JPH09133931A - 光偏向装置 - Google Patents

光偏向装置

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JPH09133931A
JPH09133931A JP28877695A JP28877695A JPH09133931A JP H09133931 A JPH09133931 A JP H09133931A JP 28877695 A JP28877695 A JP 28877695A JP 28877695 A JP28877695 A JP 28877695A JP H09133931 A JPH09133931 A JP H09133931A
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sawtooth
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light
grating
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JP28877695A
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English (en)
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Hiroshi Hamano
広 浜野
Itsuchiyou Shiyou
一超 蒋
Hiroyuki Fujiwara
博之 藤原
Masaharu Nobori
正治 登
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化、低価格化が可能で、かつ製作が容易
な光偏向装置を提供する。 【解決手段】 光偏向装置において、入射した信号光2
の偏光方向を回転可能な偏光回転装置3と、この偏光回
転装置3からの入力光をその偏光方向に応じて平行シフ
トして出力可能な偏向装置4とを備え、この偏向装置4
は2枚の透明基板5,6からなるとともにこの2枚の透
明基板の一方の面には各々反対方向を向き、同一の形
状、同一の屈折率を有する鋸歯状格子7,8を有し、こ
の2枚の透明基板5,6の鋸歯状格子7,8側を対向さ
せた間に複屈折媒体としての液晶層9を保持しており、
この液晶層9は前記鋸歯状格子7,8の刻線に沿ってホ
モジニアス配向するとともに複屈折性を有し、その長
軸、短軸のいずれかの屈折率が前記2枚の透明基板5,
6の鋸歯状格子7,8を形成する材料と一致するように
構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光交換等に適用す
る場合には、光の空間接続における信号光の光路切り替
えに用いられ、光走査系あるいは光プリンタ等に適用す
る場合には、書き込み光の光路切り替えに用いられる光
偏向装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術としては、
例えば特開平5−216075号公報に開示されるよう
なものがあった。光の非干渉性、並列性を利用して光の
空間接続を実現する光情報処理、光交換においては、光
のスイッチングは、重要な基本技術の一である。
【0003】この光スイッチングに要求される機能とし
ては、信号光の透過、遮断を制御するシャッタ機能とと
もに、光の進行方向を制御する光偏向技術、即ち光路変
換機能が挙げられる。ここで、光偏向技術における光路
の変更には、例えば信号光の出力角度を変化させる、あ
るいは光路を平行シフトさせる等の方法があり、システ
ム構成によって適宜選択される。
【0004】このうち、光路を平行シフトさせる技術と
しては、電気光学効果によるものが知られている。この
電気光学効果による電気光学偏向は、電気光学スイッチ
と複屈折プリズム、あるいはミラー等を組み合わせるこ
とにより実現される。ここで電気光学スイッチとは、液
晶、あるいはセラミックなどを用いて、電気入力より、
光の強度、角度、偏光方向などを変調するデバイスであ
り、いわゆる空間光変調器なども含まれる。電気光学偏
向では、この電気光学スイッチにより信号光の偏光方向
を変化させるようにしている。
【0005】一方、複屈折プリズムではその複屈折作用
により入力光を、常光、異常光に分離させることがで
き、この常光、異常光は、複屈折プリズムを形成する材
料のリタデーション値で決まる量だけ光路がずれること
になる。そこで、直線偏光である信号光の偏光面を複屈
折プリズムに対する常光、あるいは異常光に対応させ、
電気光学スイッチによって信号光の偏光方向をπ/2回
転させることで、常光、異常光を切り替えることによ
り、光路シフト、即ち光路変換が可能となる。
【0006】このように、電気光学偏向とは、例えば方
解石などの複屈折性の材料を用いることにより、複屈折
分だけ光路をシフトする方式である。この方式は、原理
的に高速偏向が可能であるが、光路のシフト量は、複屈
折材料のリタデーション(屈折率異方性)値によって決
定される。一般的に光学材料の屈折率異方性は小さく、
大きな光路シフト量を得るためには厚い複屈折材料が必
要になるため、実装体積が大きくなり、また、方解石な
どの材料費が高価になる等の欠点があった。
【0007】また、方解石などの複屈折材料は一般に無
機結晶である。結晶性の高い材料で大面積なものは得に
くく、高価になってしまう。また、デバイス中に反射ミ
ラーなどを形成し、この反射ミラーを回転させることに
より、信号光の出射角を変化させる機械的な方法も検討
されているが、微小ミラー作製の困難さ、回転駆動部の
信頼性等の点で問題がある。
【0008】上述の問題点を解決するために提案された
上記特開平5−216075号公報によれば、入射した
信号光の偏光方向を回転させる偏光回転装置と、この偏
光回転装置からの入力光をその偏光方向に応じて平行シ
フトして出力させる偏向装置とを具備し、かつその偏向
装置は中心に位置する1枚の透明基板と、その両側に配
置された2枚の透明基板からなるとともに、その中心の
透明基板の両側には各々反対方向を向く鋸歯状格子を有
し、その中心の透明基板と両側の2枚の透明基板の各々
はその間に液晶を保持しており、その液晶はホモジニア
ス配向するとともにその液晶は複屈折性を有し、その長
軸、短軸のいずれかの屈折率が前記中心の透明基板の両
側の鋸歯状格子を形成する材料と一致することを特徴と
する光偏向装置を提案している。
【0009】これによれば、入力信号の偏光状態を制御
することにより、信号光を平行シフトすることができ
る、としている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の光偏向装置では、合計3枚の基板を必要とする
ため、部品点数が多くなる。さらに液晶層を2層必要と
するため、製作が困難であるといった問題があった。本
発明は、上述の問題点を除去し、小型化、低価格化が可
能で、かつ製作が容易な光偏向装置を提供することを目
的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 (1)入射した信号光の偏光方向を回転可能な偏光回転
装置と、この偏光回転装置からの入力光をその偏光方向
に応じて平行シフトして出力可能な偏向装置とを備え、
この偏向装置は2枚の透明基板からなるとともにこの2
枚の透明基板の一方の面には各々反対方向を向き、同一
の形状、同一の屈折率を有する鋸歯状格子を有し、この
2枚の透明基板の鋸歯状格子側を対向させた間に複屈折
媒体としての液晶を保持しており、この液晶は前記鋸歯
状格子の刻線に沿ってホモジニアス配向するとともに複
屈折性を有し、その長軸、短軸のいずれかの屈折率が前
記2枚の透明基板の鋸歯状格子を形成する材料と一致す
るように構成したものである。
【0012】(2)上記(1)記載の光偏向装置におい
て、前記鋸歯状格子としてブレーズド回折格子を用いる
ようにしたものである。このように構成したので、この
光偏向装置によれば、電気的あるいは機械的な可動部分
を設けることなく、また、方解石など高価で大面積化が
困難と考えられる複屈折結晶を用いることなく、簡単な
構成で出力信号光を平行シフトすることが可能となり、
小型化、低価格化が可能で、かつ製作が容易な光偏向装
置を提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明の実施例を示
す光偏向装置の構成図、図2は図1の要部拡大を示し、
鋸歯状格子での信号光の偏向状態を示す動作図、図3は
本発明の実施例を示す鋸歯状格子における液晶分子の配
向を示す図、図4は本発明の実施例を示す鋸歯状格子の
傾斜角θ1 (°)に対する傾斜基板間距離200μmに
おける光シフト量を示す図である。
【0014】これらの図に示すように、この実施例に係
る光偏向装置1は、制御信号に応じて、直線偏光である
入射信号光2の偏光を90°回転させ得る偏光回転装置
3と、その偏光方向に応じて信号光の出力方向を切り替
える偏向装置4から構成されている。偏光回転装置3
は、制御信号に応じて入力信号の光の偏光方向を90°
回転させたり、そのまま透過させたりする機能を有すれ
ばよく、特に、その構成は問わないが、例えば、構成例
として、ネマティック液晶を90°ねじらせて配向させ
たTN型液晶セル(Twisted Nematic)
を用いた構成がある。この場合には、液晶セルの液晶層
を挟む透明電極間に印加する電圧によって、交流電圧の
無印加時には、入力信号の偏光面が90°回転し、例え
ば±5〜±10Vppの電圧印加時には偏光面が回転し
ない、所望の偏光回転装置が構成できる。
【0015】また、例えば、表面安定化強誘電性液晶を
用いても偏光回転機能を実現でき、電界の極性に応じて
偏光方向を回転させることができる。特に、この場合に
は、メモリ性があるために常時電圧を印加し続ける必要
がないという利点をもつ。上記偏向装置4は、例えば2
枚のガラス、ポリカーボネートなどの透明基板5,6か
ら構成され、各々の一方の面には各々反対方向を向く鋸
歯状格子7,8が形成されている。これらの鋸歯状格子
7,8は同一材料で形成され、テーパー角、ピッチが等
しく、その向きが逆である。
【0016】鋸歯状格子7,8の傾斜面のうち、鋸歯状
格子7上の入射信号光2の透過部分と、鋸歯状格子8に
おいて入射信号光2の透過部分に対向する出力信号光
(透過出力信号光)11の透過部分、偏向した場合の出
力信号光10(平行シフト出力信号光)の透過部分は少
なくとも互いに平行になっていること、両傾斜間の距離
が等しいことが必要である。この条件が満足されていれ
ば、鋸歯状格子7,8が相対的にずれて配置されていて
もよい。
【0017】図1においては、鋸歯状格子7,8は紙面
に垂直に刻まれている。鋸歯状格子は、透明基板5,6
を直接鋸歯状に加工してもよく、また酸化シリコン等を
積層した後に鋸歯状に加工してもよい。また市販の回折
格子を用いてもよい。2枚の透明基板5,6は、鋸歯状
格子7,8側の面を、ある間隔Dをもって対向させ、そ
れらの間には液晶層9が保持されており、封止材12に
よって封止してある。封止の方法については特に問わな
いが、例えば、印刷された紫外線あるいは熱硬化材など
による接着材を用いるような公知の方法でかまわない。
【0018】図2は、図1における偏向装置4の鋸歯状
格子7,8の一部分を示している。また、図3は、液晶
分子9aが鋸歯状格子7または8と平行に配向している
様子を示している。液晶9は、図3に示すように、基板
5,6の鋸歯状格子7,8の刻線に平行にホモジニアス
配向してある。ホモジニアス配向の方法は特に規定しな
いが、鋸歯状格子の表面にポリイミドなどの配向層を形
成し、刻線方向にラビングする方法で容易に実現でき
る。したがって、液晶分子9aの長軸方向と刻線方向と
は同じである。
【0019】液晶9は屈折率異方性を有しており、分子
長軸方向の屈折率n2 ‖は分子短軸方向の屈折率n2
よりも大きい。液晶分子短軸方向の屈折率n2 ⊥が鋸歯
状格子7,8の屈折率n1 と等しくなるように、液晶9
の材料と鋸歯状格子7,8の材料を選択する。また、液
晶分子9aの配向方向と直線偏光である入射信号光2の
偏光方向が等しくなるように偏向装置4を配置する。液
晶9としては、液晶ディスプレイなどに用いられる、例
えば、ネマティック液晶などがその代表であるが、複屈
折性を示し、鋸歯状格子に沿って平行配向が可能であれ
ば、その種類は問わず、例えば、強誘電性液晶などを用
いても良い。
【0020】以下、図を用いて本発明による光偏向装置
1の動作を説明する。図2において、入射側透明基板5
に入射した入射信号光2は、入射側の鋸歯状格子7の傾
斜角によって、鋸歯状格子7と液晶層9の界面で屈折
し、液晶層9に入射する。ここで、スネルの法則によ
り、屈折角は(1)式で表される。
【0021】 n1 ・sinθ1 =n2 ・sinθ2 … (1) ここで、n1 は鋸歯状格子7,8を形成する材料の屈折
率であり、n2 は液晶層9の材料の実効的な屈折率であ
る。また、θ1 は鋸歯状格子7,8の傾斜角であり、入
射信号光2が鋸歯状格子7,8に入射し、通過する角度
と等しい。θ2は鋸歯状格子7と液晶層9の界面で屈折
する角度であり、入射信号光2の液晶層9へ入射する角
度を示している(ただし、鋸歯状格子7,8の傾斜面法
線に対する入射角度)。
【0022】入射側鋸歯状格子7と液晶層9の界面で屈
折し、液晶層9に入射した入射信号光2は、もう一方の
鋸歯状格子8に入射する。ここで、鋸歯状格子7,8の
傾斜角度、ピッチ、材料の屈折率が同一であれば、鋸歯
状格子8の傾斜面法線に対する入射角はθ2 と等しく、
屈折して鋸歯状格子8に入射する角度は、θ1 に等し
い。したがって、2枚の鋸歯状格子7,8を通過し、偏
向した出力信号光10は平行にシフトして、出力される
ことになる。
【0023】本発明による光偏向装置の目的は、制御信
号に応じて信号光の光路を変更することにあり、その切
り替えは、直線偏光である入射信号光の偏光面を液晶分
子の配向方向に対して、そろえて入射させるか、90°
回転させて入射させるか、によって制御する。例えば偏
光回転装置3として、ネマティック液晶を90°ねじら
せて配向させたTN型液晶セルを用い、入射信号光2の
偏光方向が紙面法線方向である場合について説明する。
【0024】まず、入射信号光2の偏光面を液晶分子9
aの配向方向に対して、揃えて入射させる場合について
説明する。この場合、偏光回転装置3に交流電圧を印加
し、偏光方向を回転させない。ここで、入射信号光2の
偏光を黒丸印(●)で示す。この場合、入射信号光2の
偏光面と液晶分子9a長軸が揃っているので、入射信号
光2が液晶層9において感ずる屈折率n2 は液晶分子長
軸方向の屈折率n2 ‖となる。ここで、液晶分子長軸方
向の屈折率n2 ‖は鋸歯状格子7,8の屈折率n1 より
大きいので、鋸歯状格子7と液晶層9の界面で、スネル
の法則から導いた(1)式で決まる角度θ2 (≠θ1
に屈折される。この屈折した光は液晶層9を通過し、液
晶層9と上部鋸歯状格子8の界面で再度屈折されるが、
鋸歯状格子の傾斜角度、ピッチ、材料の屈折率が同一で
あるので、液晶層9から鋸歯状格子に入射する場合の入
射角は鋸歯状格子8の傾斜面法線に対してθ2 であり、
屈折角はθ 1 に等しくなる。
【0025】したがって、出力信号光10は入射信号光
2に対して平行にシフトして出力される。一方、入射信
号光2の偏光面を、液晶分子9aに配向方法に対して、
90°回転させて入射させる場合について説明する。こ
の場合、偏光回転装置3へは交流電圧を印加しないの
で、入射信号光2の偏光方向は90°回転される。
【0026】ここで、入射信号光2の偏光を矢印(←
→)で示す。この場合、入射信号光2の偏光面と液晶分
子短軸方向が揃っているので、入射信号光2が液晶層9
において感ずる屈折率n2 は液晶分子短軸方向の屈折率
2 ⊥となる。ここで、液晶分子短軸方向の屈折率n2
⊥と鋸歯状格子7,8の屈折率n1 とが一致するよう
に、液晶材料と鋸歯状格子7,8の材料を設定している
ので、鋸歯状格子7,8と液晶層9においてn1 =n2
となり、光は屈折されずに直進する。さらに、液晶層9
と上部鋸歯状格子8の界面においても同様であるので、
入射光は屈折を受けずに直進し、偏向されない出力信号
光11となる。
【0027】したがって、偏光回転装置3により、制御
信号に応じて入射信号光2の偏光方向を液晶分子9aの
配向方向に対して、揃って入射させるか、90°回転さ
せて入射させるか、により出力光の光路の変更が可能と
なる。出力光のシフト量は、主として、鋸歯状格子7,
8の傾斜角θ1 、液晶層9の屈折率n2 ‖、n2 ⊥、鋸
歯状格子7,8の屈折率n1 、液晶層9の厚さDで決定
され、出力シフト量の要求値に合わせて各々選定すれば
よい。
【0028】例えば、液晶層9の屈折率n2 ‖、n2
をそれぞれ1.7と1.5、鋸歯状格子7,8の屈折率
1 を、液晶分子9aの短軸方向の屈折率n2 ⊥と等し
く1.5と設定し、液晶層9における傾斜基板間の距離
Lを200μmとしたとき、鋸歯状格子7,8の傾斜角
θ1 に対するシフト量Sは図4のように示すことができ
る。
【0029】図4は鋸歯状格子の傾斜角θ1 に対する光
シフト量(n1 =1.5、n2 ‖=1.7、n2 ⊥=
1.5,L=200μmとして計算)を示しており、横
軸はその傾斜角θ1 (°)、縦軸はその光シフト量(μ
m)である。従来のような方解石などの複屈折結晶を用
いた偏向素子では、シフト量が複屈折結晶のリタデーシ
ョンで決まるため、大きなシフト量を得るためには複屈
折結晶の厚みを厚くしていく必要があり、方解石などで
は良好な結晶性を得るのに困難になっていく。さらに、
方解石などの複屈折材料では開口面積を大きくするのが
困難であり、高価になってしまうという問題があった。
【0030】その点、本発明による光偏向装置では、出
力信号光のシフト量は、本装置を構成する鋸歯状格子等
の形状パラメータ、及び液晶等の材料物性パラメータに
よって決定される。また、開口面積を大きくすることも
十分可能であり、低価格化が図れる。本発明の実施例で
は一対の鋸歯状格子に挟まれた複屈折層として、液晶層
を用いた例を示したが、複屈折性を有する材料で、格子
の刻み線に沿って一軸配向が可能で格子上に形成できる
ものであれば、液晶に限らず、その種類は問わない。例
えば、有機複屈折材料のPVA(ポリビニルアルコー
ル)や、ポリイミド、PMMA(ポリメチルメタクリレ
ート)などを塗布し、配向処理を施すことにより一軸配
向した複屈折層を実現することができる。
【0031】鋸歯状格子の形状寸法が小さくなると、回
折効果が顕著になり、いわゆる高次光が発生するため
に、回折効果の低下、クロストークなどが問題となる。
そこで、特定方向に入力信号光をブレーズドするため
に、形成する鋸歯状格子をブレーズド回折格子とすると
良い。このブレーズド回折格子のブレーズド条件は下記
(2)式で表される。
【0032】 d・sin(θ2 −θ1 )=m・λ …(2) ただし、mは正の整数;m=1,2,3,… である。
ここで、dはブレーズド回折格子のピッチであり、λは
信号光の波長、mは次数である。入射信号光の波長に対
して(1)式、(2)式を満足することで、所望の距離
だけシフトしたブレーズド光が出力されることになる。
【0033】このように前記形状、特性パラメータに加
え、格子ピッチdを最適化することにより、回折効率が
高く、クロストークのない出力光を得ることが可能にな
る。この場合も、液晶層としては、液晶ディスプレイな
どに用いられる、例えば、ネマティック液晶などがその
代表であるが、複屈折性を示し、鋸歯状格子に沿って平
行配向が可能ならば、その種類は問わず、例えば、強誘
電性液晶などを用いても良い。さらに、液晶に限らず、
複屈折性を有する材料で、一軸配向構造で、ブレーズド
格子上に形成できるのであれば、その種類は問わない。
【0034】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
【0035】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、特に電気的あるいは機械的な可動部分を設ける
ことなく、また、方解石など高価で大面積化が困難と考
えられる複屈折結晶を用いることなく、簡単な構成で出
力信号光を平行シフトすることが可能となり、小型化、
低価格化が可能で、かつ製作が容易な光偏向装置を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す光偏向装置の構成図であ
る。
【図2】本発明の実施例を示す鋸歯状格子での信号光の
偏向状態を示す動作図である。
【図3】本発明の実施例を示す鋸歯状格子における液晶
分子の配向を示す図である。
【図4】本発明の実施例を示す鋸歯状格子の傾斜角θ1
に対する傾斜基板間距離200μmにおける光シフト量
を示す図である。
【符号の説明】
1 光偏向装置 2 入射信号光 3 偏光回転装置 4 偏向装置 5,6 透明基板 7,8 鋸歯状格子 9 液晶層 9a 液晶分子 10 出力信号光(平行シフト出力信号光) 11 出力信号光(透過出力信号光) 12 封止材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 登 正治 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)入射した信号光の偏光方向を回転可
    能な偏光回転装置と、(b)該偏光回転装置からの入力
    光をその偏光方向に応じて平行シフトして出力可能な偏
    向装置とを備え、(c)該偏向装置は2枚の透明基板か
    らなるとともに、該2枚の透明基板の一方の面には各々
    反対方向を向き、同一の形状、同一の屈折率を有する鋸
    歯状格子を有し、前記2枚の透明基板の鋸歯状格子側を
    対向させた間に複屈折媒体としての液晶を保持してお
    り、該液晶は前記鋸歯状格子の刻線に沿ってホモジニア
    ス配向するとともに複屈折性を有し、その長軸、短軸の
    いずれかの屈折率が前記2枚の透明基板の鋸歯状格子を
    形成する材料と一致するように構成したことを特徴とす
    る光偏向装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光偏向装置において、前
    記鋸歯状格子がブレーズド回折格子であることを特徴と
    する光偏向装置。
JP28877695A 1995-11-07 1995-11-07 光偏向装置 Withdrawn JPH09133931A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005308824A (ja) * 2004-04-16 2005-11-04 Ricoh Co Ltd 画像表示/画像取込み装置および画像表示/画像取込み方法
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KR20150038418A (ko) * 2012-07-27 2015-04-08 시리얼 테크놀로지즈 에스.에이. 경사 입사각을 위한 편광 격자

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