JPH09158209A - コンクリート深礎杭の構築方法 - Google Patents

コンクリート深礎杭の構築方法

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JPH09158209A
JPH09158209A JP34722495A JP34722495A JPH09158209A JP H09158209 A JPH09158209 A JP H09158209A JP 34722495 A JP34722495 A JP 34722495A JP 34722495 A JP34722495 A JP 34722495A JP H09158209 A JPH09158209 A JP H09158209A
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JP
Japan
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well frame
concrete
deep foundation
foundation pile
well
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JP34722495A
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English (en)
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Haruki Nakamoto
春起 中本
Takeshi Nakamoto
武士 中本
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NAKAMOTO KISO KK
Original Assignee
NAKAMOTO KISO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造原価を安価とすることができると共に、
工期を短縮化することができる、作業性に優れたコンク
リート深礎杭の構築方法を提供する。 【解決手段】 地表面Gに所定深さで掘削された丸い縦
穴11aの内壁に、複数の長尺板材12aを縦に張り詰
めた後、縦に張り詰められた複数の長尺板材12aの内
周面に、少なくとも1以上のリング部材13aを、その
周方向に当接させて固定し、ほぼ筒状の第1の井枠14
aからなる土留壁15aを形成する第1の井枠形成工程
と、第1の井枠形成工程で形成された土留壁15a内に
配筋する配筋工程と、配筋工程で配筋された土留壁15
a内にコンクリート17を打設するコンクリート打設工
程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビルディング等の
建築物の基礎壁として利用されるコンクリート深礎杭の
構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ビルディング等の建築物の基礎壁
(又は地中壁という)として、該建築物の重量を岩盤等
に分散させるための、コンクリート製の基礎壁(以下コ
ンクリート深礎杭という)が広範に知られている。
【0003】ここで、添付した図面を参照しつつ、従来
の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法につ
いて説明する。なお、図25(a)は従来の実施の形態
に係るコンクリート深礎杭の構築方法の土留壁形成工程
の説明図、図25(b)は同方法の土留壁形成工程の説
明図、図25(c)は同方法の土留壁形成工程の説明
図、図25(d)は同方法の配筋工程及びコンクリート
打設工程の説明図、図25(e)は同方法のコンクリー
ト打設工程の説明図、図26は同方法で組み立てられる
土留壁の要部側断面図、図27は同方法で組み立てられ
る土留壁の平面図である。
【0004】まず、従来の実施の形態に係るコンクリー
ト深礎杭の構築方法で組み立てられる土留壁75につい
て説明する。この土留壁75は、図25(c)に示すよ
うに、地表面Gから岩盤Rまで掘削された連続縦穴71
の内壁に、連続的に固定された複数の井枠(以下第1〜
第15の井枠という)75a〜75qからなっている。
また、第1〜第15の井枠75a〜75qは、それぞ
れ、複数の波形鉄板72、及び、リング部材73からな
っている。
【0005】なお、波形鉄板72は、海鼠板とも称さ
れ、平面視して波形状で、かつ、所定の曲率半径
(R1 )を持って、屈曲形成されたものであり、その上
端部、及び、下端部には、所定のピッチで、複数のピン
孔72aが形成されている。また、リング部材73は、
複数の湾曲アングル73aの両端部同士を突き合わせる
と共に、ボルト・ナット等の締結具73bで連結したも
のである。
【0006】また、湾曲アングル73aは、側面視して
ほぼL字状の鉄製アングルを、所定の曲率半径(R2
で、屈曲形成したものであり、その垂直部分には、波形
鉄板72のピン孔72aと、同ピッチで、複数のピン孔
73cが形成されている。更に、ピン74は、側面視し
てほぼJ字状で(すなわち、基端部が約180°屈曲形
成され)、かつ、その先端部が尖っている。
【0007】続いて、従来の実施の形態に係るコンクリ
ート深礎杭の構築方法について説明する。まず、図25
(a)に示すように、地表面Gに、所定の深さ(約95
cm)、及び、所定の内径を有する、丸い縦穴71aを
掘削した後、この縦穴71a内に、複数の波形鉄板72
を立て込める。なお、複数の波形鉄板72は、隣合う波
形鉄板72の両端部同士を、所定長さ重ねて、立て込め
られる。
【0008】次に、縦穴71a内に立て込められた複数
の波形鉄板72の上端部に、リング部材73をあてる。
なお、リング部材73は、該リング部材73のピン孔7
3cを、波形鉄板72のピン孔72aに符号させるもの
とする。次に、ピン74を、リング部材73のピン孔7
3c、及び、波形鉄板72のピン孔72aを貫通させる
と共に、そのまま地中深く差し込む。これにより、第1
の井枠75aが形成される。
【0009】次に、図26に示すように、縦穴71aの
底部を、所定の深さ(約80cm)、及び、所定の内径
で、掘り下げて、縦穴71bを形成した後、前記と同様
にして、この縦穴71b内に、複数の波形鉄板72を、
立て込める。なお、複数の波形鉄板72は、該複数の波
形鉄板72の上端部を、第1の井枠75aの内周面の下
端部に、所定長さ(約15cm)重ねて、立て込められ
る。
【0010】次に、縦穴71b内に立て込められた複数
の波形鉄板72の上端部に、リング部材73を、あてた
後、前記と同様にして、ピン74を、リング部材73の
ピン孔73c、及び、各波形鉄板72のピン孔72aを
貫通させると共に、そのまま、地中深く差し込む。これ
により、第2の井枠75bを形成する。
【0011】以下、図25(b)、(c)に示すよう
に、前記と同様の動作を繰り返して、第2の井枠75b
の下端部から、岩盤Rまで、順次、第3の井枠75c、
第4の井枠75d〜第15の井枠75qを形成する。こ
れにより、第1〜第15の井枠75a〜75qからな
る、所定長さの土留壁75が形成される。なお、連続縦
穴71は、各縦穴71a〜71qで構成されるものをい
う。
【0012】次に、土留壁75内に、主筋76a、及
び、連結筋76bを配筋した後、コンクリート77を、
最下段の、第15の土留壁75qの半分程度の高さま
で、流し込む。次に、コンクリート77が乾燥する前
に、最下段の、第15の土留壁75qを解体した後、波
形鉄板72やリング部材73、ピン74等を、地表面G
に引き上げる。
【0013】以下、前記と同様な動作を繰り返して、連
続縦穴71内にコンクリート77を打設する。これによ
り、従来の実施の形態に係るコンクリート深礎杭70が
形成される。
【0014】なお、図25〜図27中、符号80は、連
続縦穴71を跨いで、地表面Gに組まれた矢倉、符号8
1は矢倉80に取付けられた滑車、符号82は一端にフ
ック82aが取付けられたワイヤロープ、符号83は、
矢倉80に設置されて、ワイヤロープ82を巻回等する
ウィンチ、符号84は、コンクリート77を流すための
流し台、符号85は、土留壁75内にコンクリート77
を流し込むためのシュートである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の実施の形態に係るコンクリート深礎杭70の構築方
法では、波形鉄板72の大きさが、縦幅約950mm、
横幅約750mmで、重量が2kg〜5kg程度あるた
めに、該波形鉄板72が重く、かつ、持ち難いため、該
波形鉄板72を、それぞれの縦穴71a〜71q内に降
ろす作業や、それぞれの縦穴71a〜71q内に立て込
める作業、さらに、コンクリートを打設する際に、波形
鉄板72を引き上げる作業等が困難で、作業性に劣ると
いう問題点を有していた。また、リング部材73も鉄製
であるため、その重量が重く、このため、前記と同様
に、作業性に劣るという問題点を有していた。
【0016】また、コンクリート深礎杭70を、地盤の
柔らかいところや、水気の多いところに構築する場合、
縦穴71a〜71q内に、立て込められた波形鉄板72
が、横方向等に倒れ易いために、波形鉄板72を立て込
めることが困難で、作業性に劣るという問題点を有して
いた。このため、波形鉄板72を、地盤により深く差し
込まねばならないので、前記と同様に、作業性に劣ると
いう問題点を有していた。また、地盤の柔らかいところ
や、水気の多いところでは、たとえ、ピン74を差し込
んでも、波形鉄板72やリング部材73の重みで、抜け
易くなるために、これら波形鉄板72やリング部材73
が落下し易いという問題点を有していた。
【0017】また、縦に長いコンクリート深礎杭70を
構築する場合、連続縦穴71の深さが深くなるために、
図25(b)に示すように、波形鉄板72をロープ82
bで括った後、該ロープ82bをフック82aに引っ掛
けて、連続縦穴71の底部まで、波形鉄板72を降ろし
ているが、波形鉄板72がバランスを崩し易いために、
落下する危険性があるという問題点を有していた。
【0018】また、連続縦穴71が深くなると、地盤の
土圧が高くなるために、ピン74を差し込むことが困難
になるという問題点を有していた。また、波形鉄板72
の幅が広いために、例えば、縦穴71a等を掘削する際
に硬い岩等をはつったりすることができない場合、波形
鉄板72がこの岩等にあたって、立て込めることが困難
になるという問題点を有していた。
【0019】また、波形鉄板72aが、鉄製であるため
に、製造原価が高騰するため、波形鉄板72を大量に用
意することが困難で、例えば、複数のコンクリート深礎
杭70を形成する場合、一のコンクリート深礎杭70の
構築に使用する波形鉄板72を、他のコンクリート深礎
杭70の構築にも使用しなければならないために、複数
のコンクリート深礎杭70を、同時に、平行して、構築
することができず、長い工期が必要になるという問題点
を有していた。
【0020】また、第1の井枠75aの上端を、地表面
Gとほぼ面一になるように設置していたので、連続縦穴
71を掘削した際にでた土泥等や塵等が、該連続縦穴7
1内に落下し易く、このため、コンクリート77を打設
した際に、コンクリート77中に土泥等が混じってコン
クリート深礎杭70の機械的強度が低下するという問題
点を有していた。
【0021】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、製造原価を安価とすることができると共に、工
期を短縮化することができる、作業性に優れたコンクリ
ート深礎杭の構築方法を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載のコンクリート深礎杭の構築方法は、地表面に所定
深さで掘削された丸い縦穴の内壁に、複数の長尺板材を
縦に張り詰めた後、該縦に張り詰められた複数の長尺板
材の内周面に、少なくとも1以上のリング部材を、その
周方向に当接させて固定し、ほぼ筒状の第1の井枠から
なる土留壁を形成する第1の井枠形成工程と、前記土留
壁内に配筋する配筋工程と、該配筋工程で配筋された前
記土留壁内にコンクリートを打設するコンクリート打設
工程とを有する。
【0023】請求項2記載のコンクリート深礎杭の構築
方法は、請求項1記載のコンクリート深礎杭の構築方法
において、前記第1の井枠形成工程と前記配筋工程の間
に、前記第1の井枠の内周面に、複数の長尺板材を縦に
張り詰めた後、該縦に張り詰められた複数の長尺板材の
内周面に、少なくとも1以上のリング部材を、その周方
向に当接させて固定し、第2の井枠を形成する第2の井
枠形成工程と、前記縦穴の底部を所定深さ掘り下げた第
2の井枠降下用縦穴内で、前記第2の井枠を、該第2の
井枠の上端部と前記第1の井枠の下端部が、所定長さ重
なるまで降下させる第2の井枠降下工程とを有し、前記
第1、第2の井枠からなる土留壁を形成する。
【0024】請求項3記載のコンクリート深礎杭の構築
方法は、請求項1記載のコンクリート深礎杭の構築方法
において、前記第1の井枠形成工程と前記配筋工程の間
に、前記縦穴の底部を所定深さ掘り下げた第2の井枠形
成用縦穴の内壁に、複数の長尺板材を、該複数の長尺板
材の上部と前記第1の井枠の下部を、所定長さ重ねて縦
に張り詰めた後、該縦に張り詰められた複数の長尺板材
の内周面に、少なくとも1以上のリング部材を、その周
方向に当接させて固定し、第2の井枠を形成する第2の
井枠形成工程と、前記第2の井枠形成用縦穴の底部を所
定深さ掘り下げた第2の井枠降下用縦穴内で、前記第2
の井枠を、該第2の井枠の上端部と前記第1の井枠の下
端部が、所定長さ重なるまで降下させる第2の井枠降下
工程とを有し、前記第1、第2の井枠からなる土留壁を
形成する。
【0025】請求項4記載のコンクリート深礎杭の構築
方法は、請求項2又は3記載のコンクリート深礎杭の構
築方法において、前記第2の井枠降下工程と前記配筋工
程の間に、前記第2の井枠形成工程、及び、前記第2の
井枠降下工程を、少なくとも1以上繰り返して、少なく
とも3以上の井枠からなる土留壁を形成する。
【0026】請求項5記載のコンクリート深礎杭の構築
方法は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンクリ
ート深礎杭の構築方法において、前記第1の井枠形成工
程の代わりに、地表面に所定深さで掘削された丸い縦穴
内に、ほぼ同軸状でかつ平行状態に配置された複数のリ
ング部材の外側に、該複数のリング部材の軸方向に沿っ
て、複数の長尺板材を張り詰めてなるほぼ筒状の第1の
井枠を、該第1の井枠の上端部を前記地表面から表出さ
せ、かつ、該第1の井枠の内部を開口させた状態で埋設
した後、該第1の井枠の上端部を前記地表面に固定し
て、前記第1の井枠の落下を防止する第1の井枠配置工
程を有する。
【0027】請求項6記載のコンクリート深礎杭の構築
方法は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンクリ
ート深礎杭の構築方法において、前記第1の井枠形成工
程の代わりに、地表面に所定深さで掘削された丸い縦穴
の内壁に、複数の波形鉄板を、該波形鉄板の上端部を前
記地表面から表出させると共に、隣り合う波形鉄板の端
部同士を所定長さ重ねて立て込めた後、該立て込められ
た複数の波形鉄板の内周面に、少なくとも1以上のリン
グ部材を、その周方向に当接させて固定し、第1の井枠
からなる土留壁を形成する第1の井枠形成工程を有す
る。
【0028】請求項7記載のコンクリート深礎杭の構築
方法は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンクリ
ート深礎杭の構築方法において、前記第1の井枠形成工
程の代わりに、地表面に所定深さで掘削された丸い縦穴
内に、ほぼ同軸状でかつ平行状態に配置された複数のリ
ング部材の外側に、該複数のリング部材の軸方向に沿っ
て、複数の波形鉄板を、隣り合う波形鉄板の端部同士を
所定長さ重ねて、張り詰めてなるほぼ筒状の第1の井枠
を、該第1の井枠の上端部を前記地表面から表出させ、
かつ、該第1の井枠の内部を開口させた状態で埋設する
第1の井枠配置工程を有する。
【0029】請求項8記載のコンクリート深礎杭の構築
方法は、請求項2記載のコンクリート深礎杭の構築方法
において、前記第2の井枠形成工程、及び、前記第2の
井枠降下工程の代わりに、前記縦穴の底部を所定深さ掘
り下げた第1の井枠降下用縦穴内で、前記第1の井枠を
降下させる第1の井枠降下工程と、前記縦穴の内壁に、
複数の長尺板材を、該複数の長尺板材の下端部を前記第
1の井枠の上端部に所定長さ重ねて縦に張り詰めた後、
該張り詰められた複数の長尺板材の内周面に、少なくと
も1以上のリング部材を、その周方向に当接させて固定
し、第2の井枠を形成する第2の井枠形成工程とを有
し、前記第1、第2の井枠からなる土留壁を形成する。
【0030】請求項9記載のコンクリート深礎杭の構築
方法は、請求項8記載のコンクリート深礎杭の構築方法
において、前記第2の井枠形成工程の代わりに、前記縦
穴内に、ほぼ同軸状でかつ平行状態に配置された複数の
リング部材の外側に、該複数のリング部材の軸方向に沿
って、複数の長尺板材を張り詰めてなるほぼ筒状の第2
の井枠を、該第2の井枠の下端部を前記第1の井枠の上
端部に所定長さ重ねて配置する第2の井枠配置工程を有
し、前記第1、第2の井枠からなる土留壁を形成する。
【0031】請求項10記載のコンクリート深礎杭の構
築方法は、請求項1〜4、8、9のいずれか1項に記載
のコンクリート深礎杭の構築方法において、前記第1の
井枠形成工程、又は、前記第2の井枠形成工程、若しく
は、前記第2の井枠配置工程で、前記第1又は第2の井
枠の上端部を前記地表面から表出させ、排土の落下を防
止する。
【0032】請求項11記載のコンクリート深礎杭の構
築方法は、請求項6、7、10のいずれか1項に記載の
コンクリート深礎杭の構築方法において、前記第1の井
枠形成工程、又は、前記第1の井枠配置工程、若しく
は、前記第2の井枠形成工程、或いは、前記第2の井枠
配置工程の後に、前記第1又は第2の井枠の上端部を前
記地表面に固定して、前記第1又は第2の井枠の落下を
防止する第1又は第2の井枠固定工程を有する。
【0033】請求項12記載のコンクリート深礎杭の構
築方法は、請求項11記載のコンクリート深礎杭の構築
方法において、前記第1又は第2の井枠固定工程で、前
記地表面に、前記縦穴を跨がせると共に、前記第1又は
第2の井枠の上端部外縁に当接させた状態で、少なくと
も1以上の棒状部材を配置した後、該棒状部材と前記リ
ング部材を緊結して、前記地表面に前記第1又は第2の
井枠を固定している。
【0034】請求項13記載のコンクリート深礎杭の構
築方法は、請求項1記載のコンクリート深礎杭の構築方
法において、前記コンクリート打設工程の代わりに、前
記井枠によって形成された土留壁内に、該井枠の所定深
さまでコンクリートを打設し、該コンクリートが硬化し
ない内に該井枠を除去した後、更にコンクリートを打設
するコンクリート打設工程を有する。
【0035】請求項14記載のコンクリート深礎杭の構
築方法は、請求項1〜12のいずれか1項に記載のコン
クリート深礎杭の構築方法において、少なくとも前記配
筋工程の後に、前記第1の井枠を除去する除去工程を有
する。
【0036】請求項15記載のコンクリート深礎杭の構
築方法は、請求項1〜14のいずれか1項に記載のコン
クリート深礎杭の構築方法において、前記複数の長尺板
材は木材からなって、前記リング部材はリング状に屈曲
形成されると共に、その両端部が所定長さ重なってい
る。
【0037】そして、請求項16記載のコンクリート深
礎杭の構築方法は、請求項2〜4記載のコンクリート深
礎杭の構築方法において、前記コンクリート打設工程の
代わりに、下部の前記井枠によって形成された土留壁内
に、該井枠の所定深さまでコンクリートを打設し、該コ
ンクリートが硬化しない内に該井枠を除去し、次に、同
一手順を繰り返すことによって更に上部の前記井枠を除
去し、コンクリートを打設するコンクリート打設工程を
有している。ここで、縦穴等の内径や深さは、特に規定
されるものではなく、例えば、コンクリート深礎杭の外
径や長さ等、或いはこれによって定まる長尺板材の長さ
等によって適宜選択されてよい。また、縦穴等を掘削す
る方法としては、人力で掘削する方法や、ユンボ等の重
機で掘削する方法等、種々の方法が挙げられる。
【0038】また、縦穴等を掘削した際にでる土泥(以
下排土という)を掻き出す方法としては、種々の方法が
挙げられる。例えば、浅い縦穴等を掘削する場合は、人
力で掻き出す方法や、ショベル等の重機で掻き出す方法
等が挙げられる。
【0039】また、深い縦穴等を掘削する場合等は、縦
穴を跨いで矢倉を組むと共に、該矢倉に滑車を設け、更
に該滑車にワイヤロープを掛止すると共に、該ワイヤロ
ープの一端にバケット等の容器、他端にウィンチ等の昇
降手段を取付け、該昇降手段を駆動させて、排土を掻き
出してもよい。また、矢倉等を組む代わりにクレーン等
の重機を用いてもよい。
【0040】また、長尺板材の材質としては、特に規定
されるものではないが、杉等の木製、鉄等の金属製、塩
化ビニール等の合成樹脂製等が挙げられる。なお、該長
尺板材の材質は、構築方法によって、適宜選択されてよ
い。例えば、該長尺板材を地中に残す場合は、杉等の木
製等を使用し、該長尺板材を解体して引き上げる場合
は、鉄等の金属製、塩化ビニール等の合成樹脂製のもの
を使用してもよい。
【0041】また、長尺板材の大きさは、特に規定され
るものではなく、前記と同様に、コンクリート深礎杭の
外径や長さ等によって適宜選択されるものである。な
お、長尺板材に木製のものを使用したときは、例えば、
長さ(LP )が約2〜4m程度、幅(WP )が約105
mm程度、厚さ(tP )が10〜15mm程度のもの等
を使用するのが好ましい(図1(b)参照)。これは、
この大きさのものが、一般に市販されているために、入
手し易いからである。
【0042】また、長尺板材は、縦に張り詰めるだけで
なく、場合によっては、多少斜めに傾けて張り詰めても
よい。
【0043】また、リング部材としては、熱間圧延鉄筋
(SR)等の普通鉄筋(又は直筋という)や、熱間圧延
異形鉄筋(SD)や冷間加工圧延鉄筋(SDC)等の異
形鉄筋を、丸く曲げた(又は平面視してほぼ円形状に屈
曲形成したという)もの(図3(a)参照)や、細長い
板状の鉄板等を丸く曲げたもの(図3(b)参照)等が
挙げられる。また、縦穴の内壁に縦に張り詰められた複
数の長尺板材(以下土留壁体という)の内径とほぼ同径
状に屈曲された状態で、溶接等したものも使用すること
ができる。
【0044】また、リング部材を固定する方法として
は、該リング部材を、縦穴の内壁に複数の長尺板材を縦
に張り詰めてなる土留壁体の内径とほぼ同径状とし、か
つ、このリング部材を前記土留壁体内に押圧状態で押し
込む方法や、前記土留壁体の内周面にリング部材をあて
ると共に、前記複数の長尺板材に、細い結束線や、太い
番線等の線条部材で、括り付ける方法等が挙げられる。
【0045】また、前記リング部材は、所定の長さ重ね
た状態に屈曲形成すると、前記重ねられた、所定長さの
分だけ、該リング部材の周長を、自由に変更することが
できるので、コンクリート深礎杭の外径等に応じて適宜
変更される土留壁体の内径等に応じて、その周長を自由
に変更させて、容易にあてることができる。
【0046】また、第1、第2の井枠を地表面から表出
させる場合、この表出高さとしては、特に規定されるも
のではなく、例えば、後述する棒状部材の大きさや等に
応じて適宜選択されてよい。また、構築作業の作業性等
を考慮して邪魔にならない高さにされてもよい。具体的
には、前記の理由から、5cm〜20cm程度とされる
のが望ましい(図8〜図12中、符号L4 参照)。
【0047】また、第1、第2の井枠の上端部を地表面
に固定する際に使用する棒状部材としては、該第1、第
2の井枠を支持することができれば、特に規定されるも
のではなく、例えば、鉄製等の金属製等の管状部材(パ
イプ)や、木製等の角材等を使用することができる。
【0048】また、鉄筋を配筋する場合は、まず、土留
壁体内で所定のフープ筋をリング部材と接合して鉄筋の
かぶりを調整した後、主筋を配筋するのが好ましい。ま
た、鉄筋を丘組した場合は、この丘組した鉄筋を前記昇
降手段で縦穴内に配置する際に鉄筋のかぶりを、リング
部材と接合させながら調整してもよい。
【0049】また、縦に長いコンクリート深礎杭を構築
する場合は、連続縦穴が深くなって、該連続縦穴の底部
の酸素が不足することが考えられるために、送風ダクト
等を利用して、連続縦穴の底部まで酸素を供給するのが
望ましい。
【0050】なお、本発明のコンクリート深礎杭の構築
方法によれば、深さが、約2m〜約30mで、かつ、直
径が、約1m〜約3.5m程度のコンクリート深礎杭を
形成することができる。
【0051】
【作用】請求項1〜16記載のコンクリート深礎杭の構
築方法においては、縦穴の内壁に、複数の長尺板材を縦
に張り詰めているので、該長尺板材が、従来の波形鉄板
に比べて、長尺であるために、縦穴の深さを深くするこ
とができ、この結果、従来に比べて、土留壁を構成する
井枠を形成する作業の繰り返し数を低減することがで
き、作業性を向上させることができる。
【0052】また、従来の波形鉄板に比べて、該長尺板
材を軽量化することができるので、該長尺板材をそれぞ
れの縦穴内に降ろす作業や、それぞれの縦穴内に立て込
める作業、さらに、コンクリート打設作業の際に、該長
尺板材を引き上げる作業等を簡単にすることができる。
【0053】また、該長尺板材が長尺なので、該長尺板
材をそれぞれの縦穴内に降ろす作業や、該長尺板材を引
き上げる作業等の際に、該長尺板材の一端部にロープを
掛けるだけで、該長尺板材の重心の作用によってバラン
スよく降ろしたり引き上げたりすることができるので、
従来の如く、バランスを崩して落下すること等を防止す
ることができる。
【0054】また、コンクリート深礎杭を地盤の柔らか
いところや、水気の多いところに構築する場合も、該長
尺板材の幅が、従来の波形鉄板に比べて、狭いので、横
に傾いたりすること等を防止することができると共に、
前記水気を利用して、縦穴等の内壁に吸着させることが
でき、容易に張り詰めることができ、作業性を向上させ
ることができる。
【0055】また、該長尺板材を木製等にすると、例え
ば、従来の如く、波形鉄板を使用した場合は、特に水分
が多い場所では、該波形鉄板が酸化腐食されて、体積膨
張するために、コンクリート深礎杭が、前記体積膨張し
た波形鉄板に押圧されて、破壊される危険性が考えられ
たが、たとえ、水気を含んで、体積膨張したとしても、
硬化したコンクリートの機械的強度が、該木製の長尺板
材の機械的強度に比べて、高いことから、コンクリート
深礎杭が破壊等されるのを防止することができる。更
に、該長尺板材を木製等にすると従来の波形鉄板に比べ
て、製造コストを低減することができる。
【0056】また、縦穴の内壁に張り詰めた複数の長尺
板材の内周面に、該複数の長尺板材の周方向に沿って、
リング部材を当接させた状態で固定するために、すなわ
ち、縦穴の内壁に張り詰めた複数の長尺板材を、リング
部材によって、その内側から前記内壁に向かって押圧す
ることができるので、従来のように、ピンを差し込む作
業等を省略することができ、作業性を向上させることが
できると共に、製造コストを低減することができる。
【0057】特に、請求項2記載のコンクリート深礎杭
の構築方法においては、第1の井枠内に第2の井枠を形
成した後、該第2の井枠を、縦穴の底部に掘削した第2
の井枠降下用縦穴内を降下させて、第1、第2の井枠か
らなる土留壁を形成することにより、長尺板材の長さを
同じとするならば、長尺なコンクリート深礎杭を形成す
ることができる。
【0058】請求項3記載のコンクリート深礎杭の構築
方法においては、縦穴の底部を掘削してなる第2の井枠
形成用縦穴内に第2の井枠を形成した後、該第2の井枠
を、第2の井枠形成用縦穴の底部を掘削した第2の井枠
降下用縦穴内を降下させて、第1、第2の井枠からなる
土留壁を形成することにより、前記と同様に、長尺板材
の長さを同じとするならば、長尺なコンクリート深礎杭
を形成することができる。また、第2の井枠を徐々に降
下させることができるので、安全性を向上させることが
できる。
【0059】請求項4記載のコンクリート深礎杭の構築
方法においては、第2の井枠形成工程、及び、第2の井
枠降下工程を、少なくとも1以上繰り返して、少なくと
も3以上の井枠からなる土留壁を形成することにより、
前記と同様に、長尺板材の長さを同じとするならば、長
尺なコンクリート深礎杭を形成することができる。
【0060】請求項5記載のコンクリート深礎杭の構築
方法においては、予め地上で形成された第1の井枠を、
縦穴内に配置するために、作業性を向上させることがで
きる。また、第1の井枠の上端部を地表面から表出させ
たので、縦穴内に排土や塵等が落下するのを防止するこ
とができ、この結果、土留壁内に投入されたコンクリー
トに排土や塵等が混じってコンクリート深礎杭の機械的
強度が低下するのを防止することができる。更に、第1
の井枠の上端部を地表面に固定したので、第1の井枠の
落下を防止することができ、この結果、安全性を向上さ
せることができる。
【0061】請求項6記載のコンクリート深礎杭の構築
方法においては、縦穴内に波形鉄板を用いた第1の井枠
を形成することにより、従来使用していた波形鉄板を廃
棄等することなく使用することができ、製造コストを低
減することができる。また、前記と同様に、第1の井枠
の上端部を地表面から表出させたので、縦穴内に排土や
塵等が落下するのを防止することができ、この結果、土
留壁内に投入されたコンクリートに排土や塵等が混じっ
てコンクリート深礎杭の機械的強度が低下するのを防止
することができる。
【0062】請求項7記載のコンクリート深礎杭の構築
方法においては、波形鉄板を用いて予め形成された第1
の井枠を、縦穴内に配置したので、作業性を向上させる
ことができる。また、前記と同様に、第1の井枠の上端
部を地表面から表出させたので、縦穴内に排土や塵等が
落下するのを防止することができ、この結果、土留壁内
に投入されたコンクリートに排土や塵等が混じってコン
クリート深礎杭の機械的強度が低下するのを防止するこ
とができる。
【0063】請求項8記載のコンクリート深礎杭の構築
方法においては、第1の井枠を、縦穴の底部を掘削して
なる第1の井枠降下用縦穴内で降下させた後、縦穴内に
第2の井枠を形成して、第1、第2の井枠からなる土留
壁を形成することにより、第2の井枠に比べて重量のあ
る第1の井枠を降下させたので、該第1の井枠が落下す
ること等を防止することができる。
【0064】請求項9記載のコンクリート深礎杭の構築
方法においては、第1の井枠を、縦穴の底部を掘削して
なる第1の井枠降下用縦穴内で降下させた後、予め形成
された第2の井枠を縦穴内に配置して、第1、第2の井
枠からなる土留壁を形成することにより、作業性を向上
させることができる。
【0065】請求項10記載のコンクリート深礎杭の構
築方法においては、第1、第2の井枠の上端部を地表面
から表出させることにより、縦穴等を掘削した際に、掘
り返された排土が、縦穴等内に落下するのを防止するこ
とができ、この結果、土留壁内にコンクリートを打設す
る際、コンクリート内に土泥等が混じって、コンクリー
ト深礎杭の強度が低下するのを防止することができる。
【0066】請求項11記載のコンクリート深礎杭の構
築方法においては、第1の井枠形成工程、又は、第1の
井枠配置工程、若しくは、第2の井枠形成工程、或い
は、第2の井枠配置工程の後に、第1、第2の井枠の上
端部を地表面に固定する第1、第2の井枠固定工程を有
することにより、第1、第2の井枠が自重で落下するの
を防止することができる。
【0067】請求項12記載のコンクリート深礎杭の構
築方法においては、第1、第2の井枠固定工程で、地表
面に、縦穴を跨がせると共に、第1、第2の井枠の上端
部外縁に当接させた状態で、少なくとも1以上の棒状部
材を配置した後、棒状部材とリング部材を緊結して、地
表面に第1、第2の井枠を固定したことにより、容易に
第1、第2の井枠を固定することができる。
【0068】請求項13記載のコンクリート深礎杭の構
築方法においては、土留壁内に所定厚さコンクリートを
打設した後、第1の井枠を除去し、その後、土留壁内に
コンクリートを打設するコンクリート打設工程を有する
ことにより、コンクリートと地盤の間に第1の井枠を介
在させることがなく、この結果、コンクリートと地盤を
より一体化することができ、コンクリート深礎杭をより
強固にすることができる。
【0069】請求項14記載のコンクリート深礎杭の構
築方法においては、配筋工程の後に、第1の井枠を除去
する除去工程を有することにより、前記と同様に、コン
クリートと地盤の間に第1の井枠を介在させることがな
く、この結果、コンクリートと地盤をより一体化するこ
とができ、コンクリート深礎杭をより強固にすることが
できる。また、配筋した後でコンクリートを打設する前
に除去するので、作業性を向上させることができる。
【0070】請求項15記載のコンクリート深礎杭の構
築方法においては、複数の長尺板材は木材からなること
により、低コストで井枠を形成することができる。ま
た、軽量なので、作業性を向上させることができる。ま
た、リング部材はリング状に屈曲形成されると共に、そ
の両端部が所定長さ重なっていることにより、該リング
部材の周長を自由に調節することができる。そして、請
求項16記載のコンクリート深礎杭の構築方法は、土留
壁内に所定厚さコンクリートを打設した後、井枠を除去
し、その後、土留壁内にコンクリートを打設し、これら
の手順を繰り返すことによって、コンクリートと地盤の
間に井枠を介在させることがない。この結果、コンクリ
ートと地盤をより一体化することができ、コンクリート
深礎杭をより強固にすることができる。
【0071】
【発明の効果】請求項1〜16記載のコンクリート深礎
杭の構築方法においては、従来の波形鉄板に比べて縦に
長尺な長尺板材を使用しているので、縦穴の深さを深く
することができ、この結果、作業性を向上させることが
できる。
【0072】また、該長尺板材が長尺なので、該長尺板
材を縦穴内に降ろしたり引き上げたりする際に、従来の
如く、バランスを崩して落下すること等を防止すること
ができ、この結果、作業性や安全性を向上させることが
できる。
【0073】また、従来の波形鉄板に比べて軽量な長尺
板材を使用しているので、該長尺板材を降ろす作業や、
張り詰める作業等を容易に行うことができ、この結果、
作業性を向上させることができる。
【0074】また、該長尺板材の幅が狭いので、地盤の
柔らかいところや、水気の多いところに掘削された縦穴
に張り詰める際に、容易に張り詰めることができ、この
結果、作業性を向上させることができる。
【0075】また、該長尺板材を木製等にすると、従来
の如く、コンクリート深礎杭が破壊等されるのを防止す
ることができ、この結果、安全性や信頼性を向上させる
ことができる。また、従来の波形鉄板に比べて、製造コ
ストを低減することができる。
【0076】また、縦穴の内壁に張り詰めた複数の長尺
板材を、その内側からリング部材で押圧するだけなの
で、作業性を向上させることができる。
【0077】特に、請求項2記載のコンクリート深礎杭
の構築方法においては、長尺なコンクリート深礎杭を形
成することができる。
【0078】請求項3記載のコンクリート深礎杭の構築
方法においては、長尺なコンクリート深礎杭を形成する
ことができると共に、第2の井枠を徐々に降下させるこ
とができるので、安全性を向上させることができる。
【0079】請求項4記載のコンクリート深礎杭の構築
方法においては、さらに長尺なコンクリート深礎杭を形
成することができる。
【0080】請求項5記載のコンクリート深礎杭の構築
方法においては、予め地上で第1の井枠を形成したの
で、作業性を向上させることができる。また、縦穴内に
排土や塵等が落下するのを防止することができるので、
コンクリート深礎杭の機械的強度が低下するのを防止す
ることができ、安全性や信頼性を向上させることができ
る。更に、第1の井枠の落下を防止することができるの
で、安全性を向上させることができる。
【0081】請求項6記載のコンクリート深礎杭の構築
方法においては、従来使用していた波形鉄板を廃棄等す
ることなく使用することができ、製造コストを低減する
ことができる。
【0082】請求項7記載のコンクリート深礎杭の構築
方法においては、予め地上で波形鉄板を用いた第1の井
枠を形成したので、作業性を向上させることができる。
【0083】請求項8記載のコンクリート深礎杭の構築
方法においては、第1の井枠を降下させたので、重い第
1の井枠が落下するのを防止することができる。
【0084】請求項9記載のコンクリート深礎杭の構築
方法においては、予め地上で第2の井枠を形成したの
で、作業性を向上させることができる。
【0085】請求項10記載のコンクリート深礎杭の構
築方法においては、第1、第2の井枠の上端部を地表面
から表出させて、土泥や塵等が縦穴等内に落下するのを
防止することができるので、コンクリート深礎杭の強度
が低下するのを防止することができ、この結果、安全性
や信頼性を向上させることができる。請求項11記載の
コンクリート深礎杭の構築方法においては、第1、第2
の井枠の上端部を地表面に固定して、第1、第2の井枠
が落下するのを防止することができるので、安全性や信
頼性を向上させることができる。
【0086】請求項12記載のコンクリート深礎杭の構
築方法においては、第1、第2の井枠を容易に第1、第
2の井枠を固定することができるので、作業性や信頼性
を向上させることができる。
【0087】請求項13記載のコンクリート深礎杭の構
築方法においては、第1の井枠を除去したので、コンク
リートと地盤を一体化させて、コンクリート深礎杭の機
械的強度を高めることができ、この結果、安全性や信頼
性を向上させることができる。更には、井枠を繰り返し
使用できて経済的である。請求項14記載のコンクリー
ト深礎杭の構築方法におては、配筋工程の後に、第1の
井枠を除去する除去するので、作業性を向上させること
ができる。
【0088】請求項15記載のコンクリート深礎杭の構
築方法においては、製造コストを低減することができる
と共に、容易に井枠を形成することができる。そして、
請求項16記載のコンクリート深礎杭の構築方法におい
ては、コンクリートと地盤を一体化させて、コンクリー
ト深礎杭の機械的強度を高めることができ、この結果、
安全性や信頼性を向上させることができ、更には、井枠
を繰り返し使用できて経済的である。
【0089】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。なお、各実施の形態において同様の
構成のものについては同一の符号を付して説明を省略す
る。
【0090】ここに、図1(a)は本発明の第1の実施
の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法の第1の井
枠形成工程の説明図、図1(b)は同方法の第1の井枠
形成工程の説明図、図2(a)は同方法の配筋工程の説
明図、図2(b)は同方法のコンクリート打設工程の説
明図、図3(a)は同方法で組み立てられる第1の井枠
に用いられるリング部材の説明図、図3(b)は同方法
で組み立てられる第1の井枠に用いられる他のリング部
材の説明図、図4(a)は本発明の第2の実施の形態に
係るコンクリート深礎杭の構築方法の第2の井枠形成工
程の説明図、図4(b)は同方法の第2の井枠降下工程
の説明図、図5は本発明の第3の実施の形態に係るコン
クリート深礎杭の構築方法の第2の井枠形成工程の説明
図、図6は本発明の第4の実施の形態に係るコンクリー
ト深礎杭の構築方法の第3の井枠形成工程の説明図、図
7は本発明の第5の実施の形態に係るコンクリート深礎
杭の構築方法の第3の井枠形成工程の説明図である。
【0091】図8は本発明の第6の実施の形態に係るコ
ンクリート深礎杭の構築方法の第1の井枠形成工程の説
明図、図9は本発明の第7の実施の形態に係るコンクリ
ート深礎杭の構築方法の第2の井枠形成工程の説明図、
図10は本発明の第8の実施の形態に係るコンクリート
深礎杭の構築方法の第2の井枠形成工程の説明図、図1
1は本発明の第9の実施の形態に係るコンクリート深礎
杭の構築方法の第3の井枠形成工程の説明図、図12は
本発明の第10の実施の形態に係るコンクリート深礎杭
の構築方法の第3の井枠形成工程の説明図、図13は本
発明の第11の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法の第1の井枠固定工程の説明図、図14(a)
は本発明の第12の実施の形態に係るコンクリート深礎
杭の構築方法の第1の井枠配置工程の説明図、図14
(b)は同方法の第1の井枠配置工程の説明図、図15
(a)は本発明の第13の実施の形態に係るコンクリー
ト深礎杭の構築方法の第1の井枠形成工程の説明図、図
15(b)は同方法の第1の井枠形成工程の説明図、図
15(c)は同方法の第2の井枠形成工程の説明図、図
16(a)は本発明の第14の実施の形態に係るコンク
リート深礎杭の構築方法の第1の井枠配置工程の説明
図、図16(b)は同方法の第1の井枠配置工程の説明
図である。
【0092】また、図17(a)は本発明の第15の実
施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法の第1の
井枠形成工程又は第1の井枠配置工程及び第2の井枠形
成工程の説明図、図17(b)は同方法の第3の井枠形
成工程の説明図、図18(a)は本発明の第16、第1
7の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法の
第1の井枠形成工程又は第1の井枠配置工程及び第1の
井枠固定工程の説明図、図18(b)は同方法の第1の
井枠降下工程及び第2の井枠形成工程の説明図、図19
(a)は本発明の第18の実施の形態に係るコンクリー
ト深礎杭の構築方法のコンクリート打設工程の説明図、
図19(b)は同方法のコンクリート打設工程の説明
図、図20は本発明の第19の実施の形態に係るコンク
リート深礎杭の構築方法の除去工程の説明図、図21
(a)は本発明の第20の実施の形態に係るコンクリー
ト深礎杭の構築方法のコンクリート打設工程の説明図、
図21(b)は同方法のコンクリート打設工程の説明
図、図22(a)は本発明の第21の実施の形態に係る
コンクリート深礎杭の構築方法の配筋工程の説明図、図
22(b)は同方法の配筋工程の説明図、図23(a)
は本発明の第22の実施の形態に係るコンクリート深礎
杭の構築方法の配筋工程の説明図、図23(b)は同方
法の配筋工程の説明図、図24は本発明の一実施の形態
に係るコンクリート深礎杭の構築方法の説明図である。
【0093】図1〜図3を参照しつつ、本発明の第1の
実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法につい
て説明する。まず、図1(a)に示すように、地表面G
に、所定の深さ(d1 )、及び、所定の内径(φ1 )を
有する、丸い縦穴11a(なお、以下の実施の形態にお
いて、深さ及び内径が異なる縦穴は全て11aで表す)
を掘削する。次に、図1(b)に示すように、縦穴11
aの内壁に、長さ(LP )が約2〜4m程度、幅
(WP )が約105mm程度、厚さ(tP )が10〜1
5mm程度の、木製の、複数の長尺板材12aを、縦
に、張り詰める。なお、縦穴11aの深さ(d1 )と、
長尺板材12aの長さ(LP )は、同じとした。
【0094】次に、図1(b)に示すように、縦穴11
aの内壁に張り詰められた、複数の長尺板材12aの内
周面に、図3(a)に示すように、鉄筋を丸く曲げると
共に、その端部同士を所定長さ重ねて、その周長を可変
可能とした、リング部材13aを当接させると共に、該
リング部材13aの端部同士を、番線等の線条部材(図
示せず)で、締結する。これにより、第1の井枠14a
からなる土留壁15aが形成される(第1の井枠形成工
程)。
【0095】次に、図2(a)に示すように、土留壁1
5a内に、主筋16a、及び、連結筋(又はフープ筋と
いう)16bを配筋する(配筋工程)。最後に、図2
(b)に示すように、土留壁15a内に、コンクリート
17を投入した後、所定期間、養生する(コンクリート
打設工程)。これにより、コンクリート深礎杭18aが
形成される。
【0096】以上のように本発明の第1の実施の形態に
係るコンクリート深礎杭の構築方法によれば、従来の波
形鉄板に比べて長尺な、複数の長尺板材12aを縦に張
り詰めているので、縦穴11aの深さを深くすることが
でき、この結果、作業性を向上させることができる。
【0097】また、該長尺板材12aが、木製で、軽量
なので、該長尺板材12aを縦穴11a内に降ろす作業
や、張り詰める作業を容易に実施することができる。ま
た、該長尺板材12aが、木製なので、製造コストを低
減することができる。
【0098】また、縦穴11aの内壁に張り詰めた複数
の長尺板材12aの内周面に、リング部材13aを配置
するだけなので、作業性を向上させることができると共
に、製造コストを低減することができる。
【0099】続いて、図4を参照しつつ、本発明の第2
の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法につ
いて説明する。まず、前記第1の井枠形成工程と同様に
して、縦穴11a内に、第1の井枠14aを形成する
(図1(a)、(b)参照)。次に、図4(a)に示す
ように、前記第1の井枠形成工程と同様にして、第1の
井枠14a内に、第2の井枠14bを形成する(第2の
井枠形成工程)。次に、縦穴11aの底部を、掘り下げ
て、所定の深さ(d2 )、及び、所定の内径(φ2 )を
有する、丸い、第2の井枠降下用縦穴11bを形成す
る。
【0100】次に、第2の井枠14bを、該第2の井枠
14bの上端部が、第1の井枠14aの下端部に、所定
の長さ(L1 、例えば10〜100cm)重なるまで、
降下させる。これにより、第1、第2の井枠14a、1
4bからなる土留壁15bが形成される(第2の井枠降
下工程)。以下、前記配筋工程、及び、前記コンクリー
ト打設工程と同様にして、土留壁15b内に、配筋した
後、コンクリート17を打設することにより、コンクリ
ート深礎杭(図示せず)を形成する。
【0101】以上のように本発明の第2の実施の形態に
係るコンクリート深礎杭によれば、本発明の第1の実施
の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法と同様の効
果が得られる他、長尺なコンクリート深礎杭を形成する
ことができる。
【0102】続いて、図5を参照しつつ、本発明の第3
の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法につ
いて説明する。まず、前記第1の井枠形成工程と同様に
して、縦穴11a内に、第1の井枠14aを形成する
(図1(a)、(b)参照)。次に、図5に示すよう
に、縦穴11aの底部を、掘り下げて、所定の深さ(d
3 )、及び、所定の直径(φ2 )を有する、丸い、第2
の井枠形成用縦穴11cを形成する。次に、第2の井枠
形成用縦穴11c内に、前記と同様で、かつ、複数の長
尺板材12aの上部を、第1の井枠14aの下部に、所
定長さ(L2 )重ねて、縦に張り詰めながら、第2の井
枠14bを形成する(第2の井枠形成工程)。
【0103】次に、第2の井枠形成用縦穴11cの底部
を、所定深さ掘り下げて、所定の深さ、及び、所定の直
径(φ2 )を有する、丸い、第2の井枠降下用縦穴(図
示せず)を形成する。なお、この第2の井枠降下用縦穴
の深さは、前記第2の井枠降下用縦穴11bの深さ(d
2 )と、前記第2の井枠形成用縦穴11cの深さ
(d3 )の差とする。次に、第2の井枠14bを、該第
2の井枠14bの上端部が、第1の井枠14aの下端部
に、所定長さ(L1 )重なるまで、降下させる(図4
(b)参照)。
【0104】これにより、第1、第2の井枠14a、1
4bからなる土留壁15bが形成される(第2の井枠降
下工程)。以下、前記配筋工程、及び、前記コンクリー
ト打設工程と同様にして、土留壁15b内に、配筋した
後、コンクリート17を打設することにより、コンクリ
ート深礎杭(図示せず)を形成する。
【0105】以上のように本発明の第3の実施の形態に
係るコンクリート深礎杭の構築方法によれば、本発明の
第2の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法
と同様の効果が得られる他、第2の井枠14bを徐々に
降下させることができるので、安全性を向上させること
ができる。
【0106】続いて、図6を参照しつつ、本発明の第4
の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法につ
いて、説明する。まず、本発明の第2又は第3の実施の
形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法と同様にし
て、第1、第2の井枠14a、14bからなる土留壁1
5bを形成する(図4(b)参照)。
【0107】次に、図6に示すように、本発明の第2の
実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法におけ
る、前記第2の井枠形成工程と同様にして、該第2の井
枠14b内に、第3の井枠14cを形成する(第3の井
枠形成工程)。次に、本発明の第2の実施の形態に係る
コンクリート深礎杭の構築方法における、前記第2の井
枠降下工程と同様にして、第2の井枠降下用縦穴11b
の底部を、掘り下げて、所定の深さ、及び、所定の直径
を有する、丸い、第3の井枠降下用縦穴(図示せず)を
形成する。次に、第3の井枠14cを、該第3の井枠1
4cの上端部が、第2の井枠14bの下端部に、所定長
さ重なるまで、降下させる。
【0108】これにより、第1〜第3の井枠14a〜1
4cからなる土留壁(図示せず)が形成される(第3の
井枠降下工程)。以下、前記配筋工程、及び、前記コン
クリート打設工程と同様にして、土留壁内に、配筋した
後、コンクリート17を打設することにより、コンクリ
ート深礎杭(図示せず)が形成される。
【0109】以上のように本発明の第4の実施の形態に
係るコンクリート深礎杭の構築方法によれば、本発明の
第2の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法
と同様の効果を得ることができる。
【0110】続いて、図7を参照しつつ、本発明の第5
の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法につ
いて、説明する。本発明の第2又は第3の実施の形態に
係るコンクリート深礎杭の構築方法と同様にして、第
1、第2の井枠14a、14bからなる土留壁15bを
形成する(図4(b)参照)。次に、本発明の第3の実
施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法におけ
る、前記第2の井枠形成工程と同様にして、第2の井枠
降下用縦穴11bの底部を、掘り下げて、所定の深さ
(d3 )、及び、所定の直径(φ3 )を有する、丸い、
第3の井枠形成用縦穴11fを形成する。
【0111】次に、前記第2の井枠形成工程と同様にし
て、第3の井枠形成用縦穴11f内に、第3の井枠14
cを形成する。次に、前記第2の井枠降下工程と同様に
して、第3の井枠形成用縦穴11fの底部を、掘り下げ
て、所定の深さ、及び、所定の直径(φ3 )を有する、
丸い、第3の井枠降下用縦穴(図示せず)を形成する。
次に、前記第2の井枠降下工程と同様にして、第3の井
枠14cを、該第3の井枠14cの上端部が、第2の井
枠14bの下端部に、所定長さ重なるまで、降下させ
る。
【0112】これにより、第1〜第3の井枠14a〜1
4cからなる土留壁(図示せず)が形成される(第3の
井枠降下工程)。以下、前記配筋工程、及び、前記コン
クリート打設工程と同様にして、土留壁内に、配筋した
後、コンクリート17を打設することにより、コンクリ
ート深礎杭(図示せず)を形成する。
【0113】以上のように本発明の第5の実施の形態に
係るコンクリート深礎杭の構築方法によれば、本発明の
第3の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法
と同様の効果を得ることができる。
【0114】続いて、本発明の第6〜第10の実施の形
態に係るコンクリート深礎杭の構築方法について説明す
る。本発明の第6〜第10の実施の形態に係るコンクリ
ート深礎杭の構築方法が、本発明の第1〜第5の実施の
形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法と異なるの
は、図8〜図12に示すように、地表面Gから、縦穴1
1aの内壁に張り詰められる複数の長尺板材12a(又
は第1の井枠14a)の上端部を、所定長さ(L4 )、
表出させた点である。
【0115】以上のように本発明の第6〜第10の実施
の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法によれば、
本発明の第1〜第5の実施の形態に係るコンクリート深
礎杭の構築方法と同様の効果を得ることができる他、縦
穴11aの内壁に張り詰められる複数の長尺板材12a
の上端部を、所定長さ(L4 )、表出させたので、縦穴
11aを掘削した際に、掘り返された土泥(以下排土と
いう)が、縦穴11aに落ち込むのを防止することがで
き、この結果、土留壁内にコンクリート17を打設する
際、コンクリート17内に土泥等が混じって、コンクリ
ート深礎杭の強度が低下するのを防止することができ
る。
【0116】続いて、本発明の第11の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。本
発明の第11の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法が、本発明の第6〜第10の実施の形態に係る
コンクリート深礎杭の構築方法と異なるのは、図13に
示すように、地表面Gに、所定長さ(L4 )、表出され
た第1の井枠14aの上端部を固定する第1の井枠固定
工程を有する点である。なお、地表面Gから所定長さ
(L4 )表出された第1の井枠14aの上端部の外縁
に、縦穴11aに跨がって、鉄製等の金属製等の管状部
材(パイプ)等の棒状部材19を配置すると共に、該棒
状部材19と、第1の井枠14aのリング部材13aと
を、番線等の線条部材(図示せず)で結束して、固定し
ている。
【0117】以上のように本発明の第11の実施の形態
に係るコンクリート深礎杭の構築方法によれば、本発明
の第6〜第10の実施の形態に係るコンクリート深礎杭
の構築方法と同様の効果が得られる他、第1の井枠14
aが下方に落下するのを防止することができる。
【0118】続いて、本発明の第12の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。本
発明の第12の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法が、本発明の第6〜第10の実施の形態に係る
コンクリート深礎杭の構築方法と異なるのは、図14に
示すように、地表面Gに所定深さで掘削された縦穴11
a内に、ほぼ同軸状で、かつ、平行状態で配置された、
複数のリング部材13aの外側に、該リング部材13a
の軸方向に沿って、複数の長尺板材12aを張り詰めて
なる、ほぼ筒状の第1の井枠14aを、その上端部を地
表面Gから表出させ、かつ、その内部を開口させた状態
で、埋設した後、第1の井枠14aの上端部を、地表面
Gに固定する第1の井枠配置工程を有する点である。な
お、複数のリング部材13aに長尺板材12aを張り詰
める方法としては、例えば2〜4本の長尺板材12aに
適当な隙間を設けて複数のリング部材13aを固定した
後、残りの長尺板材12aを取付ける方法等がある。な
お、図14中、符号30は、第1の井枠14aを吊下す
るためのクレーンである。
【0119】以上のように本発明の第12の実施の形態
に係るコンクリート深礎杭の構築方法によれば、本発明
の第6〜第11の実施の形態に係るコンクリート深礎杭
の構築方法と同様の効果が得られる。
【0120】続いて、本発明の第13の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。本
発明の第13の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法が、第2〜第5、第7〜第10の実施の形態に
係るコンクリート深礎杭の構築方法と異なるのは、図1
5に示すように、地表面Gに所定深さで掘削された縦穴
11aの内壁に、複数の波形鉄板20aを、該波形鉄板
20aの上端部を、地表面Gから表出させて立て込める
と共に、該立て込められた複数の波形鉄板20aの内周
面に、その周方向に沿って、リング部材13aを、当接
させた状態で、固定し、第1の井枠14a′を形成する
第1の井枠形成工程を有する点である。
【0121】以上のように本発明の第13の実施の形態
に係るコンクリート深礎杭の構築方法によれば、本発明
の第6〜第11の実施の形態に係るコンクリート深礎杭
の構築方法と同様の効果が得られる他、従来使用してい
た波形鉄板20aを廃棄等することなく使用することが
でき、製造コストを低減することができる。
【0122】続いて、本発明の第14の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。本
発明の第14の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法が、本発明の第13の実施の形態に係るコンク
リート深礎杭の構築方法と異なるのは、図16に示すよ
うに、地表面Gに所定深さで掘削された縦穴11a内
に、ほぼ同軸状で、かつ、平行状態で配置された、複数
のリング部材13aの外側に、該リング部材13aの軸
方向に沿って、複数の波形鉄板20aを張り詰めてな
る、ほぼ筒状の第1の井枠14a′を、該第1の井枠1
4a′の上端部を、地表面Gから表出させ、かつ、その
内部を開口させた状態で、埋設する第1の井枠配置工程
を有する点である。なお、図16中、符号30は、第1
の井枠14a′を吊下するためのクレーンである。
【0123】以上のように本発明の第14の実施の形態
に係るコンクリート深礎杭の構築方法によれば、本発明
の第6〜第11の実施の形態に係るコンクリート深礎杭
の構築方法と同様の効果が得られる他、予め形成された
第1の井枠14a′を、縦穴11a内に配置したので、
作業性を向上させることができる。
【0124】続いて、本発明の第15の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。本
発明の第15の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法が、本発明の第4、第5、第9、第10、第1
3、第14の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構
築方法と異なるのは、図17に示すように、縦穴11a
の底部を、所定深さ掘り下げて、第2の井枠形成用縦穴
21aを形成した後、第2の井枠形成用縦穴21aの内
壁に、その所定部を、第1の井枠14a′の内周面に重
ねた状態で、複数の波形鉄板20aを立て込めると共
に、該立て込められた複数の波形鉄板20aの内周面
に、その周方向に沿って、リング部材13aを、当接さ
せた状態で、固定し、第2の井枠14b′を形成する第
2の井枠形成工程を有する点である。
【0125】以上のように本発明の第15の実施の形態
に係るコンクリート深礎杭の構築方法によれば、本発明
の第13、第14の実施の形態に係るコンクリート深礎
杭の構築方法と同様の効果を得ることができる。
【0126】続いて、本発明の第16の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。本
発明の第16の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法が、本発明の第2〜第5、第7〜第10の実施
の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法とと異なる
のは、図18に示すように、縦穴11aの底部を、所定
深さ掘り下げて、第1の井枠降下用縦穴22aを形成し
た後、第1の井枠14aを、第1の井枠降下用縦穴22
aの底部まで降下させる第1の井枠降下工程と、縦穴1
1aの内壁に、複数の長尺板材12aを、該長尺板材1
2aの上端部を地表面Gから表出させ、かつ、その下端
部を第1の井枠14aの上端部に所定長さ重ねた状態
で、縦に張り詰めた後、該縦に張り詰められた複数の長
尺板材12aの内周面に、その周方向に沿って、少なく
とも1以上のリング部材13aを、当接させた状態で、
固定して、第2の井枠14bを形成し、その後地表面G
から所定長さ表出させた第2の井枠14bの上端部を前
記と同様に固定して第1、第2の井枠14a、14bか
らなる土留壁15b′を形成する第2の井枠形成工程と
を有する点である。
【0127】以上のように本発明の第16の実施の形態
に係るコンクリート深礎杭の構築方法によれば、本発明
の第6〜第11の実施の形態に係るコンクリート深礎杭
の構築方法と同様の効果を得ることができる。
【0128】続いて、本発明の第17の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。本
発明の第17の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法が、本発明の第16の実施の形態に係るコンク
リート深礎杭の構築方法と異なるのは、図18に示すよ
うに、縦穴11a内に、ほぼ同軸状で、かつ、平行状態
で配置された、複数のリング部材13aの外側に、該リ
ング部材13aの軸方向に沿って、複数の長尺板材12
aを張り詰めてなる、ほぼ筒状の第2の井枠14bを、
該第2の井枠14bの上端部を地表面Gから表出させ、
かつ、その下端部を第1の井枠14aの上端部に所定長
さ重ねた状態で配置すると共に、地表面Gから所定長さ
表出させた第2の井枠14bの上端部を前記と同様に固
定する第2の井枠配置工程とを有する点である。なお、
第2の井枠14bの上端部に予め棒状部材19を固定し
てもよい。
【0129】以上のように本発明の第17の実施の形態
に係るコンクリート深礎杭の構築方法によれば、予め形
成された第2の井枠14bを縦穴11a内に配置したの
で、作業性を向上させることができる。
【0130】続いて、本発明の第18の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。本
発明の第18の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法が、本発明の第1、第6、第11、第12の実
施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法と異なる
のは、図19に示すように、土留壁15a内に所定厚さ
コンクリート17を打設した後、第1の井枠14aを除
去し、その後、縦穴11a内にコンクリート17を打設
するコンクリート打設工程を有する点である。なお、こ
こで、所定厚さのコンクリートとは、井枠14aの下部
のみに打設してもよいし、また井枠14aの中間部又は
上部の一定高さまでコンクリートを打設してもよい(以
下の実施の形態においても同様)。
【0131】以上のように本発明の第18の実施の形態
に係るコンクリート深礎杭の構築方法によれば、コンク
リート17と地盤をより一体化することができ、コンク
リート深礎杭18aをより強固にすることができる(図
2参照)。
【0132】続いて、本発明の第19の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。本
発明の第19の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法が、本発明の第18の実施の形態に係るコンク
リート深礎杭の構築方法と異なるのは、図20に示すよ
うに、配筋工程の後に、第1の井枠14aを除去する除
去工程を有する点である。
【0133】以上のように本発明の第19の実施の形態
に係るコンクリート深礎杭の構築方法によれば、本発明
の第18の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築
方法と同様の効果を得ることができる。
【0134】続いて、本発明の第20の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。本
発明の第20の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法が、本発明の第4、第5の実施の形態に係るコ
ンクリート深礎杭の構築方法と異なるのは、図21に示
すように、土留壁内に所定厚さコンクリート17を打設
した後、第3の井枠14cを除去し、その後、縦穴11
c内にコンクリート17を打設し、その後、前記と同様
の動作を繰り返すコンクリート打設工程を有する点であ
る。
【0135】以上のように本発明の第20の実施の形態
に係るコンクリート深礎杭の構築方法によれば、本発明
の第18、第19の実施の形態に係るコンクリート深礎
杭の構築方法と同様の効果を得ることができる。
【0136】続いて、本発明の第21の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。本
発明の第21の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法が、本発明の第20の実施の形態に係るコンク
リート深礎杭の構築方法と異なるのは、図22に示すよ
うに、配筋工程の後に、第2、第3の井枠14b、14
cを除去した点である。
【0137】以上のように本発明の第21の実施の形態
に係るコンクリート深礎杭の構築方法によれば、本発明
の第18〜第20の実施の形態に係るコンクリート深礎
杭の構築方法と同様の効果が得られる。
【0138】続いて、本発明の第22の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。本
発明の第22の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法が、本発明の第20、21の実施の形態に係る
コンクリート深礎杭の構築方法と異なるのは、図23に
示すように、配筋工程の前に、第2、第3の井枠14
b、14cを除去した点である。
【0139】以上のように本発明の第22の実施の形態
に係るコンクリート深礎杭の構築方法によれば、本発明
の第18〜第21の実施の形態に係るコンクリート深礎
杭の構築方法と同様の効果が得られると共に、配筋する
前に第2、第3の井枠14b、14cを除去するので、
作業性を向上させることができる。
【0140】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではな
く、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用
範囲である。
【0141】例えば、リング部材として、細長い板状の
鉄板を、平面視してほぼ円形状等に屈曲すると共に、そ
の両端部に所定ピッチでピン孔13cが形成された、リ
ング部材13b(図3(b)参照)を用いてもよい。リ
ング部材13bを、複数の長尺板材12aの内周面に、
当接した状態で、ピン孔13cにピン(図示せず)を貫
通させるだけで、固定することができるので、作業性を
向上させることができる。
【0142】また、図24に示すように、縦穴11a内
に岩R1等が突出した場合は、それを避けて長尺板材1
2aを張り詰めてもよい。
【0143】更に、本発明の第12の実施の形態に係る
コンクリート深礎杭の構築方法においては、縦穴11a
の開口端の内径を、該縦穴11aの内径(φ1 )より大
きくしてもよい。これにより、第1の井枠14aを、容
易に縦穴11a内に配置することができる。
【0144】また、例えば、第2の井枠を形成した後、
第2の井枠降下用縦穴を形成し、その後、第2の井枠を
降下させる場合、浅い第2の井枠降下用縦穴を掘削した
後、第2の井枠を降下させ、その後、浅い第2井枠降下
用穴を掘削した後、第2の井枠を降下させるように、徐
々に降下させてもよい。これにより、例えば、地盤が柔
らかい所でも、地盤が崩れるのを確実に防止することが
でき、安全性を向上させることができる。また、本発明
の第15の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築
方法においては、第1、第2の井枠14a、14bは、
予め地表で組み立てた後、深く掘削した縦穴内に配置し
てもよい。
【0145】なお、前記それぞれの実施の形態におい
て、それぞれの井枠を構成する長尺板材の連接は、下部
の長尺板材の外側又は内側に上部の長尺板材を所定長さ
(例えば、10〜100cm)重ねてもよいし、下部の
長尺板材の上端に上部の長尺板材を載せてもよい。そし
て、上下に連接する井枠は、下部の井枠の上端部の外側
にその上部の井枠の下端部を重さねるのが取り外し上好
ましいが、下部の井枠の上端部の内側にその上部の井枠
の下端部を重さねてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の第1の実施の形態に係るコンク
リート深礎杭の構築方法の第1の井枠形成工程の説明図
である。 (b)同方法の第1の井枠形成工程の説明図である。
【図2】(a)同方法の配筋工程の説明図である。 (b)同方法のコンクリート打設工程の説明図である。
【図3】(a)同方法で組み立てられる第1の井枠に用
いられるリング部材の説明図である。 (b)同方法で組み立てられる第1の井枠に用いられる
他のリング部材の説明図である。
【図4】(a)本発明の第2の実施の形態に係るコンク
リート深礎杭の構築方法の第2の井枠形成工程の説明図
である。 (b)同方法の第2の井枠降下工程の説明図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係るコンクリート
深礎杭の構築方法の第2の井枠形成工程の説明図であ
る。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係るコンクリート
深礎杭の構築方法の第3の井枠形成工程の説明図であ
る。
【図7】本発明の第5の実施の形態に係るコンクリート
深礎杭の構築方法の第3の井枠形成工程の説明図であ
る。
【図8】本発明の第6の実施の形態に係るコンクリート
深礎杭の構築方法の第1の井枠形成工程の説明図であ
る。
【図9】本発明の第7の実施の形態に係るコンクリート
深礎杭の構築方法の第2の井枠形成工程の説明図であ
る。
【図10】本発明の第8の実施の形態に係るコンクリー
ト深礎杭の構築方法の第2の井枠形成工程の説明図であ
る。
【図11】本発明の第9の実施の形態に係るコンクリー
ト深礎杭の構築方法の第3の井枠形成工程の説明図であ
る。
【図12】本発明の第10の実施の形態に係るコンクリ
ート深礎杭の構築方法の第3の井枠形成工程の説明図で
ある。
【図13】本発明の第11の実施の形態に係るコンクリ
ート深礎杭の構築方法の第1の井枠固定工程の説明図で
ある。
【図14】(a)本発明の第12の実施の形態に係るコ
ンクリート深礎杭の構築方法の第1の井枠配置工程の説
明図である。 (b)同方法の第1の井枠配置工程の説明図である。
【図15】(a)本発明の第13の実施の形態に係るコ
ンクリート深礎杭の構築方法の第1の井枠形成工程の説
明図である。 (b)同方法の第1の井枠形成工程の説明図である。 (c)同方法の第2の井枠形成工程の説明図である。
【図16】(a)本発明の第14の実施の形態に係るコ
ンクリート深礎杭の構築方法の第1の井枠配置工程の説
明図である。 (b)同方法の第1の井枠配置工程の説明図である。
【図17】(a)本発明の第15の実施の形態に係るコ
ンクリート深礎杭の構築方法の第1の井枠形成工程又は
第1の井枠配置工程及び第2の井枠形成工程の説明図で
ある。 (b)同方法の第3の井枠形成工程の説明図である。
【図18】(a)本発明の第16である。第17の実施
の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法の第1の井
枠形成工程又は第1の井枠配置工程及び第1の井枠固定
工程の説明図である。 (b)同方法の第1の井枠降下工程及び第2の井枠形成
工程の説明図である。
【図19】(a)本発明の第18の実施の形態に係るコ
ンクリート深礎杭の構築方法のコンクリート打設工程の
説明図である。 (b)同方法のコンクリート打設工程の説明図である。
【図20】本発明の第19の実施の形態に係るコンクリ
ート深礎杭の構築方法の除去工程の説明図である。
【図21】(a)本発明の第20の実施の形態に係るコ
ンクリート深礎杭の構築方法のコンクリート打設工程の
説明図である。 (b)同方法のコンクリート打設工程の説明図である。
【図22】(a)本発明の第21の実施の形態に係るコ
ンクリート深礎杭の構築方法の配筋工程の説明図であ
る。 (b)同方法の配筋工程の説明図である。
【図23】(a)本発明の第22の実施の形態に係るコ
ンクリート深礎杭の構築方法の配筋工程の説明図であ
る。 (b)同方法の配筋工程の説明図である。
【図24】本発明の一実施の形態に係るコンクリート深
礎杭の構築方法の説明図である。
【図25】(a)従来の実施の形態に係るコンクリート
深礎杭の構築方法の土留壁形成工程の説明図である。 (b)同方法の土留壁形成工程の説明図である。 (c)同方法の土留壁形成工程の説明図である。 (d)同方法の配筋工程及びコンクリート打設工程の説
明図である。 (e)同方法のコンクリート打設工程の説明図である。
【図26】同方法で組み立てられる土留壁の要部側断面
図である。
【図27】同方法で組み立てられる土留壁の平面図であ
る。
【符号の説明】
11a 縦穴 11b 第2の
井枠降下用縦穴 11c 第2の井枠形成用縦穴 11f 第3の
井枠形成用縦穴 12a 長尺板材 13a リング
部材 13b リング部材 13c ピン孔 14a 第1の井枠 14a′ 第1
の井枠 14b 第2の井枠 14b′ 第2
の井枠 14c 第3の井枠 15a 土留壁 15b 土留壁 15b′ 土留
壁 16a 主筋 16b 連結筋
(フープ筋) 17 コンクリート 18a コンク
リート深礎杭 19 棒状部材 20a 波形鉄
板 21a 第2の井枠形成用縦穴 22a 第1の
井枠降下用縦穴 30 クレーン
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年12月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 コンクリート深礎杭の構築方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビルディング等の
建築物の基礎壁として利用されるコンクリート深礎杭の
構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ビルディング等の建築物の基礎壁
(又は地中壁という)として、該建築物の重量を岩盤等
に分散させるための、コンクリート製の基礎壁(以下コ
ンクリート深礎杭という)が広範に知られている。ここ
で、添付した図面を参照しつつ、従来の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。
【0003】まず、従来の実施の形態に係るコンクリー
ト深礎杭の構築方法で組み立てられる土留壁75につい
て説明する。この土留壁75は、図25(c)に示すよ
うに、地表面Gから岩盤Rまで掘削された連続縦穴71
の内壁に、連続的に固定された複数の井枠(以下第1〜
第15の井枠という)75a〜75qからなっている。
また、第1〜第15の井枠75a〜75qは、それぞ
れ、複数の波形鉄板72、及び、リング部材73からな
っている。
【0004】なお、波形鉄板72は、海鼠板とも称さ
れ、平面視して波形状で、かつ、所定の曲率半径(R
1 )を持って、屈曲形成されたものであり、その上端
部、及び、下端部には、所定のピッチで、複数のピン孔
72aが形成されている。また、リング部材73は、複
数の湾曲アングル73aの両端部同士を突き合わせると
共に、ボルト・ナット等の締結具73bで連結したもの
である。
【0005】また、湾曲アングル73aは、断面視して
ほぼL字状の鉄製アングルを、所定の曲率半径(R2
で、屈曲形成したものであり、その垂直部分には、波形
鉄板72のピン孔72aと、同ピッチで、複数のピン孔
73cが形成されている。更に、ピン74は、側面視し
てほぼJ字状で(すなわち、基端部が約180°屈曲形
成され)、かつ、その先端部が尖っている。
【0006】続いて、従来の実施の形態に係るコンクリ
ート深礎杭の構築方法について説明する。まず、図25
(a)に示すように、地表面Gに、所定の深さ(約95
cm)、及び、所定の内径を有する、丸い縦穴71aを
掘削した後、この縦穴71a内に、複数の波形鉄板72
を立て込める。なお、複数の波形鉄板72は、隣合う波
形鉄板72の両端部同士を、所定長さ重ねて、立て込め
られる。
【0007】次に、縦穴71a内に立て込められた複数
の波形鉄板72の上端部に、リング部材73をあてる。
なお、リング部材73は、該リング部材73のピン孔7
3cを、波形鉄板72のピン孔72aに符号させるもの
とする。次に、ピン74を、リング部材73のピン孔7
3c、及び、波形鉄板72のピン孔72aを貫通させる
と共に、そのまま地中深く差し込む。これにより、第1
の井枠75aが形成される。
【0008】次に、図26に示すように、縦穴71aの
底部を、所定の深さ(約80cm)、及び、所定の内径
で、掘り下げて、縦穴71bを形成した後、前記と同様
にして、この縦穴71b内に、複数の波形鉄板72を、
立て込める。なお、複数の波形鉄板72は、該複数の波
形鉄板72の上端部を、第1の井枠75aの内周面の下
端部に、所定長さ(約15cm)重ねて、立て込められ
る。
【0009】次に、縦穴71b内に立て込められた複数
の波形鉄板72の上端部に、リング部材73を、あてた
後、前記と同様にして、ピン74を、リング部材73の
ピン孔73c、及び、各波形鉄板72のピン孔72aを
貫通させると共に、そのまま、地中深く差し込む。これ
により、第2の井枠75bを形成する。
【0010】以下、図25(b)、(c)に示すよう
に、前記と同様の動作を繰り返して、第2の井枠75b
の下端部から、岩盤Rまで、順次、第3の井枠75c、
第4の井枠75d〜第15の井枠75qを形成する。こ
れにより、第1〜第15の井枠75a〜75qからな
る、所定長さの土留壁75が形成される。なお、連続縦
穴71は、各縦穴71a〜71qで構成されるものをい
う。
【0011】次に、土留壁75内に、主筋76a、及
び、連結筋76bを配筋した後、コンクリート77を、
最下段の、第15の井枠75qの半分程度の高さまで、
流し込む。次に、コンクリート77が乾燥する前に、最
下段の、第15の井枠75qを解体した後、波形鉄板7
2やリング部材73、ピン74等を、地表面Gに引き上
げる。
【0012】以下、前記と同様な動作を繰り返して、連
続縦穴71内にコンクリート77を打設する。これによ
り、従来の実施の形態に係るコンクリート深礎杭70が
形成される。
【0013】なお、図25〜図27中、符号80は、連
続縦穴71を跨いで、地表面Gに組まれた矢倉、符号8
1は矢倉80に取付けられた滑車、符号82は一端にフ
ック82aが取付けられたワイヤロープ、符号83は、
矢倉80に設置されて、ワイヤロープ82を巻回するウ
ィンチ、符号84は、コンクリート77を流すための流
し台、符号85は、土留壁75内にコンクリート77を
流し込むためのシュートである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の実施の形態に係るコンクリート深礎杭70の構築方
法では、波形鉄板72の大きさが、縦幅約950mm、
横幅約750mmで、重量が2kg〜5kg程度あるた
めに、該波形鉄板72が重く、かつ、持ち難いため、該
波形鉄板72を、それぞれの縦穴71a〜71q内に降
ろす作業や、それぞれの縦穴71a〜71q内に立て込
める作業、さらに、コンクリートを打設する際に、波形
鉄板72を引き上げる作業等が困難で、作業性に劣ると
いう問題点を有していた。また、リング部材73も鉄製
であるため、その重量が重く、このため、前記と同様
に、作業性に劣るという問題点を有していた。
【0015】また、コンクリート深礎杭70を、地盤の
柔らかいところや、水気の多いところに構築する場合、
縦穴71a〜71q内に、立て込められた波形鉄板72
が、横方向等に倒れ易いために、波形鉄板72を立て込
めることが困難で、作業性に劣るという問題点を有して
いた。このため、波形鉄板72を、地盤により深く差し
込まねばならないので、前記と同様に、作業性に劣ると
いう問題点を有していた。また、地盤の柔らかいところ
や、水気の多いところでは、たとえ、ピン74を差し込
んでも、波形鉄板72やリング部材73の重みで、抜け
易くなるために、これら波形鉄板72やリング部材73
が落下し易いという問題点を有していた。
【0016】また、縦に長いコンクリート深礎杭70を
構築する場合、連続縦穴71の深さが深くなるために、
図25(b)に示すように、波形鉄板72をロープ82
bで括った後、該ロープ82bをフック82aに引っ掛
けて、連続縦穴71の底部まで降ろしているが、波形鉄
板72がバランスを崩し易いために、落下する危険性が
あるという問題点を有していた。
【0017】また、連続縦穴71が深くなると、地盤の
土圧が高くなるために、ピン74を差し込むことが困難
になるという問題点を有していた。また、波形鉄板72
の幅が広いために、例えば、縦穴71a等を掘削する際
に硬い岩等をはつったりすることができない場合、波形
鉄板72がこの岩等にあたって、立て込めることが困難
になるという問題点を有していた。
【0018】また、波形鉄板72が、鉄製であるため
に、製造原価が高騰するため、波形鉄板72を大量に用
意することが困難な場合もあり、例えば、複数のコンク
リート深礎杭70を形成する場合、一のコンクリート深
礎杭70の構築に使用する波形鉄板72を、他のコンク
リート深礎杭70の構築にも使用しなければならないた
めに、複数のコンクリート深礎杭70を、同時に、平行
して、構築することができず、長い工期が必要になると
いう問題点を有していた。
【0019】また、第1の井枠75aの上端を、地表面
Gとほぼ面一になるように設置していたので、連続縦穴
71を掘削した際にでた土泥等や塵等が、該連続縦穴7
1内に落下し易く、このため、コンクリート77を打設
した際に、コンクリート77中に土泥等が混じってコン
クリート深礎杭70の機械的強度が低下するという問題
点を有していた。
【0020】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、製造原価を安価とすることができると共に、工
期を短縮化することができる、作業性に優れたコンクリ
ート深礎杭の構築方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載のコンクリート深礎杭の構築方法は、地表面に所定
深さで掘削された丸い縦穴の内壁に、複数の長尺板材を
縦に張り詰めた後、該縦に張り詰められた複数の長尺板
材の内周面に、少なくとも1以上のリング部材を、その
周方向に当接させて固定し、ほぼ筒状の第1の井枠から
なる土留壁を形成する第1の井枠形成工程と、前記土留
壁内に配筋する配筋工程と、該配筋工程で配筋された前
記土留壁内にコンクリートを打設するコンクリート打設
工程とを有する。
【0022】請求項2記載のコンクリート深礎杭の構築
方法は、地表面に所定深さで掘削された丸い縦穴の内壁
に、複数の長尺板材を縦に張り詰めた後、該縦に張り詰
められた複数の長尺板材の内周面に、少なくとも1以上
のリング部材を、その周方向に当接させて固定し、ほぼ
筒状の第1の井枠を形成する第1の井枠形成工程と、前
記第1の井枠の内周面に、複数の長尺板材を縦に張り詰
めた後、該縦に張り詰められた複数の長尺板材の内周面
に、少なくとも1以上のリング部材を、その周方向に当
接させて固定し、第2の井枠を形成する第2の井枠形成
工程と、前記縦穴の底部を所定深さまで掘り下げた第2
の井枠降下用縦穴内で、前記第2の井枠を、該第2の井
枠の上端部と前記第1の井枠の下端部が所定長さ重なる
まで降下させて、前記第1の井枠と第2の井枠とからな
る土留壁を形成する第2の井枠降下工程と、前記土留壁
内に配筋する配筋工程と、該配筋工程で配筋された前記
土留壁内にコンクリートを打設するコンクリート打設工
程とを有する。
【0023】請求項3記載のコンクリート深礎杭の構築
方法は、地表面に所定深さで掘削された丸い縦穴の内壁
に、複数の長尺板材を縦に張り詰めた後、該縦に張り詰
められた複数の長尺板材の内周面に、少なくとも1以上
のリング部材を、その周方向に当接させて固定し、ほぼ
筒状の第1の井枠を形成する第1の井枠形成工程と、前
記縦穴の底部を所定深さ掘り下げた第2の井枠形成用縦
穴の内壁に、複数の長尺板材を、該複数の長尺板材の上
部と前記第1の井枠の下部を、所定長さ重ねて縦に張り
詰めた後、該縦に張り詰められた複数の長尺板材の内周
面に、少なくとも1以上のリング部材を、その周方向に
当接させて固定し、第2の井枠を形成する第2の井枠形
成工程と、前記第2の井枠形成用縦穴の底部を更に所定
深さ掘り下げた第2の井枠降下用縦穴内で、前記第2の
井枠を、該第2の井枠の上端部と前記第1の井枠の下端
部が所定長さ重なるまで降下させて、前記第1の井枠と
第2の井枠とからなる土留壁を形成する第2の井枠降下
工程と、前記土留壁内に配筋する配筋工程と、該配筋工
程で配筋された前記土留壁内にコンクリートを打設する
コンクリート打設工程とを有する。
【0024】請求項4記載のコンクリート深礎杭の構築
方法は、請求項2又は3記載のコンクリート深礎杭の構
築方法において、前記第2の井枠形成工程、及び前記第
2の井枠降下工程をそれぞれ複数回繰り返して、少なく
とも3以上の井枠からなる前記土留壁を形成する。
【0025】請求項5記載のコンクリート深礎杭の構築
方法は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンクリ
ート深礎杭の構築方法において、前記第1の井枠形成工
程に代えて、地表面に所定深さで掘削された丸い縦穴内
に、ほぼ同軸状でかつ平行状態に配置された複数のリン
グ部材の外側に、該複数のリング部材の軸方向に沿っ
て、複数の長尺板材を張り詰めた筒状の第1の井枠を、
該第1の井枠の上端部を前記地表面から表出させ、か
つ、該第1の井枠の内部を開口させた状態で埋設した
後、該第1の井枠の上端部を前記地表面に固定して、前
記第1の井枠の落下を防止する第1の井枠配置工程を備
える。
【0026】請求項6記載のコンクリート深礎杭の構築
方法は、請求項2〜4のいずれか1項に記載のコンクリ
ート深礎杭の構築方法において、前記第1の井枠形成工
程に代えて、地表面に所定深さで掘削された丸い縦穴の
内壁に、複数の波形鉄板を、該波形鉄板の上端部を前記
地表面から表出させると共に、隣り合う波形鉄板の端部
同士を所定長さ重ねて立て込めた後、該立て込められた
複数の波形鉄板の内周面に、少なくとも1以上のリング
部材を、その周方向に当接させて固定し、第1の井枠か
らなる土留壁を形成する第1の井枠形成工程を備える。
【0027】請求項7記載のコンクリート深礎杭の構築
方法は、請求項2〜4のいずれか1項に記載のコンクリ
ート深礎杭の構築方法において、前記第1の井枠形成工
程に代えて、地表面に所定深さで掘削された丸い縦穴内
に、ほぼ同軸状でかつ平行状態に配置された複数のリン
グ部材の外側に、該複数のリング部材の軸方向に沿っ
て、複数の波形鉄板を、隣り合う波形鉄板の端部同士を
所定長さ重ねて、張り詰めてなるほぼ筒状の第1の井枠
を、該第1の井枠の上端部を前記地表面から表出させ、
かつ、該第1の井枠の内部を開口させた状態で埋設する
第1の井枠配置工程を備える。
【0028】請求項8記載のコンクリート深礎杭の構築
方法は、地表面に所定深さで掘削された丸い縦穴の内壁
に、複数の長尺板材を縦に張り詰めた後、該縦に張り詰
められた複数の長尺板材の内周面に、少なくとも1以上
のリング部材を、その周方向に当接させて固定し、ほぼ
筒状の第1の井枠を形成する第1の井枠形成工程と、前
記縦穴の底部を所定深さ掘り下げた第1の井枠降下用縦
穴内で、前記第1の井枠を降下させる第1の井枠降下工
程と、前記縦穴の内壁に、複数の長尺板材を、該複数の
長尺板材の下端部を前記第1の井枠の上端部に所定長さ
重ねて縦に張り詰めた後、該張り詰められた複数の長尺
板材の内周面に、少なくとも1以上のリング部材を、そ
の周方向に当接させて固定し、第2の井枠を形成して、
第1の井枠及び第2の井枠からなる土留壁を形成する第
2の井枠形成工程と、前記土留壁内に配筋する配筋工程
と、該配筋工程で配筋された前記土留壁内にコンクリー
トを打設するコンクリート打設工程とを有する。
【0029】請求項9記載のコンクリート深礎杭の構築
方法は、請求項8記載のコンクリート深礎杭の構築方法
において、前記第2の井枠形成工程に代えて、前記縦穴
内に、ほぼ同軸状でかつ平行状態に配置された複数のリ
ング部材の外側に、該複数のリング部材の軸方向に沿っ
て、複数の長尺板材を張り詰めてなるほぼ筒状の第2の
井枠を、該第2の井枠の下端部を前記第1の井枠の上端
部に所定長さ重ねて配置する第2の井枠配置工程を備え
る。
【0030】請求項10記載のコンクリート深礎杭の構
築方法は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンク
リート深礎杭の構築方法において、前記第1の井枠を上
端部を地表面から表出させる。請求項11記載のコンク
リート深礎杭の構築方法は、請求項8又は9記載のコン
クリート深礎杭の構築方法において、前記第2の井枠を
上端部を地表面から表出させる。
【0031】請求項12記載のコンクリート深礎杭の構
築方法は、請求項10記載のコンクリート深礎杭の構築
方法において、前記第1の井枠の地表面から表出した上
端部を、該地表面に固定する。請求項13記載のコンク
リート深礎杭の構築方法は、請求項11記載のコンクリ
ート深礎杭の構築方法において、前記第2の井枠の地表
面から表出した上端部を、該地表面に固定する。
【0032】請求項14記載のコンクリート深礎杭の構
築方法は、請求項1記載のコンクリート深礎杭の構築方
法において、前記コンクリート打設工程に代えて、前記
第1の井枠によって形成された土留壁内に、該第1の井
枠の所定深さまでコンクリートを打設し、該コンクリー
トが硬化しない内に該第1の井枠を除去した後、更にコ
ンクリートを打設するコンクリート打設工程を備える。
【0033】請求項15記載のコンクリート深礎杭の構
築方法は、請求項1〜13のいずれか1項に記載のコン
クリート深礎杭の構築方法において、前記配筋工程に代
えて、前記土留壁内に配筋した後、少なくとも前記第1
の井枠を除去するする工程を備える。
【0034】請求項16記載のコンクリート深礎杭の構
築方法は、請求項2〜4のいずれか1項に記載のコンク
リート深礎杭の構築方法において、前記コンクリート打
設工程に代えて、下部の前記井枠によって形成された土
留壁内に、該井枠の所定深さまでコンクリートを打設
し、該コンクリートが硬化しない内に該井枠を除去し、
次に、同一手順を繰り返すことによって更に上部の前記
井枠を除去し、コンクリートを打設するコンクリート打
設工程を備える。
【0035】ここで、縦穴等の内径や深さは、特に規定
されるものではなく、例えば、コンクリート深礎杭の外
径や長さ等、或いはこれによって定まる長尺板材の長さ
等によって適宜選択されてよい。また、縦穴等を掘削す
る方法としては、人力で掘削する方法や、ユンボ等の重
機で掘削する方法等、種々の方法が挙げられる。
【0036】また、縦穴等を掘削した際にでる土泥(以
下排土という)を掻き出す方法としては、種々の方法が
挙げられる。例えば、浅い縦穴等を掘削する場合は、人
力で掻き出す方法や、ショベル等の重機で掻き出す方法
等が挙げられる。
【0037】また、深い縦穴等を掘削する場合等は、縦
穴を跨いで矢倉を組むと共に、該矢倉に滑車を設け、更
に該滑車にワイヤロープを掛止すると共に、該ワイヤロ
ープの一端にバケット等の容器、他端にウィンチ等の昇
降手段を取付け、該昇降手段を駆動させて、排土を掻き
出してもよい。また、矢倉等を組む代わりにクレーン等
の重機を用いてもよい。
【0038】また、長尺板材の材質としては、特に規定
されるものではないが、杉等の木製、鉄等の金属製、塩
化ビニール等の合成樹脂製等が挙げられる。なお、該長
尺板材の材質は、構築方法によって、適宜選択されてよ
い。例えば、該長尺板材を地中に残す場合は、杉等の木
製等を使用し、該長尺板材を解体して引き上げる場合
は、鉄等の金属製、塩化ビニール等の合成樹脂製のもの
を使用してもよい。
【0039】また、長尺板材の大きさは、特に規定され
るものではなく、前記と同様に、コンクリート深礎杭の
外径や長さ等によって適宜選択されるものである。な
お、長尺板材に木製のものを使用したときは、例えば、
長さ(LP )が約2〜4m程度、幅(WP )が約105
mm程度、厚さ(tP )が10〜15mm程度のもの等
を使用するのが好ましい(図1(b)参照)。これは、
この大きさのものが、一般に市販されているために、入
手し易いからである。また、複数の長尺板材を木製とす
ると、低コストで井枠を形成することができると共に、
軽量なので、作業性を向上させることができる。なお、
長尺板材は、縦に張り詰めるだけでなく、場合によって
は、多少斜めに傾けて張り詰めてもよい。
【0040】また、リング部材としては、熱間圧延鉄筋
(SR)等の普通鉄筋(又は直筋という)や、熱間圧延
異形鉄筋(SD)や冷間加工圧延鉄筋(SDC)等の異
形鉄筋を、丸く曲げた(又は平面視してほぼ円形状に屈
曲形成したという)もの(図3(a)参照)や、細長い
板状の鉄板等を丸く曲げたもの(図3(b)参照)等が
挙げられる。また、縦穴の内壁に縦に張り詰められた複
数の長尺板材(以下土留壁体という)の内径とほぼ同径
状に屈曲された状態で、溶接等したものも使用すること
ができる。
【0041】また、リング部材を固定する方法として
は、該リング部材を、縦穴の内壁に複数の長尺板材を縦
に張り詰めてなる土留壁体の内径とほぼ同径状とし、か
つ、このリング部材を前記土留壁体内に押圧状態で押し
込む方法や、前記土留壁体の内周面にリング部材をあて
ると共に、前記複数の長尺板材に、細い結束線や、太い
番線等の線条部材で、括り付ける方法等が挙げられる。
【0042】また、前記リング部材は、所定の長さ重ね
た状態に屈曲形成すると、前記重ねられた、所定長さの
分だけ、該リング部材の周長を、自由に変更することが
できるので、コンクリート深礎杭の外径等に応じて適宜
変更される土留壁体の内径等に応じて、その周長を自由
に変更させて、容易にあてることができる。
【0043】また、第1、第2の井枠を地表面から表出
させる場合、この表出高さとしては、特に規定されるも
のではなく、例えば、後述する棒状部材の大きさ等に応
じて適宜選択されてよい。また、構築作業の作業性等を
考慮して邪魔にならない高さにしてもよい。具体的に
は、前記の理由から、5cm〜20cm程度とされるの
が望ましい(図8〜図12中、符号L4 参照)。
【0044】また、第1の井枠や第2の井枠の上端部を
地表面に固定する方法としては、地表面に、縦穴を跨が
せると共に、第1、第2の井枠の上端部外縁に当接させ
た状態で、少なくとも1以上の棒状部材を配置した後、
棒状部材とリング部材を緊結して、地表面に第1、第2
の井枠を固定する方法等が挙げられる。これにより、容
易に第1、第2の井枠を固定することができ、作業性や
信頼性を向上させることができる。なお、第1、第2の
井枠の上端部を地表面に固定する際に使用する棒状部材
としては、該第1、第2の井枠を支持することができれ
ば、特に規定されるものではなく、例えば、鉄製等の金
属製等の管状部材(パイプ)や、木製等の角材等を使用
することができる。
【0045】また、鉄筋を配筋する場合は、まず、土留
壁体内で所定のフープ筋をリング部材と接合して鉄筋の
かぶりを調整した後、主筋を配筋するのが好ましい。ま
た、鉄筋を丘組した場合は、この丘組した鉄筋を前記昇
降手段で縦穴内に配置する際に鉄筋のかぶりを、リング
部材と接合させながら調整してもよい。
【0046】また、縦に長いコンクリート深礎杭を構築
する場合は、連続縦穴が深くなって、該連続縦穴の底部
の酸素が不足することが考えられるために、送風ダクト
等を利用して、連続縦穴の底部まで酸素を供給するのが
望ましい。
【0047】なお、本発明のコンクリート深礎杭の構築
方法によれば、深さが、約2m〜約30mで、かつ、直
径が、約1m〜約3.5m程度のコンクリート深礎杭を
形成することができる。
【0048】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。なお、各実施の形態において同様の
構成のものについては同一の符号を付して説明を省略す
る。
【0049】図1〜図3を参照しつつ、本発明の第1の
実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法につい
て説明する。まず、図1(a)に示すように、地表面G
に、所定の深さ(d1 )、及び、所定の内径(φ1 )を
有する、丸い縦穴11a(なお、以下の実施の形態にお
いて、深さ及び内径が異なる縦穴は全て11aで表す)
を掘削する。次に、図1(b)に示すように、縦穴11
aの内壁に、長さ(LP )が約2〜4m程度、幅
(WP )が約105mm程度、厚さ(tP )が10〜1
5mm程度の、木製の、複数の長尺板材12aを、縦
に、張り詰める。なお、縦穴11aの深さ(d1 )と、
長尺板材12aの長さ(LP )は、同じとした。次に、
図1(b)に示すように、縦穴11aの内壁に張り詰め
られた、複数の長尺板材12aの内周面に、図3(a)
に示すように、鉄筋を丸く曲げると共に、その端部同士
を所定長さ重ねて、その周長を可変可能とした、リング
部材13aを当接させると共に、該リング部材13aの
端部同士を、番線等の線条部材(図示せず)で、締結す
る。これにより、第1の井枠14aからなる土留壁15
aが形成される(第1の井枠形成工程)。次に、図2
(a)に示すように、土留壁15a内に、主筋16a、
及び、連結筋(又はフープ筋という)16bを配筋する
(配筋工程)。最後に、図2(b)に示すように、土留
壁15a内に、コンクリート17を投入した後、所定期
間、養生する(コンクリート打設工程)。これにより、
コンクリート深礎杭18aが形成される。
【0050】以上のように本発明の第1の実施の形態に
係るコンクリート深礎杭の構築方法によれば、従来の波
形鉄板に比べて長尺な、複数の長尺板材12aを縦に張
り詰めているので、縦穴11aの深さを深くすることが
でき、この結果、作業性を向上させることができる。ま
た、該長尺板材12aが、木製で、軽量なので、該長尺
板材12aを縦穴11a内に降ろす作業や、張り詰める
作業を容易に実施することができる。また、該長尺板材
12aが、木製なので、製造コストを低減することがで
きる。また、縦穴11aの内壁に張り詰めた複数の長尺
板材12aの内周面に、リング部材13aを配置するだ
けなので、作業性を向上させることができると共に、製
造コストを低減することができる。
【0051】続いて、図4を参照しつつ、本発明の第2
の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法につ
いて説明する。まず、前記第1の井枠形成工程と同様に
して、縦穴11a内に、第1の井枠14aを形成する
(図1(a)、(b)参照)。次に、図4(a)に示す
ように、前記第1の井枠形成工程と同様にして、第1の
井枠14a内に、第2の井枠14bを形成する(第2の
井枠形成工程)。次に、縦穴11aの底部を、掘り下げ
て、所定の深さ(d2 )、及び、所定の内径(φ2 )を
有する、丸い第2の井枠降下用縦穴11bを形成する。
次に、第2の井枠14bを、該第2の井枠14bの上端
部が、第1の井枠14aの下端部に、所定の長さ(L
1 、例えば10〜100cm)重なるまで、降下させ
る。これにより、第1、第2の井枠14a、14bから
なる土留壁15bが形成される(第2の井枠降下工
程)。以下、前記配筋工程、及び、前記コンクリート打
設工程と同様にして、土留壁15b内に、配筋した後、
コンクリート17を打設することにより、コンクリート
深礎杭(図示せず)を形成する。以上のように本発明の
第2の実施の形態に係るコンクリート深礎杭によれば、
本発明の第1の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法と同様の効果が得られる他、長尺なコンクリー
ト深礎杭を形成することができる。
【0052】続いて、図5を参照しつつ、本発明の第3
の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法につ
いて説明する。まず、前記第1の井枠形成工程と同様に
して、縦穴11a内に、第1の井枠14aを形成する
(図1(a)、(b)参照)。次に、図5に示すよう
に、縦穴11aの底部を、掘り下げて、所定の深さ(d
3 )、及び、所定の直径(φ2 )を有する、丸い第2の
井枠形成用縦穴11cを形成する。次に、第2の井枠形
成用縦穴11c内に、前記と同様で、かつ、複数の長尺
板材12aの上部を、第1の井枠14aの下部に、所定
長さ(L2 )重ねて、縦に張り詰めながら、第2の井枠
14bを形成する(第2の井枠形成工程)。次に、第2
の井枠形成用縦穴11cの底部を、所定深さ掘り下げ
て、所定の深さ、及び、所定の直径(φ2 )を有する、
丸い第2の井枠降下用縦穴(図示せず)を形成する。な
お、この第2の井枠降下用縦穴の深さは、前記第2の井
枠降下用縦穴11bの深さ(d2 )と、前記第2の井枠
形成用縦穴11cの深さ(d3 )の差とする。次に、第
2の井枠14bを、該第2の井枠14bの上端部が、第
1の井枠14aの下端部に、所定長さ(L1 )重なるま
で、降下させる(図4(b)参照)。これにより、第
1、第2の井枠14a、14bからなる土留壁15bが
形成される(第2の井枠降下工程)。以下、前記配筋工
程、及び、前記コンクリート打設工程と同様にして、土
留壁15b内に、配筋した後、コンクリート17を打設
することにより、コンクリート深礎杭(図示せず)を形
成する。以上のように本発明の第3の実施の形態に係る
コンクリート深礎杭の構築方法によれば、本発明の第2
の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法と同
様の効果が得られる他、第2の井枠14bを徐々に降下
させることができるので、安全性を向上させることがで
きる。
【0053】続いて、図6を参照しつつ、本発明の第4
の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法につ
いて、説明する。まず、本発明の第2又は第3の実施の
形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法と同様にし
て、第1、第2の井枠14a、14bからなる土留壁1
5bを形成する(図4(b)参照)。次に、図6に示す
ように、本発明の第2の実施の形態に係るコンクリート
深礎杭の構築方法における、前記第2の井枠形成工程と
同様にして、該第2の井枠14b内に、第3の井枠14
cを形成する(第3の井枠形成工程)。次に、本発明の
第2の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法
における、前記第2の井枠降下工程と同様にして、第2
の井枠降下用縦穴11bの底部を、掘り下げて、所定の
深さ、及び、所定の直径を有する、丸い第3の井枠降下
用縦穴(図示せず)を形成する。次に、第3の井枠14
cを、該第3の井枠14cの上端部が、第2の井枠14
bの下端部に、所定長さ重なるまで、降下させる。これ
により、第1〜第3の井枠14a〜14cからなる土留
壁(図示せず)が形成される(第3の井枠降下工程)。
以下、前記配筋工程、及び、前記コンクリート打設工程
と同様にして、土留壁内に、配筋した後、コンクリート
17を打設することにより、コンクリート深礎杭(図示
せず)が形成される。以上のように本発明の第4の実施
の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法によれば、
本発明の第2の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法と同様の効果を得ることができる。
【0054】続いて、図7を参照しつつ、本発明の第5
の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法につ
いて、説明する。本発明の第2又は第3の実施の形態に
係るコンクリート深礎杭の構築方法と同様にして、第
1、第2の井枠14a、14bからなる土留壁15bを
形成する(図4(b)参照)。次に、本発明の第3の実
施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法におけ
る、前記第2の井枠形成工程と同様にして、第2の井枠
降下用縦穴11bの底部を、掘り下げて、所定の深さ
(d3 )、及び、所定の直径(φ3 )を有する、丸い第
3の井枠形成用縦穴11fを形成する。次に、前記第2
の井枠形成工程と同様にして、第3の井枠形成用縦穴1
1f内に、第3の井枠14cを形成する。次に、前記第
2の井枠降下工程と同様にして、第3の井枠形成用縦穴
11fの底部を、掘り下げて、所定の深さ、及び、所定
の直径(φ3 )を有する、丸い第3の井枠降下用縦穴
(図示せず)を形成する。次に、前記第2の井枠降下工
程と同様にして、第3の井枠14cを、該第3の井枠1
4cの上端部が、第2の井枠14bの下端部に、所定長
さ重なるまで、降下させる。これにより、第1〜第3の
井枠14a〜14cからなる土留壁(図示せず)が形成
される(第3の井枠降下工程)。以下、前記配筋工程、
及び、前記コンクリート打設工程と同様にして、土留壁
内に、配筋した後、コンクリート17を打設することに
より、コンクリート深礎杭(図示せず)を形成する。以
上のように本発明の第5の実施の形態に係るコンクリー
ト深礎杭の構築方法によれば、本発明の第3の実施の形
態に係るコンクリート深礎杭の構築方法と同様の効果を
得ることができる。
【0055】続いて、本発明の第6〜第10の実施の形
態に係るコンクリート深礎杭の構築方法について説明す
る。本発明の第6〜第10の実施の形態に係るコンクリ
ート深礎杭の構築方法が、本発明の第1〜第5の実施の
形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法と異なるの
は、図8〜図12に示すように、地表面Gから、縦穴1
1aの内壁に張り詰められる複数の長尺板材12a(又
は第1の井枠14a)の上端部を、所定長さ(L4 )、
表出させた点である。以上のように本発明の第6〜第1
0の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法に
よれば、本発明の第1〜第5の実施の形態に係るコンク
リート深礎杭の構築方法と同様の効果を得ることができ
る他、縦穴11aの内壁に張り詰められる複数の長尺板
材12aの上端部を、所定長さ(L4 )、表出させたの
で、縦穴11aを掘削した際に、掘り返された土泥(以
下排土という)が、縦穴11aに落ち込むのを防止する
ことができ、この結果、土留壁内にコンクリート17を
打設する際、コンクリート17内に土泥等が混じって、
コンクリート深礎杭の強度が低下するのを防止すること
ができる。
【0056】続いて、本発明の第11の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。本
発明の第11の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法が、本発明の第6〜第10の実施の形態に係る
コンクリート深礎杭の構築方法と異なるのは、図13に
示すように、地表面Gに、所定長さ(L4 )、表出され
た第1の井枠14aの上端部を固定する第1の井枠固定
工程を有する点である。なお、地表面Gから所定長さ
(L4 )表出された第1の井枠14aの上端部の外縁
に、縦穴11aに跨がって、鉄製等の金属製等の管状部
材(パイプ)等の棒状部材19を配置すると共に、該棒
状部材19と、第1の井枠14aのリング部材13aと
を、番線等の線条部材(図示せず)で結束して、固定し
ている。以上のように本発明の第11の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法によれば、本発明の第
6〜第10の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構
築方法と同様の効果が得られる他、第1の井枠14aが
下方に落下するのを確実に防止することができる。
【0057】続いて、本発明の第12の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。本
発明の第12の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法が、本発明の第6〜第10の実施の形態に係る
コンクリート深礎杭の構築方法と異なるのは、図14に
示すように、地表面Gに所定深さで掘削された縦穴11
a内に、予め地表で形成された、ほぼ同軸状で、かつ、
平行状態で配置された、複数のリング部材13aの外側
に、該リング部材13aの軸方向に沿って、複数の長尺
板材12aを張り詰めてなる、ほぼ筒状の第1の井枠1
4aを、その上端部を地表面Gから表出させ、かつ、そ
の内部を開口させた状態で、埋設した後、第1の井枠1
4aの上端部を、地表面Gに固定する第1の井枠配置工
程を有する点である。なお、複数のリング部材13aに
長尺板材12aを張り詰める方法としては、例えば2〜
4本の長尺板材12aに適当な隙間を設けて複数のリン
グ部材13aを固定した後、残りの長尺板材12aを取
付ける方法等がある。なお、図14中、符号30は、第
1の井枠14aを吊下するためのクレーンである。以上
のように本発明の第12の実施の形態に係るコンクリー
ト深礎杭の構築方法によれば、本発明の第6〜第11の
実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法と同様
の効果を得ることができる。
【0058】続いて、本発明の第13の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。本
発明の第13の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法が、第2〜第5、第7〜第10の実施の形態に
係るコンクリート深礎杭の構築方法と異なるのは、図1
5に示すように、地表面Gに所定深さで掘削された縦穴
11aの内壁に、複数の波形鉄板20aを、該波形鉄板
20aの上端部を、地表面Gから表出させて立て込める
と共に、該立て込められた複数の波形鉄板20aの内周
面に、その周方向に沿って、リング部材13aを、当接
させた状態で、固定し、第1の井枠14a′を形成する
第1の井枠形成工程を有する点である。以上のように本
発明の第13の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法によれば、本発明の第6〜第11の実施の形態
に係るコンクリート深礎杭の構築方法と同様の効果が得
られる他、従来使用していた波形鉄板20aを廃棄する
ことなく使用することができ、製造コストを低減するこ
とができる。
【0059】続いて、本発明の第14の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。本
発明の第14の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法が、本発明の第13の実施の形態に係るコンク
リート深礎杭の構築方法と異なるのは、図16に示すよ
うに、地表面Gに所定深さで掘削された縦穴11a内
に、予め地上で形成された、ほぼ同軸状で、かつ、平行
状態で配置された、複数のリング部材13aの外側に、
該リング部材13aの軸方向に沿って、複数の波形鉄板
20aを張り詰めてなる、ほぼ筒状の第1の井枠14
a′を、該第1の井枠14a′の上端部を、地表面Gか
ら表出させ、かつ、その内部を開口させた状態で、埋設
する第1の井枠配置工程を有する点である。なお、図1
6中、符号30は、第1の井枠14a′を吊下するため
のクレーンである。以上のように本発明の第14の実施
の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法によれば、
本発明の第6〜第11の実施の形態に係るコンクリート
深礎杭の構築方法と同様の効果が得られる他、予め形成
された第1の井枠14a′を、縦穴11a内に配置した
ので、作業性を向上させることができる。
【0060】続いて、本発明の第15の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。本
発明の第15の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法が、本発明の第4、第5、第9、第10、第1
3、第14の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構
築方法と異なるのは、図17に示すように、縦穴11a
の底部を、所定深さ掘り下げて、第2の井枠形成用縦穴
21aを形成した後、第2の井枠形成用縦穴21aの内
壁に、その所定部を、第1の井枠14a′の内周面に重
ねた状態で、複数の波形鉄板20aを立て込めると共
に、該立て込められた複数の波形鉄板20aの内周面
に、その周方向に沿って、リング部材13aを、当接さ
せた状態で、固定し、第2の井枠14b′を形成する第
2の井枠形成工程を有する点である。以上のように本発
明の第15の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構
築方法によれば、本発明の第13、第14の実施の形態
に係るコンクリート深礎杭の構築方法と同様の効果を得
ることができる。
【0061】続いて、本発明の第16の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。本
発明の第16の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法が、本発明の第2〜第5、第7〜第10の実施
の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法と異なるの
は、図18に示すように、縦穴11aの底部を、所定深
さ掘り下げて、第1の井枠降下用縦穴22aを形成した
後、第1の井枠14aを、第1の井枠降下用縦穴22a
の底部まで降下させる第1の井枠降下工程と、縦穴11
aの内壁に、複数の長尺板材12aを、該長尺板材12
aの上端部を地表面Gから表出させ、かつ、その下端部
を第1の井枠14aの上端部に所定長さ重ねた状態で、
縦に張り詰めた後、該縦に張り詰められた複数の長尺板
材12aの内周面に、その周方向に沿って、少なくとも
1以上のリング部材13aを、当接させた状態で、固定
して、第2の井枠14bを形成し、その後地表面Gから
所定長さ表出させた第2の井枠14bの上端部を前記と
同様に固定して第1、第2の井枠14a、14bからな
る土留壁15b′を形成する第2の井枠形成工程とを有
する点である。以上のように本発明の第16の実施の形
態に係るコンクリート深礎杭の構築方法によれば、本発
明の第6〜第11の実施の形態に係るコンクリート深礎
杭の構築方法と同様の効果を得ることができる。
【0062】続いて、本発明の第17の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。本
発明の第17の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法が、本発明の第16の実施の形態に係るコンク
リート深礎杭の構築方法と異なるのは、図18に示すよ
うに、縦穴11a内に、予め地上で形成された、ほぼ同
軸状で、かつ、平行状態で配置された、複数のリング部
材13aの外側に、該リング部材13aの軸方向に沿っ
て、複数の長尺板材12aを張り詰めてなる、ほぼ筒状
の第2の井枠14bを、該第2の井枠14bの上端部を
地表面Gから表出させ、かつ、その下端部を第1の井枠
14aの上端部に所定長さ重ねた状態で配置すると共
に、地表面Gから所定長さ表出させた第2の井枠14b
の上端部を前記と同様に固定する第2の井枠配置工程と
を有する点である。なお、第2の井枠14bの上端部に
予め棒状部材19を固定してもよい。以上のように本発
明の第17の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構
築方法によれば、予め形成された第2の井枠14bを縦
穴11a内に配置したので、作業性を向上させることが
できる。
【0063】続いて、本発明の第18の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。本
発明の第18の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法が、本発明の第1、第6、第11、第12の実
施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法と異なる
のは、図19に示すように、土留壁15a内に所定厚さ
コンクリート17を打設した後、第1の井枠14aを除
去し、その後、縦穴11a内にコンクリート17を打設
するコンクリート打設工程を有する点である。なお、こ
こで、所定厚さのコンクリートとは、井枠14aの下部
のみに打設してもよいし、また井枠14aの中間部又は
上部の一定高さまでコンクリートを打設してもよい(以
下の実施の形態においても同様)。以上のように本発明
の第18の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築
方法によれば、コンクリート17と地盤をより一体化す
ることができ、コンクリート深礎杭18aをより強固に
することができる(図2参照)。
【0064】続いて、本発明の第19の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。本
発明の第19の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法が、本発明の第18の実施の形態に係るコンク
リート深礎杭の構築方法と異なるのは、図20に示すよ
うに、配筋工程の後に、第1の井枠14aを除去する除
去工程を有する点である。以上のように本発明の第19
の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法によ
れば、本発明の第18の実施の形態に係るコンクリート
深礎杭の構築方法と同様の効果を得ることができる。
【0065】続いて、本発明の第20の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。本
発明の第20の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法が、本発明の第4、第5の実施の形態に係るコ
ンクリート深礎杭の構築方法と異なるのは、図21に示
すように、土留壁の第3の井枠11c内に所定厚さコン
クリート17を打設した後、第3の井枠14cを除去
し、その後、縦穴11c内にコンクリート17を打設
し、その後、前記と同様の動作を繰り返すコンクリート
打設工程を有する点である。以上のように本発明の第2
0の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法に
よれば、本発明の第18、第19の実施の形態に係るコ
ンクリート深礎杭の構築方法と同様の効果を得ることが
できる。
【0066】続いて、本発明の第21の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。本
発明の第21の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法が、本発明の第20の実施の形態に係るコンク
リート深礎杭の構築方法と異なるのは、図22に示すよ
うに、配筋工程の後に、第2、第3の井枠14b、14
cを除去した点である。以上のように本発明の第21の
実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方法によれ
ば、本発明の第18〜第20の実施の形態に係るコンク
リート深礎杭の構築方法と同様の効果が得られる。
【0067】続いて、本発明の第22の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法について説明する。本
発明の第22の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の
構築方法が、本発明の第20、21の実施の形態に係る
コンクリート深礎杭の構築方法と異なるのは、図23に
示すように、配筋工程の前に、第2、第3の井枠14
b、14cを除去した点である。以上のように本発明の
第22の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築方
法によれば、本発明の第18〜第21の実施の形態に係
るコンクリート深礎杭の構築方法と同様の効果が得られ
ると共に、配筋する前に第2、第3の井枠14b、14
cを除去するので、作業性を向上させることができる。
【0068】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではな
く、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用
範囲である。
【0069】例えば、リング部材として、細長い板状の
鉄板を、平面視してほぼ円形状等に屈曲すると共に、そ
の両端部に所定ピッチでピン孔13cが形成された、リ
ング部材13b(図3(b)参照)を用いてもよい。リ
ング部材13bを、複数の長尺板材12aの内周面に、
当接した状態で、ピン孔13cにピン(図示せず)を貫
通させるだけで、固定することができるので、作業性を
向上させることができる。
【0070】また、図24に示すように、縦穴11a内
に岩R1等が突出した場合は、それを避けて長尺板材1
2aを張り詰めてもよい。
【0071】更に、本発明の第12の実施の形態に係る
コンクリート深礎杭の構築方法においては、縦穴11a
の開口端の内径を、該縦穴11aの内径(φ1 )より大
きくしてもよい。これにより、第1の井枠14aを、容
易に縦穴11a内に配置することができる。
【0072】また、例えば、第2の井枠を形成した後、
第2の井枠降下用縦穴を形成し、その後、第2の井枠を
降下させる場合、浅い第2の井枠降下用縦穴を掘削した
後、第2の井枠を降下させ、その後、浅い第2井枠降下
用穴を掘削した後、第2の井枠を降下させるように、徐
々に降下させてもよい。これにより、例えば、地盤が柔
らかい所でも、地盤が崩れるのを確実に防止することが
でき、安全性を向上させることができる。また、本発明
の第15の実施の形態に係るコンクリート深礎杭の構築
方法においては、第1、第2の井枠14a′、14b′
は、予め地表で組み立てた後、深く掘削した縦穴内に配
置してもよい。
【0073】なお、前記それぞれの実施の形態におい
て、それぞれの井枠を構成する長尺板材の連接は、下部
の長尺板材の外側又は内側に上部の長尺板材を所定長さ
(例えば、10〜100cm)重ねてもよいし、下部の
長尺板材の上端に上部の長尺板材を載せてもよい。そし
て、上下に連接する井枠は、下部の井枠の上端部の外側
にその上部の井枠の下端部を重さねるのが取り外し上好
ましいが、下部の井枠の上端部の内側にその上部の井枠
の下端部を重さねてもよい。
【0074】
【発明の効果】請求項1〜16記載のコンクリート深礎
杭の構築方法においては、縦穴の内壁に、複数の長尺板
材を縦に張り詰めているので、該長尺板材が、従来の波
形鉄板に比べて、長尺であるために、縦穴の深さを深く
することができ、この結果、従来に比べて、土留壁を構
成する井枠を形成する作業の繰り返し数を低減すること
ができ、作業性を向上させることができる。また、従来
の波形鉄板に比べて、該長尺板材を軽量化することがで
きるので、該長尺板材をそれぞれの縦穴内に降ろす作業
や、それぞれの縦穴内に立て込める作業、さらに、コン
クリート打設作業の際に、該長尺板材を引き上げる作業
等を簡単にすることができ、この結果、作業性を向上さ
せることができる。また、該長尺板材が長尺なので、該
長尺板材をそれぞれの縦穴内に降ろす作業や、該長尺板
材を引き上げる作業等の際に、該長尺板材の一端部にロ
ープを掛けるだけで、該長尺板材の重心の作用によって
バランスよく降ろしたり引き上げたりすることができる
ので、従来の如く、バランスを崩して落下すること等を
防止することができ、この結果、作業性や安全性を向上
させることができる。
【0075】また、コンクリート深礎杭を地盤の柔らか
いところや、水気の多いところに構築する場合も、該長
尺板材の幅が、従来の波形鉄板に比べて、狭いので、横
に傾いたりすること等を防止することができると共に、
前記水気を利用して、縦穴等の内壁に吸着させることが
でき、容易に張り詰めることができ、この結果、作業性
を向上させることができる。
【0076】また、該長尺板材を木製等にすると、例え
ば、従来の如く、波形鉄板を使用した場合は、特に水分
が多い場所では、該波形鉄板が酸化腐食されて、体積膨
張するために、コンクリート深礎杭が、前記体積膨張し
た波形鉄板に押圧されて、破壊される危険性が考えられ
たが、たとえ、水気を含んで、体積膨張したとしても、
硬化したコンクリートの機械的強度が、該木製の長尺板
材の機械的強度に比べて、高いことから、コンクリート
深礎杭が破壊等されるのを防止することができ、この結
果、安全性や信頼性を向上させることができる。また、
該長尺板材を木製等にすると従来の波形鉄板に比べて、
製造コストを低減することができる。
【0077】また、縦穴の内壁に張り詰めた複数の長尺
板材の内周面に、該複数の長尺板材の周方向に沿って、
リング部材を当接させた状態で固定するために、すなわ
ち、縦穴の内壁に張り詰めた複数の長尺板材を、リング
部材によって、その内側から前記内壁に向かって押圧す
ることができるので、従来のように、ピンを差し込む作
業等を省略することができ、作業性を向上させることが
できると共に、製造コストを低減することができる。
【0078】特に、請求項2記載のコンクリート深礎杭
の構築方法においては、第1の井枠内に第2の井枠を形
成した後、該第2の井枠を、縦穴の底部に掘削した第2
の井枠降下用縦穴内を降下させて、第1、第2の井枠か
らなる土留壁を形成することにより、長尺板材の長さを
同じとするならば、長尺なコンクリート深礎杭を形成す
ることができる。
【0079】請求項3記載のコンクリート深礎杭の構築
方法においては、縦穴の底部を掘削してなる第2の井枠
形成用縦穴内に第2の井枠を形成した後、該第2の井枠
を、第2の井枠形成用縦穴の底部を掘削した第2の井枠
降下用縦穴内を降下させて、第1、第2の井枠からなる
土留壁を形成することにより、前記と同様に、長尺板材
の長さを同じとするならば、長尺なコンクリート深礎杭
を形成することができる。また、第2の井枠を徐々に降
下させることができるので、安全性を向上させることが
できる。
【0080】請求項4記載のコンクリート深礎杭の構築
方法においては、第2の井枠形成工程、及び、第2の井
枠降下工程を、複数回繰り返して、少なくとも3以上の
井枠からなる土留壁を形成することにより、前記と同様
に、長尺板材の長さを同じとするならば、さらに長尺な
コンクリート深礎杭を形成することができる。
【0081】請求項5記載のコンクリート深礎杭の構築
方法においては、予め地上で形成された第1の井枠を、
縦穴内に配置するために、作業性を向上させることがで
きる。また、第1の井枠の上端部を地表面から表出させ
たので、縦穴内に排土や塵等が落下するのを防止するこ
とができ、この結果、土留壁内に投入されたコンクリー
トに排土や塵等が混じってコンクリート深礎杭の機械的
強度が低下するのを防止することができ、安全性や信頼
性を向上させることができる。更に、第1の井枠の上端
部を地表面に固定したので、第1の井枠の落下を防止す
ることができ、この結果、安全性を向上させることがで
きる。
【0082】請求項6記載のコンクリート深礎杭の構築
方法においては、縦穴内に波形鉄板を用いた第1の井枠
を形成することにより、従来使用していた波形鉄板を廃
棄等することなく使用することができ、製造コストを低
減することができる。また、前記と同様に、第1の井枠
の上端部を地表面から表出させたので、縦穴内に排土や
塵等が落下するのを防止することができ、この結果、土
留壁内に投入されたコンクリートに排土や塵等が混じっ
てコンクリート深礎杭の機械的強度が低下するのを防止
することができる。
【0083】請求項7記載のコンクリート深礎杭の構築
方法においては、波形鉄板を用いて予め地上で形成され
た第1の井枠を、縦穴内に配置したので、作業性を向上
させることができる。また、前記と同様に、第1の井枠
の上端部を地表面から表出させたので、縦穴内に排土や
塵等が落下するのを防止することができ、この結果、土
留壁内に投入されたコンクリートに排土や塵等が混じっ
てコンクリート深礎杭の機械的強度が低下するのを防止
することができる。
【0084】請求項8記載のコンクリート深礎杭の構築
方法においては、第1の井枠を、縦穴の底部を掘削して
なる第1の井枠降下用縦穴内で降下させた後、縦穴内に
第2の井枠を形成して、第1、第2の井枠からなる土留
壁を形成することにより、第2の井枠に比べて重量のあ
る第1の井枠を降下させたので、該重い第1の井枠が落
下すること等を防止することができる。
【0085】請求項9記載のコンクリート深礎杭の構築
方法においては、第1の井枠を、縦穴の底部を掘削して
なる第1の井枠降下用縦穴内で降下させた後、予め地上
で形成された第2の井枠を縦穴内に配置して、第1、第
2の井枠からなる土留壁を形成することにより、作業性
を向上させることができる。
【0086】請求項10、11記載のコンクリート深礎
杭の構築方法においては、第1の井枠や第2の井枠の上
端部を地表面から表出させることにより、縦穴等を掘削
した際に、掘り返された排土が、縦穴等内に落下するの
を防止することができ、この結果、土留壁内にコンクリ
ートを打設する際、コンクリート内に土泥等が混じっ
て、コンクリート深礎杭の強度が低下するのを防止する
ことができ、安全性や信頼性を向上させることができ
る。
【0087】請求項12、13記載のコンクリート深礎
杭の構築方法においては、第1、第2の井枠の地表面か
ら表出した上端部を、地表面に固定することにより、第
1、第2の井枠が自重で落下するのを防止することがで
き、安全性や信頼性を向上させることができる。
【0088】請求項14記載のコンクリート深礎杭の構
築方法においては、土留壁内に所定厚さコンクリートを
打設した後、第1の井枠を除去し、その後、土留壁内に
コンクリートを打設するコンクリート打設工程を有する
ことにより、コンクリートと地盤の間に第1の井枠を介
在させることがなく、この結果、コンクリートと地盤を
一体化させて、コンクリート深礎杭の機械的強度を高め
ることができ、これによって、安全性や信頼性を向上さ
せることができる。更には、井枠を繰り返し使用できて
経済的である。
【0089】請求項15記載のコンクリート深礎杭の構
築方法においては、配筋工程の後に、第1の井枠を除去
する除去工程を有することにより、前記と同様に、コン
クリートと地盤の間に第1の井枠を介在させることがな
く、この結果、コンクリートと地盤をより一体化するこ
とができ、コンクリート深礎杭をより強固にすることが
できる。また、配筋した後でコンクリートを打設する前
に除去するので、作業性を向上させることができる。
【0090】請求項16記載のコンクリート深礎杭の構
築方法においては、土留壁内に所定厚さコンクリートを
打設した後、井枠を除去し、その後、土留壁内にコンク
リートを打設し、これらの手順を繰り返すことによっ
て、コンクリートと地盤の間に井枠を介在させることが
ない。この結果、コンクリートと地盤をより一体化させ
て、コンクリート深礎杭の機械的強度を高めることがで
き、これによって、安全性や信頼性を向上させることが
でき、更には、井枠を繰り返し使用できて経済的であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)本発明の第1の実施の形態に
係るコンクリート深礎杭の構築方法の第1の井枠形成工
程の説明図である。
【図2】(a)同方法の配筋工程の説明図である。 (b)同方法のコンクリート打設工程の説明図である。
【図3】(a)同方法で組み立てられる第1の井枠に用
いられるリング部材の説明図である。 (b)同方法で組み立てられる第1の井枠に用いられる
他のリング部材の説明図である。
【図4】(a)本発明の第2の実施の形態に係るコンク
リート深礎杭の構築方法の第2の井枠形成工程の説明図
である。 (b)同方法の第2の井枠降下工程の説明図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係るコンクリート
深礎杭の構築方法の第2の井枠形成工程の説明図であ
る。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係るコンクリート
深礎杭の構築方法の第3の井枠形成工程の説明図であ
る。
【図7】本発明の第5の実施の形態に係るコンクリート
深礎杭の構築方法の第3の井枠形成工程の説明図であ
る。
【図8】本発明の第6の実施の形態に係るコンクリート
深礎杭の構築方法の第1の井枠形成工程の説明図であ
る。
【図9】本発明の第7の実施の形態に係るコンクリート
深礎杭の構築方法の第2の井枠形成工程の説明図であ
る。
【図10】本発明の第8の実施の形態に係るコンクリー
ト深礎杭の構築方法の第2の井枠形成工程の説明図であ
る。
【図11】本発明の第9の実施の形態に係るコンクリー
ト深礎杭の構築方法の第3の井枠形成工程の説明図であ
る。
【図12】本発明の第10の実施の形態に係るコンクリ
ート深礎杭の構築方法の第3の井枠形成工程の説明図で
ある。
【図13】本発明の第11の実施の形態に係るコンクリ
ート深礎杭の構築方法の第1の井枠固定工程の説明図で
ある。
【図14】(a)及び(b)本発明の第12の実施の形
態に係るコンクリート深礎杭の構築方法の第1の井枠配
置工程の説明図である。
【図15】(a)及び(b)本発明の第13の実施の形
態に係るコンクリート深礎杭の構築方法の第1の井枠形
成工程の説明図である。 (c)同方法の第2の井枠形成工程の説明図である。
【図16】(a)及び(b)本発明の第14の実施の形
態に係るコンクリート深礎杭の構築方法の第1の井枠配
置工程の説明図である。
【図17】(a)本発明の第15の実施の形態に係るコ
ンクリート深礎杭の構築方法の第1の井枠形成工程又は
第1の井枠配置工程及び第2の井枠形成工程の説明図で
ある。 (b)同方法の第3の井枠形成工程の説明図である。
【図18】(a)本発明の第16、第17の実施の形態
に係るコンクリート深礎杭の構築方法の第1の井枠形成
工程又は第1の井枠配置工程及び第1の井枠固定工程の
説明図である。 (b)同方法の第1の井枠降下工程及び第2の井枠形成
工程の説明図である。
【図19】(a)及び(b)本発明の第18の実施の形
態に係るコンクリート深礎杭の構築方法のコンクリート
打設工程の説明図である。
【図20】本発明の第19の実施の形態に係るコンクリ
ート深礎杭の構築方法の除去工程の説明図である。
【図21】(a)及び(b)本発明の第20の実施の形
態に係るコンクリート深礎杭の構築方法のコンクリート
打設工程の説明図である。
【図22】(a)及び(b)本発明の第21の実施の形
態に係るコンクリート深礎杭の構築方法の配筋工程の説
明図である。
【図23】(a)及び(b)本発明の第22の実施の形
態に係るコンクリート深礎杭の構築方法の配筋工程の説
明図である。
【図24】本発明の一実施の形態に係るコンクリート深
礎杭の構築方法の説明図である。
【図25】(a)、(b)及び(c)従来の実施の形態
に係るコンクリート深礎杭の構築方法の土留壁形成工程
の説明図である。 (d)同方法の配筋工程及びコンクリート打設工程の説
明図である。 (e)同方法のコンクリート打設工程の説明図である。
【図26】同方法で組み立てられる土留壁の要部側断面
図である。
【図27】同方法で組み立てられる土留壁の平面図であ
る。
【符号の説明】 11a 縦穴 11b 第2の
井枠降下用縦穴 11c 第2の井枠形成用縦穴 11f 第3の
井枠形成用縦穴 12a 長尺板材 13a リング
部材 13b リング部材 13c ピン孔 14a 第1の井枠 14a′ 第1
の井枠 14b 第2の井枠 14b′ 第2
の井枠 14c 第3の井枠 15a 土留壁 15b 土留壁 15b′ 土留
壁 16a 主筋 16b 連結筋
(フープ筋) 17 コンクリート 18a コンク
リート深礎杭 19 棒状部材 20a 波形鉄
板 21a 第2の井枠形成用縦穴 22a 第1の
井枠降下用縦穴 30 クレーン

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地表面に所定深さで掘削された丸い縦穴
    の内壁に、複数の長尺板材を縦に張り詰めた後、該縦に
    張り詰められた複数の長尺板材の内周面に、少なくとも
    1以上のリング部材を、その周方向に当接させて固定
    し、ほぼ筒状の第1の井枠からなる土留壁を形成する第
    1の井枠形成工程と、 前記土留壁内に配筋する配筋工程と、 該配筋工程で配筋された前記土留壁内にコンクリートを
    打設するコンクリート打設工程とを有することを特徴と
    するコンクリート深礎杭の構築方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のコンクリート深礎杭の構
    築方法において、 前記第1の井枠形成工程と前記配筋工程の間に、 前記第1の井枠の内周面に、複数の長尺板材を縦に張り
    詰めた後、該縦に張り詰められた複数の長尺板材の内周
    面に、少なくとも1以上のリング部材を、その周方向に
    当接させて固定し、第2の井枠を形成する第2の井枠形
    成工程と、 前記縦穴の底部を所定深さ掘り下げた第2の井枠降下用
    縦穴内で、前記第2の井枠を、該第2の井枠の上端部と
    前記第1の井枠の下端部が、所定長さ重なるまで降下さ
    せる第2の井枠降下工程とを有し、 前記第1、第2の井枠からなる土留壁を形成することを
    特徴とするコンクリート深礎杭の構築方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のコンクリート深礎杭の構
    築方法において、 前記第1の井枠形成工程と前記配筋工程の間に、 前記縦穴の底部を所定深さ掘り下げた第2の井枠形成用
    縦穴の内壁に、複数の長尺板材を、該複数の長尺板材の
    上部と前記第1の井枠の下部を、所定長さ重ねて縦に張
    り詰めた後、該縦に張り詰められた複数の長尺板材の内
    周面に、少なくとも1以上のリング部材を、その周方向
    に当接させて固定し、第2の井枠を形成する第2の井枠
    形成工程と、 前記第2の井枠形成用縦穴の底部を所定深さ掘り下げた
    第2の井枠降下用縦穴内で、前記第2の井枠を、該第2
    の井枠の上端部と前記第1の井枠の下端部が、所定長さ
    重なるまで降下させる第2の井枠降下工程とを有し、 前記第1、第2の井枠からなる土留壁を形成することを
    特徴とするコンクリート深礎杭の構築方法。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載のコンクリート深礎
    杭の構築方法において、前記第2の井枠降下工程と前記
    配筋工程の間に、 前記第2の井枠形成工程、及び、前記第2の井枠降下工
    程を、少なくとも1以上繰り返して、少なくとも3以上
    の井枠からなる土留壁を形成することを特徴とするコン
    クリート深礎杭の構築方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のコ
    ンクリート深礎杭の構築方法において、前記第1の井枠
    形成工程の代わりに、 地表面に所定深さで掘削された丸い縦穴内に、ほぼ同軸
    状でかつ平行状態に配置された複数のリング部材の外側
    に、該複数のリング部材の軸方向に沿って、複数の長尺
    板材を張り詰めてなるほぼ筒状の第1の井枠を、該第1
    の井枠の上端部を前記地表面から表出させ、かつ、該第
    1の井枠の内部を開口させた状態で埋設した後、該第1
    の井枠の上端部を前記地表面に固定して、前記第1の井
    枠の落下を防止する第1の井枠配置工程を有することを
    特徴とするコンクリート深礎杭の構築方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のコ
    ンクリート深礎杭の構築方法において、前記第1の井枠
    形成工程の代わりに、 地表面に所定深さで掘削された丸い縦穴の内壁に、複数
    の波形鉄板を、該波形鉄板の上端部を前記地表面から表
    出させると共に、隣り合う波形鉄板の端部同士を所定長
    さ重ねて立て込めた後、該立て込められた複数の波形鉄
    板の内周面に、少なくとも1以上のリング部材を、その
    周方向に当接させて固定し、第1の井枠からなる土留壁
    を形成する第1の井枠形成工程を有することを特徴とす
    るコンクリート深礎杭の構築方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のコ
    ンクリート深礎杭の構築方法において、前記第1の井枠
    形成工程の代わりに、 地表面に所定深さで掘削された丸い縦穴内に、ほぼ同軸
    状でかつ平行状態に配置された複数のリング部材の外側
    に、該複数のリング部材の軸方向に沿って、複数の波形
    鉄板を、隣り合う波形鉄板の端部同士を所定長さ重ね
    て、張り詰めてなるほぼ筒状の第1の井枠を、該第1の
    井枠の上端部を前記地表面から表出させ、かつ、該第1
    の井枠の内部を開口させた状態で埋設する第1の井枠配
    置工程を有することを特徴とするコンクリート深礎杭の
    構築方法。
  8. 【請求項8】 請求項2記載のコンクリート深礎杭の構
    築方法において、前記第2の井枠形成工程、及び、前記
    第2の井枠降下工程の代わりに、 前記縦穴の底部を所定深さ掘り下げた第1の井枠降下用
    縦穴内で、前記第1の井枠を降下させる第1の井枠降下
    工程と、 前記縦穴の内壁に、複数の長尺板材を、該複数の長尺板
    材の下端部を前記第1の井枠の上端部に所定長さ重ねて
    縦に張り詰めた後、該張り詰められた複数の長尺板材の
    内周面に、少なくとも1以上のリング部材を、その周方
    向に当接させて固定し、第2の井枠を形成する第2の井
    枠形成工程とを有し、 前記第1、第2の井枠からなる土留壁を形成することを
    特徴とするコンクリート深礎杭の構築方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のコンクリート深礎杭の構
    築方法において、前記第2の井枠形成工程の代わりに、 前記縦穴内に、ほぼ同軸状でかつ平行状態に配置された
    複数のリング部材の外側に、該複数のリング部材の軸方
    向に沿って、複数の長尺板材を張り詰めてなるほぼ筒状
    の第2の井枠を、該第2の井枠の下端部を前記第1の井
    枠の上端部に所定長さ重ねて配置する第2の井枠配置工
    程を有し、 前記第1、第2の井枠からなる土留壁を形成することを
    特徴とするコンクリート深礎杭の構築方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜4、8、9のいずれか1項
    に記載のコンクリート深礎杭の構築方法において、前記
    第1の井枠形成工程、又は、前記第2の井枠形成工程、
    若しくは、前記第2の井枠配置工程で、 前記第1又は第2の井枠の上端部を前記地表面から表出
    させ、排土の落下を防止することを特徴とするコンクリ
    ート深礎杭の構築方法。
  11. 【請求項11】 請求項6、7、10のいずれか1項に
    記載のコンクリート深礎杭の構築方法において、前記第
    1の井枠形成工程、又は、前記第1の井枠配置工程、若
    しくは、前記第2の井枠形成工程、或いは、前記第2の
    井枠配置工程の後に、 前記第1又は第2の井枠の上端部を前記地表面に固定し
    て、前記第1又は第2の井枠の落下を防止する第1又は
    第2の井枠固定工程を有することを特徴とするコンクリ
    ート深礎杭の構築方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のコンクリート深礎杭
    の構築方法において、前記第1又は第2の井枠固定工程
    で、 前記地表面に、前記縦穴を跨がせると共に、前記第1又
    は第2の井枠の上端部外縁に当接させた状態で、少なく
    とも1以上の棒状部材を配置した後、該棒状部材と前記
    リング部材を緊結して、前記地表面に前記第1又は第2
    の井枠を固定したことを特徴とするコンクリート深礎杭
    の構築方法。
  13. 【請求項13】 請求項1記載のコンクリート深礎杭の
    構築方法において、前記コンクリート打設工程の代わり
    に、 前記井枠によって形成された土留壁内に、該井枠の所定
    深さまでコンクリートを打設し、該コンクリートが硬化
    しない内に該井枠を除去した後、更にコンクリートを打
    設するコンクリート打設工程を有することを特徴とする
    コンクリート深礎杭の構築方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜12のいずれか1項に記載
    のコンクリート深礎杭の構築方法において、前記配筋工
    程の後に、 少なくとも前記第1の井枠を除去する除去工程を有する
    ことを特徴とするコンクリート深礎杭の構築方法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれか1項に記載
    のコンクリート深礎杭の構築方法において、 前記複数の長尺板材は木材からなって、前記リング部材
    はリング状に屈曲形成されると共に、その両端部が所定
    長さ重なっていることを特徴とするコンクリート深礎杭
    の構築方法。
  16. 【請求項16】 請求項2〜4記載のコンクリート深礎
    杭の構築方法において、前記コンクリート打設工程の代
    わりに、 下部の前記井枠によって形成された土留壁内に、該井枠
    の所定深さまでコンクリートを打設し、該コンクリート
    が硬化しない内に該井枠を除去し、次に、同一手順を繰
    り返すことによって更に上部の前記井枠を除去し、コン
    クリートを打設するコンクリート打設工程を有すること
    を特徴とするコンクリート深礎杭の構築方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008138488A (ja) * 2006-12-05 2008-06-19 Tokyu Construction Co Ltd 地中構造物の構築方法及び地中構造物

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