JPH09152606A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH09152606A
JPH09152606A JP7313031A JP31303195A JPH09152606A JP H09152606 A JPH09152606 A JP H09152606A JP 7313031 A JP7313031 A JP 7313031A JP 31303195 A JP31303195 A JP 31303195A JP H09152606 A JPH09152606 A JP H09152606A
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JP
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crystal display
angle
light
display element
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JP7313031A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Muto
哲夫 武藤
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Casio Computer Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複雑な駆動制御や複雑な配向処理を行なうこと
なく、簡単な構成で広視野角化を実現することができる
液晶表示装置を提供する。 【解決手段】液晶表示素子20の表側に、所定の方向と
平行な入射面に沿って入射する光の散乱率が前記拡散板
の法線に対する入射面の傾き角の変化にともなって変化
する拡散特性を有する拡散板40を、前記所定の方向を
液晶表示素子20の法線Hと視角方向Fとを含む面と直
交させて設けるとともに、液晶表示素子20の背後に配
置するバックライト30を、液晶表示素子20の法線H
に対し視角方向Fとその反対方向とにそれぞれ所定角度
傾いた方向に光強度の極大値をもち、かつ、光強度の極
大値を示す角度が拡散板40の散乱角度範囲にある強度
分布の光を照射するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は液晶表示装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置としては、一般に、TN
(ツイステッドネマティック)型またはSTN(スーパ
ーツイステッドネマティック)型のものが利用されてい
る。これらの液晶表示装置は、液晶の分子を一対の基板
間においてツイスト配向させた液晶セルをはさんで表裏
一対の偏光板を配置してなる液晶表示素子と、この液晶
表示素子の背後に配置されたバックライトとで構成され
ている。
【0003】ところで、上記TN型やSTN型のよう
な、液晶分子をツイスト配向させた液晶セルを用いる液
晶表示装置は、視野角が狭いという問題をもっている。
これは、液晶セルのΔn・d(液晶の屈折率異方性Δn
と液晶層厚dとの積)の値が視角(表示の観察角)によ
って見かけ上変化するためであり、したがって、液晶セ
ルの一対の基板の内面にそれぞれ設けられている電極間
への印加電圧が同じであっても、つまり基板面に対する
液晶分子の立上がり角が同じであっても、光の透過率は
視角によって異なるから、上記液晶表示素子の電圧−透
過率特性には視角依存性がある。
【0004】そして、この視角依存性は、前記電極間へ
の印加電圧が、液晶のしきい値電圧Vth以下、あるいは
液晶分子が基板面に対してほぼ垂直に近い状態まで立上
がり配向する電圧Va 以上であるときは比較的小さい
が、VthとVa の間の値の電圧では視角依存性が大きく
なるため、明るさに階調をもたせた階調表示を行なわせ
ると、中間調の表示の明るさが視角によって大きく変化
し、極端なコントラスト低下や階調の反転等を生じてし
まう。
【0005】そこで従来から、上記液晶表示装置の視野
角を改善する手段として、画素分割法が提案されてい
る。この画素分割法には、電圧制御方式と、配向制御方
式とがある。
【0006】電圧制御方式は、液晶セルの一方の基板の
電極を各画素ごとに複数の電極に分割しておき、その各
分割電極と他方の基板の電極との間にそれぞれ異なる電
圧値の駆動電圧を印加することにより、液晶分子の立上
がり角を画素の各領域において異ならせて、これらの領
域の視角の方向(最も高いコントラストが得られる観察
方向)を異ならせたものであり、視角が異なる複数の領
域が合成されて観察されるようにして、電圧−透過率特
性の視角依存性を小さくしたものである。
【0007】また、配向制御方式は、各画素をそれぞれ
複数の領域に区分して、その各領域ごとに液晶分子の配
向状態を異ならせることにより、これらの領域の視角の
方向を異ならせ、視角が異なる複数の領域が合成されて
観察されるようにして、電圧−透過率特性の視角依存性
を小さくしたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記電圧制御
方式は、各分割電極にそれぞれ異なる電圧値の駆動信号
を供給しなければならないため、液晶表示装置の駆動制
御が複雑になってしまうという問題をもっている。
【0009】一方、配向制御方式は、電圧制御方式のよ
うな複雑な駆動制御は不要であるが、液晶セルに、液晶
分子を画素の各領域ごとに異なる配向状態で配向させる
ための配向処理を施さなければならないため、液晶セル
の製造における配向処理が複雑になって、製造コストが
高くなるという問題をもっている。
【0010】この発明は、複雑な駆動制御や複雑な配向
処理を行なうことなく、簡単な構成で広視野角化を実現
することができる液晶表示装置を提供することを目的と
したものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、液晶の分子
を一対の基板間においてツイスト配向させた液晶セルを
はさんで表裏一対の偏光板を配置してなる液晶表示素子
と、前記液晶表示素子の背後に配置されたバックライト
と、前記液晶表示素子の表側に設けられた拡散板とを備
え、前記拡散板は、所定の方向と平行な入射面に沿って
入射する光の散乱率が前記拡散板の法線に対する入射面
の傾き角の変化にともなって変化する拡散特性を有し、
かつ、前記散乱率の変化範囲に対する入射角の範囲を含
む所定の散乱角度範囲を有する光学フィルムからなって
おり、この拡散板が、前記所定の方向を前記液晶表示素
子の法線と視角方向とを含む面と直交させて設けられて
いるとともに、前記バックライトは、前記液晶表示素子
の法線に対し前記視角方向とその反対方向とにそれぞれ
所定角度傾いた方向に光強度の極大値をもち、かつ、前
記光強度の極大値を示す角度が前記拡散板の散乱角度範
囲内にある光の強度分布を有していることを特徴とする
ものである。
【0012】この発明においては、前記拡散板の散乱角
度範囲における前記散乱板の法線からの散乱率が極大値
を示す方向の角度と、バックライトの照明角度範囲にお
ける光強度の極大値を示す前記法線からの角度とをほぼ
一致させるのが望ましい。なお、この拡散板は、液晶表
示素子の表側偏光板の表面に配置しても、前記表側偏光
板と液晶セルとの間に配置してもよい。
【0013】また、前記バックライトは、例えば、液晶
表示素子の裏面に対向する導光板と、この導光板の少な
くとも一側の端面に対向させて配置された光源ランプ
と、前記導光板の表面側に配置されたプリズムシートと
で構成すればよく、その場合は、前記導光板の裏面にV
状溝が設けて、このV状溝の傾斜面を、前記導光板の端
面から入射して導光板内を導かれる光を表面側に向けて
反射させる反射面とするとともに、前記プリズムシート
を、前記導光板の表面側に出射する光を導光板の法線に
対する出射角が小さくなる方向に屈折させる微細幅のプ
リズム部を有するものとすればよい。
【0014】この場合、前記導光板の各V状溝とプリズ
ムシートの各プリズム部はそれぞれ、液晶表示素子の法
線と視角方向とを含む面に対してほぼ直交する方向に沿
わせて直線状に設けられていればよく、また光源ランプ
は、前記V状溝の長さ方向に対して直交する方向の導光
板端面に対向させて配置されていればよい。
【0015】この発明によれば、液晶表示素子の表面側
に出射する光が拡散板によって散乱されるため、階調の
反転がない状態で表示を観察できる視角の範囲が広くな
るとともに、バックライトから液晶表示素子に照射する
光を、前記拡散板の散乱角度範囲において光強度が大き
くなる強度分布の光としているため、前記拡散板による
散乱光の輝度も高いから、階調の反転がなくしかも充分
なコントラストで表示を観察できる視野角が広くなる。
【0016】そして、この発明は、液晶表示素子の表側
に上記拡散板を設けるとともに、前記液晶表示素子の背
後に配置するバックライトを上記のような構成とするこ
とによって視野角を広くしたものであるから、従来の電
圧制御方式や配向制御方式のように複雑な駆動制御や複
雑な配向処理を行なうことなく、簡単な構成で広視野角
化を実現することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。図1はこの発明の一実施例を示
す液晶表示装置の側面図であり、この液晶表示装置は、
液晶表示素子20と、この液晶表示素子20の背後に配
置されたバックライト30と、前記液晶表示素子20の
表側に設けられた拡散板40とからなっている。
【0018】前記液晶表示素子20は、液晶の分子を一
対の透明基板22a,22b間においてツイスト配向さ
せた液晶セル21をはさんで表裏一対の偏光板23,2
4を配置したものであり、表裏の偏光板23,24は、
液晶セル21の両基板22a,22bの外面にそれぞれ
接着されている。
【0019】なお、図示しないが、液晶セル21の両基
板22a,22bの内面にはそれぞれ、透明な電極が形
成されるとともに、液晶分子を所定の方向に配向させる
ための配向膜が設けられており、前記配向膜は、両基板
22a,22bの近傍における液晶分子の配向方向によ
って決まる視角の方向(最も高いコントラストが得られ
る観察方向)Fが所望の方向になるように配向処理され
ている。
【0020】この実施例では、液晶表示素子20とし
て、視角方向Fが、液晶表示素子20の法線Hに対して
画面の下縁方向にある程度傾いた方向にくるように設計
されたものを用いている。
【0021】また、バックライト30は、液晶表示素子
20の法線Hに対し上記視角方向Fとその反対方向とに
それぞれ所定角度ずつずれた方向において光強度が最大
となる強度分布の光を液晶表示素子20に向けて照射す
るように構成されている。
【0022】このバックライト30は、液晶表示素子2
0に対向する面が開放するケース31内に、前記液晶表
示素子20の裏面に対向する導光板32と、この導光板
32の両側の端面にそれぞれ対向する光源ランプ33と
を設けるとともに、前記導光板32の表面側にプリズム
シート34を配置したものであり、前記導光板32は、
その法線を前記液晶表示素子20の法線Hと一致させて
液晶表示素子20とほぼ平行に設けられている。
【0023】上記導光板32は、アルリル系樹脂等から
なる透明板の裏面に、断面がV字状をなす多数のV状溝
32aを導光板全体にわたって密な間隔で設けたもので
あり、各V状溝32aの両側の傾斜面がそれぞれ、導光
板32の端面から入射して導光板内を導かれる光(光源
ランプ33からの光)を表面側に向けて反射させる反射
面となっている。
【0024】この導光板32の各V状溝32aは、液晶
表示素子20の法線Hと視角方向Fとを含む面に対して
ほぼ直交する方向(図1の紙面の表裏方向)に沿わせて
直線状に設けられており、光源ランプ33は、前記V状
溝32aの長さ方向に対して平行な方向の導光板端面、
つまり、導光板32の上側と下側の端面に対向させて配
置されている。
【0025】なお、上記導光板32は、液晶表示素子2
0の表示領域よりも若干大きな面積のものとされてお
り、その裏面の各V状溝32aは、導光板32の表面側
に出射する光の輝度が導光板全域にわたってほぼ均等に
なるように、光源ランプ33に近い端部から中央部に向
かい徐々にピッチを小さくして設けられている。また、
光源ランプ33は、導光板32の全幅にわたる長さの冷
陰極管または温陰極管であり、上記ケース31には、光
源ランプ33からの光を導光板32に向けて反射させる
リフレクタ部31aが形成されている。
【0026】また、上記プリズムシート34は、アルリ
ル系樹脂等からなる透明シートの表面に、その全体にわ
たって、上記導光板32の表面側に出射する光を導光板
32の法線に対する出射角が小さくなる方向に屈折させ
る微細幅のプリズム部34aをその幅方向に連続させて
形成したものであり、この各プリズム部34aは、液晶
表示素子20の法線Hと視角方向Fとを含む面に対して
ほぼ直交する方向(図1の紙面の表裏方向)、つまり上
記導光板32の各V状溝32aと平行な方向に沿わせて
直線状に設けられている。なお、このプリズムシート3
4は、上記導光板32とほぼ同じ面積のものとされてお
り、その裏面を導光板32の表面に接着して設けられて
いる。
【0027】上記バックライト30は、光源ランプ33
からの光を導光板32で導いてその裏面のV状溝の両側
面で表面側に反射させ、その光の広がりをプリズムシー
ト34のプリズム部34aの屈折作用により制御して液
晶表示素子20に照射するものであり、このバックライ
ト30から液晶表示素子20に照射される光は、液晶表
示素子20の法線Hと視角方向Fとを含む面上での光強
度分布が、液晶表示素子20の法線Hに対し前記視角方
向Fとその反対方向とにそれぞれ所定角度ずつ傾いた方
向において最大となる照明角度範囲をもっている。
【0028】図2は、上記バックライト30の一点から
の照射光の、液晶表示素子20の法線Hと視角方向Fと
を含む面上での光強度の分布を示した図であり、破線は
導光板32を出射した光の強度分布を示し、実線はプリ
ズムシート34を透過した光の強度分布を示している。
【0029】すなわち、上記バックライト30では、そ
の導光板32のV状溝32aを液晶表示素子30の法線
Hと視角方向Fとを含む面とほぼ直交する方向に沿わせ
て直線状に設けるとともに、このV状溝32aの長さ方
向とほぼ平行な方向の導光板端面に対向させて光源ラン
プ33を配置されているため、導光板32の裏面のV状
溝32aの両側面で反射されて表面側に出射する光は、
図2に破線で示したような強度分布の光である。
【0030】また、前記導光板32を出射した光は、プ
リズムシート34を透過して液晶表示素子30に入射す
るが、このプリズムシート34のプリズム部34aは、
液晶表示素子30の法線Hと視角方向Fとを含む面に対
してほぼ直交する方向(導光板32のV状溝32aと平
行な平行)に沿わせて直線状に設けられているため、導
光板32を出射した光が前記プリズム部34aの屈折作
用によって上記法線Hと視角方向Fとを含む面上での広
がりが小さくなるように集光され、図2に実線で示した
ようなハート形の強度分布の光、つまり、光強度が液晶
表示素子20の法線Hに対し視角方向Fとその反対方向
とにそれぞれ所定角度ずつ傾いた方向において最大とな
る強度分布の光となる。
【0031】なお、図2に実線で示した強度分布では、
液晶表示素子20の法線Hから視角方向Fへの角度θ
と、前記法線Hから反対方向への角度−θとがそれぞれ
約20°の方向において光強度が最大となっている。
【0032】一方、液晶表示素子20の表側に設けられ
た拡散板40は、所定の方向と平行な入射面に沿って入
射する光の散乱率が、入射面の法線からの傾き角が大き
くなるのにともなって大きくなるような変化範囲をもつ
拡散特性を有し、かつ、前記散乱率の変化範囲に対応す
る入射角の範囲を含む散乱入射角範囲が所定の角度に設
定された光学フィルムからなっている。
【0033】すなわち、上記拡散板40は、透過光の拡
散特性に指向性を有するものであり、拡散板の法線を含
み前記特定の方向と直交する面に沿った方向へ透過する
光は高い透過率で透過させるが、前記特定の方向と直交
する方向に傾いた面に沿って透過する光は、その入射角
に応じた散乱率で散乱させる。
【0034】この実施例では、上記拡散板40として、
散乱入射角範囲を、0°〜30°の範囲に設定したもの
を用い、この拡散板40を、前記特定の方向が液晶表示
素子20の法線Hと視角方向Fとを含む面に直交する方
向に沿わせて配置して、液晶表示素子20の表側偏光板
23の表面に接着している。
【0035】図3は、上記拡散板40の法線Hと前記特
定の方向Fとを含む面に直交する方向に沿った光の入射
角−透過率特性を示している。なお、図3において、正
の入射角は、法線Hから視角方向Fの方へ傾いた方向の
入射角、負(−)の入射角は、法線Hから視角方向Fと
は逆向きに傾いた方向の入射角である。
【0036】この図3のように、上記拡散板40は、そ
の法線を含み前記特定の方向と直交する面に沿った透過
光のうち、法線からの傾き角が小さい(図では約10°
以下)入射角で入射する光は高い透過率で透過させる
が、光の入射角が大きくなると、それにともなって透過
率が急激に低下し、入射角がある角度(図では約20
°)を越えると、入射角の変化に対する透過率の変化は
ゆるやかになる。
【0037】そして、上記拡散板40の入射角に応じた
散乱率の変化は、図3に示した透過率の変化と逆の関係
にあり、透過率が低くなるのにともなって散乱率が高く
なるため、散乱率の変化範囲は、入射角が大きくなるの
にともなって透過率が低下する範囲である。
【0038】この散乱率の変化範囲は、図3に示した入
射角−透過率特性の拡散板では約10°〜約20°の範
囲であり、この散乱率の変化範囲における最大入射角は
約20°である。
【0039】さらに、この実施例では、上記バックライ
ト30を、光強度が最大となる角度が上記拡散板40の
散乱入射角範囲における最大入射角とほぼ同じである強
度分布の光を液晶表示素子20に向けて照射するように
設計している。
【0040】すなわち、例えば上記拡散板40として、
図3に示したような入射角−透過率特性をもつ、散乱入
射角範囲における最大入射角が約20°のものを用いる
場合は、バックライト30を、図2に実線で示したよう
な、光強度が最大となる角度が約20°の強度分布の光
を照射するように設計する。
【0041】この光強度が最大となる視角方向Fとその
反対方向の角度θ,−θは、プリズムシート34のプリ
ズム部34aの集光角と、導光板32のV状溝32aの
頂角(両側の傾斜面間の角度)を選択することによって
任意に設定することができ、例えば、プリズムシート3
4の集光角の半値(プリズムシート34の法線に対する
角度)が30°〜35°である場合は、導光板32のV
状溝32aの頂角を60°〜70°(V状溝32aの両
側の傾斜面の導光板裏面に対する傾き角がそれぞれ30
°〜35°)にすれば、光強度が最大となる方向の角度
θ,−θが、θ=約20°、−θ=約20°である、図
2のような強度分布の照射光が得られる。
【0042】この液晶表示装置は、バックライト30か
ら液晶表示素子20に照射されてこの液晶表示素子20
の表面側に出射する光を、拡散板40によって散乱させ
るようにしたものであり、前記拡散板40を、その特定
の方向、つまり、透過光の散乱率が光の入射角が大きく
なるのにともなって大きくなる拡散特性を有する方向を
液晶表示素子20の視角方向Fに沿わせて設けておけ
ば、液晶表示素子20からの出射する光が拡散板40に
よって視角方向Fとその反対方向とに散乱され、階調の
反転がない状態で表示を観察できる視角の範囲が広くな
る。
【0043】また、バックライト30から液晶表示素子
20に照射する光を、前記拡散板の散乱入射角範囲の最
大入射角とほぼ同じ角度傾いた方向において光強度が最
大となる強度分布の光としているため、前記拡散板によ
る散乱光の輝度も高いから、階調の反転がなくしかも充
分なコントラストで表示を観察できる視野角が広くな
る。
【0044】さらに、この液晶表示装置では、バックラ
イト30から液晶表示素子20に照射する光を、上記拡
散板40の散乱入射角範囲における最大入射角とほぼ同
じ角度傾いた方向において光強度が最大となる強度分布
の光としているため、前記拡散板40による散乱光の輝
度も高いから、階調の反転がなくしかも充分なコントラ
ストで表示を観察できる視野角が広くなる。
【0045】そして、この液晶表示装置は、液晶表示素
子20の表側に上記拡散板40を設けるとともに、液晶
表示素子20の背後に配置するバックライト30を上記
のような構成とすることによって視野角を広くしたもの
であるから、従来の電圧制御方式や配向制御方式のよう
に複雑な駆動制御や複雑な配向処理を行なうことなく、
簡単な構成で広視野角化を実現することができる。
【0046】またこの液晶表示装置においては、上記拡
散板40の散乱入射角範囲を15°〜45°に設定する
のが望ましく、このような拡散特性の拡散板を用いれ
ば、広い視角範囲にわたって階調の反転がなく、しかも
輝度が高くかつ黒レベルが充分低い、高コントラストの
表示が得られる。
【0047】図4は、液晶表示素子の背後に通常のバッ
クライト(プリズムシート34を備えていないもの)を
配置した一般的な液晶表示装置に階調1 〜階調11の11
階調の表示を行なわせたときの各階調における視角−透
過率特性を示しており、図5〜図7はそれぞれ、前記一
般的な液晶表示装置の液晶表示素子の表面に散乱入射角
範囲が異なる拡散板40を配置して前記11階調の表示
を行なわせたときの各階調における視角−透過率特性を
示している。なお、図4〜図7に示した視角−透過率特
性は、いずれも、液晶表示素子20の法線Hの方向から
視角方向Fに視角を変化させたときの特性である。
【0048】図4の視角−透過率特性のように、拡散板
の無い液晶表示装置は、視角が17°を越えると階調の
反転が生じ、また、視角が大きくなるにつれて、黒レベ
ル(階調1 の透過率)が浮き、コントラストが低下す
る。
【0049】図5は、上記液晶表示素子の表面に、散乱
入射角範囲の最大入射角が10°〜40°の拡散板を配
置したときの視角−透過率特性を示しており、この場合
は、50°に近い視角でも階調の反転がなく、また黒レ
ベルの浮きも生じないが、視角が40°を越えると、輝
度(透過率)が急激に低下して表示が暗くなる。
【0050】図6は、上記液晶表示素子の表面に、散乱
入射角範囲の最大入射角が20°〜50°の拡散板を配
置したときの視角−透過率特性を示しており、この場合
は、50°を越える大きな視角でも階調の反転がなく、
また50°付近の視角でも輝度が充分で、黒レベルの浮
きも生じないため、広い視角範囲にわたって高いコント
ラストが得られるが、20°付近の視角において輝度が
一旦大きく落ち込むため、20°付近の視角での表示
が、拡散板の無いもの(図4の視角−透過率特性)に比
べてかなり暗くなる。
【0051】図7は、上記液晶表示素子の表面に、散乱
入射角範囲の最大入射角が30°〜60°の拡散板を配
置したときの視角−透過率特性を示しており、この場合
は、拡散板の無い液晶表示装置と同様に、小さな視角で
も階調の反転が生じ、また視角が大きくなるにつれて黒
レベルが浮いてコントラストが低下するだけでなく、視
角が20°を越えると、輝度が急激に落ち込んで、視認
性がほとんどなくなってしまう。
【0052】このように、液晶表示素子の表面に拡散板
を配置した場合でも、液晶表示装置の視角−透過率特性
は、前記拡散板の散乱入射角範囲の最大入射角によって
異なるが、図5〜図7に示した視角−透過率特性から判
断できるように、広い視角範囲にわたって階調反転がな
く、かつ高いコントラストが得られるようにするには、
拡散板40として、散乱入射角範囲が15°〜45°の
ものを用いればよい。
【0053】図8は、上記一般的な液晶表示装置の液晶
表示素子の表面に散乱入射角範囲が15°〜45°であ
る拡散板40を配置して階調1 〜階調11の11階調の表
示を行なわせたときの各階調における視角−透過率特性
を示している。なお、この視角−透過率特性も、液晶表
示素子20の法線Hの方向から視角方向Fに視角を変化
させたときの特性である。
【0054】この視角−透過率特性のように、散乱入射
角範囲が15°〜45°の拡散板40を用いた液晶表示
装置は、50°を越える大きな視角でも階調の反転がな
く、また、コントラスト(階調1 と階調11との透過率の
比)が10以上である視角範囲が60°以上と広い。さ
らに、この液晶表示装置は、視角による輝度の変化が小
さく、したがって、広い視角範囲にわたって高い視認性
が得られる。
【0055】次に、バックライト30のプリズムシート
34について説明すると、このプリズムシート34は、
その集光角の半値(プリズムシート34の法線に対する
角度)が30°〜35°の範囲であるものが最適であ
る。
【0056】図9は、集光角が異なる2種類のプリズム
シートの視角−輝度特性図であり、実線は導光板32か
らの光の輝度変化を示し、破線は集光角の半値が35°
のプリズムシートを透過した光の輝度変化を示し、一点
鎖線は集光角の半値が25°のプリズムシートを透過し
た光の輝度変化を示している。
【0057】図10は、バックライト30のプリズムシ
ート34に、集光角の半値が35°のものを用いたとき
の、拡散板40が無い場合と、散乱入射角範囲における
最大入射角が、10°,20°,22°,30°の4種
類の拡散板40を用いた場合の、それぞれの視角−コン
トラスト特性を示している。
【0058】また、図11は、バックライト30のプリ
ズムシート34に、集光角の半値が25°のものを用い
たときの、拡散板40が無い場合と、散乱入射角範囲に
おける最大入射角が、10°,20°,22°の3種類
の拡散板40を用いた場合の、それぞれの視角−コント
ラスト特性を示している。
【0059】図10と図11の視角−コントラスト特性
を、垂直方向から視角方向Fに視角を変化させたときの
コントラストの変化について注目して比較すると、コン
トラストのすその広がりは、図10(集光角の半値が3
5°のプリズムシートを用いたときの特性)の方が広
く、また、コントラストの変化も、図10の方が少ない
ことが分かる。
【0060】したがって、上記プリズムシート34とし
ては、視角−コントラスト特性の面から、集光角が大き
いものを用いるのが好ましい。ただし、集光角の半値が
40°以上のプリズムシートを使用すると、バックライ
ト30からの照射光の強度分布に乱れを生ずるようにな
るため、プリズムシート34としては、集光角の半値が
30°〜35°の範囲のものが最適である。
【0061】すなわち、この発明の最も好ましい実施の
形態は、拡散板40に、散乱入射角範囲が15°〜45
°のものを用い、バックライト30のプリズムシート3
4に集光角の半値が30°〜35°のものを用いるとと
もに、このプリズムシート34の集光角に応じて、導光
板32のV状溝32aの頂角を、光強度が最大となる角
度が拡散板40の散乱入射角範囲の最大入射角とほぼ同
じ角度になるように設定することである。
【0062】なお、上記実施例では、拡散板40を液晶
表示素子20の表側偏光板23の表面に設けたが、この
拡散板40は、前記表側偏光板23と液晶セル21との
間に、その両方に接着して配置してもよく、このように
すれば、光の散乱面がより液晶セル21に近くなるた
め、表示画像のにじみが少なくなる。
【0063】また、上記実施例におけるバックライト3
0は、光源ランプ33を、導光板32の両側の端面にそ
れぞれ対向させて配置したものであるが、このバックラ
イト30は、光源ランプ33を導光板32の一側の端面
に対向させて配置したものであってもよい。
【0064】
【発明の効果】この発明によれば、液晶表示素子の表面
側に出射する光が拡散板によって散乱されるため、階調
の反転がない状態で表示を観察できる視角の範囲が広く
なるとともに、バックライトから液晶表示素子に照射す
る光を、前記拡散板の散乱入射角範囲の最大入射角とほ
ぼ同じ角度傾いた方向において光強度が最大となる強度
分布の光としているため、前記拡散板による散乱光の輝
度も高いから、階調の反転がなくしかも充分なコントラ
ストで表示を観察できる視野角が広くすることができ
る。
【0065】そして、この発明は、液晶表示素子の表側
に上記拡散板を設けるとともに、前記液晶表示素子の背
後に配置するバックライトを上記のような構成とするこ
とによって視野角を広くしたものであるから、従来の電
圧制御方式や配向制御方式のように複雑な駆動制御や複
雑な配向処理を行なうことなく、簡単な構成で広視野角
化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による液晶表示装置の側面
図。
【図2】バックライトの一点からの照射光の、液晶表示
素子に垂直でその視角方向を含む面上での光強度の分布
を示す図。
【図3】拡散板の特定の方向に沿った面上を透過する光
に対する入射角−透過率特性図。
【図4】一般的な液晶表示装置に階調表示を行なわせた
ときの各階調における視角−透過率特性を示す図。
【図5】一般的な液晶表示装置の液晶表示素子の表面に
散乱入射角範囲が10°〜40°の拡散板を配置して階
調表示を行なわせたときの各階調における視角−透過率
特性を示す図。
【図6】一般的な液晶表示装置の液晶表示素子の表面に
散乱入射角範囲が20°〜50°の拡散板を配置して階
調表示を行なわせたときの各階調における視角−透過率
特性を示す図。
【図7】一般的な液晶表示装置の液晶表示素子の表面に
散乱入射角範囲が30°〜60°の拡散板を配置して階
調表示を行なわせたときの各階調における視角−透過率
特性を示す図。
【図8】一般的な液晶表示装置の液晶表示素子の表面に
散乱入射角範囲が15°〜45°の拡散板を配置して階
調表示を行なわせたときの各階調における視角−透過率
特性を示す図。
【図9】集光角が異なる2種類のプリズムシートの視角
−輝度特性図。
【図10】バックライトのプリズムシートに集光角の半
値が35°のものを用いたときの、拡散板が無い場合
と、散乱率変化範囲における最大入射角が、10°,2
0°,22°,30°の4種類の拡散板を用いた場合
の、それぞれの視角−コントラスト特性を示す図。
【図11】バックライトのプリズムシートに集光角の半
値が25°のものを用いたときの、拡散板が無い場合
と、散乱入射角範囲が、10°,20°,22°の3種
類の拡散板を用いた場合の、それぞれの視角−コントラ
スト特性を示す図。
【符号の説明】
20…液晶表示素子 21…液晶セル 23,24…偏光板 30…バックライト 32…導光板 32a…V状溝 33…光源ランプ 34…プリズムシート 34a…プリズム部 40…拡散板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 5/04 G02B 5/04 F 6/00 331 6/00 331

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶の分子を一対の基板間においてツイス
    ト配向させた液晶セルをはさんで表裏一対の偏光板を配
    置してなる液晶表示素子と、 前記液晶表示素子の背後に配置されたバックライトと、 前記液晶表示素子の表側に設けられた拡散板と、を備
    え、 前記拡散板は、所定の方向と平行な入射面に沿って入射
    する光の散乱率が前記拡散板の法線に対する入射面の傾
    き角の変化にともなって変化する拡散特性を有し、か
    つ、前記散乱率の変化範囲に対する入射角の範囲を含む
    所定の散乱角度範囲を有する光学フィルムからなってお
    り、 この拡散板が、前記所定の方向を前記液晶表示素子の法
    線と視角方向とを含む面と直交させて設けられていると
    ともに、 前記バックライトは、前記液晶表示素子の法線に対し前
    記視角方向とその反対方向とにそれぞれ所定角度傾いた
    方向に光強度の極大値をもち、かつ、前記光強度の極大
    値を示す角度が前記拡散板の散乱角度範囲内にある光の
    強度分布を有していることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】拡散板の散乱角度範囲における前記散乱板
    の法線からの散乱率が極大値を示す方向の角度と、バッ
    クライトの照明角度範囲における光強度の極大値を示す
    前記法線からの角度とをほぼ一致させたことを特徴とす
    る請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】拡散板は、液晶表示素子の表側偏光板の表
    面に配置されていることを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】拡散板は、液晶表示素子の表側偏光板と液
    晶セルとの間に配置されていることを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】バックライトは、液晶表示素子の裏面に対
    向する導光板と、この導光板の少なくとも一側の端面に
    対向させて配置された光源ランプと、前記導光板の表面
    側に配置されたプリズムシートとからなっており、 前記導光板の裏面にはV状溝が設けられ、このV状溝の
    傾斜面が、前記導光板の端面から入射して導光板内を導
    かれる光を表面側に向けて反射させる反射面となってい
    るとともに、 前記プリズムシートは、前記導光板の表面側に出射する
    光を導光板の法線に対する出射角が小さくなる方向に屈
    折させる微細幅のプリズム部を有していることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】導光板の各V状溝とプリズムシートの各プ
    リズム部はそれぞれ、液晶表示素子の法線と視角方向と
    を含む面に対してほぼ直交する方向に沿わせて直線状に
    設けられており、光源ランプは、前記V状溝の長さ方向
    に対して直交する方向の導光板端面に対向させて配置さ
    れていることを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装
    置。
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