JPH091356A - アルミニウム材の抵抗溶接方法 - Google Patents

アルミニウム材の抵抗溶接方法

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JPH091356A
JPH091356A JP7150652A JP15065295A JPH091356A JP H091356 A JPH091356 A JP H091356A JP 7150652 A JP7150652 A JP 7150652A JP 15065295 A JP15065295 A JP 15065295A JP H091356 A JPH091356 A JP H091356A
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伸治 岡部
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孝 岩佐
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隆憲 矢羽々
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 中空断面フレームとアルミニウム板との接合
において、継手やフランジが無くても行え、低電流でも
所望の溶接強度が得られるに抵抗溶接方法を提供する。 【構成】 中空断面構造のアルミニウムフレーム1に、
電流集中部材2を載せ、この電流集中部材2の上にアル
ミニウム板3を載せ、これらアルミニウムフレーム1と
アルミニウム板3とを電極4,5で押圧維持しつつ、通
電する。 【効果】 電流集中部材とアルミニウムフレームとの間
並びに電流集中部材とアルミニウム板との間に電流が集
中し、溶接部強度を増すことが可能となる。即ち、必要
溶接強度を得るのに低電流で済む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミニウム材の抵抗溶
接技術に関する。
【0002】
【従来の技術】構造体の軽量化を図るためにアルミニウ
ム材が使用され、車体の縦桁と支柱とを結節部材を介し
て接合する技術が特開昭60−135375号公報にて
公開されている。同技術に類似する工法を次図で詳しく
説明する。
【0003】図14(a),(b)はアルミニウム構造
体の接合施工図であり、角パイプ101,102,10
3を接合する場合に、例えばT字状の継手104を準備
し、この継手104に角パイプ101〜103の端部を
差込み、TIG、MIG又はレーザ溶接法により接合し
て、(b)に示す構造体を製造するというものである。
上記角パイプ101〜103は中空閉断面構造のアルミ
ニウムフレームであり、押出法によって製造され、また
上記継手104は形状が複雑であるためアルミニウム鋳
物である。
【0004】図15(a),(b)はアルミニウムフレ
ームにアルミニウム板を抵抗溶接する改良された従来例
図であり、(a)に示す通り、アルミニウムフレーム1
20に予めフランジ121を一体形成しておき、このフ
ランジ121にアルミニウム板122を載せて、電極1
13,114にて抵抗溶接するというものである。
(b)は溶接後の断面図であり、123はナゲット(溶
着金属)である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記図14に示したア
ルミニウム構造体の接合法において、溶接法をTIGや
MIGにすれば熱歪が大きくなり、歪み取り熱処理が不
可欠となり、工費が高騰し且つ工期が長くなるという不
都合がある。レーザ溶接法では熱歪は問題ないが高い加
工精度が要求されるために作業効率が悪く工費の低減は
難しい。また、結節部材を用いるため、部品点数が増し
コストが増加する。
【0006】図15のアルミニウムフレームにアルミニ
ウム板を抵抗溶接する技術では、溶接に係る費用は低く
抑えることが可能であるが、フランジを予め形成しなけ
ればならず、アルミニウムフレームの材料費、製造費は
割高となり、しかもフランジが強度メンバとなるために
アルミニウムフレームをフランジ方向へ曲げることは困
難となり、アルミニウムフレームの2次加工が難しくな
るなどの問題がある。
【0007】又、(b)において、フランジ121とア
ルミニウム板122の接合面は電極による押圧部分の他
の部分も接触しているため、溶接電流が溶接しない部分
にまで流れてしまい、溶接すべき部分の電流が低下して
しまう問題があった。ここで、所望の溶接強度を得るた
め、電極間の電流値を上げる方法があるが、コストが問
題となる。そこで、本発明の目的は中空断面フレームと
アルミニウム板との接合において、継手やフランジが無
くても行え、低電流でも所望の溶接強度が得られる抵抗
溶接方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の請求項1は、中空断面構造のアルミニウムフ
レームに、電流集中部材を載せ、この電流集中部材の上
にアルミニウム板を載せ、これらアルミニウムフレーム
とアルミニウム板とを電極で押圧維持しつつ、通電する
ことを特徴とした。
【0009】請求項2は、中空断面構造のアルミニウム
フレームに、電流集中部材を載せ、この電流集中部材を
囲うように難導電材をアルミニウムフレームに載せ、こ
れら電流集中部材並びに難導電材の上にアルミニウム板
を載せ、これらアルミニウムフレームとアルミニウム板
とを電極で押圧維持しつつ、通電する。
【0010】請求項3は、電流集中部材を、アルミニウ
ムの小片としたことを特徴とする。
【0011】請求項4は、電流集中部材を、アルミニウ
ム板又はアルミニウムフレームに形成した突起としたこ
とを特徴とする。
【0012】請求項5は、難導電材を、樹脂としたこと
を特徴とする。
【0013】請求項6は、難導電材を、液状樹脂に金属
の粉末又はセラミックスの粉末を混練したものとしたこ
とを特徴とする。
【0014】
【作用】請求項1では、電流集中部材とアルミニウムフ
レームとの間並びに電流集中部材とアルミニウム板との
間に電流が集中するので、溶接部の強度が高くなる。
【0015】請求項2では、難導電材を介在したので、
アルミニウムフレームとアルミニウム板との間に電流が
流れにくくなり、電流のロスを少なくすることができ
る。
【0016】請求項3では、電流集中部材をアルミニウ
ム小片とし、このアルミニウム小片に電流を集中させ
る。
【0017】請求項4では、電流集中部材を、アルミニ
ウム板又はアルミニウムフレームに形成した突起とし、
この突起に電流を集中させる。
【0018】請求項5では、難導電材を樹脂とし、この
樹脂を板状又はフィルム状にしてアルミニウム板とアル
ミニウムフレームとの間に挿入する。
【0019】請求項6では、難導電材を液状樹脂に金属
の粉末又はセラミックスの粉末を混練したものとし、こ
れをアルミニウム板とアルミニウムフレームとの間に挟
んで、クリアランスを保つ。
【0020】
【実施例】本発明の実施例を添付図に基づいて以下に説
明する。図1(a),(b)は本発明に係る抵抗溶接方
法の第1実施例を示す斜視図であり、(a)において、
中空断面構造のアルミニウムフレーム1の接合面にアル
ミニウム少片2を載せ、このアルミニウム少片2にアル
ミニウム板3を載せる。次に、(b)において、アルミ
ニウム少片2を通る直線上に電極4,5が来るようにし
てアルミニウム板3とアルミニウムフレーム1とを電極
4,5で挟む。
【0021】図2(a),(b)は図1(b)の2−2
線断面図であり、(a)において、電極4,5で押圧し
つつ、通電して抵抗溶接を行う。電流は図の矢印のよう
に電極4からアルミニウム板3、アルミニウム少片2、
アルミニウムフレーム1を通って電極5に流れる。アル
ミニウム少片2の断面積は小さいので、この部分に電流
は集中する。
【0022】(b)において、規定の通電時間を経て、
アルミニウム少片2はジュール熱により溶融し、アルミ
ニウムフレーム1とアルミニウム板2の接合面にナゲッ
ト6が形成される。
【0023】図3は本発明に係る抵抗溶接方法の第2実
施例を示す斜視図(要部)であり、アルミニウム板13
に、アルミニウムフレーム1に接合する面に突起13a
(図4参照)を設けて抵抗溶接を行う。
【0024】図4は図3の4−4線断面図であり、アル
ミニウムフレーム1とアルミニウム板13とは、アルミ
ニウム板13の突起部13aの小面積で接触するため、
溶接電流はこの部分に集中し、良好な抵抗溶接が行え
る。尚、dは突起径、hは突起高さである。この突起の
形成は、プレスで複数箇所を同時に行えるので、容易に
形成できる。
【0025】尚、電極4は突起径に対し充分に大きい外
径となっているので、突起溶融後もアルミニウム板13
を加圧し続け、良好な溶接を行なえる。図5は本発明に
係る抵抗溶接後の溶着部の断面図であり、アルミニウム
板13の突起13aは規定の通電時間を経て溶融し、そ
の結果、ナゲット6が形成される。
【0026】本発明法の突起径による溶接強度の評価結
果を表1に基づいて説明する。尚、この評価に使用した
アルミニウムフレーム1は肉厚3mm、40mm角のJ
IS−6063−T5(Al−Mg−Si系アルミニウ
ム合金)押出材、アルミニウム板3は板厚1.2mmの
JIS−5182(Al−Mg系アルミニウム合金)圧
延材、電極4,5は直径が6mmで、先端の曲率半径が
R80mmの無酸素銅電極である。
【0027】この試験方法は、図5に示すように、溶接
後のアルミニウムフレーム1とアルミニウム板13とを
それぞれ矢印のように引張り、溶着部が剪断で破断する
時の荷重を測定するやり方である。尚、アルミニウム板
13の突起高さhはどの実施例でも1mmとした。
【0028】
【表1】
【0029】実施例1〜4及び比較例1:実施例1〜
4、比較例1において、溶接電流は24kA、溶接時間
は8サイクル、加圧力は300kgfである。 実施例1:図4に示す突起部13aの径dを5mmとし
たところ、溶接部の引張剪断強度は130kgfとな
り、後に述べる比較例1に対し強度倍率は6.5倍(1
30kgf/20kgf)と大幅に改善された。
【0030】実施例2:突起部13aの径dを7mmと
したところ、溶接部の引張剪断強度は220kgfとな
り、比較例1に対し11倍と大幅に改善された。
【0031】実施例3:突起部13aの径dを10mm
としたところ、溶接部の引張剪断強度は250kgfと
なり、比較例1に対し12.5倍と大幅に改善された。
【0032】実施例4:突起部13aの径dを15mm
としたところ、溶接部の引張剪断強度は220kgfと
なり、比較例1に対し11倍と大幅に改善された。
【0033】比較例1:突起無しの条件で抵抗溶接した
ところ、溶接後の引張剪断試験において、溶接部の引張
剪断強度は20kgfと非常に小さい。
【0034】図6は表1の結果を示すグラフであり、横
軸は突起径、縦軸は引張剪断強度を表す。突起径無しの
条件である比較例1に対し、突起のある実施例1〜4は
引張剪断強度が大幅に向上し、突起径10mmまでは突
起径とともに増加している。実施例3は実施例4に対し
ても引張剪断強度が大きく、溶接電流の集中度合い及び
形成されるナゲットの大きさの点から最適条件であるこ
とが分かった。
【0035】図7は(a),(b)は本発明に係る突起
形成の別実施例の説明図であり、溶射による突起形成方
法を示す。(a)において、アルミニウム板3の表面の
溶接すべき部分を除いてマスキング材7を貼付ける。こ
の状態で溶接部分に溶融したアルミニウムをノズルより
噴射し塗布する。表面にアルミニウム被膜8が形成され
る。(b)において、アルミニウム板3よりマスキング
材7を取除くと、アルミニウム板3の表面にアルミニウ
ム被膜8による突起が形成される。
【0036】この他に突起を形成する方法として、高真
空中で金属材料を加熱し蒸発させて、溶接材表面に付着
・推積させる物理蒸着(PVD)や、金属材料をガス化
し、このガスを熱、プラズマ、光等を用いて活性化して
溶接材の表面上で化学反応を起こさせ、膜を形成する化
学蒸着(CVD)を用いてもよい。
【0037】図8(a),(b)は本発明に係る抵抗溶
接方法の第2実施例を示す斜視図であり、溶接位置のア
ルミニウム小片の周囲に難導電材を配置した例である。
(a)において、中空断面構造のアルミニウムフレーム
1の接合面にアルミニウム少片2,2Aを載せ、このア
ルミニウム少片2,2Aの周囲に難導電材9を載せる。
この後、これらの上にアルミニウム板3を載せる。
【0038】その後に、(b)において、一方のアルミ
ニウム少片2を通る直線上に電極4,5が来るようにし
てアルミニウム板3とアルミニウムフレーム1とを電極
4,5で挟む。
【0039】難導電材9は、溶接中にずれないようにア
ルミニウムフレーム1表面上に粘着剤等を用いて貼付け
てもよい。この難導電材としては、樹脂、金属製の板・
シート・テープ材が適当である。
【0040】図9(a),(b)は図8(b)の9−9
線断面図であり、(a)において、難導電材9の厚さ
は、溶接後のアルミニウムフレーム1とアルミニウム板
3との間隔を、溶接強度の関係からできるだけ小さくす
るため、0.1mm程度とする。アルミニウム小片2の
厚さは1mm程度であり、溶接前は、難導電材9とアル
ミニウム板3との間に隙間を生じる。
【0041】電極4,5で押圧しつつ、通電して1打点
目の抵抗溶接を行う。電流は図の矢印のように電極4か
らアルミニウム板3、アルミニウム少片2、アルミニウ
ムフレーム1を通って電極5に流れる。アルミニウム少
片2の断面積は小さいので、この部分に電流は集中す
る。
【0042】(b)において、規定の通電時間を経て、
アルミニウム少片2は溶接電流により溶融し、アルミニ
ウムフレーム1とアルミニウム板3の接合面にナゲット
6が形成される。溶接後のアルミニウムフレーム1とア
ルミニウム板3との間隔は、難導電材9の厚さに保たれ
る。次に、他方のアルミニウム少片2Aを通る直線上に
電極4,5が来るように移動させ、アルミニウム板3と
アルミニウムフレーム1とを電極4,5で挟み、加圧通
電して2打点目の溶接を行う。
【0043】電流は矢印のように、一つには電極4から
アルミニウム板3、アルミニウム小片2A、アルミニウ
ムフレーム1を経て、電極5に流れる。もう一つは、電
極4からアルミニウム板3、1打点目のナゲット、アル
ミニウムフレーム1を経て、電極5に流れる。1打点目
の溶接を行ってもアルミニウムフレーム1とアルミニウ
ム板3との間には難導電材9が介在しているので、ナゲ
ットの周囲からは電流は流れず、2打点目の溶接への影
響は少なくなる。この後、2打点目にもナゲット(不図
示)が形成される。
【0044】図10(a)〜(d)は本発明に係る抵抗
溶接方法の第2実施例の変形例を示す断面図であり、難
導電材として粘性液状樹脂又は粘性液状樹脂に金属粉末
を混練したものを使用した例を示す。尚、この金属自体
も難導電材料である。(a)において、アルミニウムフ
レーム1にアルミニウム小片2を載せ、このアルミニウ
ム小片2の周囲に粘性液状樹脂である難導電材9Aを盛
り、これらの上にアルミニウム板3を載せ、アルミニウ
ム少片2を通る直線上に電極4,5が来るように挟んで
加圧通電する。電流は矢印のように流れる。
【0045】(b)において、所定の通電時間を経てア
ルミニウム小片2は溶融し、アルミニウムフレーム1と
アルミニウム板3の間にナゲット6が形成される。ナゲ
ット6の周囲には難導電材9Aの薄膜ができ、溶接に無
効な電流が流れるのを防止しる。この難導電材9Aとし
ては、エポキシ樹脂が適当である。他に接着剤やシーリ
ング材で、要は電気抵抗の高い材料であり、溶接時の温
度に耐えるものであれば良い。
【0046】(c)において、難導電材9Bは、粘性液
状樹脂に金属粉末を混練したものであり、溶接後のナゲ
ット6の周囲には難導電材9Bの膜ができる。この膜は
金属粉末の粒径(平均200μm程度)によりアルミニ
ウムフレーム1とアルミニウム板3とのクリアランスを
一定に保ち絶縁性を高める。この難導電材9Bの金属粉
末としては、酸化アルミニウム、チタンが適当である。
又、金属に限らず、セラミックスの粉末でも差し支えな
い。
【0047】(d)では、粘性液状樹脂である難導電材
9Aを使用した場合の2打点目の電流の流れを示したも
のであり、電流は矢印のように、一つには電極4からア
ルミニウム板3、アルミニウム小片2A、アルミニウム
フレーム1を経て、電極5に流れる。もう一つは、電極
4からアルミニウム板3、1打点目のナゲット、アルミ
ニウムフレーム1を経て、電極5に流れる。
【0048】1打点目の溶接を行ってもアルミニウムフ
レーム1とアルミニウム板3との間には難導電材9Aが
介在しているので、ナゲットの周囲からは電流は流れ
ず、2打点目の溶接への影響は少なくなる。この後、2
打点目にもナゲット(不図示)が形成される。
【0049】本発明法の突起と難導電材との組合せによ
る2点打点時の溶接強度の評価結果を表2に基づいて説
明する。尚、この評価に使用したアルミニウムフレーム
1は肉厚3mm、40mm角のJIS−6063−T5
(Al−Mg−Si系アルミニウム合金)押出材、アル
ミニウム板3は板厚1.2mmのJIS−5182(A
l−Mg系アルミニウム合金)圧延材、電極4,5は直
径が16mmで、先端の曲率半径がR80mmの無酸素
銅電極である。この試験方法は、表1の試験方法と同一
であり、説明を省略する。尚、どの比較例、実施例とも
アルミニウム板13の突起径はφ10mm、突起高さは
1mmとした。
【0050】
【表2】
【0051】実施例5〜8及び比較例2,3:実施例5
〜8、比較例2,3において、溶接電流は24kA、溶
接時間は8サイクル、加圧力は300kgfである。 実施例5:難導電材として0.1mm厚の塩化ビニール
シートを粘着材を使用して貼付け、この状態で抵抗溶接
したところ、溶接後の引張剪断試験において、溶接部の
引張剪断強度は370kgfとなった。後で述べる比較
例3に対して強度倍率は1.4倍であり、充分な強度を
有する。
【0052】実施例6:難導電材として粘度10000
0cpのエポキシ樹脂を使用した条件で抵抗溶接したと
ころ、溶接後の引張剪断試験において、溶接部の引張剪
断強度は360kgfとなった。比較例3に対して強度
倍率は1.3倍であり、充分な強度を有する。
【0053】実施例7:難導電材として粘度50000
cpのエポキシ樹脂に平均粒径200μm、Vf10%
の酸化アルミニウムを混練して使用した条件で抵抗溶接
したところ、溶接後の引張剪断試験において、溶接部の
引張剪断強度は400kgfとなった。比較例3に対し
て強度倍率は1.5倍であり、充分な強度を有する。
【0054】実施例8:難導電材として粘度50000
cpのエポキシ樹脂に平均粒径200μm、Vf10%
のチタンを混練して使用した条件で抵抗溶接したとこ
ろ、溶接後の引張剪断試験において、溶接部の引張剪断
強度は350kgfとなった。比較例3に対して強度倍
率は1.3倍であり、充分な強度を有する。
【0055】比較例2:突起無し、難導電材無しの条件
で抵抗溶接したところ、溶接後の引張剪断試験におい
て、溶接部の引張剪断強度は30kgfと非常に小さ
い。
【0056】比較例3:突起有り、難導電材無しの条件
で抵抗溶接したところ、溶接後の引張剪断試験におい
て、溶接部の引張剪断強度は270kgfとなった。
【0057】図11は表2の結果を示すグラフであり、
横軸は評価方法(比較例1,2、実施例5〜8)、縦軸
は引張剪断強度を表す。難導電材無しの条件である比較
例3に対し、難導電材有りの条件である実施例5〜8は
どれも引張剪断強度が大幅に向上している。
【0058】次に、本発明法の突起有りについて、粘性
液状樹脂の粘度による2点打点時の溶接強度の評価結果
を表3に基づいて説明する。尚、この評価に使用したア
ルミニウムフレーム1は肉厚3mm、40mm角のJI
S−6063−T5(Al−Mg−Si系アルミニウム
合金)押出材、アルミニウム板3は板厚1.2mmのJ
IS−5182(Al−Mg系アルミニウム合金)圧延
材、電極4,5は直径が16mmで、先端の曲率半径が
R80mmの無酸素銅電極である。
【0059】この試験方法は、表1の試験方法と同一で
あり、説明を省略する。尚、どの実施例ともアルミニウ
ム板13の突起径はφ10mm、突起高さは1mmと
し、粘性液状樹脂はエポキシ樹脂とした。
【0060】
【表3】
【0061】実施例9〜14:実施例9〜14におい
て、溶接電流は24kA、溶接時間は8サイクル、加圧
力は300kgfである。 実施例9:粘性液状樹脂の粘度を100cpとした条件
で抵抗溶接したところ、溶接後の引張剪断試験におい
て、溶接部の引張剪断強度は270kgfとなった。表
2で説明を行った比較例3に対して溶接強度は同一とな
った。
【0062】実施例10:粘性液状樹脂の粘度を500
cpとした条件で抵抗溶接したところ、溶接後の引張剪
断試験において、溶接部の引張剪断強度は280kgf
となった。比較例3に対して溶接強度は同等となった。
【0063】実施例11:粘性液状樹脂の粘度を100
0cpとした条件で抵抗溶接したところ、溶接後の引張
剪断試験において、溶接部の引張剪断強度は280kg
fとなった。比較例3に対して溶接強度は同等となっ
た。
【0064】実施例12:粘性液状樹脂の粘度を500
0cpとした条件で抵抗溶接したところ、溶接後の引張
剪断試験において、溶接部の引張剪断強度は350kg
fとなった。比較例3に対して強度倍率は1.3倍とな
り、充分な強度を有する。
【0065】実施例13:粘性液状樹脂の粘度を100
00cpとした条件で抵抗溶接したところ、溶接後の引
張剪断試験において、溶接部の引張剪断強度は380k
gfとなった。比較例3に対して強度倍率は1.4倍と
なり、充分な強度を有する。
【0066】実施例14:粘性液状樹脂の粘度を100
000cpとした条件で抵抗溶接したところ、溶接後の
引張剪断試験において、溶接部の引張剪断強度は400
kgfとなった。比較例3に対して強度倍率は1.5倍
となり、充分な強度を有する。
【0067】図12は表3の結果を示すグラフであり、
横軸は粘性液状樹脂の樹脂粘度(対数目盛)、縦軸は引
張剪断強度を表す。樹脂粘度が大きくなるにつれて、引
張剪断強度は増加する。引張剪断強度の増加傾向をみる
と、粘度1000cpの実施例11に対し、粘度500
0cpの実施例12の変化が大きく、強度そのものも4
00kgf近くと大きいため、難導電材としての粘性液
状樹脂の粘度は5000cp以上が望ましい。
【0068】図13は本発明に係る抵抗溶接方法の変形
例を示す図であり、中空断面構造押出材のアルミニウム
フレーム同士の接合方法である。この方法は、まず、中
空断面構造の第1のアルミニウムフレーム21の接合部
を、複数の突起を有し、アルミニウムフレーム21の幅
よりも大きな幅を有するアルミニウム板23,23で挟
み込む。この時、アルミニウムフレーム21とアルミニ
ウム板23,23との間には難導電材(不図示)を挿入
しておく。次に、アルミニウム板23,23の溶接部を
2つの電極(不図示)で挟み、複数個所を加圧通電して
溶接する。
【0069】次に2つのアルミニウム板23,23の突
接部23a,23aの間に第2のアルミニウムフレーム
22を挿入し、第1のアルミニウムフレーム21に当接
させる。この時、アルミニウムフレーム22とアルミニ
ウム板23,23との間には難導電材を挿入しておく。
この後、第2のアルミニウムフレーム22、2つのアル
ミニウム板23,23を2つの電極で挟み、複数個所を
加圧通電して溶接する。
【0070】
【発明の効果】請求項1の抵抗溶接方法は、中空断面構
造のアルミニウムフレームに、電流集中部材を載せ、こ
の電流集中部材の上にアルミニウム板を載せ、これらア
ルミニウムフレームとアルミニウム板とを電極で押圧維
持しつつ、通電するので、電流集中部材とアルミニウム
フレームとの間並びに電流集中部材とアルミニウム板と
の間に電流が集中し、溶接部強度を増すことが可能とな
る。即ち、必要溶接強度を得るのに低電流で済む。
【0071】請求項2の抵抗溶接方法は、中空断面構造
のアルミニウムフレームに、電流集中部材を載せ、この
電流集中部材を囲うように難導電材をアルミニウムフレ
ームに載せ、これら電流集中部材並びに難導電材の上に
アルミニウム板を載せ、これらアルミニウムフレームと
アルミニウム板とを電極で押圧維持しつつ、通電するの
で、2打点目以降を溶接する時も難導電材の作用で溶接
に無効な電流が流れず、溶接に寄与する電流が低下しに
くく、溶接部強度を大きくできる。即ち、2打点目以降
の必要溶接強度を得るのに低電流で済む。
【0072】請求項3の抵抗溶接方法は、電流集中部材
は、アルミニウムの小片なので、溶接個所の位置決めが
容易となり、溶接するための準備工数が多くかからな
い。
【0073】請求項4の抵抗溶接方法は、電流集中部材
は、前記アルミニウム板又はアルミニウムフレームに形
成した突起なので、容易に形成でき、溶接するための準
備工数が多くかからない。
【0074】請求項5の抵抗溶接方法は、難導電材は、
樹脂なので、樹脂を板状又はフィルム状としてアルミニ
ウム板とアルミニウムフレームとの間に挿入でき、クリ
アランスを確保して、難導電材の効果を高め、効率の良
い溶接が可能となる。
【0075】請求項6の抵抗溶接方法は、難導電材は、
液状樹脂に金属の粉末又はセラミックスの粉末を混練し
たものなので、金属の粉末又はセラミックスの粉末がア
ルミニウム板とアルミニウムフレームとの間に挟まれ
て,クリアランスを保つことができ、難導電材の効果を
高め、効率の良い溶接が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る抵抗溶接方法の第1実施例を示す
斜視図
【図2】図1(b)の2−2線断面図
【図3】本発明に係る抵抗溶接方法の第2実施例を示す
斜視図(要部)
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】本発明に係る抵抗溶接後の溶着部の断面図
【図6】表1の結果を示すグラフ
【図7】本発明に係る突起形成の別実施例の説明図
【図8】本発明に係る抵抗溶接方法の第2実施例を示す
斜視図
【図9】図8(b)の9−9線断面図
【図10】本発明に係る抵抗溶接方法の第2実施例の変
形例を示す断面図
【図11】表2の結果を示すグラフ
【図12】表3の結果を示すグラフ
【図13】本発明に係る抵抗溶接方法の変形例を示す図
【図14】アルミニウム構造体の接合施工図
【図15】アルミニウムフレームにアルミニウム板を抵
抗溶接する改良された従来例図
【符号の説明】
1…アルミニウムフレーム、2,2A…アルミニウム小
片(電流集中部材)、3,13…アルミニウム板、9,
9A,9B…難導電材、13a…突起(電流集中部
材)。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空断面構造のアルミニウムフレーム
    に、電流集中部材を載せ、この電流集中部材の上にアル
    ミニウム板を載せ、これらアルミニウムフレームとアル
    ミニウム板とを電極で押圧維持しつつ、通電することを
    特徴としたアルミニウム材の抵抗溶接方法。
  2. 【請求項2】 中空断面構造のアルミニウムフレーム
    に、電流集中部材を載せ、この電流集中部材を囲うよう
    に難導電材をアルミニウムフレームに載せ、これら電流
    集中部材並びに難導電材の上にアルミニウム板を載せ、
    これらアルミニウムフレームとアルミニウム板とを電極
    で押圧維持しつつ、通電することを特徴としたアルミニ
    ウム材の抵抗溶接方法。
  3. 【請求項3】 前記電流集中部材は、アルミニウムの小
    片であることを特徴とした請求項1又は請求項2記載の
    アルミニウム材の抵抗溶接方法。
  4. 【請求項4】 前記電流集中部材は、前記アルミニウム
    板又はアルミニウムフレームに形成した突起であること
    を特徴とした請求項1又は請求項2記載のアルミニウム
    材の抵抗溶接方法。
  5. 【請求項5】 前記難導電材は、樹脂であることを特徴
    とした請求項2記載のアルミニウム材の抵抗溶接方法。
  6. 【請求項6】 前記難導電材は、液状樹脂に金属の粉末
    又はセラミックスの粉末を混練したものであることを特
    徴とした請求項2記載のアルミニウム材の抵抗溶接方
    法。
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