JP2017058296A - 地下水監視予測装置およびその方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】地下水の挙動を効率的に予測することができる地下水監視予測装置およびその方法を提供する。
【解決手段】地下水監視予測装置は、地下水位および地下水成分を測定して計測データを入力させる計測値入力手段13と、降水量を含む気象データの計測データを入力させる気象データ入力手段15と、事前の地質調査結果から透水率、地下水位の初期値、物質の拡散係数の初期設定された地層調査データを入力させる地質調査データ入力手段16と、前記各計測データおよび地層調査データを入力して最小二乗法により演算し、透水率、地下水位、物質の拡散係数の地層パラメータを推定する地層パラメータ推定手段17と、推定された地下水位および透水率を入力し、将来の地下水位、物質の濃度分布の変動をシミュレーションにより予測する地下水位置・物質の濃度予測手段19とを有し、計測対象領域の透水率を推定し、地下水位を予測することを特徴とするものである。
【選択図】 図1
【解決手段】地下水監視予測装置は、地下水位および地下水成分を測定して計測データを入力させる計測値入力手段13と、降水量を含む気象データの計測データを入力させる気象データ入力手段15と、事前の地質調査結果から透水率、地下水位の初期値、物質の拡散係数の初期設定された地層調査データを入力させる地質調査データ入力手段16と、前記各計測データおよび地層調査データを入力して最小二乗法により演算し、透水率、地下水位、物質の拡散係数の地層パラメータを推定する地層パラメータ推定手段17と、推定された地下水位および透水率を入力し、将来の地下水位、物質の濃度分布の変動をシミュレーションにより予測する地下水位置・物質の濃度予測手段19とを有し、計測対象領域の透水率を推定し、地下水位を予測することを特徴とするものである。
【選択図】 図1
Description
本発明の実施形態は、計測対象領域の地下水の透水率を推定し、地下水の挙動を予測する地下水の挙動予測技術に関する。
原子力施設からの放射能を持つ廃棄物は、適切な深度の安定な地層に埋設することが要求される。その際、特許文献1にあるように、埋設物の長期的な安定貯蔵のために埋設場所の地下水の挙動を把握しておくことが重要である。
また、地下構造を含む施設の建設や運用時には、地下水が流れ込み、また逆に地下水が流出する可能性がある。地下水がどのような挙動を示すのかを監視・予測することは極めて重要である。地下水位の監視・予測のためには、地下水の挙動を物理モデルによりシミュレーションすることが考えられる。
地下水の挙動をシミュレーションするためのモデル式は流体の流れの連続の式と、運動量の式であるDarcy則から一般的に下記の地下水の(水頭に関する)基本方程式で整理されている。
Kx,Ky,Kz:x,y,z軸方向の透水係数(透水率)(m/s)
h:被圧地下水頭(m)
q:単位体積当たりの部分的な注水および吸込み(s−1)
Ss:比貯留量(m−1)
t:時間(s)
である。
シミュレーションソフトは、飽和土壌を扱うものとしてはMODFLOWというソフト等が使われている。ここで、飽和土壌とは含み得る限界の水(蒸気量)を持った土壌をいう。また、個別の目的では透水の基本的な流体のプログラムにより評価が試みられている。
一方、地下水挙動のシミュレーションは、透水係数等を計測対象領域の全ての地点で測定することは困難であり、地下水位の挙動は測定可能な条件を適切なコストで求める必要がある。地下水の透水係数等、地下水挙動のシミュレーションに必要とする地層のパラメータを推定する方法としては、特許文献2,3および非特許文献1等がある。
特許文献2は、測定地域の地形データから計測対象地域を複数の流域に分割し、分割された流域において地形計測を行なうものである。地層調査結果から水の流れ易さとの間に相関を有する複数の因子(Factor)を抽出する。抽出された複数の因子から分割された流域の流出指標を算出する。分割された流域の一部の流域の流出指標と実測された流出量との相関から回帰式を導出し、導出された回帰式と分割された流域の流出指標から分割された流域の流出量を算出する。算出された流出量に基いて降雨涵養量(地表から地下への水の浸透量)を算出するものである。
また、特許文献3は地下水中の物質の能動分布変化をシミュレーションするときに、地下水に混入する汚染物質の移動・拡散機構を把握するための物質輸送パラメータを算出する必要がある。実際には、地下水のシミュレーションパラメータ等測りきれず、物質輸送のパラメータは推定する必要があるというものである。
物質の移動・拡散は2次元の場合、地下水の汚染物質に関する(3)式でモデル化している。(3)式は、地下水流れの方向がx軸方向に一致する場合の2次元解析の式で、物質輸送に関する基本方程式である。
c:物質の濃度
Cw:井戸から流入させる物質の濃度
φ:有効間隙率(土の隙間の割合)
b:帯水層厚さ
Dxx,Dyy:x方向(流れの方向)およびy方向(流れに垂直な方向)の流れの分散係数
Rd:遅延係数
vx,vy:地下水の持つ流速ベクトルのx成分とy成分
Q:井戸流量
である。
遅延係数Rdは、土にくっついたり、離れたりすることにより、地下水の流れより遅くなる物質の流れの遅れを示す係数である。また、井戸から流入させる物質の濃度Cwは、シミュレーションする上で井戸から汚染物質を流し込んだ場合の様子を見るために計算上設けた要素である。
2次元解析の(3)式は、地下水の流れの方向がx軸方向に一致する場合の分散係数を、地下水流れの方向(x方向)とその垂直な方向(y方向)に分けて、物質分散の大きさを表わしたものである。x方向流れの分散係数Dxxは地下水流れの方向での分散係数の内容であり、y方向流れの分散係数Dyyは地下水流れの方向に垂直な方向での分散係数の内容である。
地下水挙動の現実を考えると、コストや手間を無視することはできないから、十分な量の観測結果と観測点を確保することは困難である。したがって、できるだけ少ない観測結果と観測点を用い、できるだけ少ないシミュレーションによって、精度良く物質輸送パラメータを求めることができるように、地下水に混入する汚染物質の移動・拡散機構を精度良く把握できるようにすることで、流れ方向分散係数Dxx,Dyyと遅延係数Rdを流域範囲を限定してシミュレーション結果から逆算している。
非特許文献1は、地下の構造パラメータを何らかの方法で調べていくが、現実には全てを調べることは困難であるとして、透水係数の同定に関して地層を仮定して地層の高さを、フーリエ級数の未知数として最小二乗でフィッティングするというものであり、地層が二層である例が示されている。
「地下水流動シミュレーションと透水係数分布の同定」(数理解析研究所講究録1539巻、2007年 37頁〜42頁)
埋設場所に埋設物を長期に亘り、安定的にかつ安全に保管するためには、埋設場所の地下水の挙動を把握しておくことが、地下構造を含む施設の建設や運用において重要である。
特許文献1には、地下水の挙動を物理モデルにシミュレーションする地下水の基本方程式が整理されており、特許文献2,3および非特許文献1には、地下水の透水係数(透水率)等のパラメータを推定する方法が開示されている。
しかし、従来技術では、測定される地層パラメータの透水係数等が不確実な場合、測定値から地層パラメータの透水係数や地下水位を効率的に推定することができず、将来の地下水の挙動(地下水位の変化)を予測することが困難であった。
本発明の実施形態は、上述した事情を考慮してなされたもので、地下水の挙動を効率的に予測することができる地下水監視予測装置およびその方法を提供することを目的とする。
本発明の実施形態は、地下水の基本方程式の(1)式と、物質の移動・変動に関する物質移送の基本方程式の(4)式と、計測値である計測データおよび地質調査データとを併用して、最小二乗法で演算して、透水率、地下水位、物質の拡散係数の地層パラメータを推定し、シミュレーションにより将来(未来)の地下水位、物質の濃度分布を予測する地下水監視予測技術である。
本実施形態に係る地下水監視予測装置は、地下水位および地下水成分を測定して計測データを入力させる計測値入力手段と、降水量を含む気象データの計測データを入力させる気象データ入力手段と、事前の地質調査結果から透水率、地下水位の初期値、物質の拡散係数の初期設定された地層調査データを入力させる地質調査データ入力手段と、前記各計測データおよび地層調査データを入力して最小二乗法により演算し、透水率、地下水位、物質の拡散係数の地層パラメータを推定する地層パラメータ推定手段と、推定された地下水位および透水率を入力し、将来の地下水位、物質の濃度分布の変動をシミュレーションにより予測する地下水位置・物質の濃度予測手段とを有し、計測対象領域の透水率を推定し、地下水位を予測することを特徴とするものである。
また、本実施形態に係る地下水監視予測方法は、計測対象領域の地下水位および地下水成分を計測した計測データおよび降水量を含む気象の計測データを入力し、事前の地質調査結果から透水率、地下水位の初期値、物質の拡散係数の地層調査データを入力し、前記入力される計測データおよび地層調査データを最小二乗法により演算し、透水率、地下水位、物質の拡散係数の地層パラメータを推定し、推定された地下水位および透水率を入力してシミュレーションにより将来の地下水位、物質の濃度分布の変動を予測し、計測対象領域の透水率を推定し、地下水位を予測することを特徴とする方法である。
本発明の実施形態では、地下水の挙動ならびに将来の地下水位を精度よく予測することができる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る地下水監視予測装置10を示す構成図である。
地下水監視予測装置10は、例えば原子力施設あるいはその近傍の計測対象領域に設けられた観測井戸11の地下水位および地下水成分(地下水に含まれる物質(放射性物質、汚染物質、化学物質等の濃度または放射能を含む。)を測定する計測手段12と、測定された地下水位および地下水成分の計測データを入力させる観測井戸の計測値入力手段13と、降雨量などの気象データを気象データ計測手段14で計測し、気象の計測データとして入力させる気象データ入力手段15と、両計測データを入力して計測値(実測値)から地下水位の推定値および透水係数(透水率)を推定する地層パラメータ推定手段16とを備える。
また、地下水監視予測装置10は、計測対象領域の地形や地層の事前調査結果から、地層パラメータである透水率(透水係数)、地下水位の初期値、物質の拡散係数、吸着係数等を取得し、初期設定された透水率、地下水位等、地層パラメータの地層調査データを入力させる地層調査データ入力手段17と、この地層調査データを入力して計測データと比較し、地層調査データおよび計測データを最小二乗法により演算し、透水率、地下水位および物質の拡散係数の地層パラメータを推定する地層パラメータ推定手段16とを備える。
ここに、透水率(あるいは透水係数)とは、地層に固有の値を持つ水の流れ易さを示す比例定数であり、堆積層や多孔質岩石の組織を損傷させないで、単位断面積当り単位時間に地下水が流れる量は、断面に直角方向の水頭勾配に比例することを意味する。透水率(透水係数)の値は、例えば、地層が粘土質で1.5×10−7〜3×10−7cm/sec、砂層で4.0×10−4〜3.6×10−1cm/sec、細礫層で1.8cm/sec(土質工学ハンドブックの引用資料から)である。
地層パラメータ推定手段16は、複数の観測井戸の計測値入力手段13および気象データ入力手段15からの各計測データおよび地質調査データ入力手段17からの初期設定された地下水位、透水率(透水係数)である地層パラメータの地質調査データを入力して最小二乗法で演算し、透水率や地下水位を推定する透水率、地下水位の推定手段を構成している。地下水監視予測装置10で観測される地層パラメータには、水に含まれる原子の同位体、例えばトリチウム等が含まれる。透水率および地下水位の推定計算において、降雨量等は、地下水の基本方程式である(1)式の右辺に部分的な注水および吸込みの項として反映される。
地層パラメータ推定手段16である透水率・地下水位推定手段で演算された透水率、地下水位の推定結果は、透水率、地下水位の推定結果表示手段18に表示される。
そして、地層パラメータ推定手段16で計測データや地質調査データに基いて最小二乗法により透水率(透水係数)、地下水位、物質の拡散係数、濃度等の部分の地層パラメータが推定された地下水位、透水係数(透水率)を入力して地下水位・物質の濃度予測手段19は将来予想される(未来)の地下水位・物質の濃度分布の変動をシミュレーションにより予測計算する。
地層パラメータ推定手段16で推定された地下水位および透水係数(透水率)は、透水率、地下水位の推定結果表示手段18に表示される。また、地下水位・物質の濃度予測手段19で予測される将来の地下水位分布は、地下水位の予測結果表示手段20に表示される。各表示手段18や20で表示される(実際の)推定値や(将来の)予測値は、計測対象領域の地下水管理に用いられる。
ところで、本実施形態の地下水監視予測装置10は、複数の観測井戸11の計測値入力手段13および気象データ入力手段15からの各計測データならびに地層調査データ入力手段17からの地層調査データを入力して演算し、地下水位、透水率の地層パラメータを推定する地層パラメータ推定手段16のソフトウエアと、推定された地下水位・透水率を受けて地下水位および物質の濃度分布の変動をシミュレーションにより予測する地下水位・物質の濃度予測手段19のソフトウエアとを記録する記録媒体を備える。
地層パラメータ推定手段16および地下水位・物質の濃度予測手段19のソフトウエアは、地下水監視予測装置10のソフトウエアを構成している。地下水監視予測装置10のソフトウエアは、コンピュータを、地層パラメータである地下水、透水率(透水係数)、物質の拡散係数、物質の濃度等の分布を推定したり、予測する目的に合わせて自動運転するプログラムが組み込まれている。
図2(A)は、計測対象領域における地下水位水頭の分布測定系を、X−Y方向でメッシュに分割して示す図である。図2(B)は、同じく地下水位水頭の分布測定系を示すもので、図2(A)のE−E線に沿うX−Z方向でメッシュに分割して示す図である。図2(C)は、同じく地下水位水頭の分布測定系を示すもので、図2(A)のF−F線に沿うZ−Y方向でメッシュに分割して示す図である。
図2(A),(B),(C)において、符号22は計測対象領域内にある原子炉建屋や物質貯蔵施設、化学施設を含む構造物等の不透水体であり、この不透水体22の近傍領域に複数(例えば4箇所)の観測井戸A,B,C,Dが設けられる。
また、符号23は、地下水位水頭の等高線をそれぞれ実線で示すものであり、符号25は、例えば検出用注目物質の成分注入の成分供給源である。
ところで、地層パラメータ推定手段16における地下水位分布および透水係数(透水率)の推定について説明する。
地下水位の推定には、地下水の挙動をシミュレーションする物理モデル式である、(1)式の地下水の(水頭に関する)基本方程式が用いられる。
また、地下水成分の移動については、(3)式の物質輸送の基本方程式から得られる、物質(注目物質)の移流と拡散を考慮した一般的な(4)式が適用される。
C:(注目物質の)成分濃度
νx:地下水のx方向の移動速度
νy:地下水のy方向の移動速度
νz:地下水の高さ方向の移動速度
α:拡散係数
S1(x,y,z,t):成分供給源
S2(x,y,z,t):生成消滅項
である。
注目物質の成分濃度は複数個あってもよい。その場合は、(4)式が複数個の式となる。
これに対して、例えば、地層パラメータ推定手段16では、目的関数Iを最小にするように最小二乗法により透水係数(透水率)を求めることができる。
ここで、
ym(t):計算された地下水位および成分
y* m(t):測定された地下水位および成分
Qm:測定された地下水位および成分の誤差の重み係数
である。
ym(t):計算された地下水位および成分
y* m(t):測定された地下水位および成分
Qm:測定された地下水位および成分の誤差の重み係数
である。
ここで、測定される量は地下水位および(地下水)成分のどちら一方、あるいは両方であってもよい。
(7)式を最小にするように最小二乗法では、地下水位の推定値h’、(地下水)成分濃度C、および透水係数kx’,ky’,kz’の推定値が求められる。これらは、収束計算や地下水の基本方程式である(1)式を、計測値と計算値の誤差で補正した式を解くことで求められる。
(7)式を最小にするように最小二乗法では、地下水位の推定値h’、(地下水)成分濃度C、および透水係数kx’,ky’,kz’の推定値が求められる。これらは、収束計算や地下水の基本方程式である(1)式を、計測値と計算値の誤差で補正した式を解くことで求められる。
地形計測された計測対象領域を、図2(A),(B),(C)の地下水位水頭の分布測定系のようにメッシュに分割すると、地下水の基本方程式である(1)式は、(8)式の差分式で表わすことができる。
このような系についての最小二乗による地層パラメータの推定値は、以下で得られることが知られている。
なお、添え字の上付きの−は予測計算ステップ後の値を表わし、上付きの+は測定値による更新のステップ後の値を表わしている。これによって、地層パラメータの透水係数が求められる。
次に、予測のステップについて説明する。
また、推定値について、地下水位水頭を中心に図3ないし図7を参照して説明する。
計測対象領域の地下水位は、正常な場合は不透水層のある構造物(不透水体22)には流れ込まず、図3のような地下水位水頭の分布となる。図3は境界条件として、X=1でh=1.0(Y=1,2,…,16)、X=16でh=0.0(Y=1,2,…,16)に設定したときの水頭を等高線で表わしている。横(Y)方向については、境界条件が地下水位水頭の傾きがゼロであるとしている。不透水体22の近くでは水がせき止められるため水頭が高めに出ている。
このような場合、地層全体と構造物周りの透水係数(透水率)Kを推定するとした場合、ここで求めた地下水頭を用いて求められる透水係数Kの推定結果は、図4のような分布となると考えられる。不透水体22のところは水を通さないためゼロであり、それ以外では、初期値および透水係数Kの初期設定の値は、事前の調査によって地質調査データ入力手段17が設定することになる。
また、図5は地下水頭にひずみ(異常)がある場合であり、境界の条件は図3と同じである。X=10、Y=9付近で透水が大きいため地下水頭が下がっている。このように地下水頭にひずみがある場合は、これに基づいて地下水頭差の分布を推定すると図6に示すような透水係数推定結果となり、一部Gの透水係数が図4よりも大きくなる。
図6に示す場合、地下水がx方向へも流れることを表わしており、このように透水係数を推定することで流れ易さを判定することができる。また、透水係数(透水率)異常の判定の流れを図7に示す。図7は推定した透水係数が予め決められた規定値よりも大きい場合は、判定装置30により既定以外の透水が有るということで、警報器31でアラームを出すものである。この場合は、透水係数が規定値より大きい場合を示しているが、透水係数がある範囲を指定することでもよい。
[実施形態の効果]
本実施形態においては、地下水の基本方程式と物質の移動、拡散に関する一般式と、計測値(各計測データおよび地質調査データの値)とを併用して、地層パラメータ推定手段16によりシミュレーションに必要な地層パラメータを効果的に推定し、地下水の挙動を効率よく予測することができる。
本実施形態においては、地下水の基本方程式と物質の移動、拡散に関する一般式と、計測値(各計測データおよび地質調査データの値)とを併用して、地層パラメータ推定手段16によりシミュレーションに必要な地層パラメータを効果的に推定し、地下水の挙動を効率よく予測することができる。
したがって、測定される地層パラメータが不確実であっても、シミュレーションに必要な地層パラメータを効率的に推定でき、地下水の挙動を予測することができ、将来の地下水位を予測し、地下水成分(物質)の変動を予測することができる。
シミュレーションに必要な地層パラメータを効果的に推定し、地下水の挙動を予測することができるため、地下水の保全および工事の安全性、信頼度や安定性を実現でき、経済的に優れた地下水監視予測装置を提供できる。
以上、本発明に係る実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、原子力施設だけでなく、化学施設、水処理施設等、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…地下水監視予測装置、11…観測井戸、12…観測井戸データ計測手段、13…(観測井戸の)計測値入力手段、14…気象データ計測手段、15…気象データ入力手段、16…地層パラメータ推定手段(透水率、地下水位推定手段)、17…地質調査データ入力手段、18…透水率、地下水位の推定結果表示手段、19…地下水位・物質の濃度予測手段、20…地下水位の予測結果表示手段、22…構造物などの不透水体、23…地下水位水頭の等高線、25…成分供給源、30…判定装置、31…警報装置。
Claims (6)
- 地下水位および地下水成分を測定して計測データを入力させる計測値入力手段と、
降水量を含む気象データの計測データを入力させる気象データ入力手段と、
事前の地質調査結果から透水率、地下水位の初期値、物質の拡散係数の初期設定された地層調査データを入力させる地質調査データ入力手段と、
前記各計測データおよび地層調査データを入力して最小二乗法により演算し、透水率、地下水位、物質の拡散係数の地層パラメータを推定する地層パラメータ推定手段と、
推定された地下水位および透水率を入力し、将来の地下水位、物質の濃度分布の変動をシミュレーションにより予測する地下水位置・物質の濃度予測手段とを有し、
計測対象領域の透水率を推定し、地下水位を予測することを特徴とする地下水監視予測装置。 - 前記地層パラメータ推定手段で推定された透水率を基準値と比較する判定装置と、前記導水率が基準値より大きいとき透水率大の警報を出力する警報装置とをさらに備えた請求項1記載の地下水監視予測装置。
- 前記地層パラメータ推定手段は、前記地層調査データおよび前記各計測データの演算から推定された地層パラメータに、対象とする計測対象領域の系の境界条件が含まれる請求項1または2に記載の地下水監視予測装置。
- 前記地層パラメータ推定手段は、前記地層調査データおよび前記各計測データの観測される地層パラメータに、水に含まれる原子の同位体の濃度が含まれる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の地下水監視予測装置。
- 計測対象領域の地下水位および地下水成分を計測した計測データおよび降水量を含む気象の計測データを入力し、
事前の地質調査結果から透水率、地下水位の初期値、物質の拡散係数の地層調査データを入力し、
前記入力される計測データおよび地層調査データを最小二乗法により演算し、透水率、地下水位、物質の拡散係数の地層パラメータを推定し、
推定された地下水位および透水率を入力してシミュレーションにより将来の地下水位、物質の濃度分布の変動を予測し、
計測対象領域の透水率を推定し、地下水位を予測することを特徴とする地下水監視予測方法。 - 観測井戸の計測値入力手段および気象データ入力手段からの各計測データならびに地層調査データ入力手段からの地層調査データを入力して演算し、地下水位、透水率の地層パラメータを推定する地層パラメータ推定手段のソフトウエアと、
推定された地下水位・透水率を受けて地下水位および物質の濃度分布の変動をシミュレーションにより予測する地下水位・物質の濃度予測手段のソフトウエアとを記録することを特徴とする記録媒体。
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KR102048444B1 (ko) * | 2019-05-21 | 2020-01-08 | 한국지질자원연구원 | 가변 포화 토양에서의 수분 거동 예측방법 |
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