JPH09144558A - 水素燃焼ガスタービンプラントおよびその起動方法 - Google Patents

水素燃焼ガスタービンプラントおよびその起動方法

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JPH09144558A
JPH09144558A JP7306128A JP30612895A JPH09144558A JP H09144558 A JPH09144558 A JP H09144558A JP 7306128 A JP7306128 A JP 7306128A JP 30612895 A JP30612895 A JP 30612895A JP H09144558 A JPH09144558 A JP H09144558A
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gas
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hydrogen
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水素燃焼ガスタービンプラントの起動時にサー
ジングを発生させることなく、プラントを確実に起動さ
せる。 【解決手段】燃焼器21、ガスタービン22、復水器2
3および圧縮機24をガス配管25によって順次に接続
して、不活性ガスからなる作動流体を循環させるクロー
ズドサイクルを構成する。ガスタービン22に発電機2
7および圧縮機24を同軸的に連結し、燃焼器21で燃
焼させた水素ガスを含む燃料の燃焼ガスを作動流体とと
もに配管25を介してガスタービン22、復水器23お
よび圧縮機24に順次循環させて発電機27による出力
発生および復水器23による蒸気冷却を行なわせる。ガ
ス配管25に作動流体としての不活性ガスを加圧補給す
るガスチャンバー32を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素燃焼ガスター
ビンプラント、即ち、水素を燃料とするガスタービンを
用いた発電プラント、およびその起動方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】水素を燃料とするガスタービンプラント
は、従来の化石燃料を用いたプラントとは異なり、地球
温暖化の原因とされている炭酸ガス(CO2 )を排出し
ないため、新しい世代のクリーンエネルギー源として注
目されている。また、水素は燃焼した後に不活性な水蒸
気となるために、水蒸気または他の不活性ガスを作動流
体としたクローズドサイクルで利用すると、高温酸化に
よる問題を回避することができる。現在の化石燃料を用
いるオープンサイクルガスタービンプラントは、作動流
体中に燃料より生じた酸化ガスや、作動流体中に相当量
残存する酸素が原因となり、高温酸化による高温部品の
劣化が問題となっている。
【0003】高温酸化は、タービンを構成する部品、特
に作動流体に接する部品の温度が高くなるほど進行し易
くなる。このため、当該部品に対して冷却を行う必要が
生じるが、この冷却に使用する冷却媒体が増加するほど
ガスタービンプラントの熱効率は低下することが知られ
ており、現に作動流体の高温化に伴い、少ない冷却媒体
量で冷却を行うための技術開発が盛んに行われてきた。
【0004】一方、ガスタービンプラントでは、最高温
度を高めるほど熱効率が上昇することが知られており、
前述の冷却技術開発の成果と併せて、この最高温度は近
年加速度的に上昇してきた。しかしながら、冷却に対す
る技術開発にも最近では限界が見られ、最高温度を上昇
させることで得られる熱効率の上昇分が、冷却媒体量の
増加に伴う熱効率の低下に見合わなくなってきており、
最高温度の上昇は頭打ちになろうとしている。
【0005】水素を燃料とする発電プラントは、別の意
味でも注目されている。水素は電力があれば、化石燃料
とは異なり、どのような場所でも生産が可能であるとい
う点である。このことは、水力等の潜在的な電力資源が
豊富にもかかわらず、それを必要とする産業・民需が不
足している発展途上国が、水素というエネルギー源を生
産し輸出することにより産業の活性化を図ることが可能
であるということである。
【0006】以上の点より、水素を燃料とした発電シス
テムは注目されており、我が国でも国家プロジェクトと
して、水素の生産から輸送・貯蔵、そして利用の技術の
研究開発がスタートしている。
【0007】図6は、このように非常に注目されている
水素燃焼ガスタービンプラントの従来技術の一例を示し
ている。この水素燃焼ガスタービンプラントは図6に示
すように、燃焼器1、背圧タービン2、復水器3および
圧縮機4をガス配管5によって順次に接続して、不活性
ガスを作動流体とするクローズドサイクルを構成してい
る。背圧タービン2と圧縮機4とは同軸上で連結され、
また背圧タービン2には出力軸6を介して発電機7が接
続されている。燃焼器1には燃料配管8を介して燃料9
として水素(H2 )と酸素(O2 )が供給されるように
なっている。復水器3の後流側の配管5には、復水とな
った不活性ガス中のドレンを排出するためのドレン管1
0およびドレン弁11が設けられている。
【0008】図6に示されるプラントシステムでは、ク
ローズドサイクル内に作動流体としての不活性ガスが充
填されており、燃料として投入される酸素と水素とが反
応して水蒸気または水が生じ、この水蒸気または水と不
活性ガスとが混合してサイクル内を流動する。
【0009】まず、圧縮機4で圧縮された不活性ガスは
矢印aで示すように、燃焼器1に導かれる。そして、水
素と酸素とからなる燃料9を投入すると、燃料9が燃焼
して非常に高温で高圧の不活性ガスおよび水蒸気の混合
ガスとなる。この非常に高温で高圧の混合ガスは矢印b
で示すように、背圧タービン2に導かれて膨張し、高温
かつ低圧の混合ガスとなる一方、出力軸6を介して圧縮
機4を駆動するとともに、発電機7を駆動して電力を発
生させる。
【0010】背圧タービン2からの高温で低圧の混合ガ
スは矢印cで示すように、復水器3に導かれて冷却さ
れ、含有する水蒸気の露点以下の温度になる。そして水
蒸気はドレンとなり、排水12として系外に排出され
る。ドレンが分離された後の不活性ガスは矢印dで示す
ように、再び圧縮機4に導かれる。
【0011】図7は、このシステムを起動するための従
来技術の一例を示しており、圧縮機4に起動モータ14
が接続されている。
【0012】そして、起動時には、起動モータ14を回
転させるが、システムがクローズドサイクルであるた
め、起動前の停止状態においてもシステム内の作動流体
圧力が高くなっている。この状態から起動モータ14に
よって圧縮機4を回してプラントを起動しようとして
も、圧縮機4の中を作動流体が円滑に流れず、運転状態
が不安定になり、サージングが発生して起動できない可
能性がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、クロー
ズドサイクルである水素燃焼ガスタービンプラントの起
動時において単に起動モータを用いるだけでは、圧縮機
にサージング現象が発生して起動できないという問題が
ある。
【0014】そこで本発明の課題は、水素燃焼ガスター
ビンプラントの起動時にサージングを発生させることな
く、プラントを確実に起動させることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、燃焼器、ガスタービン、復水
器および圧縮機をガス配管によって順次接続して、不活
性ガスからなる作動流体を循環させるクローズドサイク
ルを構成するとともに、前記ガスタービンに発電機およ
び前記圧縮機を同軸的に連結し、前記燃焼器で燃焼させ
た水素ガスを含む燃料の燃焼ガスを前記作動流体ととも
に前記配管を介して前記ガスタービン、復水器および圧
縮機に順次循環させて前記発電機による出力発生および
復水器による蒸気冷却を行なわせるようにした水素燃焼
ガスタービンプラントにおいて、前記ガス配管に作動流
体としての不活性ガスを加圧補給するガスチャンバーを
設けたことを特徴とする水素燃焼ガスタービンプラント
にある。
【0016】請求項2の発明は、ガスチャンバーの作動
流体加圧供給部が、圧縮機から燃焼器に作動流体を送る
ガス配管と、その圧縮機に復水器から作動流体を送るガ
ス配管とに対し、それぞれ作動流体を加圧補給するべく
接続されている請求項1記載の水素燃焼ガスタービンプ
ラントにある。
【0017】請求項3の発明は、ガスチャンバーが、作
動流体加圧供給部として、圧縮機の羽根に作動流体を供
給して吹付ける管路を有している請求項1記載の水素燃
焼ガスタービンプラントにある。
【0018】請求項4の発明は、ガスチャンバーが、作
動流体加圧供給部として、ガスタービンの羽根に作動流
体を吹付ける管路を有している請求項1記載の水素燃焼
ガスタービンプラントにある。
【0019】請求項5の発明は、ガスチャンバーが圧縮
機から吐出する作動流体を受入れて貯蔵するための作動
流体受入れ部を有し、この作動流体受入れ部に作動流体
を強制導入するためのブーストポンプを設けてなる請求
項1から3までのいずれかに記載の水素燃焼ガスタービ
ンプラントにある。
【0020】請求項6の発明は、ブーストポンプの作動
流体受入れ部の少なくとも前後いずれかの部位に、導入
する作動流体とガスチャンバー内との差圧を計測する差
圧計を設けた請求項4記載の水素燃焼ガスタービンプラ
ントにある。
【0021】請求項7の発明は、請求項1記載の水素燃
焼ガスタービンプラントの停止状態から、ガスチャンバ
ーに貯蔵した高圧の作動流体を燃焼器に送り込むととも
に、その作動流体を燃焼器内での燃料の燃焼によって高
温ガス化し、この高温作動流体をガスタービンに供給
し、そのガスタービンのロータ軸を回転起動させること
を特徴とする水素燃焼ガスタービンプラントの起動方法
にある。
【0022】請求項8の発明は、請求項3記載の水素燃
焼ガスタービンプラントの停止状態から、ガスチャンバ
ーに貯蔵した高圧の作動流体を圧縮機内の後段の羽根に
吹付け、これにより圧縮機に回転力を与えて同軸上にあ
るガスタービンを回転起動することを特徴とする水素燃
焼ガスタービンプラントの起動方法にある。
【0023】請求項9の発明は、請求項4記載の水素燃
焼ガスタービンプラントの停止状態から、ガスチャンバ
ーに貯蔵した高圧の作動流体をガスタービン内の後段の
羽根に吹付け、これによりガスタービンを回転起動する
ことを特徴とする水素燃焼ガスタービンプラントの起動
方法にある。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る水素燃焼ガス
タービンプラントおよびその起動方法の実施形態につい
て図1〜図5を参照して説明する。
【0025】第1の実施形態(図1〜図3) 本実施形態では図1に示すように、燃焼器21、背圧タ
ービン22、復水器23および圧縮機24をガス配管2
5によって順次に接続して、不活性ガスを作動流体とす
るクローズドサイクルを構成している。背圧タービン2
2と圧縮機24とは同軸上で連結され、また背圧タービ
ン22には出力軸26を介して発電機27が接続されて
いる。燃焼器21には燃料配管28を介して燃料29と
して水素(H2 )と酸素(O2 )が供給されるようにな
っている。復水器23の後流側の配管25には、復水と
なった不活性ガス中のドレンを排出するためのドレン管
30およびドレン弁31が設けられている。
【0026】このものにおいて、作動流体を貯蔵する圧
縮容器からなるガスチャンバー32が設けられている。
このガスチャンバー32は、圧縮機24から燃焼器21
に作動流体を送るガス配管25aに、作動流体加圧供給
部としての第1供給管33を介して接続されている。こ
の第1供給管33には流量調節弁34が設けられてい
る。また、ガスチャンバー32は、圧縮機24に復水器
23から作動流体を送るガス配管25bに、作動流体加
圧供給部としての第2供給管35を介して接続されてい
る。この第2供給管35には流量調節弁36が設けられ
ている。さらに、ガスチャンバー32は、圧縮機24か
ら吐出する作動流体を受入れて貯蔵するための作動流体
受入れ部としての受入れ管37を有し、この受入れ管3
7はガス配管25aに接続されている。また、受入れ管
37には流量調節弁38と、作動流体を強制導入するた
めのブーストポンプ39とが直列に設けられ、さらにブ
ーストポンプ39の前後流の差圧を検出するための差圧
計41が設けられている。
【0027】なお、ガス配管25aには、受入れ管37
よりも圧縮機24側に位置して逆止弁40が設けられ、
この逆止弁40により、圧縮機24から燃焼器21への
作動流体の流れのみが許容され、その逆の流れは阻止さ
れるようになっている。
【0028】次に図1を用いて本実施形態による水素燃
焼ガスタービンプラントの起動時の動作を説明する。ま
ず、背圧タービン22と発電機27とを解列した状態
で、ガスチャンバー32の第1供給管33の流量調節弁
34を開く。これにより、ガスチャンバー32に貯蔵さ
れていた高圧の作動流体を燃焼器21に送り込む。
【0029】そして、燃焼器21内で燃料29を燃焼さ
せ、これによって高温ガスとなった作動流体を背圧ター
ビン22の羽根に吹き付け、背圧タービン22とこれに
出力軸26を介して接続されている圧縮機24とを回転
させる。背圧タービン22を出た低圧高温のガスは復水
器23によってガス中の水蒸気を凝縮分離され、ガス温
度も低下して圧縮機24の入口へと向かう。
【0030】回転する圧縮機24によって再び高圧の作
動流体となり、これにガスチャンバー32からの作動流
体も加わって、ガス配管25a内では徐々に流量が増加
してゆき、プラントが動き始める。この時、ガス配管2
5aには逆止弁40が設けてあるため、ガスチャンバー
32から供給される高圧の作動流体は圧縮機24側に逆
流することはない。また、受入れ管37の流量調節弁3
8は閉となっており、作動流体がガスチャンバー32に
戻ることもない。
【0031】圧縮機24の出口側の圧力が上昇してガス
チャンバー32内からの作動流体の流れが悪くなってき
たら、第1供給管33の流量調節弁34を閉じ、代って
第2供給管35の流量調節弁36を開ける。この結果、
第2供給管35が接続されているガス配管25bは低圧
であるためガスチャンバー32内の作動流体はプラント
内へ再び流れ易くなる。
【0032】次に、図2を用いて起動後の発電運転時の
動作を説明する。作動流体の流れが発電運転に対して十
分な流量になったら、流量調節弁36も閉じ、出力軸2
6を介して背圧タービン22と発電機27とを繋げて発
電機27を回転させ、発電を開始する。即ち、圧縮機2
4で圧縮された不活性ガスは矢印aで示すように、燃焼
器21に導かれる。そして、水素と酸素とからなる燃料
29を投入すると、燃料29が燃焼して非常に高温で高
圧の不活性ガスおよび水蒸気の混合ガスとなる。この非
常に高温で高圧の混合ガスは矢印bで示すように、背圧
タービン22に導かれて膨張し、高温かつ低圧の混合ガ
スとなる一方、出力軸26を介して圧縮機24を駆動す
るとともに、発電機27を駆動して電力を発生させる。
【0033】背圧タービン22からの高温で低圧の混合
ガスは矢印cで示すように、復水器23に導かれて冷却
され、含有する水蒸気の露点以下の温度になる。そして
水蒸気はドレンとなり、排水12aとして系外に排出さ
れる。ドレンが分離された後の不活性ガスは矢印dで示
すように、再び圧縮機24に導かれる。
【0034】次に、図3を用いてプラント運転終了後の
ガスチャンバー32への作動流体の貯蔵動作を説明す
る。まず、受入れ管37の流量調節弁38を開く。これ
によって、ガスチャンバー32内の圧力よりガス配管2
5a内の圧力が高い時点まで、ブーストポンプ39を動
かす必要なく作動流体をガスチャンバー32内に導入し
て溜めることができる。即ち、プラント内の圧力は運転
によって高まっているので図3に矢印e〜jで示すよう
に、停止後は作動流体がガス配管25内を逆流する。ガ
スチャンバー32内の圧力とプラント内の圧力が等しく
なったら、ブーストポンプ39を起動することによっ
て、作動流体をガスチャンバー32に強制的に導入して
溜める。これらの制御は、ブーストポンプ39の前後に
取り付けた差圧計41からの検出圧力の値を用いて行
う。
【0035】以上の第1の実施形態で示した水素燃焼ガ
スタービンプラントおよびその起動方法によれば、ガス
チャンバー32に貯蔵した高圧の作動流体をプラント内
に流して起動することで、圧縮機24に作動流体の流れ
を作りながら徐々に流量と回転数とが増加していくた
め、圧縮機24のサージング現象を防止し、円滑かつ確
実なプラント起動を行うことができる。
【0036】第2の実施形態(図4) 本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、ガスチャン
バー32から出る作動流体を圧縮機24に送り込むよう
に流路構成を変えた点にある。即ち、図4に示すよう
に、ガスチャンバー32から、作動流体加圧供給部とし
て、圧縮機24の羽根に作動流体を供給して吹付ける管
路、つまり第3供給管51が引出されている。この第3
供給管51には流量調節弁52が設けられている。な
お、第1の実施形態で示した第1供給管は省略されてい
る。また、復水器23から圧縮機24に作動流体を供給
するためのガス配管25bには、作動流体の逆流を防止
するために逆止弁53が圧縮機入口側に設置されてい
る。
【0037】本実施形態の水素燃焼ガスタービンプラン
トを起動するときは、まず流量調節弁52を開け、高圧
の作動流体をガスチャンバー32から圧縮機24に送り
込み、これにより圧縮機24および背圧タービン22を
回す。さらに、圧縮機24を出た作動流体は燃焼器21
に導かれて高温ガスとなり、背圧タービン22を回す。
そして、低圧高温のガスは復水器23によってガス中の
水蒸気を分離し、ガス温度を低下させて圧縮機24の入
口へと向かう。回転している圧縮機24によって再び高
圧の作動流体となり、ガスチャンバー32からの作動流
体も加わって徐々に流量が増加してゆき、プラントが動
き始める。
【0038】この時、圧縮機24の入口側に逆止弁53
を設置しているので作動流体が逆流することはない。そ
して、圧縮機24の出口側の圧力が上昇してガスチャン
バー32内からプラントへの作動流体の流れが悪くなっ
てきたら、流量調節弁52を閉じて第2供給管35の流
量調節弁36を開ける。この結果、ガスチャンバー32
内の作動流体はプラント内へ再び流れ易くなる。
【0039】なお、上述した以外の構成およびプラント
運転作用等については、第1の実施形態と略同様である
から、図4の対応個所に、図1と同一の符号を付して説
明を省略する。
【0040】以上の第2の実施形態によれば、ガスチャ
ンバー32からの作動流体を圧縮機24に供給して吹付
けて回転起動させることにより、圧縮機24に作動流体
の流れを作りながら、徐々に流量と回転数が増加してい
くため、圧縮機24のサージタンク現象を防止し、スム
ーズなプラント起動を行うことができる。
【0041】第3の実施形態(図5) 本実施形態が前記各実施形態と異なる点は、ガスチャン
バー32から出る作動流体を背圧タービン22に直接送
り込むように流路構成を変えた点にある。即ち、ガスチ
ャンバー32から、作動流体供給部として、背圧タービ
ン22の羽根に供給して吹付ける管路、つまり第4供給
管61が引出されている。この第4供給管61には流量
調節弁62が設けられている。また、圧縮機24から燃
焼器21に作動流体を供給するためのガス配管25aに
は、作動流体の逆流を防止するために逆止弁63が燃焼
器21の入口側に設置されている。
【0042】本実施形態の水素燃焼ガスタービンプラン
トを起動するときは、まず流量調節弁62を開け、高圧
の作動流体をガスチャンバー32から背圧タービン22
に直接送り込み、これにより背圧タービン22および圧
縮機24を回す(この時、燃焼器21の入口側に逆止弁
63を設置しているので、作動流体が逆流することはな
い)。そして、低圧の作動流体は復水器23を通って圧
縮機24の入口へと向かう。回転している圧縮機24に
よって低圧の作動流体は再び高圧の作動流体となる。
【0043】この作動流体は燃焼器21に入って高圧ガ
スとなり、ガスチャンバー32からの高圧作動流体も加
わって背圧タービン22を回す。背圧タービン22を出
た高温低圧のガスは復水器23によってガス中の水蒸気
を分離し、ガス温度を低下させて圧縮機24の入口へと
向かう。
【0044】このように徐々に作動流体の流量が増加し
てゆき、プラントが動き始める。その後、圧縮機24の
出口側の圧力が上昇して、ガスチャンバー32内からプ
ラントへの作動流体の流れが悪くなってきたら、流量調
節弁52を閉じて第2供給管35の流量調節弁36を開
ける。この結果、ガスチャンバー32内の作動流体はプ
ラント内へ再び流れ易くなる。
【0045】なお、上述した以外の構成およびプラント
運転作用等については、前記各実施形態と略同様である
から、図5の対応個所に、図1と同一の符号を付して説
明を省略する。
【0046】以上の第3の実施形態によれば、ガスチャ
ンバー32からの作動流体を背圧タービン22に供給し
て吹付けて回転起動させることにより、圧縮機24に作
動流体の流れを作りながら、徐々に流量と回転数が増加
していくため、圧縮機24のサージング現象を防止し、
スムーズなプラント起動を行うことができる。
【0047】
【発明の効果】以上で詳述したように、本発明によれ
ば、圧縮機にサージング現象を起こさせることなく水素
燃焼ガスタービンプラントを円滑に起動することができ
る。また、カスチャンバーに高圧の作動流体を溜めるこ
とによってガスチャンバーの容量を小さくすることがで
き、かつ流量調節弁を開けるだけで容易にプラントの起
動が行える。さらに、起動用機器として大容量の起動モ
ータを必要とせず、小容量のブーストポンプだけで済む
等の利点も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による起動時の状態を
示す系統図。
【図2】本発明の第1の実施形態による起動後の運転状
態を示す系統図。
【図3】本発明の第1の実施形態による運転後の状態を
示す系統図。
【図4】本発明の第2の実施形態を説明するための系統
図。
【図5】本発明の第3の実施形態を説明するための系統
図。
【図6】従来の水素燃焼ガスタービンプラントを示す系
統図。
【図7】水素燃焼ガスタービンプラントの起動について
の従来技術の一例を示す系統図。
【符号の説明】
21 燃焼器 22 背圧タービン 23 復水器 24 圧縮機 25 ガス配管 25a,25b ガス配管 26 出力軸 27 発電機 28 燃料配管 29 燃料 30 ドレン管 31 ドレン弁 32 ガスチャンバー 33 第1供給管 34 流量調節弁 35 第2供給管 36 流量調節弁 37 受入れ管 38 流量調節弁 39 ブーストポンプ 40 逆止弁 41 差圧計 51 第3供給管 52 流量調節弁 53 逆止弁 61 第4供給管 62 流量調節弁 63 逆止弁

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼器、ガスタービン、復水器および圧
    縮機をガス配管によって順次接続して、不活性ガスから
    なる作動流体を循環させるクローズドサイクルを構成す
    るとともに、前記ガスタービンに発電機および前記圧縮
    機を同軸的に連結し、前記燃焼器で燃焼させた水素ガス
    を含む燃料の燃焼ガスを前記作動流体とともに前記配管
    を介して前記ガスタービン、復水器および圧縮機に順次
    循環させて前記発電機による出力発生および復水器によ
    る蒸気冷却を行なわせるようにした水素燃焼ガスタービ
    ンプラントにおいて、前記ガス配管に作動流体としての
    不活性ガスを加圧補給するガスチャンバーを設けたこと
    を特徴とする水素燃焼ガスタービンプラント。
  2. 【請求項2】 ガスチャンバーの作動流体加圧供給部
    は、圧縮機から燃焼器に作動流体を送るガス配管と、そ
    の圧縮機に復水器から作動流体を送るガス配管とに対
    し、それぞれ作動流体を加圧補給するべく接続されてい
    る請求項1記載の水素燃焼ガスタービンプラント。
  3. 【請求項3】 ガスチャンバーは、作動流体加圧供給部
    として、圧縮機の羽根に作動流体を供給して吹付ける管
    路を有している請求項1記載の水素燃焼ガスタービンプ
    ラント。
  4. 【請求項4】 ガスチャンバーは、作動流体加圧供給部
    として、ガスタービンの羽根に作動流体を吹付ける管路
    を有している請求項1記載の水素燃焼ガスタービンプラ
    ント。
  5. 【請求項5】 ガスチャンバーは圧縮機から吐出する作
    動流体を受入れて貯蔵するための作動流体受入れ部を有
    し、この作動流体受入れ部に作動流体を強制導入するた
    めのブーストポンプを設けてなる請求項1から3までの
    いずれかに記載の水素燃焼ガスタービンプラント。
  6. 【請求項6】 ブーストポンプの作動流体受入れ部の少
    なくとも前後いずれかの部位に、導入する作動流体とガ
    スチャンバー内との差圧を計測する差圧計を設けた請求
    項4記載の水素燃焼ガスタービンプラント。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の水素燃焼ガスタービンプ
    ラントの停止状態から、ガスチャンバーに貯蔵した高圧
    の作動流体を燃焼器に送り込むとともに、その作動流体
    を燃焼器内での燃料の燃焼によって高温ガス化し、この
    高温作動流体をガスタービンに供給し、そのガスタービ
    ンのロータ軸を回転起動させることを特徴とする水素燃
    焼ガスタービンプラントの起動方法。
  8. 【請求項8】 請求項3記載の水素燃焼ガスタービンプ
    ラントの停止状態から、ガスチャンバーに貯蔵した高圧
    の作動流体を圧縮機内の後段の羽根に吹付け、これによ
    り圧縮機に回転力を与えて同軸上にあるガスタービンを
    回転起動することを特徴とする水素燃焼ガスタービンプ
    ラントの起動方法。
  9. 【請求項9】 請求項4記載の水素燃焼ガスタービンプ
    ラントの停止状態から、ガスチャンバーに貯蔵した高圧
    の作動流体をガスタービン内の後段の羽根に吹付け、こ
    れによりガスタービンを回転起動することを特徴とする
    水素燃焼ガスタービンプラントの起動方法。
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