JPH09146194A - 露光量決定方法及び露光制御装置 - Google Patents

露光量決定方法及び露光制御装置

Info

Publication number
JPH09146194A
JPH09146194A JP30709795A JP30709795A JPH09146194A JP H09146194 A JPH09146194 A JP H09146194A JP 30709795 A JP30709795 A JP 30709795A JP 30709795 A JP30709795 A JP 30709795A JP H09146194 A JPH09146194 A JP H09146194A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exposure amount
image
original image
complexity
exposure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30709795A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaaki Terashita
隆章 寺下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP30709795A priority Critical patent/JPH09146194A/ja
Publication of JPH09146194A publication Critical patent/JPH09146194A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼付けすべき原画像の画像内容に拘らず、主
要被写体を適正に焼付けできる露光量を高い得率で得
る。 【解決手段】 ネガフィルムに記録されている画像を測
光し、画像データの取込みを行った(100,102) 後に、人
物の顔に相当すると推定される領域を抽出する顔領域抽
出処理を行い(104) 、抽出した顔領域の数又は抽出した
顔領域のサイズのばらつき度合い又は抽出した顔領域の
平均濃度のばらつき度合いに基づいて画像の複雑度Cを
演算し(106) 、複雑度Cをしきい値kと比較して画像の
構成の複雑度を判定する。複雑度が高いと判定した場合
は抽出した顔領域を含む特定の領域の画像特徴量を重視
することなく多数の画像特徴量の統計的決定式に基づい
て露光量を演算し(110) 、複雑度が低いと判定した場合
は抽出した顔領域の画像特徴量を重視した露光量を演算
し(112) 、画像の焼付けを行う(114) 。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は露光量決定方法及び
露光制御装置に係り、特に、主要被写体に相当する領域
が適正に焼付けされるように露光量を決定する露光量決
定方法、及び該露光量決定方法を適用可能な露光制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーネガフィルムに記録された画像は
画面全体としてR、G、Bの各成分色光を透過させる
が、大多数の画像は統計的に前記各成分色光の透過割合
が略等しいか、一定の割合であることが知られている。
このため、写真焼付装置では一般に、次の(1)式に基
づいて露光量を決定している。
【0003】 logEj =Sj ・(DNj −Dj )+Kj …(1) 但し、logEは露光量の対数、Kは定数、Dは測光系
で測光した画像の積算透過濃度(LATD)、DNは写
真焼付装置の条件設定用の基準画像(所謂目玉ネガ)の
濃度、Sはスロープ係数、jはR、G、Bの何れかを表
す。上記の露光量演算式を用いることにより、大多数の
画像に対し主要被写体としての人物の顔を適正に焼付け
できる適正な露光量を得ることができる。
【0004】しかし、上記の露光量演算式は、ストロボ
を用いて撮影した画像や逆光のシーンを撮影した画像等
のように背景部分に広面積に亘って濃度が極端に高い、
又は低い部分が存在している画像(所謂濃度フェリアが
生じている画像)や、背景部分に広面積に亘って特定の
色に偏倚している部分が存在している画像(所謂カラー
フェリアが生じている画像)に対し、背景部分の濃度や
色の影響を受け、主要被写体としての人物の顔に相当す
る部分を適正に焼付けできる適正な露光量を得ることが
できない、という問題がある。
【0005】このため、(1)式により求めた露光量E
を各種の画像特徴量(例えば画像中の濃度の最大値、最
小値、画像の画面中心部の平均濃度、画面周辺部の平均
濃度等)に応じて補正したり、(1)式における画像の
積算透過濃度Dを前記各種の画像特徴量に応じて修正し
て露光量Eを演算することも行われているが、前述の濃
度フェリアやカラーフェリアが生じている画像等に対し
ては、適正な露光量の得率が充分ではないのが実情であ
る。濃度フェリアやカラーフェリアが生じている画像に
対して適正な露光量を得るには、背景部分の濃度を無視
し、人物の顔に相当する顔領域の濃度が適正になるよう
に露光量を決定する必要がある。
【0006】このため、画像から顔領域を抽出し、抽出
した顔領域の濃度に基づいて露光量を決定する技術の一
例として、特開昭 52-156624号公報には、2次元又は3
次元の色座標上に予め定めた色領域に含まれる測定点を
肌色と定義し、肌色と判断した測定点の数が13個以上
ある場合に、画像中に肌色があると判定し、肌色部分の
濃度を用いて露光量を決定する技術が記載されている。
【0007】また、画像から顔領域を抽出する技術の他
の例として、特開平4-346332号公報には、カラー原画像
を多数画素に分割し各画素毎に3色に分解して測光し、
測光により得られたデータに基づいて色相値(及び彩度
値)についてのヒストグラムを求め、求めたヒストグラ
ムを山毎に分割し、各画素が分割した山の何れに属する
かを判断して各画素を分割した山に対応する群に分け、
各群毎にカラー原画像を複数の領域に分割し、該複数の
領域のうち主要部としての人物の顔に相当する領域を推
定し、推定した領域の測光データに基づいて露光量を決
定することが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来より提案
されている各種の顔領域抽出方法は、画像中の人物の顔
に相当する領域を確実に抽出することはできないのが実
情であり、画像中の顔ではない領域を顔領域として誤抽
出することがあった。このため、画像中の顔領域をオペ
レータが指定して露光量を決定する方式(例えば特開昭
62-115430号公報等)と比較して、適正な露光量を得ら
れる得率が低いという問題があった。
【0009】すなわち、従来より提案されている各種の
顔領域抽出方法は、特に、多数の被写体が存在している
画像に対する顔領域抽出精度が低く、例えば町中を背景
として撮影したポートレイトで、近景として、主要被写
体としての人物や該人物が所持しているバッグ等、中景
として数名の人物、車、商店や該商店に陳列されている
品物、ディスプレイ、街路樹、地面等、遠景として多数
の人物、ビル、空、地面、車、街路樹、看板等の被写体
が各々存在している画像、或いは家庭内のパーティーシ
ーンを撮影した画像で、数名の人物、前景としてのテー
ブル及び該テーブル上の食物、置物、周囲の家具、壁の
装飾品等の被写体が存在している画像等に対し、主要被
写体としての人物の顔のみを抽出することは非常に困難
であり、顔領域を誤抽出する可能性が高い。
【0010】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、焼付けすべき原画像の画像内容に拘らず、主要被写
体を適正に焼付けできる露光量を高い得率で得ることが
できる露光量決定方法を得ることが目的である。
【0011】また本発明は、焼付けすべき原画像の画像
内容に拘らず、高い確率で、主要被写体が適正に焼付け
されるように原画像を焼付けることができる露光制御装
置を得ることが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述したように、従来よ
り提案されている各種の顔領域抽出方法は、多数の被写
体が存在している画像、すなわち構成(画像内容)が複
雑(特に背景に相当する部分の構成が複雑)な画像に対
しての抽出精度が低いので、構成が複雑な画像に対し前
記顔領域抽出方法を適用して抽出した人物の顔に相当す
ると推定される領域の画像特徴量に基づいて露光量を決
定しても適正な露光量が得られない確率が高い。本願発
明者は、上記のように構成が複雑な画像は、その画像の
平均濃度に基づく露光量に対して補正量は小さく、人物
の顔に相当すると推定される領域を抽出することなく各
種の画像特徴量に基づいて露光量を決定する露光量決定
方式、すなわち人物の顔に相当すると推定される領域の
画像特徴量を重視せずに露光量を決定する露光量決定方
式により適正な露光量が得られる確率が高いこと、また
前述の各種の顔領域抽出方法は構成が複雑でない画像か
ら人物の顔に相当すると推定される領域を抽出する抽出
精度は高く、これらの画像は上記補正量が大きいため、
これら領域の画像特徴量でしか適正な露光量が得られな
いことに想到し、本発明を成すに至った。
【0013】このため、請求項1記載の発明に係る露光
量決定方法は、原画像を多数個に分割して測光すること
により得られた測光データを用いて原画像の構成の複雑
度を判定し、判定結果に基づいて、原画像の露光量とし
て、原画像から抽出した主要被写体に相当すると推定さ
れる領域の画像特徴量を重視した第1の露光量を演算す
るか、前記領域の画像特徴量を重視しない第2の露光量
を演算するかを選択し、選択結果に従って原画像の露光
量を決定する。
【0014】なお、第1の露光量の演算には、例えば従
来より公知の、原画像から人物の顔等の主要被写体に相
当すると推定される領域を抽出し、抽出した領域の画像
特徴量(例えば濃度、色等)を重視して露光量を演算す
る露光量演算方式を適用することができる。また第2の
露光量の演算には、例えば特開昭52-23936号公報、特開
昭54-28131号公報のように、画像中の濃度の最大値、最
小値、全画面平均濃度、画面中心部の平均濃度、画面周
辺部の平均濃度、画素間の濃度差等の画像特徴量から統
計的に決定した公知の露光量演算方式を適用することが
できる。なお、第2の露光量の演算に適用可能な露光量
演算方式は上記に限定されるものではなく、主要被写体
に相当すると推定される領域からの画像特徴量を重視し
ない演算方式であれば、どのような演算方式であっても
よい。例えば画像中の濃度が最大となっている部分や画
像中のハイライト部、シャドー部を所定の色濃度に再現
されるように露光量を決定する方式(例えば特願平6-17
8284号等)を適用してもよく、主要部濃度と相関の高い
多数種類の画像特徴量の少なくとも1つを用いて統計的
に露光量を決定する露光量決定方式を適用することがで
きる。
【0015】請求項1の発明では、測光データに基づい
て原画像の構成の複雑度を判定し、判定結果に基づい
て、原画像の露光量として、原画像から抽出した主要被
写体に相当すると推定される領域の画像特徴量を重視し
た第1の露光量を演算するか、前記領域の画像特徴量を
重視しない第2の露光量を演算するかを選択し、選択結
果に従って露光量を決定するので、原画像の構成の複雑
度に応じて第1の露光量を演算するか第2の露光量を演
算するか選択されることになる。
【0016】これにより、例えば原画像の構成の複雑度
が高いと判定した場合は第1の露光量の演算を選択し、
原画像の構成の複雑度が低いと判定した場合は第2の露
光量の演算を選択することができ、原画像の構成の複雑
度に応じて、適正な露光量が得られる得率の高い露光量
演算方式を選択することができる。そして、請求項1の
発明では、上記の選択結果に従って露光量を決定するの
で、焼付けすべき原画像の画像内容に拘らず、主要被写
体を適正に焼付けできる露光量を高い得率で得ることが
できる。
【0017】ところで、上記では原画像の構成の複雑度
に応じて、第1の露光量を演算するか第2の露光量を演
算するかを選択していたが、原画像の構成の複雑度が中
程度でかつ類似したシーンを表す原画像が複数存在して
いた場合、各原画像に対する露光量演算方式の選択結果
にばらつきがあると、決定した各原画像の露光量にばら
つきが生じ、決定した露光量に従って各原画像の焼付け
を行ったとすると、仕上りのばらつきが目立つことも考
えられる。
【0018】このため、請求項2記載の発明に係る露光
量決定方法は、請求項1の発明において、前記判定結果
に基づいて、原画像の露光量として、前記第1の露光量
を演算するか、前記第2の露光量を演算するか、前記第
1の露光量と前記第2の露光量との重み付き平均値に基
づいて第3の露光量を演算するかを選択し、選択結果に
従って原画像の露光量を決定することを特徴としてい
る。
【0019】請求項2の発明では、原画像の構成の複雑
度の判定結果に基づき、原画像の露光量として、先の第
1の露光量及び第2の露光量に加えて、前記第1の露光
量と前記第2の露光量との重み付き平均値に基づいて第
3の露光量を演算するかを選択している。第1の露光量
と第2の露光量との重み付き平均値に基づいて演算する
第3の露光量は、第1の露光量及び第2の露光量の各々
に対する重みの大きさにもよるが、主要被写体に相当す
ると推定される領域の画像特徴量を過度に重視しない露
光量を得ることができるので、特に構成の複雑度が中程
度の原画像に対し、適正な露光量が高い得率で得られ
る。
【0020】そして、請求項2の発明では、選択結果に
従って原画像の露光量を決定するので、例えば原画像の
構成の複雑度が中程度であった場合に、第3の露光量を
演算することを選択するようにすれば、原画像の構成の
複雑度が中程度であったとしても、主要被写体を適正に
焼付けできる露光量を高い得率で得ることができる。ま
た、構成の複雑度が中程度の複数の原画像に対し、決定
した露光量に従って焼付けを行ったとしても、各原画像
の仕上りがばらつくことを防止できる。
【0021】請求項3記載の発明に係る露光量決定方法
は、原画像を多数個に分割して測光することにより得ら
れた測光データを用いて原画像の構成の複雑度を判定
し、判定結果に応じて、原画像から抽出した主要被写体
に相当すると推定される領域の画像特徴量を重視した第
1の露光量、及び前記領域の画像特徴量を重視しない第
2の露光量に対する重みを各々定め、前記定めた重みを
用いて求めた前記第1の露光量と前記第2の露光量との
重み付き平均値に基づいて原画像の露光量を決定する。
【0022】請求項3の発明では、測光データを用いて
原画像の構成の複雑度を判定し、判定結果に応じて第1
の露光量及び第2の露光量に対する重みを定めている。
この重みは、例えば原画像の構成の複雑度が高くなるに
従って第2の露光量の重みを相対的に大きくする等のよ
うに、原画像の構成の複雑度に応じて適正な露光量が得
られる得率の高い露光量演算方式の重みが相対的に大き
くなるように定めることができる。そして請求項3の発
明では、上記のようにして定めた重みを用いて求めた第
1の露光量と第2の露光量との重み付き平均値に基づい
て原画像の露光量を決定するので、焼付けすべき原画像
の画像内容に拘らず、主要被写体を適正に焼付けできる
露光量を高い得率で得ることができる。
【0023】ところで、上記発明における原画像の構成
の複雑度の判定は、単一種類の特徴量を用いて判定して
も複数種類の特徴量を用いて判定してもよいが、構成の
複雑度は、例えば以下の請求項4乃至請求項8に記載の
各種特徴量に基づいて判定することができる。
【0024】すなわち請求項4記載の発明は、請求項1
乃至請求項3の何れかの発明において、原画像の構成の
複雑度を、前記測光データを用いて原画像から抽出した
主要被写体に相当すると推定される領域に関する特徴量
に基づいて判定することを特徴としている。
【0025】なお、主要被写体に相当すると推定される
領域に関する特徴量としては、例えば同一の原画像から
抽出した前記領域の数、同一の原画像から抽出した前記
領域の画像特徴量(例えばサイズや平均濃度)の分布等
を用いることができる。例えば同一の原画像から抽出し
た主要被写体に相当すると推定される領域の数が多けれ
ば、原画像中に多数の被写体が存在していると推定でき
るので、構成の複雑度は高いと判断できる。
【0026】また、例えば主要被写体に相当すると推定
される領域として人物の顔に相当すると推定される領域
を抽出する場合、抽出した領域のサイズの分布が大きい
(すなわちサイズのばらつきが大きい)ときには、原画
像が、各人物までの距離が各々ばらついている複数の人
物が存在しているシーンを撮影した画像であり、抽出し
た各領域のうち何れの領域が主要被写体に相当する領域
であるかを判別することが困難な画像、すなわち構成の
複雑度が高い画像であると判断できる。
【0027】更に、抽出した各領域の平均濃度等の分布
が大きい(すなわち平均濃度のばらつきが大きい)場合
も、抽出した各領域のうち何れの領域が主要被写体に相
当する領域であるかを判別することが困難な画像、すな
わち構成の複雑度が高い画像であると判断できる。この
ように、原画像の構成の複雑度は、原画像から抽出した
主要被写体に相当すると推定される領域に関する特徴量
に基づいて判定することができる。
【0028】請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求
項3の何れかの発明において、原画像の構成の複雑度
を、前記測光データが表す原画像中の各画素の色及び濃
度の少なくとも一方に基づいて判定することを特徴とし
ている。
【0029】例えば、原画像中の各画素の色の分布が大
きい(様々な色の画素が存在している)場合には、原画
像中に多数の被写体が存在していると推定できるので、
構成の複雑度が高いと判断でき、前記色の分布が小さい
場合には、特に背景に相当する部分等が単調な画像(例
えば海、空、芝生等を背景としている画像)であると推
定できるので、構成の複雑度は低いと判断できる。また
原画像中の隣接する画素間の濃度差のばらつきが大きい
(画素間の濃度差が複雑に変化している)場合も、原画
像中に多数の被写体が存在していると推定できるので、
構成の複雑度は高いと判断でき、前記濃度差のばらつき
が小さい場合には、背景に相当する部分等の構成が単純
であると推定できるので、構成の複雑度は低いと判断で
きる。
【0030】このように、原画像の構成の複雑度は、原
画像中の各画素の色及び濃度の少なくとも一方に基づい
て判定することもできる。なお、前記構成の複雑度は、
原画像中の各画素の色及び濃度の少なくとも一方に基づ
いて、以下のようにして判定することもできる。
【0031】すなわち請求項6記載の発明は、請求項1
乃至請求項3の何れかの発明において、前記測光データ
が表す原画像中の各画素の色及び濃度の少なくとも一方
に基づいて原画像を複数の領域に分割し、複数の領域に
分割した結果に基づいて原画像の構成の複雑度を判定す
ることを特徴としている。
【0032】原画像中に多数の被写体が存在しており、
構成の複雑度が高い場合、原画像を周知のクラスタ分析
や輪郭線追跡により複数の領域に分割するか、或いは隣
接する画素毎に色又は濃度が類似しているか否かを判定
して色又は濃度が類似している画素から成る領域毎に分
割したとすると、原画像はサイズの小さい多数の領域に
分割されることが多い。また、原画像中に存在している
被写体の数が少なく、構成の複雑度が低い場合には、前
記のようにして原画像を分割したとすると、原画像はサ
イズの大きな少数の領域に分割される可能性が高い。上
記では、原画像中の各画素の色及び濃度の少なくとも一
方に基づいて原画像を複数の領域に分割しているので、
分割結果、例えば分割により得られた領域の数やサイズ
等に基づいて、原画像の構成の複雑度を判定することが
できる。
【0033】請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求
項3の何れかの発明において、原画像の構成の複雑度
を、前記測光データが表す原画像中の各画素の色及び濃
度の少なくとも一方から求めたヒストグラムに基づいて
判定することを特徴としている。
【0034】例えば構成の複雑度が高い画像について各
画素毎の濃度のヒストグラムを求めると、ヒストグラム
は多数の山及び谷が生じている形状となり、かつ各山の
ピークにおける高さ(度数)も低い。一方、構成の複雑
度が低い画像について各画素毎の濃度のヒストグラムを
求めると、山及び谷の数が少ない形状のヒストグラムが
得られ、かつ山のピークにおける高さも高い。また、各
画素の色に関するヒストグラムについても、同様の結果
が得られる。上記では、原画像中の各画素の色及び濃度
の少なくとも一方からヒストグラムを求めており、該ヒ
ストグラムの形状等に基づいて原画像の構成の複雑度を
判定することができる。
【0035】請求項8記載の発明に係る露光制御装置
は、原画像を多数個に分割して測光する測光手段と、測
光手段の測光によって得られた測光データを用いて原画
像から主要被写体に相当すると推定される領域を抽出す
る抽出手段と、前記測光データ又は前記抽出手段によっ
て抽出された主要被写体に相当すると推定される領域に
関する特徴量に基づいて、原画像の構成の複雑度を判定
する複雑度判定手段と、前記複雑度判定手段による判定
結果に基づいて、抽出手段によって抽出された主要被写
体に相当すると推定される領域の画像特徴量を重視した
第1の露光量及び前記領域の画像特徴量を重視しない第
2の露光量を選択的に用いるか、又は前記第1の露光量
と第2の露光量との重み付き平均値に基づいて露光量を
決定する露光量決定手段と、露光量決定手段によって決
定された露光量に基づいて複写材料への原画像の露光を
制御する露光制御手段と、を含んで構成している。
【0036】請求項8の発明では、複雑度判定手段によ
り原画像の構成の複雑度を判定している。この判定は、
測光手段の測光によって得られた測光データを用いて、
例えば請求項5乃至請求項7の何れかに記載の方法によ
り行ってもよいし、抽出手段によって抽出された主要被
写体に相当すると推定される領域に関する特徴量に基づ
いて、請求項4に記載の方法により行ってもよいし、前
記各方法を組み合わせて行ってもよい。また露光量決定
手段では、複雑度判定手段による判定結果に基づいて、
主要被写体に相当すると推定される領域の画像特徴量を
重視した第1の露光量及び前記領域の画像特徴量を重視
しない第2の露光量を選択的に用いるか、又は前記第1
の露光量と第2の露光量との重み付き平均値に基づいて
露光量を決定する。
【0037】これにより、請求項1乃至請求項3の何れ
かの発明と同様に、焼付けすべき原画像の画像内容に拘
らず、主要被写体を適正に焼付けできる露光量を高い得
率で得ることができる。そして露光制御手段では、露光
量決定手段によって決定された露光量に基づいて複写材
料への原画像の露光を制御するので、焼付けすべき原画
像の画像内容に拘らず、高い確率で、主要被写体が適正
に焼付けされるように原画像を焼付けることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態の一例を詳細に説明する。
【0039】〔第1実施形態〕図1には本発明の露光制
御装置としての写真焼付装置10が示されている。写真
焼付装置10は、ネガフィルム12に記録された画像を
焼付けるための露光光を射出する光源16を備えてい
る。光源16の光射出側には、調光フィルタ等の色補正
フィルタ18、拡散ボックス20、分配用プリズム22
が順に配列されている。
【0040】写真フィルムとしてのネガフィルム12の
搬送路は拡散ボックス20と分配用プリズム22との間
に形成されており、分配用プリズム22はネガフィルム
12を透過した光を2方向に分配する。光源16の光軸
を挟んで両側には、ネガフィルム12の搬送路に沿って
搬送ローラ対14A、14Bが設けられている。搬送ロ
ーラ対14A、14Bは各々モータ52A、52Bの駆
動軸に連結されており、モータ52A、52Bの駆動力
が伝達されることにより回転し、ネガフィルム12を搬
送する。
【0041】分配用プリズム22によって2方向に分配
された光の一方の光路上には、投影光学系24、ブラッ
クシャッタ26、及び複写材料としてのカラーペーパ
(印画紙)28が順に配置されており、他方の光路上に
は投影光学系30、CCDイメージセンサ32が順に配
置されている。CCDイメージセンサ32はネガフィル
ム12に記録された画像(1コマ)全体を多数の画素
(例えば256×256画素)に分割し、各画素をR
(赤)、G(緑)、B(青)の3色に分解して測光す
る。
【0042】CCDイメージセンサ32の信号出力端に
は、CCDイメージセンサ32から出力された信号を増
幅する増幅器34、アナログ−デジタル(A/D)変換
器36、CCDイメージセンサ32の感度補正用の3×
3マトリクス回路38が順に接続されている。3×3マ
トリクス回路38は、マイクロコンピュータ及びその周
辺機器で構成された制御部40の入出力ポート40Dに
接続されている。制御部40は、CPU40A、ROM
40B、RAM40C及び入出力ポート40Dを備えて
おり、これらがバスを介して互いに接続されている。
【0043】制御部40の入出力ポート40Dには、色
補正フィルタ18を駆動するドライバ46を介して色補
正フィルタ18が接続されており、ドライバ50A、5
0Bを介してモータ52A、52Bが各々接続されてい
る。また入出力ポート40Dには、LCD又はCRTか
ら成るディスプレイ42と、オペレータが各種情報を入
力するためのテンキー等のキーボード44と、光源16
の光軸を挟んで両側に配置されネガフィルム12の透過
光量を検出する画面検出センサ48が接続されている。
【0044】次に本第1実施形態の作用として、図2の
フローチャートを参照し、本第1実施形態に係る写真焼
付処理について説明する。なお図2に示した処理は、ネ
ガフィルム12に記録されている画像の印画紙28への
焼付けが指示されると、制御部40で繰り返し実行され
る。ステップ100ではネガフィルム12を搬送しなが
ら画面検出センサ48から出力される信号を監視してネ
ガフィルム12に記録された画像の位置を判断し、前記
画像が露光位置に到達したと判断するとネガフィルム1
2の搬送を停止させることにより、画像を露光位置に位
置決めする。
【0045】ステップ102では露光位置に位置決めし
た画像をCCDイメージセンサ32によって測光し、C
CDイメージセンサ32から増幅器34、A/D変換器
36、3×3マトリクス回路38を介して出力される
R、G、B毎の画像データ(本発明の測光データ)を取
込み、更に取込んだ画像データをRAM40C等のメモ
リに記憶する。次のステップ104では本発明の主要被
写体としての人物の顔に相当すると推定される領域(以
下、顔領域という)を抽出する顔領域抽出処理を行う。
【0046】この顔領域抽出処理としては、従来より提
案されている種々の抽出方式を適用できるが、一例とし
て、本願出願人が既に特願平6-265850号、特願平6-2665
98号で提案しているように、画像データに基づいて、画
像中に存在する人物の各部に特有の形状パターン(例え
ば頭部の輪郭、顔の輪郭、顔の内部構造、胴体の輪郭等
を表す形状パターン)の何れか1つを探索し、検出した
形状パターンの大きさ、向き、検出した形状パターンが
表す人物の所定部分と人物の顔との位置関係に応じて、
人物の顔に相当すると推定される領域を設定すると共
に、検出した形状パターンと異なる他の形状パターンを
探索し、先に設定した領域の、人物の顔としての整合性
を求め、顔領域を抽出する抽出方式を適用することがで
きる。
【0047】次のステップ106では、顔領域抽出処理
によって抽出された顔領域に関する特徴量に基づいて、
先に位置決めした画像の構成の複雑度Cを求める。な
お、顔領域に関する特徴量としては、例えば抽出された
顔領域の数、抽出された顔領域のサイズの分布(サイズ
のばらつき度合い)、抽出された各顔領域の平均濃度の
分布(平均濃度のばらつき度合い)の何れかを用いるこ
とができ、例えば前記顔領域の数、顔領域のサイズ或い
は平均濃度の分散を、構成の複雑度Cの値としてそのま
ま用いることができる。
【0048】ステップ108では求めた複雑度Cを予め
定められたしきい値kと比較し、先に位置決めした画像
の構成の複雑度を判定する。顔領域抽出処理によって抽
出された顔領域の数が多い場合、抽出された顔領域のサ
イズの分散が所定値以上の場合、及び抽出された顔領域
の平均濃度の分散が所定値以上の場合は、何れも画像の
複雑度は高いと判断できる。このためステップ108で
は、複雑度Cがしきい値kよりも大きい場合には、前記
画像の構成の複雑度は高いと判断してステップ110へ
移行する。
【0049】ステップ110では、画像データに基づい
て顔領域の画像特徴量を重視しない露光量E2j(本発明
の第2の露光量に相当)を演算し、ステップ114へ移
行する。なお、露光量E2jは一例として次の(2)式に
より求めることができる。
【0050】 logE2j=LMj ・CSj ・(DNj −Dj )+PBj +LBj +MBj +NBj +DX …(2) 但し、各記号の意味は次の通りである。
【0051】DX:濃度補正量 LM:倍率スロープ係数。ネガフィルムの種類とプリン
トサイズとで定まる引き伸ばし倍率に応じて予め設定さ
れている。
【0052】CS:カラースロープ係数。ネガフィルム
の種類毎に用意されており、アンダ露光用とオーバ露光
用とがある。プリントすべき画像コマの平均濃度が標準
ネガ濃度値に対してアンダかオーバかを判定してアンダ
露光用とオーバ露光用の何れかを選択する。
【0053】DN:標準ネガ濃度値。 D :プリントすべき画像コマの濃度値。
【0054】PB:標準カラーペーパに対する補正バラ
ンス値。カラーペーパの種類に応じて決定される。
【0055】LB:標準焼付レンズに対する補正バラン
ス値。焼付けに用いるレンズの種類に応じて決定され
る。
【0056】MB:光源光量の変動やペーパ現像性能の
変化に対する補正値(マスタバランス値)。
【0057】NB:ネガフィルムの特性によって定まる
ネガバランス(カラーバランス)値。
【0058】なお濃度補正量DXは、例として次のよう
にして求めることができる。すなわち、画像データに基
づいて、画像中の隣接する画素の濃度差の平均値DB、
画面上方部平均濃度DU、画面下方部平均濃度DL、画
面右方部平均濃度DRI、画面左方部平均濃度DLF、
画面中心部平均濃度DC、画面周辺部平均濃度DF、画
面中心部最大濃度CMAX、画面周辺部最大濃度FMA
X、白色(G−B及びR−Gを座標軸とする色座標にお
いて、原点を中心とする半径0.1の円に含まれる色)
の画面平均濃度LATD(w) 、白色の最大濃度D
max (w) 、白色の最小濃度Dmin (w) 、白色の画素の個
数IR(w) の各種画像特徴量をR、G、B毎に演算す
る。次に上記の画像特徴量を用い、以下の条件式に従っ
て画像を分類する。
【0059】(a)低コントラストの画像 CN≦ 1.0 かつ CP− 0.2LATD(w) < +0.05 (b)アンダ露光の画像 Dmax (w) ≦ 1.1 又は LATD(w) ≦ 0.4 (c)オーバ露光の画像 Dmin (w) ≧ 0.6 又は LATD(w) ≧ 1.0 (d)コントラストの高い画像 CN ≧ 1.2 (e)上記の(a)〜(d)の条件に含まれない画像 但し、CN=Dmax (w) −Dmin (w))、CP=(Dmin
(w) +CN÷2)−LATD(w) である。
【0060】そして、分類結果に基づいて、各分類毎に
次の(3)〜(7)式の何れかを用いて濃度補正量DX
をR、G、B毎に演算する。
【0061】(a)低コントラストの画像 DX=a1 +a2 max (w) +a3 min (w)−a4 LATD(w) +a5 DB−a6 IR(w) …(3) (b)アンダ露光の画像 DX=b1 +b2 max (w) +b3 min (w)−b4 LATD(w) +b5 CF+b6 UL+b7 DB …(4) (c)オーバ露光の画像 DX=−c1 +c2 max (w) +c3 min (w)−a4 LATD(w) +c5 CF+c6 UL+c7 DB−c8 IR(w) …(5) (d)コントラストの高い画像 DX=−d1 +d2 max (w) +d3 min (w)−d4 LATD(w) +d5 CF+d6 UL+d7 DB−d8 IR(w) …(6) (e)上記の(a)〜(d)の条件に含まれない画像 DX=−e1 +e2 max (w) +e3 min (w)−e4 LATD(w) +e5 CF+e6 UL+e7 DB …(7) 但し、CF=DC−DF、UL=DL−DUであり、a
1 〜a6 、…、e1 〜e 7 は定数である。
【0062】そして、上記のようにして求めた濃度補正
量DXを(2)式に代入することにより、露光量E2jを
求めることができる。なお、分類(a)の画像に対して
は、(3)式にa7 IR(G) +a8 IR(R) の項を加え
て濃度補正量DXを演算するようにしてもよい。但し、
IR(G) は緑色の画素の個数、IR(R) は赤色の画素の
個数である。また、分類(e)の画像より、FCMAX
≧0.2 (但し、FCMAX=FMAX−CMAX)、C
P≧0.1 かつCF≦0.1 の条件を満足する画像を抽出
し、抽出した画像に対し次の(8)式により濃度補正量
DXを求めるようにしてもよい。
【0063】 DX=f1 +f2 max (w) +f3 min (w)−f4 LATD(w) +f5 CF+f6 UL+f7 DB …(8) 一方、複雑度Cがしきい値k以下であった場合には、前
記画像の構成の複雑度は低いと判断してステップ112
へ移行し、先の顔領域抽出処理による顔領域の抽出結果
及び画像データに基づいて、例えば次の(9)式によ
り、顔領域の画像特徴量を重視した露光量E1j(本発明
の第1の露光量に相当)を演算し、ステップ114へ移
行する。
【0064】 logE1j=LMj ・CSj ・(DNj −Dj )+PBj +LBj +MBj +NBj +DX …(9)
【0065】
【数1】
【0066】ここで、Ka、Kbは定数であり、FDは
顔領域濃度である。
【0067】なお、上記(9)式の濃度補正量DXをフ
ィルム検定装置によって求められた補正値とし、次のよ
うに顔領域濃度FDを用いてカラー補正量DYj を求め
て、加算してもよい。
【0068】
【数2】
【0069】但し、Kcは定数である。
【0070】なお、先の(2)式の画面平均濃度Dj の
代わりに、(3)〜(8)式の各特性値をR、G、B各
色毎に求めて得られる各色毎の補正量DXを画面平均濃
度Dj に加算した値を用いてもよい。また、同様に上記
(9)式の濃度補正量DX、カラー補正量DYj の代わ
りに、(9)式の画面平均濃度Dj を顔領域の平均濃度
FDj に置き換えて露光量を求めてもよい。更に、顔領
域抽出処理において顔領域と判定された領域の各画素毎
の濃度(又は色)に対し所定の重み係数により重み付け
を行って加重平均値を求め、該加重平均値を画面平均濃
度Dj の代わりに用いて露光量E1jを演算するようにし
てもよい。
【0071】上記のようにして露光量E1j又はE2jを演
算すると、ステップ114では上記で演算した露光量E
1j又はE2jをドライバ46に出力する。これにより、ド
ライバ46では入力された露光量E1j又はE2jに基づい
て、入力された露光量に対応する位置に色補正フィルタ
18を移動させる。また、制御部40はブラックシャッ
タ26を上記の露光量E1j又はE2jによって定まる所定
時間だけ開放する。これにより、露光位置に位置決めさ
れた画像が、上記の露光量E1j又はE2jで印画紙28に
焼付けされる。
【0072】このように、本第1実施形態では画像の構
成の複雑度Cを求め、複雑度Cをしきい値kと比較して
画像の構成の複雑度を判定し、構成の複雑度が高いと判
断した場合には、画像データから求めた各種の画像特徴
量に基づいて、顔領域の画像特徴量を重視しない露光量
演算式((2)式)により露光量E2jを演算し、構成の複
雑度が低いと判断した場合には、顔領域の抽出結果及び
画像データに基づいて、顔領域の画像特徴量を重視した
露光量演算式((9)式)により露光量E1jを演算してい
るので、焼付けする画像の画像内容(構成の複雑度)に
拘らず、人物の顔等の主要被写体を適正に焼付けできる
露光量を高い得率で得ることができ、高い得率で適正な
仕上りの写真プリントが得られる。
【0073】なお、上記では抽出した顔領域に関する特
徴量として、抽出した顔領域の個数、抽出した顔領域の
サイズ又は平均濃度の分布(ばらつき度合い))の何れ
か1つを用いて画像の構成の複雑度を判定していたが、
これに限定されるものではなく、上記の顔領域に関する
複数の特徴量を組み合わせて、画像の構成の複雑度を判
定するようにしてもよい。この場合、例えば図3に示す
ようなマップを用いることにより構成の複雑度を判定す
ることができる。
【0074】図3では、例として抽出した顔領域の個数
を横軸、抽出した顔領域のサイズ又は平均濃度の分布
(ばらつき度合い)を縦軸とし、複雑度:高と判定する
領域及び複雑度:低と判定する領域を2次元的に定めた
ものである。これにより、抽出した顔領域の個数と、抽
出した顔領域のサイズ又は平均濃度の分布に基づいて画
像の構成の複雑度を判定することができる。なお、抽出
した顔領域の個数が少ない場合には顔抽出処理により人
物の顔に相当する領域を適正に抽出できる確率が高いの
で、図3では、抽出した顔領域の個数が少ない場合はサ
イズ又は平均濃度の分布(ばらつき度合い)が大きくて
も複雑度:低と判定されるように、マップ上の各領域を
定めている。
【0075】〔第2実施形態〕次に本発明の第2実施形
態について説明する。なお第2実施形態は第1実施形態
と同一の構成であるので、各部分に同一の符号を付して
構成の説明を省略し、以下では第2実施形態の作用とし
て、図4のフローチャートを参照し、本第2実施形態に
係る写真焼付処理について、第1実施形態と異なる部分
についてのみ説明する。
【0076】本第2実施形態では、ステップ100でネ
ガフィルム12に記録された画像を露光位置に位置決め
し、ステップ102で露光位置に位置決めした画像を測
光して画像データを記憶した後に、ステップ103では
画像の構成の複雑度Cを前記記憶した画像データに基づ
いて求め、次のステップ108で求めた複雑度Cをしき
い値kと比較して画像の構成の複雑度を判定している。
このステップ103、ステップ108は、具体的には、
例えば以下に列挙する方法の何れかを適用して行うこと
ができる。
【0077】(色の分布に基づく複雑度の判定)例とし
て図5に示すような色座標(図5では、RとGの色差を
横軸、GとBの色差を縦軸にとった色座標を例として示
す)において、色座標の原点で座標軸と交差し、色座標
の第1乃至第4象限を各々2つの領域に分割する2本の
軸60A、60Bを設定すると共に、各々色座標の原点
を中心とし互いに半径が異なる3つの同心状の円62
A、62B、62Cを設定することにより、色座標の原
点の周囲の領域を8色×3種類の彩度の合計24個の領
域に分割する。
【0078】次に、画像データが表す各画素のR、G、
B毎の濃度値に基づいて、画像中の各画素の色を前記色
座標上に点をプロットし、前記24個の領域のうち1個
以上の点がプロットされた領域の数をカウントする。そ
して、カウントした数を複雑度Cとして設定して予め定
めたしきい値k(例えば12個)と比較し、複雑度Cの
値がしきい値k以上であれば、画像中に多数種類の色の
画素が存在しており、画像中に多数の被写体が存在して
いると推定できるので、画像の構成の複雑度は高いと判
断し、しきい値k未満であれば複雑度は低いと判断す
る。
【0079】なお、上記では彩度が所定値以上の色(図
5において円62Cの外側にプロットされる色)を除外
して複雑度を判定しているが、円62Cの外側の領域に
ついてもカウントの対象とすることにより、高彩度の色
のデータも用いて複雑度を判定するようにしてもよい。
但し、画像中に高彩度の色の被写体が多数存在している
ことは、一般に顔抽出処理における顔領域抽出性能の低
下の原因とはなりにくい。本発明の複雑度の判定は、顔
抽出処理による顔領域抽出性能の低い画像を検出するこ
とが目的であることを考慮すると、高彩度の色のデータ
を除外して複雑度を判定することが望ましい。
【0080】(画素間の濃度差に基づく複雑度の判定)
画像データが表す各画素の濃度値に基づいて、画像中の
隣接する画素間の濃度差を、所定のラインに沿って前記
ライン上の各画素について順に演算する。構成の複雑度
が低い画像では、図6(A)に示すように、前記ライン
に沿った濃度差の変化が比較的滑らかであり、値が大き
く変化している箇所が少ないのに対し、構成の複雑度が
高い画像では、図6(B)に示すように、前記ラインに
沿って濃度差が大きくかつ複雑に変化する。
【0081】このため、前述した濃度差の演算結果よ
り、図6の(A)に示す変化と(B)に示す変化とを識
別するための特徴量(例えば濃度差の分散、濃度差の絶
対値をラインに沿って積算した値、濃度差をラインに沿
って微分して得られた微分値の絶対値をラインに沿って
積算した値、前記微分値の符号が変化している箇所の数
をラインに沿ってカウントした値等)を求める。上記処
理を画像中の全ライン或いは所定間隔で選択した複数の
ラインについて各々行い、各ライン毎に求めた前記特徴
量を総合して(例えば平均値、積算値等を求める)複雑
度Cを求める。そして、複雑度Cの値が予め定めたしき
い値k以上であれば画像の構成の複雑度は高いと判断
し、しきい値k未満であれば複雑度は低いと判断する。
【0082】(画素間の濃度差、色差より抽出した背景
部に基づく複雑度の判定)画像データが表す各画素の
R、G、B毎の濃度値に基づいて、隣接する画素との濃
度差、色差を演算し、濃度差及び色差が所定値未満であ
った場合には前記画素との類似性が高いと判定し前記画
素に隣接する画素を対象として上記処理を行うことを繰
り返し、濃度差及び色差が所定値以上であった場合は隣
接する画素の類似性が低いと判断して処理を終了するこ
とを、図7に示すように、画像の周縁部から画像の中心
部へ向けて順に行う。なお、上記判定は、図7に矢印で
示した4つの方向のうち少なくとも2つの方向、望まし
くは前記4つの方向の全てについて行う。そして、類似
性が高いと判断した画素から成る、画像の周縁部に接し
ている領域を、画像の背景に相当する背景部として抽出
する。
【0083】なお、上記判定を画像の周縁部から中心部
へ向けて行うのは、画像の周縁部は画像の背景に相当す
る領域である確率が高い、という経験則に基づいてい
る。上記のようにして判定した背景部の面積が狭い場合
は背景に相当する部分の構成が複雑な画像である可能性
が高く、前記背景部の面積が広い場合は背景に相当する
部分の構成が単調な画像である可能性が高いので、複雑
度Cとして抽出した背景部の面積を求め、複雑度Cの値
が予め定めたしきい値k以上であれば画像の構成の複雑
度は高いと判断し、しきい値k未満であれば複雑度は低
いと判断する。
【0084】(画像分割に基づく複雑度の判定)画像デ
ータが表す各画素のR、G、B毎の濃度値に基づいて、
画像を複数の領域に分割する。画像の分割にあたって
は、前記画像データに基づいて色相値(及び彩度値)に
ついてのヒストグラムを求め、求めたヒストグラムを山
毎に分割し、各画素が分割した山の何れに属するかを判
断して各画素を分割した山に対応する群に分け、各群毎
に画像を複数の領域に分割する、所謂クラスタ分析を適
用することができる。また、濃度値の微分等により画像
中のエッジ(輪郭線)を検出し、検出した輪郭線に基づ
いて画像を複数の領域に分割するようにしてもよい。更
に、先の背景部抽出で説明した判定を画像全面に亘って
実行し、判定結果に基づいて、互いに類似性が高いと判
断した画素のみから成る複数の領域に画像を分割するよ
うにしてもよい。
【0085】上記のような分割により得られた領域の数
が多い場合、或いは分割により得られた各領域の面積が
狭い場合は構成が簡単な画像である可能性が高く、前記
領域の数が少ない、或いは各領域の面積が広い場合は構
成が複雑な画像である可能性が高い。このため、分割に
より得られた領域の数、各領域の面積の平均値等に基づ
いて複雑度Cの値を定め、複雑度Cを予め定めたしきい
値と比較して画像の構成の複雑度を判定する。
【0086】なお、複雑度Cの値を定めることなく、図
3に示すようなマップを用いて画像の構成の複雑度を判
定してもよい。また、上記の画像分割では、例えば雲が
浮かんでいる空を背景する画像に対し、空に相当する領
域を複数の領域に分割してしまう可能性がある。このた
め、上記の画像分割を行った後に、隣接する領域の平均
濃度や色等を比較し、平均濃度や色等が近似している領
域があった場合には、それらを統合することが好まし
い。
【0087】(ヒストグラムの形状に基づく複雑度の判
定)画像データが表す各画素の濃度値に基づいて、各画
素の濃度値についてのヒストグラムを求める。構成の複
雑度が低い画像では、図8(A)に示すように、濃度ヒ
ストグラムは山及び谷の数が少ない形状となり、かつ山
のピークにおける高さ(度数)も高い。一方、構成の複
雑度が高い画像では、図8(B)に示すように、濃度ヒ
ストグラムは多数の山及び谷が生じている形状となり、
かつ各山のピークにおける高さも低い。このため、求め
た濃度ヒストグラムより、図8の(A)に示す形状と
(B)に示す形状とを識別するための特徴量(例えば山
や谷の数、各山のピークにおける高さの平均値等)を求
め、これを複雑度Cとする。そして、複雑度Cの値を予
め定めたしきい値kと比較して画像の構成の複雑度を判
定する。なお、上記の濃度ヒストグラムに代えて、例え
ば各画素毎の隣接する画素との色差についてのヒストグ
ラム等を用いてもよい。
【0088】なお、前述のステップ103、ステップ1
08は、上述した方法の何れかを適用することに限定さ
れるものではなく、上述した複雑度判定方法を組み合わ
せ、例えば図3に示したような2次元のマップ、又は3
次元以上の多次元のマップを用いるか、或いは上述した
複雑度を判定するための各種の特徴量のうち少なくとも
1個以上の特徴量を含む関数式等を用いて画像の複雑度
を判定するようにしてもよい。
【0089】ステップ108において、複雑度Cがしき
い値kよりも大きい場合には、画像の構成の複雑度は高
いと判断できるのでステップ110へ移行し、第1実施
形態と同様に、画像データに基づいて顔領域の画像特徴
量を重視しない露光量E2jを演算し、ステップ114へ
移行する。また、複雑度Cがしきい値k以下であった場
合には、前記画像の構成の複雑度は低いと判断できるの
でステップ111へ移行し、第1実施形態のステップ1
04と同様に顔領域抽出処理を行った後に、次のステッ
プ112における顔領域の抽出結果及び画像データに基
づいて露光量E1jを演算し、ステップ114へ移行す
る。そしてステップ114では、演算した露光量E1j又
はE2jに従って、第1実施形態と同様にして印画紙28
への画像の焼付けを行って処理を終了する。
【0090】このように、本第2実施形態も第1実施形
態と同様に、画像の構成の複雑度Cを求め、求めた複雑
度Cをしきい値kと比較して画像の構成の複雑度を判定
し、構成の複雑度が高いと判断した場合には、画像デー
タより求めた各種の画像特徴量に基づいて、顔領域の画
像特徴量を重視しない露光量演算式により露光量E2jを
演算し、構成の複雑度が低いと判断した場合には、顔領
域の抽出結果及び画像データに基づいて、顔領域の画像
特徴量を重視した露光量演算式により露光量E1jを演算
しているので、焼付けする画像の画像内容(構成の複雑
度)に拘らず、人物の顔等の主要被写体を適正に焼付け
できる露光量を高い得率で得ることができ、高い得率で
適正な仕上りの写真プリントが得られる。
【0091】また、顔領域抽出処理は処理時間の長い複
雑な処理であることが一般的であるが、本第2実施形態
では構成の複雑度が低いと判断した画像に対してのみ顔
領域抽出処理を行っているので、第1実施形態と比較し
て、1画像当りの平均処理時間を短くすることができ、
写真焼付装置10の処理能力を向上させることができ
る。
【0092】〔第3実施形態〕次に本発明の第3実施形
態について説明する。なお第3実施形態は第1実施形態
及び第2実施形態と同一の構成であるので、各部分に同
一の符号を付して構成の説明を省略し、以下では第3実
施形態の作用として、図9のフローチャートを参照し、
本第3実施形態に係る写真焼付処理について、上記実施
形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0093】本第3実施形態では、第2実施形態と同様
に、ネガフィルム12に記録された画像を露光位置に位
置決めし(ステップ100)、露光位置に位置決めした
画像を測光して画像データを記憶(ステップ102)し
た後に、第2実施形態のステップ103、108と同様
に、ステップ105で画像の構成の複雑度C1 を前記記
憶した画像データに基づいて求め、次のステップ109
で複雑度C1 をしきい値αと比較して画像の構成の複雑
度を判定している。
【0094】なお、本第3実施形態では、しきい値αと
して画像の構成の複雑度が明らかに高いか否かを識別す
る値を設定している。上記により、ステップ109で複
雑度C1 がしきい値αよりも大きい場合には、画像の構
成の複雑度は明らかに高いと判断できるのでステップ1
10へ移行し、画像データに基づいて、顔領域の画像特
徴量を重視しない露光量E2jを演算し、ステップ134
へ移行する。
【0095】一方、ステップ108で複雑度C1 がしき
い値k以下であった場合には、ステップ120へ移行
し、第1実施形態のステップ104、第2実施形態のス
テップ111と同様に顔領域抽出処理を行い、次のステ
ップ122では、第1実施形態のステップ106と同様
に、顔領域抽出処理によって抽出された顔領域に関する
特徴量に基づいて、画像の構成の複雑度C2 を求める。
ステップ124では複雑度C2 を予め定められたしきい
値βと比較し、画像の構成の複雑度を再度判定する。
【0096】なお本第3実施形態では、しきい値βとし
て画像の構成の複雑度が明らかに低いか否かを識別する
値を設定している。上記により、複雑度C2 がしきい値
β以下の場合には、前記画像の構成の複雑度は明らかに
低いと判断できるので、ステップ126における顔領域
の抽出結果及び画像データに基づいて、顔領域の画像特
徴量を重視した露光量E1jを演算し、ステップ134へ
移行する。
【0097】一方、複雑度C2 がしきい値βよりも大き
い場合は、画像の構成の複雑度は中程度である可能性が
高い。このため、ステップ128で顔領域の抽出結果及
び画像データに基づいて、顔領域の画像特徴量を重視し
た第1の露光量E1jを演算し、次のステップ130では
画像データに基づいて、顔領域の画像特徴量を重視しな
い第2の露光量E2jを演算する。ステップ132では第
1の露光量E1j及び第2の露光量E2jに対して各々予め
固定的に定められた重み係数L1 、L2 を取込み、第1
の露光量E1jと第2の露光量E2jとの重み付き平均値
を、次の(10)式に従って露光量E3j(本発明の第3の
露光量に相当)として演算し、ステップ134へ移行す
る。
【0098】 E3j=(L1 ・E1j+L2 ・E2j)÷2 …(10) 本第3実施形態では、(10)式によって求まる露光量E
3jが、顔領域の画像特徴量を過度に重視した露光量とな
らないように重み係数L1 、L2 の値が定められている
ので、上記により構成の複雑度が中程度と判断された画
像に対し、適正な露光量が高い得率で得られる。そして
ステップ134では、演算した露光量E1j又はE2j又は
E3jに従って、第1実施形態及び第2実施形態と同様に
して印画紙28への画像の焼付けを行って処理を終了す
る。
【0099】このように本第3実施形態では、複雑度C
1 をしきい値αと比較すると共に、複雑度C2 をしきい
値βと比較することにより画像の構成の複雑度を判定
し、画像の構成の複雑度が中程度であると判断した場合
には、第1の露光量E1jと第2の露光量E2jとの重み付
き平均値(露光量E3j)を演算し、露光量E3jに従って
画像の焼付けを行うので、焼付けする画像の構成の複雑
度が中程度である場合にも、人物の顔等の主要被写体を
適正に焼付けできる露光量を高い得率で得ることがで
き、高い得率で適正な仕上りの写真プリントが得られ
る。
【0100】また、第1実施形態及び第2実施形態で
は、画像の構成の複雑度Cをしきい値kと比較して露光
量E1jと露光量E2jとを選択的に用いていたので、類似
したシーンを撮影した複数の画像において、各画像の複
雑度Cの値がしきい値k付近に分布していた場合、画像
によって露光量E1jが選択されたり露光量E2jが選択さ
れることにより、各画像の写真プリントの仕上りがばら
つく可能性がある。これに対し、第3実施形態では、構
成の複雑度が中程度であると判断した画像に対しては第
1の露光量E1jと第2の露光量E2jとの重み付き平均値
である露光量E3jを用いるので、構成の複雑度が中程度
の複数の画像に対し、写真プリントの仕上りがばらつく
ことを防止できる。
【0101】なお、上記では複雑度C1 及びC2 を用い
て画像の構成の複雑度を判定していたが、複雑度C1
2 の一方のみを用い、これを互いに値の異なる2つの
しきい値と各々比較することにより、露光量としてE1
j、E2j、E3jの何れを演算するかを判定するようにし
てもよい。
【0102】また、上記では予め固定的に定めた重み係
数L1 、L2 を用いて露光量E3jを演算していたが、複
雑度C1 及びC2 の値に応じて後述するようにして重み
係数L1 、L2 の値を変更するようにしてもよいし、複
雑度が中程度と判断できる画像を、更に複雑度Cの値に
応じて複数の群に分類し、各群毎に別個に値を定めた重
み係数L1 、L2 を用いて露光量E3jを演算するように
してもよい。また、上記では複雑度C1 を画像データに
基づいて求め、複雑度C2 を顔領域に関する特徴量に基
づいて求めていたが、複雑度C1 を顔領域に関する特徴
量に基づいて求め、複雑度C2 を画像データに基づいて
求めてもよい。
【0103】〔第4実施形態〕次に本発明の第4実施形
態について説明する。なお第4実施形態も第1実施形態
乃至第3実施形態と同一の構成であるので、各部分に同
一の符号を付して構成の説明を省略し、以下では第4実
施形態の作用として、図10のフローチャートを参照
し、本第4実施形態に係る写真焼付処理について、上記
実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0104】本第4実施形態では、第1実施形態と同様
に、ネガフィルム12に記録された画像を露光位置に位
置決めし(ステップ100)、露光位置に位置決めした
画像を測光して画像データを記憶(ステップ102)し
た後に、顔領域抽出処理を行い(ステップ104)、顔
領域抽出処理によって抽出された顔領域に関する特徴量
に基づいて画像の構成の複雑度Cを求めている(ステッ
プ106)。
【0105】次のステップ140では、上記で求めた複
雑度Cの値に応じて、第1の露光量E1j及び第2の露光
量E2jに対する重み係数L1 、L2 の値を決定する。具
体的には、複雑度Cの値が小さくなるに従って第1の露
光量E1jに対する重みが相対的に大きくなり、複雑度C
の値が大きくなるに従って第2の露光量E2jに対する重
みが相対的に大きくなるように定めることができる。複
雑度Cの値の変化に対する重み係数L1 、L2 の値の変
化は、段階的であっても連続的であってもよく、マップ
や関数式等に基づいて値を決定することができる。ま
た、上記で複雑度Cの値を求めるために用いていた各種
特徴量より、公知のファジー推論により重み係数L1
2 の値を決定するようにしてもよい。なお、複雑度C
の値より、画像の複雑度が明らかに高い、或いは明らか
に低いと判断できる場合には、重み係数L1 、L2 の一
方の重みを0とすることができる。
【0106】次のステップ142では顔領域の抽出結果
及び画像データに基づいて、顔領域の画像特徴量を重視
した第1の露光量E1jを演算し、ステップ144では画
像データに基づいて顔領域の画像特徴量を重視しない第
2の露光量E2jを演算する。次のステップ146では先
のステップ140で値が決定された重み係数L1 、L 2
を用い、第3実施形態のステップ132と同様に、先の
(10)式に従って第1の露光量E1jと第2の露光量E2j
との重み付き平均値を露光量E3jとして演算する。そし
て、ステップ134では、演算した露光量E3jに従っ
て、印画紙28への画像の焼付けを行って処理を終了す
る。
【0107】このように第4実施形態では、複雑度Cの
値に応じて第1の露光量E1j及び第2の露光量E2jに対
する重み係数L1 、L2 の値を定めており、第1の露光
量E1jと第2の露光量E2jとの重み付け平均値(露光量
E3j)に従って画像の焼付けを行うので、焼付けする画
像の画像内容(構成の複雑度)に拘らず、人物の顔等の
主要被写体を適正に焼付けできる露光量を高い得率で得
ることができ、高い得率で適正な仕上りの写真プリント
が得られる。
【0108】なお、画像の構成の複雑度を判定するため
の特徴量は、上記に記載した特徴量に限定されるもので
はなく、本発明は、画像の構成の複雑度に関連する各種
の特徴量を適用できることは言うまでもない。
【0109】また、上記では顔領域抽出処理として、人
物の各部に特有の形状パターンを探索して顔領域を抽出
する抽出方式を例に説明したが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、例えば本願出願人が特開昭 52-1566
24号公報、特開昭 52-156625号公報、特開昭53-12330号
公報、特開昭 53-145620号公報、特開昭 53-145621号公
報、特開昭 53-145622号公報等で提案しているように、
画像データに基づいて各画素の色が色座標上で肌色の範
囲内に含まれているか否か判定し、肌色の範囲内と判断
した測定点のクラスタ(群)が存在している領域を顔領
域として抽出する抽出方式を適用してもよい。
【0110】また、本願出願人が特開平4-346333号公報
等で提案しているように、画像データに基づいて色相値
(及び彩度値)についてのヒストグラムを求め、求めた
ヒストグラムを山毎に分割し、各測定点が分割した山の
何れに属するかを判断して各測定点を分割した山に対応
する群に分け、各群毎に画像を複数の領域に分割し、該
複数の領域のうち人物の顔に相当する領域を推定し、推
定した領域を顔領域として抽出する抽出方式を適用する
ようにしてもよい。
【0111】更に、上記では主要被写体に相当すると推
定される領域として、人物の顔に相当すると推定される
領域を抽出するようにしていたが、これに限定されるも
のではなく、画像中の背景に相当すると推定される領域
(背景領域)を判断し、背景領域以外の領域を主要被写
体に相当すると推定される領域として抽出するようにし
てもよい。具体的には、画像データに基づいて各画素の
色が、色座標上で明らかに背景に属する特定の色(例え
ば空や海の青、芝生や木の緑等)の範囲内に含まれてい
るか否か判定し、前記特定の色範囲内と判断した画素の
クラスタ(群)が存在している領域を背景領域と判断し
て除去し、残った領域を非背景領域(主要被写体に相当
すると推定される領域)として抽出することができる。
【0112】また、本願出願人が特願平6-265850号、特
願平6-266598号で提案しているように、前記と同様にし
て画像を複数の領域に分割した後に、各領域毎に背景に
相当する領域としての特徴量(輪郭に含まれる直線部分
の比率、線対称度、凹凸数、画像外縁との接触率、領域
内の濃度コントラスト、領域内の濃度の変化パターンの
有無等)を求め、求めた特徴量に基づいて各領域が背景
領域か否か判定し背景部と判断した領域を除去し、残っ
た領域を非背景領域(主要被写体に相当すると推定され
る領域)として抽出するようにしてもよい。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
は、原画像の構成の複雑度を判定し、判定結果に基づい
て、原画像の露光量として、原画像から抽出した主要被
写体に相当すると推定される領域の画像特徴量を重視し
た第1の露光量を演算するか、前記領域の画像特徴量を
重視しない第2の露光量を演算するかを選択するように
したので、焼付けすべき原画像の画像内容に拘らず、主
要被写体を適正に焼付けできる露光量を高い得率で得る
ことができる、という優れた効果を有する。
【0114】請求項2記載の発明は、判定結果に基づい
て、原画像の露光量として、第1の露光量を演算する
か、第2の露光量を演算するか、前記第1の露光量と前
記第2の露光量とを重み付き平均値に基づいて第3の露
光量を演算するかを選択するようにしたので、上記効果
に加え、構成の複雑度が中程度の原画像に対しても、適
正な露光量が高い得率で得られる、という効果を有す
る。
【0115】請求項3記載の発明は、原画像の構成の複
雑度の判定結果に応じて、原画像から抽出した主要被写
体に相当すると推定される領域の画像特徴量を重視した
第1の露光量、及び前記領域の画像特徴量を重視しない
第2の露光量に対する重みを各々定め、第1の露光量と
第2の露光量との重み付き平均値に基づいて露光量を決
定するようにしたので、焼付けすべき原画像の画像内容
に拘らず、主要被写体を適正に焼付けできる露光量を高
い得率で得ることができる、という優れた効果を有す
る。
【0116】請求項8記載の発明は、測光データ又は原
画像から抽出された主要被写体に相当すると推定される
領域に関する特徴量に基づいて原画像の構成の複雑度を
判定し、複雑度の判定結果に基づいて、主要被写体に相
当すると推定される領域の画像特徴量を重視した第1の
露光量及び前記領域の画像特徴量を重視しない第2の露
光量を選択的に用いるか、又は前記第1の露光量と第2
の露光量との重み付き平均値に基づいて露光量を決定
し、決定された露光量に基づいて複写材料への原画像の
露光を制御するようにしたので、焼付けすべき原画像の
画像内容に拘らず、高い確率で、主要被写体が適正に焼
付けされるように原画像を焼付けることができる、とい
う優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る写真焼付装置の概略構成図で
ある。
【図2】第1実施形態に係る写真焼付処理を示すフロー
チャートである。
【図3】顔領域抽出処理により抽出した顔領域の数と、
該顔領域のサイズ又は平均濃度の分布と、に基づいて画
像の構成の複雑度を判定する場合に用いるマップの一例
を示す概念図である。
【図4】第2実施形態に係る写真焼付処理を示すフロー
チャートである。
【図5】画像の色の分布に基づいて画像の構成の複雑度
を判定する場合に用いる色座標の一例を示す線図であ
る。
【図6】(A)は構成の複雑度が低い画像、(B)は構
成の複雑度が高い画像について、所定のライン上に隣接
する画素間の濃度差を順に演算した結果の一例を各々示
す線図である。
【図7】画像の構成の複雑度を判定するために背景領域
を抽出する際の、背景領域の判定処理を進める方向を示
す概念図である。
【図8】(A)は構成の複雑度が低い画像、(B)は構
成の複雑度が高い画像について求めた濃度ヒストグラム
の一例を各々示す線図である。
【図9】第3実施形態に係る写真焼付処理を示すフロー
チャートである。
【図10】第4実施形態に係る写真焼付処理を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
10 写真焼付装置 12 ネガフィルム 18 色補正フィルタ 28 印画紙 32 CCDイメージセンサ 40 制御部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原画像を多数個に分割して測光すること
    により得られた測光データを用いて原画像の構成の複雑
    度を判定し、 判定結果に基づいて、原画像の露光量として、原画像か
    ら抽出した主要被写体に相当すると推定される領域の画
    像特徴量を重視した第1の露光量を演算するか、前記領
    域の画像特徴量を重視しない第2の露光量を演算するか
    を選択し、 選択結果に従って原画像の露光量を決定する露光量決定
    方法。
  2. 【請求項2】 前記判定結果に基づいて、原画像の露光
    量として、前記第1の露光量を演算するか、前記第2の
    露光量を演算するか、前記第1の露光量と前記第2の露
    光量との重み付き平均値に基づいて第3の露光量を演算
    するかを選択し、 選択結果に従って原画像の露光量を決定することを特徴
    とする請求項1記載の露光量決定方法。
  3. 【請求項3】 原画像を多数個に分割して測光すること
    により得られた測光データを用いて原画像の構成の複雑
    度を判定し、 判定結果に応じて、原画像から抽出した主要被写体に相
    当すると推定される領域の画像特徴量を重視した第1の
    露光量、及び前記領域の画像特徴量を重視しない第2の
    露光量に対する重みを各々定め、 前記定めた重みを用いて求めた前記第1の露光量と前記
    第2の露光量との重み付き平均値に基づいて原画像の露
    光量を決定する露光量決定方法。
  4. 【請求項4】 前記原画像の構成の複雑度を、前記測光
    データを用いて原画像から抽出した主要被写体に相当す
    ると推定される領域に関する特徴量に基づいて判定する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記
    載の露光量決定方法。
  5. 【請求項5】 前記原画像の構成の複雑度を、前記測光
    データが表す原画像中の各画素の色及び濃度の少なくと
    も一方に基づいて判定することを特徴とする請求項1乃
    至請求項3の何れか1項記載の露光量決定方法。
  6. 【請求項6】 前記測光データが表す原画像中の各画素
    の色及び濃度の少なくとも一方に基づいて原画像を複数
    の領域に分割し、複数の領域に分割した結果に基づいて
    前記原画像の構成の複雑度を判定することを特徴とする
    請求項5記載の露光量決定方法。
  7. 【請求項7】 前記原画像の構成の複雑度を、前記測光
    データが表す原画像中の各画素の色及び濃度の少なくと
    も一方から求めたヒストグラムに基づいて判定すること
    を特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の
    露光量決定方法。
  8. 【請求項8】 原画像を多数個に分割して測光する測光
    手段と、 測光手段の測光によって得られた測光データを用いて原
    画像から主要被写体に相当すると推定される領域を抽出
    する抽出手段と、 前記測光データ又は前記抽出手段によって抽出された主
    要被写体に相当すると推定される領域に関する特徴量に
    基づいて、原画像の構成の複雑度を判定する複雑度判定
    手段と、 前記複雑度判定手段による判定結果に基づいて、抽出手
    段によって抽出された主要被写体に相当すると推定され
    る領域の画像特徴量を重視した第1の露光量及び前記領
    域の画像特徴量を重視しない第2の露光量を選択的に用
    いるか、又は前記第1の露光量と前記第2の露光量との
    重み付き平均値に基づいて露光量を決定する露光量決定
    手段と、 露光量決定手段によって決定された露光量に基づいて複
    写材料への原画像の露光を制御する露光制御手段と、 を含む露光制御装置。
JP30709795A 1995-11-27 1995-11-27 露光量決定方法及び露光制御装置 Pending JPH09146194A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30709795A JPH09146194A (ja) 1995-11-27 1995-11-27 露光量決定方法及び露光制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30709795A JPH09146194A (ja) 1995-11-27 1995-11-27 露光量決定方法及び露光制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09146194A true JPH09146194A (ja) 1997-06-06

Family

ID=17964995

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30709795A Pending JPH09146194A (ja) 1995-11-27 1995-11-27 露光量決定方法及び露光制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09146194A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2757767A1 (en) 2000-10-20 2014-07-23 Samsung Electronics Co., Ltd Image processing system and ordering system

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2757767A1 (en) 2000-10-20 2014-07-23 Samsung Electronics Co., Ltd Image processing system and ordering system

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7609908B2 (en) Method for adjusting the brightness of a digital image utilizing belief values
US6845181B2 (en) Method for processing a digital image to adjust brightness
EP0514909B1 (en) Method of determining exposure
US6370262B1 (en) Information processing apparatus and remote apparatus for object, using distance measuring apparatus
JPH09171220A (ja) 露光量決定方法
US20070071316A1 (en) Image correcting method and image correcting system
CN108537782B (zh) 一种基于轮廓提取的建筑物图像匹配与融合的方法
US20080170778A1 (en) Method and system for detection and removal of redeyes
JP2002150284A (ja) 画像内の主対象を強調するためのディジタル画像処理システム及び方法
JPH09138470A (ja) 画像の主要部判定方法及び複写条件決定方法
JP2008004123A (ja) 特定形状領域の抽出装置及び方法、特定領域の抽出装置及び方法、複写条件決定装置及び方法
JP2695067B2 (ja) 人物の顔のデータの抽出方法及び露光量決定方法
JP3516786B2 (ja) 顔領域抽出方法及び複写条件決定方法
JP3576654B2 (ja) 露光量決定方法、図形抽出方法及び顔領域判断方法
JP2638691B2 (ja) 露光量決定方法
JPH10268447A (ja) 画像処理装置及び写真焼付装置
JP2848749B2 (ja) 特徴画像データの抽出方法
JPH09146194A (ja) 露光量決定方法及び露光制御装置
JP2638702B2 (ja) 特徴画像データの抽出方法
JP2638693B2 (ja) 特徴画像データの抽出方法
JPS6352367B2 (ja)
JPH09197575A (ja) 露光量決定方法及び露光制御装置
JP2638701B2 (ja) 特徴画像データの抽出方法
JP2638692B2 (ja) 人物の顔のデータの抽出方法及び露光量決定方法
JP2848750B2 (ja) 露光量決定方法