JPH09143967A - 排砂流路の二段ゲート - Google Patents

排砂流路の二段ゲート

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JPH09143967A
JPH09143967A JP33392295A JP33392295A JPH09143967A JP H09143967 A JPH09143967 A JP H09143967A JP 33392295 A JP33392295 A JP 33392295A JP 33392295 A JP33392295 A JP 33392295A JP H09143967 A JPH09143967 A JP H09143967A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯水池に堆積した土砂を排出する排砂流路を
開閉する二段ゲートでは、上下扉体の開口面間に土砂が
挟まれて完全に閉じず、また、扉体の摺動面間へ土砂が
噛み込む懸念がある。 【解決手段】 下部扉体5は連通口の底面より低い底部
格納室31内へほぼ完全に内嵌する底部格納部51とケ
ース3の側辺に沿って昇降する両側の側枠53とを繋い
だコ形状よりなり、該底部格納部の上面の下流側コーナ
を切り欠いて土砂の安息角以上の傾斜角θよりなる傾斜
面52を形成する。上部扉体4はゲートの全閉時に該傾
斜面と密着する底部突条41を突設した構成とする。こ
の傾斜面の上に土砂が滞留することはできないから完全
に流路が閉じる。上下扉体の摺動面はいずれも横幅がき
わめて狭いメタルタッチに限られるから、摺動面間に土
砂が噛み込む可能性はきわめて低い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は貯水池などの上流側
から流着し取水口などのダム前方に堆積した土砂を排出
する排砂管を開閉する二段ゲートに係る。
【0002】
【従来の技術】貯水池までの流路で削り取られた土砂は
絶えず流水と共にダム前方まで流入し、ここで堰き止め
られて堆積するから、そのまま放置すれば貯水容量を減
少させ、貯水池としての機能を低下する大きな原因とな
る。そのため取水流路とは別に排砂管を池底に敷設し
て、通常は閉じているが池底に堆積が進むと開放して土
砂を誘導し、排出する構成を採っているのが通例であ
る。
【0003】排砂管の開閉のためにゲートを開けば、扉
体が上がって流路が開き土砂が下流側へ流出するが、上
流側の土砂がすべて一掃されるわけではなく、排砂管の
底部付近には土砂が遊動しながらも滞留する状態は避け
られない。慣用化した通常の型式のゲートであれば所望
の排砂が終った後、扉体を下降させ流路を閉じようとし
ても、管底に滞留した土砂が残っているために障害物を
挟んだ状態となり、扉体がゲート内で完全に閉じないた
め、底部にできた隙間を潜って絶えず漏水が続き、貴重
な水資源を浪費する原因となることが多い。
【0004】実公昭60−16660号公報は本発明の
出願人自身が先にこの課題の解決を目指して提案した考
案であり、その要旨は図7に示すように前後に上流側連
通口101、下流側連通口102を開口した中空のケー
ス103内へ上部扉体104と下部扉体105とが昇降
自在に取り付けられ、それぞれ側面に設けたラックギア
(図示せず)がケース103の側壁に取り付けたピニオ
ンギア106と螺合し、油圧シリンダー107の作動を
受けて両扉体104、105は上下相反する方向へ昇降
する。両扉体104、105はケース103の中心にお
いて締め切られる円形の開口108、109を具え、図
のように両開口が重なったときに流路が開き、貯水池に
堆積した土砂を流出させる。従来のように1枚の扉体が
一方向だけに昇降するのでなく2枚の扉体が反対方向に
昇降して流路を開閉するから、閉鎖するときに土砂が噛
み込んで完全に閉じることができないと言う従来の課題
が解決したと謳っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この従来技術は二段ゲ
ートの原理を利用して排砂管による土砂の排出時の特異
な課題をある程度解決したことは疑いのない事実であ
る。しかし、なお、より完全な解決を求める余地が残さ
れていることも否定できない。その主な理由として、排
砂管は通常は排砂時以外は閉じた状態で扉体は上流側に
対向しており、通常は貯水池と連通する管路を閉鎖して
いる。排砂の必要が生じるほどの多量の土砂が池底に堆
積すると、二段ゲートを全開するので、土砂を濃厚に含
んだ濁水が排砂管内へ急進する。二段ゲートの開口部は
上部扉体と下部扉体が前後で摺動自在に相接して形成し
ているが、メタルタッチであるから広い扉体の前後面に
相当する接触面が完全に密着するまで仕上げることは難
しく、この加工精度の限界や使用中に受けた不均等な摩
耗や変形のために両扉体の接触面間に僅かでも隙間があ
れば、開口面を横切って通過する濁流は貯水池の水圧を
受けて両扉体の開口面間に侵入し、含まれた土砂の一部
が填り込んで面間に噛み込む懸念がないわけではない。
しかも図のように上下の扉体の開口面108、109が
比較的幅が広く傾斜もほとんど設けられない場合には、
上流側、下流側の開口面の下半円に土砂を載置したまま
で扉体と共に昇降するから、扉体が閉じるにつれて両開
口面に跨がって載っていた土砂が、全閉直前には上下か
ら挟まれて噛み込み完全に閉鎖できない状態となり易
い。あるいは途中で両扉体の接触面の隙間へ滑り落ちて
噛み込む微細な砂粒などが、扉体が移動する面の摺動に
大きな摩擦抵抗を起こし、油圧シリンダーによる駆動の
大きな負担となることも頻発し得る。
【0006】土砂は比重が大きいから貯水池、流路を通
じて常に底部へ沈降する傾向にあることは避けられな
い。滞留は常に底部への沈積を意味するから、排出のた
めにゲートを開く場合でも流路の底部が連通しているこ
とが効果的であることは言うまでもない。しかし、図8
の従来技術では流路の底部まで連通するためにはゲート
を全開しなければないない。すなわち、上下の扉体が同
時に反対方向へ昇降して連通口を開くのであるから、流
路の底部だけを開いて集中的に土砂だけを押し流し、上
半分は閉じたままで水だけの流出を阻止することはでき
ない構成である。しかし慢性化した水不足も予想される
今日、このような無駄な水資源の逸出は許されない場合
が多く、漏水と共に厳しく対応を求められる課題であ
る。
【0007】本発明は以上に述べた課題を解決するため
に、水中に遊動し堆積する土砂によって扉体の開閉が妨
げられないように、扉体間に土砂の噛み込みを確実に排
除すると共に、土砂の堆積状態や貯水池の水位などの条
件に即応して任意の位置で連通用の開口ができるような
調整機能を具えた二段ゲートの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る排砂流路の
二段ゲートは、上流側連通口1および下流側連通口2を
開口した中空のケース3内で相互に摺動しつつそれぞれ
単独で昇降可能な上部扉体4と下部扉体5を具えた構成
を前提とし、下部扉体5は前記両連通口の底面よりさら
に低位置に凹設した底部格納室31内へほぼ完全に内嵌
する底部格納部51とケース3の側辺に沿って昇降する
両側の側枠53を一体的に連結したコ形状よりなり、該
底部格納部51の上面の下流側コーナを切り欠いて少な
くとも当該流路を流下する土砂の安息角以上の傾斜角θ
よりなる傾斜面52を形成し、ゲートの全閉時に該傾斜
面52と密着する上部扉体4の底面へ同一角度θの傾斜
底面を具えた底部突条41を突設した構成よりなる。こ
のような構成であるから、上下の扉体が流路を閉じるの
は上部扉体4の底部突条41の傾斜底面と下部扉体5の
底部格納部51の下流側に設けた傾斜面52との直接の
接触による。この傾斜面の角度θは当該流路における土
砂が滞留できない安息角以上であるから、この傾斜面の
上に土砂が滞留することは不可能であり、すべて下流側
へ滑り落ちるから、常に正常なメタルタッチが保証され
て完全な流路の閉止が維持され課題が解決する。同時に
上部扉体と下部扉体の相互の摺動作用は土砂を多量含む
流水中ではなく、前後の連通口から張り出した側部で行
なわれるから、通過する土砂が紛れ込む確率はきわめて
低く、しかも摺動面はいずれも横幅がきわめて狭いメタ
ルタッチに限られるから、摺動面間に土砂が噛み込む可
能性はほとんどゼロに近ずくことによって前記の課題解
決が一層助長される。
【0009】前記基本構成において、傾斜角θは25〜
45°であることが経験的には望ましい実施の形態であ
る。この場合、流路に堆積する土砂は粒度、形状、堆積
量、排砂時の水速、水量などの諸要因によってそれぞれ
固有の安息角を持っているが、最低で25°は必要であ
る。しかし、角度が高くなるほど開口部の縁が鋭角化す
るのでキャビテーションの懸念が高まるため、必要以上
の傾斜はむしろ避けるべきであるから、最大の限度は4
5°と設定することが望ましい。
【0010】また、当該基本的な構成のうち、さらに具
体的にはケース3の両側辺に上下の連通口1、2の側端
よりさらに突出する側部格納室35を設けて下部扉体5
の側枠53と上部扉体の側面から突出する側部突条42
を格納し、側部格納室35の内側面に添着した摺動板3
2、33、34が側枠53の外側面に添着した摺動板5
4、55、56および前記側部突条42に添着した水密
板43とそれぞれ摺動自在に接着すると共に、側枠53
と側部突条42とが摺動板57と摺動板44によって摺
動自在に接着する構成が望ましい。すなわち、流路に対
向する扉体の表面と裏面が直接摺動するのではなく、流
路から外れた側部においてきわめて狭い幅のメタルタッ
チでのみ形成されるから、加工も容易であり精度も高
く、誤差も少なく形成できるから、土砂などの侵入が起
こる可能性はほとんど認められず、従来技術の扉体全面
における摺動に対して格段の差が現われる。経済的にも
きわめて有利となって実施上の利点が大きいことは課題
解決に拍車を掛けることに繋がる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態を示す
正面図(A)と側面断面図(B)であり、排砂管の流路
を全開した状態である。また、図2(A)(B)はそれ
ぞれ同じ実施形態の流路を全閉した状態である。中空ケ
ース3は前面に上流側連通口1を開口し、後面に下流側
連通口2を開口する。ケース3は底部格納室31と側部
格納室35とを具え、何れも流路の連通口よりも底部お
よび側部に膨出した部分で形成して上下の両扉体を昇降
自在に収容する。
【0012】上部扉体4はケース3の天頂面に載置した
油圧シリンダー6のピストンロッド61の伸縮を受けて
ケース内で昇降する。上部扉体4の底面は底部突条41
を突設し、突条の底面は角度θの傾斜面で形成されてい
る。一方、下部扉体5のうち、底部格納部51は全高が
ケース3の底部格納室31の全高とほぼ等しく設定され
ているので、ゲート開の状態では図1のように全体が底
部格納室31の内部へ嵌入され頂面が流路の底面と同じ
レベルで流水に対向する。底部格納部51の頂面はほぼ
平面で形成されるが、下流側のコーナ部を切り欠いて角
度θの傾斜面52を設けている。この角度θがこの排砂
管が接続する貯水池へ流入する上流側からの土砂Sに固
有の安息角以上である。下部扉体5の側面は側枠53で
形成して底部格納部51の両端と一体的に繋いでコ形の
構造物となっている。下部扉体5は上部扉体4とは別の
駆動力によって単独で昇降するが、その駆動源はケース
の天頂面に前記の油圧シリンダー6と並んで載置された
開閉装置7である。
【0013】図3に基づいて本実施形態におけるゲート
開閉の基本的な作動順序を段階的に説明する。図(A)
はゲートが全閉状態であり下部扉体5の底部格納部51
がケース3の底部格納室31内にほぼ完全に格納される
まで下降しており、上部扉体4はその底面に突設した底
部突条41の傾斜面が下部扉体5の傾斜面52と密着し
ている。貯水池へ続く上流側には大量の土砂Sが堆積し
て扉体の前方を塞ぎ、貯水量にも影響が及びつつある。
一方下流側には前回の排砂放流時にゲートを通過すると
き沈降した土砂Sの一部が滞留して残っている。流路を
遮る接触面である側部突条42と傾斜面52は、何れも
その幅が比較的狭く構成されているから、両面とも高い
加工精度で成形が可能となり、相互のメタルタッチが完
全に行なわれて、水封作用が十分に守られ漏水の虞れを
なくす利点が発揮している。
【0014】図(B)は上部扉体4をここでは図示しな
い油圧シリンダーの作動によって上昇させゲートを開い
た状態である。排砂管内には土砂Sを大量に含む流水が
通過中であり、貯水池に堆積した土砂Sが排出されつつ
ある状態である。所定の排砂が完了してゲートを閉じる
段階に入るには図(C)のように、まず、下部扉体5を
図示しない開閉装置7の作動によって上昇させると、底
部格納部51が上昇し、その頂面に載置した土砂Sもそ
のまま持ち上げられるが、下流側の端面を切り欠いた傾
斜面52上の土砂は自らの安息角よりも大きな勾配面で
あるため面上に停留することができず下流側の管路内へ
滑り落ちる。次に図(D)のように上部扉体4を下降さ
せて底部突条41の先端の傾斜面が下部扉体5の上面の
傾斜面52と密着させる。両面の直接の密着を妨げる土
砂は残らず滑り落ちているから、両傾斜面間に介在する
固形物はなく、両面は完全に密着してゲートの流路を閉
じる。最後に図(E)のように下部扉体5の底部格納部
51がケース3の底部格納室31内へ格納する状態とな
るまで上部扉体4と下部扉体5とを同時に下降する。こ
の態様と図(D)の位置における全閉を比べると、下部
扉体5の底部格納部51の上流側端部の土砂との接触に
よる擦過摩耗が軽減されるので有利と言える。
【0015】図3各図の開閉の手順は基本的な動きであ
るが、上下の扉体はそれぞれ単独で昇降し任意の位置で
停止もできるから、たとえば、下部扉体5は図(A)の
ように底部格納室31内に収容し、上部扉体だけを任意
の位置まで下降して水の流出を制限しつつも堆積した土
砂だけを集中的に排出するように部分開放することもで
きる。このように種々の条件に即応して自由に排出の開
度を調整することは、前記の従来技術とは異なって運転
の多様性を維持し、効率の最も高い排砂機能を満足する
結果に繋がる。
【0016】本発明の別の特徴は上下扉体が相互に摺動
する接触面が、流路内から外れた側面におけるきわめて
狭小な範囲に留めて摺動摩擦の絶対量を低減すると共
に、その摺動する位置を流路から外して側面へ張り出し
たケースの側部格納室35内だけに限定し、土砂の噛み
込む機会をほとんど絶滅した点にある。摺動抵抗は摺動
面積が小さいほど減少するから、両面間に隙間を形成す
ればゼロになることは言うまでもないが、土砂が噛み込
む排砂管のゲートでは摩擦作用が急増するため、そのよ
うな発想は許容できないので、摺動面積を極限すること
と、土砂の流路から外すことが最も有効な条件となる。
図4は摺動部分の断面を示した形態例であり、ケース3
の両側辺に上下の連通口1、2の側端よりさらに突出す
る側部格納室35を設けて下部扉体5の側枠53と上部
扉体の側面から突出する側部突条42を格納し、側部格
納室35の内側面に添着した摺動板32、33、34が
側枠53の外側面に添着した摺動板54、55、56お
よび前記側部突条42に添着した水密板43とそれぞれ
摺動自在に接着すると共に、側枠53と側部突条42と
が摺動板57と摺動板44によって摺動自在に接着して
いる。
【0017】下部扉体の開閉装置7は両側の側枠53を
吊支して同調した作動が前提となる。実施形態の一つと
して図5、図6にその具体例を示す。主開閉装置7aは
電動機71を具えて駆動し、その作動は連結手段72を
経由して副開閉装置7bに伝達されて同調する。この機
能を発揮するための一例として機構を説明すると、 電動機71の駆動によってウォーム72が回転する。 ウォーム72の回転を受けて外面にホィール部78を
有するブロック73が回転する。ブロック73は中心部
に雌ねじを螺刻してあり、外周面に雄ねじを螺刻したロ
ッド75aと螺合しているので、ウォーム歯車72が回
転するとロッド75aが昇降する。 ブロック73の上部には中心部に貫通孔を有する傘歯
車74aが固着しブロック73と一体的に回転する。 前記傘歯車74aが回転すると傘歯車76aも回転
し、この回転は連結ロッド77aを介して連結手段72
に伝達される。連結手段の内部には図示省略の2個の傘
歯車が設けられており、連結ロッド77aの回転が連結
ロッド77bに伝達され、さらに副開閉装置7bの傘歯
車76b,74bに伝達される。 傘歯車74bの下部にはブロック79が固着している
ので、同時に回転する。 ブロック79は中心部に雌ねじが螺刻され、外周面に
雄ねじが螺刻されたロッド75bと螺合しているので、
傘歯車74bが回転するとロッド75bがロッド75a
と同調して昇降する。
【0018】
【発明の効果】本発明は以上のように下部扉体の上面に
停留した土砂は、下部扉体の昇降と共にそのまま持ち上
げられるが、下流側の端部に設けた上部扉体との締切部
は傾斜面で形成され、かつその傾斜は流入してきた土砂
の安息角以上の勾配を形成しているから、上面に留まる
ことが物理的に不可能であり、すべて残らず傾斜面から
滑り落ちて平滑な金属面が露呈して完全なメタルタッチ
を形成するので、ゲートが確実に閉止して漏水を許さな
い効果が現われる。かつ、上部扉体と下部扉体との摺動
部が流路から外れた側部にだけ設けられているから、土
砂が摺動面間に噛み込む機会がほとんどなくなり、摩擦
抵抗が急増する危険性も消滅する。このことは上下の扉
体を駆動するシリンダや電動機の負担が急増する要因を
消失させることに繋がり、ゲートのメンテナンス上の顕
著な効果となって現われる。
【0019】本発明の二段ゲートは貯水池の状況や水資
源の重要度に合せ、節水型の運転を励行すれば貴重な水
の浪費を最小限に抑制することができ、運転の多様性が
保証されることも効果の一つである。如何に高能率な土
砂の排出を実行するかは、渇水期などの慢性的な水資源
の不足に応答する重要な要件である。
【0020】請求項2について言えば、我が国の河川流
域から削り取られ、あるいは洪水によって押し流されて
貯水池へ流着する土砂は、河川毎にその量と性状が詳し
く調査されており、一般的には十分に水分と混和した土
砂堆積物の安息角は25〜30°の間にあると見られ
る。本発明ではその実績から25〜45°と設定すれば
十分にその機能を発揮されると認めて傾斜角を限定した
ので、標準化に伴う設計の簡素化や製作時、施工の量産
メリットを受ける別の効果が伴うこととなる。
【0021】請求項3については、上部扉体と下部扉体
との相互の摺動部を流路外に設定し、工作の簡略化、摺
動面精度の向上、駆動源の負担軽減、メンテナンスの利
便さ、などゲートの使用中に種々のメリットを享受する
点は看過し難い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態(全開時)の正面図(A)と側
面断面図(B)である。
【図2】同じ実施形態(全閉時)の正面図(A)と側面
断面図(B)である。
【図3】実施形態の開閉時の位置関係を(A)から
(E)までの側面断面図で段階的に示す。
【図4】図2におけるX−X断面図である。
【図5】本実施形態の開閉装置を示す平面図である。
【図6】図5におけるX−X断面図(A),Y−Y断面
図(B)である。
【図7】従来技術の一例を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
1 上流側連通口 2 下流側連通口 3 ケース 4 上部扉体 5 下部扉体 6 油圧シリンダー 7 開閉装置 31 底部格納室 32 摺動板 33 摺動板 34 摺動板 35 側部格納室 41 底部突条 42 側部突条 43 水密板 44 摺動板 51 底部格納部 52 傾斜面 53 側枠 54 摺動板 55 摺動板 56 摺動板 57 摺動板 θ 傾斜角 S 土砂

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上流側連通口1および下流側連通口2を
    開口した中空のケース3内で相互に摺動しつつそれぞれ
    単独で昇降可能な上部扉体4と下部扉体5を具えた二段
    ゲートにおいて、下部扉体5は前記両連通口の底面より
    さらに低位置に凹設した底部格納室31内へほぼ完全に
    内嵌する底部格納部51とケース3の側辺に沿って昇降
    する両側の側枠53とを一体的に連結したコ形状よりな
    り、該底部格納部51の上面の下流側コーナを切り欠い
    て少なくとも当該流路を流下する土砂の安息角以上の傾
    斜角θよりなる傾斜面52を形成し、ゲートの全閉時に
    該傾斜面52と密着する上部扉体4の底面へ同一角度θ
    の傾斜底面を具えた底部突条41を突設したことを特徴
    とする排砂流路の二段ゲート。
  2. 【請求項2】 請求項1において傾斜角θが25〜45
    °であることを特徴とする排砂流路の二段ゲート。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、ケース3の
    両側辺に上下の連通口1、2の側端よりさらに突出する
    側部格納室35を設けて下部扉体5の側枠53と上部扉
    体の側面から突出する側部突条42を格納し、側部格納
    室35の内側面に添着した摺動板32、33、34が側
    枠53の外側面に添着した摺動板54、55、56およ
    び前記側部突条42に添着した水密板43とそれぞれ摺
    動自在に接着すると共に、側枠53と側部突条42とが
    摺動板57と摺動板44によって摺動自在に接着するこ
    とを特徴とする排砂流路の二段ゲート。
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