JPH09146954A - 意味解析装置と意味解析方法 - Google Patents

意味解析装置と意味解析方法

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JPH09146954A
JPH09146954A JP7329681A JP32968195A JPH09146954A JP H09146954 A JPH09146954 A JP H09146954A JP 7329681 A JP7329681 A JP 7329681A JP 32968195 A JP32968195 A JP 32968195A JP H09146954 A JPH09146954 A JP H09146954A
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morphemes
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meaning
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JP7329681A
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English (en)
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Shiyouji Torii
肖史 鳥居
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 意味が曖昧な形態素の意味を、文の背景
にある知識を利用するために、言語の使用に関する統計
的なデータである形態素の共起関係の強さを利用して明
確化する。即ち、使用頻度計算部が、共起辞書5を参照
して、使用頻度の高い、共起関係の強い意味情報を、そ
の形態素の意味情報に選定する。 【効果】 意味が曖昧な形態素の意味を文の性質に応じ
て正確に解析できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自然言語を解析す
る情報処理装置における意味解析装置と意味解析方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】情報処理装置による自然言語処理におい
ては、文を形態素解析した後、各語即ち形態素毎にその
意味解析が行われる。従来より、自然言語を入力して解
析するための、情報検索システム、自然言語インタフェ
ース、音声認識システム、機械翻訳システム、要約シス
テム、校正システム、OCR等の情報処理装置での意味
解析には、次のような文献に示される方法が広く使用さ
れている(文献名:丸山宏,渡辺日出雄,“ビットベク
トルによる単語間の意味の近さの近似法”情報処理学会
第36回(昭和63年前期)全国大会3U−9)。
【0003】この方法は、意味が曖昧である形態素の意
味をより明確にするために、意味が曖昧な形態素との意
味的距離が近く、かつ意味がより明確な形態素に付けら
れた意味情報を、その意味が曖昧な形態素の意味情報と
近似する方法である。なお、形態素には、意味情報が付
けられた形態素と意味情報が付けられていない形態素が
ある。この意味情報には、一義である意味情報と多義で
ある意味情報がある。多義である意味情報は、複数の意
味情報を含む意味情報である。一義である意味情報が付
けられた形態素、その一義である意味情報を含む意味情
報が付けられた形態素、その多義である意味情報を含む
多義である意味情報が付けられた形態素、意味情報が付
けられていない形態素の順に、形態素の意味は明確であ
るといえる。また、自立語とは、形態素単独で意味を持
ちえる形態素である。
【0004】例えば、一義である意味情報“外形寸法”
が付けられた形態素「外形寸法」と、一義である意味情
報“用紙サイズ”が付けられた形態素「用紙サイズ」
は、意味情報が付けられていない形態素「サイズ」より
も、意味は明確である。また、形態素の意味を明確にす
ることとは、その形態素に多義である意味情報が付けら
れているなら、その意味情報を、その意味情報が含む多
義である意味情報か、一義である意味情報に変えること
である。また、その形態素に意味情報が付けられていな
いなら、その意味情報を、ある意味情報とすることであ
る。一方、意味が曖昧な形態素とは、多義である意味情
報が付けられた形態素と意味情報が付けられていない形
態素である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の意味解析装置には次のような解決すべき課題が
あった。まず、意味が曖昧である形態素の意味は、文の
背景にある知識を利用することによって、より明確にな
る。上述の従来技術では、文の背景にある知識を利用し
ていない。そのために、適切な意味情報を得られない例
をここに示す。例えば、システムがOA機器の情報を提
示する情報検索システムであるものとする。ここで、ユ
ーザが「そのプリンタのサイズは?」という文を入力し
たとする。この形態素「サイズ」は、意味が曖昧な形態
素である。また、一般的には、「サイズ」と「外形寸
法」の意味的距離は、「サイズ」と「用紙サイズ」の意
味的距離より近い。しかし、一般に、「プリンタ」を話
題にしているときには、「用紙サイズ」について話す頻
度の方が、「外形寸法」について話す頻度よりも高いと
いう文の背景にある知識を利用すれば、ユーザは「サイ
ズ」の一義な意味情報として“外形寸法”ではなく“用
紙サイズ”の方を意図していると判断できる。しかしな
がら、従来技術によれば、意味が曖昧な形態素「サイ
ズ」との意味的距離が近くかつ意味がより明確な形態素
「外形寸法」に付けられた意味情報“外形寸法”を、
「サイズ」の意味情報とするので、ユーザが意図した意
味情報“用紙サイズ”を得ることができない。
【0006】更に、このシステムとユーザが次のように
して対話している場合にも同様のことがいえる。 ユーザ:「最新のプリンタは?」 システム:「803PS2です」 ユーザ:「そのサイズは?」 …… 即ち、ユーザは、「サイズ」の一義な意味情報として
“用紙サイズ”を意図している。しかしながら、従来技
術によると、形態素「サイズ」の意味情報を“外形寸
法”とするので、システムは、ユーザが意図した意味情
報“用紙サイズ”を回答せず“外形寸法”を答えてしま
う。このように、従来技術には、意味が曖昧な形態素の
意味解析に、文の背景にある知識を十分に活用すること
が難しいという問題点があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の点を解決
するため次の構成を採用する。 〈構成1〉意味が曖昧である形態素を、その形態素と意
味的距離が近くかつその意味がその形態素より明確であ
る形態素に置換したときに、置換後の形態素がその文も
しくはその文の前後にある文中の他の形態素と共起関係
が強いなら、置換前の形態素の意味情報を置換後の形態
素の意味情報とする。
【0008】〈構成2〉入力された文を形態素解析する
形態素解析部と、複数の形態素とそれらの間の意味的距
離の対応を記憶する意味的距離記憶部と、形態素とそれ
に付けられた意味情報の対応と、意味情報同士の関係と
して一義か多義か、多義ならどの意味情報に含まれるか
を記憶する意味辞書と、1つの文に含まれる自立語であ
る形態素の並びを作り、更にその形態素の並びにおい
て、前記意味的距離記憶部と意味辞書を用いて、意味が
曖昧な形態素全てを、それと意味的距離が近く、かつ意
味がより明確である形態素に置換し、置換前の形態素1
つに対し置換後の形態素を1つだけ対応させて、置換後
の形態素の並びを網羅する形態素置換部と、複数の形態
素とそれらの間の共起関係の強さの対応を記憶する共起
辞書と、この共起辞書を用いて、置換後の各形態素の並
びの共起関係の強さを表す使用頻度を計算し、前記意味
辞書を用いて、使用頻度が高い置換後の形態素の並びに
おける形態素に付けられた意味情報を、置換前の意味が
曖昧な形態素の意味情報とする使用頻度計算部を備え
る。
【0009】〈構成3〉形態素置換部は、入力された複
数の文に含まれる自立語である形態素の並びを作る。 〈構成4〉形態素置換部は、1つの文が入力されたか複
数の文が入力されたかを判定し、1つの文が入力された
ときには、1つの文に含まれる自立語である形態素の並
びを作り、複数の文が入力されるときには、それらの文
に含まれる自立語である形態素の並びを作る。
【0010】〈構成5〉入力された文を形態素解析する
形態素解析部と、複数の形態素とそれらの間の意味的距
離の対応を記憶する意味的距離記憶部と、形態素とそれ
に付けられた意味情報の対応と、意味情報同士の関係と
して一義か多義か、多義ならどの意味情報に含まれるか
を記憶する意味辞書と、1つの文に含まれる自立語であ
る形態素の並びを作り、更にその形態素の並びにおい
て、前記意味的距離記憶部と意味辞書を用いて、意味が
曖昧な形態素全てを、それと意味的距離が近く、かつ意
味がより明確である形態素に置換するとしたなら、どの
形態素がどの形態素に置換されるかをすべて調べる形態
素置換部と、複数の形態素とそれらの間の共起関係の強
さの対応を記憶する共起辞書と、入力された1つ以上の
文の前後に位置する文中の自立語である形態素を記憶す
る文脈記憶部と、共起辞書を用いて、意味が曖昧な形態
素ごとに、置換後の形態素と前記文脈記憶部に記憶され
ている形態素との使用頻度を計算し、使用頻度が高い形
態素につけられた意味情報を、置換前の意味が曖昧な形
態素の意味情報とする使用頻度計算部を備える。
【0011】〈構成6〉使用頻度計算部は、使用頻度を
計算するときに必要な、ある形態素の組合せの共起関係
の強さが共起辞書に記憶されていない場合は、意味的距
離記憶部を用いて、その組合せが含む形態素を意味的距
離が近い形態素と置換し、共起辞書から置換後の形態素
の組合せの共起関係の強さを得て、その共起関係の強さ
から置換前の形態素の組合せの共起関係の強さを求め
る。
【0012】〈構成7〉形態素置換部は、意味が曖昧な
ある形態素があるときであって、それと意味的距離が近
くかつ意味がより明確である形態素と置換できたかどう
かを判断して、置換できない場合には、外部にその形態
素の意味を問い合わせて、その形態素と同じような意味
を持つ形態素を得る。
【0013】〈構成8〉形態素置換部は、ある置換後の
形態素の並びを生成し、その置換後の形態素の並びの使
用頻度がある値を越えないなら、別の置換後の形態素の
並びを生成し、この処理を繰り返して、使用頻度がある
値を越えた置換後の形態素の並びにおける、形態素に付
けられた意味情報を、置換前の意味が曖昧な形態素の意
味情報とする。
【0014】〈構成9〉形態素置換部は、どの形態素が
どの形態素に置換されるべきかを1つだけ調べて、その
置換後の形態素の使用頻度がある値を越えないなら、別
の1つの形態素について、どの形態素に置換されるべき
かを調べ、この処理を繰り返して、使用頻度がある値を
越えた置換後の形態素における、形態素に付けられた意
味情報を、置換前の意味が曖昧な形態素の意味情報とす
る。
【0015】〈構成10〉使用頻度計算部で使用頻度を
計算するときの処理を、各置換後の形態素の並び毎に、
異なるプロセッサに割当てる並列処理をする。 〈構成11〉使用頻度計算部で使用頻度を計算するとき
の処理を、各置換後の形態素毎に、異なるプロセッサに
割当てる並列処理をする。 〈構成12〉使用頻度計算部は、置換後の形態素と他の
形態素の共起関係の強さに、その形態素同士の文中での
距離に逆比例した数を、ある比率で掛けることにより、
文の中での形態素の距離の違いを、使用頻度の値に反映
させる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
例を用いて説明する。 〈具体例1〉図1は、本発明による意味解析装置の具体
例1の構成を示す。この装置は、形態素解析部1と、意
味的距離記憶部2と、意味辞書3と、形態素置換部4
と、共起辞書5と、使用頻度計算部6とから構成され
る。形態素解析部1は、文を形態素解析する。意味的距
離記憶部2は、複数の形態素とそれらの間の意味的距離
の対応を記憶する。
【0017】図2に、意味的距離記憶部の内容説明図を
示す。例えば、この最初の例では、「サイズ」と「外形
寸法」という形態素の間の意味的距離が3となってい
る。この意味的距離は各種の観点から見た意味の類似度
を表している。意味辞書3は、形態素とそれに付けられ
た意味情報の対応と、意味情報同士の関係として一義か
多義か、多義ならどの意味情報に含まれるかを記憶す
る。
【0018】図3に、意味辞書の内容説明図を示す。例
えば、この最初の例では、「外形寸法」の意味情報は
“外形寸法”であって、一義的なものであることを表し
ている。形態素置換部4は、自立語である形態素の並び
を作る。更にその形態素の並びにおいて、意味的距離記
憶部2と意味辞書3を用いて、意味が曖昧な形態素全て
を、それと意味的距離が近く、かつ意味がより明確であ
る形態素に置換し、置換前の形態素1つに対し置換後の
形態素を1つだけ対応させて、置換後の形態素の並びを
網羅する。
【0019】共起辞書5は、複数の形態素とそれらの間
の共起関係の強さの対応を記憶する。なお、ある複数の
形態素が「共起」しているとは、大量の数の文の集合が
あるとき、近接している一つ以上の文において、それら
の形態素が同時に出現していることである。例えば、
「ネットワークを構築する」という文において、二つの
形態素「ネットワーク」と「構築する」は共起してい
る。更に、「共起関係の強さ」とは、ある複数の形態素
が共起する頻度を正規化した尺度である。二つの形態素
の共起関係の強さの計算方法には、次のような文献に示
される方法がある(文献名:松平正樹、山本由紀夫、坂
本仁、“共起データを用いた単語の意味ネットワークの
作成”情報処理学会第42回(平成3年前期)全国大会
7E−7)。この文献においては、「共起関係の強さ」
を、「共起関係の強さとは、それぞれの単語が全く独立
(一次独立)に出現すると仮定してそれぞれの単語の出
現頻度から共起データの出現頻度の期待値を計算し、そ
の計算値から実際の共起データの出現頻度がどの程度ず
れているかを数値で示したものである。」と定義してい
る。この文献においては、二つの形態素「ネットワー
ク」と「構築する」が共起する頻度は45であり、その
共起関係の強さは30.9である。一方、二つの形態素
「ネットワーク」と「発表する」が共起する頻度は0で
あり、その共起関係の強さは0.7である。
【0020】図4に、共起辞書の内容説明図を示す。例
えばこの最初の例では、「プリンタ」と「外形寸法」と
の共起関係の強さは“5”、次の例では「プリンタ」と
「用紙サイズ」との共起関係の強さは“30”になって
いる。従って、「プリンタ」に関する文では、文中に
「外形寸法」よりも「用紙サイズ」という語が出現する
率が高いことを示している。
【0021】使用頻度計算部6は、共起辞書5を用い
て、各置換後の形態素の並びの共起関係の強さを表す使
用頻度を計算し、意味辞書3を用いて、使用頻度が大き
い置換後の形態素の並びにおける形態素に付けられた意
味情報を、置換前の意味が曖昧な形態素の意味情報とす
る。意味的距離記憶部2には、2つの形態素の対とその
意味的距離の対応を記憶する辞書や、意味的距離が近い
形態素の集合を記憶する類義語辞書や、意味的距離が近
い形態素の集合と更にその集合相互の間の意味的距離を
記憶するシソーラス等を用いる。
【0022】図5には、具体例1の装置の動作フローチ
ャートを示す。まず、ステップS1において、形態素解
析部1で文を形態素解析する。ステップS2において、
形態素置換部4で、自立語である形態素の並びを作る。
その形態素の並びにおいて、意味的距離記憶部2と意味
辞書3とを用いて、意味が曖昧な形態素全てを、それと
意味的距離が近く、かつ意味がより明確である形態素に
置換する。こうして、置換前の形態素1つに対し置換後
の形態素を1つだけ対応させて、置換後の形態素の並び
を網羅する。ここで、形態素の並びによっては意味が曖
昧な形態素を複数含み、また、形態素によっては複数の
形態素と置換されるので、1つ以上の置換後の形態素の
並びが得られる。ステップS3において、使用頻度計算
部6で、共起辞書5を使って、各置換後の形態素の並び
の使用頻度を計算し、意味辞書3を用いて、使用頻度が
大きい置換後の形態素の並びにおける形態素に付けられ
た意味情報を、置換前の意味が曖昧な形態素の意味情報
とする。
【0023】ステップS3における使用頻度計算部6で
の使用頻度の計算方法は、例えば次のような方法であ
る。共起辞書5は、図4に示したように、2つの形態素
とそれらの間の共起関係の強さの対応を記憶する辞書で
ある。まず、置換後の形態素の並びの中の形態素からな
る2つの形態素の対を列挙する。共起辞書5を使って、
各対の共起関係の強さを求め、その共起関係の強さの総
和を使用頻度とする。ただし、共起辞書5に記憶されて
いない2つの形態素の共起関係の強さは、“0”等のあ
る一定の値とする。ところで、文の中での形態素の距離
が小さいほど、それらの形態素が互いの意味に与える影
響は大きいと考えられる。文の中での形態素の距離の違
いを、使用頻度の値に反映させる方法には、例えば、置
換後の形態素と他の形態素の共起関係の強さに、その形
態素同士の文中での距離に逆比例した数を、ある比率で
掛ける。その総和を使用頻度とする。
【0024】図5に示したフローチャートに沿って、具
体例1の処理の実際の例を以下に簡単に示す。システム
がOA機器の情報を提示する情報検索システムであり、
ユーザが「そのプリンタのサイズは?」という文を入力
したとする。まず、ステップS1において、この入力文
を形態素解析する。こうして、ステップS2において、
置換前の形態素の並び(「プリンタ」,「サイズ」)を
得る。図3の意味辞書を参照すれば、「プリンタ」は一
義である意味情報が付けられた形態素であり、「サイ
ズ」は意味情報が付けられていない形態素であることが
分かる。即ち「サイズ」は意味が曖昧な形態素である。
ここで、ある2つの形態素の対の意味的距離が“10”
以内なら、それらの形態素は意味的距離が近いとすると
いう基準を設ける。この基準に従って、図2の意味的距
離記憶部を参照すれば、この形態素の並びにおいて、
「サイズ」を、それと意味的距離が近く、かつ意味がよ
り明確である形態素「外形寸法」と「用紙サイズ」とに
置換することができる。こうして、置換後は、形態素の
並び No.1(「プリンタ」,「外形寸法」)と形態素の
並び No.2(「プリンタ」,「用紙サイズ」)を得る。
次に、ステップS3で使用頻度を計算する。使用頻度は
図4の共起辞書を参照して、置換後の形態素の並び No.
1で“5”、置換後の形態素の並び No.2で“30”と
なる。従って、「サイズ」の意味情報として、使用頻度
の高い方を選択し、置換後の形態素の並び No.2におけ
る「用紙サイズ」を得る。この「用紙サイズ」に付けら
れた意味情報を図3に示した意味辞書を参照して“用紙
サイズ”を得る。
【0025】〈具体例1の効果〉以上により、1つの文
が入力されるときに、その文に含まれる意味が曖昧な形
態素の意味を、文の背景にある知識として、言語の使用
に関する統計的なデータである「形態素の共起関係の強
さ」を利用することにより明確にできる。
【0026】〈具体例2〉この具体例2の装置のブロッ
ク構成は、図1に示すものと同一である。なお、形態素
置換部4は、具体例1において、1つの文に含まれる自
立語である形態素の並びを作った。一方、この具体例2
においては、入力された複数の文に含まれる自立語であ
る形態素の並びを作る。
【0027】具体例2の動作フローチャートも、図5に
示した具体例1とその構成は同一である。なお、ステッ
プS2では、具体例1において、形態素置換部4で、1
つの文に含まれる自立語である形態素の並びを作った。
一方、具体例2においては、入力された複数の文に含ま
れる自立語である形態素の並びを作る。
【0028】図5に示したフローチャートに沿って、具
体例2の処理の実際の例を以下に簡単に示す。ユーザが
「そのプリンタを使いたい。そのサイズは?」という複
数の文を入力したとする。ユーザは1番目の文で、形態
素「プリンタ」と「使う」を使うことで、2番目の文の
「サイズ」の意味として“外形寸法”ではなく“用紙サ
イズ”の方を意図している。ステップS2において、置
換前の形態素の並び(「プリンタ」,「使う」,「サイ
ズ」)を得る。この形態素の並びにおいて、具体例1と
同様にして、図2の意味的距離記憶部の内容を参照し
て、「サイズ」を、それと意味的距離が近く、かつ意味
が明確である形態素「外形寸法」と「用紙サイズ」とに
置換する。置換後は、形態素の並び No.1(「プリン
タ」,「使う」,「外形寸法」)と形態素の並び No.2
(「プリンタ」,「使う」,「用紙サイズ」)を得る。
ステップS3で使用頻度を計算する。
【0029】具体例1と同様に、使用頻度は共起関係の
強さの和とする。従って、図4を参照して、「プリン
タ」と「使う」の形態素の対は共起関係の強さが“2
0”、「プリンタ」と「外形寸法」の形態素の対は共起
関係の強さが“5”だから、形態素の並び(「プリン
タ」、「使う」、「外形寸法」)の使用頻度は“20+
5”即ち“25”となる。こうして、使用頻度は、置換
後の形態素の並び No.1で“25”、置換後の形態素の
並び No.2で“50”となる。以下具体例1と同様に使
用頻度の大きい方を選択して、「サイズ」の明確な意味
として、置換後の形態素の並び No.2における“用紙サ
イズ”を得る。
【0030】〈具体例2の効果〉この具体例2において
は、1つの文に含まれる自立語である形態素の並びを作
る代わりに、入力された複数の文に含まれる自立語であ
る形態素の並びを作る。従って、入力された複数の文に
含まれる意味が曖昧な形態素の意味を、それらの文の背
景にある知識として、それらの文に含まれる形態素の、
共起関係の強さを利用することにより明確にできる。
【0031】〈具体例3〉具体例3の装置のブロック構
成は図1に示した具体例1と同一である。なお、形態素
置換部4は、具体例1において、1つの文に含まれる自
立語である形態素の並びを作った。一方、具体例3にお
いては、1つの文が入力されたか複数の文が入力された
かを判定し、1つの文が入力されたときには、1つの文
に含まれる自立語である形態素の並びを作り、複数の文
が入力されるときには、それらの文に含まれる自立語で
ある形態素の並びを作る。即ち、具体例1の装置の機能
と具体例2の装置の機能を併せ持つ。
【0032】具体例3の動作フローチャートも、図5に
示した具体例1とその構成は同一である。なお、ステッ
プS2において、具体例1では、形態素置換部4で、1
つの文に含まれる自立語である形態素の並びを作った。
一方、具体例3においては、1つの文が入力されたか複
数の文が入力されたかを判定し、1つの文が入力された
ときには、1つの文に含まれる自立語である形態素の並
びを作り、複数の文が入力されたときには、それらの文
に含まれる自立語である形態素の並びを作る。
【0033】〈具体例3の効果〉具体例1において、1
つの文が入力されたか複数の文が入力されたかを判定
し、1つの文が入力されたときには、1つの文に含まれ
る自立語である形態素の並びを作り、複数の文が入力さ
れたときには、それらの文に含まれる自立語である形態
素の並びを作るので、入力された1つ以上の文に含まれ
る意味が曖昧な形態素の意味を、それらの文の背景にあ
る知識として、それらの文に含まれる形態素の、共起関
係の強さを利用することにより明確にできる。
【0034】〈具体例4〉図6には、具体例4の装置の
ブロック図を示す。この装置には、図1に示した装置に
対して、文脈記憶部7が追加されている。図の形態素置
換部4は、自立語である形態素の並びを作る。その形態
素の並びにおいて、意味的距離記憶部2と、意味辞書3
を用いて、意味が曖昧な形態素全てを、それと意味的距
離が近く、かつ意味がより明確である形態素に置換する
なら、どの形態素がどの形態素に置換されるかを全て調
べる。使用頻度計算部6は、共起辞書5を用いて、意味
が曖昧な形態素毎に、置換後の形態素とシステムに記憶
されているそれらの文の前後に位置する文の中の形態素
との使用頻度を計算し、使用頻度が高い形態素の意味情
報を、意味が曖昧な形態素の意味情報とする。文脈記憶
部7は、入力された1つ以上の文の前後に位置する文の
中の自立語である形態素を記憶する。図7には入力され
る文の例、図8と図9には処理前後の文脈記憶部の内容
を示した。この具体的な説明は後述する。
【0035】〈具体例4の動作〉図10は、具体例4の
動作フローチャートである。ステップS1は、具体例1
〜3のステップS1と同一の処理を行う。ステップS2
において、形態素置換部4で、形態素の並びにおいて、
意味が曖昧な形態素全てを、それと意味的距離が近く、
かつ意味がより明確である形態素に置換するなら、どの
形態素がどの形態素に置換されるかを全て調べる。ステ
ップS3において、使用頻度計算部6で、意味が曖昧な
形態素毎に、置換後の形態素とシステムに記憶されてい
るそれらの文の前後に位置する文の中の形態素との使用
頻度を計算し、使用頻度が高い形態素の意味情報を、意
味が曖昧な形態素の意味情報とする。更に、ステップS
4においては、文脈記憶部7に、入力された文に含まれ
る自立語である形態素を記憶する。ここで、意味が曖昧
な形態素は、その代わりに、使用頻度が高い置換後の形
態素の方を記憶する。
【0036】ステップS3における使用頻度計算部6で
の使用頻度の計算方法は、例えば次のような方法とな
る。共起辞書5は、図4に示したように、2つの形態素
とそれらの間の共起関係の強さの対応を記憶している。
まず、置換後の形態素と文脈記憶部7に記憶されている
形態素からなる2つの形態素の対を列挙する。共起辞書
5を使って、各対の共起関係の強さを求め、その共起関
係の強さの総和を使用頻度とする。ところで、1つ以上
の文の中での形態素の距離が小さいほど、それらの形態
素が互いの意味に与える影響は大きいと考えられる。1
つ以上の文の中での形態素の距離の違いを使用頻度の値
に反映させる方法は、例えば次のような方法である。即
ち、置換後の形態素の並びの中の形態素からなる列挙さ
れた2つの形態素の対の共起関係の強さに、その形態素
同士の1つ以上の文の中での距離に逆比例した係数を掛
け、その総和を使用頻度とする。
【0037】図10のフローチャートに沿って、具体例
4の処理の実際の例を以下に簡単に示す。まず、システ
ムとユーザが図7に示す対話をしており、今、最後の文
が入力されたとする。ユーザは最後の入力文の前までに
形態素「プリンタ」が現れていることで、「サイズ」の
意味として“外形寸法”ではなく“用紙サイズ”の方を
意図している。ここで、文脈記憶部7には、図8に示す
ように、処理中の文の前に位置する文に含まれる自立語
である形態素を記憶している。図10のステップS2に
おいて、形態素の並び(「サイズ」)を得る。形態素
「サイズ」は、置換されるなら「外形寸法」と「用紙サ
イズ」に置換される。
【0038】ステップS3において、使用頻度を計算す
る。置換後の形態素「外形寸法」の方は、それと文脈記
憶部7に記憶されている形態素からなる2つの形態素の
対を列挙すると、(「外形寸法」,「最新」),(「外
形寸法」,「プリンタ」),(「外形寸法」,「803
PS2」)である。図4の共起辞書を参照すると、「プ
リンタ」と「外形寸法」の対のみ共起関係の強さ“5”
を得る。従って、使用頻度は“0+5+0”により
“5”である。形態素「用紙サイズ」の方は、同様に、
(「用紙サイズ」,「最新」),(「用紙サイズ」,
「プリンタ」),(「用紙サイズ」,「803PS
2」)であるので、使用頻度は“0+30+0”により
“30”である。従って、「サイズ」のより明確な意味
として、使用頻度の大きい方を選択して置換後の形態素
「用紙サイズ」の意味情報“用紙サイズ”を得る。こう
して、ステップS4において、文脈記憶部7に、意味が
曖昧な形態素「サイズ」の代わりに、使用頻度が高い置
換後の形態素「用紙サイズ」を記憶する。図9には、こ
れらの処理が終了した後の文脈記憶部7に記憶されてい
る形態を示す。
【0039】〈具体例4の効果〉1つ以上の文が入力さ
れ、それらの文に含まれる意味が曖昧な形態素の意味
を、文の背景にある知識として、システムに記憶されて
いるそれらの文の前後に位置する文の中の形態素との共
起関係の強さを利用して解析するので、その意味をより
明確にできる。
【0040】〈具体例5〉意味的距離が近い形態素の使
われ方は似ていると考えられる。従って、ある形態素の
共起関係が強いなら、それらと意味的距離が近い形態素
同士も共起関係が強いと考えられる。使用頻度を計算す
るときに必要な、ある形態素の組合せの共起関係の強さ
が、共起辞書5に記憶されていない場合がある。このと
き、その共起関係の強さを“0”等のある一定の値とす
るのではなく、共起関係の強さをより適切に求めたい。
そこで、具体例1〜4において、使用頻度を計算すると
きに必要な、ある形態素の組合せの共起関係の強さが共
起辞書に記憶されていない場合は、意味的距離記憶部2
を用い、その組合せが含む形態素を意味的距離が近い形
態素と置換する。更に共起辞書から置換後の形態素の組
合せの共起関係の強さを得て、その共起関係の強さから
置換前の形態素の組合せの共起関係の強さを求める。
【0041】置換後の形態素の組合せの共起関係の強さ
から置換前の形態素の組合せの共起関係の強さを求める
方法には、置換後の形態素の組合せの共起関係の強さを
置換前の形態素の組合せの共起関係の強さとする方法
や、互いの意味的距離がより大きい形態素の置換による
ほど共起関係の強さがより低下すると仮定し、置換後の
形態素の組合せの共起関係の強さに、置換前後の形態素
の意味的距離の逆数に応じた係数を掛けて置換前の形態
素の組合せの共起関係の強さを求める方法等がある。
【0042】図11は、具体例5を具体例1〜3におい
て実施する場合の構成を示すブロック図である。この各
ブロックの概要は図1の構成と同一である。しかし、そ
のブロックの機能が異なる。即ち、具体例1〜3におい
て、使用頻度計算部6は、使用頻度を計算するときに必
要なある形態素の組合せの共起関係の強さが共起辞書5
に記憶されていない場合は、その共起関係の強さを
“0”等のある一定の値とするか、使用頻度を計算する
ことができない。一方、具体例5においては、使用頻度
計算部6は、使用頻度を計算するときに必要なある形態
素の組合せの共起関係の強さが共起辞書5に記憶されて
いない場合は、意味的距離記憶部2を参照する。そし
て、その組合せが含む形態素を意味的距離が近い形態素
と置換し、共起辞書5から置換後の形態素の組合せの共
起関係の強さを得る。その共起関係の強さから、置換前
の形態素の組合せの共起関係の強さを求めるようにして
いる。
【0043】フローチャートは、具体例1〜3と同様
に、図5に示した通りの構成となる。なお、ステップS
3において、使用頻度計算部6では、具体例1〜3にお
いて、使用頻度を計算するときに必要なある形態素の組
合せの共起関係の強さが共起辞書に記憶されていない場
合は、その共起関係の強さを“0”等のある一定の値と
するか、使用頻度を計算できなかった。一方、具体例5
においては、使用頻度を計算するときに必要なある形態
素の組合せの共起関係の強さが共起辞書に記憶されてい
ない場合は、意味的距離記憶部2を用いて、その組合せ
が含む形態素を意味的距離が近い形態素と置換し、共起
辞書から置換後の形態素の組合せの共起関係の強さを得
る。その共起関係の強さから置換前の形態素の組合せの
共起関係の強さを求める。例えば、図4の共起辞書には
「プリンタ」と「外寸」の対の共起関係の強さは示され
ていないが、「プリンタ」と「外形寸法」の対のそれは
示されている。また、図2の意味的距離記憶部の内容か
ら、「外寸」と「外形寸法」の距離は近い。従って、
「プリンタ」と「外寸」の共起関係の強さも“5”とす
ることができる。
【0044】〈具体例5の効果〉使用頻度を計算すると
きに必要なある形態素の組合せの共起関係の強さが共起
辞書5に記憶されていない場合に、意味的距離記憶部を
用い、その組合せが含む形態素を意味的距離が近い形態
素と置換し、共起辞書から置換後の形態素の組合せの共
起関係の強さを得て、その共起関係の強さから置換前の
形態素の組合せの共起関係の強さを求めるので、共起関
係の強さをより適切に求めることができる。また、この
具体例4は、具体例5と組み合わせることもできる。
【0045】〈具体例6〉この具体例6では、具体例1
〜4において、意味が曖昧なある形態素と、意味的距離
が近くかつ意味がより明確である形態素が1つもない場
合でも、意味が曖昧な形態素の意味を明確にできるよう
にするために、ユーザにその形態素の意味を問い合わ
せ、ユーザからその形態素と同じような意味を持つ形態
素を得る。
【0046】図12は、具体例6を具体例1〜3におい
て実施する場合の装置の構成を示すブロック図である。
ここでは、図1に示した装置に対し、意味質問処理部8
を新たに付け加えた。なお、形態素置換部4には、意味
が曖昧な形態素があるなら、それと意味的距離が近く、
かつ意味がより明確である形態素と置換できるかを判定
する機能が加えられている。意味質問処理部8は、ユー
ザに形態素の意味を問い合わせ、ユーザからその形態素
と同じような意味を持つ形態素を得る機能を持つ。
【0047】図13には、具体例6の動作フローチャー
トを示す。この図のステップS1,S2,S4は、それ
ぞれ図5に示したステップS1,S2,S3と同じであ
る。この図13のステップS3において、形態素置換部
4で、意味が曖昧な形態素があるなら、それを、それと
意味的距離が近く、かつ意味がより明確である形態素と
置換できたか判定する。この判定の結果が、「置換でき
た」であるなら、ステップS4へ進む。この判定の結果
が、「置換できなかった」であるなら、ステップS5へ
進む。意味が曖昧な形態素がないなら、ステップS4へ
進む。ステップS5において、意味質問処理部8で文の
中の意味が曖昧な形態素のうち、置換できなかった形態
素の意味をユーザに問い合わせ、ユーザがその形態素の
意味を同じような意味を持つ形態素を入力することによ
り回答する。ステップS5の後、処理はステップS2へ
と進む。
【0048】図13のフローチャートに沿って、具体例
6の処理の実際の例を以下に簡単に示す。ユーザが「そ
のプリンタの紙サイズは?」という文を入力したとす
る。まず、ステップS1においてこの文を形態素解析す
る。ステップS2において、置換前の形態素の並び
(「プリンタ」,「紙サイズ」)を得る。「紙サイズ」
は図3の意味辞書に無く、意味が曖昧な形態素である
が、図2の内容を参照しても、これと意味的距離が近く
かつ意味がより明確である形態素は1つもない。そこで
ステップS3において、判定は、「置換できなかった」
となるので、ステップS5へ進む。ステップS5におい
て、意味質問処理部8で、ユーザに「“紙サイズ”とは
何ですか?」と聞く。こうして置換できなかった形態素
「紙サイズ」の意味をユーザに問い合わせる。ここで、
ユーザが「サイズ」と入力したとする。ステップS2へ
と進み、形態素「サイズ」が意味が曖昧な形態素である
ので、図2の内容を参照し、これと意味的距離が近くか
つ意味がより明確である形態素「外形寸法」と「用紙サ
イズ」に置換し、置換後の形態素の並び(「プリン
タ」,「外形寸法」)と(「プリンタ」,「用紙サイ
ズ」)を得る。ステップS3において、判定は、「置換
できた」となるので、ステップS4へ進む。ステップS
4における処理は、具体例1の対応する処理と同じであ
る。
【0049】〈具体例6の効果〉具体例1〜4におい
て、意味が曖昧なある形態素と、意味的距離が近くかつ
意味がより明確である形態素が1つもない場合に、ユー
ザにその形態素の意味を問い合わせ、ユーザからその形
態素と同じような意味を持つ形態素を得るので、意味が
曖昧なある形態素と、意味的距離が近くかつ意味がより
明確である形態素が1つもない場合でも、意味が曖昧な
形態素の意味を明確にできる。なお、具体例6を具体例
4と組み合わせて実施することも可能である。
【0050】〈具体例7〉この具体例7では、これまで
紹介した具体例の処理の高速化を図る。このために、形
態素置換部4で、置換後の形態素の並びを全て網羅する
のではなく、ある置換後の形態素の並びを生成し、その
置換後の形態素の並びの使用頻度がある値を越えないな
ら、他の置換後の形態素の並びを生成する。この処理を
繰り返し、使用頻度がある値を越えた置換後の形態素の
並びにおける、形態素に付けられた意味情報を、置換前
の意味が曖昧な形態素の意味情報とする。具体例1〜3
の実施の場合には以上の処理をするが、具体例4におい
ては次の処理を行う。即ち、置換後の形態素を全て網羅
するのではなく、ある置換後の形態素とシステムが記憶
している形態素との使用頻度がある値を越えないなら、
他の置換後の形態素とシステムが記憶している形態素と
の使用頻度の計算を繰り返す。そして、使用頻度がある
値を越えた置換後の形態素に付けられた意味情報を、置
換前の意味が曖昧な形態素の意味情報とする。
【0051】図14は、具体例7を具体例1〜3におい
て実施する場合の装置の構成を示すブロック図である。
この具体例7では、図1の装置に対し、妥当性判定部9
を付け加えている。なお、具体例1〜3において、形態
素置換部4は、置換後の形態素の並びを全て網羅する
が、具体例7においては、形態素置換部4は、ある置換
後の形態素の並びを生成する。また、具体例1〜3にお
いては、使用頻度計算部6は、意味辞書3を用いて、使
用頻度が大きい置換後の形態素の並びにおける形態素に
付けられた意味情報を、置換前の意味が曖昧な形態素の
意味情報とする。一方、具体例7においては、使用頻度
計算部6はその処理をしない。妥当性判定部9は、ある
置換後の形態素の並びの使用頻度が、ある値を越えない
なら形態素置換部4に処理を戻し、ある値を越えるな
ら、意味辞書3を用いて、その置換後の形態素の並びに
おける形態素に付けられた意味情報を、置換前の意味が
曖昧な形態素の意味情報とする。
【0052】図15は、具体例7を具体例1〜3におい
て実施する場合の動作フローチャートである。ステップ
S1,S2,S3では、それぞれ図5のステップS1,
2,3と同じ処理を実行する。ただし、具体例1〜3に
おいて、ステップS2では、形態素置換部4で、置換後
の形態素の並びを全て網羅するが、具体例7において
は、ステップS2において、形態素置換部4で、まだ生
成していないある置換後の形態素の並びを生成する。ま
た、具体例1〜3において、ステップS3では、使用頻
度計算部6で、意味辞書3を用いて、使用頻度が大きい
置換後の形態素の並びにおける形態素に付けられた意味
情報を、置換前の意味が曖昧な形態素の意味情報とす
る。一方、具体例7においては、ステップS3におい
て、使用頻度計算部6はその処理をしない。ステップS
4において、妥当性判定部9で、ある置換後の形態素の
並びの使用頻度が、ある値を越えるか判定する。この判
定がある値を越えないなら、ステップS2へ戻る。この
判定がある値を越えるなら、ステップS5へ進む。ステ
ップS5において、妥当性判定部9で、意味辞書3を用
いて、使用頻度がある値を越えると判定された置換後の
形態素の並びにおける形態素に付けられた意味情報を、
置換前の意味が曖昧な形態素の意味情報とする。
【0053】例えば、具体例1の処理の例では、形態素
の並び No.1(「プリンタ」,「外径寸法」)と形態素
の並び No.2(「プリンタ」,「用紙サイズ」)を得、
使用頻度は形態素の並び No.1で“5”、形態素の並び
No.2で“30”を得る。しかし、具体例7では、ま
ず、形態素の並び No.2(「プリンタ」,「用紙サイ
ズ」)のみを得、その使用頻度は“30”であることを
得る。ここで、使用頻度の閾値が“20”であるとする
と、形態素の並び No.2の使用頻度は閾値以上であり、
「サイズ」の意味情報として、“用紙サイズ”を得る。
従って、形態素の並び No.2のみを処理するので、処理
を高速化できる。
【0054】具体例1〜3においては、形態素置換部
で、置換後の形態素の並びを全て網羅するのではなく、
ある置換後の形態素の並びを生成し、その置換後の形態
素の並びの使用頻度がある値を越えないなら、他の置換
後の形態素の並びを生成することを繰り返し、使用頻度
がある値を越えた置換後の形態素の並びにおける形態素
に付けられた意味情報を、置換前の意味が曖昧な形態素
の意味情報とするので、処理を高速化できる。なお、具
体例7を具体例4と組み合わせて実施することも可能で
ある。
【0055】〈具体例8〉この具体例8では、使用頻度
計算部で使用頻度を計算するときの処理を、具体例1〜
4においては各置換後の形態素の並び毎に、異なるプロ
セッサに割当てる等の並列処理をする構成とする。具体
例1〜3においては、図5に示したステップS3で、こ
のステップでの処理を、各置換後の形態素の並び毎に異
なるプロセッサに割り当てる。具体例4においては、図
10に示したステップS3で、まずこのステップでの処
理を、各置換後の形態素の並び毎に異なるプロセッサに
割り当てる。
【0056】〈具体例8の効果〉使用頻度計算部で使用
頻度を計算するときの処理を、具体例1〜4においては
各置換後の形態素の並び毎に、異なるプロセッサに割り
当てる等の並列処理をするので、処理が高速化できる。
なお、具体例1〜8では、入力が自然言語であるとして
説明したが、入力が自然言語の単語を論理結合子で結合
した検索論理式であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による意味解析装置のブロック図であ
る。
【図2】意味的距離記憶部の内容説明図である。
【図3】意味辞書の内容説明図である。
【図4】共起辞書の内容説明図である。
【図5】本発明の装置の動作フローチャートである。
【図6】具体例4の装置のブロック図である。
【図7】入力される文の例説明図である。
【図8】処理前の文脈記憶部の内容説明図である。
【図9】処理後の文脈記憶部の内容説明図である。
【図10】具体例4の動作フローチャートである。
【図11】具体例5の装置のブロック図である。
【図12】具体例6の装置のブロック図である。
【図13】具体例6の動作フローチャートである。
【図14】具体例7の装置のブロック図である。
【図15】具体例7の動作フローチャートである。
【符号の説明】
1 態素解析部 2 意味的距離記憶部 3 意味辞書 4 形態素置換部 5 共起辞書 6 使用頻度計算部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 意味が曖昧である形態素を、その形態素
    と意味的距離が近くかつその意味がその形態素より明確
    である形態素に置換したときに、 置換後の形態素がその文もしくはその文の前後にある文
    中の他の形態素と共起関係が強いなら、置換前の形態素
    の意味情報を置換後の形態素の意味情報とすることを特
    徴とする意味解析方法。
  2. 【請求項2】 入力された文を形態素解析する形態素解
    析部と、 複数の形態素とそれらの間の意味的距離の対応を記憶す
    る意味的距離記憶部と、 形態素とそれに付けられた意味情報の対応と、意味情報
    同士の関係として一義か多義か、多義ならどの意味情報
    に含まれるかを記憶する意味辞書と、 1つの文に含まれる他の自立語である形態素の並びを作
    り、更にその形態素の並びにおいて、前記意味的距離記
    憶部と意味辞書を用いて、意味が曖昧な形態素全てを、
    それと意味的距離が近く、かつ意味がより明確である形
    態素に置換し、置換前の形態素1つに対し置換後の形態
    素を1つだけ対応させて、置換後の形態素の並びを網羅
    する形態素置換部と、 複数の形態素とそれらの間の共起関係の強さの対応を記
    憶する共起辞書と、 この共起辞書を用いて、置換後の各形態素の並びの共起
    関係の強さを表す使用頻度を計算し、前記意味辞書を用
    いて、使用頻度が高い置換後の形態素の並びにおける形
    態素に付けられた意味情報を、置換前の意味が曖昧な形
    態素の意味情報とする使用頻度計算部を備えたことを特
    徴とする意味解析装置。
  3. 【請求項3】 形態素置換部は、入力された複数の文に
    含まれる自立語である形態素の並びを作ることを特徴と
    する請求項1に記載の意味解析装置。
  4. 【請求項4】 形態素置換部は、1つの文が入力された
    か複数の文が入力されたかを判定し、1つの文が入力さ
    れたときには、1つの文に含まれる自立語である形態素
    の並びを作り、複数の文が入力されるときには、それら
    の文に含まれる自立語である形態素の並びを作ることを
    特徴とする請求項1に記載の意味解析装置。
  5. 【請求項5】 入力された文を形態素解析する形態素解
    析部と、 複数の形態素とそれらの間の意味的距離の対応を記憶す
    る意味的距離記憶部と、 形態素とそれに付けられた意味情報の対応と、意味情報
    同士の関係として一義か多義か、多義ならどの意味情報
    に含まれるかを記憶する意味辞書と、 1つの文に含まれる自立語である形態素の並びを作り、
    更にその形態素の並びにおいて、前記意味的距離記憶部
    と意味辞書を用いて、意味が曖昧な形態素全てを、それ
    と意味的距離が近く、かつ意味がより明確である形態素
    に置換するとしたなら、どの形態素がどの形態素に置換
    されるかをすべて調べる形態素置換部と、 複数の形態素とそれらの間の共起関係の強さの対応を記
    憶する共起辞書と、 入力された1つ以上の文の前後に位置する文中の自立語
    である形態素を記憶する文脈記憶部と、 共起辞書を用いて、意味が曖昧な形態素ごとに、置換後
    の形態素と前記文脈記憶部に記憶されている形態素との
    使用頻度を計算し、使用頻度が高い形態素につけられた
    意味情報を、置換前の意味が曖昧な形態素の意味情報と
    する使用頻度計算部を備えたことを特徴とする意味解析
    装置。
  6. 【請求項6】 使用頻度計算部は、使用頻度を計算する
    ときに必要な、ある形態素の組合せの共起関係の強さが
    共起辞書に記憶されていない場合は、意味的距離記憶部
    を用いて、その組合せが含む形態素を意味的距離が近い
    形態素と置換し、共起辞書から置換後の形態素の組合せ
    の共起関係の強さを得て、その共起関係の強さから置換
    前の形態素の組合せの共起関係の強さを求めることを特
    徴とする請求項2から5に記載の意味解析装置。
  7. 【請求項7】 形態素置換部は、意味が曖昧なある形態
    素があるときであって、それと意味的距離が近くかつ意
    味がより明確である形態素と置換できたかどうかを判断
    して、置換できない場合には、外部にその形態素の意味
    を問い合わせて、その形態素と同じような意味を持つ形
    態素を得ることを特徴とする請求項2から5に記載の意
    味解析装置。
  8. 【請求項8】 形態素置換部は、ある置換後の形態素の
    並びを生成し、その置換後の形態素の並びの使用頻度が
    ある値を越えないなら、別の置換後の形態素の並びを生
    成し、この処理を繰り返して、使用頻度がある値を越え
    た置換後の形態素の並びにおける、形態素に付けられた
    意味情報を、置換前の意味が曖昧な形態素の意味情報と
    することを特徴とする請求項2から4に記載の意味解析
    装置。
  9. 【請求項9】 形態素置換部は、どの形態素がどの形態
    素に置換されるべきかを1つだけ調べて、その置換後の
    形態素の使用頻度がある値を越えないなら、別の1つの
    形態素について、どの形態素に置換されるべきかを調
    べ、この処理を繰り返して、使用頻度がある値を越えた
    置換後の形態素における、形態素に付けられた意味情報
    を、置換前の意味が曖昧な形態素の意味情報とすること
    を特徴とする請求項5に記載の意味解析装置。
  10. 【請求項10】 使用頻度計算部で使用頻度を計算する
    ときの処理を、各置換後の形態素の並び毎に、異なるプ
    ロセッサに割当てる並列処理をすることを特徴とする請
    求項2から4に記載の意味解析装置。
  11. 【請求項11】 使用頻度計算部で使用頻度を計算する
    ときの処理を、各置換後の形態素毎に、異なるプロセッ
    サに割当てる並列処理をすることを特徴とする請求項5
    に記載の意味解析装置。
  12. 【請求項12】 使用頻度計算部は、 置換後の形態素と他の形態素の共起関係の強さに、その
    形態素同士の文中での距離に逆比例した数を、ある比率
    で掛けることにより、文の中での形態素の距離の違い
    を、使用頻度の値に反映させることを特徴とする請求項
    2から11に記載の意味解析装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8126712B2 (en) 2005-02-08 2012-02-28 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Information communication terminal, information communication system, information communication method, and storage medium for storing an information communication program thereof for recognizing speech information

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