JPH09146991A - エンジニアリング・チェンジ論理合成システム - Google Patents

エンジニアリング・チェンジ論理合成システム

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JPH09146991A
JPH09146991A JP7298749A JP29874995A JPH09146991A JP H09146991 A JPH09146991 A JP H09146991A JP 7298749 A JP7298749 A JP 7298749A JP 29874995 A JP29874995 A JP 29874995A JP H09146991 A JPH09146991 A JP H09146991A
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JP7298749A
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Tomoki Kanemochi
知己 金持
Toshihiko Tada
敏彦 多田
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 仕様変更,論理設計誤りの修正,最大/最小
遅延時間エラーの解消等のための論理回路修正を自動的
に行なうとともに、論理合成された新/旧論理回路に対
して直接的に配置/配線EC処理を適用できるようにし
て、その論理回路修正に伴う論理設計から実装設計まで
のターン・アラウンド時間を短縮する。 【解決手段】 エラー後方伝播手段14において、論理
関数,仕様関数およびエラー関数を、既に公知の論理値
0,1およびXの3値二分決定グラフで表現し、エラー
後方伝播手段14および修正箇所決定手段15により、
エラー関数に関する二分決定グラフの複雑度に基づいて
旧論理回路中の適切な修正箇所を求め、旧論理回路に対
して仕様変更のための論理回路修正を自動的に行なうと
ともに、旧論理回路のうち修正対象とならない部分の構
造を保存手段17に保存するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】(目次) 発明の属する技術分野 従来の技術(図31〜図34) 発明が解決しようとする課題(図31〜図34) 課題を解決するための手段(図1,図2) 発明の実施の形態 (a)第1実施形態の説明(図3〜図28) (b)第2実施形態の説明(図29,図30) 発明の効果
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル回路の
設計方式に係るもので、既設計済の論理回路に対する仕
様変更,論理設計誤りの修正,最大/最小遅延時間エラ
ーの解消等のための論理回路修正を自動的に行なうエン
ジニアリング・チェンジ論理合成システムに関する。
【0003】
【従来の技術】一般に、LSIの設計では、機能/論理
設計および実装設計を終えた後に、仕様変更,論理設計
誤りの修正,最大/最小遅延時間エラーの解消等のため
の論理回路修正処理、いわゆる、エンジニアリング・チ
ェンジ(以下ECという)論理合成処理が必要になるこ
とが多い。
【0004】実装設計における配置/配線処理に際して
は、新/旧論理回路についての構造および各部に付され
た名前情報を比較することにより修正箇所のみを再配置
/再配線する処理、いわゆる、配置/配線EC処理が実
用化されている。このような配置/配線EC処理に要す
る時間は、新論理回路の構造と旧論理回路の構造が類似
し、追加ゲート数が少なく、且つ、新/旧論理回路でゲ
ート,ピンおよびネットの名前が一致しているものが多
いほど短縮される。また、仕様変更の場合には、新論理
回路における遅延時間エラーが新たに発生することを防
ぐために、旧論理回路に対する遅延時間の変動が小さい
方が望ましい。
【0005】一方、近年導入が進んでいる論理合成シス
テムでは、ディレイ値やゲート数等に関して与えられた
制約条件を満たす最適な論理回路の自動生成が可能にな
ってきているが、それ故に論理合成システムに与えられ
る仕様記述や制約条件が変更されると、変更後に生成さ
れる論理回路の構造は、変更前の元の構造と大きく異な
る場合が多い。また、論理合成システムにより生成され
た論理回路に含まれるゲートおよびネットの名前は、通
常、論理合成システムにより自動的に付与されているの
で、仮に新論理回路の構造と旧論理回路の構造とが比較
的類似していたとしても、そこに含まれるゲートおよび
ネットの名前は全く異なるものになってしまう。
【0006】従って、旧仕様記述に基づく論理合成およ
び配置/配線が終了した後に仕様変更や論理設計誤りの
修正が必要になった場合、現状では、論理合成された新
/旧論理回路に対して直接的に配置/配線EC処理を適
用することはできず、図31に示すように、変更された
新仕様記述に基づく論理合成を実行して、新論理回路を
論理合成した後、その新論理回路の配置/配線を最初か
らやり直すか、図32に示すように、旧論理回路に対し
て直接人手で修正を行ない、その修正結果が新仕様記述
と論理的に一致しているかどうかを論理検証してから、
配置/配線EC処理を行なっている。
【0007】つまり、図31に示す従来の処理手順で
は、旧仕様記述AO1に基づいて論理合成処理を行なっ
て(ステップS1)、旧論理回路AO2を得ると、その
旧論理回路AO2に基づいて配置/配線処理を行ない
(ステップS2)、旧配置/配線結果AO3を得た後
に、仕様変更のために新仕様記述AN1が与えられる
と、その新仕様記述AN1に基づいて論理合成処理を行
ない(ステップS1′)、新論理回路AN2を得てか
ら、その新論理回路AN2に基づいて配置/配線処理を
行ない(ステップS2′)、新配置/配線結果AN3を
得ている。
【0008】図32に示す従来の処理手順では、図31
と同様にして旧配置/配線結果AO3を得た後に、仕様
変更のために新仕様記述AN1が与えられると、その新
仕様記述AN1に応じた修正を旧論理回路AO2に対し
人手により施して修正論理回路AN4を得てから、その
修正論理回路AN4が新仕様記述AN1と論理的に一致
しているかどうかの論理検証を行なう(ステップS
3)。
【0009】その論理検証の結果が一致していなければ
(ステップS4でNG判定の場合)、人手により修正論
理回路AN4の再修正を行なって再度論理検証を行な
う。そして、ステップS4で一致したと判定されると、
旧配置/配線結果AO3および修正論理回路AN4につ
いて配置/配線EC処理を行なって(ステップS5)、
修正配置/配線結果AN5を得ている。
【0010】さらに、旧仕様記述に基づく論理合成およ
び配置/配線が終了した後に遅延時間評価を行なった結
果、最大/最小遅延時間エラーが判明した時には、まず
配置/配線の修正により改善を試みるが、これによって
改善できなかった場合、図33に示すように、論理合成
システムに与える制約条件を変更して論理合成から実行
し直すか、図34に示すように、旧論理回路に対して直
接人手で修正を行ない、その修正結果が人手修正前の旧
論理回路と論理的に一致しているかどうかを論理検証し
てから、配置/配線EC処理を行なっている。
【0011】つまり、図33に示す従来の処理手順で
は、図31と同様にして旧配置/配線結果AO3を得た
後に、タイミング評価により最大/最小遅延時間エラー
が判明すると(ステップS6でNG判定の場合)、その
エラーに応じた制約条件変更を行ない、その変更後の制
約条件に従い旧仕様記述AO1に基づいて論理合成処理
を行なって(ステップS1″)、新論理回路AN2′を
得てから、その新論理回路AN2′に基づいて配置/配
線処理を行ない(ステップS2″)、新配置/配線結果
AN3′を得ている。その新配置/配線結果AN3′に
ついてタイミング評価を行ないOKであれば(ステップ
S6でOK判定の場合)、処理を終了する一方、NGで
あれば再度ステップS1″に戻って同様の処理を繰り返
し行なっている。
【0012】図34に示す従来の処理手順では、図31
と同様にして旧配置/配線結果AO3を得た後にタイミ
ング評価により最大/最小遅延時間エラーが判明すると
(ステップS6でNG判定の場合)、そのエラーに応じ
た修正を旧論理回路AO2に対し人手により施して修正
論理回路AN4′を得てから、その修正論理回路AN
4′が旧論理回路AO2と論理的に一致しているかどう
かの論理検証を行なう(ステップS3′)。
【0013】その論理検証の結果が一致していなければ
(ステップS4′でNG判定の場合)、人手により修正
論理回路AN4′の再修正を行なって再度論理検証を行
なう。そして、ステップS4′で一致したと判定される
と、旧配置/配線結果AO3および修正論理回路AN
4′について配置/配線EC処理を行なって(ステップ
S5′)、修正配置/配線結果AN5′を得ている。そ
の新配置/配線結果AN5′についてタイミング評価を
行ないOKであれば(ステップS6でOK判定の場
合)、処理を終了する一方、NGであれば再度ステップ
S1″に戻って同様の処理を繰り返し行なっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図31
に示す手法の場合には、新論理回路AN2に対する配置
/配線処理には、旧論理回路AO2に対して行なったの
と同様またはそれ以上の時間と労力を要することになる
ので、論理設計から実装設計までのターン・アラウンド
時間が大幅に増大するという課題がある。
【0015】また、図32に示す手法の場合には、論理
合成結果の旧論理回路AO2の構造を把握することは、
設計者にとって非常に難しい。このため、旧論理回路A
O2に対する人手修正に要する時間が増大する、修正誤
りが混入しやすくなる、等の要因により、論理設計から
実装設計までのターン・アラウンド時間が大幅に増大す
るという課題がある。
【0016】さらに、遅延時間エラーを解消するための
図33や図34に示す手法でも、それぞれ、仕様変更を
行なう場合の図31および図32に示す手法と全く同様
の課題がある。このような背景から、旧論理回路に対し
て、仕様変更,論理設計誤りの修正,最大/最小遅延時
間エラーの解消等のための論理回路修正を自動的に行な
うとともに、論理合成された新/旧論理回路に対して直
接的に配置/配線EC処理を適用できるようにしたEC
論理合成システムの開発が切望されている。
【0017】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、仕様変更,論理設計誤りの修正,最大/最小
遅延時間エラーの解消等のための論理回路修正を自動的
に行なうとともに、新/旧論理回路に対して直接的に配
置/配線EC処理を適用できるようにして、その論理回
路修正に伴う論理設計から実装設計までのターン・アラ
ウンド時間の大幅な短縮を実現した、エンジニアリング
・チェンジ論理合成システムを提供することを目的とす
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】図1は第1の発明の原理
ブロック図であり、この図1に示すように、第1の発明
のエンジニアリング・チェンジ論理合成システム1は、
対応関係抽出手段11,論理関数計算手段12,論理検
証手段13,エラー後方伝播手段14,修正箇所決定手
段15,仕様関数実現手段16および保存手段17によ
り構成されている。
【0019】ここで、対応関係抽出手段11は、所定の
仕様記述に基づいて論理合成された論理回路(以下、旧
論理回路という)と前記所定の仕様記述に変更を施した
新仕様記述に基づいて論理合成された論理回路(以下、
新論理回路という)との間で、外部入力ピン,記憶素子
からの出力ピンおよび下位レベルの論理階層ブロックか
らの出力ピン〔以下、これらのピンをPI(Primary In
put)と総称する〕、並びに、外部出力ピン,記憶素子へ
の入力ピンおよび下位レベルの論理階層ブロックへの入
力ピン〔以下、これらのピンをPO(Primary Output)
と総称する〕の対応関係を抽出するものである。
【0020】論理関数計算手段12は、新論理回路と旧
論理回路とのそれぞれについて、PI,ゲートの入出力
ピンおよびPOの各ピンにおいて実現されている論理関
数を計算するものである。論理検証手段13は、論理関
数計算手段12により計算された新論理回路のPOにつ
いての論理関数と論理関数計算手段12により計算され
た旧論理回路のPOについての論理関数との等価性を、
対応関係抽出手段11により抽出された対応関係に従っ
て判定するものである。
【0021】エラー後方伝播手段14は、論理検証手段
13による判定の結果、新論理回路と旧論理回路との間
で対応関係にある各POにおいて実現されている各論理
関数が異なる場合、旧論理回路のPOで実現されている
論理関数を、新論理関数の対応するPOで実現されてい
る論理関数に一致させるために、旧論理回路のPI,ゲ
ートの入出力ピンおよびPOの各ピンで実現されるべき
論理関数(以下、仕様関数という)と、この仕様関数と
実際に実現されている論理関数との排他的論理和(以
下、エラー関数という)とを、旧論理回路のPOから後
方(外部入力ピン側)へ向かって探索しながら計算する
ものである。
【0022】修正箇所決定手段15は、エラー後方伝播
手段14による探索結果に基づいて旧論理回路における
修正箇所を決定するものである。仕様関数実現手段16
は、修正箇所決定手段15により決定された修正箇所に
おける前記仕様関数を実現する新部分論理回路を旧論理
回路中に論理合成するものである。
【0023】保存手段17は、旧論理回路のうち修正対
象とならない部分の構造を保存するものである。そし
て、エラー後方伝播手段14が、実際に実現されている
論理関数,仕様関数およびエラー関数を、それぞれ論理
値0,1および不定値を対象とする3値二分決定グラフ
として表現し、エラー関数に関する3値二分決定グラフ
の複雑度に基づいて旧論理回路中での修正箇所候補を求
め、修正箇所決定手段15が、エラー後方伝播手段14
により求められた修正箇所候補から、旧論理回路におけ
る適切な修正箇所を決定するようになっている。
【0024】上述の構成により、エラー後方伝播手段1
4において、論理関数,仕様関数およびエラー関数が、
既に公知の論理値0,1およびXの3値二分決定グラフ
で表現され、エラー後方伝播手段14および修正箇所決
定手段15により、エラー関数に関する二分決定グラフ
の複雑度に基づいて旧論理回路中の適切な修正箇所が求
められ、旧論理回路に対して、仕様変更(論理設計誤り
の修正を含む)のための論理回路修正(EC論理合成)
を自動的に行なうことができる。また、旧論理回路のう
ち修正対象とならない部分の構造を保存手段17にでき
る限り保存することができる(請求項1)。
【0025】なお、仕様関数実現手段16が、ゲート数
の増分をコストとして評価しながら新部分論理回路を論
理合成するように構成してもよく、この場合、旧論理回
路に対する修正による追加ゲート数をできる限り少なく
することが可能になる(請求項2)。また、テクノロジ
に依存する論理回路についてPIおよびPOに対して与
えられた遅延時間制約条件を参照し、任意の経路の最大
/最小遅延時間を計算する遅延時間計算手段をそなえ、
仕様関数実現手段16が、上記遅延時間計算手段により
計算された遅延時間の変動の大きさをコストとして評価
しながら新部分論理回路を論理合成するように構成して
もよい。この場合、旧論理回路の修正による遅延時間の
変動をできる限り小さくすることが可能になる(請求項
3)。
【0026】さらに、対応関係抽出手段11により新論
理回路と旧論理回路との間で対応関係を得ることのでき
ないPIまたはPOが存在する場合、これらのPIまた
はPOを旧論理回路に対して補完し、修正論理回路とし
て出力する対応関係補完手段をそなえ、この対応関係補
完手段により得られた修正論理回路が、論理関数計算手
段12,論理検証手段13,エラー後方伝播手段14,
修正箇所決定手段15および仕様関数実現手段16にお
ける旧論理回路として扱われるように構成してもよい。
この場合、PIまたはPOの追加,削除やビット幅変更
を含む修正が可能になる(請求項4)。
【0027】また、エラー後方伝播手段14が、仕様関
数およびエラー関数を、旧論理回路についてのエラー関
数が0でない全てのPOから同時に計算するように構成
してもよく、この場合、複数のPOエラー修正を同時に
行なうことが可能になる(請求項5)。さらに、保存手
段17が、旧論理回路のうち修正対象とならない部分の
構造の表現データに、ゲート,ピンまたはネットに既に
付与されている名前を付加して、その名前を保存し、前
記新仕様記述に応じた修正によって新たに追加されたゲ
ート,ピンまたはネットに対して新たに名前を付与する
名前付与手段をそなえることにより、修正により追加さ
れたゲート,ピンまたはネットについてのみ新たに名前
が付与され、旧論理回路に既存で修正不要なゲート,ピ
ンまたはネットの名前を保存することが可能になる(請
求項6)。
【0028】図2は第2の発明の原理ブロック図であ
り、この図2に示すように、第2の発明のエンジニアリ
ング・チェンジ論理合成システム2は、遅延時間計算手
段21,遅延時間余裕値計算手段22,クリティカル・
パス検出手段23,クリティカル・パス順序設定手段2
4,回路変更手段25および保存手段26により構成さ
れている。
【0029】ここで、遅延時間計算手段21は、旧論理
回路についてPIおよびPOに対して与えられた遅延時
間制約条件を参照し、任意の経路の最大/最小遅延時間
を計算するものである。遅延時間余裕値計算手段22
は、旧論理回路についてPIおよびPOに対して与えら
れた遅延時間制約条件を参照するとともに、遅延時間計
算手段21による計算結果に基づいて、任意の経路の最
大/最小遅延時間余裕値およびその積算値である最大/
最小積算余裕値を計算するものである。
【0030】クリティカル・パス検出手段23は、遅延
時間余裕値計算手段22により計算された最大/最小遅
延時間余裕値に基づいて、クリティカル・パスを検出す
るものである。クリティカル・パス順序設定手段24
は、遅延時間余裕値計算手段22により計算された最大
/最小積算余裕値に基づいて、クリティカル・パス検出
手段23により検出されたクリティカル・パス上のゲー
トおよび入力ピンを、より多くの遅延時間エラーを改善
できるものから順に順序付けるものである。
【0031】回路変更手段25は、クリティカル・パス
順序設定手段24により決定された順序に基づいて、旧
論理回路に対する修正変更を行なうものである。保存手
段26は、旧論理回路のうち回路変更手段25による修
正変更対象とならない部分の構造を保存するとともに、
その構造の表現データに、ゲート,ピンまたはネットに
既に付与されている名前を付加して、その名前を保存す
るものである。
【0032】上述の構成により、旧論理回路に対して、
最大/最小遅延時間エラーの解消に伴う論理回路修正
(EC論理合成)を自動的に行なうことができる。ま
た、保存手段26により、旧論理回路のうち修正変更対
象とならない部分の構造とともに、旧論理回路に既存で
修正変更不要なゲート,ピンまたはネットの名前を保存
することが可能になる(請求項7)。
【0033】なお、回路変更手段25による該旧論理回
路に対する修正変更に伴って新たに追加されたゲート,
ピンまたはネットに対して新たに名前を付与する名前付
与手段をそなえることにより、修正変更により追加され
たゲート,ピンまたはネットについてのみ新たに名前を
付与することができる(請求項8)。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 (a)第1実施形態の説明 図3は、本発明の第1実施形態としてのエンジニアリン
グ・チェンジ論理合成システムを適用される、仕様変更
処理の流れを説明するための図である。旧論理回路AO
2に対して仕様変更(または設計誤りの修正)を施す場
合、第1実施形態では、図3に示す手順で処理を実行す
る。
【0035】つまり、この図3に示すように、図31に
示した従来処理と同様、旧仕様記述AO1に基づいて論
理合成処理を行なって(ステップS1)、旧論理回路A
O2を得ると、その旧論理回路AO2に基づいて配置/
配線処理を行ない(ステップS2)、旧配置/配線結果
AO3を得た後に、仕様変更のために新仕様記述AN1
が与えられると、その新仕様記述AN1に基づいて論理
合成処理を行ない(ステップS1′)、新論理回路AN
2を得る。
【0036】この後、本実施形態では、旧論理回路AO
2および新論理回路AN2を入力として、図4,図5に
て後述するEC論理合成システム10によるEC論理合
成処理を行ない(ステップS11)、修正論理回路AN
6を得た後、その修正論理回路AN6と旧配置/配線結
果AO3とに基づいて、既知の配置/配線EC処理を実
行し(ステップS12)、修正配置/配線結果AN7を
得ている。
【0037】次に、ステップS11のEC論理合成処理
を行なうEC論理合成システム10の構成およびその動
作を図4および図5に従って説明する。なお、図4およ
び図5は、本発明の第1実施形態としてのEC論理合成
システム10の構成と本システム10による処理の流れ
とを同時に示す図である。また、これらの図4,図5
中、図1,図2にて既述の符号と同一の部分はほぼ同一
の部分を示している。
【0038】図4,図5に示すように、第1実施形態の
エンジニアリング・チェンジ論理合成システム10は、
対応関係抽出手段11,対応関係補完手段111,論理
関数計算手段12,論理検証手段13,不一致PO判定
手段131,遅延時間計算手段21,遅延時間余裕値計
算手段22,エラー後方伝播手段14,修正箇所決定手
段15,仕様関数実現手段16,仕様関数実現成功判定
手段160,テクノロジ・マッピング手段18,保存手
段17(修正論理回路AN6)および名前付与手段19
により構成されている。なお、実際には、これらの各手
段(保存手段17を除く)は、コンピュータにおいてソ
フトウエアとして実現されるとともに、後述する各種表
(保存手段17を含む)や条件は、コンピュータを構成
するRAM等の記憶部に保持される。
【0039】ここで、対応関係抽出手段11は、旧論理
回路AO2と新論理回路AN2との間で、PI〔Primar
y Input;外部入力ピン,記憶素子(例えばフリップフロ
ップ,RAM等)からの出力ピンおよび下位レベルの論
理階層ブロックからの出力ピン〕、および、PO〔Prim
ary Output;外部出力ピン,記憶素子への入力ピンおよ
び下位レベルの論理階層ブロックへの入力ピン〕の対応
関係を抽出し、その結果を対応関係表110(図9参
照)に登録するものである。
【0040】対応関係補完手段111は、対応関係抽出
手段11により新論理回路AN2と旧論理回路AO2と
の間で対応関係を得ることのできないPIまたはPOが
存在する場合、これらのPIまたはPOを旧論理回路A
O2に対して補完し、対応関係表110(図11参照)
を更新するとともに、修正論理回路AN6として出力す
るものである。
【0041】このとき、修正論理回路AN6は、図28
に示すごとく(詳細は後述)、記憶部における保存手段
17に修正論理回路データとして登録されるが、この保
存手段17には、旧論理回路AO2のうち修正対象とな
らない部分の構造が保存されるとともに、旧論理回路A
O2のうち修正対象とならない部分の構造の表現データ
にゲート,ピンまたはネットに既に付与されている名前
を付加することによりその名前が保存されるようになっ
ている。
【0042】また、本実施形態では、新仕様記述に応じ
た修正によって新たに追加されたゲート,ピンまたはネ
ットに対して新たに名前を付与する名前付与手段19が
そなえられており、この名前付与手段19により付与さ
れた名前は、図28にて後述するごとく、保存手段17
に修正論理回路データとして追加されるようになってい
る。
【0043】論理関数計算手段12は、図12〜図15
にて後述するごとく、修正論理回路AN6と新論理回路
AN2とのそれぞれについて、PI,ゲートの入出力ピ
ンおよびPOの各ピンにおいて実現されている論理関数
を計算するもので、本実施形態では、修正論理回路AN
6についてPI,ゲートの入出力ピンおよびPOの各ピ
ンにおいて実現されている論理関数を計算する論理関数
計算手段12Aと、新論理回路AN2についてPI,ゲ
ートの入出力ピンおよびPOの各ピンにおいて実現され
ている論理関数を計算する論理関数計算手段12Bとか
ら構成されている。
【0044】論理検証手段13は、論理関数計算手段1
2Bにより計算された新論理回路AN2のPOについて
の論理関数と論理関数計算手段12Aにより計算された
修正論理回路AN6のPOについての論理関数との等価
性を、対応関係抽出手段11により抽出された対応関係
(つまり対応関係表110)に従って判定し、判定の結
果、論理関数が不一致であったPOに関するデータを論
理関数不一致PO表130(図16参照)に登録するも
のである。
【0045】不一致PO判定手段131は、論理関数不
一致PO表130を参照して、不一致POが存在するか
否かを判定するものであり、この不一致PO判定手段1
31により、論理関数不一致PO表130内に不一致P
Oに関するデータが無くなったと判定された場合には、
前述した名前付与手段19による処理へ移行するように
なっている。一方、不一致PO判定手段131により、
論理関数不一致PO表130内に不一致POに関するデ
ータが存在すると判定された場合には、遅延時間計算手
段21以降の手段による処理へ移行するようになってい
る。
【0046】遅延時間計算手段21は、修正論理回路A
N6についてPIおよびPOに対して与えられた遅延時
間制約条件132を参照し、任意の経路の最大/最小遅
延時間を計算するものである。遅延時間余裕値計算手段
22は、修正論理回路AN6についてPIおよびPOに
対して与えられた遅延時間制約条件132を参照すると
ともに、遅延時間計算手段21による計算結果に基づい
て、任意の経路の最大/最小遅延時間余裕値(スラック
値)およびその積算値である最大/最小積算余裕値(積
算スラック値)を計算するものである。
【0047】エラー後方伝播手段14は、論理検証手段
13による判定の結果、新論理回路AN2と修正論理回
路AN6との間で対応関係にある各POにおいて実現さ
れている各論理関数が異なる場合、旧論理回路のPOで
実現されている論理関数を、新論理関数AN2の対応す
るPOで実現されている論理関数に一致させるために、
修正論理回路AN6のPI,ゲートの入出力ピンおよび
POの各ピンで実現されるべき論理関数(以下、仕様関
数という)と、この仕様関数と実際に実現されている論
理関数との排他的論理和(以下、エラー関数という)と
を、修正論理回路AN6のPOから後方(外部入力ピン
側)へ向かって探索しながら計算し、その探索結果を修
正候補表140(図23参照)に登録するものある。
【0048】修正箇所決定手段15は、エラー後方伝播
手段14による探索結果(つまり図23の修正候補表1
40)に基づいて修正論理回路AN6における修正箇所
を決定し、その決定結果を修正候補表140(図24参
照)に更新・登録するものである。そして、本実施形態
では、エラー後方伝播手段14が、図17〜図22にて
後述するごとく、実際に実現されている論理関数,仕様
関数およびエラー関数を、それぞれ論理値0,1および
不定値を対象とする3値二分決定グラフとして表現し、
エラー関数に関する3値二分決定グラフの複雑度に基づ
いて修正論理回路AN6中での修正箇所候補を求め、修
正箇所決定手段15が、エラー後方伝播手段14により
求められた修正箇所候補から、修正論理回路AN6にお
ける適切な修正箇所を決定するようになっている。
【0049】また、本実施形態のエラー後方伝播手段1
4は、(1)式にて後述するごとく、仕様関数およびエ
ラー関数を、修正論理回路AN6についてのエラー関数
が0でない全てのPOから同時に計算するようになって
いる。仕様関数実現手段16は、ゲート数の増分および
遅延時間計算手段21により計算された遅延時間の変動
の大きさをコストとして評価しながら、図25〜図27
にて後述するごとく、修正箇所決定手段15により決定
された修正箇所における仕様関数を実現する新部分論理
回路を、修正論理回路AN6中に論理合成するものであ
る。
【0050】仕様関数実現成功判定手段160は、仕様
関数実現手段16により修正箇所候補についての論理合
成に成功したか否かを判定するもので、成功したと判定
した場合には、次のテクノロジ・マッピング手段18に
よる処理へ移行する一方、全ての修正箇所候補について
の論理合成に失敗したと判定した場合には、EC論理合
成が不可能なので、旧論理回路AO2をそのまま出力し
て処理を終了する。
【0051】テクノロジ・マッピング手段18は、仕様
関数実現手段16により得られたテクノロジに非依存の
新部分論理回路(AND,OR,NAND,NOR等の
プリミティブな論理ゲート表現)を、テクノロジに依存
する新部分論理回路(セル)に変換するものである。次
に、上述のごとく構成された第1実施形態のEC論理合
成システム10の動作について、図4,図5を参照しな
がら、より詳細に説明する。
【0052】まず、対応関係抽出手段11により、新論
理回路AN2と旧論理回路AO2との間で、PIおよび
POのピン名と、そのピンが属するブロックのブロック
名と、旧論理回路AO2および新論理回路AN2の表現
データのレコード番号とからなる対応関係表110(図
9参照)を作成し、ピン名およびブロック名がともに一
致する場合に、新論理回路AN2と旧論理回路AO2と
において同一のPIまたはPOとして認識する。
【0053】また、旧論理回路AO2に既存で修正不要
のゲート,ピンおよびネットの名前を保存するために、
旧論理回路AO2の表現データには、ゲート,ピンおよ
びネットに既に付与されている名前を付加しておき、以
降の処理において自動修正の対象とならないゲート,ピ
ンおよびネットについては、それらの名前を維持/参照
できるようにする。
【0054】そして、対応関係補完手段111では、対
応関係表110を参照し、旧論理回路AO2と新論理回
路AN2との間で対応がとれないPIまたはPOを、旧
論理回路AO2に対して補完し、修正論理回路AN6と
して出力するとともに、対応関係表110の旧論理回路
データの該当レコード番号を更新する。例えば図9およ
び図11に示すように、新論理回路AN2にしか存在し
ないPIの場合には、旧論理回路AO2にこのPIを追
加し、旧論理回路AO2にしか存在しないPOの場合に
は、旧論理回路AO2からこのPOのレコード番号を削
除する。また、旧論理回路AO2のPIのビット幅が、
新論理回路AN2の対応するPIのビット幅と異なる場
合には、旧論理回路AO2のPIのビット幅を、新論理
回路AN2のPIのビット幅に合わせて変更する。
【0055】このように、対応関係補完手段111を有
することにより、PIおよびPOの追加,削除,ビット
幅変更が必要な場合でも、自動的にEC論理合成を行な
うことが可能になる。対応関係補完手段111による処
理の結果得られる修正論理回路AN6と新論理回路AN
2とのPIおよびPOは、図8および図10に示すごと
く一対一に対応している。
【0056】ついで、論理関数計算手段12A,12B
により、修正論理回路AN6および新論理回路AN2に
ついて、PI,ゲートの入出力ピンおよびPOの論理関
数を求める。論理関数計算手段12A,12Bでは、例
えば図13(a),(b)および図15(a),(b)
に示すように、既に公知の論理値として0,1およびX
の3値二分決定グラフにより論理関数を表現する。
【0057】そして、論理検証手段13により、修正論
理回路AN6と新論理回路AN2との対応関係表110
に従い、全てのPOについて、同一の論理関数を表現す
る二分決定グラフは必ず同形になるという既に公知の性
質を利用して、論理関数の等価性を判定する。論理検証
手段13による判定の結果、論理関数が一致しないPO
が存在する場合には、これらのPOについて、ピン名お
よび修正論理回路データのレコード番号を論理関数不一
致PO表130(図16参照)に登録する。
【0058】不一致PO判定手段131により論理関数
不一致PO表130が空であると判定された場合には、
修正論理回路AN6をこれ以上修正する必要がないの
で、名前付与手段19により、修正論理回路AN6中
の、名前が付与されていないゲートおよびネットについ
てのみ新たに名前を付与してから、処理を終了して、最
終的に得られた修正論理回路AN6を出力する。
【0059】これに対し、不一致PO判定手段131に
より論理関数不一致PO表130が空でないと判定され
た場合には、与えられた遅延時間制約条件132を参照
し、遅延時間計算手段21および遅延時間余裕値計算手
段22により、修正論理回路AN6のPI,ゲート,ネ
ットおよびPOの最大/最小遅延時間および最大/最小
時間余裕値(スラック値)並びに最大/最小積算余裕値
(積算スラック値)を計算する。その後、論理関数不一
致PO表130に登録されている修正論理回路AN6の
POの論理関数が、対応する新論理回路AN2のPOの
論理関数と一致するように、エラー後方伝播手段14,
修正箇所決定手段15および仕様関数実現手段16によ
り修正論理回路AN6を自動修正する。
【0060】以下では、より少ない修正箇所で、且つ、
修正に要する追加ゲート数をできる限り少なくしなが
ら、修正論理回路AN6を修正すべく、二分決定グラフ
で表現されたエラー関数の複雑度に基づくエラー後方伝
播手段14の動作について詳細に説明する。エラー後方
伝播手段14では、修正論理回路AN6のPOからPI
に向かって後方に、ゲート(の出力ピン)およびゲート
の入力ピンについての仕様関数Sとエラー関数Eとを求
めていく。
【0061】なお、以下では、X={x1,2,…,
m },Y={y1,2,…,yn },G={g1,
2,…,gt }を、それぞれ修正論理回路AN6のPI,
POおよびゲートの集合とし、Lj ={lj1,
j2, …,lju}をゲートgj ∈Gの入力ピンの集合とす
る。また、Y′={y1 , 2 , …,yn ′}を、
新論理回路AN2のPOの集合とし、各yi ′はyi
対応しているものとする。さらに、y i ∈Y,yi ′∈
Y′,gj ∈Gおよびljk∈Lj の論理関数を、それぞ
れF(yi ),F(yi ′),F(gj )およびF(l
jk)で表す。
【0062】仕様関数Sとは、全てのyi ∈Yについて
F(yi )をF(yi ′)と一致させるために、yi
Y,gj ∈Gおよびljk∈Lj がとるべき論理関数であ
る。yi ∈Yにおける仕様関数Sは、その定義から
i ′∈Y′における論理関数Fに等しく、 S(yi )=F(yi ′) (1≦i≦n) である。
【0063】また、エラー関数Eとは、論理関数Fと仕
様関数Sとの排他的論理和(EOR)により定義される。つ
まり、yi ∈Y,gj ∈Gおよびljk∈Lj におけるエ
ラー関数Eは、それぞれ、 E(yi )=F(yi ) EOR S(yi ) (1≦i≦n) E(gi )=F(gi ) EOR S(gi ) (1≦j≦t) E(ljk)=F(ljk) EOR S(ljk) (1≦k≦u) となる。
【0064】ここで、仕様関数S(gi )およびS(l
jk)は、以下のようにして計算される。 〔S(gi )の計算〕:まず、F(gi )を論理反転し
た場合の論理関数を論理関数計算手段12によって仮に
計算し、この結果得られる各POの論理関数をf
(yi )とし、 H(yi )=〔H(yi )1, H(yi )2, …,H(yi ) q 〕 H(yi ) q =* ,F(yi ) q ⊇f(yi ) q の場合 0 ,上記以外の場合 を求める。
【0065】ただし、*は不定値(X)である。また、
1≦q≦2m であり、H(yi ) qはH(yi ) の真理
値表のベクタ表現の第q要素である。例えばm=3なら
ば、その真理値表のベクタ表現は23 の要素をもち、H
(yi ) =(0*0*0***)の場合、H(yi )3
0である。H(yi ) q が0ならば、F(gj )を論理
反転することによりF(yi ) q が変化することを意味
する。
【0066】次に、 K= ∩ (H(yi ) EOR E(yi ) ) (1) for 1≦i≦n を求める。ここで、演算∩は、1∩1=1∩*=*∩1
=1,*∩*=*で、それ以外の場合は0となる演算で
ある。上記(1)式のKはF(gj )の論理反転により
修正できるエラー関数を表しており、ゲートgj の仕様
関数Sは、 S(gj )=F(gj ) EOR K として求められる。
【0067】〔S(ljk)の計算〕:仕様関数S
(gj )が与えられた時、 S(ljk)=S(gj ) □ ( ∨ (F(ljp))) for p≠k:1≦p≦uにより求められる。ここで、演
算∨は、ゲートgj の論理機能を表す二項演算(AND/OR
/NAND/NOR/EOR のつちのいずれか)である。また、演算
□は、ゲートgj の論理機能毎に定義される二項演算で
あり、例えば、NORゲートの場合には、次の条件1〜
条件3により決定され、その真理値表は、図6に示すご
とく定義される。他のゲートの場合の演算□についても
同様に定義することができる。
【0068】<条件1>:S(gj ) q が0の場合、少
なくとも一つの入力ピンのF(ljkq は1でなければ
ならない。 <条件2>:S(gj ) q が1の場合、全ての入力ピン
のF(ljkq は0でなければならない。 <条件3>:S(gj ) q が*の場合、全ての入力ピン
のF(ljkq は*でよい。
【0069】着目ゲートおよびその各入力ピンについて
の仕様関数Sを計算した後、POのエラーが最も減少
し、且つ、仕様関数Sの実現が最も容易である入力ピン
を選択し、その入力ピンのファンインについてのみエラ
ーを伝播していく。POのエラー減少度および仕様関数
Sの実現し易さは、エラー関数Eの複雑度により評価す
ることができる。
【0070】エラー関数Eの複雑度は、3値二分決定グ
ラフで表現された関数について、次のようにして決定さ
れる(図17〜図22参照)。まず、二分決定グラフの
根節点から終端節点に向かって下位節点をトレースし
て、論理値1の終端節点、または、いかなる経路によっ
ても論理値0の終端節点に到達しない非終端節点のいず
れかに到達した場合には、そこに至る経路(1−パス)
の深さ(通過節点数)を、その節点の複雑度とする。論
理値0、または、Xの終端節点、または、いかなる経路
によっても論理値1の終端節点に到達しない非終端節点
のいずれかに到達した場合には、その複雑度を0とす
る。既に複雑度が決定された節点を下位節点、即ち0枝
節点および1枝節点としてもつ非終端節点の複雑度は、
0枝節点および1枝節点の複雑度を加算した値とする。
これにより、恒等的に0の関数の複雑度は0、恒等的に
1の関数の複雑度は1となり、深い1−パスが多い関数
ほど、その複雑度は大きくなる。
【0071】エラー関数Eの複雑度によるPOのエラー
減少度の評価では、まず、着目ゲートgj の着目入力ピ
ンljkについて、論理関数F(ljk)を仮に仕様関数S
(l jk)に修正した場合の仮論理関数を論理関数計算手
段12により計算し、各POについて仮論理関数と仕様
関数S(yi )との排他的論理和により仮エラー関数N
(yi )を求める。
【0072】ついで、各POのエラー関数E(yi )と
仮エラー関数N(yi )との関数複雑度の差を、全ての
POについて加算し、この結果を、論理関数F(ljk
を仕様関数S(ljk)に修正した場合のPOのエラー減
少度とする。全てのljk∈L j について同様にエラー減
少度を求める。エラー減少度が大きい程、より多くのエ
ラーを減少させることができるので、エラー減少度が最
大の入力ピンを選択する。エラー減少度が同じ入力ピン
が複数存在する場合には、エラー関数が簡単である程、
エラーの修正、即ち仕様関数の実現が容易であると考え
られるので、エラー関数の複雑度が小さい入力ピンを選
択するようにする。
【0073】このようにして選択された入力ピンのファ
ンイン・ゲートについてのみエラーを伝播し、仕様関数
Sおよびエラー関数Eの計算を行なっていく。なお、エ
ラーの後方伝播経路上のゲートおよび選択された入力ピ
ンについては、図23に示すごとく、POのエラー減少
度とエラー関数Eの複雑度とともに修正箇所候補表14
0に登録していく。着目ゲートの各入力ピンについての
エラー減少度がいずれも負数の場合には、着目ゲートの
どの入力ピンの論理関数Fを仕様関数Sに修正しても、
POにおけるエラーを減少させることができないので、
その経路についてのエラーの後方伝播を終了する。
【0074】エラー後方伝播手段14において、前記
(1)式を用いて、論理関数不一致PO表130に登録
されている全てのPOから計算を開始することにより、
複数のエラーを同時に修正できる箇所が存在すれば、そ
の箇所を求めることができ、より少ない修正箇所での複
数エラーの修正が可能になる。次に、修正箇所決定手段
15では、エラー後方伝播手段14による処理の結果得
られた修正箇所候補表140に登録されているゲートお
よび入力ピンを、図24に示すごとく、エラー減少度が
大きい順に並べる。同一のエラー減少度の候補が複数存
在する場合には、その候補自身のエラー関数の複雑度が
小さい順に並べる。さらに、エラー減少度およびエラー
関数の複雑度ともに同じ候補が複数存在する場合には、
入力ピンをゲートよりも上位にする。このように順序付
けることで、修正箇所および修正に要する追加ゲート数
をより少なくすることが可能になる。
【0075】仕様関数実現手段16では、まず、修正箇
所候補表140から最初の修正箇所候補を取り出し、そ
の仕様関数を実現する部分論理回路を、修正論理回路A
N6に既存のゲートを用いて論理合成する。仕様関数を
実現する部分論理回路が複数得られた場合には、これら
のゲート数および最大/最小遅延時間を評価し、ゲート
数が最も少なく、修正前後の遅延時間の変動が最も小さ
くなる部分論理回路を選択する。
【0076】ついで、仕様関数を実現する部分論理回路
の出力をその修正箇所に接続し、修正箇所における論理
関数を実現していた部分論理回路で不要となった部分を
削除する。取り出した修正箇所候補について、その仕様
関数を実現する部分論理回路の論理合成に失敗した場合
には、修正箇所決定手段で決定された順序に従い、次の
修正箇所候補についての論理合成を試みる。仕様関数実
現成功判定手段160により全ての修正箇所候補につい
ての論理合成に失敗したと判定された場合には、EC論
理合成が不可能なので、旧論理回路AO2をそのまま出
力して処理を終了する。
【0077】最後に、仕様関数実現手段16により論理
合成された、テクノロジ非依存の部分論理回路は、テク
ノロジ・マッピング手段18によりテクノロジ依存の部
分論理回路に変換される。この結果得られる、エラーの
一部または全部が修正された修正論理回路AN6につい
て、不一致PO判定手段131により論理関数不一致P
O表130が空になったものと判定されるまで、論理関
数計算手段12以降の処理を繰り返し実行する。
【0078】次に、図7〜図28を用いて第1実施形態
によるEC論理合成の具体的な例を説明する。図7〜図
9は、対応関係抽出手段11による処理の具体例を示す
ものであり、図7に示すような旧論理回路AO2および
図8に示すような新論理回路AN2から、PIとPOに
ついて、ブロック名(CKT,FF1〜FF3,H
1),ピン名(x1 〜x11,y1 〜y12)および旧/新
論理回路データを参照するためのレコード番号(o1
25,n1 〜n29)を取り出し、図9に示すような対応
関係表110を作成する。
【0079】x9 のように2ビット以上の幅をもつピン
に対しては、そのビット番号を<0>,<4>のように
ピン名に付加し、各ビット番号毎に対応関係表110を
作成することで、ビット幅が変更された場合でも、PI
またはPOの補完が可能になる。なお、図7および図8
において、CKTはEC論理合成対象の論理階層ブロッ
ク、FF1〜FF3はフリップフロップ、H1は下位レ
ベルの論理階層ブロックであり、CO1〜CO3および
CN1〜CN3はそれぞれ旧論理回路および新論理回路
に含まれるテクノロジ依存の組合せ論理回路である。
【0080】図10および図11は、図7および図9に
対する、対応関係補完手段111による処理の具体例を
示すものである。図9において、x11とx9 <4>〜x
9 <7>については新論理回路データレコード番号
6 ,n23〜n26はあるが旧論理回路データレコード番
号がないので、図10に示すように、旧論理回路データ
に対してこれらのピンを追加するとともに、図11に示
すように、対応関係表110の旧論理回路データレコー
ド番号o26〜o30を設定する。
【0081】また、図9において、y4 については旧論
理回路データレコード番号o9 はあるが新論理回路デー
タレコード番号がないので、図10に示すように、旧論
理回路データのy4 を削除するとともに、図11に示す
ように、対応関係表110からも該当するデータを削除
する。以上の処理により、図7に示す旧論理回路AO2
は、図10に示す修正論理回路AN6となり、図9に示
す対応関係表110は、図11に示すように更新され
る。
【0082】図12および図13(a),(b)は、図
10に示す組合せ論理回路CO1の一部であるANDゲ
ートg1 およびNORゲートg2 に対する論理関数計算
手段12Aによる処理の具体例を示すもので、図13
(a),(b)には、それぞれ、図12に示す各ゲート
1 およびg2 の論理関数を、論理関数計算手段12A
により二分決定グラフで表現したものが図示されてい
る。
【0083】また、図14および図15(a),(b)
は、図8に示す組合せ論理回路CN1の一部であるNA
NDゲートG1およびNORゲートG2に対する論理関
数計算手段12Bによる処理の具体例を示すもので、図
15(a),(b)には、それぞれ、図12に示す各ゲ
ートG1およびG2の論理関数を、論理関数計算手段1
2Bにより二分決定グラフで表現したものが図示されて
いる。
【0084】なお、図12〜図15に示す例では、説明
を簡単にするため、組合せ論理回路CO1におけるAN
Dゲートg1 が、組合せ論理回路CN1においてNAN
DゲートG1に修正されているだけで、これらの組合せ
論理回路CO1とCN1とは構造的に類似しているが、
本発明においては、このような旧/新論理回路間の構造
的な類似性は必要ではない。
【0085】図16は、図12〜図15に示す論理関数
計算手段12A,12Bによる処理の結果に対する、論
理検証手段13による処理の具体例、即ち、論理検証手
段13により得られた論理関数不一致PO表130の具
体例を示す図である。図12に示すNORゲートg2
よび図14(b)に示すNORゲートG2にそれぞれ接
続されるPO、即ち出力ピンy11における論理関数を表
す3値二分決定グラフが、それぞれ図13(b)および
図15(b)に示すように同形でないことから、図16
に示すように、論理検証手段13により、出力ピンy11
およびそのレコード番号o24が論理関数不一致PO表1
30に登録される。
【0086】図17〜図23は、論理検証手段13によ
り得られた論理関数不一致PO表130に登録されてい
る出力ピンy11に対する、エラー後方伝播手段14によ
る処理の具体例を示すものである。ここでは、出力ピン
11が依存しているPIは入力ピンx2 ,x3 およびx
4の3つであるので、簡単のため、論理関数F,仕様関
数Sおよびエラー関数Eは、これら3変数x2 ,x3
よびx4 の関数として扱い、文中では真理値表のベクタ
形式で表現する。図13(b)から、F(y11)=(1
110000)となり、出力ピンy11の仕様関数S(y
11)は、図15(b)におけるF(G2)に等しく、図
17(a)に示すように、 S(y11)=(00010000) となるので、出力ピンy11のエラー関数E(y11)は、
図17(b)に示すように、 E(y11)=(11110000) となる。
【0087】図17(b)に示すE(y11)の二分決定
グラフについて、根節点の0枝節点は、論理値1の終端
節点で、そこに至る深さは2なので、その複雑度は2で
あり、1枝節点は、論理値0の終端節点であり、その複
雑度は0であることから、根節点の複雑度はこれらの
和、即ち2となる。論理関数F(y11)を仕様関数S
(y11)で置き換えた場合には、出力ピンy11における
エラーが全て修正されることは自明なので、そのエラー
減少度は2である。
【0088】次に、出力ピンy11のファンイン・ゲート
であるNORゲートg2 について、F(g2 )=(11
100000)を論理反転した関数f(g2 )=(00
011111)で置き換えて論理関数を計算すると、f
(y11)=(00011111)となり、H(y11)=
(00000000)が得られる。NORゲートg2
ファンアウトは出力ピンy11だけであるので、前記
(1)式のKは、H(y 11)とエラー関数E(y11)と
の排他的論理和により、 K=(11110000) となる。
【0089】従って、NORゲートg2 の仕様関数S
(g2 )は、Kと論理関数F(g2 )との排他的論和に
より、 S(g2 )=(00010000) となり、NORゲートg2 のエラー関数E(g2 )は、 E(g2 )=(11110000) となる。
【0090】結局、NORゲートg2 の仕様関数,エラ
ー関数,エラー減少度およびエラー関数の複雑度は、出
力ピンy11についての仕様関数,エラー関数,エラー減
少度およびエラー関数の複雑度と同じになる。次に、N
ORゲートg2 の入力ピンl21およびl22の論理関数F
(l21)およびF(l22)は、それぞれ図18(a),
(b)に示すように、 F(l21)=(00001111) F(l22)=(00010001) である。これらの論理関数F(l21)およびF(l22
と、前述したS(g2 )=(00010000)とにつ
いて図6の真理値表を参照することにより、NORゲー
トg2 の入力ピンl21およびl22の仕様関数S(l21
およびS(l22)は、 S(l21)=(1110111*) S(l22)=(1110****) となる。
【0091】従って、これらのエラー関数E(l21)お
よびE(l22)は、それぞれ図19(a),(b)に示
すように、 E(l21)=(1110000*) E(l22)=(1111****) となり、その複雑度は、それぞれ図20(a),(b)
に示すように、7および1となる。
【0092】さらに、入力ピンl21について、論理関数
F(l21)を仕様関数S(l21)に置き換えた場合の出
力ピンy11の論理関数F1(y11)および仮エラー関数
N1(y11)は、それぞれ図21(a),(b)に示す
ように、 F1(y11)=(00000000) N1(y11)=(00010000) となり、仮エラー関数N1(y11)の複雑度は、図21
(b)に示すように4となる。
【0093】同様に、入力ピンl22について、論理関数
F(l22)を仕様関数S(l22)に置き換えた場合の出
力ピンy11の論理関数F2(y11)および仮エラー関数
N2(y11)は、それぞれ図22(a),(b)に示す
ように、 F2(y11)=(00010000) N2(y11)=(00000000) となり、仮エラー関数N2(y11)の複雑度は、図22
(b)に示すように0となる。
【0094】出力ピンy11の元のエラー関数E(y11
の複雑度2から、仮エラー関数N1(y11)およびN2
(y11)の複雑度を引いた値、即ち−2および2が、入
力ピンl21およびl22のエラー減少度となる。従って、
NORゲートg2 においては、エラー減少度が大きい入
力ピンl22が選択される。さらに、入力ピンl22のファ
ンイン・ゲートg1 にエラーが伝播され、NORゲート
2 と同様に仕様関数およびエラー関数が計算されてい
く。
【0095】以上のようなエラー後方伝播手段14によ
る処理の結果、伝播経路上のゲートおよび入力ピンが、
エラー減少度およびエラー関数の複雑度とともに登録さ
れ、図23に示すような修正箇所候補表140が得られ
る。図24は、図23に示すごとく得られた修正箇所候
補表140に対する、修正箇所決定手段15による処理
の具体例であり、エラー減少度が大きく、エラー関数の
複雑度が小さい修正箇所から順に並べ換えられる。AN
Dゲートg1 と入力ピンl22、NORゲートg2 と出力
ピンy11については、エラー減少度エラー関数の複雑度
が同じであるが、それぞれ入力ピンを優先するので、最
初の修正箇所候補は入力ピンl22となる。
【0096】図25〜図27は、図24に示す最初の修
正箇所候補l22に対する、仕様関数実現手段16による
処理の具体例を示すものである。図25に示すような既
存のPIおよびゲートg1 ,g2 を用い、仕様関数実現
手段16によって、仕様関数S(l22)=(1110*
***)を満たす新部分論理回路を論理合成した結果、
その新部分論理回路としては、図26(a)に示すよう
なピンx3 およびx4を入力とするNANDゲートと、
図26(b)に示すようなANDゲートg1 の出力を入
力とするインバータとの2通りが得られる。この場合、
いずれも追加ゲート数は1なので、遅延時間の変動が小
さい方が仕様関数実現手段16により選択される。
【0097】例えば、2入力ANDゲート,2入力NA
NDゲートおよびインバータの遅延時間が、それぞれ5
00ピコ秒,400ピコ秒および200ピコ秒だとする
と、入力ピンl22における遅延時間の変動は、NAND
ゲートの場合−100ピコ秒、インバータの場合+20
0ピコ秒となるので、図26(a)に示すNANDゲー
トによる実現を選択し、図27に示すように論理回路の
修正が行なわれる。そして、最終的には、このNAND
ゲートは、テクノロジ・マッピング手段18によりテク
ノロジ依存のゲートに置換される。
【0098】図28は、第1実施形態における修正論理
回路データ(保存手段17)を示すとともに、論理検証
手段13による処理の結果、論理関数不一致PO表13
0が空になった場合の、修正論理回路AN6に対する名
前付与手段19による処理の具体例を示すものである。
図27に示すような仕様関数実現手段16による処理の
結果、修正論理回路データのレコード番号o35〜o38
追加されたNANDゲートに関連するレコードには、未
だ名前が付与されていないので、名前付与手段19によ
り、既存の名前と重複しないように、例えば図28に示
すごとく、l20 1 ,l202 ,g20,g20out 等の名前が
新たに付与される。なお、レコード番号o31〜o34(名
前データl11,l12,g1 ,g1out)については論理関
数不一致PO表130から削除する。
【0099】このように、本発明の第1実施形態のEC
論理合成システム10によれば、仕様変更(または論理
設計誤りの修正)のための論理回路修正が自動的に行な
われるほか、新/旧論理回路に対して直接的に配置/配
線EC処理を適用できるようになるので、その論理回路
修正に伴う論理設計から実装設計までのターン・アラウ
ンド時間、引いてはLSI等の設計対象の設計期間を大
幅に短縮することができるのである。
【0100】このとき、仕様関数実現手段16におい
て、ゲート数の増分や遅延時間の変動の大きさをコスト
として評価しながら、新部分論理回路を論理合成するこ
とにより、修正による追加ゲート数をできる限り少なく
できるとともに、修正による遅延時間の変動をできる限
り小さくできる。また、新論理回路AN2と旧論理回路
AO2との間で対応関係を得ることのできないPIまた
はPOが存在する場合、これらのPIまたはPOを、対
応関係補完手段111により旧論理回路AO2に対して
補完することにより、PIまたはPOの追加,削除やビ
ット幅変更を含む修正を容易に行なうことができる。
【0101】さらに、前記(1)式を用いて、仕様関数
およびエラー関数を、修正論理回路AN6についてのエ
ラー関数が0でない全てのPOから同時に計算すること
により、複数のPOエラー修正を同時に行なえ、より効
率的な処理を実現できる。またさらに、旧論理回路AO
2のうち修正対象とならない部分の構造の表現データ
に、ゲート,ピンまたはネットに既に付与されている名
前が保存されるとともに、名前付与手段19により、新
たに追加されたゲート,ピンまたはネットについてのみ
名前が付与されるので、旧論理回路AO2に既存で修正
不要なゲート,ピンまたはネットの名前を保存すること
が可能になるとともに、その保存された名前によって、
新/旧論理回路に対して配置/配線EC処理を直接的に
且つより容易に適用することができる。
【0102】(b)第2実施形態の説明 図29は、本発明の第2実施形態としてのエンジニアリ
ング・チェンジ論理合成システムを適用される、最大/
最小遅延時間エラー解消処理の流れを説明するための図
である。旧論理回路AO2に対して最大/最小遅延時間
エラー解消を行なう場合、第2実施形態では、図29に
示す手順で処理を実行する。
【0103】つまり、この図29に示すように、図31
に示した従来処理と同様にして旧配置/配線結果AO3
を得た後に、タイミング評価により最大/最小遅延時間
エラーが判明すると(ステップS6でNG判定の場
合)、本実施形態では、旧論理回路AO2を入力とし、
エラーを解消するための新たな制約条件を与えて、図3
0にて後述するEC論理合成システム20によるEC論
理合成処理を行ない(ステップS21)、修正論理回路
AN8を得た後、その修正論理回路AN8と旧配置/配
線結果AO3とに基づいて、既知の配置/配線EC処理
を実行し(ステップS22)、修正配置/配線結果AN
9を得ている。
【0104】そして、その新配置/配線結果AN9につ
いてタイミング評価を行ないOKであれば(ステップS
6でOK判定の場合)、処理を終了する一方、NGであ
れば再度ステップS21に戻って同様の処理を繰り返し
行なっている。次に、ステップS21のEC論理合成処
理を行なうEC論理合成システム20の構成およびその
動作を図30に従って説明する。なお、図30は、本発
明の第2実施形態としてのEC論理合成システム20の
構成と本システム20による処理の流れとを同時に示す
図である。また、これらの図20中、図1,図2,図
4,図5にて既述の符号と同一の部分はほぼ同一の部分
を示している。
【0105】図30に示すように、第2実施形態のエン
ジニアリング・チェンジ論理合成システム20は、遅延
時間計算手段21,遅延時間余裕値計算手段22,遅延
時間エラー判定手段220,クリティカル・パス検出手
段23,クリティカル・パス順序設定手段24,回路変
更手段25,保存手段26,許容関数実現成功判定手段
27,テクノロジ・マッピング手段18および名前付与
手段28により構成されている。なお、第1実施形態と
同様、実際には、これらの各手段(保存手段26を除
く)は、コンピュータにおいてソフトウエアとして実現
されるとともに、保存手段26や遅延時間制約条件13
2等は、コンピュータを構成するRAM等の記憶部に保
持される。
【0106】ここで、遅延時間計算手段21は、第1実
施形態と同様、旧論理回路AO2についてPIおよびP
Oに対して与えられた遅延時間制約条件を参照し、任意
の経路の最大/最小遅延時間を計算するものである。遅
延時間余裕値計算手段22は、第1実施形態と同様、旧
論理回路AO2についてPIおよびPOに対して与えら
れた遅延時間制約条件を参照するとともに、遅延時間計
算手段21による計算結果に基づいて、任意の経路の最
大/最小遅延時間余裕値(スラック値)およびその積算
値である最大/最小積算余裕値(積算スラック値)を計
算するものである。
【0107】遅延時間エラー判定手段220は、遅延時
間計算手段21および遅延時間余裕値計算手段22によ
り計算された各値を参照し、遅延時間エラーが発生して
るか否かを判定するもので、この遅延時間エラー判定手
段220により遅延時間エラーが発生していないと判定
された場合には、これ以上修正を行なう必要がないの
で、後述するごとく、名前付与手段19により、修正論
理回路AN8中の、名前が付与されていないゲートおよ
びネットについてのみ新たに名前を付与してから、処理
を終了して、最終的に得られた修正論理回路AN8を出
力する。
【0108】これに対し、遅延時間エラー判定手段22
0により遅延時間エラーが発生していると判定された場
合には、クリティカル・パス検出手段23による処理へ
移行する。クリティカル・パス検出手段23は、遅延時
間余裕値計算手段22により計算された最大/最小遅延
時間余裕値に基づいて、クリティカル・パスを検出する
ものである。
【0109】クリティカル・パス順序設定手段24は、
遅延時間余裕値計算手段22により計算された最大/最
小積算余裕値に基づいて、クリティカル・パス検出手段
23により検出されたクリティカル・パス上のゲートお
よび入力ピンを、より多くの遅延時間エラーを改善でき
るものから順に順序付けるものである。回路変更手段2
5は、クリティカル・パス順序設定手段24により決定
された順序に基づいて旧論理回路に対する修正変更を行
なうものである。
【0110】この回路変更手段25は、クリティカル・
パスの遅延時間を改善するために、最大遅延時間エラー
に際しては、クリティカル・パス順序設定手段24によ
り決定された順序に基づいてクリティカル・パス上の接
続を削除してその削除部分に削除したものよりも遅延時
間の小さいピン等を接続するものであり、また複数ファ
ンアウトのピンの場合にはファンアウト数を削減する等
の回路変換を、例えばトランスダクション法(Saburo M
UROGA, et al.,"The Transduction Method-Design of L
ogic Networks Based on Permissible Functions", IEE
E Trans. Comput., vol.C-38, pp.1404-1424, Oct. 198
9 参照)の回路変換技法を仕様して代替回路を生成する
ようになっている(特開平5−151310号公報に開
示された論理回路最適化処理方式参照)。
【0111】一方、回路変更手段25は、最小遅延時間
エラーに際しては、クリティカル・パス順序設定手段2
4により決定された順序に基づいてクリティカル・パス
上に遅延バッファの挿入等を行なうものでもある。そし
て、本実施形態の回路変更手段25は、論理関数計算手
段25A,許容関数計算手段25Bおよび許容関数実現
手段25Cにより構成されている。
【0112】論理関数計算手段25Aは、上述のような
機能を実現すべく、旧論理回路AO2について、PI,
ゲートの入出力ピンおよびPOの各ピンにおいて実現さ
れている論理関数を計算するものである。許容関数計算
手段25Bは、遅延時間計算手段21および遅延時間余
裕値計算手段22により計算された各値と、論理関数計
算手段25Aにより計算された論理関数と、クリティカ
ル・パス順序設定手段24により決定された順序とを参
照しながら、最大遅延時間エラーもしくは最小遅延時間
エラーを解消するために、旧論理回路AO2について、
PI,ゲートの入出力ピンおよびPOの許容関数を計算
するものである。
【0113】許容関数実現手段25Cは、修正変更箇所
における許容関数を実現する新部分論理回路を、旧論理
回路AO2中に論理合成するものである。そして、許容
関数実現成功判定手段27は、許容関数実現手段25に
より修正変更箇所候補についての論理合成に成功したか
否かを判定するもので、成功したと判定した場合には、
次のテクノロジ・マッピング手段18による処理へ移行
する一方、クリティカル・パス順序設定手段24により
順序付けられた全ての修正変更箇所候補についての論理
合成に失敗したと判定した場合には、EC論理合成が不
可能なので、旧論理回路AO2をそのまま出力して処理
を終了する。
【0114】テクノロジ・マッピング手段18は、許容
関数実現手段25Aにより得られたテクノロジに非依存
の新部分論理回路(AND,OR,NAND,NOR等
のプリミティブな論理ゲート表現)を、テクノロジに依
存する新部分論理回路(セル)に変換するものである。
保存手段26は、回路変更手段25およびテクノロジ・
マッピング手段18により得られた修正論理回路AN8
に関するデータを保持しうるもので、旧論理回路AO2
のうち回路変更手段25による修正変更対象とならない
部分の構造を保存するとともに、その構造の表現データ
に、ゲート,ピンまたはネットに既に付与されている名
前を付加して、その名前を保存するものである。
【0115】また、本実施形態でも、第1実施形態の名
前付与手段19と同様、回路変更手段25による旧論理
回路AO2に対する修正変更に伴って新たに追加された
ゲート,ピンまたはネットに対して新たに名前を付与す
る名前付与手段28がそなえられており、この名前付与
手段19により付与された名前は、保存手段17に修正
論理回路データとして追加されるようになっている。
【0116】上述のごとく構成された本発明の第2実施
形態のEC論理合成システム20では、旧論理回路AO
2に対して、最大/最小遅延時間エラーの解消に伴う論
理回路修正(EC論理合成)も自動的に行なうことがで
きる。特に、この第2実施形態では、特開平5−151
310号公報に開示された技術では最大遅延時間エラー
についてのみ解消しているが、最小遅延時間エラーにつ
いても遅延バッファの挿入等により改善可能になる。
【0117】また、名前付与手段19を有することによ
り、遅延時間エラー解消のための修正が行なわれなかっ
たゲートおよびネットの名前を、できる限り保存手段2
6に保存することができる。このように、本発明の第2
実施形態のエンジニアリング・チェンジ論理合成システ
ム20によれば、旧論理回路AO2に対して最大/最小
遅延時間エラーの解消に伴う論理回路修正を自動的に行
なうことができるほか、旧論理回路AO2に既存で修正
変更不要なゲート,ピンまたはネットの名前が保存され
新/旧論理回路に対して配置/配線EC処理を直接的に
適用できるので、第1実施形態と同様に、その論理回路
修正に伴う論理設計から実装設計までのターン・アラウ
ンド時間、引いてはLSI等の設計対象の設計期間を大
幅に短縮できるのである。
【0118】
【発明の効果】以上詳述したように、第1の発明のエン
ジニアリング・チェンジ論理合成システムによれば、論
理関数,仕様関数およびエラー関数が、既に公知の論理
値0,1およびXの3値二分決定グラフで表現され、エ
ラー関数に関する二分決定グラフの複雑度に基づいて旧
論理回路中の適切な修正箇所が求められ、仕様変更(論
理設計誤りの修正を含む)のための論理回路修正が自動
的に行なわれるほか、新/旧論理回路に対して直接的に
配置/配線EC処理を適用でき、その論理回路修正に伴
う論理設計から実装設計までのターン・アラウンド時
間、引いてはLSI等の設計対象の設計期間を大幅に短
縮できる効果がある(請求項1)。
【0119】なお、ゲート数の増分をコストとして評価
しながら新部分論理回路を論理合成することにより、旧
論理回路に対する修正による追加ゲート数をできる限り
少なくできる(請求項2)。また、遅延時間の変動の大
きさをコストとして評価しながら新部分論理回路を論理
合成することにより、旧論理回路の修正による遅延時間
の変動をできる限り小さくできる(請求項3)。
【0120】さらに、新論理回路と旧論理回路との間で
対応関係を得ることのできないPIまたはPOが存在す
る場合、これらのPIまたはPOを旧論理回路に対して
補完することにより、PIまたはPOの追加,削除やビ
ット幅変更を含む修正を容易に行なうことができる(請
求項4)。また、仕様関数およびエラー関数を、旧論理
回路についてのエラー関数が0でない全てのPOから同
時に計算することにより、複数のPOエラー修正を同時
に行なえ、より効率的な処理を実現できる(請求項
5)。
【0121】さらに、旧論理回路のうち修正対象となら
ない部分の構造の表現データに、ゲート,ピンまたはネ
ットに既に付与されている名前が保存されるとともに、
修正により追加されたゲート,ピンまたはネットについ
てのみ新たに名前が付与されるので、旧論理回路に既存
で修正不要なゲート,ピンまたはネットの名前を保存す
ることが可能になるとともに、その保存された名前によ
って、新/旧論理回路に対して配置/配線EC処理を直
接的に且つより容易に適用することができる(請求項
6)。
【0122】一方、第2の発明のエンジニアリング・チ
ェンジ論理合成システムによれば、旧論理回路に対して
最大/最小遅延時間エラーの解消に伴う論理回路修正を
自動的に行なうことができるほか、旧論理回路に既存で
修正変更不要なゲート,ピンまたはネットの名前が保存
され新/旧論理回路に対して配置/配線EC処理を直接
的に適用できるので、その論理回路修正に伴う論理設計
から実装設計までのターン・アラウンド時間、引いては
LSI等の設計対象の設計期間を大幅に短縮できる効果
がある(請求項7)。
【0123】なお、修正変更に伴って追加されたゲー
ト,ピンまたはネットについてのみ新たに名前が付与さ
れるので、旧論理回路に既存で修正不要なゲート,ピン
またはネットの名前を保存することが可能になる(請求
項8)。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の原理ブロック図である。
【図2】第2の発明の原理ブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態としてのエンジニアリン
グ・チェンジ論理合成システムを適用される、仕様変更
処理の流れを説明するための図である。
【図4】本発明の第1実施形態としてのエンジニアリン
グ・チェンジ論理合成システムの構成と本システムによ
る処理の流れとを同時に示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態としてのエンジニアリン
グ・チェンジ論理合成システムの構成と本システムによ
る処理の流れとを同時に示す図である。
【図6】仕様関数の真理値表の例(NORゲートの場
合)を示す図である。
【図7】旧論理回路の具体例を示す図である。
【図8】新論理回路の具体例を示す図である。
【図9】第1実施形態の対応関係抽出手段により、図7
に示す旧論理回路および図8に示す新論理回路から抽出
された対応関係表の具体例を示す図である。
【図10】第1実施形態の対応関係補完手段により、図
7に示す旧論理回路および図8に示す新論理回路から得
られた修正論理回路の具体例を示す図である。
【図11】第1実施形態の対応関係補完手段により更新
された対応関係表の具体例を示す図である。
【図12】図10に示す修正論理回路の要部(組合せ論
理回路)の具体例を示す図である。
【図13】(a),(b)は図12に示す各ゲートの論
理関数を二分決定グラフにより示す図である。
【図14】図8に示す新論理回路の要部(組合せ論理回
路)の具体例を示す図である。
【図15】(a),(b)は図14に示す各ゲートの論
理関数を二分決定グラフにより示す図である。
【図16】第1実施形態の論理検証手段により得られた
論理関数不一致PO表の具体例を示す図である。
【図17】(a),(b)はそれぞれ図12に示すNO
Rゲートの出力ピンにおける仕様関数とエラー関数およ
びその複雑度とを二分決定グラフにより示す図である。
【図18】(a),(b)はそれぞれ図12に示すNO
Rゲートの入力ピンの論理関数を二分決定グラフにより
示す図である。
【図19】(a),(b)はそれぞれ図12に示すNO
Rゲートの入力ピンの仕様関数を二分決定グラフにより
示す図である。
【図20】(a),(b)はそれぞれ図12に示すNO
Rゲートの入力ピンのエラー関数およびその複雑度を二
分決定グラフにより示す図である。
【図21】(a),(b)はそれぞれ図12に示すNO
Rゲートの出力ピンの論理関数と仮エラー関数およびそ
の複雑度とを二分決定グラフにより示す図である。
【図22】(a),(b)はそれぞれ図12に示すNO
Rゲートの出力ピンの論理関数と仮エラー関数およびそ
の複雑度とを二分決定グラフにより示す図である。
【図23】第1実施形態のエラー後方伝播手段により得
られた修正箇所候補表の具体例を示す図である。
【図24】第1実施形態の修正箇所決定手段により更新
された修正箇所候補表(修正箇所決定結果)の具体例を
示す図である。
【図25】図10に示す修正論理回路の要部(組合せ論
理回路)の具体例を示す図である。
【図26】(a),(b)はそれぞれ修正箇所における
所定の仕様関数を実現する部分論理回路の具体例を示す
図である。
【図27】図25に示す回路対して図26(a)に示す
部分論理回路による修正を施した結果を示す図である。
【図28】第1実施形態における修正論理回路データ
(保存手段)を示すとともに、名前付与手段の動作を説
明するための図である。
【図29】本発明の第2実施形態としてのエンジニアリ
ング・チェンジ論理合成システムを適用される、最大/
最小遅延時間エラー解消処理の流れを説明するための図
である。
【図30】本発明の第2実施形態としてのエンジニアリ
ング・チェンジ論理合成システムの構成と本システムに
よる処理の流れとを同時に示す図である。
【図31】従来の処理手順(仕様変更に際し論理合成か
らやり直す場合)を説明するための図である。
【図32】従来の処理手順(仕様変更に際し論理回路を
人手で修正する場合)を説明するための図である。
【図33】従来の処理手順(最大/最小遅延時間エラー
解消に際し論理合成からやり直す場合)を説明するため
の図である。
【図34】従来の処理手順(最大/最小遅延時間エラー
解消に際し論理回路を人手で修正する場合)を説明する
ための図である。
【符号の説明】 1,2,10 エンジニアリング・チェンジ(EC)論
理合成システム 11 対応関係抽出手段 110 対応関係表 111 対応関係補完手段 12,12A,12B 論理関数計算手段 13 論理検証手段 130 論理関数不一致PO表 131 不一致PO判定手段 132 遅延時間制約条件 14 エラー後方伝播手段 140 修正箇所候補表 15 修正箇所決定手段 16 仕様関数実現手段 160 仕様関数実現成功判定手段 17 保存手段 18 テクノロジ・マッピング手段 19 名前付与手段 20 エンジニアリング・チェンジ(EC)論理合成シ
ステム 21 遅延時間計算手段 22 遅延時間余裕値計算手段 220 遅延時間エラー判定手段 23 クリティカル・パス検出手段 24 クリティカル・パス順序設定手段 25 回路変更手段 25A 論理関数計算手段 25B 許容関数計算手段 25C 許容関数実現手段 26 保存手段 27 許容関数実現成功判定手段 28 名前付与手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の仕様記述に基づいて論理合成され
    た論理回路(以下、旧論理回路という)と前記所定の仕
    様記述に変更を施した新仕様記述に基づいて論理合成さ
    れた論理回路(以下、新論理回路という)との間で、外
    部入力ピン,記憶素子からの出力ピンおよび下位レベル
    の論理階層ブロックからの出力ピン〔以下、これらのピ
    ンをPI(Primary Input)と総称する〕、並びに、外部
    出力ピン,記憶素子への入力ピンおよび下位レベルの論
    理階層ブロックへの入力ピン〔以下、これらのピンをP
    O(Primary Output)と総称する〕の対応関係を抽出す
    るための対応関係抽出手段と、 該新論理回路と該旧論理回路とのそれぞれについて、該
    PI,ゲートの入出力ピンおよび該POの各ピンにおい
    て実現されている論理関数を計算する論理関数計算手段
    と、 該論理関数計算手段により計算された該新論理回路のP
    Oについての論理関数と該論理関数計算手段により計算
    された該旧論理回路のPOについての論理関数との等価
    性を、該対応関係抽出手段により抽出された対応関係に
    従って判定する論理検証手段と、 該論理検証手段による判定の結果、該新論理回路と該旧
    論理回路との間で対応関係にある各POにおいて実現さ
    れている各論理関数が異なる場合、該旧論理回路のPO
    で実現されている論理関数を、該新論理関数の対応する
    POで実現されている論理関数に一致させるために、該
    旧論理回路の該PI,該ゲートの入出力ピンおよび該P
    Oの各ピンで実現されるべき論理関数(以下、仕様関数
    という)と、該仕様関数と実際に実現されている論理関
    数との排他的論理和(以下、エラー関数という)とを、
    該旧論理回路のPOから後方(該外部入力ピン側)へ向
    かって探索しながら計算するエラー後方伝播手段と、 該エラー後方伝播手段による探索結果に基づいて該旧論
    理回路における修正箇所を決定する修正箇所決定手段
    と、 該修正箇所決定手段により決定された修正箇所における
    前記仕様関数を実現する新部分論理回路を該旧論理回路
    中に論理合成する仕様関数実現手段と、 該旧論理回路のうち修正対象とならない部分の構造を保
    存する保存手段とをそなえ、 該エラー後方伝播手段が、実際に実現されている論理関
    数,該仕様関数および該エラー関数を、それぞれ論理値
    0,1および不定値を対象とする3値二分決定グラフと
    して表現し、該エラー関数に関する3値二分決定グラフ
    の複雑度に基づいて該旧論理回路中での修正箇所候補を
    求め、 該修正箇所決定手段が、該エラー後方伝播手段により求
    められた該修正箇所候補から、該旧論理回路における適
    切な修正箇所を決定することを特徴とする、エンジニア
    リング・チェンジ論理合成システム。
  2. 【請求項2】 該仕様関数実現手段が、ゲート数の増分
    をコストとして評価しながら該新部分論理回路を論理合
    成することを特徴とする、請求項1記載のエンジニアリ
    ング・チェンジ論理合成システム。
  3. 【請求項3】 テクノロジに依存する論理回路につい
    て、該PIおよび該POに対して与えられた遅延時間制
    約条件を参照し、任意の経路の最大/最小遅延時間を計
    算する遅延時間計算手段をそなえ、 該仕様関数実現手段が、該遅延時間計算手段により計算
    された遅延時間の変動の大きさをコストとして評価しな
    がら該新部分論理回路を論理合成することを特徴とす
    る、請求項1記載のエンジニアリング・チェンジ論理合
    成システム。
  4. 【請求項4】 該対応関係抽出手段により該新論理回路
    と該旧論理回路との間で対応関係を得ることのできない
    PIまたはPOが存在する場合、これらのPIまたはP
    Oを該旧論理回路に対して補完し、修正論理回路として
    出力する対応関係補完手段をそなえ、 該対応関係補完手段により得られた修正論理回路が、該
    論理関数計算手段,該論理検証手段,該エラー後方伝播
    手段,該修正箇所決定手段および該仕様関数実現手段に
    おける該旧論理回路として扱われることを特徴とする、
    請求項1記載のエンジニアリング・チェンジ論理合成シ
    ステム。
  5. 【請求項5】 該エラー後方伝播手段が、該仕様関数お
    よび該エラー関数を、該旧論理回路についての該エラー
    関数が0でない全てのPOから同時に計算することを特
    徴とする、請求項1記載のエンジニアリング・チェンジ
    論理合成システム。
  6. 【請求項6】 該保存手段が、該旧論理回路のうち修正
    対象とならない部分の構造の表現データに、ゲート,ピ
    ンまたはネットに既に付与されている名前を付加して、
    該名前を保存し、 前記新仕様記述に応じた修正によって新たに追加された
    ゲート,ピンまたはネットに対して新たに名前を付与す
    る名前付与手段をそなえたことを特徴とする、請求項1
    記載のエンジニアリング・チェンジ論理合成システム。
  7. 【請求項7】 所定の仕様記述に基づいて論理合成され
    た論理回路(以下、旧論理回路という)について、外部
    入力ピン,記憶素子からの出力ピンおよび下位レベルの
    論理階層ブロックからの出力ピン〔以下、これらのピン
    をPI(Primary Input)と総称する〕、並びに、外部出
    力ピン,記憶素子への入力ピンおよび下位レベルの論理
    階層ブロックへの入力ピン〔以下、これらのピンをPO
    (Primary Output)と総称する〕に対して与えられた遅
    延時間制約条件を参照し、任意の経路の最大/最小遅延
    時間を計算する遅延時間計算手段と、 該旧論理回路について、該PIおよび該POに対して与
    えられた遅延時間制約条件を参照するとともに、該遅延
    時間計算手段による計算結果に基づいて、任意の経路の
    最大/最小遅延時間余裕値およびその積算値である最大
    /最小積算余裕値を計算する遅延時間余裕値計算手段
    と、 該遅延時間余裕値計算手段により計算された最大/最小
    遅延時間余裕値に基づいて、クリティカル・パスを検出
    するクリティカル・パス検出手段と、 該遅延時間余裕値計算手段により計算された最大/最小
    積算余裕値に基づいて、該クリティカル・パス検出手段
    により検出されたクリティカル・パス上のゲートおよび
    入力ピンを、より多くの遅延時間エラーを改善できるも
    のから順に順序付けるためのクリティカル・パス順序設
    定手段と、 該クリティカル・パス順序設定手段により決定された順
    序に基づいて、該旧論理回路に対する修正変更を行なう
    回路変更手段と、 該旧論理回路のうち該回路変更手段による修正変更対象
    とならない部分の構造を保存するとともに、当該構造の
    表現データに、ゲート,ピンまたはネットに既に付与さ
    れている名前を付加して該名前を保存する保存手段とを
    そなえたことを特徴とする、エンジニアリング・チェン
    ジ論理合成システム。
  8. 【請求項8】 該回路変更手段による該旧論理回路に対
    する修正変更に伴って新たに追加されたゲート,ピンま
    たはネットに対して新たに名前を付与する名前付与手段
    をそなえたことを特徴とする、請求項7記載のエンジニ
    アリング・チェンジ論理合成システム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6490710B1 (en) 2000-04-06 2002-12-03 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Logic verification method and apparatus for logic verification
JP2016503923A (ja) * 2012-12-26 2016-02-08 シノプシス, インコーポレイテッドSyn0Psys, Inc. 有用なスキューで最適化を導くためのパイプラインに沿ったタイミングボトルネックの分析

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JP2016503923A (ja) * 2012-12-26 2016-02-08 シノプシス, インコーポレイテッドSyn0Psys, Inc. 有用なスキューで最適化を導くためのパイプラインに沿ったタイミングボトルネックの分析

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