JPH09151698A - シールド工法 - Google Patents

シールド工法

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JPH09151698A
JPH09151698A JP8094519A JP9451996A JPH09151698A JP H09151698 A JPH09151698 A JP H09151698A JP 8094519 A JP8094519 A JP 8094519A JP 9451996 A JP9451996 A JP 9451996A JP H09151698 A JPH09151698 A JP H09151698A
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都男 渋江
Shinya Kutsunugi
慎也 沓脱
Tatsuo Takahashi
達夫 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリートを現場打ちして覆工壁を形成す
るシールド工法において、より施工性に優れるとともに
妻型枠の姿勢制御を行ない得る有効な工法を提供する。 【解決手段】 内型枠4内へコンクリートを打設するに
際して妻枠5の各部の相対位置変化およびその速度を検
出し、その検出結果に基づき各打設ポート5aからの単
位時間当たりのコンクリート打設量すなわち打設速度や
1巡休止時間等をフィードバック制御する。また、シー
ルド機1の掘進と同時に内型枠内へのコンクリート打設
を行なうとともに、シールド機の掘進を停止させた後
も、打設コンクリートの反力により妻枠ジャッキ7がシ
ールド機に対して相対的に縮む方向へ移動しつつコンク
リート打設が継続されそれと同時にその前方位置におい
て内型枠の盛替えを行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトンネル施工技術に
係わり、特にシールド機の後方で覆工壁を現場打ちコン
クリートにより形成していくシールド工法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、この種のシールド工法
は、シールド機の後方において内型枠を組み立てるとと
もに、内型枠の前部に複数の打設ポートを周方向に間隔
をおいて設けた環状の妻枠を配し、各打設ポートを通し
て内型枠の内部にコンクリートを打設することによって
鉄筋コンクリート造、または無筋(スモールファイバ等
によるもの)コンクリート造の覆工壁を形成していき、
かつ、内型枠から反力をとってシールド機を掘進させて
は内型枠を順次前方側へ盛替えていくことでトンネルを
施工するというものである。そして、内型枠内にコンク
リートを打設する際には、妻枠をジャッキにより後方側
(内型枠内へ押込む方向)へ押圧することによって打設
コンクリート圧力を保持しつつ妻枠を漸次前方側へ移動
させるようにし、以てコンクリートの打設圧を地下水圧
にバランスさせるとともに密実なコンクリート覆工壁を
形成するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
工法においては、内型枠内に打設されたコンクリートの
圧力がレベル差や各打設ポートからの打設量のアンバラ
ンス等に起因して上下方向および周方向の各位置である
程度の偏差が生じ、したがって内型枠や妻枠の各部に偏
荷重が生じ、その結果、妻枠を鉛直姿勢に維持できなく
なることがある。そして、従来においては妻枠の姿勢制
御はきわめて困難であり、わずかに熟練作業員の経験に
依存して各打設ポートからのコンクリート打設量を適宜
増減する等の対策をとってはいるが、そのようなことで
は確実かつ適正な制御は期待できず、有効な改善策が要
望されていた。
【0004】また、現場打ちコンクリートにより覆工壁
を形成していく上記のようなシールド工法では、シール
ド機による掘削工程と覆工壁を形成するためのコンクリ
ート打設工程とを分離するいわゆる分離推進工法が採用
されることが通常である。すなわち、シールド機を所定
ストロークだけ掘進させたらそれを停止させ、その後方
において内型枠を組み立て、次いでコンクリート打設を
実施し、その後に、内型枠から反力をとってシールド機
の掘進を再開する、という手順を繰り返すことによりト
ンネルを施工していくのである。
【0005】しかし、そのような分離推進工法では必ず
しも充分な作業効率が望めず、より効率的であって工期
短縮を図り得る有効な工法が望まれていた。特に、上記
のように掘進とコンクリート打設とを交互に行なう分離
推進工法では、必然的にコンクリート打設工程が間欠的
に実施されることになるから、打設を中断している間に
コンクリート打設管が残留コンクリートにより閉塞して
しまうトラブルが生じることがあり、そのようなトラブ
ルを防止し得る手段の開発が急務とされていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記事情に鑑み、請求項
1記載の発明は、シールド機の後方において内型枠を組
み立てるとともに、該内型枠の前部に周方向に複数の打
設ポートを有する環状の妻枠を配し、該打設ポートを通
して前記内型枠内にコンクリートを打設することによっ
て前記妻枠を漸次前方へ移動させつつ覆工壁を形成する
とともに、前記内型枠から反力をとってシールド機を掘
進させては前記内型枠を順次前方側へ盛替えていくこと
でトンネルを施工するシールド工法において、前記内型
枠内へコンクリートを打設するに当たっては、各打設ポ
ートから打設するコンクリートの単位時間当たりの打設
量および各打設ポートの打設回数および1巡休止時間等
を予め設定しておくとともに、コンクリート打設に伴う
前記妻枠の各部のシールド機に対する相対位置および相
対位置の変化率を検出し、その検出結果に基づき前記単
位時間当たりの打設量、1巡休止時間等をフィードバッ
ク制御するようにしたものである。
【0007】また、請求項2記載の発明は、前記シール
ド機の掘進と同時に前記内型枠内へのコンクリート打設
を実施するとともに、シールド機の掘進を停止させた後
も前記妻枠をシールド機に対して相対的に前方へ移動さ
せつつ前記内型枠内へのコンクリート打設を継続し、そ
れと同時にその前方位置において内型枠の盛替えを行な
い、盛替えた内型枠から反力をとってシールド機の掘進
を再開するとともに該内型枠内へのコンクリート打設を
行なうことによって、コンクリート打設を中断すること
なく連続的に実施するようにしたものである。
【0008】また、請求項3記載の発明は、上記請求項
1記載の発明と上記請求項2記載の発明とを組合わせて
実施するようにしたものである。すなわち、請求項3記
載の発明は、前記シールド機の掘進と同時に前記内型枠
内へのコンクリート打設を実施するとともに、シールド
機の掘進を停止させた後も前記妻枠をシールド機に対し
て相対的に前方へ移動させつつ前記内型枠内へのコンク
リート打設を継続し、それと同時にその前方位置におい
て内型枠の盛替えを行ない、盛替えた内型枠から反力を
とってシールド機の掘進を再開するとともに該内型枠内
へのコンクリート打設を行なうことによって、コンクリ
ート打設を中断することなく連続的に実施するように
し、しかも、前記内型枠内へコンクリートを打設するに
当たっては、各打設ポートから打設するコンクリートの
単位時間当たりの打設量および各打設ポートの打設回数
および1巡休止時間等を予め設定しておくとともに、コ
ンクリート打設に伴う前記妻枠の各部のシールド機に対
する相対位置および相対位置の変化率を検出し、その検
出結果に基づき前記単位時間当たりの打設量および1巡
休止時間等をフィードバック制御するようにしたもので
ある。
【0009】また、請求項4記載の発明は、請求項1ま
たは3記載のシールド工法であって、前記フィードバッ
ク制御における前記相対位置および前記相対速度の検出
は、ファジイ推論によりなされるようにしたものであ
る。
【0010】また、請求項5記載の発明は、請求項4記
載のシールド工法であって、前記ファジイ推論において
用いられるメンバーシップ関数を、前記コンクリート打
設の進捗に応じて変化させるようにしたものである。
【0011】また、請求項6記載の発明は、請求項1記
載のシールド工法であって、前記内型枠内へコンクリー
トを打設するに当たっては、各打設ポートの圧力を検出
し、その検出結果に基づき前記単位時間あたりの打設回
数をフィードバック制御するようにしたものである。
【0012】請求項7記載の発明は、シールド機の後方
において内型枠を組み立てるとともに、該内型枠の前部
に周方向に複数の打設ポートを有する環状の妻枠を配
し、該打設ポートを通して前記内型枠内にコンクリート
を打設することによって前記妻枠を漸次前方へ移動させ
つつ覆工壁を形成するとともに、前記内型枠から反力を
とってシールド機を掘進させては前記内型枠を順次前方
側へ盛替えていくことでトンネルを施工するシールド工
法であって、前記内型枠内へコンクリートを打設するに
当たっては、各打設ポートから打設するコンクリートの
単位時間当たりの打設量および各打設ポートの打設回数
および1巡休止時間を予め設定しておくとともに、コン
クリート打設に伴う前記妻枠の各部のシールド機に対す
る相対位置および相対位置の変化率を検出し、その検出
結果に基づき前記各打設ポートへのコンクリートの供給
停止時間をフィードバック制御するようにしたものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照して説明する。まず図1を参照して本実施例のシール
ド工法を実施するためのシールド機の全体概略構成を説
明する。図1において符号1は前胴1a、中胴1b、後
胴(スキンプレート)1cを有して構成されているシー
ルド機であって、このシールド機1はシールドジャッキ
2によりスプレッダ3を介して内型枠4から反力をとる
ことにより前方へ漸次掘進するものである。符号5は内
型枠4の前部に配される妻枠であって、この妻枠5と内
型枠4とにより形成される密閉空間内にコンクリートを
打設充填することで覆工壁6を形成するようになってい
る。
【0014】妻枠5は環状をなしており、後胴1cに設
置された複数台(本実施例では12台)の妻枠ジャッキ
7により前後方向に移動可能に設けられ、コンクリート
打設の際には妻枠ジャッキ7により後方側へ押圧される
ことでコンクリート打設圧を維持するとともにその傾き
が防止され、かつ、打設の進展に伴い漸次前方へ移動し
ていくようになっている。この妻枠5には周方向に複数
(本実施例では8箇所)の打設ポート5aが設けられて
おり、各打設ポート5aのそれぞれには分岐打設管8が
閉止弁9、コンクリート打設圧力計10を介して接続さ
れ、各分岐打設管8はローターバルブ11、主打設管1
2を介してコンクリートポンプ13に接続されている。
符号14はローターバルブ11および各閉止弁9を作動
させるための駆動ユニット、15はその油圧ユニットで
ある。また、符号16はコンクリートポンプ13まで生
コンクリートを搬送してくるアジテーターカーである。
【0015】図2は、上述した12台の妻枠ジャッキ
7、7・・・および、8台のコンクリート打設圧力計1
0、10、・・・(打設ポート5a、5a、・・・)の配置を
示す図であり、この図において、各妻枠ジャッキ7およ
びコンクリート打設圧力計10(打設ポート5a)に
は、各々添え字を付している。すなわち、図2に示す妻
枠ジャッキ71〜712は、妻枠5に作用するコンクリー
ト圧力を考慮して妻枠5が鉛直に維持されるように、周
方向に各々配設されており、他方、コンクリート打設圧
力計101〜108(打設ポート5a1〜5a8)は、妻枠
ジャッキ71〜712と同様にして、妻枠5が鉛直に維持
されるように周方向に各々配設されている。
【0016】また、図2においては、破線(三角形)で
結ばれた3台の妻枠ジャッキ(同図に示す例では、7
1、75、79)により1ブロックが構成されており、1
ブロックの妻枠ジャッキ71、75、79は、同一の油圧
系統からなる調圧装置(図示略)により妻枠5に対する
圧力が調整される。同様にして、他の3ブロックの組み
合わせは、妻枠ジャッキ72、76、710(1ブロッ
ク)、妻枠ジャッキ73、77、711(1ブロック)および
妻枠ジャッキ74、78、712(1ブロック)とされてい
る。
【0017】図3は、図1に示すコンクリート打設圧力
計10より出力されるコンクリート打設圧信号を処理す
る信号処理部の構成を示すブロック図である。この図に
おいて、20は、最大値比較器であり、ローターバルブ
11(図1参照)の1巡する時間内においてコンクリー
ト打設圧力計10より入力されるコンクリート打設圧信
号より得られるコンクリート打設圧が、メモリ21に記
憶されているコンクリート打設圧の最大値より大である
とき、そのときのコンクリート打設圧信号(最大値)を
出力する。22は、最大値発信器であり、上記コンクリ
ート打設圧力信号(最大値)を最大値信号Pmxiとして
出力する。
【0018】23は、積分/除算器であり、ローターバ
ルブ11(図1参照)が1巡する時間内に入力されるコ
ンクリート打設圧信号より得られるコンクリート打設圧
を積算した後、所定数で除算して、コンクリート打設圧
の平均値を求め、演算結果をコンクート打設圧信号(平
均値)として出力する。24は、平均値発信器であり、
入力される上記コンクリート打設信号(平均値)を平均
値信号Paviとして出力する。
【0019】25は、最小値比較器であり、ローターバ
ルブ11(図1参照)の1巡する時間内において上記コ
ンクリート打設圧信号より得られるコンクリート打設圧
が、メモリ26に記憶されているコンクリート打設圧の
最小値より小であるとき、そのときのコンクリート打設
圧信号(最小値)を出力する。27は、最小値発信器で
あり、上記コンクリート打設圧力信号(最小値)を最小
値信号Pmniとして出力する。
【0020】上記構成のシールド機1は、基本的には従
来一般のシールド機と同様に、その後方において内型枠
4を組み立てては妻枠5を通してコンクリートを打設し
て覆工壁6を形成し、内型枠4を順次前方に盛替えては
そこから反力をとって掘進を繰り返すものである。内型
枠4内へのコンクリートの打設は、ローターバルブ11
を所定時間で一巡するように回転作動させることにより
打設ポート5aを順次移動させて、コンクリートをコン
クリートポンプ13から各打設ポート5aに対して順次
供給することで行なうものである。
【0021】ところで、上記のようにしてコンクリート
を打設するに際して、上述したように従来一般には妻枠
5の各部に偏荷重が生じ、その結果、妻枠5の鉛直姿勢
が保持できなくなる懸念があるが、本実施例のシールド
工法ではその対策として図4に示すような制御システム
を採用している。すなわち、コンクリート打設の際に、
後胴(スキンプレート)1cと妻枠5各部との相対位
置、その相対位置の変化率(つまり後胴1cに対する妻
枠5の相対速度)、妻枠ジャッキ7による打設コンクリ
ートに対する押圧力、コンクリート打設圧力計10によ
る打設圧力、等を検出し、それらの検出値に基づいて、
コンクリートポンプ13およびローターバルブ11によ
る各打設ポート5aを通しての打設回数や打設速度(単
位時間当たりの打設量)を増減することで、コンクリー
ト打設圧力の変動や妻枠5の相対位置の変動を極力小さ
くなるようにフィードバック制御するようにしている。
【0022】具体的には、予め適性なコンクリート圧力
を設定し、その設定値となるようにローターバルブ11
(図1参照)の1巡あたりの単位時間に、所定の打設回
数、コンクリートポンプ13が打設を行う。そして、コ
ンクリート圧力が許容範囲を越えて変位した場合には、
それを修正するように適性な操作量(打設回数)を上記
1巡毎にファジイコントローラ17により決定して、打
設回数を増減するのである。以後、このフィードバック
制御による圧力制御方法をコンクリート打設圧力(適性
圧力打設回数)制御法と称する。
【0023】また、このシールド工法においては、予め
適正なコンクリート打設速度を設定し、その設定値で各
打設ポート5aからコンクリートを内型枠4内へ打設し
ていきつつ妻枠5各部の位置を検出する。そして、妻枠
5と後胴1cとの相対位置関係が許容限度を越えて変位
した場合には、それを修正するように適正な操作量をフ
ァジィコントローラ17により決定してコンクリート打
設速度を増減するのである。そのファジィコントローラ
17におけるファジィ推論法としてはminーmax型
簡略推論法を用いることが良い。以下、このフィードバ
ック制御による制御方法をコンクリート打設量制御法と
称する。
【0024】<コンクリート打設圧力制御法>次に、上
述したコンクリート打設圧力制御法について、さらに詳
述する。まず、このコンクリート圧力制御法の前提条件
について図5および図6を参照して説明する。図5は、
図2に示す打設ポート5a1〜5a8と妻枠ジャッキ71
〜712との相対的な位置関係を直線上に示した図であ
り、打設ポート5a1〜5a8の各コンクリート打設圧力
は、同図に示す「上半」、「側壁」「下半」なる3つの
グループに分類されている。これは、上記各コンクリー
ト打設圧力を計測するコンクリート打設圧力計101〜
108のいずれかが破損した場合に、当該コンクリート
打設圧力計の計測値を、同一のグループの他のコンクリ
ート打設圧力計の各計測値(パートナー計測値)を突き
合わせる(比較、評価)ことにより、バックアップする
機能を持たせるものである。
【0025】また、図5に示すコンクリート打設圧力計
101〜108より各々出力されるコンクリート打設圧信
号は、図3を参照して説明したように、最大値、平均値
および最小値という基準で評価され、評価結果として、
最大値発信器22、平均値発信器24および最小値発信
器27からは、最大値信号Pmxi、平均値信号Paviおよ
び最小値信号Pmniが出力されることを述べた。ここ
で、図5に示す打設圧力ポート5a1〜5a8におけるコン
クリート圧力の下限管理圧設定値をPdn{i,j}、上
限管理圧設定値をPup{i,j}と定義すると、上記平
均値信号Paviより得られる(コンクリート打設圧力)
平均値Paviおよび最小値信号Pmniより得られる最小値
Pminは、常に下限管理圧設定値Pdn{i,j}から上
限管理圧設定値Pup{i,j}までの圧力範囲内にある
ことが望ましい。すなわち、この場合においては、図1
に示す妻枠5の各部に作用する圧力が均等であって、妻
枠5が鉛直状態、言い換えれば、安定した状態にあるこ
とを意味する。
【0026】つまり、最小値Pminおよび平均値Pavi
が、 Pdn{i,j}<Pmni,Pavi<Pup{i,j} なる範囲にある場合には、コンクリート打設圧力が制御
上良好であると判断される。一方、平均値Paviが、 Pavi≦Pdn{i,j}またはPup{i,j}≦Pavi の場合には、コンクリート打設圧力、言い換えれば、図
4に示すローターバルブ11の打設回数を制御(調整)
する必要がある。
【0027】次に、上記打設回数の制御方法について説
明する。まず、下限管理圧設定値Pdn{i,j}および
上限管理圧設定値Pup{i,j}における、上記最小値
Pmin、平均値Paviおよび最大値Pmxiの分布状態を分
類した分類表を図6に示す。この図においては、平均値
Paviに着目すると、平均値Paviが下限管理圧設定値P
dn{i,j}以下である分類1((イ)、(ロ)および
(ハ))、平均値Paviが下限管理圧設定値Pdn{i,
j}から上限管理圧設定値Pup{i,j}までの範囲内
にある分類2((ニ)、(ホ)および(ヘ))、平均値
Paviが上限管理圧設定値Pup{i,j}以上である分
類3((ト)、(チ)および(リ))の計3パターンに
分類されている。
【0028】図4に示すファジイコントローラ17は、
所定時間間隔(ローターバルブ11の1巡に要する時
間)で、各打設ポート(5a1〜5a8)毎に、1巡あたり
の平均値Paviを、分類表(図6参照)と照合して、該
平均値Paviが分類1〜3なかでいずれの分類に属する
かを判断して、次巡の打設回数を決定する。すなわち、
ファジイコントローラ17は、平均値Paviが分類1に
属している場合にはコンクリート打設圧力を上昇させる
必要があると判断して、現状の打設回数に1を加えた回
数を次巡の打設回数としてローターバルブ11を制御す
る。
【0029】また、ファジイコントローラ17は、平均
値Paviが分類2に属している場合には、コンクリート
打設圧力が制御上良好であると判断して、現状の打設回
数を維持して、該打設回数を次巡の打設回数とする。ま
た、ファジイコントローラ17は、平均値Paviが分類
3に属している場合には、コンクリート打設圧力を低下
させる必要があると判断して、現状の打設回数から1を
減じた回数を次巡の打設回数としてローターバルブ11
を制御する。ただし、分類3の(リ)の場合には、ファ
ジイコントローラ17は、当該打設ポートが閉塞されて
いると判断して、次の打設ポートに対応するコンクリー
ト打設に移行する。
【0030】<コンクリート打設量制御法>次に、前述
したコンクリート打設量制御法について、詳述する。は
じめに、本実施例のシールド工法において採用されてい
る一体推進工法について説明する。この一体推進工法
は、シールド機1の掘進と同時にコンクリートを打設す
る工法であり、しかも、シールド機1が停止している間
においてもコンクリート打設を中断することなく連続的
に行なう工法である。
【0031】すなわち、本実施例においては、図7に示
す工程図のように、シールド機1を推進させている間
(L1〜L4時点の間)にコンクリート打設を同時に行
なうとともに、その際のコンクリート打設を初期打設モ
ード(L1〜L2時点の間)、通常打設モード(L2〜
L3時点の間)、A打設モード(L3〜L4時点の間)
の3モードに区分し、各モードのコンクリート打設を連
続的に行なうようにしている。そして、シールド機1を
停止させている間(L4〜L5時点の間)にもコンクリ
ート打設を中断することなく、引続きB打設モードとし
てコンクリート打設を継続し、その際に同時に内型枠4
の盛替えとシールドジャッキ2の盛替えを行なうように
している。
【0032】上記の初期打設モードは、中断されている
打設を再開させる際のみに適用されるモード(したがっ
て打設を開始した以降は中断するまでは適用されない)
であり、モルタルコンクリートを手動操作により注入打
設するようにしたものである。
【0033】通常打設モードは、上述した自動制御によ
りつつ、つまり、主に妻枠5の後胴1cに対する相対位
置変化を検出してコンクリート打設速度(単位時間当た
りの打設量)をフィードバック制御しつつ、コンクリー
ト打設を行なう通常のモードである。この通常打設モー
ドにおいては、基本的に妻枠5はシールド機1の掘進に
追随して後胴1cとともに一体に前進していくことにな
るが、後胴1cに対する妻枠の位置は図1に示す妻枠管
理適正位置(たとえば後胴1cの後端から150mmの
位置)に設定しておく。
【0034】A打設モードは上記通常打設モードと同様
にしてコンクリートを打設しながら、妻枠ジャッキ7を
作動させることにより妻枠5を意図的に後退する方向に
押出すことで、妻枠5を図1に示すように後胴1cの後
端側に設定した妻枠管理下限位置(後胴1cの後端から
たとえば50mmの位置)にまで移動させるモードであ
る。
【0035】B打設モードは、シールドジャッキ2が伸
びきってシールド機1が停止した状態で実施されるコン
クリート打設モードであって、先のA打設モードにより
妻枠管理下限位置に達している妻枠5を、打設コンクリ
ートによる反力によって妻枠ジャッキ7が縮むことによ
り図1に示す妻枠管理上限位置(後胴1cの後端からた
とえば250mmの位置)にまで移動させつつコンクリ
ート打設を行なうモードである。そして、このB打設モ
ードによりコンクリート打設を行なっている際に、同時
に内型枠4の盛替えを行なうとともに、その盛替えのな
された内型枠4に対してシールドジャッキ2の盛替えを
行ない、その作業に要する時間(通常は40分程度)が
経過した時点で妻枠5が妻枠管理上限位置に達してB打
設モードが終了するように妻枠5の前進速度が設定され
ている。つまり、シールド機1が停止して内型枠4およ
びシールドジャッキ2を盛替えている間に、妻枠5を後
胴1cに対して所定ストローク(上記例では管理下限位
置を始点とし、管理上限位置を終点とする200mmの
ストローク)だけ相対的に前進させつつ、内型枠4内へ
のコンクリート打設を行なうのである。
【0036】そして、上記のB打設モードが完了すると
直ちにシールド機1の掘進が再開され(L5時点)、そ
れと同時にコンクリート打設モードが通常打設モードに
切り替えられ、盛替えられた新たな内型枠4内へのコン
クリート打設が中断することなく連続的に継続される。
以降は通常打設モード(L5〜L7時点の間)からA打
設モード(L7〜L8時点の間)に移行し、以下、同様
に繰り返す。
【0037】以上のように、本実施例のシールド工法で
は、シールド機1の掘進が停止している間にもコンクリ
ート打設を中断することなく継続し、その間に同時に内
型枠4の盛替えとシールドジャッキ2の盛替えを行なう
ことにより、従来工法に比して作業効率の向上、工期短
縮を図り得るとともに、コンクリート打設が中断される
ことなく連続的に実施されるので打設管の閉塞といった
トラブルの発生を未然に防止することができ、きわめて
有効である。
【0038】次に、上述した一体推進工法を前提とし
て、コンクリート打設量制御法の具体例について、上述
した初期打設モード、通常打設モード、A打設モードお
よびB打設モード毎に分けて説明する。 <初期打設モード>初期打設モードにおいては、前述し
たように、手動操作により、モルタルコンクリートを各
打設ポート5a(図1参照)へ注入打設を行い、コンク
リート打設圧力計10で計測されるコンクリート打設
圧、妻枠5の相対位置が所定範囲の値になった時点で、
次の通常打設モードに切り換えられる。
【0039】<通常打設モード>この通常打設モード
は、自動運転が原則とされており、シールドジャッキ2
の速度に、後胴1cに対する妻枠5の相対速度を同調さ
せるように、図4に示すコンクリートの打設速度が設定
され、追従機能を後胴1cに対する妻枠5の相対位置、
相対速度で評価することにより、コンクリート打設設定
速度値、1巡休止時間等にフィードバックをかけてい
る。上記評価には、図4に示すファジイコントローラ1
7により、前述したminーmax型簡略推論法による
ものが採用されている。また、ファジイコントローラ1
7は、相対位置、相対速度の評価およびコンクリートの
打設速度、1巡休止時間等の再設定操作を、ローターバ
ルブ11の1巡毎に行っている。さらに、通常打設モー
ドにおいては、最初の1巡目のコンクリートの打設速度
は、シールドジャッキ2の伸設定速度を用いて設定され
るが、次巡からは、シールドジャッキ2の速度(計測
値)を用いて設定される。
【0040】具体的には、この通常打設モードにおいて
は、自動制御の基本式として次の(1)式および(3)
式が用いられる。
【数1】 上記(1)式において、αは次の(2)式で表される。
【数2】 ここで、P:コンクリートポンプの実吐出量(実打設速
度)(m3/hr) D0:掘削外径(m) D1:内型枠外径(m) φ:余掘率(地山へのコンクリートの圧入量も含む)効
率) V:シールドジャッキ伸速度(mm/min) P0:コンクリート打設速度設定値(m3/hr) α:稼動率 η:ポンプ効率(容積効率)
【数3】 上記(3)式においてAは、次の(4)式で表される。
【数4】 ここで、vp:コンクリートポンプの1シリンダ当たり
の容積(リットル) tp:コンクリートポンプにおける隣接ポートへの切り
換え時間(min) Tr:コンクリートポンプの休止時間(min) ni:各打設ポートの一巡打設回数(回)
【0041】上式において、余掘率φおよびポンプ効率
η以外は設定値あるいは計測可能な値である。φ、ηの
値は地質やコンクリートの性状等に依存して変動する
が、経験的にφ=1.0〜1.1の範囲であり、η=0.
7〜0.9の範囲であると想定されるから、この通常打
設モードにおいては、それぞれ上記範囲の中央値として
φc=1.05、ηc=0.8が代入された打設設定速度P
0(以下、打設設定速度P0cと称する)が用いられる。
【0042】ここで、この通常打設モードにおける、制
御量として後胴1cに対する妻枠5の相対位置(e)お
よび妻枠の相対速度(Δe/Δt)を、また操作量とし
てコンクリートポンプ打設速度設定値P0の増分(Δ
P)を各々定義する。さらに、上記制御量および操作量
をファジイ推論に適合させるため規格化を行う。すなわ
ち、妻枠5の相対位置(e)は、次のように規格化され
る。 □妻枠5の相対位置(e)の規格化 (物理量):250mm 150mm 50mm (規格値):+1 0 −1 上記各物理量は、図1に示す妻枠管理上限位置(250
mm)、妻枠管理適性位置(150mm)、妻枠管理下
限位置(50mm)に各々対応している。但し、上記物
理量は、必要に応じて可変されるものとする。
【0043】また、妻枠5の相対速度(Δe/Δt)
は、次のように規格化される。 □妻枠5の相対速度(Δe/Δt)の規格化 (物理量):+10mm/min 0mm/min −10mm/min (規格値):+1 0 −1 但し、上記物理量は、あくまで目安であって、必要に応
じて可変されるものとする。
【0044】次に、設定打設速度増分(ΔP)(操作
量)の規格化を行う。はじめに、出力部(後件部)の操
作量に次の手順により重み付けを行う。まず、シールド
ジャッキ2(後胴1c)の伸速度をVJとすると、この
伸速度VJに妻枠5の速度を追従させるためのコンクリ
ート打設設定速度P0は、次の(5)〜(7)式より求
められる。
【数5】
【数6】
【数7】 ここで、上記(5)〜(7)式の右辺の基本関数f
(・)は、次の(8)式で表される。
【数8】 上記(5)式のP0maxは、(8)式のφにφmax(=
1.1)を、同様にしてηにηmin(=0.7)を各々
代入することにより得られる値である。また、(6)式
のP0cは、(8)式のφにφc(=1.05)を、ηに
ηc(=0.8)を各々代入することにより得られる値
である。さらに、(7)式のP0minは、(8)式のφに
φmin(=1.0)を、ηにηmax(=0.9)を各々代
入することにより得られる値である。また、上述したP
0max、PocおよびP0minの間には、次の大小関係が存在
する。 P0max>Poc>P0min この通常打設モードにおいては、実操作量としては、上
述した(6)式、すなわちP0cが用いられる。
【0045】そして、通常打設モードにおいては、上述
した(5)〜(7)式に基づいて、次のように設定打設
速度増分(ΔP)の規格化がなされる。 □設定打設速度増分(ΔP)の規格化 (物理量):(PB)m3/hr (PS)m3/hr (ZO)m3/hr (NS)m3/hr (NB)m3/hr (規格値):+1 +0.5 0 −0.5 −1 上記物理量において、(PB)〜(NB)は、各々、フ
ァジイ推論における後件部のメンバーシップ関数のラベ
ルであり、(PB)が最も大きく、順次小さくなり(N
B)が最も小さく、具体的には、上述した(5)〜
(7)式に示すPOmax、P0cおよびPominより次の
(9)〜(13)式により求められる値である。
【数9】
【数10】
【数11】
【数12】
【数13】
【0046】ここで、上述したファジイ推論における制
御規則を図8に示す。この図に示す制御規則は、いわゆ
る速度型制御の規則であり、周知のIF/THEN形式
で表されるものである。つまり、この制御規則におい
て、IF部(前件部)は前述した妻枠相対位置(e)、
妻枠相対速度(Δe/Δt)に対応しており、THEN
部(後件部)は、前述した設定打設速度増分(ΔP)に
対応している。また、上記前件部は、(PB)〜(N
B)に各々対応してなる5山の三角形からなるメンバー
シップ関数であり、他方、後件部は、上述した(PB)
〜(NB)の5つの値をデファジイとする物理量であ
る。
【0047】すなわち、図4において、ファジイコント
ローラ17には、前件部として、目標妻枠相対位置と妻
枠相対位置(計測値)との偏差である妻枠相対位置
(e)が、他方、目標妻枠相対速度と妻枠相対速度(計
測値)との偏差である妻枠相対速度(Δe/Δt)が各
々入力される。そして、ファジイコントローラ17は、
ローターバルブ11が1巡する毎に、上記前件部を図8
に示す制御規則に当てはめて、次巡のコンクリートの打
設速度を増やす、現状維持、または減じるかを推論す
る。
【0048】例えば、今、(k)巡目のコンクリート打
設が終了した時点では次の事実が確定しているものとす
る。 (a)(k)巡目のコンクリート設定打設速度の実績
が、P0(k)’であった。 (b)上述した方法により、前件部と図8に示す制御規
則により、(k)巡目の結果を推論したところ(k+
1)巡目は、設定打設速度増分(ΔP)を増速すべきで
あるとの結論を得た。 (c)(k)巡目のシールドジャッキ伸速度がVJ
(k)であると見込んで、シールドジャッキ2に対して
制御をかけた。 (d)(k+1)巡目のシールドジャッキの伸速度は、
VJ(k+1)と見込まれる。
【0049】そして、上記(a)〜(d)の事実に基づ
けば、図4に示すファジイコントローラ17は、(k+
1)巡目のコンクリートポンプ13に対するコンクリー
ト打設速度P0(k+1)’を次の(14)式より求め
る。
【数14】 ここで、この(14)式からわかるように、(k+1)
巡目のコンクリート打設速度P0(k+1)’は、上述
した(a)の(k)巡目の実績であるP0(k)’を全
く無視した速度制御とされる。したがって、(14)式
のみを用いた制御においては、シールドジャッキ伸速度
の予測変化量(=VJ(k+1)−VJ(k))が小さい
という条件の下では、安定している系を乱す恐れがあ
る。
【0050】そこで、本実施例によるシールド工法にお
いては、(k+1)巡目のコンクリート設定打設量P0
(k+1)’として、次の(15)式をも考慮されてい
る。
【数15】 すなわち、本実施例によるシールド工法においては、
(14)、(15)式のいずれを用いるかを判別するた
めの予測差分ΔVJが定義され、この予測差分ΔVJと上
記予測変化量ΔVj(=VJ(k+1)−VJ(k))と
を比較することにより、(14)式または(15)式が
用いられる。具体的な第1の判別方法としては、 ΔVJ≧|VJ(k+1)−VJ(k)|のとき、(1
4)式が用いられ、他方、 ΔVJ<|VJ(k+1)−VJ(k)|のとき、(1
5)式が用いられる。
【0051】また、具体的な第2の判別方法としては、
図9に示すように予測変化量ΔVjに所定幅(βmax−β
min)を持たせることにより重み付け(α、1−α)を
行い、上述した(14)および(15)式を同図に示す
ように再定義して行う。なお、図9に示すβmaxおよび
βminは、設定可変または学習による修得が可能な値で
ある。図9において、予測変化量ΔVjが例えばsであ
って、重みをα、1−αとすると、P0(k+1)は次
の(16)式で表される。
【数16】 そして、図10に示すシールドジャッキ2のストローク
が予め設定されているSjst(シールドジャッキ2の初
期ストローク)〜Sjast(A打設モード開始時における
シールドジャッキ2のストローク)の間において、上述
した制御方法により通常打設モードがなされる。そし
て、本実施例によるシールド工法においては、シールド
ジャッキ2のストロークがSjastに到達したとき、次の
A打設モードへ移行する。但し、本実施例によるシール
ド工法においては、ローターバルブ11の回転が(k)
巡の途中で、シールドジャッキ2のストロークが上記S
jastに到達した場合には、次巡(k+1)目からA打設
モードに移行する。
【0052】<A打設モード>次に、A打設モードにお
ける、制御方法について説明する。まず、このA打設モ
ードにおいては、前述したように後胴1cに対する妻枠
5の相対位置である150mm(通常打設モードにおけ
る妻枠5の目標妻枠相対位置(図4参照)を、50mm
とするための制御がなされる。すなわち、図10に示す
ように、シールドジャッキ2のストロークが同図に示す
Sjast〜Sjsp(A打設モード終了時におけるシールド
ジャッキ2のストローク)までの区間に、A打設モード
がなされる。ここで、上記150mmおよび50mmに
対応する妻枠相対位置の計測値および目標値を各々e
(150)、e(50)、また、A打設モード区間のシ
ールドジャッキ伸速度VJを一定、上記A打設モード区
間の距離をLaとすると、シールドジャッキ2がA打設
モード区間を移動するのに要する時間Taは、次の(1
7)式で表される。
【数17】 また、妻枠5の絶対速度をVtとすると次の(18)式
が導出される。
【数18】 従って、上記(18)式を変形することにより妻枠5の
絶対速度Vtは、次の(19)式で表される。
【数19】
【0053】ここで、A打設モードにおける自動制御の
基本式は、前述した(8)式のVJに代えて上記(1
9)式のVtを用いることにより次の(20)式で表さ
れる。
【数20】 従って、このA打設モードにおいては、前述した後件部
のラベル(PB)〜(NB)の各物理量は、上記(2
0)式より求められる。他方、前件部においては、(2
0)式の中位置Pocで1巡目のコンクリート打設を実施
すればよい。上記中位置Pocは、前述した(8)式の例
と同様にして(20)式のφにφc(=1.05)を、
ηにηc(=0.8)を各々代入することにより得られ
る値である。続いて、1巡目のコンクリート打設実施後
の妻枠5の相対位置の計測値をe(150)’とする
と、このe(150)’と前述した通常打設モードにお
ける妻枠相対位置の計測値の最終値e(150)(図1
0参照)との差分δeは、次の(21)式で表される。
【数21】
【0054】上記(21)式より、妻枠5の絶対速度を
Vt(一定)とすると、Aモード打設区間のローターバ
ルブ11の総巡回数Nは、次の(22)式で表される。
【数22】 つまり、(22)式から判るように、A打設モードにお
いては、A打設モード区間においてローターバルブ11
が(N−1)巡回される。この(N−1)巡回を考慮す
れば、このA打設モードにおいては、前件部である妻枠
5の相対位置(e)のメンバーシップ関数は、図11に
示すものを用いればよい。
【0055】すなわち、図11において、ラベル(Z
O)のメンバーシップ関数の中央値は、図4に示す目標
妻枠相対位置の値に対応している。従って、図11に示
すように、ラベル(ZO)のメンバーシップ関数の中央
値は、ローターバルブ11が1巡する毎に同図に示す右
側へ移動、すなわち、A打設モードにおいては、上記1
巡する毎に目標妻枠相対位置を変更させている。以下、
図11に示すメンバーシップ関数について詳述する。
【0056】まず、図11(a)に示す1巡目において
は、上述した通常打設モードのメンバーシップ関数が用
いられる。この図11(a)において、メンバーシップ
関数の上下限および中央値は、前述したように(PB)
=250mm、(PS)=200mm、(ZO)=15
0mm、(NS)=100mmおよび(NB)=50m
mとされている。また、図11(b)〜図11(e)に
おいては、A打設モードのメンバーシップ関数が用いら
れ、巡回数が1増加する毎にラベル(ZO)のメンバー
シップ関数の中央値を縮小値βづつ同図に示す右方向へ
移動させている。この縮小値βは、(ZO)の最終目標
値を(ZO)Nと定義すると次の(23)式を経て(2
4)式で表される。
【数23】
【数24】 上記(24)式からわかるように、例えば図11(d)
に示す、k巡目の(PB)〜(NS)は、次の(25)
式〜(29)式で各々表される。
【数25】
【数26】
【数27】
【数28】
【数29】
【0057】次に、A打設モードにおける妻枠5の相対
速度Δe/Δtのメンバーシップ関数について説明す
る。このA打設モードにおいては、図4に示す目標妻枠
相対速度として妻枠5の絶対速度Vtが用いられ、ファ
ジイコントローラ17には、上記絶対速度Vtと妻枠絶
対速度(計測値)との偏差が入力される。従って、上記
メンバーシップ関数のラベル(ZO)の中央値(ZO)
は、常に一定であって次の(30)式で表され、他の上
下限値(PB)、(NB)、(PS)および(NS)
は、次の(31)〜(34)式で各々表される。
【数30】
【数31】
【数32】
【数33】
【数34】 但し、上記(31)〜(34)式の定数部(2.5、
5.0等)は、必要に応じて可変される。
【0058】<B打設モード>次に、上述したA打設モ
ードに引き続いて行われるB打設モードにおける、制御
方法について説明する。まず、このB打設モードの開始
時においては、前述したようにシールドジャッキ2が伸
限位置で(他方、妻枠5は、A打設モードの終了点の計
測値e(50)’に位置)停止している。ここで、B打
設モード終了時における妻枠5の最終相対位置をeb
(=150mm)とする。上記最終相対位置ebを15
0mmとした理由は、図7を参照して説明したように、
一般にB打設モードに引き続いて自動連動により通常打
設モードに移行させるため、この通常打設モード開始に
適した値であるからである。なお、上記最終相対位置e
bは、必要に応じて可変される。
【0059】ここで、上述した前提条件より、B打設モ
ードにおける妻枠5の移動距離Lbは、次の(35)式
で表される。
【数35】 従って、B打設モード区間における妻枠5の絶対速度V
tbは、次の(36)式で表される。
【数36】 上記(36)式において、Tmは、B打設モードにおい
てなされるシールドジャッキ2の盛り替え作業、および
内型枠4の組立作業に要する時間であり、今の場合40
minを想定している。
【0060】ここで、B打設モードにおける自動制御の
基本式は、前述した(8)式のVJに代えて、上記(3
6)式のVtbを用いることにより、次の(37)式で表
される。
【数37】 従って、このB打設モードにおいては、前述した後件部
のラベル(PB)〜(NB)の各物理量は、上記(3
7)式より求められる。他方、前件部の制御量の対応に
ついては、前述したA打設モードの手続きの逆の手順に
より行えばよい。すなわち、前述したA打設モードと同
様にして(37)式の中位置Pocで1巡目のコンクリー
ト打設を実施すればよい。上記中位置Pocは、(37)
式のφにφc(=1.05)を、ηにηc(=0.8)を
各々代入することにより得られる値である。続いて、1
巡目のコンクリート打設実施後の妻枠5の相対位置の計
測値をe(50)’’とすると、このe(50)’’と
A打設モードの妻枠相対位置の計測値の最終値e(5
0)’との差分γeは、次の(38)式で表される。
【数38】
【0061】従って、妻枠5の絶対速度をVtb(一定)
とすると、Bモード打設区間のローターバルブ11の総
巡回数Mは、次の(39)式で表される。
【数39】 つまり、(39)式から判るように、B打設モードにお
いては、B打設モード区間においてローターバルブ11
が(M−1)巡回される。この(M−1)巡回を考慮す
れば、このB打設モードにおいては、前件部である妻枠
5の相対位置(e)のメンバーシップ関数は、図12に
示すものを用いればよい。
【0062】すなわち、図12において、ラベル(Z
O)のメンバーシップ関数の中央値は、図4に示す目標
妻枠相対位置の値に対応している。従って、図12に示
すように、ラベル(ZO)のメンバーシップ関数の中央
値は、ローターバルブ11が1巡する毎に同図に示す左
側へ移動される。以下、図12に示すメンバーシップ関
数について詳述する。
【0063】まず、図12(a)に示す1巡目において
は、上述したA打設モードのメンバーシップ関数が用い
られる。この図12(a)において、メンバーシップ関
数の上下限および中央値は、当然のことながら(PB)
1=(PB)N、(PS)1=(PS)N、(ZO)1
=(ZO)N、(NS)1=(NS)N、および(N
B)1=(NB)Nとされている。また、図12(b)
〜図12(e)においては、B打設モードのメンバーシ
ップ関数が用いられ、巡回数が1増加する毎にラベル
(ZO)のメンバーシップ関数の中央値は、拡大値γづ
つ同図に示す左方向へ移動される。この拡大値γは、
(ZO)の最終目標値を(ZO)M(一般には、150
mm)と定義すると、次の(40)式を経て(41)式
で表される。
【数40】
【数41】 上記(41)式からわかるように、例えば図12(c)
に示す、k巡目の(PB)〜(NS)は、次の(42)
式〜(46)式で各々表される。
【数42】
【数43】
【数44】
【数45】
【数46】
【0064】次に、B打設モードにおける妻枠5の相対
速度Δe/Δtのメンバーシップ関数について説明す
る。このB打設モードにおいては、図4に示す目標妻枠
相対速度として妻枠5の絶対速度Vtbが用いられ、ファ
ジイコントローラ17には、上記絶対速度Vtbと妻枠絶
対速度(計測値)との偏差が入力される。従って、上記
メンバーシップ関数のラベル(ZO)の中央値(ZO)
は、常に一定であって次の(47)式で表され、他の上
下限値(PB)、(NB)、(PS)および(NS)
は、次の(48)〜(51)式で各々表される。
【数47】
【数48】
【数49】
【数50】
【数51】 但し、上記(48)〜(51)式の定数部(2.5、
5.0等)は、必要に応じて可変される。
【0065】ところで、上述したコンクリート打設量制
御法は、コンクリートポンプ13の性能が限りなく高性
能であって、微小な操作量に対しても追従することがで
きるという前提の下で、その制御が最大限に生かされる
制御方法である。従って、A打設モードまたはB打設モ
ードにおいて、コンクリートポンプ13に要求されるコ
ンクリートポンプ実吐出量P((1)式参照)が実現不
可能である場合には、コンクリート打設量制御法に代え
て、次に説明する間欠打設制御法を用いれば良い。
【0066】<間欠打設制御法>以下、上記間欠打設制
御法について詳述する。この間欠打設制御法には、図1
3に示す制御システムが用いられる。なお、図13に示
す制御システムは、前述したコンクリート打設量制御法
にも適用可能な構成とされている。
【0067】まず、間欠打設制御法においては、後胴1
cに対する妻枠5の相対位置および相対速度が制御量と
されている点がコンクリート打設量制御法と同一であ
る。従って、上記2つの制御量の規格化の方法は、前述
したコンクリート打設量制御法と同一である。この規格
化の結果を、以下に示す。 □妻枠5の相対位置(e)の規格化 (物理量):250mm 150mm 50mm (規格値):+1 0 −1 □妻枠5の相対速度(Δe/Δt)の規格化 (物理量):+10mm/min 0mm/min −10mm/min (規格値):+1 0 −1
【0068】一方、間欠打設制御法においては、操作量
がコンクリート打設量制御法と異なる。すなわち、間欠
打設制御法における操作量は、ローターバルブ13の1
巡毎の休止時間Trの増分(ΔTr)(以下、ローターバ
ルブ1巡休止時間増分(ΔTr)と称する)である。こ
の休止時間Trは、次の(52)式で表され、この(5
2)式は、前述した(3)式をTrの式に変形したもの
である。
【数52】 ここで、上記ローターバルブ1巡休止時間増分(ΔT
r)の規格化を行う。はじめに、前述したコンクリート
打設量制御法と同様にして出力部(後件部)の操作量に
次の手順により重み付けを行う。すなわち、上記(5
2)式を用いて、前述した(5)〜(7)式に示すP0m
ax、P0cおよびP0minに各々対応するTrmax、Trcおよ
びTrminを各々求める。
【0069】そして、間欠打設制御法においては、コン
クリート打設量制御法と同様の手順により、次のように
ローターバルブ1巡休止時間増分(ΔTr)の規格化が
なされる。 □ローターバルブ1巡休止時間増分(ΔTr)の規格化 (物理量):(PB) (PS) (ZO) (NS) (NB)(min) (規格値):+1 +0.5 0 −0.5 −1 上記物理量において、(PB)〜(NB)は、各々、フ
ァジイ推論における後件部のメンバーシップ関数のラベ
ルであり、(PB)が最も大きく、順次小さくなり(N
B)が最も小さく、具体的には、上述したTrmax、Trc
およびTrminより次の(53)〜(57)式により求め
られる値である。
【数53】
【数54】
【数55】
【数56】
【数57】
【0070】ここで、間欠打設制御法における制御規則
を図14に示す。この図に示す制御規則は、いわゆる速
度型制御の規則であり、その基本的な使用方法は、前述
したコンクリート打設量制御法と同様である。
【0071】例えば、今、(k)巡目のコンクリート打
設が終了した時点では次の事実が確定しているものとす
る。 (a)(k)巡目のコンクリート打設設定速度がP0
(k)、ローターバルブ1巡休止時間の実績がTr
(k)’であった。 (b)前件部と図14に示す制御規則により、(k)巡
目の結果を推論したところ(k+1)巡目は、ΔTrを
増加すべきであるとの結論を得た。 (c)(k)巡目のシールドジャッキ伸速度がVJ
(k)であると見込んで、シールドジャッキ2に対して
制御をかけた。 (d)(k+1)巡目のシールドジャッキの伸速度は、
VJ(k+1)と見込まれる。
【0072】そして、上記(a)〜(d)の事実に基づ
けば、図13に示すファジイコントローラ17は、(k
+1)巡目のローターバルブ11に対するローターバル
ブ1巡休止時間Tr(k+1)’を次の(58)式より
求める。
【数58】 ここで、この(58)式からわかるように、(k+1)
巡目のローターバルブ1巡休止時間Tr(k+1)’
は、上述した(a)の(k)巡目の実績であるTr
(k)’を全く無視した速度制御とされる。したがっ
て、(58)式のみを用いた制御においては、シールド
ジャッキ伸速度の予測変化量(=VJ(k+1)−VJ
(k))が小さいという条件の下では、安定している系
を乱す恐れがある。
【0073】そこで、本実施例によるシールド工法にお
いては、(k+1)巡目のローターバルブ1巡休止時間
Tr(k+1)’として、次の(59)式をも考慮され
ている。
【数59】
【0074】つまり、間欠打設速度制御法においては、
(58)式または(59)式の判別方法としては、前述
したコンクリート打設量制御法と同様にして、図15に
示すように予測変化量ΔVjに所定幅(βmax−βmin)
を持たせることにより重み付け(α、1−α)を行い、
上述した(58)および(59)式を同図に示すように
再定義して行う。
【0075】以上説明したような制御を行なうことによ
り、妻枠5各部に過大な偏荷重が生じることが防止さ
れ、したがって妻枠5の傾きが防止されて全体として常
に鉛直姿勢に維持されるとともに、コンクリート打設圧
力も適正に維持され、その結果、周方向に均等かつ密実
な高品質の覆工壁6を形成できることはもとより、従来
においては作業員の経験に依存していたコンクリート打
設作業の標準化を確立でき、施工性改善を充分に図るこ
とができる。
【0076】なお、上記実施例では、通常打設モード、
A打設モード、B打設モードによりコンクリートを連続
的に打設するに際して、妻型枠5の相対位置を検出しつ
つコンクリート打設速度をフィードバック制御するよう
にしたので、上記実施例ではフィードバック制御による
効果と連続打設による効果の双方を得ることができてき
わめて有効であるが、上記のフィードバック制御とコン
クリートの連続打設とは必ずしも常に併用しなければな
らないものではなく、それらは独立に実施することも可
能であり、独立に実施した場合においてもそれぞれが上
述したような効果を得ることができる。
【0077】また、上記実施例の変形例として、コンク
リート打設量制御法と間欠打設制御法とを併用した方法
を用いてもよい。この方法は、コンクリートポンプ13
の最小打設制御可能量(再現可能な最小の制御量の単
位)をΔPgとした場合、コンクリートポンプ13に対
する要請が △Pg を下回るとき、コンクリートポン
プ13の出力制御を △Pg 単位で階段状の増減にて
行い、これに伴う過不足分の制御をローターバルブ1巡
休止時間の増減により行うものである。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明のシールド工法は、内型枠内へコンクリートを打設す
るに際して妻枠各部の相対位置の変化やその速度を検出
し、その検出結果に基づき各打設ポートからの単位時間
当たりのコンクリート打設量すなわち打設速度、1巡休
止時間等をフィードバック制御するので、妻枠各部に過
大な偏荷重が発生するようなことが防止され、したがっ
て妻枠の傾きが防止されて全体として常に鉛直姿勢に維
持されるとともに、コンクリート打設圧力も適正に維持
され、その結果、周方向に均等かつ密実な高品質の覆工
壁を形成できることはもとより、従来においては作業員
の経験に依存していたコンクリート打設作業の標準化を
確立でき、施工性改善を充分に図ることができる。
【0079】また、請求項2記載の発明のシールド工法
は、シールド機の掘進と同時に内型枠内へのコンクリー
ト打設を行なうとともに、シールド機の掘進を停止させ
た後も妻枠をシールド機に対して相対的に前方へ移動さ
せつつコンクリート打設を継続し、それと同時にその前
方位置において内型枠の盛替えを行なうようにしたの
で、従来工法に比して作業効率の向上、工期短縮を図り
得るとともに、コンクリート打設が中断されることに伴
う打設管の閉塞といったトラブルの発生を未然に防止す
ることができる。
【0080】また、請求項3記載の発明のシールド工法
は、請求項1および2記載の発明を組合わせて実施する
ので、上記双方の効果を併せて得ることができる。
【0081】また、請求項4に記載のシールド工法は、
フィードバック制御における前記相対位置および相対位
置の変化率の検出をファジイ推論により行っているの
で、より熟練工による制御に近いフィードバック制御を
することができる。
【0082】また、請求項5に記載のシールド工法は、
ファジイ推論において用いられるメンバーシップ関数
を、コンクリート打設の進捗に応じて変化させているの
で、コンクリート打設状態への追従性が高いフィードバ
ック制御をすることができる。
【0083】また、請求項6記載のシールド工法は、各
打設ポートの圧力を検出し、その検出結果に基づき単位
時間あたりの打設回数をフィードバック制御しているの
で、妻枠にかかる偏荷重を防止することができる。
【0084】また、請求項7記載のシールド工法は、コ
ンクリート打設に伴う前記妻枠の各部のシールド機に対
する相対位置および相対位置の変化率を検出し、その検
出結果に基づき各打設ポートへのコンクリートの供給停
止時間をフィードバック制御しているので、請求項1記
載のシールド工法と同様の効果が得られる。。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシールド工法を実施するためのシール
ド機の一例を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す打設ポート5a、妻枠ジャッキ7、
コンクリート打設圧力計10の配置を示す概略断面図で
ある。
【図3】図3は、図1に示すコンクリート打設圧力計1
0より出力されるコンクリート打設圧信号を処理する信
号処理部の構成を示すブロック図である。
【図4】同シールド工法において、コンクリート打設量
制御法における制御システムを示すブロック図である。
【図5】図2に示す打設ポート5a1〜5a8と妻枠ジャ
ッキ71〜712との相対的な位置関係を直線上に示した
図である。
【図6】本発明のシールド工法において、下限管理圧設
定値Pdn{i,j}および上限管理圧設定値Pup{i,
j}における、上記最小値Pmin、平均値Paviおよび最
大値Pmxiの分布状態を分類した分類表である。
【図7】同シールド工法における推進とコンクリート打
設に係わる工程を示す工程図である。
【図8】同シールド工法において、コンクリート打設量
制御法で用いられる制御規則を示す図である。
【図9】同シールド工法において、コンクリート打設量
制御法で用いられる判別方法を説明する図である。
【図10】同シールド工法における通常打設モードおよ
びA打設モードを説明する図である。
【図11】同シールド工法において、A打設モードで用
いられるメンバーシップ関数を示す図である。
【図12】同シールド工法において、B打設モードで用
いられるメンバーシップ関数を示す図である。
【図13】同シールド工法において、間欠打設制御法に
おける制御システムを示すブロック図である。
【図14】同シールド工法において、間欠打設制御法で
用いられる制御規則を示す図である。
【図15】同シールド工法において、間欠打設制御法で
用いられる判別方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 シールド機 2 シールドジャッキ 4 内型枠 5 妻枠 5a 打設ポート 6 覆工壁 7 妻枠ジャッキ 8 分岐打設管 9 閉止弁 10 コンクリート打設圧力計 11 ローターバルブ 12 主打設管 13 コンクリートポンプ 17 ファジィコントローラ
フロントページの続き (72)発明者 渋江 都男 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 沓脱 慎也 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 高橋 達夫 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールド機の後方において内型枠を組み
    立てるとともに、該内型枠の前部に周方向に複数の打設
    ポートを有する環状の妻枠を配し、該打設ポートを通し
    て前記内型枠内にコンクリートを打設することによって
    前記妻枠を漸次前方へ移動させつつ覆工壁を形成すると
    ともに、前記内型枠から反力をとってシールド機を掘進
    させては前記内型枠を順次前方側へ盛替えていくことで
    トンネルを施工するシールド工法であって、 前記内型枠内へコンクリートを打設するに当たっては、
    各打設ポートから打設するコンクリートの単位時間当た
    りの打設量および各打設ポートの打設回数および1巡休
    止時間等を予め設定しておくとともに、コンクリート打
    設に伴う前記妻枠の各部のシールド機に対する相対位置
    および相対位置の変化率を検出し、その検出結果に基づ
    き前記単位時間当たりの打設量、1巡休止時間等をフィ
    ードバック制御することを特徴とするシールド工法。
  2. 【請求項2】 シールド機の後方において内型枠を組み
    立てるとともに、該内型枠の前部に周方向に複数の打設
    ポートを有する環状の妻枠を配し、該打設ポートを通し
    て前記内型枠内にコンクリートを打設することによって
    前記妻枠を漸次前方へ移動させつつ覆工壁を形成すると
    ともに、前記内型枠から反力をとってシールド機を掘進
    させては前記内型枠を順次前方側へ盛替えていくことで
    トンネルを施工するシールド工法であって、 前記シールド機の掘進と同時に前記内型枠内へのコンク
    リート打設を実施するとともに、シールド機の掘進を停
    止させた後も前記妻枠をシールド機に対して相対的に前
    方へ移動させつつ前記内型枠内へのコンクリート打設を
    継続し、それと同時にその前方位置において内型枠の盛
    替えを行ない、盛替えた内型枠から反力をとってシール
    ド機の掘進を再開するとともに該内型枠内へのコンクリ
    ート打設を行なうことによって、コンクリート打設を中
    断することなく連続的に実施することを特徴とするシー
    ルド工法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のシールド工法であって、 前記内型枠内へコンクリートを打設するに当たっては、
    各打設ポートから打設するコンクリートの単位時間当た
    りの打設量および各打設ポートの打設回数および1巡休
    止時間等を予め設定しておくとともに、コンクリート打
    設に伴う前記妻枠の各部のシールド機に対する相対位置
    および相対位置の変化率を検出し、その検出結果に基づ
    き前記単位時間当たりの打設量、1巡休止時間をフィー
    ドバック制御することを特徴とするシールド工法。
  4. 【請求項4】 請求項1または3記載のシールド工法で
    あって、 前記フィードバック制御における前記相対位置および前
    記相対位置の変化率の検出は、ファジイ推論によりなさ
    れていることを特徴とするシールド工法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のシールド工法であって、 前記ファジイ推論において用いられるメンバーシップ関
    数を、前記コンクリート打設の進捗に応じて変化させる
    ことを特徴とするシールド工法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のシールド工法であって、 前記内型枠内へコンクリートを打設するに当たっては、
    各打設ポートの圧力を検出し、その検出結果に基づき前
    記単位時間あたりの打設回数をフィードバック制御する
    ことを特徴とするシールド工法。
  7. 【請求項7】 シールド機の後方において内型枠を組み
    立てるとともに、該内型枠の前部に周方向に複数の打設
    ポートを有する環状の妻枠を配し、該打設ポートを通し
    て前記内型枠内にコンクリートを打設することによって
    前記妻枠を漸次前方へ移動させつつ覆工壁を形成すると
    ともに、前記内型枠から反力をとってシールド機を掘進
    させては前記内型枠を順次前方側へ盛替えていくことで
    トンネルを施工するシールド工法であって、 前記内型枠内へコンクリートを打設するに当たっては、
    各打設ポートから打設するコンクリートの単位時間当た
    りの打設量および各打設ポートの打設回数および1巡休
    止時間等を予め設定しておくとともに、コンクリート打
    設に伴う前記妻枠の各部のシールド機に対する相対位置
    および相対位置の変化率を検出し、その検出結果に基づ
    き前記各打設ポートへのコンクリートの供給停止時間を
    フィードバック制御することを特徴とするシールド工
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110259463A (zh) * 2019-06-13 2019-09-20 孔德玲 隧道支护体一次性浇注成型的盾构一体机
CN114329703A (zh) * 2021-12-22 2022-04-12 苏州云庐科技有限公司 桥梁墩身浇筑过程中模板侧压力和浇筑速度的预警方法

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CN114329703A (zh) * 2021-12-22 2022-04-12 苏州云庐科技有限公司 桥梁墩身浇筑过程中模板侧压力和浇筑速度的预警方法
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