JPH0913923A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

内燃機関の可変動弁装置

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JPH0913923A
JPH0913923A JP7159715A JP15971595A JPH0913923A JP H0913923 A JPH0913923 A JP H0913923A JP 7159715 A JP7159715 A JP 7159715A JP 15971595 A JP15971595 A JP 15971595A JP H0913923 A JPH0913923 A JP H0913923A
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JP
Japan
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valve
hydraulic
accumulator
pressure
chamber
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Application number
JP7159715A
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English (en)
Inventor
Atsuhiro Sakamoto
篤弘 坂本
Iwane Inokuchi
岩根 井之口
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バルブジャンプ量を低減するとともに、作動
油の入れ替えを促進する。 【構成】 カム側プランジャ8はカムシャフト16によ
り駆動され、油圧室10の作動油を加圧する。吸排気弁
2は、油圧室10内の油圧によって押し開かれる。吸排
気弁2のリフトの途中でパイロット弁21を開弁させる
と、アキュムレータ20に油圧室10内の油圧が解放さ
れ、吸排気弁2が着座動作に転じる。アキュムレータ2
0に畜圧された作動油は、カムシャフト16のカムリフ
トが低下する際に油圧室10に戻される。高速回転域で
は、開閉弁36を開弁させて、油圧室10内の作動油の
一部を油圧解放通路35から外部へ解放する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関の吸気弁ま
たは排気弁(以下、両者を総称して吸排気弁という。)
のリフト量を可変制御する内燃機関の可変動弁装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の吸排気弁のリフト量を可変制
御する油圧式の可変動弁装置が、例えば特開昭58−5
3615号公報等に開示されている。この装置は、カム
シャフトによってカム側プランジャを往復動させること
により作動油をカムリフトに沿って加圧し、かつこの加
圧作動油によって吸排気弁を油圧駆動するようにしたも
のであって、加圧作動油の供給経路に、加圧作動油を低
圧側に解放する解放弁が設けられている。この解放弁を
吸排気弁のリフトの途中で開弁させると、作動油の圧力
が低下するので、吸排気弁がバルブスプリングの付勢力
によってリフト途中から着座動作に転じるようになって
いる。つまり、吸排気弁のリフト量が、解放弁の開弁時
期によって可変制御できる。
【0003】そして、上記解放弁を介して解放された油
圧をアキュムレータで吸収することにより、油圧エネル
ギを回収するようにした構成が、例えばSAEペーパー
930820に示されている。図6は、この従来の可変
動弁装置の構成を示したもので、カム50によって駆動
されるカム側プランジャ51が油圧室52内の作動油を
加圧し、この加圧作動油によって弁側プランジャ53を
介して吸排気弁54がリフトするようになっている。上
記油圧室52とアキュムレータ55とが、油圧解放通路
56を介して接続され、該油圧解放通路56に解放弁5
7が介装されている。この解放弁57は、油圧室52と
背圧室57aとの圧力バランスにより開作動するもの
で、背圧室57aの油圧を解放するために、電磁弁から
なるパイロット弁58が設けられている。またアキュム
レータ55と油圧室52とは、油圧解放通路56と並列
に油圧導入通路59を介して接続されており、該油圧導
入通路69にはアキュムレータ55から油圧室52への
流入のみを許容する逆止弁60が介装されている。ま
た、アキュムレータ55には、逆止弁61を介してオイ
ルポンプ62から作動油が供給されるようになってい
る。
【0004】このような構成においては、解放弁57を
介して排出される高圧の作動油がアキュムレータ55に
導入され、その後、カム50のリフト量が低下していく
際に、アキュムレータ55から油圧導入通路56を介し
て油圧室52へ送り戻されるようになる。従って、アキ
ュムレータ55に一旦回収されたエネルギがカム50の
駆動力に付加されるようになり、全体としてエネルギを
有効利用できることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の構成においては、弁側プランジャ53がシリ
ンダに固着して変位不能になってしまう可能性がある
が、吸排気弁54のフルリフト制御時に最大変位点より
も小さい位置で変位不能になると、カム側プランジャ5
1の押圧により油圧室52内の油圧が異常に上昇し、シ
ステム保障上いろいろな問題を生じる恐れがある。
【0006】本発明の目的は、弁側プランジャが変位不
能になった場合の、油圧の異常上昇を防止することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る内燃機関
の可変動弁装置は、バルブスプリングにより閉方向へ常
時付勢された吸気弁または排気弁と、カムシャフトによ
り駆動され、かつ油圧室内の作動油を加圧するカム側プ
ランジャと、この加圧された油圧室内の油圧によって一
方へ動作し、上記吸気弁または排気弁をリフトさせる弁
側プランジャと、摺動可能なプランジャによってシリン
ダ内にアキュムレータ室を画成し、かつこのアキュムレ
ータ室の底部に段部を形成してなるアキュムレータと、
上記プランジャの底部に設けられ、かつこのプランジャ
が無変位の状態で上記段部に当接してアキュムレータ室
を2つに画成するシール部と、上記画成したアキュムレ
ータ室のうちの一方と上記油圧室とを接続したパイロッ
ト圧通路と、上記画成したアキュムレータ室のうちの他
方と上記油圧室とを接続した油圧解放通路と、上記アキ
ュムレータとは別個に構成され、かつ上記パイロット圧
通路を開閉するパイロット弁と、上記アキュムレータの
プランジャをアキュムレータ室の縮小方向へ付勢し、か
つ上記パイロット弁を介して油圧室からアキュムレータ
室に導入される油圧によって上記プランジャが変位する
ように、その付勢力が設定されてなるアキュムレータス
プリングと、上記油圧室内の油圧がシステム保障圧を越
えた際、上記アキュムレータスプリングの付勢力に打ち
勝って上記プランジャの変位を開始させるように、この
プランジャの周面で上記画成したアキュムレータ室のう
ちの他方を臨む箇所に形成した受圧面と、を備えて構成
されている。
【0008】また請求項2の発明では、上記シール部
は、上記プランジャの底部周面に形成したテーパー部
と、このテーパー部と対応させて上記段部に形成したテ
ーパー部とで構成されている。
【0009】また他の発明に係る内燃機関の可変動弁装
置は、バルブスプリングにより閉方向へ常時付勢された
吸気弁または排気弁と、カムシャフトにより駆動され、
かつ油圧室内の作動油を加圧するカム側プランジャと、
この加圧された油圧室内の油圧によって一方へ動作し、
上記吸気弁または排気弁をリフトさせる弁側プランジャ
と、上記油圧室と接続したアキュムレータと、このアキ
ュムレータと上記油圧室との間に介装され、かつ上記吸
気弁または排気弁のリフトの途中で上記油圧室内の油圧
をアキュムレータに解放させる油圧解放手段と、上記油
圧室内の油圧がシステム保障圧を越えた際に上記油圧解
放手段を作動させる制御手段と、を備えて構成されてい
る。
【0010】また請求項4の発明では、上記制御手段
は、上記油圧室とアキュムレータ室とを接続したパイロ
ット圧通路と、この通路の油圧室側開口にニードル状の
弁体の先端を差し込んでパイロット圧通路を閉塞したパ
イロット弁とで構成し、上記油圧室内の油圧がシステム
保障圧を越えた際には、上記弁体に作用する流体圧がセ
ット荷重に打ち勝ってこの弁体を開弁させるように構成
されている。
【0011】また請求項5の発明では、上記制御手段
は、上記油圧室とアキュムレータ室とを接続したパイロ
ット圧通路と、この通路を開閉するパイロット弁と、上
記油圧室内の油圧を検出する圧力センサとで構成し、こ
の圧力センサの検出値がシステム保障圧を越えた際に上
記パイロット弁を開弁させるように構成されている。
【0012】
【作用】カムシャフトによりカム側プランジャが押圧さ
れると、油圧室内の油圧が高まり、これに応じて弁側プ
ランジャが移動する。つまり油圧に応じた形で吸排気弁
がリフトする。このリフトの途中でパイロット弁を開弁
すると、油圧室内の圧力が低圧状態にあるアキュムレー
タに解放されるので、吸排気弁が着座動作に転じる。従
って、パイロット弁の開弁時期を変化させることによっ
てリフト量が変化する。アキュムレータに流入した高圧
の作動油は、アキュムレータスプリングを変位させてア
キュムレータ内に畜圧されるので、その後、カムのリフ
トが低下していく際に、アキュムレータ室から油圧室内
へ押し戻され、エネルギの回収が図れる。
【0013】サージ圧の生じる高速回転域では、開閉弁
を開弁させておく。この状態でカムのリフト立ち上がり
時にサージ圧が生じても、油圧室内の作動油の一部が油
圧解放通路を介して外部へ解放されるので、サージ圧の
低下が早まり、バルブジャンプ量が低減する。また、解
放分と同量の作動油が油圧室に供給され、作動油の入れ
換えも促進されるので、作動油の温度上昇が防止され
る。
【0014】請求項2の構成では、複数気筒の油圧室内
の作動油が逆止弁を通って油圧解放通路に流入し、開閉
弁の開弁時に外部へ解放される。
【0015】また請求項3の構成では、油圧室内に溜ま
ったエアが始動時に油圧解放通路を通して外部へ放出さ
れ、機関の始動性が向上する。
【0016】また請求項4のようなオイルポンプを別に
設けると、始動時の作動油の供給がさらに促進され、エ
ア抜きが迅速に行われる。
【0017】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明する。
【0018】図1は、この発明の第1実施例を示す内燃
機関要部の断面図であって、シリンダヘッド1に吸排気
弁2が摺動可能に装着されているとともに、バルブスプ
リング3によって閉方向へ常時付勢されている。シリン
ダヘッド1の上面には、リフト制御ユニットのハウジン
グ4が重ねて配置されており、このハウジング4の下面
側に装着したシリンダ5内に弁側プランジャ6が摺動可
能に嵌合している。この弁側プランジャ6の先端は、吸
排気弁2のステムエンドに当接し、該プランジャ6が油
圧により移動することで吸排気弁2を押し開くようにな
っている。
【0019】また、上記ハウジング4の上面側にはシリ
ンダ7が装着されており、該シリンダ7内にカム側プラ
ンジャ8が摺動可能に配置されている。このカム側プラ
ンジャ8は、シリンダ7内に収納したスプリング9によ
って上方へ付勢されている。シリンダ7内の油圧室10
は通路11を介してシリンダ5内の油圧室と連通されて
いる。この通路11は途中で分岐してシリンダ6の上端
部周壁と上壁に開口している。通路11の上壁側の開口
部には逆止弁12とダンパ室13が設けられ、これらと
並列にオリフィス14が設けられている。つまり、カム
側プランジャ8は、内燃機関のクランク軸(図示せず)
に同期して回転するカムシャフト15のカム16に、ロ
ッカアーム17を介して駆動されるようになっており、
カムシャフト15が回転することにより往復動し、油圧
室10内の作動油を加圧する。そして、この加圧油圧が
逆止弁12とダンンパ室13を介してシリンダ5内に導
入され、弁側プランジャ6が吸排気弁2のリフト方向へ
押圧されるようになっている。
【0020】上記油圧室10には、逆止弁18を介して
作動油供給通路19から作動油が供給されるようになっ
ており、この作動油供給通路19は、図示せぬオイルポ
ンプの吐出側へ連通している。尚、この作動油供給系統
は機関潤滑系統と一体となっており、作動油として機関
潤滑油が利用されるとともに、機関出力にて機械駆動さ
れる潤滑用のオイルポンプがそのまま兼用される。
【0021】また、上記ハウジング4には、吸排気弁2
のリフト量を運転条件等に応じて可変制御するために、
解放弁として機能するアキュムレータ20と、このアキ
ュムレータ20にパイロット圧を供給するパイロット弁
21とが配設されている。
【0022】上記アキュムレータ20は、シリンダ22
内に摺動可能に配置されたプランジャ23を有し、この
プランジャ23によってアキュムレータ室24が画成さ
れている。プランジャ23は、アキュムレータ室24が
縮小する方向にアキュムレータスプリング25によって
付勢されている。上記アキュムレータスプリング25が
収納されている背圧室26は、連通孔27を介して大気
解放されている。
【0023】上記アキュムレータ20には、油圧室10
から油圧解放通路28が接続されている。この油圧解放
通路28の先端は、プランジャ23の外周面に向けて開
口しており、プランジャ23が変位していない状態では
該プランジャ23によって閉塞されるとともに、プラン
ジャ23が変位するとアキュムレータ室24と連通する
ようになっている。プランジャ23は、アキュムレータ
室24側にテーパ部23aを有し、アキュムレータスプ
リング25の付勢力を受けて該テーパ部23aがシリン
ダ22のテーパ面に圧接することによって、油圧解放通
路28の閉時シールがなされている。また上記アキュム
レータ室24には、オリフィス29を介してドレン通路
30が接続されており、該ドレン通路30を介してアキ
ュムレータ室24がオイルパン31に解放されている。
尚、オリフィス29の径は、高圧の作動油がプランジャ
23の無変位時にアキュムレータ室24へ漏出しても、
アキュムレータ室24内の油圧がプランジャ23のクラ
ッキング圧とならない程度のできるだけ小さい値に設定
されている。また、ドレン通路30の先端部30aはオ
イルパン31の底部にまで延在しており、エアの吸い込
みがないようにしてある。従って、例えばプランジャ2
3とシリンダ22との接触面を通して油圧解放通路28
から作動油が多少漏洩したとしても、アキュムレータ室
24内が確実に低圧状態に保たれる。
【0024】一方、上記パイロット弁21は、この実施
例では、通電の有無により開閉動作するON,OFF型
の電磁弁にて構成されている。すなわち、このパイロッ
ト弁21は、摺動可能に支持されたニードル状の弁体3
2を有し、この弁体32がスプリングにより常時閉弁方
向へ付勢されているとともに、開弁方向へ弁体32を付
勢するようにソレノイド33が設けられている。このパ
イロット弁21は、油圧室10とアキュムレータ室24
とを接続したパイロット圧通路34を開閉している。特
に、油圧室10からの高い油圧が上記弁体32に対し開
弁方向へ作用することのないように、パイロット圧通路
34の油圧室10側部分が弁体32の側面に向かって開
口し、かつアキュムレータ室24側の部分が弁体32先
端へ向かって開口している。従って、カムリフトの立ち
上がり時に油圧室10内で高いサージ圧が発生したとし
ても、その影響によってパイロット弁21が開弁するよ
うなことがない。
【0025】上記弁体32は、アキュムレータ室24内
の油圧によって開弁方向へ押圧力を受けるが、これに対
抗するように、スプリング33の付勢力によって着座方
向へ押圧されている。このスプリングの付勢力は、常に
アキュムレータ室24の油圧によるリフト方向への押圧
力を上回るように設定されており、ソレノイド33の通
電停止時に弁体32が着座状態に確実に保持される。そ
して、ソレノイド33に通電すると、磁力により弁体3
2がリフト方向へ吸引され、スプリングの付勢力を上回
って弁体32がリフトするようになっている。すなわ
ち、この実施例では、パイロット弁21、油圧解放通路
28及びパイロット圧通路34によって油圧解放手段を
構成してある。
【0026】上記油圧室10とシリンダ5とを結ぶ通路
11の途中から油圧解放通路35が分岐しており、該通
路35の先端はハウジング4の上面で大気に開口してい
る。油圧解放通路35には開閉弁36が介装されてい
る。この弁36も、上記パイロット弁21と同様、通電
の有無により開閉動作するON,OFF型の電磁弁にて
構成されている。すなわち、開閉弁36は図2に示すよ
うに、摺動可能に支持されたニードル状の弁体37を有
し、この弁体37がスプリング38により常時閉弁方向
へ付勢されているとともに、開弁方向へ弁体37を付勢
するようにソレノイド39が設けられている。特に、油
圧室10からの高い油圧が上記弁体37に対し開弁方向
へ作用することのないように、油圧解放通路35の油圧
室1010側の部分35aが弁体37の側面に向かって
開口し、かつ大気開放側の部分35bが弁体37の先端
へ向かって開口している。従って、カムリフトの立ち上
がり時に油圧室10内で高いサージ圧が発生したとして
も、その影響によって開閉弁36が開弁するようなこと
がない。弁体37はソレノイド39の通電停止時には油
圧解放通路35を閉塞しているが、ソレノイド39に通
電すると、磁力により弁体37が左方へ吸引され、油圧
解放通路35を開放するようになっている。尚、油圧解
放通路35は、作動油の漏出量をできるだけ少なくする
ため、大気開放側の部分35bの径を油圧室側の部分3
5aのそれに比べて小さくしてある。
【0027】上記開閉弁36は、図示せぬコントロール
ユニットによって制御され、機関低速回転域では閉状態
に、機関高速回転域では開状態にそれぞれ保たれる。ま
た、後述のように機関始動時にも開状態になる。
【0028】次に、上記実施例の作用を説明する。カム
16のリフトに伴ってカム側プランジャ8が押圧される
と、油圧室10内の油圧が上昇し、これによって弁側プ
ランジャ6が移動する。つまり、吸排気弁2のリフトが
開始される。このように油圧室10内の加圧作動油によ
って吸排気弁2がリフトしている途中で、パイロット弁
21のソレノイド33へ通電を行うと、パイロット弁2
1が開弁し、油圧室10内の油圧がパイロット圧通路3
4を通してアキュムレータ室24へパイロット圧として
導入される。このパイロット圧が導入された状態では、
アキュムレータ室24内の油圧による押圧力がアキュム
レータスプリング25による付勢力を上回るようにばね
力や受圧面積が設定されているので、プランジャ23が
アキュムレータスプリング25を押し縮めながらその上
方へ変位する。これによって、油圧解放通路28が開路
する。つまり、油圧解放通路28の先端とアキュムレー
タ室24とが連通状態となり、油圧室10内の油圧が、
低圧状態にあるアキュムレータ室24へ解放される。従
って、吸排気弁2はリフト途中で着座動作に転じる。こ
こで、上記プランジャ23は、アキュムレータ20とし
て必要な容量を確保するために、比較的大きなものとな
るので、プランジャ23が変位した状態での油圧解放通
路31の通路開口面積は十分に大きく確保できる。従っ
て、油圧室10からアキュムレータ室24へ作動油が移
動する際のエネルギロスは非常に小さい。
【0029】その後、カム16のリフトが徐々に減少方
向へ向かうと、アキュムレータ室24内に蓄えられてい
た作動油が油圧解放通路28を通して油圧室10内に押
し戻される。この油圧エネルギは、カムシャフト15の
回転に寄与し、これによってエネルギが回収されること
になる。このように、アキュムレータ室24から油圧室
10へ作動油が戻る際に、その経路中に逆止弁が介在し
ていないため、エネルギロスは非常に小さくなる。
【0030】ところで、サージ圧の生じる高速回転域で
は、開閉弁36が常時開弁状態に制御される。この状態
では、カム16のリフト立ち上がり時にサージ圧が生じ
ても、油圧室10内の作動油の一部が油圧解放通路35
を通して外部へ排出されるので、サージ圧の低下が早ま
り、バルブジャンプ量が低減する。作動油の排出にとも
なって、カム16のリフト終了後、同量の作動油がオイ
ルポンプから作動油供給通路19を通して油圧室10に
供給される。
【0031】また、アキュムレータ20のプランジャ2
3が無変位の状態で、例えばシリンダ22との接触面を
通して油圧解放通路28からアキュムレータ室24へ作
動油が多少漏洩したとしても、漏洩した作動油は、オリ
フィス29、ドレン通路30、を通してオイルパン31
へ排出されるので、アキュムレータ室24内が確実に低
圧状態に保たれる。つまり、アキュムレータ20のプラ
ンジャ23がアキュムレータ室24への作動油の漏洩に
よって誤作動する虞れはない。
【0032】さらに、吸排気弁2がリフトを開始する際
には、通路11、逆止弁12、ダンパ室13を通してシ
リンダ5内に作動油が供給されるので、カムリフトの立
ち上がり時に油圧室10内で高いサージ圧が発生したと
しても、吸排気弁2のリフトが緩やかに開始される。ま
た、シリンダ5からの作動油の排出は最終的にはオリフ
ィス14を通して行われるので、吸排気弁2の着座も緩
やかになる。
【0033】ところで、機関の運転を長期間休止してお
くと、油圧室10内の作動油がバルブ側プランジャ6と
シリンダ5間のクリアランス等から外部へ漏洩し、油圧
室10内にエアが溜まることがある。この場合、機関の
クランキング時にプランジャ8がカム16によって押さ
れても、油圧室内のエアが圧縮されるのみで、吸排気弁
2は正しくリフトしない。そこで、この装置では機関の
始動時にも開閉弁36を開弁させて、油圧室10内のエ
ア抜きを行うようにしている。このようにすると、バル
ブリフトが早急に回復し、機関の始動が速やかに行われ
る。尚、エア抜きを効果的に行うためには、開閉弁36
は系内最上部に設置するとよい。
【0034】このように、上記実施例によれば、カム1
6のリフト立ち上がり時から作動油を外部へ解放させ
て、サージ圧の低下を早めているので、バルブジャンプ
量が低減する。従って、吸排気弁2を最大リフトにでき
る回転領域が拡がり、その分だけ機関の軸出力を向上さ
せることができる。さらに、作動油の入れ換えが促進さ
れ、高速回転時のエネルギロス増大による作動油の温度
上昇を抑え、作動油の劣化も防止することができる。
【0035】また、油圧室10とアキュムレータ室24
との間で作動油が往復移動するに際して、エネルギロス
を非常に小さくでき、それだけ内燃機関の燃料消費率を
向上させることができる。また、パイロット弁21はア
キュムレータ20とは別個に構成されており、比較的通
路面積の小さなパイロット圧通路35を開閉するに過ぎ
ないので、応答性が悪化するようなことはない。
【0036】図3と図4は、油圧解放通路40を複数気
筒の油圧室10と共有させた第2実施例を示している。
尚、その他の点については、第1実施例と基本的に同一
の構成を有している。
【0037】この実施例では、複数気筒の油圧室10を
それぞれ逆止弁41を介して油圧解放通路40に合流
し、その下流に開閉弁42を1個設けてある。図4にお
いて、43は機関出力にて駆動されるオイルポンプで、
オイルパン31から作動油を汲み上げ、フィルタ44、
油圧供給通路19、逆止弁18を通して油圧室10に供
給している。この場合、開閉弁42の開弁時に油圧室1
0内の作動油が油圧解放通路40へ流入し、開閉弁42
を通して外部へ放出されるが、他の気筒の油圧室10へ
の流入は逆止弁41によって阻止される。このようにす
ると、開閉弁42が一個で済み、コスト的に有利にな
る。
【0038】図5は、始動時のみ作動する電動型の補助
オイルポンプ45を別に設けた第3実施例を示してい
る。この実施例では、補助オイルポンプ45を逆止弁4
6,47を介してオイルポンプ43と並列接続するとと
もに、このオイルポンプ45をモータ46で駆動させて
いる。すなわち、クランキング時はオイルポンプ43の
回転数が低く、このオイルポンプ43単独では各気筒の
油圧室10に作動油を送り込むのにかなりの時間を要す
るが、始動時専用の補助オイルポンプ45を設けている
ので、クランキング時で潤滑油圧が低い場合でも、充分
な供給油圧を確保し、各油圧室10へ速やかに作動油を
供給することができる。なお、逆止弁47でオイルポン
プ43側への作動油の抜けを防止している。この場合、
各油圧室10内のエア抜きが迅速に行われ、機関の始動
性がさらに良くなる。また、オイルポンプ45は始動時
のみの運転でよいから、耐久性、容量の面で常時運転のオ
イルポンプ43に比して安価な構成が可能である。
【0039】尚、上記各実施例では、開閉弁36を高速
回転域で常時開弁させているが、カム16のリフト立ち
上がり時のみ開弁させるようにしてもよい。さらに、こ
の開閉弁36は上記各実施例に示したような電磁式の構
成に限定されるものではなく、開放量を可変制御する方
式のものであってもよい。また、パイロット弁21は、
単にアキュムレータ室24へパイロット圧をパルス的に
与えることができれば良く、上記各実施例に示したよう
な電磁式の構成に限定されるものではない。
【0040】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
に係る内燃機関の可変動弁装置においては、バルブジャ
ンプ量が低減し、吸排気弁を最大リフトできる回転領域
が拡がり、その分だけ機関の軸出力を向上させることが
できる。さらに、油圧室への作動油の入れ換えが促進さ
れ、作動油の劣化も防止することができる。
【0041】また、請求項2のように油圧解放通路を配
置すると、開閉弁が一個で済み、コスト的に有利にな
る。
【0042】また、請求項3のように開閉弁を始動時に
も開弁させおくと、油圧室内のエア抜きが行われ、機関
の始動性が向上する。
【0043】また、請求項4のようなオイルポンプを別
に設けると、始動時でも充分な供給油圧が確保でき、エ
ア抜きが迅速に行われ、機関の始動性がさらに向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る可変動弁装置の第1実施例を示
す断面図。
【図2】図1の開閉弁を拡大して示す図。
【図3】第2実施例を示す断面図。
【図4】第2実施例の油圧系統を示す図。
【図5】第3実施例の油圧系統を示す図。
【図6】従来における可変動弁装置の構成を示す構成説
明図。
【符号の説明】
2…吸排気弁 6…弁側プランジャ 8…カム側プランジャ 9…バルブスプリング 10…油圧室 15…カムシャフト 20…アキュムレータ 21…パイロット弁 28…油圧解放通路 34…パイロット圧通路 35…油圧解放通路 36…開閉弁

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バルブスプリングにより閉方向へ常時付
    勢された吸気弁または排気弁と、 カムシャフトにより駆動され、かつ油圧室内の作動油を
    加圧するカム側プランジャと、 この加圧された油圧室内の油圧によって一方へ動作し、
    上記吸気弁または排気弁をリフトさせる弁側プランジャ
    と、 摺動可能なプランジャによってシリンダ内にアキュムレ
    ータ室を画成し、かつこのアキュムレータ室の底部に段
    部を形成してなるアキュムレータと、 上記プランジャの底部に設けられ、かつこのプランジャ
    が無変位の状態で上記段部に当接してアキュムレータ室
    を2つに画成するシール部と、 上記画成したアキュムレータ室のうちの一方と上記油圧
    室とを接続したパイロット圧通路と、 上記画成したアキュムレータ室のうちの他方と上記油圧
    室とを接続した油圧解放通路と、 上記アキュムレータとは別個に構成され、かつ上記パイ
    ロット圧通路を開閉するパイロット弁と、 上記アキュムレータのプランジャをアキュムレータ室の
    縮小方向へ付勢し、かつ上記パイロット弁を介して油圧
    室からアキュムレータ室に導入される油圧によって上記
    プランジャが変位するように、その付勢力が設定されて
    なるアキュムレータスプリングと、 上記油圧室内の油圧がシステム保障圧を越えた際、上記
    アキュムレータスプリングの付勢力に打ち勝って上記プ
    ランジャの変位を開始させるように、このプランジャの
    周面で上記画成したアキュムレータ室のうちの他方を臨
    む箇所に形成した受圧面と、 を備えてなる内燃機関の可変動弁装置。
  2. 【請求項2】 上記シール部を、上記プランジャの底部
    周面に形成したテーパー部と、このテーパー部と対応さ
    せて上記段部に形成したテーパー部とで構成したことを
    特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 【請求項3】 バルブスプリングにより閉方向へ常時付
    勢された吸気弁または排気弁と、 カムシャフトにより駆動され、かつ油圧室内の作動油を
    加圧するカム側プランジャと、 この加圧された油圧室内の油圧によって一方へ動作し、
    上記吸気弁または排気弁をリフトさせる弁側プランジャ
    と、 上記油圧室と接続したアキュムレータと、 このアキュムレータと上記油圧室との間に介装され、か
    つ上記吸気弁または排気弁のリフトの途中で上記油圧室
    内の油圧をアキュムレータに解放させる油圧解放手段
    と、 上記油圧室内の油圧がシステム保障圧を越えた際に上記
    油圧解放手段を作動させる制御手段と、 を備えてなる内燃機関の可変動弁装置。
  4. 【請求項4】 上記制御手段は、上記油圧室とアキュム
    レータ室とを接続したパイロット圧通路と、この通路の
    油圧室側開口にニードル状の弁体の先端を差し込んでパ
    イロット圧通路を閉塞したパイロット弁とで構成し、上
    記油圧室内の油圧がシステム保障圧を越えた際には、上
    記弁体に作用する流体圧がセット荷重に打ち勝ってこの
    弁体を開弁させるようにしたことを特徴とする請求項3
    に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  5. 【請求項5】 上記制御手段は、上記油圧室とアキュム
    レータ室とを接続したパイロット圧通路と、この通路を
    開閉するパイロット弁と、上記油圧室内の油圧を検出す
    る圧力センサとで構成し、この圧力センサの検出値がシ
    ステム保障圧を越えた際に上記パイロット弁を開弁させ
    るたことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の可変
    動弁装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109024130A (zh) * 2018-08-30 2018-12-18 泰山学院 一种地砖及铺设方法
CN110185513A (zh) * 2019-07-01 2019-08-30 贵州大学 一种电液式可变气门正时调节装置

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