JPH09136944A - エポキシ樹脂の硬化促進剤 - Google Patents

エポキシ樹脂の硬化促進剤

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JPH09136944A
JPH09136944A JP29947995A JP29947995A JPH09136944A JP H09136944 A JPH09136944 A JP H09136944A JP 29947995 A JP29947995 A JP 29947995A JP 29947995 A JP29947995 A JP 29947995A JP H09136944 A JPH09136944 A JP H09136944A
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JP
Japan
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epoxy resin
adu
alkyl
dbu
salt
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Pending
Application number
JP29947995A
Other languages
English (en)
Inventor
Masatada Kurosaki
正雅 黒崎
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San Apro KK
Original Assignee
San Apro KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】水分などの影響を受けにくく、半導体封止材の
保存安定性または成形時の流動性に優れ、半導体の電気
特性を損なうことのない、エポキシ樹脂の硬化促進剤を
提供する。 【解決手段】このエポキシ樹脂の硬化促進剤は、6−ア
ルキル−1、8−ジアザビシクロ(5、4、0)ウンデ
セン−7、またはその塩類からなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特には半導体封止
材など電子部品の封止に有用な、多量のフィラーが配合
されたエポキシ樹脂の硬化促進剤に関する。
【0002】
【従来の技術】フェノールノボラック類およびフィラー
などを配合したエポキシ樹脂は、成形性あるいは硬化物
の電気特性などに優れ、例えば半導体封止材など電子部
品の封止に広く使用されている。近年、半導体の薄型化
あるいは実装方式の改良などに伴い、耐リフロークラッ
ク性などを向上させる目的で、特にフィラー含有量の増
加、あるいはエポキシ樹脂などの改善が進められてお
り、半導体封止材の保存安定性あるいは成形時の流動性
などの向上が重要な課題となっている。この課題に対し
て、半導体封止材の重要な一成分となっている硬化促進
剤の役割にも大きいものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】エポキシ樹脂の硬化促
進剤として、1、8−ジアザビシクロ(5、4、0)ウ
ンデセン−7(以下、DBUと略記する)、DBUの二
つの環を構成する炭素原子のいずれかに低級アルキル基
を置換した誘導体およびDBUのフェノールノボラック
塩などが知られており(例えば、特開昭55−5929号公報
および特公平6-57745号公報など)、電気特性に優れて
いることから半導体封止材向けに広く使用されている。
しかし、DBUおよびその塩類を用いた封止材は配合系
の水分などの影響を受けやすいため、使用にあたっては
厳密な工程管理が要求され、更に半導体封止材の保存安
定性あるいは成形時の流動性が不充分であり、これらの
性能に優れた硬化促進剤の開発が課題となっている。ま
た、6−ジブチルアミノ−DBUも上記のDBUの欠点
を改良する硬化促進剤としてよく知られているが、基本
となる半導体の電気特性を低下させる欠点があった。し
たがって、本発明の目的は水分などの影響を受けにく
く、半導体封止材の保存安定性または成形時の流動性に
優れ、半導体の電気特性を損なうことのない、エポキシ
樹脂の硬化促進剤を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意検討した結果、下記一般式(1)で示
される6−アルキル−DBU、またはその塩類が、エポ
キシ樹脂の硬化促進剤として優れた効果を有しているこ
とを見出した。
【化2】 (但し、式中のRは炭素原子数4〜14のアルキル基であ
る。)
【0005】
【発明の実施の形態】上記6−アルキル−DBUは、例
えば、J.Heterocycl. Chem. (1986)、23(3)、885-7
に示されている方法などにより製造できる。置換基であ
るアルキル基の炭素原子数は4〜14、好ましくは6〜10
である。炭素原子数が1〜3のものでは半導体封止材の
成形時の流動性向上の効果が認められず、一方炭素原子
数が15以上では触媒活性が小さく、硬化性を保持するの
に多大の添加量が必要となり、硬化樹脂の物性への悪影
響が懸念されるため好ましくない。DBUにおけるアル
キル基の位置は、6位の位置であることが重要で、他の
位置では期待の効果が得られない。このアルキル基の具
体例としては、n−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシ
ル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ラウリル
あるいはn−ミリスチル基などが挙げられる。6−アル
キル−DBUは強塩基性の液状化合物であり、通常封止
材への配合にあたっては、あらかじめ硬化剤であるフェ
ノールノボラック類とのマスターバッチとして使用され
るが、封止材の製造の工程管理の点から、6−アルキル
−DBUと有機酸類の塩からなる硬化促進剤がより好ま
しい。
【0006】6−アルキル−DBUの塩の製造に用いら
れる有機酸としては、例えばオクチル酸、トリメリット
酸あるいはベンゾトリアゾールなどが挙げられるが、エ
ポキシ樹脂の硬化剤であるフェノールノボラック類を用
いるのが最も好ましい。塩の製造方法についても、例え
ば、特公平6-57745号公報に記載されている方法に準じ
て実施することができ、必要により粉砕して粉末状の硬
化促進剤とすることができる。6−アルキル−DBUと
フェノールノボラック類とのモル比は通常1/1 である
が、フェノールノボラック類は分子量が不明確であるほ
か、多価の有機酸であることから、このモル比は厳密に
管理される必要はない。フェノールノボラック類として
は、封止材の硬化剤であるフェノールノボラック類と同
じものが使用でき、例えば、軟化点50〜 120℃のフェノ
ールノボラック、クレゾールノボラック、キシリレンフ
ェノール樹脂あるいはジシクロペンタジエンフェノール
樹脂などが挙げられる。
【0007】本発明の硬化促進剤は上記フェノールノボ
ラック類およびフィラーを配合したエポキシ樹脂の硬化
促進剤として使用される。エポキシ化合物としては通常
固状のものが使用され、例えば、よく知られている、ビ
スフェノールA型エポキシ、前記のフェノールノボラッ
ク類のグリシジル化により得られるエポキシ化合物、ビ
フェニルエポキシ、臭素化フェノールノボラックエポキ
シ、あるいはトリグリシジルイソシアヌレートなどが挙
げられる。上記エポキシ樹脂には、必要に応じて、離型
剤、着色剤、難燃剤、低応力化剤、フィラーのカップリ
ング処理剤、あるいはイオン補足剤などのその他の添加
剤を添加してもよい。本発明の6−アルキル−DBUお
よびその塩類の添加量は、通常エポキシ化合物 100重量
部に対して、6−アルキル−DBUとして 0.5〜6重量
部であり、最適な添加量は要求される硬化性に合わせて
設定される。また通常単独で硬化促進剤として用いられ
るが、必要に応じ、他の公知の促進剤、例えば、DB
U、イミダゾール類、TPPあるいはTPP−Kを併用
してよい。
【0008】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を説
明するが、本発明はこの実施例の記載に限定されるもの
ではない。 実施例および比較例1〜4 J.Heterocycl.Chem.(1986)、23(3)、885-7 に記載
されている合成方法に準じて、約75%の収率で下記の性
状の6−(n−オクチル)−DBUを合成し、原料に用
いたDBUと比較し、IRスペクトルおよびNMR スペクト
ルにより化合物の同定をした。 6−(n−オクチル)−DBUの性状: ・外観 淡黄色液状 ・全アミン価 214(理論値212.5) ・沸点 約 122℃/0.5mmHg ・純度(GC法) 99.3% 窒素気流中、約 140℃で溶融したフェノールノボラック
(軟化点80℃)70重量部に、撹拌下徐々に6−(n−オ
クチル)−DBU30重量部を加え、約 180℃で均一に混
合後取り出し、冷却後粉砕して6−(n−オクチル)−
DBU含量30重量%の実施例の硬化促進剤(フェノール
ノボラックの塩)を得た。6−(n−オクチル)−DB
Uの代わりに表1に示す6−アルキル−DBUを用いた
ほかは同様にして、比較例1〜4の硬化促進剤(フェノ
ールノボラックの塩)を得た。これらの硬化促進剤を表
1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】次に、軟化点72℃、エポキシ当量 195のo
−クレゾールノボラックエポキシ樹脂:90重量部、軟化
点85℃、エポキシ当量 275の臭素化フェノールノボラッ
クエポキシ樹脂:10重量部、軟化点80℃のフェノールノ
ボラック樹脂(硬化促進剤のフェノールノボラックの量
を含めた値を示す)50重量部、1重量%のシランカップ
リング剤で処理した溶融シリカ粉末: 400重量部、カル
ナバワックス: 1.5重量部、三酸化アンチモン:4重量
部およびカーボンブラック:1重量部に、各例で得られ
た硬化促進剤を表2に示す配合割合(6−アルキル−D
BUの量に換算した値で示す)で均一に粉砕混合後、 1
00℃の熱ロールを用いて5分間溶融混練し、冷却後粉砕
して封止材を得た。この封止材について、下記の方法
で、ゲルタイムおよびフロー値(流動性)を測定し、封
止材を 175℃×5分(プレス圧70kg/cm2)の条件でトラ
ンスファー成形後、 175℃×6時間の条件で後硬化した
試料のガラス転移温度(Tg)を測定した。一方、封止材
を一定の条件で保存し、フロー値および保存安定性を測
定した。これらの結果を表2に併記した。表2より、本
発明の硬化促進剤はDBUに比べ、若干多量の配合量を
必要とするものの、流動性、Tgおよび保存安定性に優
れ、一方電気特性はDBUと同等の優れたものであるこ
とから、半導体封止材の硬化促進剤として極めて有用な
ことがわかった。
【0011】(試験方法) ・ゲルタイム:熱板法/175℃ ・フロー値:EMMI 1-66 の方法に準じて 175℃(70kg/c
m2)でのスパイラルフローを測定 ・ガラス転移温度(Tg):TMA 法 ・PCBT:それぞれ10ヶの封止した半導体素子を使用した
通電PCT 試験で、約半数に不良の発生する時間を測定
( 125℃、 100%RH、15Volt) ・保存安定性(フロー値):封止材を密閉した容器に入
れ、30℃で7日間保存した後にフロー値を測定 ・保存安定性(ガラス転移温度[Tg]):封止材を開放
容器に入れて75%RH/30℃の雰囲気に放置し、1時間置
きに混合しながら合計8時間吸湿させた後、同様にして
成形し、後硬化した試料でガラス転移温度(Tg)を測定
【0012】
【表2】
【0013】
【発明の効果】本発明の硬化促進剤は、流動性、保存安
定性および電気特性などに優れたエポキシ樹脂を提供す
ることから、半導体封止材など、各種電子部品の封止の
用途に使用されるエポキシ樹脂の硬化促進剤として極め
て有用なものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で示される6−アルキル
    −1、8−ジアザビシクロ(5、4、0)ウンデセン−
    7、またはその塩類からなるエポキシ樹脂の硬化促進
    剤。 【化1】 (但し、式中のRは炭素原子数4〜14のアルキル基であ
    る。)
JP29947995A 1995-11-17 1995-11-17 エポキシ樹脂の硬化促進剤 Pending JPH09136944A (ja)

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JPH09136944A true JPH09136944A (ja) 1997-05-27

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011013318A1 (ja) * 2009-07-29 2011-02-03 Jsr株式会社 着色組成物、カラーフィルタ及びカラー液晶表示素子

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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