JPH09154571A - ウイルス製造用無血清培地 - Google Patents

ウイルス製造用無血清培地

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JPH09154571A
JPH09154571A JP7316709A JP31670995A JPH09154571A JP H09154571 A JPH09154571 A JP H09154571A JP 7316709 A JP7316709 A JP 7316709A JP 31670995 A JP31670995 A JP 31670995A JP H09154571 A JPH09154571 A JP H09154571A
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JP
Japan
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virus
cells
medium
serum
culture medium
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JP7316709A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Motono
満 元野
Ryohei Yamamoto
良平 山本
Kozo Takase
公三 高瀬
Tokuji Miyahara
徳治 宮原
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Kurabo Industries Ltd
Kurashiki Spinning Co Ltd
Original Assignee
Kurabo Industries Ltd
Kurashiki Spinning Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無血清条件下でウイルス製造に用いる動物細
胞を培養し得る無血清培地を提供する。 【解決手段】 動物細胞培養用基礎培地へ塩基性繊維芽
細胞成長因子およびインシュリンを必須成分として含
む、ウイルス増殖に用いられる動物細胞培養用の無血清
培地を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はウイルス増殖に用い
られる動物細胞培養用の無血清培地に関する。
【0002】
【従来の技術】近年ウイルス製造は一部のウイルスを除
いて実験動物や発育鶏卵を用いる方法から動物由来の初
代培養細胞や、株化細胞を用いる方法が主流となってい
る。細胞培養による方法では、増殖させた細胞にウイル
スを感染させ、これをインビトロでさらに増殖させる。
一般に動物細胞をインビトロで培養する際には、アミノ
酸、ビタミン、糖、無機塩類からなる基礎培地に細胞増
殖因子として10〜20%の血清を添加した培地が用い
られる。しかしながら、血清は大量生産ができず非常に
高価である上に、その組成は個体差(ロット差)が大き
い。1ロットの量が限られているため、ロット変更のた
び毎にロットチェック、培養条件の調整や管理等の煩雑
な操作が必要となる。さらに血清は、血液細胞や血管内
皮細胞の産生した生理活性物質を含む混合物であり、未
知の成分が得られるウイルスへ混入する、マイコプラズ
マウイルス感染の危険がある等の問題があり、ウイルス
の品質が安定して保持できなくなる。厳重な品質管理が
必要とされるウイルスの製造においては、これらは非常
に重大な問題である。そこで、ウイルス製造用動物細胞
の培養のために、血清を含有しない培地の開発が望まれ
ている。しかしながら、無血清条件下における培養では
血清添加時と同程度の細胞の増殖を得ることは困難であ
る。ウイルスを製造後に精製するため、添加する成分は
なるべく少なくした方がよい。また、無血清条件下にて
増殖された細胞が良好なウイルス増殖能を維持している
必要もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、無血清条
件下でウイルス製造に用いる動物細胞を培養し得る無血
清培地を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願発明は、動物細胞培
養用基礎培地へ塩基性繊維芽細胞成長因子(以下、「b
FGF」という)およびインシュリンを必須成分として
含む、ウイルス増殖に用いられる動物細胞培養用の無血
清培地を提供する。本願発明の培地にはbFGFを0.
5〜20ng/ml、インシュリンを0.1〜20μg
/ml添加する。本願発明の培地はウイルス製造用の様
々な細胞に用いられるが、ハムスター肺細胞および鶏胚
細胞を培養してウイルスを製造する際に特に好適に用い
られる。
【0005】本願発明の無血清培地を用いてウイルスを
製造するには、ウイルス培養に適した細胞を本願発明の
培地にて適当に増殖させたところへ、ウイルスを接種
し、さらに通常の細胞培養条件にて培養を続ければよ
い。ウイルスによる細胞障害効果が認められた時点でウ
イルスを含有する培養上清を分取し、必要に応じて希
釈、精製して用いればよい。
【0006】
【発明の実施の形態】b−FGF(basic−fib
roblast growth factor)は、広
範囲な細胞(間葉系の細胞、神経系外胚葉細胞、内皮細
胞など)の増殖を促進するタンパク質である。本発明の
培地に添加するbFGFとしては、市販されているもの
を用いればよく、例えばペプロテック(Peprote
ch)社製のヒト型bFGFが好適に用いられる。bF
GFの培地への添加量は0.5〜20ng/ml、好ま
しくは2〜10ng/mlである。20ng/mlを越
える量を添加しても同様の効果は得られるが、経済的観
点から10ng/mlで十分である。
【0007】本発明の培地に添加するインシュリンとし
ては、市販されているものを用いればよく、例えば和光
純薬工業(株)製ウシ膵臓由来のインシュリンが好適に
用いられる。インシュリンの培地への添加量は0.1〜
20μg/ml、好ましくは5μg/ml〜10μg/
mlである。20μg/mlを越える量を添加しても同
様の効果は得られるが、経済的観点から10μg/ml
で十分である。
【0008】本願発明において用いる基礎培地としては
糖類、アミノ酸類、ビタミン類、塩類等を含有する、通
常動物細胞の培養に用いられるものいずれであってもよ
く、ウイルス製造に使用する細胞に応じて適宜選択すれ
ばよい。かかる基礎培地の例としては、イーグルMEM
培地、培養する細胞に適するように、イーグルMEM培
地のアミノ酸、ビタミン、無機塩等を新しく加えるかあ
るいは増減したイーグルMEM改変培地、ダルベッコ改
変イーグル培地、イスコフ培地、RPMI1640培
地、ハムF10培地、ハムF12培地、MCDB105
培地、MCDB107培地、MCDB110培地、MC
DB131培地、MCDB151培地、MCDB152
培地、MCDB153培地、MCDB201培地、MC
DB302培地、MEDIUM199等が挙げられる。
【0009】本願の無血清培地にはインシュリンおよび
bFGFの他に通常細胞培養に用いられる添加剤、例え
ば抗生物質、抗かび剤、緩衝剤、色素剤等の他の因子を
添加してもよい。
【0010】本願発明の無血清培地は、ウイルス製造の
ために用いられる細胞であれば、いずれの細胞を培養す
る場合にでも用いることができるが、特に株化された樹
立系の動物細胞を培養するのに有用である。例えば、ハ
ムスター肺細胞、鶏胚細胞等が特に好適に培養される。
その他本発明の無血清培地によって培養し得るウイルス
製造に用いられる細胞としては、株化細胞として、He
La細胞(ヒト)、FL細胞(ヒト)、KB細胞(ヒ
ト)、HEp−2細胞(ヒト)、WI−38細胞(ヒ
ト)、MA104細胞(サル)、BSC−1細胞(サ
ル)、Vero細胞(サル)、CV−1細胞(サル)、
BHK−21細胞(ハムスター)、L細胞(マウス)等
がある。初代培養細胞として、羊膜由来細胞(ヒト)、
胎児腎由来細胞(ヒト)、胎児肺由来細胞(ヒト)、血
管内皮細胞(ヒト)、血管平滑筋細胞(ヒト)、皮膚由
来線維芽細胞(ヒト)等が挙げられる。
【0011】本発明の無血清培地によって好適に製造し
得るウイルスとしては、ファブリキウス嚢ウイルス、ヘ
ルペスシンプレックスウイルス(herpes sim
plex virus)、ヴァリセラ・ゾスターウイル
ス(varicella−zoster viru
s)、エンテロウイルス(entero viru
s)、アデノウイルス(adeno virus)、サ
イトメガロウイルス(cytomegalo viru
s)、コロナウイルス(corona virus)、
ワクシニアウイルス(vaccinia viru
s)、麻疹ウイルス、狂犬病ウイルス、オルトミキソウ
イルス(orthomyxo virus)、パラミキ
ソウイルス(paramyxo virus)、レオウ
イルス(reo virus)、リノウイルス(rhi
no virus)、痘瘡ウイルス、トガウイルス(t
oga virus)、コックスサッキーウイルス(c
oxsackie virus)、レスピレトリーシン
シティアルウイルス(respiratory syn
cytial virus)、SV40、シミアンアデ
ノウイルス(simian adeno virus)
等が例示される。
【0012】
【実施例】本願発明を以下の実施例により、さらに詳細
に説明する。 実施例 1 ハムスター肺細胞を基礎培地に様々な増殖因子を添加し
た培地にて培養し、細胞の増殖能に対する各因子の寄与
を調べた。 細胞:ハムスター肺細胞(HL細胞)はハムスター肺由
来の株化細胞を用いた。 基礎培地:10%トリスリン酸緩衝液含有イーグルME
M(E.MEM)(NaHCO30.07%、PSK(抗
生物質)0.1%添加)を用いた。イーグルMEMの組
成は以下の通りである。
【0013】
【表1】
【0014】培養用培地:基礎培地に以下のI−Vに示
した増殖因子を添加した培地を用いた。 I. bFGF 1ng/ml、インシュリン 5μg
/ml添加 II. ウシ脳抽出液 0.2%、上皮成長因子(EG
F) 0.1ng/ml、インシュリン 5μg/m
l、ハイドロコルチゾン 0.5μg/ml添加 III. EGF 0.5ng/ml、bFGF 2ng/
ml、インシュリン 5μg/ml添加 IV. EGF 10ng/ml、bFGF 2ng/m
l、デキサメサゾン 0.39μg/ml添加 V. EGF 10ng/ml、bFGF 5ng/m
l、ハイドロコルチゾン1μg/ml、ヘパリン 10
μg/ml添加 対照培地:牛胎児血清(FBS)5%添加基礎培地およ
び非添加基礎培地を対照として用いた。
【0015】細胞培養:HL細胞の10%トリスリン酸
緩衝液含有イーグルMEM中の浮遊液を、1200rp
m、5分間遠心分離し、上清を除き、I〜Vおよび対照
の各培地へそれぞれ2.6×105細胞/mlとなるよ
うに懸濁した。この細胞懸濁液をプラスチック製25c
2の組織培養用フラスコにそれぞれ5ml(130×
104細胞/フラスコ)植え込んだ。細胞は5% CO2
インキュベーター内で、37℃にて10日間培養し、細
胞の増殖の様子を顕微鏡で観察した。細胞数は培養3日
目にフラスコ上清を捨て、ハンクス液で洗浄して細胞屑
等を除いた後、トリプシン処理によりシャーレから細胞
を剥離し、生細胞数をトリパンブルー染色にて計数して
求めた。結果を表2および表3に示す:
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】細胞数および細胞の増殖速度について、I
およびIIIの培地が良好な結果を示した。即ち、b−F
GFとインシュリンを同時に添加した培地を用いた場
合、無血清条件下でも良好な増殖能が認められた。
【0019】実施例2 鶏胚細胞の培養を、実施例1と同様の増殖因子を添加し
た培地を用いて行った。 細胞:鶏胚細胞(CE細胞)は、初代正常細胞であり、
SPF(特定病原体非感染(specific pat
hogen−free))の鶏卵由来の8〜10日令胚
を細分し、トリプシンで消化、洗浄後、適当な濃度にな
るように培地に浮遊された細胞を用いた。 基礎培地:10%トリスリン酸緩衝液含有イーグルME
M培地(NaHCO3 0.07%、PSK 0.1%、
ファンギゾン(抗かび剤) 0.2%添加) 培養用培地:基礎培地に実施例1のI〜Vの培地と同じ
増殖因子を添加した培地を用いた。 対照培地:FBS5%添加基礎培地および無添加基礎培
地を用いた。
【0020】細胞培養:CE細胞の懸濁液を基礎培地で
洗浄した後、各培養用培地および対照培地へそれぞれ8
×105細胞/mlとなるように懸濁した。各細胞懸濁
液5mlを細胞培養用シャーレ(プラスチック製100
cm2組織培養用シャーレ)(400×104細胞/シャ
ーレ)に植え付け、5%CO2インキュベーター内で3
7℃にて培養した。培養1日目から5日目まで増殖状況
を顕微鏡下で観察し、培養1日及び5日目の細胞数を計
測した。細胞数の測定は実施例1と同様にして行った。
結果を表4および5に示す。
【0021】
【表4】
【0022】
【表5】
【0023】CE細胞の場合においても、IおよびIIIの
培地、すなわちbFGFとインシュリンの組み合わせに
よって無血清条件下における高い増殖能が認められた。
【0024】実施例3 CE細胞の培養において、インシュリンとbFGFの濃
度を変えて細胞の増殖に対する効果を調べた。 基礎培地:10%トリスリン酸緩衝液含有イーグルME
M培地(NaHCO3 0.07%、PSK 0.1%、フ
ァンギゾン(抗かび剤) 0.2%添加) 培養用培地:基礎培地へ以下の増殖因子を添加した培地
を用いて培養した。 A bFGF 1ng/ml、インシュリン 5μg/
ml添加 B bFGF 3ng/ml、インシュリン 10μg
/ml添加 C bFGF 10ng/ml、インシュリン 10μ
g/ml添加 対照培地:FBS5%添加基礎培地および非添加基礎培
地を対照として用いた。
【0025】細胞培養:上記のA〜Cの培地および対照
培地へそれぞれ8×105細胞/mlとなるようCE細
胞を懸濁し、これを実施例2と同じ細胞培養用シャーレ
へ5ml(400×104細胞/シャーレ)植え付け、
5% CO2インキュベーター内にて37℃で培養し
た。細胞培養開始後3日まで毎日顕微鏡で観察し増殖度
を調べ、培養1日目と培養3日目の細胞数を計数した。
結果を表6および表7に示した。
【0026】細胞継代培養:3日間培養してシャーレ一
杯に増殖した細胞の継代培養を行った。細胞の継代は培
養シャーレ内の培地を吸引して除いた後、非添加基礎培
地で洗浄し、トリプシン液で処理して細胞を剥がし、新
生児牛血清(NBS)10%を添加した基礎培地内に細
胞を懸濁した。得られた細胞懸濁液を非添加基礎培地で
洗浄して血清分を除き、それぞれを7.5mlの各培養
用培地へ再懸濁し、そのうち5mlを再びシャーレに植
え込んだ。5% CO2インキュベーター内で37℃に
て静置培養を行った。細胞培養開始後6日目まで顕微鏡
で細胞の増殖度を観察し、0日目および培養開始後6日
目の細胞数を実施例1と同様にして計数した。結果を表
6および表7に示した。
【0027】
【表6】
【0028】
【表7】
【0029】b−FGFおよびインシュリン濃度が高い
ほど、細胞の増殖度が良好であった。
【0030】実施例4 実施例3と同じCE細胞を用いて、ファブリキウス嚢ウ
イルスの増殖度を調べた。 1)供試ウイルス:ファブリキウス嚢ウイルスは、市販
ファブリキウス嚢ウイルス生ワクチン(ひな用)の製造
用株(K株)を用いた。
【0031】2)ファブリキウス嚢ウイルスの培養:実
施例3の基礎培地へA〜Cを添加した培地、A〜Cの1
/5量を添加した培地および対照としてFBS5%また
は1%を添加した培地もしくは非添加培地を用いて、実
施例3と同様にして1日培養したCE細胞、および実施
例3と同様に継代した後1日培養したCE細胞を用い
た。細胞培養シャーレ内の培地を吸引除去し、付着した
細胞を基礎培地にて洗浄した。ここへ、10%トリスリ
ン酸緩衝液含有イーグルMEM培地で104TCID50
/mlの濃度に希釈したファブリキウス嚢ウイルスをシ
ャーレあたり0.2mlずつ接種し、20分毎にウイル
スと細胞とを均一に接触させるため、シャーレを斜めに
し、液が細胞表面をムラなく浸すようティルティングさ
せながら1時間、CO25%、37℃の条件下でウイル
スを細胞へ吸着させた。この時点をウイルス感染0日目
とする。実施例3の基礎培地へA〜Cを添加した培地、
A〜Cの1/5量を添加した培地および対照としてFB
S5%または1%を添加した培地もしくは非添加培地
を、ウイルスを感染させた各シャーレにそれぞれ5ml
添加し、CO25%、37℃の条件下で静置培養した。
顕微鏡下で経日観察を行い、細胞の増殖を調べた。
【0032】CPEが出現したところで培養上清を採取
し、遠心分離(3000rpm,20分)により細胞屑
等を除いた後の培養上清を−80℃で保存し、その後の
感染価試験に供した。また、培養3日目の細胞の状態を
顕微鏡で観察し、CPE出現度を調べた。結果を表8及
び表9へ示す。CPE(cytopathic eff
ect)とは細胞がウイルスに感染すると正常な細胞に
比べて、細胞の崩壊、断片化が起こるためその部位の様
子が変化することをいう。
【0033】3)ウイルス感染価試験: 細胞:CE細胞 増殖用培地: 実施例3の基礎培地へFBSを5%添加
した培地 維持培地:実施例3の基礎培地へFBS1%を添加した
培地 増殖用培地へCE細胞を浮遊させ、1ウエルあたり6×
104個となるよう、細胞培養用96穴平底プレート
(ヌンク(Nunk)社製)へ分注した。細胞を5%
CO2インキュベーターで37℃にて静置培養した。培
養1日後のシート状に増殖した細胞を用いてウイルスの
感染価を調べた。
【0034】上清を除いた各ウエル内へ、2)で得られ
た各培地のウイルス含有培養上清を10%トリスリン酸
緩衝液含有イーグルMEMの培地で10-1〜10-8に希
釈したものを0.05ml/ウエル添加した。5% C
2インキュベーター内で37℃にて1時間、ウイルス
を吸着させた後、維持培地を0.15ml/ウエル添加
し、5% CO2インキュベーター内で37℃にて静置
培養を行った。培養7日目までに細胞にCPEの出現が
認められたものを陽性とし、リード・ミンチ(Reed
& Muench)の方法で培養組織の50%を感染
させるウイルス希釈度(TCID50)を測定し、ウイル
ス感染価を評価した。結果を表9へ示す。
【0035】
【表8】
【0036】
【表9】
【0037】
【発明の効果】本願発明の無血清培地は無血清条件下に
おいて細胞のウイルス増殖能を維持しつつ良好な細胞増
殖を示し、ウイルスの製造に好適に用いられる。本願発
明の無血清培地を用いてウイルスを製造すれば、血清の
品質に左右されない、安定した品質のウイルスが得られ
る。また、得られるウイルスには血清由来の成分を含ま
ないため、汚染やマイコプラズマウイルスによる感染等
の危険が大幅に減少し、繁雑な精製操作が不要になる。
本願発明の無血清培地を用いて製造されるウイルスは、
ワクチンの製造やウイルスの活性や毒性の発現調節等の
研究において好適に用いられる。
フロントページの続き (72)発明者 宮原 徳治 熊本県菊池郡菊陽町津久礼3566−22 県営 住宅13棟5号

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動物細胞培養用基礎培地に塩基性繊維芽
    細胞成長因子およびインシュリンを必須成分として含
    む、ウイルス増殖に用いられる動物細胞用の無血清培
    地。
  2. 【請求項2】 塩基性繊維芽細胞成長因子を0.5〜2
    0ng/ml、インシュリンを0.1〜20μg/ml
    含有する請求項1記載の無血清培地。
  3. 【請求項3】 ウイルス増殖に用いられる動物細胞がハ
    ムスター肺細胞である請求項1記載の無血清培地。
  4. 【請求項4】 ウイルス増殖に用いられる動物細胞が鶏
    胚細胞である、請求項1記載の無血清培地。
  5. 【請求項5】 動物培養用基礎培地がイーグルMEM培
    地又はその改変培地である、請求項1記載の無血清培
    地。
JP7316709A 1995-12-05 1995-12-05 ウイルス製造用無血清培地 Pending JPH09154571A (ja)

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