置40の冷却
水41に、一部は再度加熱器160で加熱してボイラ内
スートブロー用蒸気8等に使用される。
【0061】スートブロー用蒸気8は、ボイラには不可
欠なものであり、本発明の燃料中水分を利用しなければ
他から供給必要であるものが、燃料中の水分でこれを補
うことが出来るので、ボイラ10に供給する水分が大幅
に減少でき、ボイラ10の効率向上と後流機器の信頼性
向上が達成できる。
【0062】以上、本発明を図示した実施形態に基づい
て具体的に説明したが、本発明がこれらの実施形態に限
定されず特許請求の範囲に示す本発明の範囲内で、その
構成に種々の変更を加えてよいことはいうまでもない。
【0063】例えば、上記実施の第1形態では重質油エ
マルジョン燃料を加熱器110で加熱して蒸発した蒸気
121の全量を凝縮器140で凝縮させる構成としてい
るが、重質油エマルジョン燃料を加熱して蒸発した水蒸
気及び軽質分可燃ガスを全量凝縮せず、蒸気の一部はボ
イラバーナのアトマイズ用に使い、脱硫装置の冷却水用
には凝縮させ完全に油と分離した水分のみ利用する等、
利用用途に応じて蒸気を使い分けるように構成してもよ
い。また、加熱器110はヒートパイプを使用したもの
以外、他の適宜の形式の加熱器を採用してよい。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による重質
油エマルジョン燃料燃焼ボイラでは、燃料の重質油エマ
ルジョン燃料を加熱して脱水したのちボイラへ送給する
とともに、前記したように脱水した水分の少なくとも一
部をボイラの水分利用系へ送給するように構成してお
り、この構成によれば、重質油エマルジョン燃料焚きボ
イラに送給する水分が大幅に減少でき、ボイラの効率向
上と後流機器の酸露点上昇に伴なう煤塵付着、堆積、閉
塞等のトラブルが解消でき信頼性向上が達成できる。
【0065】また、本発明により、重質油燃料中に微粒
化した水滴が含まれる状態にしてボイラに供給するよう
に構成したものではボイラにおける重質油の燃焼性が大
幅に改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態による重質油エマルジ
ョン燃料燃焼装置の系統図。
【図2】本発明の実施の第2形態による重質油エマルジ
ョン燃料燃焼装置の系統図。
【図3】本発明の実施の第3形態による重質油エマルジ
ョン燃料燃焼装置の系統図。
【図4】本発明の実施の第4形態による重質油エマルジ
ョン燃料燃焼装置の系統図。
【図5】本発明の実施の第5形態による重質油エマルジ
ョン燃料燃焼装置の系統図。
【図6】本発明の実施の第6形態による重質油エマルジ
ョン燃料燃焼装置の系統図。
【図7】図1における重質油エマルジョン燃料加熱器の
構成を示す説明図。
【図8】重質油の粘度と温度の関係を示すグラフ。
【図9】水の飽和蒸気圧を示すグラフ。
【図10】従来の重質油エマルジョン燃料燃焼ボイラの
系統図。
【符号の説明】
8 水蒸気 9 噴霧用蒸気 10 ボイラ本体 13 エコノマイザ 20 脱硝装置 30 脱塵装置 40 湿式脱硫装置 50 煙突 100 燃料タンク 101 重質油エマルジョン燃料 110 重質油エマルジョン燃料加熱器 110’ 循環ボイラ 120 水分蒸発器 121 水蒸気及び軽質油可燃ガスから成
る蒸気 122 重質油分 130 燃料貯蔵タンク 140 凝縮器 150 油水分離器 151 油分 152 水分 160 水分の再加熱器 170,170’ フラッシャー 180 高剪断型タービンミキサー 190 ラインブレンダ 200 添加剤 301 ヒートパイプ 301a 熱媒体 302 燃料容器 303 排ガス容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 祥三 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 (72)発明者 日野 裕一 長崎市深堀町5丁目717番1号 三菱重工 業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 緒方 寛 長崎市深堀町5丁目717番1号 三菱重工 業株式会社長崎研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重質油エマルジョン燃料を加熱して脱水
    したのちボイラへ送給するとともに、前記脱水した水分
    の少なくとも一部をボイラの水分利用系へ送給するよう
    に構成したことを特徴とする重質油エマルジョン燃料燃
    焼ボイラ。
  2. 【請求項2】 前記重質油エマルジョン燃料の加熱をボ
    イラ排ガスで行うことを特徴とする請求項1に記載の重
    質油エマルジョン燃料燃焼ボイラ。
  3. 【請求項3】 前記ボイラ排ガスによる前記重質油エマ
    ルジョン燃料の加熱をヒートパイプまたは循環ボイラを
    使用して行うことを特徴とする請求項2記載の重質油エ
    マルジョン燃料燃焼ボイラ。
  4. 【請求項4】 前記水分利用系が、バーナアトマイズ用
    蒸気系、スートブロー用蒸気系、または脱硫装置冷却水
    系であることを特徴とする請求項1に記載の重質油エマ
    ルジョン燃料燃焼ボイラ。
  5. 【請求項5】 重質油エマルジョン燃料を加熱した際発
    生する水蒸気および軽質分可燃ガスを冷却して凝縮さ
    せ、水分と油分とを分離して取り出すことを特徴とする
    重質油エマルジョン燃料燃焼ボイラ。
  6. 【請求項6】 重質油エマルジョン燃料を加熱した際発
    生する水蒸気および軽質分可燃ガスを加熱前の重質油エ
    マルジョン燃料と熱交換させて冷却することを特徴とす
    る請求項5に記載の重質油エマルジョン燃料燃焼ボイ
    ラ。
  7. 【請求項7】 前記重質油エマルジョン燃料を加熱して
    脱水する手段を少なくとも2基設けたことを特徴とする
    請求項1に記載の重質油エマルジョン燃料燃焼ボイラ。
  8. 【請求項8】 ボイラ排ガス取り出し部の上流側および
    ボイラ排ガス戻し部の下流側にエコノマイザを設けたこ
    とを特徴とする請求項2に記載の重質油エマルジョン燃
    料燃焼ボイラ。
  9. 【請求項9】 重質油エマルジョン燃料中の水分が0.
    5〜10%となるまで脱水したのち、高剪断微粒化手段
    により水滴を微粒化することを特徴とする請求項1に記
    載の重質油エマルジョン燃料燃焼ボイラ。
  10. 【請求項10】 重質油エマルジョン燃料に界面活性剤
    を添加することを特徴とする請求項9に記載の重質油エ
    マルジョン燃料燃焼ボイラ。
  11. 【請求項11】 重質油エマルジョン燃料系統に水分補
    給ラインを接続したことを特徴とする請求項9に記載の
    重質油エマルジョン燃料燃焼ボイラ。
  12. 【請求項12】 前記高剪断微粒化手段を燃料タンク循
    環ラインまたは燃料供給系統に設置したことを特徴とす
    る請求項9に記載の重質油エマルジョン燃料燃焼ボイ
    ラ。
JP7324354A 1995-08-25 1995-12-13 重質油エマルジョン燃料燃焼ボイラ Pending JPH09159144A (ja)

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CA002182066A CA2182066C (en) 1995-08-25 1996-07-25 Heavy oil emulsified fuel combustion equipment
DK96112121T DK0760451T3 (da) 1995-08-25 1996-07-26 Anordning til forbrænding af emulgeret svær brændselsolie
EP96112121A EP0760451B1 (en) 1995-08-25 1996-07-26 Heavy oil emulsified fuel combustion equipment
ES96112121T ES2184821T3 (es) 1995-08-25 1996-07-26 Equipo de combustion de combustible de aceite pesado emulsificado.
DE69624189T DE69624189T2 (de) 1995-08-25 1996-07-26 Anlage zur Verbrennung von emulgiertem Schweröl
US08/690,104 US5816790A (en) 1995-08-25 1996-07-31 Heavy oil emulsified fuel combustion equipment
MXPA/A/1996/003494A MXPA96003494A (en) 1995-08-25 1996-08-19 Equipment for the combustion of musified pes oil fuel
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10205741A (ja) * 1997-01-27 1998-08-04 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 重質油エマルジョン燃料燃焼装置
JPH10281445A (ja) * 1997-04-09 1998-10-23 Mitsubishi Heavy Ind Ltd エマルジョン燃料蒸発器系統

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