JPH09140278A - 樹液採取装置のタッピング装置 - Google Patents

樹液採取装置のタッピング装置

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JPH09140278A
JPH09140278A JP30784295A JP30784295A JPH09140278A JP H09140278 A JPH09140278 A JP H09140278A JP 30784295 A JP30784295 A JP 30784295A JP 30784295 A JP30784295 A JP 30784295A JP H09140278 A JPH09140278 A JP H09140278A
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JP
Japan
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gear
needle
sap
tree
tap
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Application number
JP30784295A
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English (en)
Inventor
Kenji Muramatsu
健次 村松
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Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タップ針を樹皮から確実に引き抜くことがで
きると共に、タップ針を樹皮に突き刺す時に樹心を傷め
ることがないようにする。 【解決手段】 ぜんまい等の駆動源によって駆動される
駆動歯車と、樹木の樹皮に孔をあけるタップ針18と、
該タップ針18を保持する移動部材としてのスライド板
82と、スライド板82に設けたカム溝としての長穴部
と駆動歯車に設けた嵌合体としての止着ピン78及びカ
ラー80とが互いに嵌合して成ると共に駆動歯車の回転
によりスライド板82を往復移動させるカム機構83と
を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹液採取装置のタ
ッピング装置に関する。更に詳述すると、本発明は、主
にゴムの木から樹液を採取することに適した樹液採取装
置のタッピング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ゴムの木の樹液の採取は、厚さ6
〜13mmの樹皮を剥いて樹液を流出させて集めるケー
ビングと呼ばれる作業により行われる。そして、樹液の
採取は樹液が固まって流れ出なくなるまでの約4時間程
度に渡ってなされ、その後同じ木に対して場所をずらし
て再びケービングが行われる。
【0003】しかし、ケービングは作業者の熟練した技
術が必要であり、技術の修得に3カ月から6カ月を要し
てしまう。また、技術は個人差が大きく、樹液の採取効
率を高く維持することは困難である。さらに、ケービン
グでは樹皮を剥くため、ゴムの木が弱ってしまい、樹液
の採取効率が悪くなってしまう。
【0004】したがって、これらの不都合を解決するた
めに、樹皮に針形状のタップ針を突いてその孔から樹液
を採取する樹液採取装置が開発されている(特開平6−
133655号)。この樹液採取装置は、タップ針を1
日に5mmずつ下方に移動させながら樹皮を突き、30
日間で最下部に至る構造とされている。そして、最下部
に達してから作業者が樹液採取装置の取付位置を幹の反
対側の最上部に変更して、再び1日に5mmずつの下降
が行われる。また、樹液採取装置の駆動は電動モータに
より行われるが、その電源は太陽電池とされているの
で、本装置の駆動は30日間作業者が全く手を触れるこ
となく行われるものである。
【0005】この樹液採取装置によれば、装置の設置さ
え行えば作業者の経験や技術に関係なく効率良く樹液の
採取を行うことができる。また、30日に1回だけ装置
の位置の変更を行えば良いので、作業効率が向上され、
より多くのゴムの木から樹液の採取を行うことができ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た樹液採取装置では、タップ針の引き込み力が小さいた
め、樹皮に突き刺したタップ針を引き抜くことができな
いことがある。すなわち、ゴムの木の樹皮の収縮力が大
きいため、大きな力でタップ針を引き込まないと抜けな
くなってしまう。このため、樹液採取装置の動作が停止
してしまう。
【0007】その一方、上述した樹液採取装置では、タ
ップ針が樹皮を押圧したときに確実に孔を形成できるよ
うに、十分に大きな力で押圧している。このため、樹皮
を突き抜けたタップ針が、勢い余って樹心に強く当接し
て損傷させてしまうことがある。樹心の損傷は樹木が寿
命になっても残存してしまう。ゴムの木は、樹液が採取
できなくなると切り倒されて、材木として利用される。
この時、樹心に損傷があると、利用価値が低下してしま
う。
【0008】そこで、本発明は、タップ針を樹皮から確
実に引き抜くことができると共に、タップ針を樹皮に突
き刺す時に樹心を傷めることがない樹液採取装置のタッ
ピング装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1の樹液採取装置のタッピング装置は、駆動
源によって駆動される駆動歯車と、樹木の樹皮に孔をあ
けるタップ針と、該タップ針を保持する移動部材と、駆
動歯車と移動部材との一方に設けたカム溝と他方に設け
た嵌合体とが互いに嵌合して成ると共に駆動歯車の回転
により移動部材を往復移動させるカム機構とを備えてい
る。
【0010】したがって、駆動源の駆動力により駆動歯
車が駆動される。そして、カム機構を介して移動部材が
往復移動される。移動部材と共にタップ針も往復移動
し、タップ針の先端部が樹木の樹皮に当接する。移動部
材がさらに移動することにより、タップ針が樹皮に突き
刺さって孔をあける。その後、移動部材の移動方向が反
転し、該移動部材はタップ針を引き込む方向に移動す
る。ここで、駆動歯車と移動部材とはカム機構により連
結されているので、タップ針の引き込みを確実に行う。
すなわち、樹皮の収縮力によりタップ針が容易に抜けな
い状態になっても、カム溝と嵌合体とが当接して駆動歯
車の駆動力をタップ針に確実に伝達するので、該タップ
針を引き抜くことができる。
【0011】また、請求項2の樹液採取装置のタッピン
グ装置は、駆動源によって駆動される駆動歯車と、樹木
の樹皮に孔をあけるタップ針と、駆動歯車によって往復
移動されタップ針を摺動可能に保持し該タップ針が樹木
の方向に摺動する場合に摺動を制限する当接部を有する
移動部材と、タップ針を樹木の方向へ適正な力で付勢し
当接部に押し付ける付勢手段とを備えている。
【0012】したがって、駆動歯車が駆動されることに
より、移動部材が往復移動される。この時、移動部材の
当接部に対してタップ針が付勢手段により押圧されてい
る。このため、移動部材の往復移動と共に、タップ針も
移動される。そして、タップ針の先端部が樹木の樹皮に
当接する。この時、この先端部は樹皮の硬い表面を突き
破ることができずに、当接した状態で停止される。
【0013】一方、タップ針が停止した状態であって
も、移動部材は樹木に近接するようさらに移動する。こ
れにより、タップ針が移動部材に対して相対的に摺動さ
れ、同時に付勢手段が変形して蓄勢される。
【0014】そして、蓄勢力がタップ針に対する樹皮の
表面の張力より大きくなると、タップ針の先端部が樹皮
に突き刺さる。これにより、タップ針が移動部材に対し
て摺動し、当接部に当接される。通常は、タップ針の先
端部が樹心に達することなく、移動部材が樹木から離隔
する方向に移動する。これに伴い、当接部に当接した状
態でタップ針が移動され、樹皮から引き抜かれる。この
ため、樹皮に孔が形成され、樹液が流出して採取され
る。
【0015】ここで、タップ針の先端部が樹心に達した
場合は、タップ針の先端部が樹心に当接して停止され
る。この状態で移動部材が樹木に近接するようさらに移
動しても、タップ針が移動部材に対して相対的に摺動さ
れ、同時に付勢手段が変形して蓄勢される。このため、
タップ針が樹心を傷めることはなく、移動部材の離隔に
よって樹皮から引き抜かれる。よって、タップ針が樹木
にささったまま停止することは無い。
【0016】また、請求項3のタッピング装置は、駆動
源によって駆動される駆動歯車と、樹木の樹皮に孔をあ
けるタップ針と、該タップ針を摺動可能に保持すると共
に該タップ針が樹木の方向に摺動する場合に摺動を制限
する当接部を有する移動部材と、タップ針を樹木の方向
へ付勢し当接部に押し付ける付勢手段と、駆動歯車と移
動部材との一方に設けたカム溝と他方に設けた嵌合体と
が互いに嵌合して成ると共に駆動歯車の回転により移動
部材を往復移動させるカム機構とを備えている。したが
って、タップ針を引き抜くときは、移動部材の当接部に
タップ針が当接した状態で行われる。
【0017】また、請求項4のタッピング装置は、付勢
部材を、ねじりコイルばねを備えたものとしている。こ
のため、ねじりコイルばねの一端部をタップ針に係合
し、他端部を移動部材に係合する。この時、ねじりコイ
ルばねを、タップ針を樹木に近接する方向に付勢するよ
うに設ける。
【0018】さらに、請求項5のタッピング装置は、駆
動源を機械的な駆動力を用いたものとし、駆動歯車から
移動部材までの駆動系に調速機構を設けている。
【0019】このため、駆動源を、例えばぜんまいや重
りを用いたものとすることができる。ぜんまい式とした
場合は解放される際の駆動力で駆動歯車を回転させ、重
り式とした場合は巻き上げた重りが下降して駆動歯車を
回転させる。
【0020】また、駆動歯車の回転は調速機構により抑
制されるので、駆動源の解放が一気に行われることはな
い。例えば、ぜんまいが急激に全て解放されたり、重り
がすぐに最下部まで下がってしまうことが防止される。
【0021】さらに、請求項6のタッピング装置は、タ
ップ針を交換可能にしている。このため、先端の形状が
異なるタップ針を選択して用いることができる。また、
タップ針が損傷した場合の交換を容易に行うことができ
る。
【0022】また、請求項7のタッピング装置は、タッ
プ針の移動部材に対する突出量を調整可能としている。
このため、移動部材が最も突出した状態でタップ針の先
端部が樹心に当接しない位置に調整しておけば、樹皮に
孔をあけることにより樹心を傷めることがない。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
最良の実施の形態に基づいて詳細に説明する。なお、本
実施形態は、ゴムの木から樹液を採取することに適した
樹液採取装置のタッピング装置について説明している。
【0024】図2に示すように、ゴムの木1の上下部に
ステンレス製のベルト2が巻回されてクランプにより止
着されている。各ベルト2の一端側には、複数の係合孔
2aが形成されている。各係合孔2aは、円形状でベル
ト2の長手方向と平行な係合部を備えた形状とされてい
る。そして、ベルト他端のクランプを係合孔2aに嵌め
て大まかに係合し、クランプのねじ部で微調整をしなが
ら締め付けて、ベルト2を樹木1に止着する。なお、ゴ
ムの木1の太さは直径が15〜40mmと差が大きいの
でベルト2は、長さの異なる複数の種類のものを予め用
意しておくことが望ましい。これによれば、樹木1の太
さに対応して、最も適した長さのベルト2を選択するこ
とができる。
【0025】また、各ベルト2は、取付部材4の支持孔
4aに挿通されている。取付部材4はコ字形状とされ、
2つの対向面の中央部にベルト2が挿通する支持孔4a
が形成されている。このため、ベルト2が取付部材4の
付近で樹皮1aに接触することはない。また、取付部材
4の中央の面の樹皮1aに接触する辺の中央部には、切
り欠きが形成されて退避部4bとされている。このた
め、樹皮1aを伝わって流れ落ちる樹液は、下方の取付
部材4の退避部4bの内側やベルト2に触れることなく
通過する。また、取付部材4は、十分に厚さのある板材
により形成されていることが望ましい。これによれば、
取付部材4の2つの対向面の端辺が樹皮1aに対して食
い込むことがなく、樹皮1aの傷みを防止することがで
きる。そして、各取付部材4の中央面同士の間には、2
本の円柱形状のガイド棒6が平行に挟持されて、各端部
が取付部材4にねじ止めされている。そして、各ガイド
棒6に樹液採取装置8が昇降可能に取り付けられてい
る。
【0026】図3に示すように、樹液採取装置8のケー
シング10の裏側には3個のガイド棒支持部10aが形
成されている。各ガイド棒支持部10aは、上下方向に
貫通した透孔を有している。そして、各透孔にブッシュ
12がスナップフィットで嵌合されて、その内部にガイ
ド棒6が摺動可能に挿通されている。なお、各ブッシュ
12の内面は、ガイド棒6との摺動抵抗を減少させるよ
う接触面積を小さくするため、軸方向に短縮された形状
とされている。また、この形状としたことにより、各ガ
イド部支持部10aとガイド棒6との捻れを防止するこ
とができる。
【0027】また、各ガイド棒支持部10aの配置位置
は、一方のガイド棒6に対しては上部と下部に2カ所、
他方のガイド棒6に対しては中央部に1カ所とすること
が望ましい。この場合、2カ所のガイド棒支持部10a
を設けたガイド棒6の方では、ブッシュ12とガイド棒
6との嵌合を精度よく設定し、がたつきを防止する。ま
た、1カ所のガイド棒支持部10aを設けたガイド棒6
の方では、ブッシュ12とガイド棒6との嵌合を比較的
緩く設定する。これにより、2本のガイド棒6を含む平
面と平行な平面内で樹液採取装置8が回転してしまうこ
とや、2カ所のガイド棒支持部10aを設けたガイド棒
6を中心にケーシング10が回転してしまうことを防止
し上下動が円滑にできる。
【0028】即ち、2本のガイド棒に嵌合してタッピン
グ時の反力やぜんまい巻き上げ時の反力を受けたのでケ
ーシングが外れることがなく、2本のガイド棒6のうち
1本のみを高精度の嵌合としたので、ケーシング10の
昇降が円滑に行われることになる。なお、各ブッシュ1
2とガイド棒6との嵌合は、取付部材4の位置がずれて
2本のガイド棒6同士が僅かに捻れた状態となってもケ
ーシング10の昇降が円滑に行われる様に設定されてい
る。
【0029】そして、図4及び図5に示すように、樹液
採取装置8は、駆動源としてのぜんまい14と、該ぜん
まい14により駆動される駆動歯車16と、駆動歯車1
6によって駆動されタップ針18を樹木1に対して進退
させるタッピング装置20と、駆動歯車16によって駆
動され本装置8を樹木1に対して上下方向に移動させる
リフト手段22と、駆動歯車16によって駆動されタッ
ピング装置20及びリフト手段22を所定時間の間隔を
おいて駆動させるタイマ手段24とを主として構成され
ている。そして、これらの部材はケーシング10に収容
されている。
【0030】図2、図4、図5に示すように、ケーシン
グ10は、ケーシング蓋10bとケーシング本体10c
とにより構成されている。これらケーシング蓋10bと
ケーシング本体10cとの結合辺はインロー形状とされ
ており、ケーシング10の密閉性を確保して外部の水分
やほこり、虫が内部に浸入することを防止している。そ
して、ケーシング蓋10bとケーシング本体10cと
は、ねじ等により結合されている。
【0031】また、ケーシング10の下部は、下方に突
出するよう僅かに湾曲されている。そして、その中央部
に、内外を連通する透孔からなる水抜き孔10dが形成
されている。これにより、万一ケーシング10の内部に
水滴が溜まっても、下部の水抜き孔10dから排水され
る。
【0032】また、図5及び図6に示すように、ぜんま
い14は例えばステンレス製で帯形状とされて、香箱2
6に収容された状態でケーシング10内の上部に収容さ
れている。香箱26は、ねじによりケーシング本体10
cに止着されている。そして、香箱26の外方に突出さ
れた回り止め部26bがケーシング本体10cに係合さ
れ、ぜんまい14の巻上時の香箱26の回転を防止して
いる。また、ぜんまい14の一端部は巻上軸28の止着
ピン30に係合されており、図7に示すように、他端部
は香箱26の一部に形成された長孔26aにぜんまいフ
ック32を挟んで止着されている。なお、本実施形態で
は、1つのぜんまい14により全ての駆動源としている
が、2つのぜんまいを駆動源としても構わない。例え
ば、タイマ手段24の駆動源のぜんまいとタッピング装
置20及びリフト手段22の駆動源のぜんまいとを別個
に設けることができる。
【0033】また、図5に示すように、ぜんまい14の
巻上軸28の一端部は、軸受34を介してケーシング本
体10cの支持凹部10eに回転可能に支持されてい
る。一方、巻上軸28の他端部はねじ部28aが形成さ
れて、香箱26及びケーシング蓋10bを貫通する軸受
34に回転可能に支持されている。なお、巻上軸28は
ケーシング10の左右方向のほぼ中央部に位置し、軸方
向が樹木1の中心を指向することが望ましい。これによ
り、ぜんまい14の巻上の際に巻上軸28の軸方向に押
圧力が加えられても樹木の中心でこの押圧力が受けられ
実際には2本のガイド棒6で受けることができるため、
樹液採取装置8の取付位置がずれたり外れてしまうこと
がない。このため、巻上力を十分に得ることができるの
で、十分に大きく強力なぜんまい14を用いることがで
きる。
【0034】そして、巻上軸28のねじ部28aには、
凸側巻上ラチェット36の内ねじ部36aが螺合されて
いる。図5及び図8に示すように、凸側巻上ラチェット
36は、先端部をほぼ球形とし内部に内ねじ部36aを
有する円筒部36bと、円筒部36bの基端部の周囲に
設けられた噛合部36cとにより構成されている。
【0035】一方、図2に示すように、凸側巻上ラチェ
ット36には、巻上アーム38が着脱可能とされてい
る。巻上アーム38は、レバー40と、その先端部に設
けたハンドル42と、基端部に設けた凹側巻上ラチェッ
ト44とを備えている。ここで、作業者がぜんまい14
の巻上を行う際には、ハンドル42を把持して行う。ま
た、レバー40は、取り扱い操作性をそこなわない範囲
で十分に長く形成されていることが望ましい。これによ
れば、ぜんまい14が強力なものであっても、大きなト
ルクで容易に巻き上げることができる。
【0036】そして、図8に示すように、凹側巻上ラチ
ェット44はほぼ円筒形状で、外周面に設けたねじ部4
4aと、内部に形成した係合孔44bと、係合孔44b
の開口部の周囲に設けた噛合部44cとを有している。
そして、凸側巻上ラチェット36の円筒部36bが凹側
巻上ラチェット44の係合孔44bに回転可能に挿入さ
れ、噛合部36c、44c同士が噛合される。なお、円
筒部36bの先端部はほぼ球形とされているので、各巻
上ラチェット36、44の係合は容易に行われる。ここ
で、噛合部36cの歯と噛合部44cの歯とで互いに対
向して接触する一面を軸方向に平行とし、他面を傾斜面
とすることが望ましい。これにより、巻上アーム38の
回転方向がぜんまい14を巻き上げる方向である時には
噛み合って回転を伝達し、反対方向である時には噛み合
わず斜面により抜け出して巻き上げられない。また、円
筒部36b及び係合孔44bの長さは、十分に大きいも
のとすることが望ましい。これによれば、巻上の際に巻
上アーム38が傾いてしまうことがなく、容易に巻上を
行うことができる。
【0037】また、図4及び図5に示すように、巻上軸
28には駆動ラチェット46が圧入により嵌合されてお
り、一体的に回転される。駆動ラチェット46の外周に
は、中心方向に退避可能なラチェット爪46aが形成さ
れている。駆動ラチェット46には駆動歯車16がスナ
ップフィットにより係合されて、駆動ラチェット46の
ラチェット爪46aが駆動歯車16の内歯ラチェット1
6aに噛合されている。ここで、ラチェット爪46aと
内歯ラチェット16aとの形状は、巻上軸28がぜんま
い14の解放する方向に回転する時はラチェット爪46
aが内歯ラチェット16aに噛合して駆動ラチェット4
6及び駆動歯車16が一体的に回転し、巻上軸28がぜ
んまい14を巻き上げる方向に回転する時はラチェット
爪46aが中心方向に退避しながら駆動ラチェット46
のみが空転する一方向クラッチの作動を行う形状とされ
ている。
【0038】また、駆動歯車16の外周部には軸方向に
ずれた2段の歯車が形成されており、それぞれ第1歯車
部16b及び第2歯車部16cとされている。各歯車部
16b、16cは、約180度にわたり歯が形成されて
いない部分歯車とされている。そして、第1歯車部16
bがタッピング装置20及びリフト手段22に噛合し、
第2歯車部16cがタイマ手段24に噛合されている。
なお、第1歯車部16bがタッピング装置20及びリフ
ト手段22に噛合している時は第2歯車部16cがタイ
マ手段24に噛合わないので回転力が伝達されずに停止
し、第2歯車手段16cがタイマ手段24に噛合してい
る時は第1歯車部16bがタッピング装置20及びリフ
ト手段22に噛合わないので回転力が伝達されずに回転
しないタイミングとなるよう、各歯車部16b、16c
の歯の位置が設定されている。これにより、切り替えク
ラッチ等の部材を要せずに駆動の切り替えを行うことが
できるので、部品点数を増大させることがない。
【0039】尚、図4はタイマ手段24の動作が終了
し、タッピング装置20が動作を開始する状態を示して
いる。
【0040】但し、一方の歯車部16b、16cの噛合
が終了する直前の僅かの間は、両方の歯車部16b、1
6cが同時に噛合されて、滑らかに切り替わることが望
ましい。これによれば、歯車部16b、16cの噛合が
同時に急激に切り替わることによる歯車同士の歯の衝突
を緩和することができ、歯の損傷を生ずることがない。
【0041】そして、図9及び図5に示すように、第1
歯車部16bに隣接して、平歯車部48aとスペーサ部
48bとを有する伝達第1歯車48が配置されている。
この平歯車部48aが第1歯車部16bと噛合されてい
る。また、伝達第1歯車48に隣接して伝達第2歯車5
0が配置されており、一体的に回転する平歯車部50a
とかさ歯車部50bとを備えている。平歯車部50aは
伝達第1歯車48の平歯車部48aに噛合されている。
なお、伝達第1歯車48の中心軸48cと伝達第2歯車
50の中心軸50cとは、ケーシング本体10cにねじ
止めで止着された中板52とケーシング本体10cの支
持凹部10eとにより支持されている。また、伝達第1
歯車48と伝達第2歯車50とは、中板52とケーシン
グ本体10cとの間に挟持され、軸方向の移動が制限さ
れている。歯車48,50は中心軸48c,50cに回
転自在に嵌まっている。
【0042】伝達第2歯車50に隣接して左右方向を長
手方向とする中心軸54aに回転自在に支持した分岐歯
車54が配置されており、一体的に回転するかさ歯車部
54bと第1平歯車部54c及び送り部54dとを備え
ている。かさ歯車部54bは、伝達第2歯車50のかさ
歯車部50bに噛合されている。ここで、第1平歯車部
54c及び送り部54dは、軸方向にずれた2段の平歯
車により形成されている。また、分岐歯車54の中心軸
54aの一端部は中板52に支持されており、他端部は
解放されている。そして、かさ歯車部54bと第1平歯
車部54c及び送り部54dとが、中心軸54aに対し
て回転される。
【0043】なお、分岐歯車54の第1平歯車部54c
には調速機構55が、送り部54dにはリフト手段22
が、送り部54dの端面54eにはタッピング装置20
が、それぞれ接続されている。
【0044】そして、分岐歯車54に隣接して左右方向
を長手方向とする回転軸56を有する調速第1歯車58
が配置されており、分岐歯車54の第1平歯車部54c
と噛合されている。なお、調速第1歯車58の回転軸5
6の一端部は軸受60を介して中板52に回転可能に支
持されており、他端部はケーシング本体10cにねじ止
めで止着されたタイマ手段24のユニット板62に軸受
60を介して回転可能に支持されている。また、回転軸
56と調速第1歯車58とは、互いに回転可能とされて
いる。
【0045】そして、調速第1歯車58に隣接して左右
方向を長手方向とする中心軸64aに回転自在に支持し
た調速第2歯車64が配置されており、一体的に回転す
るピニオン部64bとウォームホイール部64cとを備
えている。ピニオン部64bは、調速第1歯車58と噛
合されている。なお、調速第2歯車64の中心軸64a
の一端部は中板52に支持されており、他端部はケーシ
ング蓋10bの内面に突出する支持部10fにより支持
されている。
【0046】また、調速第2歯車64に隣接してウォー
ム66が配置されており、ウォームホイール部64cに
噛合されている。ウォーム66は、ケーシング蓋10b
の内面に突出する支持部10gと円筒形状で底面の中央
部に支持孔68aを有するロータカバー68との間に回
転可能に支持されている。また、ウォーム66には、ロ
ータ支持筒70が一体的に回転するよう圧入により嵌合
されている。
【0047】さらに、ロータ支持筒70には、ゴム製の
略S字状摩擦ロータ72を一体回転するように係合支持
している。摩擦ロータ72には径方向に進退可能な腕部
72aが形成されており、回転に伴う遠心力により外部
に開くよう変形される。そして、ケーシング本体10c
の内面で摩擦ロータ72の周囲の部分には円筒形状のロ
ータ収容部10hが形成されて、ロータカバー68を回
り止めして収容している。ロータカバー68は中板52
により、ロータ収容部10hから突出しないよう押さえ
られている。そして、ウォーム66の回転速度が一定値
より大きくなると摩擦ロータ72の腕部72aがロータ
カバー68の内壁に接触されて摩擦を生ずる。これによ
り、回転速度の必要以上の増大が防止され、ぜんまい1
4の駆動に制動が加えられる。なお、調速第1歯車58
と、調速第2歯車64、ウォーム66、ロータ支持筒7
0、摩擦ロータ72、ロータカバー68とを主として、
調速機構55が構成されている。
【0048】一方、図1、図10、図11に示すよう
に、タッピング装置20は、駆動源としてのぜんまい1
4によって駆動される駆動歯車16と、樹木1の樹皮1
aに孔1cをあけるタップ針18と、該タップ針18を
摺動可能に保持すると共に該タップ針18が樹木1の方
向に摺動する場合に摺動を制限する当接部としての当接
板82fを有する移動部材としてのスライド板82と、
タップ針18を樹木1の方向へ付勢し当接板82fに押
し付ける付勢手段としての針押さえばね92と、駆動歯
車16により回転される分岐歯車54に設けた嵌合体と
しての止着ピン78及びカラー80とスライド板82に
設けたカム溝としての長孔部82aとが互いに嵌合して
成ると共に駆動歯車16の回転によりスライド板82を
往復移動させるカム機構83とを備えている。なお、本
実施形態では、駆動歯車16側に嵌合体を設けスライド
板82にカム溝を設けているが、これに限らず駆動歯車
16側にカム溝を設けスライド板82に嵌合体を設けて
も構わない。すなわち、駆動歯車16側とスライド板8
2との間にカム機構83が設けられていれば良い。
【0049】分岐歯車54の送り部54dの端面54e
には、円盤形状の止着円盤74がねじ76により止着さ
れている。また、止着円盤74の回転中心からずれた位
置には、止着ピン78が固植されている。また、この止
着ピン78には、回転可能にカラー80が設けられてい
る。カラー80の外周には、スライド板82の長孔部8
2aが係合されている。なお、止着ピン78の上端には
フランジ部が形成され、スライド板82から抜けないよ
うになっている。これにより、分岐歯車54の軸方向へ
の移動を防止し、回転力がスライド板82に確実に伝達
されるようにしている。
【0050】ここで、スライド板82は金属板から成
り、ほぼ中央部に位置して摺動方向と垂直な方向を長手
方向とする長孔部82aと、先端部に形成された断面ロ
字形状の案内筒82bと、長孔部82aの一端側から直
角に曲折された折曲部82dに設けた摺動方向と垂直な
方向を長手方向とするばね支持部84とを備えている。
分岐歯車54が回転すると、止着ピン78及びカラー8
0が軸54aを中心にして旋回される。そして、カラー
80に係合したスライド板82が樹木1に対して進退す
る方向に摺動される。すなわち、止着ピン78及びカラ
ー80と長孔部82aとから成るカム機構83は、確動
カムの動作を行う。このため、スライド板82が樹木1
に対して近接する場合の押圧力と離隔する場合の引込力
とは、いずれも等しい力となる。したがって、本実施形
態のように、カム機構83は確動カムであることが好ま
しい。
【0051】また、案内筒82bは、周囲に嵌合された
案内ブッシュ86の内部で摺動可能とされている。案内
ブッシュ86は、ケーシング本体10cのタップ案内部
10iに圧入により止着されている。このため、スライ
ド板82が摺動する際は、案内筒82bが直線的に案内
されて摺動するので、傾いたり捻れてしまうことがな
い。
【0052】なお、図3に示すように、タップ案内部1
0iの配設位置は、ケーシング本体10cの3カ所のガ
イド棒支持部10a同士を結合した三角形の内部とされ
ている。これにより、タップ針18が樹木1に押圧され
た時の反力が各ガイド棒支持部10aにほぼ均等に作用
するので、各ガイド棒6に対して樹液採取装置8が傾い
てしまうことはない。
【0053】そして、図1、図10、図11に示すよう
に、スライド板82の案内筒82bの一側面には、長手
方向に沿って切欠孔82eが形成されている。また、案
内筒82bの先端部には、透孔が形成された当接板82
fが折曲して設けられている。さらに、案内筒82bの
内部には、針ホルダ88が摺動可能に収容されている。
針ホルダ88は、先端部から内部に形成された雌ねじ部
88aと、外側面から内部の雌ねじ部88aに至る針固
定雌ねじ部88bと、基端面に形成されスライド板82
と垂直な係合溝88cとにより構成されている。
【0054】一方、針ホルダ88の雌ねじ部88aに
は、タップ針18のねじ部18aが螺合されている。タ
ップ針18は、基端部のねじ部18aと、このねじ部1
8aに連続する把持部18bと、この把持部18bに連
続する針部18cとを有している。組立の際は、ねじ部
18aを針ホルダ88の雌ねじ部88aに螺合させ、把
持部18bを回転させて、タップ針18を針ホルダ88
に捻り込む。ここで、把持部18bにはローレット加工
が施されていることが好ましい。これによれば、捻り込
みの際の滑りを防止することができる。また、ねじ部1
8aと雌ねじ部88aとの螺合によりタップ針18の針
部18cの突出量を調整することができるので、微調整
を確実に行うことができる。そして、捻り込みを所定の
位置で停止させ、針固定雌ねじ部88bに針固定ねじ9
0を螺合させてタップ針18を固定する。針固定ねじ9
0を用いることにより、タップ針18の固定を確実に行
うことができる。
【0055】ところで、タップ針18の針部18cの先
端面の形状は、本実施形態では図12(A)に示すよう
に平坦な形状としている。この形状によれば、タッピン
グ作業の際にタップ針18が樹皮1aを貫通して樹心1
bに当接した場合でも樹心1bを傷めることがない。ま
た、例えば、図12(B)に示すように窪んだ球面の形
状としても構わない。この形状によれば、先端面の周縁
にエッジが形成されているので、樹皮1aに差し込まれ
た際に樹皮1aを削り取って確実に孔1cを形成するこ
とができる。さらに、先端が尖るもの、軸がテーパのも
の、角軸のもの等の形状とすることもできる。
【0056】一方、図1、図10、図11に示すよう
に、スライド板82のばね支持部84には、ねじりコイ
ルばねから成る針押さえばね92が装着されている。針
押さえばね92の一端部はスライド板82の折曲部82
d上でばね支持部84に隣接する係合突起82gに係合
されており、他端部は針ホルダ88の係合溝88cに係
合されている。そして、針押さえばね92は、針ホルダ
88をスライド板82の当接板82fに押圧する方向に
付勢している。したがって、タップ針18は針押さえば
ね92の力を仲介して押されて穴あけを行うので、オー
バーストロークの吸収ができると共に、ばね92の強さ
を適宜に選択設定することにより、樹心1bに傷を付け
ずに確実な穴あけを行うことができる。なお、本実施形
態では、付勢手段としてねじりコイルばねによる針押さ
えばね92を用いているが、他の種類のばねであっても
構わない。例えば、圧縮コイルばねを用い、針ホルダ8
8の係合溝88cを押圧する構造とすることもできる。
【0057】他方、図10に示すように、分岐歯車54
の送り部54dは歯厚が大きい1枚の歯を有している。
また、送り部54dに隣接してリフト第1歯車94が配
置され、調速第1歯車58の回転軸56に回転可能に嵌
合されている。図9、図10、図13に示すように、リ
フト第1歯車94の外周部には平歯車による間欠歯車部
94aが形成されており、分岐歯車54の送り部54d
に噛合されている。なお、送り部54dの歯の位置は、
タッピング装置20の駆動の直後に間欠歯車部94aに
噛合する位置とされている。即ち、分岐歯車54が回転
されると同時にタッピング装置20とリフト手段22と
は駆動されるが、タップ針18が突出して孔をあけ、戻
りの終期で針18がほぼ停止している時にリフト手段2
2が駆動する。このため、タッピング装置20の動作中
には、送り部54dと間欠歯車部94aとは噛合するこ
とはない。なお、タッピング装置20の動作の前にリフ
ト手段22が駆動される構造としても構わない。また、
送り部54dの歯を歯厚の小さい2枚の歯としても良
い。
【0058】また、間欠歯車部94aには、ケーシング
本体10cに固定された板ばねからなるラチェットばね
96が係合されている。このため、リフト第1歯車94
は、ラチェットばね96により一定角度ごと節度を有し
て回転される。そして、分岐歯車54の送り部54dが
1回転して歯が噛合すると、リフト第1歯車94はラチ
ェットばね96に抗して1歯分だけ回転する。
【0059】また、リフト第1歯車94の透孔の周囲に
は、円管形状で径方向の切り込み部を有するばね係合部
94bが形成されている。そして、回転軸56には、ね
じりコイルばねによるクラッチばね98が嵌合されてい
る。クラッチばね98の一端は、リフト第1歯車94の
ばね係合部94bに係合されている。なお、クラッチば
ね98は、巻き締められる方向に回転された場合は回転
軸56と共に回転を伝達し、緩められる方向に回転され
た場合は単独で回転して、軸56には回転を伝達しない
一方向クラッチの作用を有している。
【0060】一方、図9及び図13に示すように、リフ
ト第1歯車94に対向してラチェット受板100が回転
軸56に回転可能に嵌合されている。ラチェット受板1
00のリフト第1歯車94への対向面には、円管形状で
径方向の切り込み部を有するばね係合部100aが形成
されている。そして、クラッチばね98の他端が係合さ
れている。また、ラチェット受板100のばね係合部1
00aとの反対面には、内歯歯車によるラチェット歯車
100bが形成されている。
【0061】さらに、ラチェット受板100に隣接して
ラチェット爪板102が回転軸56に回転可能に嵌合さ
れている。ラチェット爪板102には、径方向に退避可
能なラチェット爪102aと、平歯車による平歯車部1
02bとが形成されている。そして、ラチェット爪10
2aがラチェット受板100のラチェット歯車100b
に噛合されている。
【0062】ここで、リフト第1歯車94がクラッチば
ね98を締める方向に回転した場合は、回転が回転軸5
6とラチェット受板100とに伝達されて、これらリフ
ト第1歯車94と回転軸56、ラチェット受板100と
が同期して回転する。
【0063】さらに、ラチェット爪板102に隣接し
て、リフト第2歯車104が回転軸56に圧入されてい
る。ここで、図9、図13、図14に示すように、回転
軸56のリフト第2歯車104の嵌合部分は、軸方向に
平行な2つの平面56aが形成されたいわゆるDカット
形状とされている。そして、リフト第2歯車104の中
心にはDカットの断面に合致した形状の取付孔104a
が形成されている。また、リフト第2歯車104は、軸
方向にずれた2段の平歯車による第1平歯車部104b
と第2平歯車部104cとを有している。
【0064】図1、図3、図14に示すように、リフト
第2歯車104の第1平歯車部104bは、ケーシング
本体10cの裏面の長孔10jから突出されている。ケ
ーシング本体10cの外面には、長孔10jに対向して
上下方向に連通したラックガイド部10kが形成されて
いる。そして、ラックガイド部10kに直線形状のラッ
ク106が摺動可能に挿通され、リフト第2歯車104
の第1平歯車部104bに噛合している。ラック106
はラックガイド部10kにより上下方向以外の方向への
動きが制限されているので、第1平歯車部104bとラ
ック106との噛合が外れてしまうことはない。
【0065】ここで、長孔10jは、2カ所のガイド棒
支持部10aに貫通されたガイド棒6の近辺で、かつ2
本のガイド棒6の間に形成されている。このため、リフ
ト第2歯車104が回転してラック106に対して上昇
する力が加えられた時に、2カ所のガイド棒支持部10
aに貫通されたガイド棒6を主としてケーシング10が
円滑に案内される。
【0066】また、図2に示すように、ラック106の
上下端部は、上下の取付部材4の中央の面に止着されて
いる。このため、ラック106はゴムの木1の長手方向
に平行とされている。
【0067】なお、リフト第1歯車94と、クラッチば
ね98、回転軸56、リフト第2歯車104、ラック1
06とを主として、リフト手段22が構成されている。
【0068】一方、図14に示すように、リフト第2歯
車104の第2平歯車部104cの周囲には、ラチェッ
トレバー108が配置されている。ラチェットレバー1
08はほぼL字形状で、先端部のラチェット爪108a
と、基端部の弾性腕部108bと、中央部の支持孔10
8cとを有している。そして、支持孔108cはケーシ
ング蓋10bに支持されたリセット軸110aに回転可
能に嵌合されている。ラチェット爪108aはリフト第
2歯車104の第2平歯車部104cに係合されてお
り、ケーシング本体10cの内部突起10mに係合され
た弾性腕部108bの抗力により第2平歯車部104c
に対して押圧されている。ここで、リフト第2歯車10
4がラック106に対して上昇する方向に回転した場合
は、ラチェット爪108aが弾性腕部108bに抗して
退避するので、回転が許容される。一方、樹液採取装置
8の自重によりラック106からリフト第2歯車104
に対してトルクがかけられるが、ラチェット爪108a
が第2平歯車部104cに噛合するので回転は防止され
る。この時、ラチェット爪108aには第2平歯車部1
04cの接線方向への大きな負荷がかかるため、ケーシ
ング蓋10bの内部を支持孔108cの側部に当てがう
よう形成した負荷受け部10nにより負荷を受けるよう
にすることが望ましい。また、図2及び図15に示すよ
うに、樹液採取装置8の右側面の下部には左方向に押し
込むことができるリセットボタン112が設けられてい
る。一方、左側面の下部には、指掛け部10pが形成さ
れている。このため、リセットボタン112を操作する
際には、例えば右手の親指を指掛け部10pに掛けなが
ら人差し指でリセットボタン112を押し込むことがで
きる。なお、ケーシング10の密閉性を確保するため
に、リセットボタン112とケーシング10との間には
グリスが塗布されている。
【0069】そして、図15、図16に示すように、リ
セットボタン112は、すべり止めの凹凸が形成された
ボタン部112aと、ボタン部112aから内部に突出
した延長部112bと、延長部112bの先端部に形成
され延長部112bの長手方向と同方向を長手方向とす
るガイド孔112cと、長手方向に沿った戻りばね11
4が当接する当接部112dと、延長部112bの側方
に突出したカム部112eとを備えている。ガイド孔1
12cは、ケーシング蓋10bの内部に突出して先端部
に抜け落ち防止用の留め具116が取り付けられたガイ
ド突起10qに摺動可能に嵌合されている。このため、
リセットボタン112が左右方向に摺動可能とされてい
る。そして、ガイド突起10qと当接部112dとの間
には、互いに離隔する方向に付勢する押圧コイルばねか
らなる戻りばね114が設けられ、ガイド孔112cの
左側端にガイド突起10qを押圧している。なお、カム
部112eの形状は、リセットボタン112を押し込ん
だときに接触するカム突起110bを徐々に押圧する形
状とされている。即ち、カム部112eの左側を指向し
た側面が斜面とされ、カム部112eが左側に摺動する
時に斜面に当接するカム突起110bが徐々に移動され
る。
【0070】一方、リフト第2歯車104付近から摩擦
ロータ72付近にかけて、左右方向を長手方向とするリ
セット部材110が設けられている。なお、リセットボ
タン112とリセット部材110とを主として、リセッ
ト手段117が構成されている。図5、図14、図1
5、図16に示すように、リセット部材110は、ケー
シング本体10cの支持突起10rに回転可能に支持さ
れたリセット軸110aと、リセットボタン112のカ
ム部112eが係合するカム突起110bと、ラチェッ
ト爪板102の平歯車部102bに噛合可能な回転リセ
ット部110cと、ケーシング本体10cの内部突起1
0sに係合された弾性腕部110dと、ラチェットレバ
ー108のラチェット爪108aをリフト第2歯車10
4の第2平歯車部104cから退避させるラチェット解
除突起110eとを備えている。
【0071】そして、リセットボタン112のボタン部
112aが戻りばね114に抗して押圧されると、カム
部112eがカム突起110bをリセット軸110aの
回転方向に押圧し、弾性腕部110dに抗して回転させ
る。これにより、回転リセット部110cが、ラチェッ
ト爪板102の平歯車部102bに噛合して回転させ
る。なお、この噛合による干渉を避けるため、平歯車部
102bの歯の先端部は尖っていることが望ましい。ま
た、ラチェット解除突起110eが旋回して、ラチェッ
トレバー108のラチェット爪108aをリフト第2歯
車104の第2平歯車部104cから解除する。従っ
て、リセットボタン112を押圧すると爪板102がラ
チェット受板100を回してクラッチばね98が緩めら
れ、ラチェット爪108aがにげるのでリフト第2歯車
104が回転自在となる。一方ウォーム66の回転が阻
止されるので分岐歯車54が回転不能となり、タッピン
グ装置20は動けない。なお、ボタン部112aの押圧
を解除すれば、リセットボタン112は戻りばね114
により原位置に復帰し、リセット部材110は弾性腕部
110dにより、ラチェットレバー108は弾性腕部1
08bにより原位置に戻る。
【0072】他方、図17に示すように、駆動歯車16
に隣接してタイマ第1歯車118が配設されている。タ
イマ第1歯車118は、ピニオン部118aと平歯車部
118bとを有している。そして、ピニオン部118a
は、駆動歯車16の第2歯車部16cに噛合されてい
る。また、タイマ第1歯車118に隣接してタイマ第2
歯車120が配置されている。タイマ第2歯車120
は、ピニオン部120aとウォームホイール部120b
とを有している。ピニオン部120aは、タイマ第1歯
車118の平歯車部118bに噛合されている。
【0073】タイマ第2歯車120に隣接して、タイマ
ユニット122が配設されている。図17及び図1に示
すように、タイマユニット122は、ユニット第1歯車
124とユニット第2歯車126、ガンギ128、テン
プ130、調整板132、テーパピン134とを主とし
て構成されている。ユニット第1歯車124は、ウォー
ム124aとウォームホイール124bとを有してい
る。そして、ウォーム124aは、タイマ第2歯車12
0のウォームホイール部120bに噛合されている。ユ
ニット第2歯車126は、ウォーム126aとガンギ車
126bとを有している。そして、ウォーム126a
は、ユニット第1歯車124のウォームホイール124
bに噛合されている。また、ガンギ128は腕部128
aと2本のピン128bとにより構成されている。各ピ
ン128bは、ユニット第2歯車126のガンギ車12
6bに噛合されている。さらに、テンプ130は、テン
プ部130aとひげぜんまい部130b、テンプ部13
0aの中心部付近のピン130cとを有している。ピン
130cは、ガンギ128の腕部128aの先端部に係
合されている。また、調整板132の一部には、周方向
に沿ってガイド孔132aが形成され、固定用ねじ13
6が嵌まっている。そして、調整板132の一部に、テ
ーパピン134によりテンプ130のひげぜんまい部1
30bの一端部が止着されている。なお、調整板132
の固定角度を変化させることにより、タイマの作動速度
を変更することができる。
【0074】なお、ユニット第1歯車124とユニット
第2歯車126、ガンギ128、テンプ130との各回
転軸は、タイマユニット122の外枠を構成するユニッ
ト板62に軸受を介して回転可能に支持されている。こ
こで、各軸受は軸方向にかかる力を考慮して、ユニット
板62から抜け落ちない方向に取り付けられている。ま
た、ユニット板62は、ケーシング本体10cにねじ止
めされている。
【0075】そして、タイマ第1歯車118と、タイマ
第2歯車120、ユニット第1歯車124、ユニット第
2歯車126、ガンギ128、テンプ130とを主とし
て、タイマ手段24が構成されている。
【0076】タイマ第2歯車120が回転すると、ウォ
ームホイール部120bの回転がユニット第1歯車12
4のウォーム124aに伝達される。そして、ユニット
第1歯車124が回転し、ユニット第2歯車126のウ
ォーム126aに伝達される。これにより、ユニット第
2歯車126のガンギ車126bが回転し、ガンギ12
8のピン128bを介してガンギ128が揺動される。
【0077】従って、タイマ第2歯車120によりタイ
マユニット122に入力された回転は、2組の直列のウ
ォームホイール120b、124bとウォーム124
a、126aとの組み合わせにより増速され、ガンギ1
28やテンプ130に伝達される。これにより、タイマ
ユニット122への入力に対して等時性をもって調速
し、ぜんまい14の蓄勢が徐々に開放される。
【0078】他方、図2に示すように、下側の取付板4
には上下方向を軸方向とするねじか取り付けられ、装置
8の下降に対するストッパ138か構成されている。
【0079】このため、樹液採取装置8を下方に移動さ
せると、ケーシング10の下端部がストッパ138の上
端部に当接して、樹液採取装置8の最低位置の位置決め
が行われる。
【0080】また、下側の取付板4の下方では、断面V
字形の受け板140が樹皮1aに軽く打ち込まれてい
る。これにより、タップ針18により形成された樹皮1
aの孔1cから下方に垂れてきた樹液が集められ、受け
板140の端部から垂れ落ちる。
【0081】さらに、受け板140の下方には、ベルト
2に取り付けられた支持枠142に支持された樹液受け
皿144が配置されている。そして、受け板140の端
部から流れ落ちる樹液を受けて溜めている。
【0082】また、下側のベルト2には、スティムラン
トのボンベ146が取り付けられている。そして、ボン
ベ146には、ホース148が取り付けられている。こ
のホース148の先端部は、樹皮1aの孔1cの近傍に
取り付けられている。ここで、樹皮1aの孔1cから流
出する樹液は、通常は4時間程度で固まってしまう。し
かし、スティムラントを注入することにより、樹液の硬
化が防止され樹液が流れ続ける。このため、樹液採取装
置8のタッピング装置20の駆動間隔を十分に長く採る
ことができ、樹液の採取効率を向上させることができ
る。
【0083】以上により説明した樹液採取装置のタッピ
ング装置の実施形態の作用を以下に説明する。
【0084】図3に示すように、ケーシング本体10c
のガイド棒支持部10aのブッシュ12に、ガイド棒6
を装着する。そして、ラックガイド部10kの内部に、
ラック106を挿通させる。この時、リセットボタン1
12のボタン部112aを押圧しながらリフト第2歯車
104を回転可能な状態にして、ラック106のラック
面を第1平歯車部104bに噛合させてラック106を
装着する。
【0085】そして、図2に示すように、各ガイド棒6
の上下部に取付部材4をねじ止めする。また、ラック1
06は、取付部材4に係合させて止着する。この状態の
取付部材4を、ベルト2とクランプを用いてゴムの木1
の樹液採取位置に取り付ける。そして、下側の取付部材
4の下方で、受け板140を樹木1に打ち込んで固定す
る。なお、樹皮1aのタップ針18が対向する部分から
受け板140にかけて、上下方向を長手方向とする深さ
2〜3mmの縦溝を形成しておくことが望ましい。これ
によれば、樹液は縦溝に沿って受け板140まで流れ落
ち、樹液の採取を無駄なく行うことができる。
【0086】また、下側の取付部材4の近傍のベルト2
に、支持枠142を取り付ける。支持枠142に受け皿
144を装着する。さらに、ベルト2にスティムラント
のボンベ146を取り付ける。ボンベ146のノズルに
取り付けたホース148の先端部を、タップ位置の近傍
に止着する。そして、ボンベ146から所定量のスティ
ムラントが樹皮に注入されるよう、排出量を調節する。
また、リセットボタン112を押圧して樹液採取装置8
を手動で昇降可能な状態にして、最下部まで降下させ
る。これにより、ケーシング10の下端部がストッパ1
40に当接して、樹液採取装置8の位置決めが行われ
る。なお、ストッパ140の長さは、ラチェットレバー
108のラチェット爪108aとリフト第2歯車104
の第2平歯車部104cとが十分に噛合した状態となる
よう、予め設定しておく。
【0087】この状態で、巻上アーム38の凹側巻上ラ
チェット44を、樹液採取装置8の凸側巻上ラチェット
36に係合させる。そして、巻上アーム38を右方向に
回転させて、ぜんまい14の巻上を行う。この時、巻上
軸28と共に駆動ラチェット46も回転されるが、駆動
歯車16に対してはラチェット爪46aが内歯ラチェッ
ト16a上を摺接しながら空転される。なお、本実施形
態では、駆動歯車16の1回転により1周期の動作が行
われるよう設定されているので、巻き上げた回転数と同
等の回数の動作が行われることになる。但し、本実施形
態では、ぜんまい14の巻上可能な回転数を15回転と
している。
【0088】ぜんまい14の巻上が終了してから巻上ア
ーム38を取り外す。これにより、ぜんまい14が解放
され、樹液採取装置8の動作が開始される。以下、図1
8から図21までに示すブロック図を中心に、樹液採取
装置8の動作を説明する。
【0089】ぜんまい14が解放される際の駆動力は、
巻上軸28を回転させる。巻上軸28は、駆動ラチェッ
ト46を回転させる。駆動ラチェット46のラチェット
爪46aは、駆動歯車16を回転させる。ここで、駆動
歯車16の第2歯車部16cがタイマ第1歯車118に
噛合している場合は、タイマ手段24が駆動される。
【0090】図19に示すように、タイマ手段24で
は、タイマ第1歯車118の回転がタイマ第2歯車12
0に伝達される。タイマ第2歯車120の回転はユニッ
ト第1歯車124からタイマユニット122に伝達され
る。そして、タイマユニット122で調速が行われるた
め、駆動歯車16の回転速度が極めて低減化される。例
えば、本実施形態の場合では、駆動歯車16の第2歯車
部16cは、タイマ第1歯車118のピニオン部118
aに対して約180度の回転角度で接しているが、この
回転角度を回転するのに約24時間かかるように設定さ
れている。
【0091】また、駆動歯車16がタイマ第1歯車11
8に噛合している時は伝達第1歯車48には噛合してい
ないので、約24時間の間はタイマ手段24のみが作動
していることになる。但し、初期にタイマーが24時間
作動すると、この時間か無駄になるので組み立て時にタ
イマーの終期に近い状態にしておけば短時間でタッピン
グ動作に切り換わる。
【0092】一方、タイマ手段24の駆動が終了する直
前に、駆動歯車16の第1歯車部16bが伝達第1歯車
48の平歯車部48aに噛合する。これにより、伝達第
1歯車48が回転され、伝達第2歯車50に伝達され
る。そして、分岐歯車54が回転され、その端面54e
に連結されたタッピング装置20が駆動される。
【0093】図20に示すように、タッピング装置20
では、カラー80が旋回されてスライド板82を樹木1
に対して接近する方向に摺動させる。そして、スライド
板82の案内筒82bに内蔵された針ホルダ88が、徐
々に蓄勢力が増大する針押さえばね92で当接板82f
に押圧されながら樹皮1aに接近される。これにより、
針ホルダ88に止着されるタップ針18の針部18aが
樹皮1aに押圧され、針ホルダ88が案内筒82bの内
部で摺動され針押さえばね92に蓄勢する。この蓄勢力
が樹皮1aの抗力より大きくなると、針部18aが樹皮
1aに突入して孔1cをあける。そして針部18aの先
端が樹心1bに近づくと抗力が大きくなってタップ針は
停止し、スライド板82のみが変位するので、タップ針
18を折ったり樹心1bを傷めてしまうことが防止され
る。即ち、針押さえばね92の強さをこの条件に合うよ
うにしてある。これによりスライド板82のストローク
の大小(樹の太さに応じた)があっても問題が生じず、
1台で太さの異なる樹への使用ができる。
【0094】ところで、分岐歯車54が1回転する間
で、スライド板82の摺動する力は変動する。即ち、止
着ピン78が摺動方向の両端部にある時は摺動力が最大
となり、摺動方向と垂直な方向の両端部にある時は摺動
力が最小となる。このため、摺動力が小さくタップ針1
8を樹皮1aに突き刺すことができない時に、針押さえ
ばね92が蓄勢される。また、摺動力が大きく樹皮1a
に突き刺すことができる時に、針押さえばね92の蓄勢
力が最大となり解放されて孔1cが形成されることにな
る。
【0095】なお、樹皮1aが薄い等の理由により針部
18aの押圧が樹心1bまで達してしまった場合は、先
端部が樹心1bに当接する。そして、さらに押圧しよう
とすると針押さえばね92が変形されて、針部18aは
樹心1bに当接した状態に維持される。これにより、タ
ップ針18を折ったり樹心1bを傷めてしまことが防止
される。
【0096】また、カラー80の旋回が樹木1から離れ
る方向に変化されると、スライド板82と針押さえばね
92、針ホルダ88、タップ針18とが樹木1から離隔
する方向に摺動される。この時、カム機構83が確動カ
ムの作動をするので、分岐歯車54の回転力がスライド
板82に直接伝達される。このため、樹皮1aの収縮力
によりタップ針18が抜け難くなっても、該タップ針を
確実に引き抜くことができる。そして、駆動歯車16が
約180度回転する間に分岐歯車54が約1回転して、
1回のタップの作動が終了する。
【0097】その後分岐歯車54の送り部54dに連結
されたリフト手段22が駆動される。
【0098】図21に示すように、リフト手段22で
は、リフト第1歯車94が回転される。ここで、分岐歯
車54の送り部54dには隣接した2つの歯のみが形成
されており、またリフト第1歯車94の間欠歯車部94
aにはラチェットばね96が係合されているので、分岐
歯車54の1回転によりリフト第1歯車94は所定の角
度(本実施形態では約30度)だけ節度を有して回転さ
れる。これにより、リフト第2歯車104の回転角度が
一定となり、樹液採取装置8の上昇量が一定となる。
【0099】そして、リフト第1歯車94の回転によ
り、クラッチばね98が巻き締められ、回転軸56及び
ラチェット受板100が回転される。回転軸56の回転
によりリフト第2歯車104が回転されるので、その長
さだけラック106に対して樹液採取装置8の全体が上
昇される。なお、所定量の上昇を行うためのリフト第2
歯車104の回転角度に対し、リフト第1歯車94の回
転角度は僅かに大きく設定しておくことが望ましい。こ
れによれば、リフト第1歯車94の回転角度がクラッチ
ばね98の滑りにより損失しても、上昇量を確保するこ
とができる。また、ラチェットレバー108のラチェッ
ト爪108aが第2平歯車部104cに噛合する位置ま
で確実に回転させる必要があるので、所定量の上昇を行
うために必要なリフト第2歯車104の最低限の回転角
度よりも僅かに大きく回転することが好ましいためであ
る。
【0100】なお、タッピング装置20とリフト手段2
2とは同時に駆動されることはないように分岐歯車54
の送り部54dが設計されているので、タップ針18が
樹皮1aに刺さった状態で上昇の作動が行われることは
ない。
【0101】さらに、分岐歯車54の第1平歯車部54
cには、調速機構55が接続されている。調速機構55
では、調速第1歯車58の回転が調速第2歯車に伝達さ
れる。そして、ウォーム66が回転されて摩擦ロータ7
2が回転される。この時、摩擦ロータ72のロータカバ
ー68への摩擦により増速が防止されるので、分岐歯車
54の回転速度が極度に大きくなることはない。このた
め、タッピング装置20やリフト手段22の過度な回転
速度での動作が防止される。従って、動作が確実に行わ
れるようになり、部品の摩耗も減少される。
【0102】上述したように、タイマ手段24の作動
と、タッピング装置20及びリフト手段22の作動とを
順に1回ずつ行うことにより、1周期の駆動が終了す
る。これにより、樹皮1aに1個の孔1cが形成され、
流出した樹液を受け皿144に集める。そして、次の周
期の駆動では、樹液採取装置8が所定距離だけ上昇され
て、次の孔1cが形成される。この時、前に形成した孔
1cは自然に塞がれており、樹液はほとんど流出してい
ない。なお、新たな孔1cを上方に形成していくことに
より、タップ針18を常に直接樹皮1aに押圧すること
ができる。このため、下方に新たな孔1cを形成する場
合のように、樹液が流れて固まった跡の上にタップ針1
8を押圧して孔1cが形成されなくなることはない。
【0103】また、15日経過して樹液採取装置8の上
端部が上方の取付部材4に当接した場合や、ぜんまい1
4の巻上回数が少なくて途中で作動が停止した場合等
は、樹液採取装置8の取付位置を変更する必要がある。
このため、リセットボタン112を操作して、リセット
手段117を作動させる。図21に示すように、リセッ
ト手段117では、リセット部材110のリセット軸1
10aが回転されて、回転リセット部110cが回転さ
れる。これにより、回転リセット部110cの歯車部は
ラチェット爪板102の平歯車部102bに噛合して回
転させる。そして、ラチェット受板100がクラッチば
ね98を緩める方向に回転し、回転軸56を回転可能な
状態とする。
【0104】同時に、リセット軸110aはラチェット
レバー108のラチェット爪108aを退避させて、リ
フト第2歯車104を回転可能な状態とする。これによ
り、回転軸56及びリフト第2歯車104は回転可能と
なり、リセットボタン112を押圧したままで、ラック
106に対して手動による昇降が可能となる。なお、リ
セットボタン112を解放することにより、リセット手
段117は解除され、ラチェットレバー108が第2歯
車104に係合するので回転軸56が回転できない。こ
のため、手動で樹液採取装置8を昇降するためには常に
リセットボタン112を押圧している必要があり、誤っ
て手を離しても落下されることはない。なお、タイマ手
段24が作動されている時は、リセット手段117の作
動に関係なくぜんまい14の駆動力はタイマ手段24に
伝達される。
【0105】また、リセット手段117を用いずに、ラ
ック106をケーシング本体10cのラックガイド部1
0kから取り外して昇降させても構わない。
【0106】なお、リセット手段117を備えることに
より、タッピング装置20が移動限界位置に達しても容
易に原位置に戻すことができる。このため、樹液採取装
置8を樹木1から取り外すことなく原位置に戻せるの
で、作業性が向上される。
【0107】そして、樹液採取装置8を最下部に移動さ
せてからクランプを緩める。ここで、取付部材4をベル
ト2に沿って移動させて、図22に示すように、孔1c
の縦列の側部に次の孔1cの縦列ができるような位置に
固定する。固定後にぜんまい14を巻き上げて、再び樹
液採取装置8が上端部に達するまで作動させる。なお、
この作業を繰り返して樹木1を1周した後は、元の孔1
cの縦列の上方に、次の孔1cの縦列を形成する。そし
て、再び樹木1を1周した後は、再び上方に孔1cを形
成する。これを5〜6回繰り返したら、再び最下部の原
位置に取り付ける。これを繰り返すことにより、1本の
ゴムの木から約10年連続して樹液を採取することがで
きる。このため、ゴムの木を休ませる必要がないので、
1本のゴムの木当たりの稼働率が向上される。
【0108】なお、上述の実施形態は本発明の好適な実
施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能で
ある。例えば、ぜんまい14を巻き上げてからタッピン
グ装置20及びリフト手段22が駆動するまでの時間を
任意に設定できるものとしても構わない。
【0109】この場合、図23から図26に示すよう
に、タイマ第1歯車118に隣接した位置に、駆動歯車
16の第2歯車部16cに噛合する平歯車部150aを
備えた伝達歯車150を設ける。該伝達歯車150には
平歯車部150aと共に回転するピニオン部150bが
形成されている。ピニオン部150bは、ケーシング蓋
10bに回転可能に設けられた表示歯車151に噛合し
ている。表示歯車151の取付側の面には表示板152
が取り付けられている。表示板152の周縁部には、残
り時間を示す数字が「2」から「24」まで2時間刻み
で1周に渡って記されている。この数字の一部に対向す
るケーシング蓋10bには、透孔が形成されている。こ
の透孔には透明なプラスチック等からなる表示窓153
が嵌め込まれている。このため、樹液採取装置8の外部
から表示窓153を通して表示板152の数字の一部を
確認することができる。ここで、表示されている数字が
タッピング動作までの残り時間を示すように、表示板1
52の数字や表示窓153の位置が設定されている。
【0110】一方、タイマユニット122のユニット第
1歯車124は、タイマ第2歯車120に噛合するウォ
ーム部124aと、該ウォーム部124aに対して回転
可能なウォームホイール部124b及びクラッチ歯車部
154と、ウォーム部124aに巻き締まると共にウォ
ームホイール部124b及びクラッチ歯車部154に係
合する捻りコイルばねからなるクラッチばね155とか
ら構成されている。ウォーム部124aが回転すると、
該ウォーム部124aに巻き締められたクラッチばね1
55も回転し、これに伴いウォームホイール部124b
及びクラッチ歯車部154も回転する。このため、通常
はクラッチが接続されているので、上述した実施形態と
同様に、ぜんまい14の動力はタイマ手段24に伝達さ
れる。
【0111】クラッチ歯車部154には、設定ボタン1
56と一体的で一部にラック部157aを有する部分ラ
ック157が噛合可能とされている。設定ボタン156
は、ケーシング蓋10bの一部に形成された窪み部10
tの底に設けられた透孔から樹液採取装置8の外部に露
出している。部分ラック157はケーシング本体10c
に形成されたガイド部10uに案内される。ガイド部1
0uの内部には部分ラック157及び設定ボタン156
をケーシング蓋10b側に付勢する圧縮コイルばね15
8が設けられている。ここで、部分ラック157の形状
は、設定ボタン156が押圧されない通常の状態ではラ
ック部157aとクラッチ歯車部154とが噛合せず、
設定ボタン156が押圧された状態ではラック部157
aとクラッチ歯車部154とが噛合するように形成され
ている。
【0112】樹液採取装置8を設置してぜんまい14を
巻上げてから設定ボタン156を押圧すると、クラッチ
歯車部154が回転されてクラッチばね155を緩め
る。これにより、ウォーム部124aとウォームホイー
ル部124bとのクラッチの接続が緩められ、ウォーム
部124aはクラッチばね155の抵抗を受けながら回
転する。そして、ウォーム部124aがクラッチばね1
55に対して滑りながら回転し、表示窓153に示され
る残り時間が変化する。この表示時間が設定したい時間
になった時、設定ボタン156の押圧を解除する。これ
により、圧縮コイルばね158が解放されてクラッチ歯
車部154と部分ラック157との噛合が解除されて、
ウォーム部124aとウォームホイール部124bとの
クラッチが再び接続され、タイマ手段24が作動され
る。
【0113】本実施形態によれば、樹液採取装置8の設
置時にタッピング動作及びリフト動作の次の駆動時間を
設定することにより、後は約24時間ごとにタッピング
動作及びリフト動作が行われる。このため、ゴムの木の
樹圧が高まる毎日ほぼ一定な時刻にタッピング動作を行
うことができる。これにより、効率の良い樹液の採取を
行うことができる。
【0114】一方、上述した実施形態では、ぜんまい1
4とタイマ手段24との断続を行うクラッチをユニット
第1歯車124に設けているが、他の位置に設けても構
わない。例えば図27から図29に示すように、クラッ
チをタイマ第2歯車120に設けることもできる。
【0115】この場合、タイマ第2歯車120は、タイ
マ第1歯車118と噛合するピニオン部120aと、該
ピニオン部120aと一体的に回転可能な軸部159
と、該軸部159に対して回転可能なウォームホイール
部120b及びクラッチ歯車部160と、軸部159に
巻き締まると共にウォームホイール部120b及びクラ
ッチ歯車部160に係合する捻りコイルばねからなるク
ラッチばね161とから構成されている。ピニオン部1
20aが回転すると、軸部159に巻き締められたクラ
ッチばね161も回転し、これに伴いウォームホイール
部120b及びクラッチ歯車部160も回転する。この
ため、通常はクラッチが接続されているので、上述した
クラッチを有しない樹液採取装置8と同様の作動を行
う。
【0116】クラッチ歯車部160には、回転可能な扇
歯車162が噛合可能とされている。この扇歯車162
の付近のケーシング蓋10bには、透孔を有する窪み部
10vが形成されている。窪み部10vには設定レバー
163が配置されている。設定レバー163は、透孔を
介して扇歯車162と一体的に連結されている。ケーシ
ング蓋10bの内壁には、扇歯車162に当接して回転
範囲を制限する制限突起10wと、扇歯車162に当接
しない係合突起10xとが形成されている。この係合突
起10xと扇歯車162の一部に形成された係合孔16
2aとの間に、扇歯車162を制限突起10wに当接さ
せる方向に付勢する捻りコイルばねからなる戻りばね1
64を設けている。ここで、設定レバー163が旋回さ
れない通常の状態では扇歯車162とクラッチ歯車部1
60とが噛合せず、設定レバー163が操作され旋回さ
れた状態では扇歯車162とクラッチ歯車部160とが
噛合するように、扇歯車162の形状や制限突起10w
の位置等が設定されている。
【0117】樹液採取装置8を設置してぜんまい14を
巻上げてから設定レバー163を旋回させると、クラッ
チ歯車部160が回転されてクラッチばね161を緩め
る。これにより、軸部159とウォームホイール部12
0bとのクラッチの接続が緩められ、軸部159はクラ
ッチばね161の抵抗を受けながら回転する。そして、
軸部159及びピニオン部120aがクラッチばね16
1に対して滑りながら回転し、表示窓153に示される
残り時間が変化する。設定したい時間になった時に設定
レバー163から指を離すことにより、戻りばね164
が解放されてクラッチ歯車部160と扇歯車162との
噛合が解除される。そして、軸部159とウォームホイ
ール部120bとのクラッチが再び接続され、タイマ手
段24が作動される。
【0118】ところで、上述した実施形態では、駆動源
をぜんまい14により構成したが、他の機械的構造であ
っても構わない。例えば、駆動歯車16にプーリを連結
し、このプーリに重りを吊るした構造とすることもでき
る。この構造によれば、プーリを巻き上げて重りを上方
に位置させ、この重りが重力で下降する力によりプーリ
及び駆動歯車16を回転させることができる。このた
め、より簡易な機構で樹液採取装置を駆動することがで
きる。
【0119】また、駆動源をモータ等の電気的構造とす
ることもできる。この場合、電源を太陽電池とすること
により、ぜんまいや重りを巻き上げる等の駆動源に蓄勢
を行う作業を必要とせず連続して駆動させることができ
る。このため、樹液採取効率を向上させることができ
る。
【0120】さらに、上述した各実施形態では、タッピ
ング装置20や、リフト手段22、タイマ手段24等の
駆動を全て歯車列により行う構造としているが、例えば
タイミングベルトやチェーン、長い形状の歯車等により
行う構造としても構わない。
【0121】なお、各実施形態では、ゴムの木の樹液を
採取する場合について説明したが、これに特に限定され
るものではなく、他の樹木の樹液の採取に適用すること
も可能である。
【0122】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1の樹液採取装置のタッピング装置は、駆動歯車と移動
部材とはカム機構により連結されているので、タップ針
の出し入れが確実に行われる。このため、樹皮の収縮力
によりタップ針が容易に抜けない状態になっても、カム
溝と嵌合体とが当接して駆動歯車の駆動力をタップ針に
確実に伝達するので、該タップ針を引き抜くことができ
る。これにより、タッピング動作が確実に行われるよう
になり、樹液採取装置の作動の安定性が向上する。
【0123】また、請求項2の樹液採取装置のタッピン
グ装置は、タップ針が移動部材に対して摺動可能で付勢
部材により当接部に片寄せされているので、タップ針の
先端部が樹心に達した場合に、タップ針の先端部が樹心
に当接して停止され、この状態で移動部材が樹木に近接
するようさらに移動しても、タップ針が移動部材に対し
て相対的に摺動され、同時に付勢手段が変形して蓄勢さ
れる。よって、装置が停止することなく、さらにタップ
針が樹心を傷めることはなく、樹心の材木としての利用
価値を低下させることがないので、樹液が採取できなく
なった後でも樹心を有効に利用することができる。
【0124】さらに、請求項3のタッピング装置は、駆
動歯車と移動部材とはカム機構により連結されていると
共に、タップ針が移動部材に対して摺動可能で付勢部材
により当接部に片寄せされているので、請求項1及び請
求項2のいずれの効果も奏する。
【0125】また、請求項4のタッピング装置では、付
勢部材をねじりコイルばねを主として構成しているの
で、付勢部材を設ける空間を大きく確保する必要はな
い。このため、樹液採取装置を大型化させることがな
く、小型軽量化に貢献することができる。
【0126】さらに、請求項5のタッピング装置では、
駆動源をぜんまい式や重り式等の機械的な駆動力を用い
たものとしたので、比較的簡単な構造とすることができ
る。このため、製作費を低く抑えることができ、製品の
単価を低減することができる。また、消耗品や損傷品が
発生しにくいので、維持費や管理費を低減させることが
できる。しかも、電気的な駆動系を用いないので耐久性
は大きく、高温多湿な環境であっても駆動系が劣化する
ことなく確実に作動するので、過度なシール材を設ける
必要はない。また、樹液採取装置の小型軽量化を図るこ
とができる。従って、多数の樹木への樹液採取装置の取
り付けを全体として低コストで行うことができるので、
樹木の稼働率が上がり樹液の採取量を増大させることが
できる。
【0127】また、駆動歯車から移動部材までの駆動系
に調速機構を設けているので、移動部材の駆動の速度が
抑制されて所定の大きさよりも大きくなることはない。
このため、誤動作が防止され、作動が確実に行われるよ
うになる。そして、各部品の消耗を減少させることがで
き、寿命を長期化させる。また、駆動源の蓄勢力の解放
が一気に行われることはなく、駆動力の効果的な利用を
図ることができる。
【0128】さらに、請求項6のタッピング装置では、
先端の形状が異なるタップ針を選択して用いることがで
きるので、樹液の採取を行う樹木の種類に応じたタップ
針を選択することができ、効率的な樹液の採取を行うこ
とができる。また、タップ針が損傷した場合の交換を容
易に行うことができるので、樹液採取装置を無駄にする
ことはない。
【0129】また、請求項7のタッピング装置では、タ
ップ針の移動部材に対する突出量を調整可能としてい
る。このため、移動部材が最も突出した状態でタップ針
の先端部が樹心に当接しない位置にタップ針を設定して
おけば、樹皮に孔を形成中に樹心を傷めることがない。
従って、樹液が採取できなくなってから樹心を材木とし
て利用する場合の価値を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹液採取装置のタッピング装置の実施
形態を示す樹液採取装置の横断面図である。
【図2】樹液採取装置をゴムの木に取り付けた状態を示
す斜視図である。
【図3】樹液採取装置を示す背面図である。
【図4】樹液採取装置のケーシング蓋を取り外した状態
を示す正面図である。
【図5】図4のV−V線で切断した状態を示す樹液採取装
置の縦断面図である。
【図6】ぜんまいと香箱を示す斜視図である。
【図7】図6のVII−VII線で切断した状態を示す横断面
図である。
【図8】凸側巻上ラチェットと凹側巻上ラチェットとを
示す斜視図である。
【図9】調速手段とリフト手段とを示す正面図である。
【図10】図4のX−X線で切断した状態を示す樹液採取
装置の縦断面図である。
【図11】タッピング装置を示す正面図である。
【図12】タップ針の針部が樹皮に突き刺さった状態を
示す断面図であり、(A)は先端が平面状の場合、
(B)は先端が窪んだ形状の場合を示す。
【図13】リフト手段の一部の歯車等を示す分解組立図
である。
【図14】図15のXIV−XIV線で切断した状態を示す樹
液採取装置の縦断面図である。
【図15】リセット手段を示す正面図である。
【図16】図15のXVI−XVI線で切断した状態を示す樹
液採取装置の縦断面図である。
【図17】タイマ手段を示す正面図である。
【図18】樹液採取装置の駆動の流れを示すブロック図
である。
【図19】図18のタイマ手段の駆動の流れを示す詳細
なブロック図である。
【図20】図18のタッピング装置の駆動の流れを示す
詳細なブロック図である。
【図21】図18の調整機構とリフト手段、リセット手
段との駆動の流れを示す詳細なブロック図である。
【図22】樹液採取装置により形成された樹木の孔の位
置を示す斜視図である。
【図23】ぜんまいとタイマ手段との伝達機構を示す正
面図である。
【図24】残り時間の表示機構の示す断面図である。
【図25】ボタン式の残り時間設定機構を備えた樹液採
取装置を示す斜視図である。
【図26】設定ボタンの取付状態を示す断面図である。
【図27】設定レバーの取付状態を示す断面図である。
【図28】扇歯車の取付状態を示す正面図である。
【図29】レバー式の残り時間設定機構を備えた樹液採
取装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ゴムの木(樹木) 8 樹液採取装置 14 ぜんまい(駆動源) 16 駆動歯車 18 タップ針 20 タッピング装置 55 調速手段 78 止着ピン(嵌合体、カム機構) 80 カラー(嵌合体、カム機構) 82 スライド板(移動部材) 82a 長穴部(カム溝、カム機構) 82f 当接板(当接部) 83 カム機構 88 針ホルダ 92 針押さえばね(付勢手段)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動源によって駆動される駆動歯車と、
    樹木の樹皮に孔をあけるタップ針と、該タップ針を保持
    する移動部材と、前記駆動歯車と移動部材との一方に設
    けたカム溝と他方に設けた嵌合体とが互いに嵌合して成
    ると共に前記駆動歯車の回転により前記移動部材を往復
    移動させるカム機構とを備えたことを特徴とする樹液採
    取装置のタッピング装置。
  2. 【請求項2】 駆動源によって駆動される駆動歯車と、
    樹木の樹皮に孔をあけるタップ針と、前記駆動歯車によ
    って往復移動され前記タップ針を摺動可能に保持し、該
    タップ針が樹木の方向に摺動する場合に摺動を制限する
    当接部を有する移動部材と、前記タップ針を樹木の方向
    へ付勢し前記当接部に押し付ける付勢手段とを備えたこ
    とを特徴とする樹液採取装置のタッピング装置。
  3. 【請求項3】 駆動源によって駆動される駆動歯車と、
    樹木の樹皮に孔をあけるタップ針と、該タップ針を摺動
    可能に保持すると共に該タップ針が樹木の方向に摺動す
    る場合に摺動を制限する当接部を有する移動部材と、前
    記タップ針を樹木の方向へ付勢し前記当接部に押し付け
    る付勢手段と、前記駆動歯車と移動部材との一方に設け
    たカム溝と他方に設けた嵌合体とが互いに嵌合して成る
    と共に前記駆動歯車の回転により前記移動部材を往復移
    動させるカム機構とを備えたことを特徴とする樹液採取
    装置のタッピング装置。
  4. 【請求項4】 前記付勢部材を、ねじりコイルばねを備
    えたものとしたことを特徴とする請求項2または請求項
    3のいずれかに記載の樹液採取装置のタッピング装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動源を機械的な駆動力を用いたも
    のとし、前記駆動歯車から移動部材までの駆動系に調速
    機構を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4ま
    でのいずれかに記載の樹液採取装置のタッピング装置。
  6. 【請求項6】 前記タップ針を交換可能にしたことを特
    徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の
    樹液採取装置のタッピング装置。
  7. 【請求項7】 前記タップ針の移動部材に対する突出量
    を調整可能としたことを特徴とする請求項1から請求項
    6までのいずれかに記載の樹液採取装置のタッピング装
    置。
JP30784295A 1995-11-27 1995-11-27 樹液採取装置のタッピング装置 Pending JPH09140278A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015068996A1 (ko) * 2013-11-05 2015-05-14 주성엔지니어링(주) 수액제거부재, 수액 채취장치용 컷팅부 및 이를 포함하는 수액 채취장치
KR20150117855A (ko) * 2014-04-11 2015-10-21 주성엔지니어링(주) 수액 채취장치
WO2017043957A1 (en) * 2015-09-09 2017-03-16 Lembaga Getah Malaysia Puncture tapping mechanism
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