JPH09137240A - 白色系金合金 - Google Patents

白色系金合金

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JPH09137240A
JPH09137240A JP31580295A JP31580295A JPH09137240A JP H09137240 A JPH09137240 A JP H09137240A JP 31580295 A JP31580295 A JP 31580295A JP 31580295 A JP31580295 A JP 31580295A JP H09137240 A JPH09137240 A JP H09137240A
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Shizuo Suzuki
静男 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】工芸品や宝飾品に用いられている白色系金合金
においてニッケルアレルギーを生じないように、又、在
来品よりも硬く良好なバネ性が得られ、塑性加工におい
て良好な加工率であるようにし、取り扱い性が良好であ
るようにする。 【解決手段】重量比で銀が11〜20%、パラジウムが
8〜15%、銅が10〜20%、亜鉛0.1〜2%、残
部が金からなる白色を有する白色系金合金。 【効果】在来態様の白色系金合金に比し硬くバネ性が良
好に得られ、低い加工率であっても焼鈍後の加工で表面
にひび割れがなく取り扱い性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】開示技術は、家具調度品等の工芸
品や指輪,ピアスピンやピアスキャッチやネクタイピ
ン,イヤリング,時計バンド,時計フレームや眼鏡フレ
ーム等のパーツ類等の宝飾の材料として使用する白色を
有する金合金の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】家具調度品等の工芸品やピアスピンやピ
アスキャッチやネクタイピン,イヤリング、又、時計バ
ンドや時計フレーム等の宝飾品は近時高い品質の意匠性
が求められるようになり、従来から材料として重用され
ている金合金にあっても白色を有する所謂白色金合金に
対する需要が増加している。
【0003】而して、該種白色系金合金と称されるもの
は一般的には2種類に大別され、その1つにはニッケル
を含む白色系金合金とその2つにはパラジウムを含む白
色系金合金がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前者の白色系金合金は
材質的に硬く、バネ性に富んでいる物理的メリットを有
してはいるが、反面加工に際し、鋳造性が悪く、又、使
用に際し、近時クローズアップされているニッケルアレ
ルギーを発する欠点を有している。
【0005】又、当該ニッケルを含む白色系金合金は鋳
造材の塑性加工を行う場合、鋳造組織であるデンドライ
ト層を破壊してからの加工が必要であり、したがって、
その加工が極めて難しい材料であるという難点がある。
【0006】又、後者にあっては加工性は良いものの、
反面強加工を施しても硬さが所望に得られないというデ
メリットがあり、ピアスピンやピアスキャッチ等のバネ
性が必要なパーツ等には適さないという不都合さがある
材料である。
【0007】そして、今後宝飾業界等では金属アレルギ
ーの原因の1つとされているニッケルを含有する合金は
需要のネックを招来するという点に鑑み、それらの製作
を自重する傾向にあることから、これに代わる材料が必
要とされているにもかかわらず、当該要望に応える白色
系金合金が開発されていないというマイナス点がある。
【0008】
【発明の目的】この発明の目的は上述従来技術に基づく
在来態様の白色系金合金の物理性等による加工や使用に
際してのアレルギーの問題点を解決すべき技術的課題と
し、ニッケルを含有しないようにしながらも、当該ニッ
ケルを含有する白色系金合金と同等以上の強度を有し、
猶且つ白金色に極めて近似した色調を有するようにして
工芸品,宝飾品産業に益する優れた白色系金合金を提供
せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述目的に沿い先述特許
請求の範囲を要旨とするこの出願の発明の構成は、前述
課題を解決するために、重量比で銀が11〜20%、パ
ラジウムが8〜15%、銅が10〜20%、亜鉛0.1
〜2%、残部が金からなる白色を有する白色系金合金と
した技術的手段を講じたものである。
【0010】
【作用】而して、この発明の白色系金合金においては銀
を11〜20%にしたことにより白金色に極めて近似し
た微妙な白色の色調が得られ、又、鋳造時における機械
的強度が充分に得られ、又、パラジウムを8〜15%に
したことにより、得られた工芸品や宝飾品において金色
を脱色することが出来、大気中溶解鋳造時においてピン
ホール等の内部欠陥によるガスの吸収や融点の上昇を生
ぜず、健全で安定した品質を保持することが出来るよう
にし、次に、銅を10〜20%にすることにより、パラ
ジウム−銅,金−銅の2つの規則格子形成による析出硬
化能が薄れることはないようにし、充分な機械的強度が
得られるようにされ、更に、亜鉛を0.1〜2にするこ
とにより溶解鋳造時の酸化,ガスの巻き込みを防止し、
脱酸効果を得ることが出来るようにし、脆化を防止し、
確実に白色の色調が得られるようにしたものであり、
又、ニッケルを含有しないことにより、ニッケルアレル
ギー等の発生が確実に防止されるようにしたものであ
る。
【0011】
【実施例】次に、この発明の実施例と機械的特性を以下
に説明する。
【0012】尚、配合量は2000gとし、溶解鋳造を
経て得られたインゴットから冷間圧延によるロール加工
を行ったt1.0mmの板材を試料として用いたものであ
る。
【0013】この出願の発明の実施例の白色系金合金
〜と公知例の、及び、について機械的特性につい
て対比的に表示すると次の表1の通りである。
【0014】
【表1】 又、それらの諸特性についての実験データは次の表2の
通りである。
【0015】
【表2】 而して、上述の表2の試験データでも分る通りこの発明
の白色系金合金にあってはニッケルを含有する在来公知
例のものに比し充分な硬さと機械的強度を具備し、その
うえ加工性が良好で色調については在来の公知例の白色
系金合金と同等であることが分った。
【0016】そして、上述実施例と公知例の白色系金合
金との各温度ごとと硬さの比較について実験によれば実
施例の重量比で銀が11.0%,パラジウムが11.
0%,銅が19.0%,亜鉛が0.5%で残部が金から
なるものと実施例の重量比で銀が20.0%,パラジ
ウムが11.0%,銅が10.0%,亜鉛が0.5%残
部が金からなる組成のものとをそれぞれt2.0mmから
t1.0mmまで加工を行った試料と、同様に加工を施し
た公知例の金−銅−亜鉛−ニッケル系の材料、及び、
公知例の金−銀−パラジウム系の材料を用いて各試料
を300〜800℃にて60分熱処理を施したものにつ
いて硬さとの比較を行ったところ、添付図面に示す様
に、この発明の白色系金合金はニッケルを含有する公知
材料と比較すると300〜400℃の温度領域において
極めて硬くなる特性を有することが分り当該硬さ特性は
ニッケルを含有した公知材料には見られない特性である
ことが分る。
【0017】
【発明の効果】以上、この発明によれば、基本的に重量
比で銀が11〜20%,パラジウムが8〜15%,銅が
10〜20%,亜鉛が0.1〜2%で残部が金からなる
この発明の白色金合金にあっては従来使用されていたニ
ッケルを含有する白色系金合金に比し充分に硬く有効な
バネ性が得られるために、硬さを高く要求される工芸品
や宝飾品、例えば、ピアスピン,ネクタイピン等の先端
が鋭く尖った部品やバネ性が必要とされるピアスキャッ
チには極めて適した材料であるという優れた効果が奏さ
れる。
【0018】又、塑性加工にあってはニッケルを含有し
ている白色系金合金では加工率が重要とされていたもの
であるが、この発明の白色系金合金の材料は低い加工率
であっても焼鈍後の加工で表面のひび割れがなく、極め
て取り扱い易い材料であり、工芸品は勿論のこと、宝飾
品等にあっても極めて取り扱い性が良い材料である効果
がある。
【0019】又、この発明の白色系金合金にあってはそ
の材料にニッケルが含有されていないために近時クロー
ズアップされているニッケルアレルギーの心配がなくな
るという使用についての配慮が充分であるという優れた
効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例と公知例との温度に対する硬
さ特性のグラフ図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量比で銀が11〜20%、パラジウムが
    8〜15%、銅が10〜20%、亜鉛0.1〜2%、残
    部が金からなる白色を有することを特徴とする白色系金
    合金。
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