JPH09135090A - 電子機器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動による電子回路モジュールの動きを抑制
し、リテーナの圧縮力の低下を防ぎ、電子回路モジュー
ルの脱落を防止できることで、振動に対する高い信頼性
が図られた電子機器を得ることができる。 【解決手段】 リテーナ本体７ａの円錐状の凸部１６
が、ガイドプレート１１ａの円錐状の窪み１８に嵌合す
ることで、リテーナ５ａの圧縮力の低下を防ぎ、電子回
路モジュール１を保持するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、シャーシに収納
される電子回路モジュールのリテーナに係わる耐振性向
上を図った電子機器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図１１は従来の電子機器筐体の外観図を
示し、図１２は図１１におけるガイド溝周辺部分を上方
から見た詳細図、図１３は図１２に示すものを矢印Ａ方
向に見た図であり、ねじ部が締められてリテーナとガイ
ドプレートが密着した状態を示す。図において、１は電
子回路モジュールであり、プリント配線板２と、放熱板
３とを密着させるとともに、放熱板３の一部と接するよ
うに取付けてある電子回路部品４にて構成される電子回
路モジュール１と、シャーシ６に対して保持することを
目的としたリテーナ５とによって構成されている。

【０００３】ここで、放熱板３は熱伝導性の良い金属
（例えば、アルミニユム合金）からなり、複数箇所を矩
形状に打ち抜かれているとともに、一方の面はプリント
配線板２に密着するようになされ、他方の面は電子回路
部品４と接するように配されている。リテーナ５は、両
端を斜面に加工された台形状のリテーナ本体７と、リテ
ーナ本体７の摺動する面がリテーナ本体７の斜面と同じ
勾配を持つ四角柱であり、かつ長手方向に貫通穴を有す
るリテーナ上部８と、リテーナ本体７の斜面と摺動する
面がリテーナ本体７の斜面と同じ勾配を持つ四角柱であ
り、かつ長手方向に貫通ねじを有するリテーナ下部９
と、リテーナ本体７とリテーナ上部８及びリテーナ下部
９を連接し、リテーナ下部９の貫通ねじとかみ合うねじ
を有するねじ部１０とによって構成されている。

【０００４】リテーナ５のねじ部１０を締めることによ
り、リテーナ上部８とリテーナ下部９の最短距離が縮ま
るとともに、リテーナ本体７の斜面に沿ってリテーナ上
部８及びリテーナ下部９が摺動し、リテーナ上部８とリ
テーナ下部９がガイドプレート１１のガイド溝１２に接
触する構造になっている。上記シャーシ６の上面の第１
の面には電子回路モジュール１を挿入、収納または着脱
するための開口部１３が設けられている。カバー１４は
開口部１３を覆うためのもので、シャーシ６に対し、周
辺部でねじにより固定されている。また、第２の面と第
３の面には開口部１３と直角をなすように成形されたガ
イドプレート１１が密着しており、電子回路モジュール
１の端部に取付けられたリテーナ５の上記の機構によ
り、電子回路モジュール１を保持している。なお、シャ
ーシ６は箱形状であり、第１〜第５の面及び第１の面と
相対する第６の面を有する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の電
子機器においては、次の問題点があった。電子回路モジ
ュール１は、平滑な接触面で放熱板３とガイドプレート
１１及びリテーナ５とガイドプレート１１を放熱板３の
両端に設けられたリテーナ５の圧縮力のみで密着させ保
持している。このため、振動（特にＺ軸方向）によりリ
テーナ５の圧縮力が徐々に低下し、電子回路モジュール
１が脱落してしまうという問題があった。

【０００６】この発明は上記問題点を解決するためにな
されたもので、リテーナ５の圧縮力低下による電子回路
モジュール１の脱落を防止する機構を放熱板３、リテー
ナ５、及びガイドプレート１１に付加することにより、
耐振性に優れた電子機器を得ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明の実施の形態１
による電子機器は、上記放熱板、上記リテーナ、及びガ
イドプレートを下記に示す構成、または形状に成形した
ものである。すなわち、上記放熱板は両端部に凸型の溝
を有し、上記リテーナは長手方向に貫通長穴を有し両端
を斜面に加工され、中央部に円錐状の凸部を有するリテ
ーナ本体と、リテーナ本体の斜面と摺動し長手方向に貫
通穴を有するリテーナ上部と、リテーナ本体の斜面と摺
動し長手方向に貫通ねじを有し、上記放熱板に有された
凸型の溝と嵌合し摺動するＴ字形のガイドを有するリテ
ーナ下部と、リテーナ上部とリテーナ本体及びリテーナ
下部を連結し、リテーナ下部の貫通ねじとかみ合うねじ
を有するねじ部により構成される。また、上記ガイドプ
レートは上記放熱板と接触する面を有するＬ字形のガイ
ド溝とガイド溝の相対する片側中央部に円錐状の窪みを
具備している。リテーナのねじ部を締めることによりリ
テーナ上部とリテーナ下部との最短距離が縮まるととも
に、リテーナ上部とリテーナ下部の斜面に沿ってリテー
ナ本体の円錐状の凸部が、ガイドプレートの円錐状の窪
みに嵌合する機構になっている。

【０００８】また、この発明の実施の形態２による電子
機器は、実施の形態１による電子機器のリテーナ、及び
ガイドプレートを下記に示す構成、または形状に成形し
たものである。すなわち、上記リテーナは長手方向に貫
通長穴を有し両端を斜面に加工され、中央部に円柱状の
凸部を有し、さらに凸部にバネを埋設しバネの上下に鋼
球を有するリテーナ本体と、リテーナ本体の斜面と摺動
し長手方向に貫通穴を有するリテーナ上部と、リテーナ
本体の斜面と摺動し長手方向に貫通ねじを有し、放熱板
に有された凸型の溝と嵌合し摺動するＴ字形のガイドを
有するリテーナ下部と、リテーナ上部とリテーナ本体及
びリテーナ下部を連結し、リテーナ下部の貫通ねじとか
み合うねじを有するねじ部により構成されており、上記
ガイドプレートは放熱板と接触する面を有するＬ字形の
ガイド溝とガイド溝の相対する片側中央部に透孔を有
し、かつ透孔内部にも断面が半円状の溝を有する。リテ
ーナのねじ部を締めることによりリテーナ上部とリテー
ナ下部との最短距離が縮まるとともに、リテーナ上部と
リテーナ下部の斜面に沿ってリテーナ本体の円柱状の凸
部が、ガイドプレートの透孔に挿入され、またリテーナ
本体の凸部の鋼球がバネの反力により、ガイドプレート
の半円状の溝と嵌合する機構になっている。

【０００９】また、この発明の実施の形態３による電子
機器は、上記リテーナ、及びガイドプレートを下記に示
す構成、形状に成形したものである。すなわち、上記リ
テーナは長手方向に貫通長穴を有し両端を斜面に加工さ
れた台形柱のリテーナ本体と、リテーナ本体の斜面と摺
動し長手方向に貫通穴を有するリテーナ上部と、リテー
ナ本体の斜面と摺動し長手方向に貫通ねじを有するリテ
ーナ下部と、リテーナ上部とリテーナ本体及びリテーナ
下部を連結し、リテーナ下部の貫通ねじとかみ合うねじ
を有するねじ部により構成されており、上記ガイドプレ
ートは放熱板と接触する面を有するＬ字形のガイド溝と
ガイド溝の相対する面の片側上下に溝を有する。リテー
ナのねじ部を締めることによりリテーナ上部とリテーナ
下部との最短距離が縮まるとともに、リテーナ本体の斜
面に沿ってリテーナ上部及びリテーナ下部が、ガイドプ
レートの上下部の溝に嵌挿する機構になっている。

【００１０】また、この発明の実施の形態４による電子
機器は、実施の形態３による電子機器の上記リテーナ、
上記ガイドプレート、及びフックを下記に示す構成、ま
たは形状に成形したものである。すなわち、上記リテー
ナは長手方向に貫通長穴と凹部状の段差を有し両端を斜
面に加工された台形柱のリテーナ本体と、リテーナ本体
の斜面と摺動し長手方向に貫通穴を有し、かつ半球状の
突起球を具備するリテーナ上部と、リテーナ本体の斜面
と摺動し長手方向に貫通ねじを有し、かつ半球状の突起
を具備するリテーナ下部と、リテーナ上部とリテーナ本
体及びリテーナ下部を連結し、リテーナ下部の貫通ねじ
とかみ合うねじを有するねじ部により構成されており、
上記ガイドプレートは放熱板と接触する面を有するＬ字
形のガイド溝とガイド溝の相対する面の片側上下面に支
持ピンを具備する。また、上記フックはガイドプレート
の支持ピンに蝶着され端部にバネを有しレの字形に成形
されている。リテーナのねじ部を締めることによりリテ
ーナ上部とリテーナ下部との最短距離が縮まるととも
に、リテーナ本体の斜面に沿ってリテーナ上部及びリテ
ーナ下部に具備された半球状の突起球が、ガイドプレー
トの支持ピンに蝶着されたフック端部を押すことによ
り、ガイドプレートの支持ピンを支点にレの字形のフッ
ク端部がリテーナの凹部状の縦長溝に嵌挿する機構にな
っている。

【００１１】また、この発明の実施の形態５による電子
機器は、実施の形態３，４による電子機器の上記リテー
ナ、及びガイドプレートを下記に示す構成、または形状
に成形したものである。すなわち、上記リテーナは長手
方向に貫通穴を有するリテーナ上下部と、リテーナ上下
部の貫通穴に挿通され両端に抜け止めつばを有する軸を
具備し、リテーナ上下部と直角に配される円柱で端部に
バネを埋設しバネの上下に鋼球を有するリテーナ本体
と、リテーナ上下部とリテーナ本体を接合して構成され
ており、上記ガイドプレートは放熱板と接触する面を有
するＬ字形のガイド溝とガイド溝の相対する面の片側中
央部に断面が半円状の溝を有し、また半円状の溝内部上
下に半円状の窪みを有する。リテーナ本体の軸を回転さ
せることにより、リテーナ上部とリテーナ下部の貫通穴
をガイドに円柱形のリテーナ本体が回転することで、ガ
イドプレートの半円状の溝に円柱形のリテーナ本体が挿
入され、またリテーナ本体端部の鋼球がバネの反力によ
り、ガイドプレートの半円状の窪みと嵌合する機構にな
っている。

【００１２】

【発明の実施の形態】

実施の形態１．図１〜図３は、この発明の実施の形態１
を示す図であり、図１は外観図、図２は図１における断
面ＢＢを示す図、図３は図２に示すものを矢印Ｃ方向に
見た図である。１，２，４，６，１０，１２，１３，１
４は従来の電子機器と同一である。

【００１３】両端部に凸型の溝１５を有する放熱板３ａ
と、リテーナ５ａは長手方向に貫通長穴を有し両端を斜
面に加工され、中央部に円錐状の凸部１６を有するリテ
ーナ本体７ａと、リテーナ本体７ａの斜面と摺動し長手
方向に貫通穴を有するリテーナ上部８と、リテーナ本体
７ａの斜面と摺動し長手方向に貫通ねじを有し、上記放
熱板３ａに有された凸型の溝１５と嵌合し摺動するＴ字
形のガイド１７を有するリテーナ下部９ａと、リテーナ
上部８とリテーナ本体７ａ及びリテーナ下部９ａを連結
し、リテーナ下部９ａの貫通ねじとかみ合うねじを有す
るねじ部１０により構成され、リテーナ５ａのねじ部１
０を締めることによりリテーナ上部８とリテーナ下部９
ａとの最短距離が縮まるとともに、リテーナ上部８とリ
テーナ下部９ａの斜面に沿ってリテーナ本体７ａの円錐
状の凸部１６が、ガイドプレート１１ａの円錐状の窪み
１８に嵌合する機構になっており、リテーナ５ａの圧縮
力の低下を防ぎ、電子回路モジュール１の脱落を防止で
きることで、振動に対する信頼性に優れた電子機器を得
ることができる。

【００１４】実施の形態２．図４、図５は、この発明の
実施の形態２を示す図であり、図４は電子回路モジュー
ルの断面を示す図、図５は図４におけるＤから見た図で
ある。１，２，４，６，１０，１２，１３，１４は従来
の電子機器と同一である。

【００１５】両端部に凸型の溝１５を有する放熱板３ａ
と、リテーナ５ｂは長手方向に貫通長穴を有し両端を斜
面に加工され、中央部に円柱状の凸部２０を有し、さら
に凸部２０にバネ２１を埋設しバネ２１の上下に鋼球２
２を有するリテーナ本体７ｂと、リテーナ本体７ｂの斜
面と摺動し長手方向に貫通穴を有するリテーナ上部８
と、リテーナ本体７ｂの斜面と摺動し長手方向に貫通ね
じを有し、上記放熱板３ａに有された凸型の溝２３と嵌
合し摺動するＴ字形のガイド１７を有するリテーナ下部
９ａと、リテーナ上部８とリテーナ本体７ｂ及びリテー
ナ下部９ａを連結し、リテーナ下部９ａの貫通ねじとか
み合うねじを有するねじ部１０により構成され、リテー
ナ上部８とリテーナ下部９ａの斜面に沿ってリテーナ本
体７ｂの円柱状の凸部２０が、ガイドプレート１１ｂの
透孔２３に挿入され、またリテーナ本体７ｂの凸部２０
の鋼球２２がバネ２１の反力により、ガイドプレート１
１ｂの半円状の溝２４と嵌合する機構になっており、リ
テーナ５ｂの圧縮力の低下を防ぎ、電子回路モジュール
１の脱落を防止できることで、振動に対する信頼性に優
れた電子機器を得ることができる。

【００１６】実施の形態３．図６、図７は、この発明の
実施の形態３を示す図であり、図６は電子回路モジュー
ルの断面を示す図、図７は図６に示すものをＥ方向に見
た図である。１〜１０，１２，１３，１４は従来の電子
機器と同一である。

【００１７】リテーナ５のねじ部１０を締めることによ
りリテーナ上部８とリテーナ下部９との最短距離が縮ま
るとともに、リテーナ本体７の斜面に沿ってリテーナ上
部８及びリテーナ下部９の先端が、ガイドプレート１１
ｃの上部の溝２７、及び下部の溝２８に嵌挿する機構に
なっており、リテーナ５の圧縮力の低下を防ぎ、電子回
路モジュール１の脱落を防止できることで、振動に対す
る信頼性に優れた電子機器を得ることができる。

【００１８】実施の形態４．図８は、この発明の実施の
形態４を示す図であり、電子回路モジュールの断面を示
す図である。１，２，３，４，６，１０，１２，１３，
１４は従来の電子機器と同一である。

【００１９】リテーナ５ｄは長手方向に貫通長穴と凹部
状の縦長溝３１を有し両端を斜面に加工された台形柱の
リテーナ本体７ｄと、リテーナ本体７ｄの斜面と摺動し
長手方向に貫通穴を有し、かつ半球状の突起球３２を具
備するリテーナ上部８ｄと、リテーナ本体７ｄの斜面と
摺動し長手方向に貫通ねじを有し、かつ半球状の突起球
３３を具備するリテーナ下部９ｄと、リテーナ上部８ｄ
とリテーナ本体７ｄ及びリテーナ下部９ｄを連結し、リ
テーナ下部９ｄの貫通ねじとかみ合うねじを有するねじ
部１０により構成され、リテーナ５ｄのねじ部１０を締
めることによりリテーナ上部８ｄとリテーナ下部９ｄと
の最短距離が縮まるとともに、リテーナ本体７ｄの斜面
に沿ってリテーナ上部８ｄ及びリテーナ下部９ｄに具備
された半球状の突起球３２、及び３３が、ガイドプレー
ト１１ｄの支持ピン３４に蝶着されたフック３５の端部
を押すことにより、ガイドプレート１１ｄの支持ピン３
４を支点にレの字形のフック３５の端部がリテーナ本体
７ｄの凹部状の縦長溝３１に嵌挿する機構になってい
る。また、電子回路モジュール１をシャーシ６から取り
出す際には、リテーナ５ｄのねじ部１０を緩めることに
よりリテーナ上部８ｄとリテーナ下部９ｄとの最短距離
が伸びるとともに、リテーナ本体７ｄの斜面に沿ってリ
テーナ上部８ｄ及びリテーナ下部９ｄに具備された半球
状の突起球３２、及び３３が、ガイドプレート１１ｄの
支持ピン３４に蝶着されたフック３５の端部に有するバ
ネ３６の反力により逆に押し戻されるように連動するこ
とにより、ガイドプレート１１ｄの支持ピン３４を支点
にレの字形のフック３５の端部がリテーナ本体７ｄの凹
部状の段差３１から抜脱する機構になっており、リテー
ナ５ｄの圧縮力の低下を防ぎ、電子回路モジュール１の
脱落を防止できることで、振動に対する信頼性に優れた
電子機器を得ることができる。

【００２０】実施の形態５．図９、図１０は、この発明
の実施の形態５を示す図であり、図９は電子回路モジュ
ールの断面を示す図、図１０は図９における断面ＦＦを
示す図である。１，２，３，４，６，１０，１２，１
３，１４は従来の電子機器と同一である。

【００２１】リテーナ５ｅは長手方向に貫通穴を有する
リテーナ上部８ｅ、及びリテーナ下部９ｅと、リテーナ
上下部８ｅ、及び９ｅの貫通穴に挿通され両端に抜け止
めつばを有する軸３９を具備し、リテーナ上下部８ｅ、
及び９ｅと直角に配される円柱で端部にバネ４０を埋設
しバネ４０の上下に鋼球４１を有するリテーナ本体７ｅ
と、リテーナ上下部８ｅ、及び９ｅとリテーナ本体７ｅ
を接合して構成され、リテーナ本体７ｅの軸３９を回転
させることにより、リテーナ上部８ｅとリテーナ下部９
ｅの貫通穴をガイドに円柱形のリテーナ本体７ｅが回転
することで、ガイドプレート１１ｅの半円状の溝４２に
円柱形のリテーナ本体７ｅが挿入され、またリテーナ本
体７ｅ端部の鋼球４１がバネ４０の反力により、ガイド
プレート１１ｅの半円状の窪み４３と嵌合する機構にな
っており、リテーナ５ｅの圧縮力の低下を防ぎ、電子回
路モジュール１の脱落を防止できることで、振動に対す
る信頼性の優れた電子機器を得ることができる。

【００２２】

【発明の効果】この発明による電子機器は、以上説明し
たように構成されているので、以下に記載されるような
効果がある。

【００２３】この発明の実施の形態１によれば、リテー
ナ本体の円錐状の凸部と、ガイドプレートの円錐状の窪
みとを嵌合させることにより、振動による電子回路モジ
ュールの動きを抑制し、リテーナの圧縮力の低下を防
ぎ、電子回路モジュールの脱落を防止できることで、振
動に対する高い信頼性が図られた電子機器を得ることが
できる。また、従来品の類似電子機器においては、上記
振動対策として電子回路モジュールの上面部に板金で成
形された板にクッションを貼付けたもので、電子回路モ
ジュールを押さえていたため、部品点数が多く質量増
大、組立作業時間の増大、コストの増大となっていた
が、上記構成により、部品点数の低減、組立作業時間の
短縮、コストの低減が図られる効果がある。

【００２４】この発明の実施の形態２によれば、リテー
ナ本体の円柱状の凸部が、ガイドプレートの透孔に挿入
され、またリテーナ本体の凸部の鋼球がバネの反力によ
り、ガイドプレートの半円状の溝と嵌合することによ
り、振動による電子回路モジュールの動きを抑制し、リ
テーナの圧縮力の低下を防ぎ、電子回路モジュールの脱
落を防止できることで、振動に対する高い信頼性が図ら
れた電子機器を得ることができる。また、従来品の類似
電子機器においては、上記振動対策として電子回路モジ
ュールの上面部に板金で成形された板にクッションを貼
付けたもので、電子回路モジュールを押さえていたた
め、部品点数が多く質量増大、組立作業時間の増大、コ
ストの増大となっていたが、上記構成により、部品点数
の低減、組立作業時間の短縮、コストの低減が図られる
効果がある。

【００２５】この発明の実施の形態３によれば、リテー
ナ上部及びリテーナ下部が、ガイドプレートの上下部の
溝に嵌挿することにより、振動による電子回路モジュー
ルの動きを抑制し、リテーナの圧縮力の低下を防ぎ、電
子回路モジュールの脱落を防止できることで、振動に対
する高い信頼性が図られた電子機器を得ることができ
る。また、従来品の類似電子機器においては、上記振動
対策として電子回路モジュールの上面部に板金で成形さ
れた板にクッションを貼付けたもので、電子回路モジュ
ールを押さえていたため、部品点数が多く質量増大、組
立作業時間の増大、コストの増大となっていたが、上記
構成により、部品点数の低減、組立作業時間の短縮、コ
ストの低減が図られる効果がある。

【００２６】この発明の実施の形態４によれば、リテー
ナ上部及びリテーナ下部に具備された半球状の突起球
が、ガイドプレートの支持ピンに蝶着されたフック端部
を押すことにより、ガイドプレートの支持ピンを支点に
レの字形のフック端部がリテーナの凹部状の縦長溝に嵌
挿することにより、振動による電子回路モジュールの動
きを抑制し、リテーナの圧縮力の低下を防ぎ、電子回路
モジュールの脱落を防止できることで、振動に対する高
い信頼性が図られた電子機器を得ることができる。ま
た、従来品の類似電子機器においては、上記振動対策と
して電子回路モジュールの上面部に板金で成形された板
にクッションを貼付けたもので、電子回路モジュールを
押さえていたため、部品点数が多く質量増大、組立作業
時間の増大、コストの増大となっていたが、上記構成に
より、部品点数の低減、組立作業時間の短縮、コストの
低減が図られる効果がある。

【００２７】この発明の実施の形態５によれば、リテー
ナ本体の軸を回転させることで、リテーナ上部とリテー
ナ下部の貫通穴をガイドに円柱形のリテーナ本体が回転
し、ガイドプレートの半円状の溝に円柱形のリテーナ本
体が挿入され、またリテーナ本体端部の鋼球がバネの反
力により、ガイドプレートの半円状の窪みと嵌合するこ
とにより、振動による電子回路モジュールの動きを抑制
し、リテーナの圧縮力の低下を防ぎ、電子回路モジュー
ルの脱落を防止できることで、振動に対する高い信頼性
が図られた電子機器を得ることができる。また、従来品
の類似電子機器においては、上記振動対策として電子回
路モジュールの上面部に板金で成形された板にクッショ
ンを貼付けたもので、電子回路モジュールを押さえてい
たため、部品点数が多く質量増大、組立作業時間の増
大、コストの増大となっていたが、上記構成により、部
品点数の低減、組立作業時間の短縮、コストの低減が図
られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明による電子機器の実施の形態１を示
す外観図である。

【図２】 図１における断面ＢＢを示す図である。

【図３】 図２に示すものを矢印Ｃ方向に見た拡大図で
ある。

【図４】 この発明による電子機器の実施の形態２を示
す電子回路モジュールの断面図である。

【図５】 図５のものをＤから見た拡大図である。

【図６】 この発明による電子機器の実施の形態３を示
す電子回路モジュールの断面図である。

【図７】 図６に示すものをＥ方向に見た拡大図であ
る。

【図８】 この発明による電子機器の実施の形態４を示
す電子回路モジュールの断面図である。

【図９】 この発明による電子機器の実施の形態５を示
す電子回路モジュールの断面図である。

【図１０】 図９における断面ＦＦを示す図である。

【図１１】 従来の電子機器を示す外観図である。

【図１２】 図１１におけるガイド溝周辺の部分詳細図
である。

【図１３】 図１２に示すものをＡ方向に見た図であ
り、ねじ部が締められてリテーナとガイドプレートが密
着した状態を示す。

【符号の説明】

１ 電子回路モジュール、２ プリント配線板、３ 放
熱板、４ 電子回路部品、５ リテーナ、６ シャー
シ、７ リテーナ本体、８ リテーナ上部、９リテーナ
下部、１０ ねじ部、１１ ガイドプレート、１２ ガ
イド溝、１３開口部、１４ カバー、１５ 凸型の溝、
１６ 円錐状の凸部、１７ Ｔ字型のガイド、１８ 円
錐状の窪み、２０ 円柱状の凸部、２１ バネ、２２
鋼球、２３ 透孔、２４ 半円状の溝、２７ 上部の
溝、２８ 下部の溝、３１ 縦長溝、３２ 半球状の突
起球、３３ 半球状の突起球、３４ 支持ピン、３５
フック、３６ バネ、３９ 軸、４０ バネ、４１ 鋼
球、４２ 半円状の溝、４３ 半円状の窪み。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 開口部を有し、長方形で複数のねじ穴を
   有する第１の面、上記第１の面の各辺と直角をなす４つ
   の面のうち、長手方向に相対する第２の面、及び第３の
   面、上記第２の面、及び第３の面に直角をなし、かつ相
   対する第４の面、及び第５の面、上記第１の面と相対す
   る第６の面とで構成される箱状のシャーシと、上記シャ
   ーシ内部に上記開口部から挿入し収納され、かつプリン
   ト配線板に電子回路部品が両端に凸型の溝を有された放
   熱板と挟持して実装されている電子回路モジュールと、
   上記シャーシの上記第２の面及び上記第３の面に密着す
   るように設けられ、上記開口部と直角をなすように上記
   電子回路モジュールの挿入方向と同一方向に成形されつ
   上記電子回路モジュールの上記放熱板と接触する面を有
   するＬ字形のガイド溝と上記ガイド溝の相対する面の片
   側中央部に円錐状の窪みを具備するガイドプレートと、
   上記電子回路モジュールの上記放熱板に具備され、長手
   方向に貫通長穴を有し両端を斜面に加工され、かつ中央
   部に円錐状の凸部を有するリテーナ本体、上記リテーナ
   本体の斜面と摺動し長手方向に貫通穴を有するリテーナ
   上部、上記リテーナ本体の斜面と摺動し長手方向に貫通
   ねじを有し、かつ上記電子回路モジュールの上記放熱板
   に有された凸型の溝と嵌合し摺動するＴ字形のガイドを
   有するリテーナ下部、上記リテーナ上部と上記リテーナ
   本体及び上記リテーナ下部を連結し、上記リテーナ下部
   の貫通ねじとかみ合うねじを有するねじ部にて構成され
   るリテーナと、上記シャーシに対して上記開口部を外側
   から覆うように配したカバーとで構成されたことを特徴
   とする電子機器。
2. 【請求項２】 上記ガイドプレート、及び上記リテーナ
   を以下に示す構成、または形状に成形したものであり、
   上記ガイドプレートは、上記シャーシの上記第２の面及
   び上記第３の面に密着するように設けられ、上記開口部
   と直角をなすように電子回路モジュールの挿入方向と同
   一方向に成形され、かつ上記電子回路モジュールの放熱
   板と接触する面を有するＬ字形のガイド溝と上記ガイド
   溝の相対する面の片側中央部に透孔を有し、また透孔内
   部にも断面が半円状の溝を有するガイドプレートと、上
   記電子回路モジュールの上記放熱板に具備され、長手方
   向に貫通長穴を有し両端を斜面に加工され、かつ中央部
   に円柱状の凸部を有し、さらに上記凸部にバネを埋設し
   上記バネの上下に鋼球を有するリテーナ本体、上記リテ
   ーナ本体の斜面と摺動し長手方向に貫通穴を有するリテ
   ーナ上部、上記リテーナ本体の斜面と摺動し長手方向に
   貫通ねじを有し、かつ上記電子回路モジュールの上記放
   熱板に有された凸型の溝と嵌合し摺動するＴ字形のガイ
   ドを有するリテーナ下部、上記リテーナ上部と上記リテ
   ーナ本体及び上記リテーナ下部を連結し、上記リテーナ
   下部の貫通ねじとかみ合うねじを有するねじ部にて構成
   されるリテーナとで構成されたことを特徴とする請求項
   １記載の電子機器。
3. 【請求項３】 上記電子回路モジュール、上記ガイドプ
   レート、及び上記リテーナを以下に示す構成、または形
   状に成形したものであり、すなわち、上記電子回路モジ
   ュールは、上記シャーシ内部に開口部から挿入収納さ
   れ、かつプリント配線板に電子回路部品が放熱板と挟持
   して実装されている電子回路モジュールと、上記シャー
   シの上記第２の面及び上記第３の面に密着するように設
   けられ、上記開口部と直角をなすように上記電子回路モ
   ジュールの挿入方向と同一方向に成形され、かつ上記電
   子回路モジュールの上記放熱板と接触する面を有するＬ
   字形のガイド溝と上記ガイド溝の相対する面の片側上下
   に溝を有するガイドプレートと、上記電子回路モジュー
   ルの上記放熱板に具備され、長手方向に貫通長穴を有し
   両端を斜面に加工された台形状のリテーナ本体、上記リ
   テーナ本体の斜面と摺動し長手方向に貫通穴を有するリ
   テーナ上部、上記リテーナ本体の斜面と摺動し長手方向
   に貫通ねじを有するリテーナ下部、上記リテーナ上部と
   上記リテーナ本体及び上記リテーナ下部を連結し、上記
   リテーナ下部の貫通ねじとかみ合うねじを有するねじ部
   にて構成されるリテーナとで構成されたことを特徴とす
   る請求項１記載の電子機器。
4. 【請求項４】 上記ガイドプレート、及び上記リテーナ
   を以下に示す構成、または形状に成形したものであり、
   すなわち、上記ガイドプレートは、上記シャーシの上記
   第２の面及び上記第３の面に密着するように設けられ、
   上記開口部と直角をなすように電子回路モジュールの挿
   入方向と同一方向に成形され、かつ上記電子回路モジュ
   ールの放熱板と接触する面を有するＬ字形のガイド溝と
   上記ガイド溝の相対する面の片側上下面に支持ピンを具
   備するガイドプレートと、上記ガイドプレートの上記支
   持ピンに蝶着され端部にバネを有するレの字形のフック
   と、上記電子回路モジュールの上記放熱板に具備され、
   長手方向に貫通長穴と凹部状の縦長溝を有し両端を斜面
   に加工された台形柱のリテーナ本体、上記リテーナ本体
   の斜面と摺動し長手方向に貫通穴を有し、かつ半球状の
   突起球を具備するリテーナ上部、上記リテーナ本体の斜
   面と摺動し長手方向に貫通ねじを有し、かつ半球状の突
   起球を具備するリテーナ下部、上記リテーナ上部と上記
   リテーナ本体及び上記リテーナ下部を連結し、上記リテ
   ーナ下部の貫通ねじとかみ合うねじを有するねじ部にて
   構成されるリテーナとで構成されたことを特徴とする請
   求項３記載の電子機器。
5. 【請求項５】 上記ガイドプレート、及び上記リテーナ
   を以下に示す構成、または形状に成形したものであり、
   すなわち、上記ガイドプレートは、上記シャーシの上記
   第２の面及び上記第３の面に密着するように設けられ、
   上記開口部と直角をなすように電子回路モジュールの挿
   入方向と同一方向に成形され、かつ上記電子回路モジュ
   ールの放熱板と接触する面を有するＬ字形のガイド溝と
   上記ガイド溝の相対する面の片側中央部に断面が半円状
   の溝を有し、また半円状の溝内部上下に半円状の窪みを
   有するガイドプレートと、上記電子回路モジュールの上
   記放熱板に具備され、長手方向に貫通穴を有するリテー
   ナ上部、及びリテーナ下部、上記リテーナ上下部の貫通
   穴に挿通され両端に抜け止めつばを有する軸を具備し、
   かつ上記リテーナ上下部と直角に配される円柱形で端部
   にバネを埋設し上記バネの上下に鋼球を有するリテーナ
   本体、上記リテーナ上下部と上記リテーナ本体を接合し
   て構成されるリテーナとで構成されたことを特徴とする
   請求項３記載の電子機器。