JPH09158079A - 抄紙機用サクション装置 - Google Patents
抄紙機用サクション装置Info
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- JPH09158079A JPH09158079A JP34508495A JP34508495A JPH09158079A JP H09158079 A JPH09158079 A JP H09158079A JP 34508495 A JP34508495 A JP 34508495A JP 34508495 A JP34508495 A JP 34508495A JP H09158079 A JPH09158079 A JP H09158079A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 搾水性能を向上させつつ、高速抄紙に対応で
き、更に安価で保守を容易化できるようにすること。 【解決手段】 紙料が供給されてこの紙料及び湿紙2を
搬送するワイヤ21と、このワイヤを支持し、ロール2
5、26に巻き掛けられて上記ワイヤとともに走行する
走行ベルト22と、この走行ベルトの下方に配置され
て、ワイヤ上の湿紙から搾水を実施する吸引ボックス2
3と、を有する抄紙機用サクション装置20において、
吸引ボックスの上部には、走行ベルトに接触してこの走
行ベルトを支持する目板24が間隔30を有して配置さ
れるとともに、走行ベルトは、搾水時の圧力損失を小と
する空間率で、且つ編目に構成されたものである。
き、更に安価で保守を容易化できるようにすること。 【解決手段】 紙料が供給されてこの紙料及び湿紙2を
搬送するワイヤ21と、このワイヤを支持し、ロール2
5、26に巻き掛けられて上記ワイヤとともに走行する
走行ベルト22と、この走行ベルトの下方に配置され
て、ワイヤ上の湿紙から搾水を実施する吸引ボックス2
3と、を有する抄紙機用サクション装置20において、
吸引ボックスの上部には、走行ベルトに接触してこの走
行ベルトを支持する目板24が間隔30を有して配置さ
れるとともに、走行ベルトは、搾水時の圧力損失を小と
する空間率で、且つ編目に構成されたものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抄紙機用サクショ
ン装置に関する。
ン装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、抄紙機のワイヤパートからプレス
パート間には、紙料(湿紙)を搬送する用具の下方に吸
引ボックスが設置されて、紙料(湿紙)の水分が除去さ
れる。しかし、この場合には、吸引ボックスからの吸引
圧にて用具の搬送を引き止めることになってしまい、用
具の寿命が短くなったり、用具の駆動力を増大しなけれ
ばならない。
パート間には、紙料(湿紙)を搬送する用具の下方に吸
引ボックスが設置されて、紙料(湿紙)の水分が除去さ
れる。しかし、この場合には、吸引ボックスからの吸引
圧にて用具の搬送を引き止めることになってしまい、用
具の寿命が短くなったり、用具の駆動力を増大しなけれ
ばならない。
【0003】そこで、抄紙機用サクション装置1とし
て、図8に示すものが提案されている。このサクション
装置1は、紙料が供給されてこの紙料及び湿紙2を搬送
する用具3と、この用具3を支持し、ロール4に巻き掛
けられて用具3とともに走行する走行器材としてのサク
ションベルト5と、このサクションベルト5の下方に配
置され、用具3上の湿紙(紙料)2に吸引力を作用し
て、この湿紙(紙料)2から搾水する吸引ボックス7
と、を有して構成される。
て、図8に示すものが提案されている。このサクション
装置1は、紙料が供給されてこの紙料及び湿紙2を搬送
する用具3と、この用具3を支持し、ロール4に巻き掛
けられて用具3とともに走行する走行器材としてのサク
ションベルト5と、このサクションベルト5の下方に配
置され、用具3上の湿紙(紙料)2に吸引力を作用し
て、この湿紙(紙料)2から搾水する吸引ボックス7
と、を有して構成される。
【0004】用具3は、ワイヤ或いはフェルト等にて構
成される。また、サクションベルト5はゴム製であり、
図9(A)、図10及び図11に示すように、その表面
には、走行方向αに対し直交して長溝8が延在され、こ
れらの各長溝8に吸込孔9が複数個貫通して形成されて
いる。上記吸引ボックス7の上部には複数個のシール水
ボックス10が、サクションベルト5の走行方向αに沿
って延在して配置されている。吸引ボックス7の吸引圧
は、複数個のシール水ボックス10間の吸引部11を
経、サクションベルト5の吸込孔9及び長溝8を経て用
具3上の湿紙(紙料)2に作用し、この湿紙(紙料)2
からの搾水が実施される。
成される。また、サクションベルト5はゴム製であり、
図9(A)、図10及び図11に示すように、その表面
には、走行方向αに対し直交して長溝8が延在され、こ
れらの各長溝8に吸込孔9が複数個貫通して形成されて
いる。上記吸引ボックス7の上部には複数個のシール水
ボックス10が、サクションベルト5の走行方向αに沿
って延在して配置されている。吸引ボックス7の吸引圧
は、複数個のシール水ボックス10間の吸引部11を
経、サクションベルト5の吸込孔9及び長溝8を経て用
具3上の湿紙(紙料)2に作用し、この湿紙(紙料)2
からの搾水が実施される。
【0005】また、シール水ボックス10は、サクショ
ンベルト5がゴム製で摩擦係数が高いことから、サクシ
ョンベルト5の裏面にシール水を供給してサクションベ
ルト5を冷却するものである。このシール水は、各シー
ル水ボックス10の天面に形成された給水孔12からサ
クションベルト5の裏面側へ供給される。
ンベルト5がゴム製で摩擦係数が高いことから、サクシ
ョンベルト5の裏面にシール水を供給してサクションベ
ルト5を冷却するものである。このシール水は、各シー
ル水ボックス10の天面に形成された給水孔12からサ
クションベルト5の裏面側へ供給される。
【0006】また、サクション装置1には、走行するサ
クションベルト5の蛇行を防止するために案内装置13
が設置されている。この案内装置13は、サクションベ
ルト5の表面に接触するガイドローラ14と、このガイ
ドローラ14の一端を両側から支持する一対のダイヤフ
ラム15と、サクションベルト5の蛇行を検出する蛇行
センサ(図示せず)と、を有して構成され、上記ガイド
ローラ14の他端が球面軸受にて支持されている。この
案内装置13では、蛇行センサにてサクションベルト5
の蛇行量が所定値以上となったときに、いずれか一方の
ダイヤフラム15を膨張させ他方のダイヤフラムを収縮
させて、ガイドローラ14の軸心をサクションベルト5
の走行方向αに対し傾斜させ、サクションベルト5の蛇
行を防止している。
クションベルト5の蛇行を防止するために案内装置13
が設置されている。この案内装置13は、サクションベ
ルト5の表面に接触するガイドローラ14と、このガイ
ドローラ14の一端を両側から支持する一対のダイヤフ
ラム15と、サクションベルト5の蛇行を検出する蛇行
センサ(図示せず)と、を有して構成され、上記ガイド
ローラ14の他端が球面軸受にて支持されている。この
案内装置13では、蛇行センサにてサクションベルト5
の蛇行量が所定値以上となったときに、いずれか一方の
ダイヤフラム15を膨張させ他方のダイヤフラムを収縮
させて、ガイドローラ14の軸心をサクションベルト5
の走行方向αに対し傾斜させ、サクションベルト5の蛇
行を防止している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
なサクション装置1では、サクションベルト5に複数個
の吸込孔9が形成され、この吸込孔9を経て吸引ボック
ス7の吸引圧が用具3上の湿紙(紙料)2に作用するの
で、吸込孔9に対応した部分と対応していない部分とで
は、湿紙(紙料)2の搾水に不均一が生じ、搾水性能が
不十分となるおそれがある。
なサクション装置1では、サクションベルト5に複数個
の吸込孔9が形成され、この吸込孔9を経て吸引ボック
ス7の吸引圧が用具3上の湿紙(紙料)2に作用するの
で、吸込孔9に対応した部分と対応していない部分とで
は、湿紙(紙料)2の搾水に不均一が生じ、搾水性能が
不十分となるおそれがある。
【0008】また、サクションベルト5がゴム製である
ことから張力が小さく、従って、600m/min以上の高速で
サクションベルト5を走行させると、このサクションベ
ルト5は遠心力の作用で、吸引面であるシール水ボック
ス10の天面から離れてしまう。このため、サクション
装置1を高速で使用することができない。
ことから張力が小さく、従って、600m/min以上の高速で
サクションベルト5を走行させると、このサクションベ
ルト5は遠心力の作用で、吸引面であるシール水ボック
ス10の天面から離れてしまう。このため、サクション
装置1を高速で使用することができない。
【0009】更に、サクションベルト5はゴム製で、長
溝8及び吸込孔9が形成された特殊構造であるため、価
格が非常に高価(1000万円台)となっている。
溝8及び吸込孔9が形成された特殊構造であるため、価
格が非常に高価(1000万円台)となっている。
【0010】また、サクションベルト5はゴム製であっ
て、曲ったり折れたりの癖がつかないように、図12に
示す特別の保管装置16が必要である。サクションベル
ト5を保管装置16の保管ローラ17に掛けて、この保
管ローラ17を常時回転させ、サクションベルト5に癖
がつかないようにしている。このため、保守が面倒とな
っている。
て、曲ったり折れたりの癖がつかないように、図12に
示す特別の保管装置16が必要である。サクションベル
ト5を保管装置16の保管ローラ17に掛けて、この保
管ローラ17を常時回転させ、サクションベルト5に癖
がつかないようにしている。このため、保守が面倒とな
っている。
【0011】本発明の課題は、上述の事情を考慮してな
されたものであり、搾水能力を向上させつつ、高速抄紙
に対応でき、更に、安価で保守の容易な抄紙機用サクシ
ョン装置を提供することにある。
されたものであり、搾水能力を向上させつつ、高速抄紙
に対応でき、更に、安価で保守の容易な抄紙機用サクシ
ョン装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、湿紙を搬送する用具と、この用具を支持し、ロール
に巻き掛けられて上記用具とともに走行する走行器材
と、この走行器材の下方に配置されて、上記用具上の紙
料、湿紙から搾水を実施する吸引ボックスと、を有する
抄紙機用サクション装置において、上記吸引ボックスの
上部には、上記走行器材に接触してこの走行器材を支持
する目板が間隔を有して設置されるとともに、上記走行
器材は、搾水時の圧力損失を小とする空間率で、且つ編
目に構成されたものである。
は、湿紙を搬送する用具と、この用具を支持し、ロール
に巻き掛けられて上記用具とともに走行する走行器材
と、この走行器材の下方に配置されて、上記用具上の紙
料、湿紙から搾水を実施する吸引ボックスと、を有する
抄紙機用サクション装置において、上記吸引ボックスの
上部には、上記走行器材に接触してこの走行器材を支持
する目板が間隔を有して設置されるとともに、上記走行
器材は、搾水時の圧力損失を小とする空間率で、且つ編
目に構成されたものである。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、上記目板は、摩擦係数の低い材質にて
構成されたものである。
の発明において、上記目板は、摩擦係数の低い材質にて
構成されたものである。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の発明において、上記吸引ボックス内に仕切板が
設置されて、この吸引ボックスを走行器材の走行方向に
沿って複数のボックスに分割し、各分割ボックス内が異
なった吸引圧に設定可能に構成されたものである。
に記載の発明において、上記吸引ボックス内に仕切板が
設置されて、この吸引ボックスを走行器材の走行方向に
沿って複数のボックスに分割し、各分割ボックス内が異
なった吸引圧に設定可能に構成されたものである。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれか一に記載の発明において、吸引ボックスの各分
割ボックスにおける走行器材の走行方向に沿う長さ、又
は目板における上記走行器材の走行方向に沿う間隔のう
ち少なくとも一方が変動可能に構成されたものである。
いずれか一に記載の発明において、吸引ボックスの各分
割ボックスにおける走行器材の走行方向に沿う長さ、又
は目板における上記走行器材の走行方向に沿う間隔のう
ち少なくとも一方が変動可能に構成されたものである。
【0016】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれか一に記載の発明において、走行器材の走行経路
に一対のガイドを備え、これらのガイドの湾曲面を上記
走行器材の側縁部に接触させて上記走行器材の走行を案
内する案内装置が設置されたものである。
いずれか一に記載の発明において、走行器材の走行経路
に一対のガイドを備え、これらのガイドの湾曲面を上記
走行器材の側縁部に接触させて上記走行器材の走行を案
内する案内装置が設置されたものである。
【0017】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
いずれか一に記載の発明において、走行器材は、3本以
上のロールに巻き掛けられて屈曲走行可能に設けられ、
これらのロール間に、目板を備えた吸引ボックスが配置
されたものである。
いずれか一に記載の発明において、走行器材は、3本以
上のロールに巻き掛けられて屈曲走行可能に設けられ、
これらのロール間に、目板を備えた吸引ボックスが配置
されたものである。
【0018】請求項1に記載の発明には、次の作用があ
る。走行器材が、搾水時の圧力損失を小とする空間率
で、且つ編目に構成されたので、走行器材の開口率を空
間率よりも大きくでき、この結果、搾水性能を向上させ
ることができる。
る。走行器材が、搾水時の圧力損失を小とする空間率
で、且つ編目に構成されたので、走行器材の開口率を空
間率よりも大きくでき、この結果、搾水性能を向上させ
ることができる。
【0019】また、走行器材が編目なので、走行器材の
開口部が走行器材の全面に亘り均一に設けられるため、
用具上で湿紙(紙料)2の全域に亘り搾水を均一に実施
できる。
開口部が走行器材の全面に亘り均一に設けられるため、
用具上で湿紙(紙料)2の全域に亘り搾水を均一に実施
できる。
【0020】更に、走行器材が編目に構成されたので、
その材質をプラスチック或いは金属とする場合には、走
行器材がゴム製のサクションベルトの場合に比べ張力を
十分に確保出来る。従って、走行器材は、遠心力の影響
を受けにくく、例えば1000m/min の高速であっても目板
(吸引面)上に接触して、搾水性能の低下を招くことが
ないので、装置を高速度で使用できる。
その材質をプラスチック或いは金属とする場合には、走
行器材がゴム製のサクションベルトの場合に比べ張力を
十分に確保出来る。従って、走行器材は、遠心力の影響
を受けにくく、例えば1000m/min の高速であっても目板
(吸引面)上に接触して、搾水性能の低下を招くことが
ないので、装置を高速度で使用できる。
【0021】また、走行器材が編目に構成されたので、
その材質がプラスチック或いは金属の場合には、特殊な
構造で高価な(1000万円台)ゴム製のサクションベルト
に比べ、低価格( 100万円台)を達成できる。
その材質がプラスチック或いは金属の場合には、特殊な
構造で高価な(1000万円台)ゴム製のサクションベルト
に比べ、低価格( 100万円台)を達成できる。
【0022】更に、走行器材が編目に構成されたので、
その材質がプラスチック或いは金属の場合には、この走
行器材は厚さが薄く柔軟性があるので、工場出荷時に施
される紙管等に巻き付けられたままの包装で保管でき、
保守を非常に容易化できる。
その材質がプラスチック或いは金属の場合には、この走
行器材は厚さが薄く柔軟性があるので、工場出荷時に施
される紙管等に巻き付けられたままの包装で保管でき、
保守を非常に容易化できる。
【0023】請求項2に記載の発明には、次の作用があ
る。目板に接触して走行する走行器材が編目に構成され
たので、目板と走行器材との接触面積が小さく、しか
も、この目板が摩擦係数の小さな材質にて構成されたの
で、目板と走行器材間の摩耗による発熱を低減できる。
このため、シール水ボックスから吐出されるシール水に
て摩耗抵抗を低減し、且つ走行器材を冷却させる必要が
なく、長期連続運転を実現できる。
る。目板に接触して走行する走行器材が編目に構成され
たので、目板と走行器材との接触面積が小さく、しか
も、この目板が摩擦係数の小さな材質にて構成されたの
で、目板と走行器材間の摩耗による発熱を低減できる。
このため、シール水ボックスから吐出されるシール水に
て摩耗抵抗を低減し、且つ走行器材を冷却させる必要が
なく、長期連続運転を実現できる。
【0024】シール水が走行器材の下方に存在すると、
装置の出口側において湿紙が逆にシール水を吸込んでし
まい、湿紙からの搾水性能が低下するが、シール水が存
在しないので、湿紙にシール水が吸込まれず、搾水性能
を向上させることができる。
装置の出口側において湿紙が逆にシール水を吸込んでし
まい、湿紙からの搾水性能が低下するが、シール水が存
在しないので、湿紙にシール水が吸込まれず、搾水性能
を向上させることができる。
【0025】また、シール水ボックスが存在しないの
で、吸引ボックスの構造を簡素化できる。
で、吸引ボックスの構造を簡素化できる。
【0026】請求項3に記載の発明は、次の作用があ
る。吸引ボックス内が複数のボックスに分割され、各分
割ボックス内が異なる吸引圧に設定可能とされたので、
湿紙の種類に応じて、分割ボックスの吸引圧を走行器材
及び用具の走行方向下流側へ向かい漸次増大させること
により、効率的な搾水を実現できる。ここで、搾水能力
を十分発揮させるためには吸引圧が高い方が向上するよ
うに考えられがちであるが、湿紙の水分が高いときに急
激に吸引すると、湿紙の最初の部分では搾水は良好であ
るが、全体としての搾水は逆に低下することが判明して
いる。吸引ボックスを分割し、吸引圧を各分割ボックス
毎異ならせることで、搾水能力を全体として向上させる
ことができる。
る。吸引ボックス内が複数のボックスに分割され、各分
割ボックス内が異なる吸引圧に設定可能とされたので、
湿紙の種類に応じて、分割ボックスの吸引圧を走行器材
及び用具の走行方向下流側へ向かい漸次増大させること
により、効率的な搾水を実現できる。ここで、搾水能力
を十分発揮させるためには吸引圧が高い方が向上するよ
うに考えられがちであるが、湿紙の水分が高いときに急
激に吸引すると、湿紙の最初の部分では搾水は良好であ
るが、全体としての搾水は逆に低下することが判明して
いる。吸引ボックスを分割し、吸引圧を各分割ボックス
毎異ならせることで、搾水能力を全体として向上させる
ことができる。
【0027】請求項4に記載の発明には、次の作用があ
る。吸引ボックスの分割ボックスにおける走行器材の走
行方向に沿う長さ或いは目板の上記走行方向に沿う間隔
の少なくとも一方が変動可能に構成されたので、吸引ボ
ックス上を通過する湿紙の水分率や厚さに応じて上記分
割ボックスの長さや目板間隔を変更できる。例えば、薄
物湿紙の場合には、分割ボックスの長さを等しく設定す
るが、厚物湿紙の場合には、分割ボックス長さを走行器
材の走行方向に対し上流側ほど大きく設定して、湿紙か
らの搾水性能を十分に発揮させることができる。
る。吸引ボックスの分割ボックスにおける走行器材の走
行方向に沿う長さ或いは目板の上記走行方向に沿う間隔
の少なくとも一方が変動可能に構成されたので、吸引ボ
ックス上を通過する湿紙の水分率や厚さに応じて上記分
割ボックスの長さや目板間隔を変更できる。例えば、薄
物湿紙の場合には、分割ボックスの長さを等しく設定す
るが、厚物湿紙の場合には、分割ボックス長さを走行器
材の走行方向に対し上流側ほど大きく設定して、湿紙か
らの搾水性能を十分に発揮させることができる。
【0028】請求項5に記載の発明には、次の作用があ
る。走行器材が編目にて構成されて適度な剛性が確保さ
れ、且つ走行器材の側縁部が一対のガイドの湾曲面に接
触して走行器材の走行が案内されたので、この簡易構造
の案内装置にて走行器材の蛇行を防止できる。走行器材
が剛性の低いゴム製のサクションベルトの場合には、こ
のゴム製のサクションベルトの側縁部が座屈等し易く、
上記簡易構造の案内装置では走行器材の蛇行を防止でき
ず、蛇行防止には複雑な案内装置が必要となる。上述の
ように簡易構造の案内装置にて走行器材の蛇行を防止で
きるので、安価なサクション装置とすることができる。
る。走行器材が編目にて構成されて適度な剛性が確保さ
れ、且つ走行器材の側縁部が一対のガイドの湾曲面に接
触して走行器材の走行が案内されたので、この簡易構造
の案内装置にて走行器材の蛇行を防止できる。走行器材
が剛性の低いゴム製のサクションベルトの場合には、こ
のゴム製のサクションベルトの側縁部が座屈等し易く、
上記簡易構造の案内装置では走行器材の蛇行を防止でき
ず、蛇行防止には複雑な案内装置が必要となる。上述の
ように簡易構造の案内装置にて走行器材の蛇行を防止で
きるので、安価なサクション装置とすることができる。
【0029】請求項6に記載の発明には、次の作用があ
る。走行器材が屈曲して走行可能とされ、この走行器材
が吸引ボックスの目板にて支持されたので、直線走行す
る走行器材以外でも搾水が可能である。この結果、サク
ション装置の据付スペースが狭い箇所に装置を設置で
き、装置の据付性等を向上させることができる。
る。走行器材が屈曲して走行可能とされ、この走行器材
が吸引ボックスの目板にて支持されたので、直線走行す
る走行器材以外でも搾水が可能である。この結果、サク
ション装置の据付スペースが狭い箇所に装置を設置で
き、装置の据付性等を向上させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1(A)は、本発明に係る抄紙
機用サクション装置の一つの実施の形態を示す側面図で
あり、図1(B)は、図1(A)のIB部拡大図である。
図2は、図1の吸引ボックスの平面図である。図3は、
図1の走行ベルト(走行器材)の平面図である。図4
は、図3の走行ベルトを示し、(A)が断面図、(B)
が走行ベルトの空間率を示す図、(C)が走行ベルトの
開口率を示す図である。図5は、図1の案内装置を示す
正面図である。図6は、図5の案内装置のガイドを示す
斜視図である。
に基づいて説明する。図1(A)は、本発明に係る抄紙
機用サクション装置の一つの実施の形態を示す側面図で
あり、図1(B)は、図1(A)のIB部拡大図である。
図2は、図1の吸引ボックスの平面図である。図3は、
図1の走行ベルト(走行器材)の平面図である。図4
は、図3の走行ベルトを示し、(A)が断面図、(B)
が走行ベルトの空間率を示す図、(C)が走行ベルトの
開口率を示す図である。図5は、図1の案内装置を示す
正面図である。図6は、図5の案内装置のガイドを示す
斜視図である。
【0031】図1に示すように、抄紙機用サクション装
置20は、抄紙機のワイヤパートからプレスパートの間
に配置されて、湿紙(紙料)2から搾水を実施して、湿
紙2の水分を除去するものであり、用具としてのワイヤ
(或いはフェルト)21、走行器材としての走行ベルト
22及び吸引ボックス23を有して構成される。
置20は、抄紙機のワイヤパートからプレスパートの間
に配置されて、湿紙(紙料)2から搾水を実施して、湿
紙2の水分を除去するものであり、用具としてのワイヤ
(或いはフェルト)21、走行器材としての走行ベルト
22及び吸引ボックス23を有して構成される。
【0032】ワイヤ21は、不図示のロールによって走
行され、このワイヤ21上にヘッドボックス(不図示)
から紙料が供給される。ワイヤ21は、この紙料及び湿
紙2を搬送する。
行され、このワイヤ21上にヘッドボックス(不図示)
から紙料が供給される。ワイヤ21は、この紙料及び湿
紙2を搬送する。
【0033】走行ベルト22は、吸引ボックス23の目
板24とワイヤ21との間に配置されてワイヤ21を支
持し、駆動ロール25及び従動ロール26に巻き掛けら
れて、ワイヤ21と同一速度で矢印α方向に走行する。
駆動ロール25と従動ロール26との間の距離は、ロー
ル間調整装置27により変更可能とされて、走行ベルト
22の張り具合が調整される。
板24とワイヤ21との間に配置されてワイヤ21を支
持し、駆動ロール25及び従動ロール26に巻き掛けら
れて、ワイヤ21と同一速度で矢印α方向に走行する。
駆動ロール25と従動ロール26との間の距離は、ロー
ル間調整装置27により変更可能とされて、走行ベルト
22の張り具合が調整される。
【0034】また、走行ベルト22は、搾水時の圧力損
失を小とする空間率(空間率が19%以上)で、且つ図3
及び図4(A)に示すように、プラスチック又は金属に
より編目に構成されている。ここで、空間率とは、図4
(B)に示すように、任意の面積Aの走行ベルト22を
上方から見て透視して見える部分(開口部)28の面積
aと上記面積Aとの比率(a/A)をいう。また、図4
(C)に示すように、この走行ベルト22がワイヤ21
に接触する部分29以外の非接触部分39の面積bと上
記面積Aとの比率(b/A)を走行ベルトの開口率とい
う。走行ベルト22が断面円形状の縦糸22Aと横糸2
2Bとを格子状に織り込んで編目に構成されている場合
には、上記開口率は空間率よりも大となり、且つ上記開
口部28は走行ベルトの全面に亘り均一に存在する。
失を小とする空間率(空間率が19%以上)で、且つ図3
及び図4(A)に示すように、プラスチック又は金属に
より編目に構成されている。ここで、空間率とは、図4
(B)に示すように、任意の面積Aの走行ベルト22を
上方から見て透視して見える部分(開口部)28の面積
aと上記面積Aとの比率(a/A)をいう。また、図4
(C)に示すように、この走行ベルト22がワイヤ21
に接触する部分29以外の非接触部分39の面積bと上
記面積Aとの比率(b/A)を走行ベルトの開口率とい
う。走行ベルト22が断面円形状の縦糸22Aと横糸2
2Bとを格子状に織り込んで編目に構成されている場合
には、上記開口率は空間率よりも大となり、且つ上記開
口部28は走行ベルトの全面に亘り均一に存在する。
【0035】上記吸引ボックス23は、図1に示すよう
に、走行ベルト22の下方に配置されて、ワイヤ21上
の湿紙(紙料)2から搾水を実施するものである。この
吸引ボックス23の上部に、走行ベルト22に接触し
て、この走行ベルト22を支持する複数本の目板24が
配置されている。これらの目板24は、図2に示すよう
に、走行ベルト22の走行方向αに対し直交して間隔3
0を有し配列されている。この目板24の間隔30は、
湿紙2の水分量や湿紙2の厚さに応じて変更可能とさ
れ、例えば走行ベルト22の走行方向αにおいて、上流
側ほど広く、下流側ほど狭く設定される。
に、走行ベルト22の下方に配置されて、ワイヤ21上
の湿紙(紙料)2から搾水を実施するものである。この
吸引ボックス23の上部に、走行ベルト22に接触し
て、この走行ベルト22を支持する複数本の目板24が
配置されている。これらの目板24は、図2に示すよう
に、走行ベルト22の走行方向αに対し直交して間隔3
0を有し配列されている。この目板24の間隔30は、
湿紙2の水分量や湿紙2の厚さに応じて変更可能とさ
れ、例えば走行ベルト22の走行方向αにおいて、上流
側ほど広く、下流側ほど狭く設定される。
【0036】目板24は、図1(B)に示すように、本
体部24Aの上部に摺接部24Bが、本体部24Aの下
部に支持部24Cがそれぞれ固着して一体化されたもの
である。摺接部24Bは走行ベルト22に接触し、摩擦
係数の低いセラミック等で構成される。また、支持部2
4Cが、吸引ボックス23の受板31に当接して、目板
24がこの受板31にて支持される。
体部24Aの上部に摺接部24Bが、本体部24Aの下
部に支持部24Cがそれぞれ固着して一体化されたもの
である。摺接部24Bは走行ベルト22に接触し、摩擦
係数の低いセラミック等で構成される。また、支持部2
4Cが、吸引ボックス23の受板31に当接して、目板
24がこの受板31にて支持される。
【0037】図1に示すように、吸引ボックス23の内
部には仕切板32が配置されて、吸引ボックス23は走
行ベルト22の走行方向αに沿って複数(本実施の形態
では3個)の分割ボックス33A、33B、33Cに分
割される。これらの分割ボックス33Aの吸引圧P1 、
分割ボックス33Bの吸引圧P2 、分割ボックス33C
の吸引圧P3 は異なった値に設定可能とされる。例え
ば、走行ベルト22の走行方向αにそって最も上流側の
分割ボックス33Aの吸引圧P1 が最小であり、最も下
流側の分割ボックス33Cの吸引圧P3 が最大となるよ
う設定される。また、湿紙(紙料)2の種類によって
は、中央の分割ボックス33Bの吸引圧P2を最大に設
定してもよい。
部には仕切板32が配置されて、吸引ボックス23は走
行ベルト22の走行方向αに沿って複数(本実施の形態
では3個)の分割ボックス33A、33B、33Cに分
割される。これらの分割ボックス33Aの吸引圧P1 、
分割ボックス33Bの吸引圧P2 、分割ボックス33C
の吸引圧P3 は異なった値に設定可能とされる。例え
ば、走行ベルト22の走行方向αにそって最も上流側の
分割ボックス33Aの吸引圧P1 が最小であり、最も下
流側の分割ボックス33Cの吸引圧P3 が最大となるよ
う設定される。また、湿紙(紙料)2の種類によって
は、中央の分割ボックス33Bの吸引圧P2を最大に設
定してもよい。
【0038】また、分割ボックス33A、33B、33
Cにおける走行ベルト22の走行方向αに沿うそれぞれ
の長さL1 、L2 、L3 は、湿紙2の水分率や湿紙2の
厚さに応じて変更可能に構成される。例えば、湿紙2が
薄物である場合にはL1 =L2 =L3 に設定され、全長
(L1 +L2 +L3 )も小さく設定される。また、湿紙
2が厚物の場合には、L1 >L2 >L3 に設定され、上
記全長も大きく設定されて、効率的に搾水される。
Cにおける走行ベルト22の走行方向αに沿うそれぞれ
の長さL1 、L2 、L3 は、湿紙2の水分率や湿紙2の
厚さに応じて変更可能に構成される。例えば、湿紙2が
薄物である場合にはL1 =L2 =L3 に設定され、全長
(L1 +L2 +L3 )も小さく設定される。また、湿紙
2が厚物の場合には、L1 >L2 >L3 に設定され、上
記全長も大きく設定されて、効率的に搾水される。
【0039】また、上述のようなサクション装置20で
は、従動ロール26側に、走行ベルト22の蛇行を防止
する案内装置34が設置されている。この案内装置34
は、図5及び図6に示すように、走行ベルト22の走行
経路に配置された一対のガイド35を備えて構成され、
これらのガイド35が基部36にねじロッド37を介し
てねじ結合される。このねじロッド37により、両ガイ
ド35の間隔が、走行ベルト22の幅に対し最適になる
よう調整される。
は、従動ロール26側に、走行ベルト22の蛇行を防止
する案内装置34が設置されている。この案内装置34
は、図5及び図6に示すように、走行ベルト22の走行
経路に配置された一対のガイド35を備えて構成され、
これらのガイド35が基部36にねじロッド37を介し
てねじ結合される。このねじロッド37により、両ガイ
ド35の間隔が、走行ベルト22の幅に対し最適になる
よう調整される。
【0040】上記ガイド35は、内側面が湾曲面38に
形成され、この湾曲面38に走行ベルト22の両側縁部
39が接触する。走行ベルト22の側縁部39は、ガイ
ド35の湾曲面38における所定の傾斜角を越えると滑
り落ち、上記傾斜角より低い位置にくると湾曲面38に
沿って上昇する。このようにして、走行ベルト22の蛇
行が自動調整される。
形成され、この湾曲面38に走行ベルト22の両側縁部
39が接触する。走行ベルト22の側縁部39は、ガイ
ド35の湾曲面38における所定の傾斜角を越えると滑
り落ち、上記傾斜角より低い位置にくると湾曲面38に
沿って上昇する。このようにして、走行ベルト22の蛇
行が自動調整される。
【0041】上記実施の形態によれば、走行ベルト22
が、搾水時の圧力損失を小さくする空間率で、且つ編目
に構成されたので、走行ベルト22の開口率を空間率よ
りも大きく設定でき、この結果、搾水性能を向上させる
ことができる。
が、搾水時の圧力損失を小さくする空間率で、且つ編目
に構成されたので、走行ベルト22の開口率を空間率よ
りも大きく設定でき、この結果、搾水性能を向上させる
ことができる。
【0042】また、走行ベルト22が編目に構成された
ので、走行ベルト22の開口部28が走行ベルト22の
全面に亘り均一に設けられるため、ワイヤ21上で湿紙
(紙料)2の全域に亘り搾水を均一に実施できる。
ので、走行ベルト22の開口部28が走行ベルト22の
全面に亘り均一に設けられるため、ワイヤ21上で湿紙
(紙料)2の全域に亘り搾水を均一に実施できる。
【0043】更に、走行ベルト22が編目に構成された
ので、その材質をプラスチック或いは金属とする場合に
は、走行ベルト22がゴム製のサクションベルト5(図
8)の場合に比べ張力を十分に確保できる。従って、走
行ベルト22は、遠心力の影響を受けにくく、例えば10
00m/min の高速でも目板24(吸引面)上に接触して、
搾水性能の低下を招くことがないので、サクション装置
20を高速度で使用できる。
ので、その材質をプラスチック或いは金属とする場合に
は、走行ベルト22がゴム製のサクションベルト5(図
8)の場合に比べ張力を十分に確保できる。従って、走
行ベルト22は、遠心力の影響を受けにくく、例えば10
00m/min の高速でも目板24(吸引面)上に接触して、
搾水性能の低下を招くことがないので、サクション装置
20を高速度で使用できる。
【0044】また、走行ベルト22が編目に構成された
ので、その材質がプラスチック或いは金属の場合には、
特殊な構造で高価な(1000万円台)ゴム製のサクション
ベルトに比べ、低価格( 100万円台)を達成できる。
ので、その材質がプラスチック或いは金属の場合には、
特殊な構造で高価な(1000万円台)ゴム製のサクション
ベルトに比べ、低価格( 100万円台)を達成できる。
【0045】更に、走行ベルト22が編目に構成された
ので、その材質がプラスチック或いは金属の場合には、
この走行ベルト22は厚さが薄く柔軟であるので、工場
出荷時に施される紙管(図示せず)等に巻き付けられた
ままの包装で保管ができ、保守を非常に容易化できる。
ので、その材質がプラスチック或いは金属の場合には、
この走行ベルト22は厚さが薄く柔軟であるので、工場
出荷時に施される紙管(図示せず)等に巻き付けられた
ままの包装で保管ができ、保守を非常に容易化できる。
【0046】また、目板24に接触して走行する走行ベ
ルト22が編目に構成されたので、目板24と走行ベル
ト22との接触面積が小さく、しかも、この目板24が
摩擦係数の低いセラミック材質にて構成されたので、目
板24と走行ベルト22との間の摩耗による発熱を低減
できる。このため、従来技術のように、シール水ボック
ス10(図11)から吐出されるシール水にて摩擦抵抗
を低減し、且つ走行ベルト22を冷却させる必要がない
ので、サクション装置20の長期連続運転を実現でき
る。
ルト22が編目に構成されたので、目板24と走行ベル
ト22との接触面積が小さく、しかも、この目板24が
摩擦係数の低いセラミック材質にて構成されたので、目
板24と走行ベルト22との間の摩耗による発熱を低減
できる。このため、従来技術のように、シール水ボック
ス10(図11)から吐出されるシール水にて摩擦抵抗
を低減し、且つ走行ベルト22を冷却させる必要がない
ので、サクション装置20の長期連続運転を実現でき
る。
【0047】また、従来技術のようにシール水が走行器
材の下方に介在すると、サクション装置1の出口側にお
いて湿紙2が逆にシール水を吸込んでしまい、湿紙2か
らの搾水性能が低下するが、本実施の形態のサクション
装置20の場合にはシール水が存在しないので、湿紙2
にシール水が吸込まれず、搾水性能を向上させることが
できる。
材の下方に介在すると、サクション装置1の出口側にお
いて湿紙2が逆にシール水を吸込んでしまい、湿紙2か
らの搾水性能が低下するが、本実施の形態のサクション
装置20の場合にはシール水が存在しないので、湿紙2
にシール水が吸込まれず、搾水性能を向上させることが
できる。
【0048】また、シール水ボックス10が存在しない
ので、吸引ボックス23の構造を簡素化できる。
ので、吸引ボックス23の構造を簡素化できる。
【0049】吸引ボックス22内が複数の分割ボックス
33A、33B、33Cに分割され、各分割ボックス3
3A、33B、33C内が異なった吸引圧P1 、P2 、
P3に設定可能とされたので、各分割ボックス33A、
33B、33Cの吸引圧P1、P2 、P3 を、例えば走
行ベルト22の走行方向αの下流側へ向かい漸次増大さ
せることにより効率的な搾水を実現できる。ここで、搾
水能力を十分発揮させるためには、吸引圧が高い方が向
上するように考えられがちであるが、湿紙2の水分が高
いときに急激に吸引すると、湿紙2の最初の部分では搾
水は良好であるが、全体としての搾水は逆に低下するこ
とが判明している。吸引ボックス23を分割し、吸引圧
を各分割ボックス33A、33B、33C毎に異ならせ
ることで(例えば、P3 >P2 >P1 )、搾水能力を全
体として向上させることができる。
33A、33B、33Cに分割され、各分割ボックス3
3A、33B、33C内が異なった吸引圧P1 、P2 、
P3に設定可能とされたので、各分割ボックス33A、
33B、33Cの吸引圧P1、P2 、P3 を、例えば走
行ベルト22の走行方向αの下流側へ向かい漸次増大さ
せることにより効率的な搾水を実現できる。ここで、搾
水能力を十分発揮させるためには、吸引圧が高い方が向
上するように考えられがちであるが、湿紙2の水分が高
いときに急激に吸引すると、湿紙2の最初の部分では搾
水は良好であるが、全体としての搾水は逆に低下するこ
とが判明している。吸引ボックス23を分割し、吸引圧
を各分割ボックス33A、33B、33C毎に異ならせ
ることで(例えば、P3 >P2 >P1 )、搾水能力を全
体として向上させることができる。
【0050】吸引ボックス23の分割ボックス33A、
33B、33Cにおける走行ベルト22の走行方向αに
沿う長さL1 、L2 、L3 、或いは目板24の間隔30
の少なくとも一方が変動可能に構成されたので、吸引ボ
ックス23上を通過する湿紙2の水分量や厚さに応じ
て、上記分割ボックス33A、33B、33Cの長さL
1 、L2 、L3 や目板24の間隔30を変更できる。例
えば、薄物湿紙2の場合には、分割ボックス33A、3
3B、33Cの長さL1 、L2 、L3 を等しく設定する
が、厚物湿紙2の場合には、分割ボックス33A、33
B、33Cの長さL1 、L2 、L3 を走行ベルト22の
走行方向αに対し上流側ほど大きく設定して(L1 >L
2 >L3 )、湿紙2からの搾水性能を十分に発揮させる
ことができる。
33B、33Cにおける走行ベルト22の走行方向αに
沿う長さL1 、L2 、L3 、或いは目板24の間隔30
の少なくとも一方が変動可能に構成されたので、吸引ボ
ックス23上を通過する湿紙2の水分量や厚さに応じ
て、上記分割ボックス33A、33B、33Cの長さL
1 、L2 、L3 や目板24の間隔30を変更できる。例
えば、薄物湿紙2の場合には、分割ボックス33A、3
3B、33Cの長さL1 、L2 、L3 を等しく設定する
が、厚物湿紙2の場合には、分割ボックス33A、33
B、33Cの長さL1 、L2 、L3 を走行ベルト22の
走行方向αに対し上流側ほど大きく設定して(L1 >L
2 >L3 )、湿紙2からの搾水性能を十分に発揮させる
ことができる。
【0051】また、走行ベルト22が編目にて構成され
て適度な剛性が確保され、且つ、走行ベルト22の側縁
部39が案内装置34における一対のガイド35の湾曲
面38に接触して走行ベルト22の走行が案内されたの
で、この簡易構造の案内装置34にて走行ベルト22の
蛇行を防止できる。走行ベルト22が剛性の低いゴム製
のサクションベルト5である場合には、このゴム製のサ
クションベルトの側縁部が座屈等し易く、上記簡易構造
の案内装置34ではゴム製のサクションベルトの蛇行を
防止できず、この蛇行防止には、従来技術のような複雑
な案内装置13(図8)が必要となる。本実施の形態で
は、上述のように簡易構造の案内装置34にて走行ベル
ト22の蛇行を防止できるので、安価なサクション装置
20とすることができる。
て適度な剛性が確保され、且つ、走行ベルト22の側縁
部39が案内装置34における一対のガイド35の湾曲
面38に接触して走行ベルト22の走行が案内されたの
で、この簡易構造の案内装置34にて走行ベルト22の
蛇行を防止できる。走行ベルト22が剛性の低いゴム製
のサクションベルト5である場合には、このゴム製のサ
クションベルトの側縁部が座屈等し易く、上記簡易構造
の案内装置34ではゴム製のサクションベルトの蛇行を
防止できず、この蛇行防止には、従来技術のような複雑
な案内装置13(図8)が必要となる。本実施の形態で
は、上述のように簡易構造の案内装置34にて走行ベル
ト22の蛇行を防止できるので、安価なサクション装置
20とすることができる。
【0052】ここで、サクション装置20の抄速を変更
したときの実験結果を表1に示す。この表1によれば、
抄速は、湿紙2の坪量の減少に伴い増大されているが、
サクション装置20の出入口部の水分差は、抄速100m/m
inで14.6%、抄速200m/minで13.1%等となっている(サ
クション装置20の入口部での水分率は、いずれの場合
も85%である)。これらのサクション装置20の出入口
部の水分差は、シール水を用い、ゴム製のサクションベ
ルトを用いた従来のサクション装置1の出入口部の水分
差が抄速100 、200 、300 、400m/minのいずれの場合に
も 4%である場合に比べ著しく大きく、サクション装置
20の搾水性能が大幅に向上していることがわかる。
したときの実験結果を表1に示す。この表1によれば、
抄速は、湿紙2の坪量の減少に伴い増大されているが、
サクション装置20の出入口部の水分差は、抄速100m/m
inで14.6%、抄速200m/minで13.1%等となっている(サ
クション装置20の入口部での水分率は、いずれの場合
も85%である)。これらのサクション装置20の出入口
部の水分差は、シール水を用い、ゴム製のサクションベ
ルトを用いた従来のサクション装置1の出入口部の水分
差が抄速100 、200 、300 、400m/minのいずれの場合に
も 4%である場合に比べ著しく大きく、サクション装置
20の搾水性能が大幅に向上していることがわかる。
【0053】尚、表1中のバルブ開度は、吸引ボックス
23における各分割ボックス33A、33B、33Cに
吸引圧を作用させるために各分割ボックス33A、33
B、33Cに付設したバルブの開度を示し、10/10 が全
開を、1/10が全閉を示す。バルブ全開時には、そのバル
ブが付設された分割ボックス33A、33B、33Cの
吸引圧が最大となっていることを示す。
23における各分割ボックス33A、33B、33Cに
吸引圧を作用させるために各分割ボックス33A、33
B、33Cに付設したバルブの開度を示し、10/10 が全
開を、1/10が全閉を示す。バルブ全開時には、そのバル
ブが付設された分割ボックス33A、33B、33Cの
吸引圧が最大となっていることを示す。
【0054】図7は、本発明に係る抄紙機用サクション
装置の他の実施の形態を示す側面図である。本実施の形
態において、前記実施の形態と同様な部分は、同一の符
号を付すことにより説明を省略する。
装置の他の実施の形態を示す側面図である。本実施の形
態において、前記実施の形態と同様な部分は、同一の符
号を付すことにより説明を省略する。
【0055】この実施の形態の抄紙機用サクション装置
40では、走行ベルト22が駆動ロール25及び従動ロ
ール26の他にアイドルロール41にも巻き掛けられ
て、屈曲して走行可能に構成される。目板24を備えた
吸引ボックス23が、駆動ロール25及びアイドルロー
ル41間と、アイドルロール41及び従動ロール26間
にそれぞれ配置され、これらの吸引ボックス23にてワ
イヤ21上の湿紙2から段階的に搾水が実施される。
40では、走行ベルト22が駆動ロール25及び従動ロ
ール26の他にアイドルロール41にも巻き掛けられ
て、屈曲して走行可能に構成される。目板24を備えた
吸引ボックス23が、駆動ロール25及びアイドルロー
ル41間と、アイドルロール41及び従動ロール26間
にそれぞれ配置され、これらの吸引ボックス23にてワ
イヤ21上の湿紙2から段階的に搾水が実施される。
【0056】このサクション装置40では、走行ベルト
22が屈曲して走行可能とされ、この走行ベルト22が
吸引ボックス23の目板24に支持されたので、直線走
行する走行ベルト22以外でも搾水が可能である。この
結果、サクション装置40の据付スペースが狭い箇所に
もこのサクション装置40を設置でき、据付性等を向上
させることができる。その他、このサクション装置40
においても、前記サクション装置20と同様な効果を奏
する。
22が屈曲して走行可能とされ、この走行ベルト22が
吸引ボックス23の目板24に支持されたので、直線走
行する走行ベルト22以外でも搾水が可能である。この
結果、サクション装置40の据付スペースが狭い箇所に
もこのサクション装置40を設置でき、据付性等を向上
させることができる。その他、このサクション装置40
においても、前記サクション装置20と同様な効果を奏
する。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る抄紙機用サ
クション装置によれば、搾水性能を向上させつつ高速抄
紙に対応でき、更に、安価で保守の容易な抄紙機用サク
ション装置を提供することができる。
クション装置によれば、搾水性能を向上させつつ高速抄
紙に対応でき、更に、安価で保守の容易な抄紙機用サク
ション装置を提供することができる。
【図1】図1(A)は、本発明に係る抄紙機用サクショ
ン装置の一つの実施の形態を示す側面図であり、図1
(B)は、図1(A)のIB部拡大図である。
ン装置の一つの実施の形態を示す側面図であり、図1
(B)は、図1(A)のIB部拡大図である。
【図2】図2は、図1の吸引ボックスの平面図である。
【図3】図3は、図1の走行ベルトの平面図である。
【図4】図4は、図3の走行ベルトを示し、(A)が断
面図、(B)が走行ベルトの空間率を示す図、(C)が
走行ベルトの開口率を示す図である。
面図、(B)が走行ベルトの空間率を示す図、(C)が
走行ベルトの開口率を示す図である。
【図5】図5は、図1の案内装置を示す正面図である。
【図6】図6は、図5の案内装置のガイドを示す斜視図
である。
である。
【図7】図7は、本発明に係る抄紙機用サクション装置
の他の実施の形態を示す側面図である。
の他の実施の形態を示す側面図である。
【図8】図8は、従来の抄紙機用サクション装置を示す
側面図である。
側面図である。
【図9】図9(A)は、図8のサクションベルトの平面
図であり、図9(B)は、図8の吸引ボックスの平面図
である。
図であり、図9(B)は、図8の吸引ボックスの平面図
である。
【図10】図10は、図8のワイヤ、サクションベル
ト、シール水ボックスのサクションベルト走行方向に沿
う断面図である。
ト、シール水ボックスのサクションベルト走行方向に沿
う断面図である。
【図11】図11は、図8のワイヤ、サクションベル
ト、シール水ボックスのサクションベルト走行方向と直
交する方向の断面図である。
ト、シール水ボックスのサクションベルト走行方向と直
交する方向の断面図である。
【図12】図12は、図8のサクションベルトの保管装
置を示し、(A)が正面図、(B)が側面図である。
置を示し、(A)が正面図、(B)が側面図である。
2 湿紙 20 サクション装置 21 ワイヤ 22 走行ベルト 23 吸引ボックス 24 目板 25 駆動ロール 26 従動ロール 28 走行ベルトの開口部 30 目板の間隔 24B 目板の摺接部 32 仕切板 33A、33B、33C 分割ボックス 34 案内装置 35 ガイド 38 ガイドの湾曲面 40 サクション装置 41 アイドルロール L1 、L2 、L3 分割ボックスの長さ P1 、P2 、P3 分割ボックスの吸引圧 α 走行ベルトの走行方向
【表1】
Claims (6)
- 【請求項1】 湿紙を搬送する用具と、 この用具を支持し、ロールに巻き掛けられて上記用具と
ともに走行する走行器材と、この走行器材の下方に配置
されて、上記用具上の紙料、湿紙から搾水を実施する吸
引ボックスと、を有する抄紙機用サクション装置におい
て、 上記吸引ボックスの上部には、上記走行器材に接触して
この走行器材を支持する目板が間隔を有して設置される
とともに、上記走行器材は、搾水時の圧力損失を小とす
る空間率で、且つ編目に構成されたことを特徴とする抄
紙機用サクション装置。 - 【請求項2】 上記目板は、摩擦係数の低い材質にて構
成された請求項1に記載の抄紙機用サクション装置。 - 【請求項3】 上記吸引ボックス内に仕切板が設置され
て、この吸引ボックスを走行器材の走行方向に沿って複
数のボックスに分割し、各分割ボックス内が異なった吸
引圧に設定可能に構成された請求項1又は2に記載の抄
紙機用サクション装置。 - 【請求項4】 吸引ボックスの各分割ボックスにおける
走行器材の走行方向に沿う長さ、又は目板における上記
走行器材の走行方向に沿う間隔のうち少なくとも一方が
変動可能に構成された請求項1〜3のいずれか一に記載
の抄紙機用サクション装置。 - 【請求項5】 走行器材の走行経路に一対のガイドを備
え、これらのガイドの湾曲面を上記走行器材の側縁部に
接触させて上記走行器材の走行を案内する案内装置が設
置された請求項1〜4のいずれか一に記載の抄紙機用サ
クション装置。 - 【請求項6】 走行器材は、3本以上のロールに巻き掛
けられて屈曲走行可能に設けられ、これらのロール間
に、目板を備えた吸引ボックスが配置された請求項1〜
5のいずれか一に記載の抄紙機用サクション装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34508495A JPH09158079A (ja) | 1995-12-08 | 1995-12-08 | 抄紙機用サクション装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34508495A JPH09158079A (ja) | 1995-12-08 | 1995-12-08 | 抄紙機用サクション装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09158079A true JPH09158079A (ja) | 1997-06-17 |
Family
ID=18374181
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34508495A Pending JPH09158079A (ja) | 1995-12-08 | 1995-12-08 | 抄紙機用サクション装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09158079A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005092526A1 (ja) * | 2004-03-26 | 2005-10-06 | Aoki Machinery Co., Ltd | 帯状用具の洗浄装置 |
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1995
- 1995-12-08 JP JP34508495A patent/JPH09158079A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005092526A1 (ja) * | 2004-03-26 | 2005-10-06 | Aoki Machinery Co., Ltd | 帯状用具の洗浄装置 |
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Legal Events
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A02 | Decision of refusal |
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