JPH09156586A - 小型舟艇 - Google Patents

小型舟艇

Info

Publication number
JPH09156586A
JPH09156586A JP8262426A JP26242696A JPH09156586A JP H09156586 A JPH09156586 A JP H09156586A JP 8262426 A JP8262426 A JP 8262426A JP 26242696 A JP26242696 A JP 26242696A JP H09156586 A JPH09156586 A JP H09156586A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hull
propulsion
generator
outboard motor
small boat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8262426A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyoshi Tamamoto
和由 玉本
Kazuo Katayama
一男 片山
Toshiro Kizaki
俊郎 木崎
Keisuke Takeda
圭介 武田
Keiji Arakoe
圭嗣 荒古江
Masamitsu Harada
雅光 原田
Kenji Matsuo
賢治 松尾
Shin Shirao
伸 白尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MATSUDA ENG KK
Original Assignee
MATSUDA ENG KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MATSUDA ENG KK filed Critical MATSUDA ENG KK
Priority to JP8262426A priority Critical patent/JPH09156586A/ja
Publication of JPH09156586A publication Critical patent/JPH09156586A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B61/00Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
    • F02B61/04Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers
    • F02B61/045Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers for marine engines

Landscapes

  • Other Liquid Machine Or Engine Such As Wave Power Use (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型軽量な舟艇で船外機を船尾部に装備する
と、走航安定性、操縦性、耐ロール性能、旋回安定性、
始動操作性を十分に高めることが難しく、操縦伝達系も
複雑化する。 【解決手段】 小型舟艇としての小型プレジャーボート
1の船体2の前半部の後部に船外機3を装備し、全重量
の重心Gを船体長さ方向のほぼ中心部に設定し、船体前
部11に停止水面4以下に没っする前部没水部14を形
成し、船体後部12に停止水面4、高速走航水面5以下
に没っする後部没水部16(左側後部没水部と右側後部
没水部とに振り分けられている)を形成し、船体の長さ
方向中央部分の底部を停止水面4より高く凹入させて船
外機3をチルト可能に構成し、シート8に着座し、操縦
桿7を操作しつつ適度なバウアップ状態で高速走航、旋
回走航可能に構成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型舟艇に関し、
特に船体の前部に推進力発生機を装備し、操縦者が推進
力発生機の後側に着座して操縦し高速走航可能な小型舟
艇に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高速走航可能な小型舟艇であるモ
ーターボートは、船体の船尾部に船外機を着脱可能に装
備し、船体のほぼ中央部付近にシートを設け、そのシー
トの前側付近に操縦桿を設け、船外機のプロペラで発生
する推進力で走航し、操縦桿を操作して船外機を縦軸回
りに回動させて操舵するようになっている。モーターボ
ートの船底部は、キール部側に低く傾斜した一般的な船
底形状であり、船体後部の船底部のプレーニング作用に
より高速走航可能である。
【0003】更に、小型舟艇であるジェットスキーは、
船体と、船体の船尾部に設けられたウォータジェット式
推進機と、船体のほぼ中央部に設けられたシートと、そ
のシートの前側に配設された操縦桿とを備えている。
尚、ウォータジェット式推進機は推進効率が低いために
約60PSもの大型のエンジンが必要で、ジェットスキ
ーの全重量が大きく一人で搬送不可能である。このよう
に、従来の船外機やウォータジェット式推進機等の推進
力発生機を装備した小型舟艇では、通常船体の船尾部に
推進力発生機を装備し、船体の略中央部付近にシートを
設け、そのシートの前側近傍に操縦桿を配置するのが一
般的である。
【0004】一方、特開平5−278672号公報に記
載の小型プレジャーボートにおいては、船尾部にウォー
タジェット式の船外機をチルト可能に装備し、船体を運
ぶ際の労力軽減の為に、船体の船体本体とフロントデッ
キと搭乗者用のシートとを分割可能に構成してある。こ
のボートの船体の船底部は、前記モーターボートと同様
に、キール部側に低く傾斜した一般的な船底形状であ
る。
【0005】更に、実開昭62−162198号公報に
記載の小型ボートにおいては、船体の長さ方向中央部分
の後端付近に船外機を装着する為の挿通孔を形成して船
外機を装備し、その挿通孔の前側近傍部位において船体
前部と船体後部とを分割可能に構成し、船外機の前側に
操縦者が着座するシートを設けてある。一人乗りの場合
には、船体のバウアップ(船尾トリム状態)を抑制する
為に、挿通孔に船外機を装備し、また、二人乗りの場合
には船尾部に船外機を装備するように構成してある。こ
の小型ボートは釣り船等として用いるのに好適のもので
あるが、船体の船底部は、前記モーターボート等と同様
の構造である。
【0006】米国特許第4652245号公報及び米国
特許第4652245号公報には、船体の長さ方向中央
部より前側部分に推進力発生機を装備した小型舟艇が記
載されている。米国特許第4652245号公報の小型
舟艇におていは、その船底部が船体のキール部側に低く
傾斜し、船長方向に略フラットに形成され、米国特許第
4652245号の小型舟艇においては、その船底部全
体が略フラットに形成されている。
【0007】特開平6−87486号公報に記載の小型
舟艇においては、段部を介して船尾側船底を船首側船底
より高く形成して、船首側船底内に推進力発生機を装備
するとともに、船尾側船底の船尾部にはその両側部から
下方へ突出した没水部が設けられている。前記船尾側船
底全体は略フラットに形成され、小型舟艇の停止時に
は、船尾側船底と船首側船底の両方が没水した状態にな
り、走航時においては、小型舟艇が高速になるととも
に、船尾側船底が浮上して、船首側船底と没水部が接水
した状態で走航するように構成してある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の小型舟艇では、
推進力発生機の推進力で船体の重心回りにバウアップ方
向へのモーメントが作用し、船体後部に作用する浮力と
プレーニング作用力である揚力とで船体の重心回りにバ
ウアップ抑制方向へのモーメントが作用することにな
る。しかし、推進力発生機を船尾部に装備するため、船
体全重量の重心が後部寄りの位置になるから、バウアッ
プ抑制方向へのモーメントが小さくなり易く、大きなバ
ウアップが発生し易くなる。
【0009】特に、船体と推進力発生機との合計重量が
80Kg程度で自動車のルーフキャリアに搭載して搬送
可能な小型舟艇の場合には、船体の重量が小さいため、
重心位置が一層後方になって一層大きな過度のバウアッ
プが発生し易くなり、走航安定性が低下すること、操縦
が難しくなること、等の問題がある。しかも、推進力発
生機の推力発生部が重心よりも後方にあるため、旋回時
に過剰旋回が生じて不安定になり易く、旋回安定性に乏
しく、高速走航時の旋回操縦が難しい。また、船外機が
船尾部の後側へ突出状に位置しているため、船外の泳者
等に接近した場合に安全性の面から好ましくないこと、
着岸の際に船外機を損傷しやすいこと、等の問題もあ
る。
【0010】また、推進力発生機が船尾部にある関係
上、推進力発生機始動の際、操縦者が船尾付近で後向き
になった状態で始動操作する必要があるが、その始動時
の操作性が悪く、重量バランスが崩れて不安定状態にな
りやすい。また、船体の長さ方向のほぼ中央部分に操縦
桿を設け、船尾部に推進力発生機を配置するので、操縦
桿から推進力発生機に至るケーブルやリンクからなる操
縦伝達系が長く複雑化する。また、推進力発生機が船尾
部の幅方向中央部にある関係上、推進力発生機とは独立
に船尾舵を装備することが難しい。
【0011】船体の船底部がキール部側に低く傾斜した
一般的な船底形状であるため、仮に小型のキールウイン
グ等を設けてもローリングし易く、耐ロール性能を高め
ることが難しい。また、船底が船長方向にフラットであ
るため、低中速走航時に小さなバウアップ状態で走航す
る際に船底部の没水面積が大きくなって抵抗が増すの
で、走航速度の割りに燃料消費量が多くなるという問題
もある。また、上記した問題点により、前記小型舟艇に
おいては、荒波の中等の極限の状況下で人命救助等の作
業をするレスキュー艇や沿岸警備艇等に適用し難い。
【0012】更に、実開昭62−162198号公報に
記載の小型ボートでは、船外機を船尾部ではなく、船体
の長さ方向中央部分の後端付近に装備するため、重心位
置が幾分前側へ移動し、バウアップを抑制しやすくなっ
ている。しかし、この小型ボートは、釣り船等に好適の
もので、高速走航や高速旋回走航をエンジョイするプレ
ジャーボートに適したものとは言い難く、前記同様に、
操縦性、船外機の始動時の操作性、低中速走航時におけ
る抵抗増加、等の問題がある。
【0013】また、特開平5−278672号公報に記
載の小型プレジャーボートでは、船体の船体本体とフロ
ントデッキと搭乗者用のシートとを分割可能にし、船体
を運ぶ際の労力を軽減できるが、船外機の搬送,装着に
関してはあまり考慮されていない。従来、特に重量の大
きな船外機においては既存のキャリアスタンドでに装着
して搬送することになるが、船体とキャリアスタンド間
においては、船外機を人力で抱えて又はクレーンで吊下
げて搬送なければならないし、その際、船外機を船体と
キャリアスタンドの一方から取外して他方へ装着し直さ
なければならない。即ち、船外機の搬送や取付け作業に
大変な労力と費用が必要になる。尚、クレーンを使用す
る為には、クレーンの運転免許が必要であるという問題
もある。
【0014】米国特許第4652245号公報に記載の
小型船底においては、船体の船底部がキール部側に低く
傾斜し、船長方向に略フラットであるため、耐ロール性
が低いこと、船底部の没水面積が大きいために水の摩擦
抵抗が大きくなること、等の問題がある。尚、船底部に
おける推進力発生機の後側には、推進力発生機からの水
流を後方へ通す細長い溝が形成されており、この溝によ
り、直進安定性は向上すが、水の摩擦抵抗を低減するこ
とはできない。米国特許第4089291号公報に記載
の小型船底においては、船底部全体が略フラットである
ため、直進安定性が非常に低いこと、水の摩擦抵抗が非
常に大きいこと等の問題がある。
【0015】特開平6−87486号公報に記載の小型
舟艇においては、船尾側船底を浮上させ、船首側船底と
没水部を接水させた状態で走航すると、水の抵抗を低減
できるが、前記船尾側船底は、船首側船底から段部を介
して連なり全体が略フラットに形成されているため、中
低速走行時において、或いは、操縦者の体重が大きい場
合や水面状態が悪い場合等の条件によっては、船尾側船
底全体が没水する場合があり、この場合、水の摩擦抵抗
を低減できず、燃料経済性が向上しない。
【0016】本発明の目的は、過度のバウアップを抑制
して走航安定性と操縦性を高めること、耐ロール性を高
めること、船外機の損傷を低減すること、船外機の始動
操作性やメンテナンス性を高めること、操縦伝達系を簡
単化すること、中低速走航時の抵抗低減を図ること、船
体を陸上で取扱い易くすること、推進力発生機の船体へ
の取付け取外し作業を簡単化すること、等である。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1小型舟艇は、船
体とこの船体に取外し可能又は固定的に装備される推進
力発生機を備えた小型舟艇において、船体の長さ方向中
心よりも前側の部分に推進力発生機を配設し、船体長さ
方向略中央部分の船底部に前端段上り状に凹入して後方
ほど凹入が浅くなるステップ構造を設け、このステップ
構造の後側の船底部分の幅方向中央部に上方へ滑らかに
凹入する凹入部を形成し、前記推進力発生機よりも後側
部位に操縦者が着座するためのシートを設けたものであ
る。
【0018】推進力発生機を船体の長さ方向中心よりも
前側の部分に配設するので、推進力発生機を船尾部に装
備する場合に比較して、重心をより前側に位置させ、過
度のバウアップを抑制できる。それ故、船体を軽量化し
ても過度なバウアップが生じず、走航安定性を確保で
き、操縦も簡単化する。推進力発生機の後側にシートを
設けるため、そのシートに着座した又は直ちに着座でき
る安定した姿勢で推進力発生機を始動させることができ
るし、また、操縦桿の操作力を推進力発生機に伝達する
操縦伝達系を簡単化できる。
【0019】また、平面視において推進力発生機の回り
が船体で囲繞されるため、船外の泳者に接近しても事故
を起こしにくく安全性が高まり、着岸時等に推進力発生
機を損傷しにくくなる。しかも、船体長さ方向略中央部
分の船底部に前端段上り状に凹入して後方ほど凹入が浅
くなるステップ構造を設けることで、船体の接水面積を
小さくすることができ、更に、このステップ構造の後側
の船底部分の幅方向中央部に上方へ滑らかに凹入する凹
入部を形成することで、走行時における水の摩擦抵抗が
非常に小さくなり、燃料経済性にも優れる。
【0020】請求項2の小型舟艇は、船体とこの船体に
取外し可能又は固定的に装備される推進力発生機を備え
た小型舟艇において、船体の船底部のうちの推進力発生
機の推進力発生部よりも後方の部位に、前端段上り状に
凹入して後方ほど凹入が浅くなるステップ構造を設け、
このステップ構造の後側における船底部に、左右に略ぼ
振り分けられ船体の一部からなる没水部を設けたもので
ある。前記没水部は、浮力とプレーニング作用による揚
力を発生させる部分である。
【0021】推進力発生機の推進力発生部よりも後方
に、船体の一部からなる没水部を設けるので、推進力発
生機を船尾部に装備する場合に比較して、重心をより前
側に位置させ、過度のバウアップを抑制できる。それ
故、船体を軽量化しても過度なバウアップが生じず、走
航安定性を確保でき、操縦も簡単化する。しかも、没水
部は左右に略ぼ振り分けられているので、耐ロール性に
優れるうえ、直進安定性に優れ、プレーニング作用を強
化できる。そして、船体の後側に船体の一部である没水
部があるため、仮に船外の泳者に接近しても事故を起こ
しにくく安全性が高まり、着岸時等に推進力発生機を損
傷しにくくなる。しかも、船体の船底部のうちの推進力
発生機の推進力発生部よりも後方の部位に、前端段上り
状に凹入して後方ほど凹入が浅くなるステップ構造を設
けることで、船体の接水面積を小さくすることができ、
走行時における水の摩擦抵抗が非常に小さくなるので、
燃料経済性にも優れる。
【0022】請求項3の小型舟艇は、船体とこの船体に
取外し可能又は固定的に装備される推進力発生機を備え
た小型舟艇において、推進力発生機の推進力発生部が船
体と推進力発生機と操縦者の重心よりも前側に位置する
ように推進力発生機を配置し、前記船体の船底部のうち
の推進力発生部の後側付近の部位に、前端段上り状に凹
入して後方ほど凹入が浅くなるステップ構造を設け、こ
のステップ構造の後側の船底部分の幅方向中央部に上方
へ滑らかに凹入した凹入部を形成したものである。
【0023】それ故、船体と推進力発生機と操縦者との
重量の重心を、推進力発生機を船尾部に装備した場合よ
りもより前側に位置させ、過度のバウアップを抑制でき
る。それ故、船体を軽量化しても過度なバウアップが生
じず、走航安定性を確保でき、操縦も簡単化する。しか
も、推進力発生機の推進力発生部が重心よりも前側にあ
るので、旋回時に過剰旋回が生じにくく、旋回安定性に
優れる。しかも、前記船体の船底部のうちの推進力発生
部の後側付近の部位に、前端段上り状に凹入して後方ほ
ど凹入が浅くなるステップ構造を設けることで、船体の
接水面積を小さくすることができ、更に、このステップ
構造の後側の船底部分の幅方向中央部に上方へ滑らかに
凹入した凹入部を形成することで、走行時における水の
摩擦抵抗が非常に小さくなるので、燃料経済性にも優れ
る。
【0024】請求項4の小型舟艇は、船体とこの船体に
取外し可能又は固定的に装備される推進力発生機を備え
た小型舟艇において、船体の長さ方向中心よりも前側の
部分に推進力発生機を配設し、船体長さ方向略中央部分
の船底部に前端段上り状に凹入して後方ほど凹入が浅く
なるステップ構造を設け、前記船体の前部と後部に、船
体長さ方向中央部分の船底部分よりも下方へ突出した前
部没水部と後部没水部とを夫々設け、後部没水部は船底
部分の幅方向中央部に形成され上方へ滑らかに凹入した
凹入部を介して左右両サイドに振り分けられたものであ
る。
【0025】推進力発生機を船体の長さ方向中心よりも
前側の部分に装着するので、推進力発生機を船尾部に装
備する場合に比較して、重心をより前側に位置させ、過
度のバウアップを抑制できる。それ故、船体を軽量化し
ても過度なバウアップが生じず、走航安定性を確保で
き、操縦も簡単化する。推進力発生機の後側にシートを
設けることができるため、そのシートに着座した又は直
ちに着座できる安定した姿勢で推進力発生機を始動させ
ることができるし、また、操縦桿の操作力を推進力発生
機に伝達する操縦伝達系を簡単化できる。また、平面視
において推進力発生機の回りが船体で囲繞されるため、
仮に船外の泳者に接近しても事故を起こしにくく安全性
が高まり、着岸時等に推進力発生機を損傷しにくくな
る。
【0026】船体の前部と後部に、船体長さ方向中央部
分の船底よりも下方へ突出した前部没水部と後部没水部
とを夫々設けたので、走航停止状態では、前部没水部と
後部没水部とで浮力が発生するため安定性が高まる。ま
た、高速走航時に適度にバウアップした状態では、前部
没水部が空中に浮上し、後部没水部により浮力とプレー
ニング作用による揚力が発生する。低中速走航時には、
前部没水部の没水面積が零ないし非常に小さくなり、ま
た、船体長さ方向略中央部分の船底部に前端段上り状に
凹入して後方ほど凹入が浅くなるステップ構造を設ける
ことで、走航時に船体長さ方向中央部分の船底も没水し
ないため、走航抵抗が非常に小さくなり燃料経済性に優
れる。しかも、後部没水部が前記凹入部を介して左右両
サイドに振り分けて設けられているので、安定性、耐ロ
ール性能に優れるうえ、直進走航性に優れ、プレーニン
グ作用を強化できる。
【0027】請求項5の小型舟艇は、請求項1〜請求項
4の何れか1項の発明において、推進力発生機を操縦す
る為の操縦桿を推進力発生機の後側に配置したものであ
る。それ故、操縦桿の操作力を推進力発生機へ伝達する
操縦伝達系を簡単化し、操縦性を高め、推進力発生機を
始動する為の始動ノブを後方へ引っ張るように構成する
ことで、推進力発生機を始動する際の始動操作性を高め
ることができる。その他、基本的に請求項1〜請求項4
の何れか1項と同様の作用を奏する。
【0028】請求項6の小型舟艇は、請求項5の発明に
おいて、操縦桿に推進力発生機から伝わる振動を吸収す
る緩衝機構を設けたものである。それ故、推進力発生機
からの振動を緩衝機構で吸収して操縦桿に伝達するのを
抑制できる。その他、基本的に請求項5と同様の作用を
奏する。
【0029】請求項7の小型舟艇は、請求項5の発明に
おいて、操縦桿が丸ハンドルからなり、その操縦桿の操
作力を推進力発生機に伝達するラック・ピニオン機構を
設けたものである。それ故、船体に取外し可能に装着さ
れた推進力発生機を取り外す際に、ラック・ピニオン機
構のラックとピニオンとを分離するように構成して、前
記推進力発生機の取外しを簡単化することができる。そ
の他、基本的に請求項5と同様の作用を奏する。
【0030】請求項8の小型舟艇は、請求項1〜請求項
4の何れか1項の発明において、船体の後端部に船尾舵
を設け、推進力発生機による操舵に加えて、船尾舵を介
して操舵可能に構成したものである。それ故、船尾舵を
介して操舵できるため、旋回性能を著しく高めることが
できる。その他、基本的に請求項1〜請求項4の何れか
1項と同様の作用を奏する。
【0031】請求項9の小型舟艇は、請求項8の発明に
おいて、推進力発生機による操舵に連動して船尾舵が操
舵されるように、推進力発生機と船尾舵とを連動連結す
る連結機構を設けたものである。それ故、船尾舵を別途
操舵する必要がなく、船尾舵の操作のために操縦が難し
くなるのを防止できる。その他、基本的に請求項8と同
様の作用を奏する。
【0032】請求項10の小型舟艇は、請求項8の発明
において、前記船尾舵を推進力発生機とは独立に操舵す
るように構成したものである。それ故、推進力発生機の
故障の際にも船尾舵を介して確実に操舵できるし、ま
た、推進力発生機の正常のときには、船尾舵を介して所
望の操舵を行うことができる。その他、基本的に請求項
8と同様の作用を奏する。
【0033】請求項11の小型舟艇は、請求項1〜請求
項4の何れか1項の発明において、平面視において、推
進力発生機が船体で囲繞されているものである。それ
故、推進力発生機を船体でガードし、着岸時などの際他
の物体との衝突により推進力発生機が損傷するのを確実
に防止することができるし、接近した泳者等に対する安
全性を確保できる。その他、基本的に請求項1〜請求項
4の何れか1項と同様の作用を奏する。
【0034】請求項12の小型舟艇は、請求項11の発
明において、推進力発生機のうちの船体外へ突出する部
分を覆うカバー部材を船体の船底に設けたものである。
それ故、推進力発生機の船体外へ突出する部分をカバー
部材でガードし、着岸時や浅瀬を走航する際に推進力発
生機を損傷するのを確実に防止することができるし、接
近した泳者等に対する安全性を確保できる。その他、基
本的に請求項11と同様の作用を奏する。
【0035】請求項13の小型舟艇は、請求項12の発
明において、前記カバー部材がキールウイング効果を奏
するように構成されたものである。それ故、カバー部材
のキールウイング効果により耐ロール性能、直進走航性
能が向上する。その他、基本的に請求項12と同様の作
用を奏する。
【0036】請求項14の小型舟艇は、請求項11の発
明において、推進力発生機がプロペラを有し、このプロ
ペラの外周側を覆うプロペラカバーを推進力発生機に設
けたものである。それ故、推進力発生機のプロペラをプ
ロペラカバーでガードしてプロペラの損傷を防止でき、
接近した泳者等に対する安全性を確保できる。その他、
基本的に請求項11と同様の作用を奏する。
【0037】請求項15の小型舟艇は、請求項1〜請求
項4の何れか1項の発明において、船体が、その長さ方
向途中部において分割可能な船体前部と船体後部とから
なり、これら船体前部と船体後部とを連結解除可能に連
結する連結機構を設けたものである。それ故、陸上にお
いて搬送する際には、船体前部と船体後部とを分割し別
体にして搬送できるから取扱い易く可搬性に優れる。そ
の他、基本的に請求項1〜請求項4の何れか1項と同様
の作用を奏する。
【0038】請求項16の小型舟艇は、請求項1〜請求
項4の何れか1項の発明において、推進力発生機よりも
後側付近の船底の部分に、推進力発生機をチルトさせた
ときに推進力発生機の下部を逃す為の逃し用凹部を設け
たものである。それ故、必要に応じて推進力発生機をチ
ルトさせることが可能となり、着岸時や浅瀬走航の際に
は、推進力発生機をチルトさせることで推進力発生機の
損傷を防止できる。前記逃し用凹部は船底の没水面積を
小さくする作用を奏するため、抵抗低減の面で有利であ
るから、逃し用凹部を、推進力発生機の下部を逃す為の
サイズ以上に大型に形成することで、かなりの抵抗低減
を図ることができる。その他、基本的に請求項1〜請求
項4の何れか1項と同様の作用を奏する。
【0039】請求項17の小型舟艇は、請求項16の発
明において、前記逃し用凹部は、走航停止状態における
水面よりも上方へ凹入しているものである。それ故、請
求項18において説明したように、水面よりも上方へ凹
入した逃し用凹部により、走航時の抵抗低減を図ること
ができる。その他、基本的に請求項16と同様の作用を
奏する。
【0040】請求項18の小型舟艇は、請求項17の発
明において、前記逃し用凹部をなす船底部分に、作業穴
と、その作業穴を開閉可能に塞ぐ蓋部材とを設けたもの
である。それ故、推進力発生機に海草やロープ等が絡ま
ったりして推進力発生機が故障したりした際に、推進力
発生機をチルトさせ、蓋部材を開いて作業穴を開け、船
体内から推進力発生機にメンテナンスを施すことができ
る。その他、基本的に請求項17と同様の作用を奏す
る。
【0041】請求項19の小型舟艇は、請求項1〜請求
項4の何れか1項の発明において、前記船体長さ方向中
央部分の船底を、走航停止状態における水面よりも上方
へ凹入状に形成し、推進力発生機の位置を鉛直方向に切
換え可能な位置切換え機構を設けたものである。それ
故、着岸時や浅瀬走航の際には、位置切換え機構を介し
て推進力発生機の位置を上方へ切換えて、推進力発生機
の推進力発生部を水面よりも高く位置させ、推進力発生
部の損傷防止を図ることができる。その他、基本的に請
求項1〜請求項4の何れか1項と同様の作用を奏する。
【0042】請求項20の小型舟艇は、請求項1〜請求
項4の何れか1項の発明において、推進力発生機のフー
ドカバーに始動用ロープの方向を後方向きに変換するロ
ーラ部材を設け、推進力発生機の始動用ノブを後方へ引
いて始動するように構成したものである。それ故、推進
力発生機の後側から始動用ノブを後方へ引いて推進力発
生機を始動でき、始動操作性を高めることができる。そ
の他、基本的に請求項1〜請求項4の何れか1項と同様
の作用を奏する。
【0043】請求項21の小型舟艇は、請求項1〜請求
項4の何れか1項の発明において、前記推進力発生機
が、船体に取外し可能に装着される船外機であることを
特徴とするものである。それ故、船体と船外機とを分割
して搬送することができるし、船体に推進力発生機構,
出力,大きさ等の異なる種々の推進力発生機の取付けが
可能になる。その他、基本的に請求項1〜請求項4の何
れか1項と同様の作用を奏する。
【0044】請求項22の小型舟艇は、請求項1〜請求
項4の何れか1項の発明において、前記推進力発生機
が、船体に固定的に装着される船内外機であることを特
徴とするものである。それ故、船体に推進力発生機を取
外し可能に装着する小型舟艇に比べると、船内外機を船
体に固定的に装着する構造を簡単化でき、制作コスト的
にも有利になる。その他、基本的に請求項1〜請求項4
の何れか1項と同様の作用を奏する。
【0045】請求項23の小型舟艇は、請求項1〜請求
項4の何れか1項の発明において、前記推進力発生機
が、ウォータジェット式推進機であることを特徴とする
ものである。船外機や船内外機と比べると、ウォータジ
ェット式推進機は推進効率が低いために大型のエンジン
が必要でその重量も大きくなるが、過度のバウアップを
確実に抑制できる等、基本的に請求項1〜請求項4の何
れか1項と同様の作用を奏する。
【0046】請求項24の小型舟艇は、請求項21の発
明において、前記船外機を装着して搬送する為のキャリ
アスタンドに船外機を装着したまま、船外機とキャリア
スタンドが船体に取外し可能に装着されることを特徴と
するものである。それ故、特に重量の大きな船外機等に
おいては船体から取外してキャリアスタンドで搬送する
ことになるが、船体とキャリアスタンド間において、船
外機を人力で抱えて又はクレーンで吊下げて搬送する作
業や、船外機を船体とキャリアスタンドの一方から取外
して他方へ装着し直す作業を省略でき、船外機の搬送や
取付け作業を非常に簡単化して作業負荷を低減できる。
その他、基本的に請求項21と同様の作用を奏する。
【0047】請求項25の小型舟艇は、請求項24の発
明において、前記キャリアスタンドは、船外機を操縦す
る為の操縦桿と、操縦桿の操作力を推進力発生機に伝達
する操縦伝達系を有するものである。それ故、船外機と
船操縦桿と操縦伝達系とを連結した状態で、船体に一体
的に着脱することができる。その他、基本的に請求項2
4と同様の作用を奏する。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しつつ詳細に説明する。本発明に係る小
型舟艇としての小型プレジャーボートは、基本的には一
人乗り(但し、二人乗り以上も可能)で最大例えば約8
0Km/hもの高速で走航可能なもので、船体と船外機
との合計重量も例えば約60〜80Kg程度で、船外機
を外し、船体を2分割した状態で一人で持ち運びでき、
自動車のルーフキャリアに搭載して搬送可能なものであ
る。
【0049】最初に、図1〜図13を参照してメイン実
施形態について説明する。図1、図2に示すように、こ
の小型プレジャーボート1は、船体2と、その船体2の
長さ方向中心よりも前側の幅方向中央部に着脱自在に装
着されるプロペラ式の船外機3とを主体として構成され
ている。この小型プレジャーボート1(以下、プレジャ
ーボートと言う)は、長さ約1.8 〜2.4 m、幅約1.0 〜
1.4 m、船体重量約30〜40kg、船外機重量約30
〜40Kgの小型のものである。
【0050】図2に示すように、このプレジャーボート
1は、一人乗りで走航停止状態のときには、停止水面4
にほぼ平行な姿勢となり、高速走航状態のときには高速
走航水面5に対して適度にバウアップした姿勢となり、
中低速走航状態では、速度に応じて停止水面4と高速走
航水面5との間の水面となる。船体2と船外機3と操縦
者の全重量の重心は、図2に示す重心Gの位置またはそ
の近傍の位置となっている。
【0051】船体2の前半部の後部には船外機3が配設
され、この船外機3の後側には操縦ボックス6と操縦ボ
ックス6に設けた操縦桿7が配設され、操縦ボックス6
の後側にはシート8が配設されている。船体2の前半部
の前部には船外機3に供給する燃料を貯留した燃料タン
ク9(図8、図9参照)が設けられている。但し、燃料
タンク9の位置は、この位置に限るものではなく、重量
バランスの観点から燃料タンク9の位置を変更すること
もある。
【0052】船体2について説明すると、図8、図9に
示すように、この船体2は、そのほぼ前半部を形成する
船体前部11と、船体前部11に嵌合する嵌合連結部1
2aを有し船体2のほぼ後半部を形成する船体後部12
とに分割可能であり、船体前部11と船体後部12と
は、後述の連結機構により連結解除可能に連結される。
船体前部11には、その前端部においてヒンジ結合され
て開閉可能な中空カバー状のフロントデッキ13が設け
られている。
【0053】図2、図3、図5に示すように、船体前部
11の底部には、走航停止状態のとき、停止水面4以下
に没水するとともに高速走航状態では高速走航水面5よ
りも上方へ浮上する前部没水部14が形成され、この前
部没水部14の幅方向中央部には、船外機3のプロペラ
42へ十分な水流を導く為の上方へ凹入した凹入部15
が形成されている。前部没水部14の底面は、凹入部1
5を除き、幅広のフラット状に形成されているため、走
航停止状態における安定性、耐ロール性能を高めること
ができる。
【0054】図2、図4に示すように、船体2の長さ方
向略中央部分の船底部には、前端段上り状に凹入して後
方ほど凹入が浅くなるステップ構造18が設けられ、こ
のステップ構造18の後側の船底部分の幅方向中央部に
上方へ滑らかに凹入する凹入部17が形成されている。
図2に示すように、ステップ構造18を含む船体長さ方
向略中央部分の船底は、走航停止時、中低速走航時、高
速走航時において、水面から浮上した状態になってい
る。即ち、船体2の接水面積を小さくすることができ、
更に、このステップ構造18の後側の船底部分の幅方向
中央部に上方へ滑らかに凹入する凹入部17を形成する
ことで、走行時における水の摩擦抵抗が非常に小さくな
り、燃料経済性にも優れるようになる。
【0055】図2、図4、図7に示すように、船体後部
12の底部には、走航停止状態のとき、停止水面4以下
に没水するとともに高速走航状態のとき大部分が没水し
て浮力と揚力を発生させる後部没水部16が形成され、
この後部没水部16は、左右両サイドに振り分けられた
左側後部没水部16aと右側後部没水部16bとからな
り、左側後部没水部16aと右側後部没水部16bの間
に、両水面4,5の近くまで上方へ凹入した凹入部17
が形成されている。但し、この凹入部17は、停止水面
4よりも上方へ凹入した形状に構成してもよい。この後
部没水部16の底面は、凹入部17を除き、幅広のフラ
ット状に形成され、しかも、左側後部没水部16aと右
側後部没水部16bとに振り分けられているので、走航
停止状態及び走航状態における安定性、耐ロール性能を
高めることができる。後部没水部16の前部の底面は、
緩曲面でもって後方下がりに傾斜しているため、走航時
における抵抗も少なくなる。
【0056】上記のように、船体2の長さ方向略中央部
分の船底部にはステップ構造18が設けられているが、
図2、図6に示すように、このステップ構造18によ
り、船外機3をチルトさせた際に船外機3の下部を逃す
為の逃し用凹部18aが形成されている(図10参
照)。図5、図8、図9に示すように、船体前部11
は、フロントデッキ13以外、FRP製の表皮部材19
及び高剛性のリブ部材20と、表皮部材19の内部に充
填した合成樹脂(例えばウレタン樹脂)発泡体21とで
構成され、タンク収容部22には燃料タンク9が取外し
可能にバンド部材23を介して固定され、燃料タンク9
は、燃料供給ホースを介して船外機3に接続される。
【0057】船体前部11の後部には、船体後部12の
嵌合連結部12aを嵌合させる為の嵌合凹部26が形成
され、この嵌合凹部26の下側の前端部と左部と右部に
は嵌合連結部12aを支持する支持部26a,26bが
形成されている。この嵌合凹部26の幅方向中央部とそ
の下側の部分には、船外機3のシャフトケース41が十
分な隙間を持って挿通する開口穴27が上下貫通状に形
成されている。
【0058】図7、図8、図9に示すように、船体後部
12は、FRP製の表皮部材28及び高剛性のリブ部材
29a〜29cと、表皮部材28の内部に充填した合成
樹脂(例えばウレタン樹脂)発泡体30とで構成されて
いる。船体後部12の嵌合連結部12aには、船外機3
のシャフトケース41が十分な隙間をもって挿通する開
口穴31であって、嵌合連結状態において開口穴27に
連なる開口穴31が形成され、この開口穴31に連なり
且つ船外機3をチルトさせたときに船外機3のシャフト
ケース41を逃す為の逃し用開口穴32であって逃し用
凹部18aに連なる逃し用開口穴32が形成され、この
逃し用開口穴32の外周フランジ32aに操縦ボックス
6の下端部を外嵌合させて固定することにより、逃し用
開口穴32が操縦ボックス6で蓋されるように構成して
ある。船体後部12の嵌合連結部12aの強度・剛性確
保の為、開口穴31と逃し用開口穴32の外側を囲繞す
る補強用リブ部材29a〜29cが設けられている。
尚、逃し用開口穴32が作業穴に相当し、操縦ボックス
6が蓋部材に相当する。
【0059】船体前部11と船体後部12とを連結解除
可能に連結する場合、図8、図9に示すように、船体前
部11の嵌合凹部26に、船体後部12の嵌合連結部1
2aを嵌合させ、補強用リブ部材29aの左右2個所を
ボルト33で船体前部11のリブ部材20に締結すると
ともに、嵌合連結部12aの左右両端部の2つのボルト
穴35に上方から挿通させた2本のボルト34を支持部
26bのボルト穴36に螺合して締結する。尚、嵌合凹
部26、嵌合連結部12a、ボルト33,34及びボル
ト穴35,36等が、船体前部11と船体後部12とを
連結解除可能に連結する連結機構に相当する。
【0060】図1、図2、図6、図7に示すように、操
縦者が着座する為のシート8は、船体後部12の後部の
幅方向中央部を上方へ膨らませてその上にシート本体8
Aを装着して構成してある。但し、シート本体8Aの下
側には、工具類を収容する為の収納ボックス37が設け
られ、シート本体8Aは、シート板8aとその表面に接
着したクッション材8bとで構成され、このシート本体
8Aは、図10に示すように収納ボックス37を開閉可
能にヒンジ結合してある。前記操縦ボックス6の後部に
もクッション材8cを設けてシート8の延長部に構成し
てある。
【0061】図1、図2、図8に示すように、船体後部
12の左部と右部には、そのほぼ全長に亙って、シート
8に着座した操縦者の左右の足を収容する為の足収容凹
部10が夫々形成され、この足収容凹部10は、シート
8の側方部位から嵌合連結部12aにかけて細長く連続
状に設けられている。但し、シート8に着座して前方へ
延ばした左右の足が窮屈にならないように、必要に応じ
て、足収容凹部10のうちの前方へ延ばした足に対応す
る部分を図示の状態よりも一層深く形成してもよいし、
シート8に着座して後方へ延ばした左右の足が窮屈にな
らないように、必要に応じて、足収容凹部10を図示の
状態よりも後方へ延ばしてもよい。
【0062】次に、船外機3と、船外機3を操舵操作す
る操舵機構について説明する。図1、図2、図10、図
11に示すように、船外機3は、約10〜15PSの市販の
船外機であり、船外機3の上端側のギヤケース40内に
は、エンジンと減速ギヤとフライホイール等が収容さ
れ、ギヤケース40の上端部にはフード40aが設けら
れている。船外機3のシャフトケース41は、エンジン
本体から下方へ鉛直に延び、シャフトケース41内には
エンジンの駆動力をプロペラ42に伝達するシャフト及
びギヤ類が収容されている。前記シャフトケース41の
下端部の後側部には、プロペラ42が後向きに設けられ
ている。
【0063】この船外機3はクランプ機構43により船
体後部12の嵌合連結部12aの前端の補強用リブ部材
29aに連結解除可能に固定され、クランプ機構43
は、船外機3を図10に鎖線で示すようにチルトさせる
為のヒンジ結合部44を有し、船外機3をほぼ鉛直の使
用位置と、第1チルト位置3(A)と、第2チルト位置
3(B)とに選択的に切換えてロック可能である。更
に、船外機3を鉛直軸回りに回動させて操舵できるよう
に、ギヤケース40とシャフトケース41とに固定され
た立て向きの枢支軸46(図12参照)が設けられ、こ
の枢支軸46がクランプ機構43のクランプ本体と一体
の枢軸部材45に回動自在に枢着されている。尚、船外
機3のギヤケース40の左側の側面には、船外機3のア
クセルレバー47が鎖線で示すように設けられている。
【0064】図12、図13に示すように、操舵機構
は、操縦ボックス6に軸受け部材50を介して回動自在
に装着された操縦桿7と、操縦桿7の回動操作力を枢支
軸46に伝達する操縦伝達系とを有する。操縦伝達系
は、操縦桿7の支軸7aに固着された入力レバー51
と、枢支軸46に固着されて前方へ延びる出力レバー5
2と、両レバー51,52を連結するプッシュ・プルケ
ーブル53またはリンク機構とで構成されている。
【0065】プレジャーボート1を左旋回する為に、操
縦桿7を左回りに回動させると、入力レバー51とプッ
シュ・プルケーブル53とを介して出力レバー52が左
方へ回動し、船外機3が左回りに回動して左旋回し、右
旋回する為に、操縦桿7を右回りに回動させると、前記
とは反対に船外機3が右回りに回動して右旋回する。
尚、船外機3を取外す際には、出力レバー52とプッシ
ュ・プルケーブル53との連結部を連結解除するものと
する。操縦桿7には、左右1対のグリップ7bが設けら
れ、右側のグリップ7bには、アクセルレバー(図示省
略)が設けられ、アクセルレバーはプッシュ・プルケー
ブルやリンク機構を介してエンジンのスロットル機構に
連結されている。
【0066】船外機3は通常船体の船尾部に装備する関
係上、始動用ロープの端部の始動ノブを船外機の前方へ
引くように構成してあるが、このプレジャーボート1の
船外機3は、シート8の前側に配設されているため、図
1に示すように、始動ノブ54を後方へ引いて船外機3
を始動させるように構成してある。即ち、フード40a
の内部に始動用ロープ55を後方に方向変換するローラ
部材56を設けて始動用ロープ55を後方に導き、始動
ノブ54をギヤケース40の後側面側に装備してある。
【0067】以上説明した小型プレジャーボート1の作
用・効果について説明する。このプレジャーボート1
は、船外機3を取外し、船体前部11と船体後部12と
の連結を解除した状態で格納庫に格納することができ、
海や湖や河川等の使用水域に自動車で搬送する際には、
自動車のルーフに装着した専用のルーフキャリアに船体
前部11と船体後部12とを載せ、船外機3をトランク
に収容した状態で搬送することができる。船体2を船体
前部11と船体後部12に分割した状態では、一人で持
ってルーフの高さまで揚げることができる。使用水域に
到着後、船体前部11と船体後部12とを連結する際に
は、前述のように連結機構を介して連結することができ
る。
【0068】このプレジャーボート1では、船外機3を
船体長さ方向中心よりも前側に配置したので、船体2と
船外機3と操縦者とを含む全重量の重心Gを船体長さ方
向ほぼ中心部に位置させることができる(図2参照)。
このプレジャーボート1を水面に浮かべた走航停止状態
においては、水面が停止水面4となり、前部没水部14
と後部没水部16とで発生する浮力で全重量が支持され
る。前部没水部14が重心Gよりも前方に重心Gから離
れて位置し、また、後部没水部16が重心Gよりも後方
に重心Gから離れて位置し、また、後部没水部16が左
側後部没水部16aと右側後部没水部16bとに左右方
向に離隔させて振り分けられているため、十分に高い安
定性、耐ロール性能が得られる。それ故、多少の波があ
る状態で乗船、下船する際にも安定性が崩れることがな
い。
【0069】船外機3を始動させる際には、操縦者がシ
ート8に着座した又は直ちに着座できる安定した姿勢
で、始動ノブ54を後方へ引いて始動させ、始動後には
直ちに操縦桿7を握って操縦できるから、始動操作性に
優れる。但し、船外機3にセルモータを装備し、そのセ
ルモータで始動するように構成してもよい。船外機3を
始動させ、操縦桿7を操作して操縦しつつ走航を開始
し、アクセルレバーを操作することで加速、減速可能で
ある。低中速走航状態では、走航速度に応じた小さなバ
ウアップが生じ、走航速度に応じて、停止水面4と高速
走航水面5との間の水面となり、前部没水部14で発生
する浮力及び揚力と、後部没水部16で発生する浮力
と、後部没水部16のプレーニング作用で発生する揚力
とで全重量が支持される。この低中速走航状態において
も、走航停止状態の場合と同様の理由により、十分に高
い安定性、耐ロール性能が得られる。
【0070】船体2の長さ方向略中央部分の船底部に、
前端段上り状に凹入して後方ほど凹入が浅くなるステッ
プ構造18(逃し用凹部18a)を設けることで、船体
の没水面積を小さくすることができ、更に、このステッ
プ構造18の後側の船底部分の幅方向中央部に上方へ滑
らかに凹入する凹入部17を形成したので、走航抵抗が
低減するから、特に、低中速走航状態における燃料経済
性に優れる。
【0071】所定の速度(例えば、60Km/h)以上
の高速走航状態になると、適度なバウアップ状態となっ
て高速走航水面5となり、前部没水部14が没水しなく
なり、後部没水部16で発生する浮力と、後部没水部1
6のプレーニング作用で発生する揚力とで全重量が支持
される。この高速走航状態においても、後部没水部16
が左側後部没水部16aと右側後部没水部16bとに左
右方向に離隔させて振り分けられているため、十分に高
い安定性、耐ロール性能、直進安定性が得られる。
【0072】しかも、船外機3を船尾部ではなく、船体
2の前半部の後部に配置して重心Gの位置を、船外機を
船尾部に装備する場合よりもより前方へ設定してあるた
め、全重量が小さくても過度のバウアップが生じず、適
度なバウアップが生じるから、高速走航時の走航安定
性、凌波性が高まり、初心者でも簡単に操縦できる。特
に、船外機3の推進力発生部であるプロペラ42が重心
Gよりも前側にあるため、高速走航しつつ旋回する際に
過剰旋回が発生することがなく、操舵に応じた安定した
旋回挙動となる。それ故、旋回安定性に優れ、初心者で
も簡単に操縦できる。
【0073】船体前部11内には合成樹脂発泡体21を
充填してあるため、前部没水部14の船底側の表皮材1
9が損傷しても、水の侵入を防止でき、前部没水部14
の機能が損なわれることがない。同様に、船体後部12
内にも合成樹脂発泡体30を充填してあるため、後部没
水部16の船底側表皮材28が損傷しても、水の侵入を
防止でき、後部没水部16の機能が損なわれることがな
い。
【0074】船外機3のすぐ後側に操縦桿7を設けたの
で、操縦桿7の操縦操作力を船外機3に伝達する操縦伝
達系が簡単化する。また、船外機3を船体2の前半部の
後部に配置したので、平面視において船外機3の周囲が
船体2で囲繞されるから、着岸時等に船外機3を保護で
き、泳者等に対する安全性も格段に向上する。
【0075】着岸時や浅瀬走航の際には、操縦ボックス
6を外すことなく、船外機3を、図10に鎖線で示す第
1チルト位置3(A)までチルトさせ、船外機3のプロ
ペラ42を保護できる。このチルトの際、船外機3の下
部が逃し用凹部18aに逃されるため、船体2と干渉す
ることがない。また、船外機3のプロペラ42が故障し
たり、プロペラ42に海草やロープ等が絡まった場合に
は、操縦ボックス6を取外し且つフロントデッキ13を
開いた状態で、船外機3を図10に鎖線で示す第2チル
ト位置3(B)までチルトさせ、逃し用開口穴32から
プロペラ42にメンテナンスを施すことができる。燃料
タンク9を着脱する際にも、フロントデッキ13を開い
て能率的に行うことができる。
【0076】次に、別実施形態の小型プレジャーボート
1Aについて、図14〜図16を参照して説明する。但
し、前記実施形態と同じものは同一符号を付して説明を
省略する。小型プレジャーボート1Aにおいて、船体2
Aの前部没水部14Aと後部没水部16A間のステップ
構造18Aを除く部分は、側面視にてその底面部が後部
没水部16Aに連なり僅かに前上がりの直線状の中央部
没水部2aに形成され、この中央部没水部2aの両側面
部は、走航時における水の抵抗を低減できるように、平
面視にて船体直進方向と平行な直線となるように形成さ
れている。
【0077】それ故、船体2Aのシート8の両側部分に
設けられシート8に着座した操縦者の左右の足を収容す
る足収容凹部10Aが、前記メイン実施形態よりも広い
ものに形成されている。また、前部没水部14Aは、左
右両サイドに振分けられず、前記実施形態の凹入部15
を省略し、その底面部は正面視にて下方側へ膨らむ滑ら
かな曲線となるように形成されている。
【0078】図15に示すように、小型プレジャーボー
ト1Aにおいて、走航停止時における水面は略4ライン
の位置になり、中央部没水部2aは没水した状態にな
る。高速走航時における水面は略5’ラインの位置にな
り、中央部没水部2aの少なくとも前部は水面から浮上
した状態になる。中低速走航時における水面は4ライン
と5ライン間の位置になる。加速走航時においては、小
型プレジャーボート1Aが適度にバウアップした姿勢と
なり、その時の水面は5ラインと略平行な位置になる。
【0079】即ち、この小型プレジャーボート1Aによ
れば、前記メイン実施形態と略同様の作用・効果を奏す
るが、上記したように、走航停止時及び中低速走航時に
おいて、前部没水部14Aと後部没水部16Aに加えて
中央部没水部2aも没水した状態になっているため、非
常に高い走航安定性と耐ロール性を得ることができる。
走行時に中央部没水部2aが没水していても、中央部没
水部2aの側面部は、平面視にて船体直進方向と平行な
直線となるように形成されているので、水の抵抗を低減
でき、燃料経済性が低下することもない。高速走航時に
おいては、中央部没水部2aの少なくとも前部が水面か
ら浮上した状態となるので、中央部没水部2aに作用す
る水の抵抗を低減できるとともに、前部没水部14Aと
後部没水部16Aにより発生する浮力と、プレーニング
作用で発生する揚力とで全重量が支持され、高い安定性
と耐ロール性とを確保することができる。
【0080】以下、前記メイン実施形態と別実施形態を
部分的に変更した変更形態について説明する。但し、前
記メイン実施形態のプレジャーボート1の構造を部分的
に変更し、同じ又は類似するものは同一符号を付して説
明するが、別実施形態のプレジャーボート1Aにも勿論
適用できるものである。 1〕図17、図18に示すように、船外機3を保護する
為に、船外機3のうちの船体2外へ突出する下端部分を
覆うFRP又は金属製のカバー部材60が設けられる。
このカバー部材60は、船外機3の操舵の為の回動を許
すだけの幅を有するとともに、キールウイング効果を奏
するように構成されている。このカバー部材60を設け
ることで、船外機3を保護でき、キールウイング効果に
より直進走航性、耐ロール性能を向上できる。
【0081】2〕図19、図20に示すように、船外機
3のプロペラ42を保護する為に、プロペラ42の外周
側を囲繞する筒状の金属製のプロペラカバー61がシャ
フトケース41の下端部に固定して設けられる。但し、
船外機3のチルトを妨げないようにプロペラカバー61
は極力小型のものに構成し、また、必要に応じて逃し用
開口穴32がより大きく形成される。このプロペラカバ
ー61を設けることで、着岸時や浅瀬走航の際にプロペ
ラ42を損傷するのを防止できるし、泳者等に対する安
全性も向上する。
【0082】3〕図21〜図23に示すように、前記操
縦ボックス6が省略され、シート8Aが逃し用開口穴3
2の上側まで延長されて、逃し用開口穴32が後端部が
ヒンジ結合されたシート8Aで開閉可能に塞がれる。船
外機3を操縦する操縦ハンドル62であって船外機3に
直付けされた操縦ハンドル62が設けられ、操縦ハンド
ル62の左右両端部にはグリップ62aが設けられ、操
縦ハンドル62はシャフトケース41の上端部の後側部
に固着されている。操縦ハンドル62の左右のグリップ
62aに船外機3から伝わる振動を吸収する為に、船外
機3に固定される管材からなるハンドル基部材63の両
端部にラバーブッシュ64(緩衝機構に相当する)とこ
のラバーブッシュ64に内嵌固着されたロッド65を介
して左右のハンドル部材66を夫々連結し、左右のハン
ドル部材66の端部に夫々グリップ62aを設けてあ
る。
【0083】4〕図21、図22に示すように、船体2
の船尾部には船外機3に連動連結された船尾舵67が設
けられ、船尾舵67を船外機3に連動連結する操舵用連
結機構68が設けられている。船尾舵67は、船尾部の
外面に固定された枢支部材69に支軸70を介して回動
自在に取付けられ、操舵用連結機構68は、船外機3の
枢支軸46に固着の操舵用レバー70と、この操舵用レ
バー70を船尾舵67のレバー部67aに連結する左旋
回用プッシュ・プルケーブル71a及び右旋回用プッシ
ュ・プルケーブル71bとからなる。このように、船外
機3に連動連結された船尾舵67を設けることで、旋回
性能を高めることができる。尚、十分な操舵力を伝達で
きる場合には、1系統のプッシュ・プルケーブルを設け
ればよい。
【0084】5〕図24に示すように、図21、図22
に示すものと同様の船尾舵72であって船外機3とは独
立に操舵される船尾舵72が設けられ、左旋回用操舵桿
73aが左旋回用プッシュ・プルケーブル74aで船尾
舵72のレバー部72aに連結され、また、右旋回用操
舵桿73bが右旋回用プッシュ・プルケーブル74bで
船尾舵72のレバー部72aに連結されている。こうし
て、船外機3とは独立に操舵可能な船尾舵72を設けた
ので、船外機3及びその付近の故障の際にも操舵できる
うえ、船外機3が正常のときには船尾舵72を介して所
望の操舵を行うことができる。
【0085】6〕図25〜図27に示すように、操縦ボ
ックス6には操縦桿としての丸ハンドル75が回動自在
に設けられ、そのハンドル軸75aの下端部には第1ピ
ニオン76が固着され、その第1ピニオン76に噛合し
且つ第1ピニオン76の前側に位置する第2ピニオン7
7が設けられ、ハンドル軸75aの下端と第2ピニオン
77の上下両端部は軸受け部材78に枢支されている。
そして、船外機3のギヤケース40の後端部の外側に
は、第2ピニオン77に上方から噛合するラック歯を有
し且つほぼ水平面内で湾曲した湾曲状のラック部材78
が配設され、このラック部材78は複数のステー79を
介してギヤケース40に固定されている。
【0086】丸ハンドル75を左回りに回動させると、
第1ピニオン76が左回りに、第2ピニオン77が右回
りに夫々回動し、ラック部材78は右方向へ移動駆動さ
れ、船外機3が左回りに回動してプレジャーボート1は
左旋回する。丸ハンドル75を右回りに回動させると、
前記とは逆に、船外機3が右回りに回動してプレジャー
ボート1は右旋回する。尚、アクセルレバーは、丸ハン
ドル75に取付けてもよいし、丸ハンドル75以外の部
位に設けてもよい。例えば、操縦ボックス6の側部に設
けたり、フットペダル型のアクセルレバーを足元付近に
設けてもよい。
【0087】前記のように、操舵系に前記のようなラッ
ク・ピニオン機構80を組み込むことで、船外機3の着
脱が簡単化する。即ち、ラック部材78が第2ピニオン
77に上側から噛合しているため、操舵系の連結部を何
ら解除することなく、船外機3を上方へ取り外すことが
でき、また、船外機3を上方から装着すると、ラック部
材78が第2ピニオン77に噛合するので、操舵系の連
結部を何ら連結する必要がない。このことは、船外機3
をチルトさせる際にも同様である。
【0088】7〕図28に示すように、船外機3をチル
トさせる機構を省略し、その代わりに、船外機3を昇降
させる昇降機構81(これが、位置切換え機構に相当す
る)が船体側に設けられる。即ち、船体後部12の前端
の補強用リブ部材29aに、案内部材82が固定され、
この案内部材82に昇降部材83が昇降可能に内嵌装着
され、昇降部材83の前面に固定された横向きコ字形の
ギヤボックス84から延び案内部材82の下端部のネジ
形成部82aに螺合挿通された立て向きのスクリュー軸
85が設けられ、スクリュー軸85はギヤボックス84
に回転自在且つ軸方向移動不能に支持されている。
【0089】ギヤボックス84内においてスクリュー軸
85に第1傘歯車86が外嵌固定されるとともに、第1
傘歯車86に第2傘歯車87が噛合され、第2傘歯車8
7の軸部材87aはギヤボックス84の前面外まで延
び、その軸部材87aにはハンドル88が固着されてい
る。また、昇降板83の上端部には船外機3がクランプ
機構43Aにより着脱可能に固定される。着岸時や浅瀬
走航の際等には、必要に応じて、ハンドル88を回し、
傘歯車86,87を介してスクリュー軸85を回転させ
ることで、昇降板83と船外機3とを上昇させ、その後
必要に応じて、ハンドル88を前記と反対方向へ回し
て、昇降板83と船外機3とを下降させることができ
る。
【0090】8〕図29、図30に示すように、船外機
3をチルトさせる機構を省略し、その代わりに、船外機
3を昇降させる昇降機構90(これが、位置切換え機構
に相当する)が船体側に設けられる。この昇降機構90
において、船体後部12の前端の補強リブ部材29aに
固定された固定板91に昇降板92が平行リンク93を
介して昇降可能に連結され、昇降板92の前面の上部に
はスペーサ部材94と、硬質ゴム部材95とが固定さ
れ、昇降板92の上端部には船外機3がクランプ機構4
3Bを介して連結されている。着岸時や浅瀬走航の際、
船外機3を上昇させる必要のある場合には、左右のハン
ドル47を握って船外機3を上昇させると、固定板91
の上面に硬質ゴム部材95が圧縮状態となって係止され
るため、図26に示すように船外機3を上昇位置に保持
でき、また、船外機3を平行リンク93を介して下降さ
せると、スペーサ部材94と硬質ゴム部材95とが固定
板91の後面に当接するため、船外機3が所定の鉛直姿
勢に保持される。
【0091】9〕図31〜図32に示すように、船外機
3を装着して搬送する為のキャリアスタンド100に船
外機3を装着したまま、船外機3とキャリアスタンド1
00が船体2Bに取外し可能に装着されるように構成す
る。キャリアスタンド100は、先端部に握り部102
を有し基端部に1対の車輪103を回転自在に装着した
枠状のフレーム101と、フレーム101の長さ方向中
央部に揺動可能に装着された補助脚104を有し、フレ
ーム101の握り部102の近傍部には、船外機3をク
ランプ機構43で取付け可能な取付部材105が固定さ
れ、フレーム101の中央部からやや車輪103側の部
位には、操縦桿7Aが取付けられたフレーム部材106
が固定されている。
【0092】また、キャリアスタンド100には、前記
操縦桿7Aの操作力を船外機3に伝達する操縦伝達系1
10が設けられている。操縦伝達系110は、操縦桿7
Aの支軸に固着された入力レバー111と、船外機3に
固着された出力レバー113と、両レバー111,11
3を連結する左旋回用と右旋回用の1対のプッシュ・プ
ルケーブル112等で構成されている。図33に示すよ
うに、補助脚104を開脚させることで、キャリアスタ
ンド100を立てることができ、補助脚104を収容し
てキャリアスタンド100を搬送する。一方、図31に
示すように、船体2Bにおいては、キャリアスタンド1
00の1対の車輪103を後端部から案内する1対の車
輪走行部115が、後端部から長さ方向略中央部まで設
けられ、前部にはキャリアスタンド100を部分的に収
納する取付け凹部116が設けられ、取付け凹部116
の前端部分には、船外機3を直立させた状態で上下に貫
通可能な貫通部117が形成されている。
【0093】即ち、キャリアスタンド100を船体2B
の後端部から船体2B内に搬送し、1対の車輪103が
車輪走行部115の前端部分にきた後、船外機3の直立
状態を保持させつつ、キャリアスタンド100を前方側
へ倒すと、船外機3が貫通部117を貫通し、キャリア
スタンド100が部分的に取付け凹部116に収納され
た状態になり、止め金具等の固定機構118でキャリア
スタンド100を船体2Bに固定すると、キャリアスタ
ンド100が船体2Bに装着される。尚、フレーム部材
106は保護カバー部材108で覆われている。
【0094】上記したように、前記船外機3を装着して
搬送する為のキャリアスタンド100に船外機3を装着
したまま、船外機3とキャリアスタンド100が船体2
Bに取外し可能に装着されるので、船体2Bとキャリア
スタンド100間において、船外機3を人力で抱えて又
はクレーンで吊下げて搬送する作業や、船外機3を船体
2Bとキャリアスタンド100の一方から取外して他方
へ装着し直す作業を省略でき、船外機3の搬送や取付け
作業を非常に簡単化して作業負荷を低減することができ
る。
【0095】10〕前記メイン実施形態・別実施形態及
び変更態様においては、上記のように、直進・旋回安定
性、耐ロール性能が得られるとともに、船外機3の周囲
が船体2で囲繞される関係上船外機3による泳者等に対
する安全性も格段に向上する等の作用・効果を奏するの
で、荒波の中等の極限の状況下で人命救助等の作業をす
るレスキュー艇や沿岸警備艇等への適用性に関しても非
常に高いものになる。
【0096】
【発明の効果】請求項1の小型舟艇においては、船体の
長さ方向中心よりも前側の部分に推進力発生機を配設
し、船体長さ方向略中央部分の船底部に前端段上り状に
凹入して後方ほど凹入が浅くなるステップ構造を設け、
このステップ構造の後側の船底部分の幅方向中央部に上
方へ滑らかに凹入する凹入部を形成し、前記推進力発生
機よりも後側部位に操縦者が着座するためのシートを設
けたので、推進力発生機を船尾部に装備する場合に比較
して、重心をより前側に位置させ、過度のバウアップを
抑制できる。それ故、船体を軽量化しても過度なバウア
ップが生じず、走航安定性を確保でき、操縦も簡単化す
る。
【0097】推進力発生機の後側にシートを設けるた
め、そのシートに着座した又は直ちに着座できる安定し
た姿勢で推進力発生機を始動させることができるし、ま
た、操縦桿の操作力を推進力発生機に伝達する操縦伝達
系を簡単化できる。また、平面視において推進力発生機
の回りが船体で囲繞されるため、仮に船外の泳者に接近
しても事故を起こしにくく安全性が高まり、着岸時等に
推進力発生機を損傷しにくくなる。しかも、船体長さ方
向略中央部分の船底部に前端段上り状に凹入して後方ほ
ど凹入が浅くなるステップ構造を設けることで、船体の
接水面積を小さくすることができ、更に、このステップ
構造の後側の船底部分の幅方向中央部に上方へ滑らかに
凹入する凹入部を形成することで、走行時における水の
摩擦抵抗が非常に小さくなるので、燃料経済性にも優れ
る。
【0098】請求項2の小型舟艇においては、船体の船
底部のうちの推進力発生機の推進力発生部よりも後方の
部位に、前端段上り状に凹入して後方ほど凹入が浅くな
るステップ構造を設け、ステップ構造の後側における船
底部に、左右に略ぼ振り分けられ船体の一部からなる没
水部を設けたので、推進力発生機を船尾部に装備する場
合に比較して、重心をより前側に位置させ、過度のバウ
アップを抑制できる。それ故、船体を軽量化しても過度
なバウアップが生じず、走航安定性を確保でき、操縦も
簡単化する。そして、船体の後側にも船体の一部である
没水部があるため、仮に船外の泳者に接近しても事故を
起こしにくく安全性が高まり、着岸時等に推進力発生機
を損傷しにくくなる。
【0099】更に、没水部は左右に略ぼ振り分けられて
いるので、耐ロール性に優れるうえ、直進安定性に優
れ、プレーニング作用を強化できる。また、船体の船底
部のうちの推進力発生機の推進力発生部よりも後方の部
位に、前端段上り状に凹入して後方ほど凹入が浅くなる
ステップ構造を設けることで、船体の接水面積を小さく
することができるので、走行時における水の摩擦抵抗が
非常に小さくなり、燃料経済性にも優れる。
【0100】請求項3の小型舟艇においては、船体とこ
の船体に取外し可能又は固定的に装備される推進力発生
機を備えた小型舟艇において、推進力発生機の推進力発
生部が船体と推進力発生機と操縦者の重心よりも前側に
位置するように推進力発生機を配置し、前記船体の船底
部のうちの推進力発生部の後側付近の部位に、前端段上
り状に凹入して後方ほど凹入が浅くなるステップ構造を
設け、このステップ構造の後側の船底部分の幅方向中央
部に上方へ滑らかに凹入した凹入部を形成した、船体と
推進力発生機と操縦者との重量の重心を、推進力発生機
を船尾部に装備した場合よりもより前側に位置させ、過
度のバウアップを抑制できる。
【0101】それ故、船体を軽量化しても過度なバウア
ップが生じず、走航安定性を確保でき、操縦も簡単化す
る。しかも、推進力発生機の推進力発生部が重心よりも
前側にあるので、旋回時に過剰旋回が生じにくく、旋回
安定性に優れる。しかも、前記船体の船底部のうちの推
進力発生部の後側付近の部位に、前端段上り状に凹入し
て後方ほど凹入が浅くなるステップ構造を設けること
で、船体の接水面積を小さくすることができ、更に、こ
のステップ構造の後側の船底部分の幅方向中央部に上方
へ滑らかに凹入した凹入部を形成することで、走行時に
おける水の摩擦抵抗が非常に小さくなるので、燃料経済
性にも優れる。
【0102】請求項4の小型舟艇においては、船体の長
さ方向中心よりも前側の部分に推進力発生機を配設し、
船体長さ方向略中央部分の船底部に前端段上り状に凹入
して後方ほど凹入が浅くなるステップ構造を設け、前記
船体の前部と後部に、船体長さ方向中央部分の船底部分
よりも下方へ突出した前部没水部と後部没水部とを夫々
設け、後部没水部は船底部分の幅方向中央部に形成され
上方へ滑らかに凹入した凹入部を介して左右両サイドに
振り分けられたことを特徴とするので、推進力発生機を
船尾部に装備する場合に比較して、重心をより前側に位
置させ、過度のバウアップを抑制できる。それ故、船体
を軽量化しても過度なバウアップが生じず、走航安定性
を確保でき、操縦も簡単化する。
【0103】推進力発生機の後側にシートを設けること
ができるため、そのシートに着座した又は直ちに着座で
きる安定した姿勢で推進力発生機を始動させることがで
きるし、また、操縦桿の操作力を推進力発生機に伝達す
る操縦伝達系を簡単化できる。また、平面視において推
進力発生機の回りが船体で囲繞されるため、仮に船外の
泳者に接近しても事故を起こしにくく安全性が高まり、
着岸時等に推進力発生機を損傷しにくくなる。
【0104】しかも、船体の前部と後部に、船体長さ方
向中央部分の船底よりも下方へ突出した前部没水部と後
部没水部とを夫々設けたので、走航停止状態では、前部
没水部と後部没水部とで浮力が発生するため安定性が高
まる。また、高速走航時に適度にバウアップした状態で
は、前部没水部が空中に浮上し、後部没水部により浮力
とプレーニング作用による揚力が発生する。
【0105】低中速走航時には、前部没水部の没水面積
が零ないし非常に小さくなり、また、船体長さ方向略中
央部分の船底部に前端段上り状に凹入して後方ほど凹入
が浅くなるステップ構造を設けることで、走航時に船体
長さ方向中央部分の船底も没水しないため、走航抵抗が
非常に小さくなり燃料経済性に優れる。しかも、没水部
が左右両サイドに振り分けて設けられているので、安定
性、耐ロール性能に優れるうえ、直進走航性に優れ、プ
レーニング作用を強化できる。
【0106】請求項5の小型舟艇においては、基本的に
請求項1〜請求項4の何れか1項と同様の効果を奏する
が、推進力発生機を操縦する為の操縦桿を推進力発生機
の後側に配置したので、操縦桿の操作力を推進力発生機
へ伝達する操縦伝達系を簡単化し、操縦性を高め、推進
力発生機を始動する為の始動ノブを後方へ引っ張るよう
に構成することで、推進力発生機を始動する際の始動操
作性を高めることができる。
【0107】請求項6の小型舟艇においては、基本的に
請求項5と同様の効果を奏するが、操縦桿に推進力発生
機から伝わる振動を吸収する緩衝機構を設けたので、推
進力発生機からの振動を緩衝機構で吸収して操縦桿に伝
達するのを抑制できる。
【0108】請求項7の小型舟艇においては、基本的に
請求項5と同様の効果を奏するが、操縦桿が丸ハンドル
からなり、その操縦桿の操作力を推進力発生機に伝達す
るラック・ピニオン機構を設けたので、推進力発生機を
取り外す際に、ラック・ピニオン機構のラックとピニオ
ンとを分離するように構成して、推進力発生機の取外し
を簡単化することができる。
【0109】請求項8の小型舟艇においては、基本的に
請求項1〜請求項4の何れか1項と同様の効果を奏する
が、船体の後端部に船尾舵を設け、推進力発生機による
操舵に加えて、船尾舵を介して操舵可能に構成したの
で、船尾舵を介して操舵できるため、旋回性能を著しく
高めることができる。
【0110】請求項9の小型舟艇においては、基本的に
請求項8と同様の効果を奏するが、推進力発生機による
操舵に連動して船尾舵が操舵されるように、推進力発生
機と船尾舵とを連動連結する連結機構を設けたので、船
尾舵を別途操舵する必要がなく、船尾舵の操作のために
操縦が難しくなるのを防止できる。
【0111】請求項10の小型舟艇においては、基本的
に請求項8と同様の効果を奏するが、前記船尾舵を推進
力発生機とは独立に操舵するように構成したので、推進
力発生機の故障の際にも船尾舵を介して確実に操舵でき
るし、また、推進力発生機の正常のときには、船尾舵を
介して所望の操舵を行うことができる。
【0112】請求項11の小型舟艇においては、基本的
に請求項1〜請求項4の何れか1項と同様の効果を奏す
るが、平面視において、推進力発生機が船体で囲繞され
ているので、推進力発生機を船体でガードし、着岸時な
どの際他の物体との衝突により推進力発生機を損傷する
のを確実に防止することができるし、接近した泳者等に
対する安全性を確保できる。
【0113】請求項12の小型舟艇においては、基本的
に請求項11と同様の効果を奏するが、推進力発生機の
うちの船体外へ突出する部分を覆うカバー部材を船体の
船底に設けたので、推進力発生機の船体外へ突出する部
分をカバー部材でガードし、着岸時や浅瀬を走航する際
に推進力発生機を損傷するのを確実に防止することがで
きるし、接近した泳者等に対する安全性を確保できる。
【0114】請求項13の小型舟艇においては、基本的
に請求項12と同様の効果を奏するが、前記カバー部材
がキールウイング効果を奏するように構成されたので、
カバー部材のキールウイング効果により耐ロール性能と
直進走航性能が向上する。
【0115】請求項14の小型舟艇においては、基本的
に請求項11と同様の効果を奏するが、前記推進力発生
機がプロペラを有し、このプロペラの外周側を覆うプロ
ペラカバーを推進力発生機に設けたので、推進力発生機
のプロペラをプロペラカバーでガードしてプロペラの損
傷を防止でき、接近した泳者等に対する安全性を確保で
きる。
【0116】請求項15の小型舟艇においては、基本的
に請求項1〜請求項4の何れか1項と同様の効果を奏す
るが、船体が、その長さ方向途中部において分割可能な
船体前部と船体後部とからなり、これら船体前部と船体
後部とを連結解除可能に連結する連結機構を設けたの
で、陸上において搬送する際には、船体前部と船体後部
とを分割し別体にして搬送できるから取扱い易く可搬性
に優れる。
【0117】請求項16の小型舟艇においては、基本的
に請求項1〜請求項4の何れか1項と同様の効果を奏す
るが、推進力発生機よりも後側付近の船底の部分に、推
進力発生機をチルトさせたときに推進力発生機の下部を
逃す為の逃し用凹部を設けたので、必要に応じて推進力
発生機をチルトさせることが可能となり、着岸時や浅瀬
走航の際には、推進力発生機をチルトさせることで推進
力発生機の損傷を防止できる。前記逃し用凹部は船底の
没水面積を小さくする作用を奏するため、抵抗低減の面
で有利であるから、逃し用凹部を、推進力発生機の下部
を逃す為のサイズ以上に大型に形成することで、かなり
の抵抗低減を図ることができる。
【0118】請求項17の小型舟艇においては、基本的
に請求項16と同様の効果を奏するが、前記逃し用凹部
は、走航停止状態における水面よりも上方へ凹入してい
るので、請求項16において説明したように、水面より
も上方へ凹入した逃し用凹部により、走航時の抵抗低減
を図ることができる。
【0119】請求項18の小型舟艇においては、基本的
に請求項17と同様の効果を奏するが、前記逃し用凹部
をなす船底部分に、作業穴と、その作業穴を開閉可能に
塞ぐ蓋部材とを設けたので、推進力発生機に海草やロー
プ等が絡まったりして推進力発生機が故障したりした際
に、推進力発生機をチルトさせ、蓋部材を開いて作業穴
を開け、船体内から推進力発生機にメンテナンスを施す
ことができる。
【0120】請求項19の小型舟艇においては、基本的
に請求項1〜請求項4の何れか1項と同様の効果を奏す
るが、前記船体長さ方向中央部分の船底を、走航停止状
態における水面よりも上方へ凹入状に形成し、推進力発
生機の位置を鉛直方向に切換え可能な位置切換え機構を
設けたので、着岸時や浅瀬走航の際には、位置切換え機
構を介して推進力発生機の位置を上方へ切換えて、推進
力発生機の推進力発生部を水面よりも高く位置させ、推
進力発生部の損傷防止を図ることができる。
【0121】請求項20の小型舟艇においては、基本的
に請求項1〜請求項4の何れか1項と同様の効果を奏す
るが、推進力発生機のフードカバーに始動用ロープの方
向を後方向きに変換するローラ部材を設け、推進力発生
機の始動用ノブを後方へ引いて始動するように構成した
ので、推進力発生機の後側から始動用ノブを後方へ引い
て推進力発生機を始動でき、始動操作性を高めることが
できる。
【0122】請求項21の小型舟艇においては、基本的
に請求項1〜請求項4の何れか1項と同様の効果を奏す
るが、前記推進力発生機が、船体に取外し可能に装着さ
れる船外機であるので、船体と船外機とを分割して搬送
することができるし、船体に推進力発生機構,出力,大
きさ等の異なる種々の推進力発生機の取付けが可能にな
る。
【0123】請求項22の小型舟艇においては、基本的
に請求項1〜請求項4の何れか1項と同様の効果を奏す
るが、前記推進力発生機が、船体に固定的に装着される
船内外機であるので、船体に推進力発生機を取外し可能
に装着する小型舟艇に比べると、船内外機を船体に固定
的に装着する構造を簡単化でき、制作コスト的にも有利
になる。
【0124】請求項23の小型舟艇においては、前記推
進力発生機が、ウォータジェット式推進機であることを
特徴とするものである。船外機や船内外機と比べると、
ウォータジェット式推進機は推進効率が低いために大型
のエンジンが必要でその重量も大きくなるが、過度のバ
ウアップを確実に抑制できる等、基本的に請求項1〜請
求項4の何れか1項と同様の効果を奏する。
【0125】請求項24の小型舟艇においては、請求項
21と同様を効果を奏するが、前記船外機を装着して搬
送する為のキャリアスタンドに船外機を装着したまま、
船外機とキャリアスタンドが船体に取外し可能に装着さ
れるので、特に、重量の大きな船外機等においては船体
から取外してキャリアスタンドで搬送することになる
が、船体とキャリアスタンド間において、船外機を人力
で抱えて又はクレーンで吊下げて搬送する作業や、船外
機とキャリアスタンドの一方から取外して他方へ装着し
直す作業を省略でき、船外機の搬送や取付け作業を非常
に簡単化し作業負荷を低減することができる。
【0126】請求項25の小型舟艇においては、請求項
24と同様を効果を奏するが、前記キャリアスタンド
は、船外機を操縦する為の操縦桿と、操縦桿の操作力を
推進力発生機に伝達する操縦伝達系を有するので、船外
機と船操縦桿と操縦伝達系とを連結した状態で、船体に
一体的に着脱できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る小型プレジャーボー
トの平面図である。
【図2】 前記プレジャーボートの側面図である。
【図3】 図1の矢印III 方向から視た正面図である。
【図4】 図1の矢印IV方向から視た背面図である。
【図5】 図1のV −V 線断面図である。
【図6】 図1のVI−VI線断面図である。
【図7】 図1のVII −VII 線断面図である。
【図8】フロントデッキを外した船体前部と船体後部を
分離した状態の平面図である。
【図9】 船体前部と船体後部と船外機と操縦ボックス
との分解縦断面図である。
【図10】 プレジャーボートの縦断側面図である。
【図11】 フロントデッキと操縦ボックスを外した状
態の平面図である。
【図12】 操縦操作系を示す要部平面図である。
【図13】 操縦操作系を示す要部側面図である。
【図14】 別実施形態に係る小型プレジャーボートの
平面図である。
【図15】 図14のプレジャーボートの側面図であ
る。
【図16】 図14の矢印XVI から視た正面図である。
【図17】 第1変更形態に係る小型プレジャーボート
の側面図である。
【図18】 図17の矢印XVIII から視た正面図であ
る。
【図19】 第2変更形態に係る小型プレジャーボート
の側面図である。
【図20】 図19の矢印XXから視た背面図である。
【図21】 第3変更形態に係る小型プレジャーボート
の要部切欠き横断平面図である。
【図22】 図21の小型プレジャーボートの要部切欠
き縦断側面図である。
【図23】 図21、図22の操縦桿の要部拡大断面図
である。
【図24】 第5変更形態に係る小型プレジャーボート
の要部切欠き横断平面図である。
【図25】 第6変更形態に係る小型プレジャーボート
の要部平面図である。
【図26】 図25の小型プレジャーボートの要部側面
図である。
【図27】 図25の小型プレジャーボートの操舵機構
の要部拡大側面図である。
【図28】 第7変更形態に係る小型プレジャーボート
の昇降機構の斜視図である。
【図29】 第8変更形態に係る小型プレジャーボート
の昇降機構と上昇位置にした船外機の側面図である。
【図30】 図29の昇降機構と下降位置にした船外機
の側面図である。
【図31】 第9変更形態に係る小型プレジャーボート
とキャリアスタンドに装着された船外機の斜視図であ
る。
【図32】 図31のキャリアスタンドと船外機の斜視
図である。
【図33】 図31の船外機が装着されたキャリアスタ
ンドの斜視図である。
【符号の説明】
1,1A 小型プレジャーボート 2,2A,2B 船体 3 船外機 6 操縦ボックス 7,7A 操縦桿 8 シート 11,11A 船体前部 12 船体後部 12a 嵌合連結部 14,14A 前部没水部 16,16A 後部没水部 16a 左側後部没水部 16b 右側後部没水部 17 凹入部 18,18A ステップ構造 18a 逃し用凹部 26 嵌合凹部 32 逃し用開口穴 33,34 ボルト 35,36 ボルト穴 54 始動ノブ 55 始動用ロープ 56 ローラ部材 60 カバー部材 61 プロペラカバー 62 操縦桿 64 ラバーブッシュ 67 船尾舵 68 操舵用連結機構 72 船尾舵 73a 左旋回用操舵桿 73b 右旋回用操舵桿 74a 左旋回用プッシュ・プルケーブル 74b 右旋回用プッシュ・プルケーブル 75 丸ハンドル 80 ラック・ピニオン機構 81,90 昇降機構 100 キャリアスタンド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武田 圭介 広島県安芸郡府中町新地3番1号 株式会 社マツダエンジニアリング内 (72)発明者 荒古江 圭嗣 広島県安芸郡府中町新地3番1号 株式会 社マツダエンジニアリング内 (72)発明者 原田 雅光 広島県安芸郡府中町新地3番1号 株式会 社マツダエンジニアリング内 (72)発明者 松尾 賢治 広島県安芸郡府中町新地3番1号 株式会 社マツダエンジニアリング内 (72)発明者 白尾 伸 広島県安芸郡府中町新地3番1号 株式会 社マツダエンジニアリング内

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船体とこの船体に取外し可能又は固定的
    に装備される推進力発生機を備えた小型舟艇において、 前記船体の長さ方向中心よりも前側の部分に推進力発生
    機を配設し、船体長さ方向略中央部分の船底部に前端段
    上り状に凹入して後方ほど凹入が浅くなるステップ構造
    を設け、このステップ構造の後側の船底部分の幅方向中
    央部に上方へ滑らかに凹入する凹入部を形成し、前記推
    進力発生機よりも後側部位に操縦者が着座するためのシ
    ートを設けたことを特徴とする小型舟艇。
  2. 【請求項2】 船体とこの船体に取外し可能又は固定的
    に装備される推進力発生機を備えた小型舟艇において、 前記船体の船底部のうちの推進力発生機の推進力発生部
    よりも後方の部位に、前端段上り状に凹入して後方ほど
    凹入が浅くなるステップ構造を設け、このステップ構造
    の後側における船底部に、左右に略ぼ振り分けられ船体
    の一部からなる没水部を設けたことを特徴とする小型舟
    艇。
  3. 【請求項3】 船体とこの船体に取外し可能又は固定的
    に装備される推進力発生機を備えた小型舟艇において、 前記推進力発生機の推進力発生部が船体と推進力発生機
    と操縦者の重心よりも前側に位置するように推進力発生
    機を配置し、前記船体の船底部のうちの推進力発生部の
    後側付近の部位に、前端段上り状に凹入して後方ほど凹
    入が浅くなるステップ構造を設け、このステップ構造の
    後側の船底部分の幅方向中央部に上方へ滑らかに凹入し
    た凹入部を形成したことを特徴とする小型舟艇。
  4. 【請求項4】 船体とこの船体に取外し可能又は固定的
    に装備される推進力発生機を備えた小型舟艇において、 前記船体の長さ方向中心よりも前側の部分に推進力発生
    機を配設し、船体長さ方向略中央部分の船底部に前端段
    上り状に凹入して後方ほど凹入が浅くなるステップ構造
    を設け、前記船体の前部と後部に、船体長さ方向中央部
    分の船底部分よりも下方へ突出した前部没水部と後部没
    水部とを夫々設け、後部没水部は船底部分の幅方向中央
    部に形成され上方へ滑らかに凹入した凹入部を介して左
    右両サイドに振り分けられたことを特徴とする小型舟
    艇。
  5. 【請求項5】 前記推進力発生機を操縦する為の操縦桿
    を推進力発生機の後側に配置したことを特徴とする請求
    項1〜請求項4の何れか1項に記載の小型舟艇。
  6. 【請求項6】 前記操縦桿に推進力発生機から伝わる振
    動を吸収する緩衝機構を設けたことを特徴とする請求項
    5に記載の小型舟艇。
  7. 【請求項7】 前記操縦桿が丸ハンドルからなり、その
    操縦桿の操作力を推進力発生機に伝達するラック・ピニ
    オン機構を設けたことを特徴とする請求項5に記載の小
    型舟艇。
  8. 【請求項8】 前記船体の後端部に船尾舵を設け、推進
    力発生機による操舵に加えて、船尾舵を介して操舵可能
    に構成したことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れ
    か1項に記載の小型舟艇。
  9. 【請求項9】 前記推進力発生機による操舵に連動して
    船尾舵が操舵されるように、推進力発生機と船尾舵とを
    連動連結する連結機構を設けたことを特徴とする請求項
    8に記載の小型舟艇。
  10. 【請求項10】 前記船尾舵を推進力発生機とは独立に
    操舵するように構成したことを特徴とする請求項8に記
    載の小型舟艇。
  11. 【請求項11】 平面視において、推進力発生機が船体
    で囲繞されていることを特徴とする請求項1〜請求項4
    の何れか1項に記載の小型舟艇。
  12. 【請求項12】 前記推進力発生機のうちの船体外へ突
    出する部分を覆うカバー部材を船体の船底に設けたこと
    を特徴とする請求項11に記載の小型舟艇。
  13. 【請求項13】 前記カバー部材がキールウイング効果
    を奏するように構成されたことを特徴とする請求項12
    に記載の小型舟艇。
  14. 【請求項14】 前記推進力発生機がプロペラを有し、
    このプロペラの外周側を覆うプロペラカバーを推進力発
    生機に設けたことを特徴とする請求項11に記載の小型
    舟艇。
  15. 【請求項15】 前記船体が、その長さ方向途中部にお
    いて分割可能な船体前部と船体後部とからなり、これら
    船体前部と船体後部とを連結解除可能に連結する連結機
    構を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れ
    か1項に記載に小型舟艇。
  16. 【請求項16】 前記推進力発生機よりも後側付近の船
    底の部分に、推進力発生機をチルトさせたときに推進力
    発生機の下部を逃す為の逃し用凹部を設けたことを特徴
    とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の小型舟
    艇。
  17. 【請求項17】 前記逃し用凹部は、走航停止状態にお
    ける水面よりも上方へ凹入していることを特徴とする請
    求項16に記載の小型舟艇。
  18. 【請求項18】 前記逃し用凹部をなす船底部分に、作
    業穴と、その作業穴を開閉可能に塞ぐ蓋部材とを設けた
    ことを特徴とする請求項17に記載の小型舟艇。
  19. 【請求項19】 前記船体長さ方向中央部分の船底を、
    走航停止状態における水面よりも上方へ凹入状に形成
    し、推進力発生機の位置を鉛直方向に切換え可能な位置
    切換え機構を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項
    4の何れか1項に記載の小型舟艇。
  20. 【請求項20】 前記推進力発生機のフードカバーに始
    動用ロープの方向を後方向きに変換するローラ部材を設
    け、推進力発生機の始動用ノブを後方へ引いて始動する
    ように構成したことを特徴とする請求項1〜請求項4の
    何れか1項に記載の小型舟艇。
  21. 【請求項21】 前記推進力発生機が、船体に取外し可
    能に装着される船外機であることを特徴とする請求項1
    〜請求項4の何れか1項に記載の小型舟艇。
  22. 【請求項22】 前記推進力発生機が、船体に固定的に
    装着される船内外機であることを特徴とする請求項1〜
    請求項4の何れか1項に記載の小型舟艇。
  23. 【請求項23】 前記推進力発生機が、ウォータジェッ
    ト式推進機であることを特徴とする請求項1〜請求項4
    の何れか1項に記載の小型舟艇。
  24. 【請求項24】 前記船外機を装着して搬送する為のキ
    ャリアスタンドに船外機を装着したまま、船外機とキャ
    リアスタンドが船体に取外し可能に装着されることを特
    徴とする請求項21に記載の小型舟艇。
  25. 【請求項25】 前記キャリアスタンドは、船外機を操
    縦する為の操縦桿と、操縦桿の操作力を推進力発生機に
    伝達する操縦伝達系を有することを特徴とする請求項2
    4に記載の小型舟艇。
JP8262426A 1995-10-04 1996-09-10 小型舟艇 Pending JPH09156586A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8262426A JPH09156586A (ja) 1995-10-04 1996-09-10 小型舟艇

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28460695 1995-10-04
JP7-284606 1995-10-04
JP8262426A JPH09156586A (ja) 1995-10-04 1996-09-10 小型舟艇

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09156586A true JPH09156586A (ja) 1997-06-17

Family

ID=26545535

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8262426A Pending JPH09156586A (ja) 1995-10-04 1996-09-10 小型舟艇

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09156586A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1107903A1 (en) * 1998-09-04 2001-06-20 J.P. Murray Company Inc. Planing watercraft hull and propulsion system
US20090149090A1 (en) * 2005-08-22 2009-06-11 Honda Motor Co., Ltd. Boat propulsion engine
JP2015514638A (ja) * 2012-04-25 2015-05-21 ボムボード エルエルシー モジュール型水上バイク
WO2020012602A1 (ja) * 2018-07-12 2020-01-16 本田技研工業株式会社 船外機の制御システム

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1107903A1 (en) * 1998-09-04 2001-06-20 J.P. Murray Company Inc. Planing watercraft hull and propulsion system
EP1107903A4 (en) * 1998-09-04 2002-01-16 J P Murray Company Inc FLOATING MOUNT FOR FLOATING MACHINE AND PROPULSION SYSTEM
US20090149090A1 (en) * 2005-08-22 2009-06-11 Honda Motor Co., Ltd. Boat propulsion engine
US8206192B2 (en) * 2005-08-22 2012-06-26 Honda Motor Co., Ltd. Boat propulsion engine
JP2015514638A (ja) * 2012-04-25 2015-05-21 ボムボード エルエルシー モジュール型水上バイク
WO2020012602A1 (ja) * 2018-07-12 2020-01-16 本田技研工業株式会社 船外機の制御システム
US11535354B2 (en) 2018-07-12 2022-12-27 Honda Motor Co., Ltd. Control system for outboard motor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5399111A (en) Watercraft
US5282437A (en) Personal marine transport
US8459198B2 (en) Bouyant hull extension providing lateral and longitudinal control for lightweight hulls
JP2843678B2 (ja) 多目的ウォータクラフト
US4964821A (en) Jet powered rigid inflatable boat with dead-man switch
US7189127B2 (en) Watercraft propulsion machine
US3241511A (en) Boat hulls, motor-propeller units and hydrofoil combinations
US8167668B2 (en) Air-thrust vehicle
US5634419A (en) Front-drive boat
CA2507232A1 (en) Motor-driven inflatable boat, in particular for ice rescue, comprising mounted steering devices, control units and an air propeller propulsion device
US6892666B1 (en) Watercraft suspension
US6615761B2 (en) Swimmer transport device
JPS62125986A (ja) 小型ジエツト推進艇
JPH0615823Y2 (ja) 小型滑走艇
US4998966A (en) Small watercraft
US20070017431A1 (en) Watercraft
JPH09156586A (ja) 小型舟艇
US6872105B2 (en) Watercraft having a jet propulsion system with improved efficiency
JP3488216B2 (ja) 救助用ボートの操船システム
US5067427A (en) Semi-submerged water vehicle
JP3019591B2 (ja) プレジャーボート
EP0465996B1 (en) Watercraft
JP2996000B2 (ja) プレジャーボート
CN218751281U (zh) 一种水上工具
JP3174157B2 (ja) 小型船舶の上部構造

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060808