JPH09133609A - 光伝送路シミュレータ - Google Patents

光伝送路シミュレータ

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JPH09133609A
JPH09133609A JP29005395A JP29005395A JPH09133609A JP H09133609 A JPH09133609 A JP H09133609A JP 29005395 A JP29005395 A JP 29005395A JP 29005395 A JP29005395 A JP 29005395A JP H09133609 A JPH09133609 A JP H09133609A
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transmission line
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Koichi Takiguchi
浩一 瀧口
Katsunari Okamoto
勝就 岡本
Kaname Jinguji
要 神宮寺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1台のシミュレータで、複数の光伝送路から
構成され、様々な分散特性を有する光伝送系の分散特性
を設定することができる光伝送路シミュレータを実現す
る。 【解決手段】 信号の入力部と出力部との間に、任意の
分散特性を設定できる分散発生部と、分散発生部の分散
特性を測定し、その測定値が所定の分散特性になるよう
に分散発生部の分散特性を制御する分散制御部とにより
構成される。この分散制御部では、外部からの入力情報
により分散発生部に近似すべき光伝送路の分散特性を設
定し、その分散特性を測定し、さらに測定値と設定値と
の誤差が最小になるように再度分散発生部の分散特性を
調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、それぞれ固有の分
散特性を有する複数の光伝送路から構成される光伝送系
の分散特性を疑似し、その評価を可能にする光伝送路シ
ミュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバなどにより構成される光伝送
路は、通過する光信号の波長(周波数)により群遅延時
間が異なる分散特性を有する。波長 1.3μmで零分散を
有する石英系光ファイバを最低損失帯である1.55μmで
使用する場合には、光ファイバの分散特性により光信号
周波数が高くなるにつれて群遅延時間が小さくなる。そ
のため、光バッファ中を伝搬する光パルスは光ファイバ
の分散特性により波形歪みが大きくなり、伝送容量が小
さくなる。したがって、光通信システムでは光伝送路の
分散特性を測定し、逆の分散特性を有する分散等化器を
接続して全体として波形歪みを小さくする分散補償技術
が必要になる。
【0003】現在、それぞれ異なる分散特性を有する光
伝送路については、各光伝送路と同じ分散特性を有する
ような光ファイバを用意し、それらを接続して光伝送系
全体の分散の影響を測定する構成になっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、光伝送系を構
成する光伝送路と分散特性が完全に一致する光ファイバ
を用意することは困難であった。また、各光ファイバを
接続する作業も容易ではなく、多くの労力を要してい
た。本発明は、1台のシミュレータで、複数の光伝送路
から構成され、様々な分散特性を有する光伝送系の分散
特性を設定することができる光伝送路シミュレータを提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の光伝送路シミュ
レータは、信号の入力部と出力部との間に、任意の分散
特性を設定できる分散発生部と、分散発生部の分散特性
を測定し、その測定値が所定の分散特性になるように分
散発生部の分散特性を制御する分散制御部とにより構成
される。
【0006】このような分散制御部では、外部からの入
力情報により分散発生部に近似すべき光伝送路の分散特
性を設定し、その分散特性を測定し、さらに測定値と設
定値との誤差が最小になるように再度分散発生部の分散
特性を調整する。これにより、入出力部間に所定の分散
特性を有する光伝送路シミュレータが実現される。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の光伝送路シミュ
レータの実施形態を示す。本発明の光伝送路シミュレー
タは、任意の分散特性を設定できる分散発生部100
と、分散発生部100に設定する分散特性を制御する分
散制御部200とを主要な構成要素とする。分散制御部
200は、光スイッチ201,202、分散測定部21
0および分散設定部220により構成される。図中、各
部を接続する太線は光導波路を示し、細線は電気信号線
を示す。
【0008】入力部1から入力された信号光または分散
測定部210から出力された測定光は、光スイッチ20
1を介して分散発生部100に入力される。分散発生部
100の出力光は光スイッチ202を介して信号光は出
力部2に出力され、測定光は分散測定部210に入力さ
れて分散発生部100の分散特性が測定される。分散設
定部220は、分散測定部210の測定値に応じて分散
発生部100に設定する分散特性が所望の値になるよう
に調整する。すなわち、まず分散設定部220は、外部
から入力される分散情報により分散発生部100に近似
すべき光伝送路の分散特性を設定し、その分散特性を分
散測定部210が測定し、さらに分散設定部220が設
定値と分散測定部210における測定値との誤差が最小
になるように調整する。これにより、入力部1と出力部
2との間に所定の分散特性を有する光伝送路シミュレー
タが実現される。
【0009】
【実施例】図2は、分散発生部100の第1の実施例構
成を示す。本実施例の分散発生部100は、N+1個の
2入力2出力の結合率可変方向性結合器110の入出力
ポートを光路長が異なる2本の光導波路121,122
で順次接続し、Nセットの光導波路121,122のう
ちの少なくとも1本の光導波路上に位相制御器123を
形成した構成である。入力光は、1番目の結合率可変方
向性結合器110の一方の入力ポートから入力され、N
+1番目の結合率可変方向性結合器110の一方の出力
ポートから出力される。図は、N=4の場合で、位相制
御器123を各光導波路121上に形成した例を示す。
【0010】図3は、結合率可変方向性結合器110の
構成例を示す。結合率可変方向性結合器110は、M+
1個の2入力2出力の光結合部111の入出力ポートを
光路長が等しい2本の光導波路112,113で順次接
続し、Mセットの光導波路112,113のうちの少な
くとも1本の光導波路上に位相制御器114を形成した
構成である。図は、M=3の場合で、位相制御器114
を各光導波路112上に形成したものであり、各位相制
御器114で個別に位相調整を行うことにより任意の結
合率が得られ、結合率可変方向性結合器として機能す
る。結合率可変方向性結合器としては、M=1の場合の
構成がよく用いられる。
【0011】なお、結合率可変方向性結合器110の位
相制御器114および分散発生部100の位相制御器1
23には、光導波路上に形成される場合、光導波路に埋
め込まれる場合、光導波路そのものを用いる場合の3形
態のものがある。分散発生部100は、このような結合
率可変方向性結合器110の結合率をそれぞれ所定の値
に設定し、かつ複数の位相制御器123でそれぞれ個別
に位相調整を行うことにより、1番目の結合率可変方向
性結合器110の入力ポートとN+1番目の結合率可変
方向性結合器110の出力ポートとの間に、任意の周波
数の関数に近似できる分散特性を設定することができる
(参考文献: K.Jinguji,et al., " Synthesis of cohe
rent two-port lattice-form optical delay-linecircu
it ", Journal of Lightwave Technology, vol.13, n
o.1, pp.73-82,January 1995) 。
【0012】分散発生部100の結合率可変方向性結合
器110の結合率(位相制御器114の位相制御量)お
よび位相制御器123の位相制御量は、図1に示す分散
制御部200の分散設定部220により制御される。な
お、位相制御器123および位相制御器114は、熱光
学効果あるいは電気光学効果等を用いた光導波路の屈折
率変化により位相制御が可能である。
【0013】ここで、図2に示す分散発生部100によ
り実現される分散特性の一例を図4に示す。これは、分
散発生部100の2本の光導波路121,122の光路
長差を 2.759mm、光導波路の屈折率を1.45、N=6と
した場合の計算例である。結合率可変方向性結合器11
0の結合率および位相制御器123を制御することによ
り、分散値は−855psec/nmから+855psec/nmの範囲で任
意に設定可能であることがわかる。
【0014】図5は、分散発生部100の第2の実施例
構成を示す。本実施例の分散発生部100は、N個の2
入力2出力の結合率可変方向性結合器110の一方の入
出力ポートを光導波路121で順次接続し、他方の出力
ポートにそれぞれ光導波路122を接続し、各光導波路
上に位相制御器123を形成し、このN本の光導波路1
22を光合流器130に接続した構成である。入力光
は、1番目の結合率可変方向性結合器110の一方の入
力ポートから入力され、光合流器130の出力ポートか
ら出力される。図は、N=8の場合である。
【0015】図6は、8入力1出力の光合流器130の
構成例を示す。(a) の光合流器130は、8本の光導波
路131を4個の2入力2出力の方向性結合器132を
介して4本の光導波路131に合流し、さらに2個の2
入力2出力の方向性結合器132を介して2本の光導波
路131に合流し、さらに1個の2入力2出力の方向性
結合器132を介して1本の光導波路131に合流する
構成である。
【0016】(b) の光合流器130は、(a) の方向性結
合器132をY分岐導波路133に置き換えた構成であ
る。分散発生部100は、N個の結合率可変方向性結合
器110の結合率をそれぞれ所定値に設定し、さらにN
本の光導波路122に接続された各位相制御器123で
個別に位相調整を行うことにより、1番目の結合率可変
方向性結合器110の入力ポートと光合流器130の出
力ポートとの間に、任意の周波数の関数に近似できる分
散特性を設定することができる(参考文献: K. Sasaya
ma, et al.," Coherent optical transversal filter u
sing silica-based waveguides forhigh-speed signal
processing ", Journal of Lightwave Technology, vo
l.9,no.10,pp.1225-1230, October 1991) 。なお、本実
施例においても同様に、分散発生部100の結合率可変
方向性結合器110の結合率および位相制御器123の
位相制御量は、図1に示す分散制御部200の分散設定
部220によりそれぞれ個別に制御される。
【0017】分散発生部100の他の構成例としては、
チャープグレーティング等、あるいは図2または図5に
示す実施例構成を含めて、各手段を任意に組み合わせて
もよい。図7は、分散測定部210および分散設定部2
20の構成例を示す。分散測定部210は、発振器21
1、レーザ光源212、強度変調器213、受光器21
4、増幅器215a,215b、ネットワークアナライ
ザ216、電源217、バイアスティー218により構
成される。
【0018】分散設定部220は、演算回路221およ
び電源222により構成される。なお、図では分散発生
部100を併せて示す。ただし、光スイッチ201,2
02は省略されている。レーザ光源212の発振周波数
は、発振器211で生成されたランプ波(鋸波)あるい
は三角波によって掃引される。一方、ネットワークアナ
ライザ216は周波数fm〔GHz〕の正弦波を出力する。
この正弦波は増幅器215aで増幅され、電源217に
接続されたバイアスティー218を介して強度変調器2
13を駆動する。レーザ光源212の出力光は強度変調
器213に入力されて周波数fmで強度変調され、分散
発生部100を通過した後に受光器214に入力され、
電気信号に変換される。この電気信号は増幅器215b
で増幅され、ネットワークアナライザ216にフィード
バックされる。なお、レーザ光の掃引周期とネットワー
クアナライザ216の測定周期が同期している。
【0019】ネットワークアナライザ216は、レーザ
光源の搬送波周波数fに対して、強度変調器213に与
える正弦波と受光器214から入力される電気信号の位
相を比較し、分散発生部100の分散特性(相対遅延時
間τ(f))を測定する。この2つの電気信号間の位相差を
Δφ(f) とした場合、相対遅延時間τ(f) 〔psec〕は、 τ(f) =(103/2π)・(Δφ(f)/fm) と表される。ネットワークアナライザ216で測定され
た分散特性は、分散設定部220の演算回路221に送
出される。
【0020】なお、分散測定部210の他の構成例とし
ては、公知のパルス法、掃引変調法、スペクトル分析法
等を用いたものを利用できる。分散設定部220の演算
回路221には、分散発生部100に設定する光伝送路
の分散情報が外部から設定される。演算回路221は、
この入力情報に基づいて、分散発生部100の結合率可
変方向性結合器110のそれぞれの結合率および位相制
御器123のそれぞれの位相制御量を計算する。電源2
22は、演算回路221で得られた計算結果に基づいて
駆動され、分散発生部100の結合率可変方向性結合器
110の結合率および位相制御器123の位相制御量を
それぞれ個別に調節する。
【0021】一方、演算回路221には、分散測定部2
10のネットワークアナライザ216で測定された分散
発生部100の分散特性が入力される。演算回路221
はこの測定結果と入力情報とを比較し、その誤差が所定
値以上になる場合に、再び電源222を介して分散発生
部100の結合率可変方向性結合器110の結合率およ
び位相制御器123の位相制御量をそれぞれ個別に調節
する。この操作を誤差が所定値より小さくなるまで繰り
返すことにより、分散発生部100に実現すべき分散特
性を正確に設定することができる。
【0022】図1に示す光スイッチ201,202は、
図3に示す結合率可変方向性結合器110と同様の構成
のものを用いることができる。また、光スイッチに代え
てY分岐導波路または方向性結合器を用いてもよい。以
上示した実施例構成における光導波路部分は、石英系ガ
ラス導波路を用いて作製される。まず、シリコン基板上
に、火炎堆積法によってSiO2下部クラッド層を堆積
し、次にGeO2をドーパントとして添加したSiO2ガラ
スのコア層を堆積した後に、電気炉で透明ガラス化す
る。次に、図2,図3,図5,図6に示すようなパター
ンを用いてコア層をエッチングしてコア部分を作成し
た。最後に、再びSiO2上部クラッド層を堆積して透明
ガラス化し、さらに所定の光導波路上に位相制御器とし
て薄膜ヒータおよび電気配線を蒸着した。
【0023】なお、本発明の光導波路部分はガラス導波
路に限らず、強誘電体導波路、半導体導波路、およびポ
リマー導波路等を用いて実現することができる。また、
いくつかの種類の光導波路を組み合わせたハイブリッド
構成によっても実現することができる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光伝送路
シミュレータは、光ファイバの接続・切断等の機械的な
作業を行うことなく、分散発生部に任意の分散特性を設
定することができる。これにより、様々な分散特性を有
する光伝送路のシミュレーションが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光伝送路シミュレータの実施形態を示
す図。
【図2】分散発生部100の第1の実施例構成を示す
図。
【図3】結合率可変方向性結合器の構成例を示す図。
【図4】図2に示す分散発生部100により実現される
分散特性の一例を示す図。
【図5】分散発生部100の第2の実施例構成を示す
図。
【図6】合流器の構成例を示す図。
【図7】分散測定部210および分散設定部220の構
成例を示す図。
【符号の説明】
1 入力部 2 出力部 100 分散発生部 110 結合率可変方向性結合器 111 光結合部 112,113,121,122 光導波路 114,123 位相制御器 130 光合流器 131 光導波路 132 方向性結合器 133 Y分岐導波路 200 分散制御部 201,202 光スイッチ 210 分散測定部 211 発振器 212 レーザ光源 213 強度変調器 214 受光器 215 増幅器 216 ネットワークアナライザ 217 電源 218 バイアスティー 220 分散設定部 221 演算回路 222 電源

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号の入力部と出力部との間に、任意の
    分散特性を設定できる分散発生部と、 前記分散発生部に設定される分散特性が所定の分散特性
    になるように制御する分散制御部とを備えたことを特徴
    とする光伝送路シミュレータ。
  2. 【請求項2】 分散制御部は、 分散発生部に設定された分散特性を測定する分散測定部
    と、 前記分散測定部の測定値が所定の分散特性になるように
    前記分散発生部の分散特性を制御する分散設定部とを備
    えたことを特徴とする請求項1に記載の光伝送路シミュ
    レータ。
  3. 【請求項3】 分散発生部は、N+1個(Nは整数)の
    2入力2出力の結合率可変方向性結合器の入出力ポート
    を光路長が異なる2本の光導波路で順次接続し、そのN
    セットの光導波路のうちの少なくとも1本の光導波路上
    に位相制御器を形成し、一端の結合率可変方向性結合器
    の一方の入力ポートおよび他端の結合率可変方向性結合
    器の一方の出力ポートを分散発生部の入出力ポートとす
    る構成であることを特徴とする請求項1に記載の光伝送
    路シミュレータ。
  4. 【請求項4】 分散発生部は、N個(Nは整数)の2入
    力2出力の結合率可変方向性結合器の一方の入出力ポー
    トを光導波路で順次接続し、他方の出力ポートにそれぞ
    れ光導波路および位相制御器を介してN入力1出力の光
    合流器を接続し、一端の結合率可変方向性結合器の一方
    の入力ポートおよび光合流器の出力ポートを分散発生部
    の入出力ポートとする構成であることを特徴とする請求
    項1に記載の光伝送路シミュレータ。
  5. 【請求項5】 分散測定部は、 周波数掃引されたレーザ光を所定の周波数の変調信号で
    強度変調して分散発生部に入力する手段と、 前記分散発生部を通過した強度変調光を電気信号に変換
    する手段と、 前記レーザ光の掃引周波数に対して前記電気信号と前記
    変調信号の位相を比較し、その位相差を前記分散発生部
    の分散特性の測定値として出力する手段とを備えたこと
    を特徴とする請求項2に記載の光伝送路シミュレータ。
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