JPH09145424A - 地下浸透水分布状態観測装置 - Google Patents

地下浸透水分布状態観測装置

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Publication number
JPH09145424A
JPH09145424A JP32953695A JP32953695A JPH09145424A JP H09145424 A JPH09145424 A JP H09145424A JP 32953695 A JP32953695 A JP 32953695A JP 32953695 A JP32953695 A JP 32953695A JP H09145424 A JPH09145424 A JP H09145424A
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JP
Japan
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temperature
underground
distribution state
temperature detection
water
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Application number
JP32953695A
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English (en)
Inventor
Teruhiko Umezono
輝彦 梅園
Osamu Sakairi
修 酒入
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Mitsui Construction Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Construction Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】地盤中の地下浸透水の分布状態を明確に、しか
も簡便に把握する。 【解決手段】地盤1中に埋設設置自在なフレーム9を有
し、このフレーム9に熱電対12、温度検出部16を、
該熱電対12が前記フレーム9に対する所定の位置P1
〜P4に配置される形で設け、前記フレーム9にヒータ
11を、前記熱電対12を加熱し得る形で設け、温度検
出部16により検出された温度T1を表示出力する表示
部17を設けて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地盤中に浸透した地下
浸透水の分布状態、例えば地下浸透水の存在状態や地下
浸透水の流動方向(流動状態)などを観測するのに好適
な地下浸透水分布状態観測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、浸透ます等の浸透施設を用い
て、雨水を強制的に地下に浸透させる地下浸透法が普及
している。このような地下浸透法では、雨水が地盤中に
浸透して地下浸透水となり、この地下浸透水により、該
地盤中に既に存在している地下水を涵養できるという利
点がある。しかしその一方で、汚染された雨水からなる
地下浸透水により地下水が汚染されるのではとの危惧が
生じている。このため、地盤中の地下浸透水の分布状
態、例えば地下浸透水の存在状態や地下浸透水の流動方
向(流動状態)などを明確に把握しておき、地下水の汚
染の原因になるような、地下浸透水の不用意な拡散など
が生じていないかを観察し監視することが望まれてい
る。また、雨水の地下浸透法の場合に限らず、種々の調
査等においても、地盤中の地下浸透水の分布状態を観察
し、明確に把握することが望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来、地盤中の
地下浸透水の分布状態を明確に、しかも簡便に把握でき
る装置がなかった。
【0004】そこで本発明は上記事情に鑑み、地盤中の
地下浸透水の分布状態を明確に、しかも簡便に把握でき
る地下浸透水分布状態観測装置を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち本発明のうち第1の
発明は、地盤(1)中の地下浸透水(TS)の分布状態
を観測する際に使用する地下浸透水分布状態観測装置
(6)において、地盤(1)中に埋設設置自在なフレー
ム(9)を有し、前記フレーム(9)に温度検知手段
(12、16)を、該温度検知手段(12、16)の温
度検知部(12)が前記フレーム(9)に対する所定位
置(P1〜P4)に配置される形で設け、前記フレーム
(9)に加熱手段(11)を、前記温度検知手段(1
2、16)の温度検知部(12)を加熱し得る形で設
け、前記温度検知手段(12、16)により検出された
温度(T1)を表示出力する表示部(17)を設けて構
成される。
【0006】また本発明のうち第2の発明は、第1の発
明の地下浸透水分布状態観測装置(6)において、前記
フレーム(9)は複数のフレーム(9)であり、前記温
度検知手段(12、16)の温度検知部(12)は、前
記複数のフレーム(9)に対してそれぞれ設けられた複
数の温度検知部(12)である。
【0007】また本発明のうち第3の発明は、第1の発
明の地下浸透水分布状態観測装置(6)において、前記
温度検知手段(12、16)の温度検知部(12)は、
前記フレーム(9)に沿って上下方向に所定の間隔(L
1)で配列配置された複数の温度検知部(12)であ
る。
【0008】また本発明のうち第4の発明は、第2又は
3の発明の地下浸透水分布状態観測装置(6)におい
て、前記加熱手段(11)は、前記各温度検知部(1
2)に対してそれぞれ設けられた複数の加熱手段(1
1)である。
【0009】また本発明のうち第5の発明は、第1の発
明の地下浸透水分布状態観測装置(6)において、前記
加熱手段(11)にサーモスタット手段(25)を設け
た。
【0010】また本発明のうち第6の発明は、第1の発
明の地下浸透水分布状態観測装置(6)において、前記
温度検知手段(12、16)により検出された温度(T
1)と所定の基準温度(T0)とを比較する温度比較部
(19)を設け、前記温度比較部(19)の比較結果
(Q1、Q2)に基づき、前記温度検知手段(12、1
6)の温度検知部(12)の位置(P1〜P4)に地下
浸透水(TS)が存在するか否かを判定する水存在判定
部(20)を設け、前記水存在判定部(20)による判
定結果(M1、M2)を表示出力する判定結果表示部
(17)を設けて構成される。
【0011】なお、括弧内の番号等は、図面における対
応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述
は図面上の記載に限定拘束されるものではない。以下の
「作用」の欄についても同様である。
【0012】
【作用】上記した構成により本発明のうち第1の発明で
は、温度検知部(12)の位置(P1〜P4)に地下浸
透水(TS)が存在する場合には、加熱手段(11)に
より温度検知部(12)に対して加熱され与えられてい
た熱が、該温度検知部(12)の位置(P1〜P4)に
存在するようになった地下浸透水(TS)に奪われ、該
温度検知部(12)の温度(T1)が降下するという現
象が起こることを利用し、表示部(17)において表示
出力されてくる温度(T1)の変化、つまり温度検知部
(12)の温度(T1)の変化を観察することにより、
該温度検知部(12)の位置(P1〜P4)に地下浸透
水(TS)が存在するか否かを把握する。
【0013】また本発明のうち第2の発明では、地下浸
透水(TS)の存在状態等の分布状態がフレーム(9)
の数の分だけ多くの位置で把握され、複数のフレーム
(9)の配置分布状態に対応して、地下浸透水(TS)
の水平方向における分布状態が把握される。
【0014】また本発明のうち第3の発明では、地下浸
透水(TS)の存在状態等の分布状態がフレーム(9)
に沿って上下方向に配列配置された温度検知部(12)
の数の分だけ多くの位置(P1〜P4)で把握され、温
度検知部(12)がフレーム(9)に沿って上下方向に
配列配置されていることから、地下浸透水(TS)の鉛
直方向における分布状態が把握される。
【0015】また本発明のうち第4の発明では、1つの
温度検知部(12)に対応する加熱手段(11)から熱
が奪われたような場合にも、該1つの温度検知部(1
2)に対応する加熱手段(11)は、他の温度検知部
(12)に対応する加熱手段(12)に対して、その熱
を奪うなどといった影響を与えない。
【0016】また本発明のうち第5の発明では、加熱手
段(11)による温度検知部(12)の加熱は、サーモ
スタット手段(25)の作用により、該温度検知部(1
2)を極力一定の基準温度(T0)に保つようにして行
われる。
【0017】また本発明のうち第6の発明では、各温度
検知部(12)の位置(P1〜P4)に地下浸透水(T
S)が存在するか否かの把握は、判定結果表示部(1
7)で表示出力される判定結果(M1、M2)を見るこ
とにより直接行われる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は、本発明による地下浸透水分布状態観測装置
の一例を示した側面図、図2(a)は、図1に示す地下
浸透水分布状態観測装置のうち、1つの観測器を示した
拡大側面図、図2(b)は、図2(a)のI矢視図、図
3(a)は、図1に示す地下浸透水分布状態観測装置の
うち、制御装置を示したブロック図、図3(b)は、地
下浸透水分布状態観測装置の配置平面図、図4は、図3
に示す制御装置のうち表示部のディスプレイに表示され
た表を示した図、図5は、図3に示す制御装置のうち表
示部のディスプレイに表示された座標を示した図であ
る。
【0019】地盤1には、図1及び図3(b)に示すよ
うに、底部が閉塞された円筒状の浸透ます2(公知)
が、その上端部位(即ち、上蓋材の付近)を地上側に露
出させた形で埋設されている(なお、図1では浸透ます
2等については、その側断面を示している。)。浸透ま
す2内には、該浸透ます2の上端部位側などから(或い
は該浸透ます2に接続された図示しない横枝排水管を介
して)、地上に降った雨水USが集められるようになっ
ており、該浸透ます2内に集められた雨水USは、該浸
透ます2の側壁部や底部などを透過して地盤1中に地下
浸透水TSとして浸透し得るようになっている。なお、
本実施例では、浸透ます2からの地下浸透水TSが地盤
1へ透過するのを促進させ得る形で、該浸透ます2の側
方周囲及び下方において単粒度砕石3が、地盤1の一部
として埋設されており、この単粒度砕石3の側方周囲及
び上下には、単粒度砕石3への砂粒などの流入を防止す
る形で、従ってこの単粒度砕石3とその外側の土砂とを
仕切る形で不織布5が埋設されている。
【0020】更に、この地盤1には、図1乃至図3に示
すように、本発明による地下浸透水分布状態観測装置6
が設置されている。即ち、地下浸透水分布状態観測装置
6は、12個の観測器7を有しており(観測器7の個数
は本実施例では12個であるが、その他の実施例として
観測器7の個数は何個でもよい)、各観測器7はフレー
ム9を有している。各フレーム9は、上下方向に伸延し
た形状に形成されており、該フレーム9の略全体は地盤
1中に埋設設置されている。なお、本実施例ではフレー
ム9として、半割(即ち半円筒状)の塩ビパイプが採用
されているが、フレームの形状や材質はその他のもので
も構わない。各フレーム9の側部(即ち本実施例では半
円筒の内側)には、図2(a)及び図2(b)に示すよ
うに、所定の水中ボンド10を介して、シリコンラバー
ヒータからなる4個のヒータ11が設置されている。ヒ
ータ11の個数は本実施例では4個であるが、その他の
実施例としてヒータ11の個数は何個でもよい)。な
お、各フレーム9において、各ヒータ11は、該フレー
ム9の伸延方向である上下方向に沿って所定の間隔L1
で一列に配置されている。そして、各ヒータ11には、
熱電対12が、該ヒータ11の発熱部11aの中央部に
1つづつ設置されている。つまり、各フレーム9には、
水中ボンド10及び各ヒータ11を介する形で、4個の
熱電対12が、該フレーム9に沿って上下方向に所定の
間隔L1で一列に配列配置されて設けられていることに
なる。なお、各フレーム9に設けられている4個の熱電
対12の配置位置は該フレーム9に対する所定位置とな
っており、この位置は図2(a)に示すように、上から
位置P1、P2、P3、P4となっている。また、各熱
電対12は、対応する各ヒータ11の発熱部11aに設
けられていることから、該熱電対12は、これらヒータ
11によって加熱され得るようになっている。更に、各
ヒータ11には発熱部11aを一定の基準温度T0に維
持し得るサーモスタット25が設けられており、従って
これらヒータ11により加熱される熱電対12の温度T
1は、サーモスタット25の作用により極力一定の基準
温度T0に維持されるようになる。なお、各熱電対12
の、各フレーム9に対する位置P1〜P4は、本実施例
で示したもの(即ち、所定の間隔L1で設置したもの)
以外にも、多様な位置が可能である。
【0021】なお、上述した複数の観測器7は、図3
(b)に示すように、前記浸透ます2を中心に放射状に
配置されており、各観測器7のフレーム9は、図1に示
すように、略同一の深さレベルに配置されている。つま
り、複数の観測器7間において、対応する位置P1〜P
4の熱電対12どうし(即ち、位置P1の熱電対12ど
うし、位置P2の熱電対12どうし、……)は略等しい
深さレベルに配置されている。
【0022】一方、地下浸透水分布状態観測装置6は、
図1乃至図3に示すように、制御装置13を有してい
る。制御装置13は、図3(a)に示すように、主制御
部15を有しており、主制御部15には、バス線を介し
て、温度検出部16、表示部17、温度比較部19、水
存在判定部20、ヒータ制御部21が接続されている。
また、温度検出部16には、図2(a)及び図3(a)
に示すように、各観測器7の各熱電対12が接続されて
おり、ヒータ制御部19には、図2(a)及び図3
(a)に示すように、各観測器7の各ヒータ11が接続
されている。
【0023】地下浸透水分布状態観測装置6等は以上の
ように構成されているので、地盤1中の地下浸透水TS
の分布状態、例えば存在状態や流動方向などを把握する
には以下のように行う。まず、複数の観測器7を、図3
(b)に示すように、地盤1の所定の位置、例えば上述
したように複数の観測器7が前記浸透ます2を中心に放
射状に配置され、各観測器7が略同一の深さレベルに配
置される位置に埋設設置する。なお、各観測器7の設置
の具体的な手順としては、例えばまずダブルスコップ等
で地盤1を掘削して小口径の孔(図示せず)を穿設し、
観測器7を該孔に落とし込み、その周囲を川砂(図示せ
ず)等で埋め戻すようにする。
【0024】次いで、制御装置13をオンさせる。制御
装置13がオンされることにより、該制御装置13の主
制御部15からはヒータ始動の命令がヒータ制御部21
に伝送され、ヒータ制御部21は、各観測器7の各ヒー
タ11を始動させる。以降、これらヒータ11は、その
発熱部11aにおいて発熱動作を行う。従って、各ヒー
タ11の発熱部11aに設置されている各熱電対12
は、該ヒータ11の発熱動作及び前記各サーモスタット
25による温度維持作用により、その温度T1が極力一
定な基準温度T0に保持されるようになる。
【0025】以上のように地下浸透水分布状態観測装置
6をセットした後、地上に降った雨水USが浸透ます2
内に集められ、該集められた雨水USは、該浸透ます2
を透過して、単粒度砕石3及び不織布5を介して地盤1
中に地下浸透水TSとして浸透したとする。ところで、
各観測器7の各熱電対12は、上述した各ヒータ11の
発熱動作及び前記各サーモスタット25による温度維持
作用により極力一定な基準温度T0に保持されている
が、地盤1中の地下浸透水TSが該熱電対12に到達し
接触している場合には、該熱電対12の熱が地下浸透水
TSに急速に(即ち、ヒータ11による熱の供給よりも
速く)奪われ、該熱電対12の温度T1が前記基準温度
T0よりも低下するようになる。つまり、各観測器7の
各熱電対12のうち、地下浸透水TSが到達し接触して
いないものは、その温度T1が略基準温度T0となって
いるので、該基準温度T0に対応した所定の電気信号を
制御装置13の温度検出部16に伝送し、各観測器7の
各熱電対12のうち、地下浸透水TSが到達し接触して
いるものは、その温度T1が基準温度T0よりも低くな
っているので、該基準温度T0よりも低い温度に対応し
た所定の電気信号を制御装置13の温度検出部16に伝
送する。なお、各熱電対12からの電気信号の伝送は所
定の微小時間毎に行われる。
【0026】温度検出部16は、所定の微小時間毎に伝
送されてきた電気信号に基づいて、これら電気信号に対
応した温度T1を、各熱電対12ごとに区別する形で順
次検出する。温度検出部16において検出された、各熱
電対12ごとの温度T1は、表示部17に順次、従って
所定の微小時間毎に伝送され、表示部17は、これら各
熱電対12ごとの温度T1を、例えば所定の微小時間毎
に順次更新する形で表示出力する。この温度T1の表示
方法として具体例をあげる。例えば、表示部17は、図
4に示すように、ディスプレイ17aを有しており、デ
ィスプレイ17aには表H1が表示されている。即ち、
表H1には、12個の観測器7を示す記号が、K1〜K
12としてそれぞれ区別して表示されており(なお、各
観測器7とこれら記号K1〜K12との対応関係は図1
及び図3(b)を参照)、更に各観測器7の4個の熱電
対12を示す記号が、N1〜N4としてそれぞれ区別し
て表示されている(なお、記号N1〜N4は、図1及び
図2(a)に示すように、位置P1〜P4の熱電対12
と対応している。)。そして、各熱電対12を介して検
出された温度(単位°C)が記号K1〜K12及び記号
N1〜N4に対応した形で表示されている。なお、この
表H1では基準温度T0が20°Cとなっている場合の
ものである。従って、この表H1を見ると、温度が略2
0°Cである熱電対12(例えば表H1のK1−N1や
K1−N2など)の位置には地下浸透水TSが存在せ
ず、温度が略20°C未満である熱電対12(例えば表
H1のK1−N3やK1−N4など)の位置には地下浸
透水TSが存在するということが把握できる。つまり、
この表H1に表示されてくる温度、つまり各熱電対12
の温度T1を観察することにより、該熱電対12の位置
に地下浸透水TSが存在するか否かを知ることができる
のである(なお、表H1の温度等の数値は例に過ぎず、
本発明はこれらの数値に限定されない。)。
【0027】一方、温度検出部16は、検出された、各
熱電対12ごとの温度T1を、温度比較部19にも順
次、従って所定の微小時間毎に伝送する。温度比較部1
9は、これら各熱電対12ごとの温度T1を、前記各サ
ーモスタット25により維持され得るようになっている
基準温度T0(既知)と比較する。比較の結果、温度T
1が基準温度T0未満の場合には比較結果Q1を、温度
T1が基準温度T0と等しい場合には比較結果Q2を、
水存在判定部20に各熱電対12ごとに、かつ所定の微
小時間毎に順次伝送する。水存在判定部20は、これら
伝送された比較結果Q1、Q2に基づき、これら比較結
果Q1、Q2に対応する熱電対12の位置P1〜P4に
地下浸透水TSが存在するか否かを判定する。上述した
ように、熱電対12の位置に地下浸透水TSが存在して
いれば、該熱電対12の温度T1が基準温度T0未満で
あり、比較結果Q1が伝送されてくるはずであり、ま
た、熱電対12の位置に地下浸透水TSが存在していな
ければ、該熱電対12の温度T1が基準温度T0であ
り、比較結果Q2が伝送されてくるはずである。よっ
て、水存在判定部20は、伝送されてきた比較結果Q
1、Q2に基づき、比較結果Q1の場合には、該比較結
果Q1に対応する熱電対12の位置P1〜P4に地下浸
透水TSが存在すると判定して判定結果M1を、また、
比較結果Q2の場合には、該比較結果Q2に対応する熱
電対12の位置P1〜P4に地下浸透水TSが存在しな
いと判定して判定結果M2を、それぞれ出力する。出力
された判定結果M1、M2は表示部17に伝送される。
【0028】表示部17は、これら各熱電対12につい
ての判定結果M1、M2を、例えば所定の微小時間毎に
順次更新する形で表示出力する。この判定結果M1、M
2の表示方法として具体例をあげる。例えば、表示部1
7は、図5に示すように、ディスプレイ17bを有して
おり、ディスプレイ17bにはX、Y、Z軸からなる三
次元座標SZが表示されている(三次元座標SZは斜視
図として表示されている)。そして、三次元座標SZに
は、浸透ます2の位置が図形Z1として配置され表示さ
れており、各観測器7の位置が浸透ます2に対する実際
の配置状態と対応してZ軸に平行な(従って上下方向
の)線分K1、K2、……、K12として配置され表示
されている(なお、線分K1〜K12は、図1及び図3
(b)に示す形で、各観測器7と対応している。)。ま
た、各熱電対12の位置が、各観測器7に対する実際の
配置状態と対応して、各線分K1、K2、……、K12
上に点N1、N2、……、N4としてそれぞれ配置され
表示されている(なお、点N1、N2、……、N4は、
図1及び図2(a)に示す形で、各位置P1、P2、…
…、P4と対応している。)。そして、判定結果M1で
ある熱電対12については、該熱電対12を示す点に向
かう矢印Yが表示され、判定結果M2である熱電対12
については矢印Yが表示されないようになっている(な
お、矢印Yは、図形Z1から水平な放射方向に向かうも
のとしている。)。つまり、この三次元座標SZを見る
ことにより、これら矢印Yが示す位置に地下浸透水TS
が分布し、これら矢印Yが示す方向にこの地下浸透水T
Sが流動しているということを簡単に把握することがで
きる。
【0029】なお、熱電対12に接触した地下浸透水T
Sが流動せず停滞する場合には、まず該熱電対12の熱
が該地下浸透水TSに奪われて温度T1が一旦低下す
る。しかし、停滞している該地下浸透水TSが熱を受け
続けてその温度を上昇させるので、該熱電対12の温度
T1も一緒に上昇する。つまり、表示部17に表示され
た各熱電対12の温度T1を観察し、該温度T1が急速
に上昇して基準温度T0に戻るのではなく、該温度T1
が徐々に上昇していることを観察することにより、該熱
電対12の付近で地下浸透水TSが流動せず停滞してい
るということを把握できる。
【0030】また、上述した実施例ではフレーム9は1
2個であったが、本発明ではフレームの数はいくつでも
よい。また、上述した実施例では1つのフレーム9に温
度検知部である熱電対12が4個づつとなっていたが、
本発明では1つのフレームに対して温度検知部がいくつ
設けられてもよい。更に、上述した実施例では制御装置
13が温度検出部16、表示部17、温度比較部19、
水存在判定部20、ヒータ制御部21等を有している
が、本発明では、温度比較部19、水存在判定部20等
を有さないものも可能である。
【0031】また、上述した実施例では温度検知部であ
る熱電対12の位置P1〜P4はフレーム9に対して固
定的であったが、フレームに対する温度検知部の位置を
変更自在にしてもよい。また、フレームに対して温度検
知部を着脱自在にしてもよい。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明のうち第1の
発明は、地盤1等の地盤中の地下浸透水TS等の地下浸
透水の分布状態を観測する際に使用する地下浸透水分布
状態観測装置において、地盤中に埋設設置自在なフレー
ム9等のフレームを有し、前記フレームに熱電対12、
温度検出部16等の温度検知手段を、該温度検知手段の
熱電対12等の温度検知部が前記フレームに対する位置
P1〜P4等の所定位置に配置される形で設け、前記フ
レームにヒータ11等の加熱手段を、前記温度検知手段
の温度検知部を加熱し得る形で設け、前記温度検知手段
により検出された温度T1等の温度を表示出力する表示
部17等の表示部を設けて構成されるので、本発明によ
る地下浸透水分布状態観測装置を、フレームを地盤中に
埋設設置する形で設置しておき、表示部において表示出
力されてくる温度を観察することにより地盤中の地下浸
透水の分布状態を観測することができる。即ち、前記表
示部において表示出力されてくる温度の変化、つまり温
度検知部の温度の変化により、該温度検知部の位置に地
下浸透水が存在するか否かを知ることができる。なぜな
ら、温度検知部の位置に地下浸透水が存在しない状態か
ら、地下浸透水の流動などにより、該温度検知部の位置
に地下浸透水が存在する状態になった場合には、加熱手
段により温度検知部に対して加熱され与えられていた熱
が、該温度検知部の位置に存在するようになった地下浸
透水に奪われ、該温度検知部の温度が降下するという現
象が起こる。従って、前記表示部において表示出力され
てくる温度、つまり温度検知部の温度が降下することを
観察することにより、該温度検知部の位置に地下浸透水
が存在するか否かを知ることができるのである。つま
り、本発明によると地盤中の地下浸透水が温度検知部の
位置に存在するか否かという地下浸透水の存在状態等の
分布状態を明確に把握できる。またこれに加えて、本発
明による地下浸透水分布状態観測装置は、フレーム、温
度検知手段、加熱手段、表示部といったものからなり、
簡単な構成となっている。更に、複雑な動作や処理が必
要ないので、地盤中の地下浸透水の分布状態を簡便に把
握できる。更に、地下浸透水の発生源(例えば浸透ます
など)の位置が既知なる場合には、地下浸透水の流動方
向(流動状態)などの分布状態をも明確に把握できる。
即ち、地下浸透水が温度検知部の位置に存在することを
把握することにより、地下浸透水が前記発生源から前記
温度検知部に向かう方向に流動しているという地下浸透
水の流動方向(流動状態)を把握できる。従って、本発
明による地下浸透水分布状態観測装置を用いると、例え
ば、浸透ます等の浸透施設を用いて、雨水を強制的に地
下に浸透させる地下浸透法等において、地盤中の地下浸
透水の分布状態、例えば地下浸透水の存在状態や地下浸
透水の流動方向(流動状態)などを明確に把握してお
き、地下水の汚染の原因になるような、地下浸透水の不
用意な拡散などが生じていないかを観察し監視すること
が明確かつ簡便にできる。また、雨水の地下浸透法の場
合に限らず、種々の調査等においても、地盤中の地下浸
透水の分布状態を観察し、明確に把握することができ
る。
【0033】また本発明のうち第2の発明は、第1の発
明の地下浸透水分布状態観測装置において、前記フレー
ムは複数のフレームであり、前記温度検知手段の温度検
知部は、前記複数のフレームに対してそれぞれ設けられ
た複数の温度検知部であるので、第1の発明による効果
に加えて、地下浸透水の存在状態等の分布状態がフレー
ムの数の分だけ更に多くの位置で把握できるので都合が
よい。特に、複数のフレームの配置分布状態に対応し
て、地下浸透水の水平方向における分布状態が更に詳し
く把握できるので都合がよい。
【0034】また本発明のうち第3の発明は、第1の発
明の地下浸透水分布状態観測装置において、前記温度検
知手段の温度検知部は、前記フレームに沿って上下方向
に間隔L1等の所定の間隔で配列配置された複数の温度
検知部であるので、第1の発明による効果に加えて、地
下浸透水の存在状態等の分布状態がフレームに沿って上
下方向に配列配置された温度検知部の数の分だけ更に多
くの位置で把握できるので都合がよい。特に、温度検知
部がフレームに沿って上下方向に配列配置されているこ
とから、地下浸透水の鉛直方向における分布状態が更に
詳しく把握できるので都合がよい。
【0035】また本発明のうち第4の発明は、第2又は
3の発明の地下浸透水分布状態観測装置において、前記
加熱手段は、前記各温度検知部に対してそれぞれ設けら
れた複数の加熱手段である。即ち、加熱手段が各温度検
知部に対してそれぞれ別個に設けられていることによ
り、例えば温度検知部の位置に地下浸透水が存在するな
どの理由で、1つの温度検知部に対応する加熱手段から
熱が奪われたような場合にも、該1つの温度検知部に対
応する加熱手段は、他の温度検知部に対応する加熱手段
に対して、その熱を奪うなどといった影響を与えない。
よって、第2又は3の発明による効果に加えて、温度検
知部における温度の変化が、該温度検知部の位置に地下
浸透水が存在するか否かという状態により正確に対応す
るようになり、地下浸透水の分布状態を更に正確に把握
できる。
【0036】また本発明のうち第5の発明は、第1の発
明の地下浸透水分布状態観測装置において、前記加熱手
段にサーモスタット25等のサーモスタット手段を設け
たので、加熱手段による温度検知部の加熱は、サーモス
タット手段の作用により、該温度検知部を極力一定の温
度、即ち基準温度T0に保つようにして行われる。従っ
て、第1の発明による効果に加えて、表示部において表
示出力されてくる温度検知部の温度が前記基準温度T0
よりも低い温度であることを確認することにより、地盤
中の地下浸透水が該温度検知部に存在することを把握で
きるので、地下浸透水の分布状態をより正確に観測する
ことができる。
【0037】また本発明のうち第6の発明は、第1の発
明の地下浸透水分布状態観測装置において、前記温度検
知手段により検出された温度と基準温度T0等の所定の
基準温度とを比較する温度比較部19等の温度比較部を
設け、前記温度比較部の比較結果Q1、Q2等の比較結
果に基づき、前記温度検知手段の温度検知部の位置に地
下浸透水が存在するか否かを判定する水存在判定部20
等の水存在判定部を設け、前記水存在判定部による判定
結果M1、M2等の判定結果を表示出力する表示部17
等の判定結果表示部を設けて構成されるので、各温度検
知部の位置に地下浸透水が存在するか否かの把握は、判
定結果表示部で表示出力される判定結果を見ることによ
り直接行われる。即ち、温度検知手段により検出された
表示部により表示された温度と所定の基準温度とを比較
して、その比較結果に基づき、温度検知部の位置に地下
浸透水が存在するか否かを判定する作業を人手を介して
行わずに済むので簡単かつ正確である。よって、第1の
発明による効果に加えて、地下浸透水の分布状態をより
簡単にかつ正確に観測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による地下浸透水分布状態観測
装置の一例を示した側面図である。
【図2】図2(a)は、図1に示す地下浸透水分布状態
観測装置のうち、1つの観測器を示した拡大側面図、図
2(b)は、図2(a)のI矢視図である。
【図3】図3(a)は、図1に示す地下浸透水分布状態
観測装置のうち、制御装置を示したブロック図、図3
(b)は、地下浸透水分布状態観測装置の配置平面図で
ある。
【図4】図4は、図3に示す制御装置のうち表示部のデ
ィスプレイに表示された表を示した図である。
【図5】図5は、図3に示す制御装置のうち表示部のデ
ィスプレイに表示された座標を示した図である。
【符号の説明】
1……地盤 6……地下浸透水分布状態観測装置 9……フレーム 11……加熱手段(ヒータ) 12……温度検知手段、温度検知部(熱電対) 16……温度検知手段(温度検出部) 17……表示部、判定結果表示部(表示部) 19……温度比較部 20……水存在判定部 25……サーモスタット手段(サーモスタット) L1……間隔 M1……判定結果 M2……判定結果 P1〜P4……所定位置(位置) Q1……比較結果 Q2……比較結果 T0……基準温度 T1……温度 TS……地下浸透水

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地盤中の地下浸透水の分布状態を観測する
    際に使用する地下浸透水分布状態観測装置において、 地盤中に埋設設置自在なフレームを有し、 前記フレームに温度検知手段を、該温度検知手段の温度
    検知部が前記フレームに対する所定位置に配置される形
    で設け、 前記フレームに加熱手段を、前記温度検知手段の温度検
    知部を加熱し得る形で設け、 前記温度検知手段により検出された温度を表示出力する
    表示部を設けて構成した地下浸透水分布状態観測装置。
  2. 【請求項2】前記フレームは複数のフレームであり、 前記温度検知手段の温度検知部は、前記複数のフレーム
    に対してそれぞれ設けられた複数の温度検知部であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の地下浸透水分布状態観測
    装置。
  3. 【請求項3】前記温度検知手段の温度検知部は、前記フ
    レームに沿って上下方向に所定の間隔で配列配置された
    複数の温度検知部であることを特徴とする請求項1記載
    の地下浸透水分布状態観測装置。
  4. 【請求項4】前記加熱手段は、前記各温度検知部に対し
    てそれぞれ設けられた複数の加熱手段であることを特徴
    とする請求項2又は3記載の地下浸透水分布状態観測装
    置。
  5. 【請求項5】前記加熱手段にサーモスタット手段を設け
    たことを特徴とする請求項1記載の地下浸透水分布状態
    観測装置。
  6. 【請求項6】前記温度検知手段により検出された温度と
    所定の基準温度とを比較する温度比較部を設け、 前記温度比較部の比較結果に基づき、前記温度検知手段
    の温度検知部の位置に地下浸透水が存在するか否かを判
    定する水存在判定部を設け、 前記水存在判定部による判定結果を表示出力する判定結
    果表示部を設けて構成した請求項1記載の地下浸透水分
    布状態観測装置。
JP32953695A 1995-11-24 1995-11-24 地下浸透水分布状態観測装置 Pending JPH09145424A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019206843A (ja) * 2018-05-29 2019-12-05 株式会社サムシング ドレーン管の使用方法

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