JPH09133477A - スクラップ予熱装置及びスクラップ切り出し方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 炉からの排ガスによりスクラップを予熱し、
予熱したスクラップを少量ずつ複数回に分けて炉に装入
でき、しかも背の高さを低くできるようにしたスクラッ
プ予熱装置を提供する。 【解決手段】 上部側にスクラップの受入口を下部側に
スクラップの送出口を夫々備えている貯留容器は、スク
ラップを該貯留容器内において保持する為の開閉自在の
受止手段と、その受止手段よりも上方の位置に、水平方
向への進退が自在なストッパを備える。ストッパはその
位置よりも上方にあるスクラップの下降の阻止及びその
解除を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はスクラップ予熱装置
及びそのスクラップ予熱装置からスクラップを切り出す
方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】スクラップ溶解用の炉の上方位置に配置
される貯留容器は、その上部にスクラップの受入口を、
下部にスクラップの送出口を夫々備えている。上記貯留
容器には、夫々スクラップを下へ向けて落とす為に下方
に開く開閉自在の受止手段を、貯留容器内においてスク
ラップを上下２段に分けて保持できるよう、上下に２段
に備えさせている。上記送出口は、炉からの排ガスを貯
留容器に導くと共に貯留容器から落下されるスクラップ
を炉に導くための通路を介して、上記炉に接続している
（例えば特開平７−１８０９７５号公報参照）。

【０００３】上記スクラップ予熱装置では、上記貯留容
器内に上記炉で溶解するスクラップの全量を蓄えておく
ことにより、炉の操業中においては炉からの排ガスでも
ってその蓄えた全量のスクラップを予熱できる。従って
排ガスの熱を充分に回収できて省エネルギーを図ること
が出来る。

【０００４】又上記スクラップ予熱装置では、予熱した
スクラップを炉に装入する場合、炉容量の半量ずつを２
回に分けて装入できる。従って、全量を一度に炉に装入
した場合には炉の運転状態、例えば炉の雰囲気の温度や
溶湯の温度、或いは溶湯のレベルなどが合理的な運転条
件の範囲から大きく外れてしまうのに対し、上記半量ず
つの装入により上記合理的な運転条件の範囲に納められ
る特長がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来のスク
ラップ予熱装置では、上記貯留容器内においては、上記
全量のスクラップを貯留するに見合う大きさの空間の他
に、上側の受止手段の作動用の空間を必要とする。この
為、貯留容器の背は全量のスクラップに見合うだけの高
さに比べて、上記作動用の空間の高さの分だけ高くしな
ければならぬ問題点があった。貯留容器の背を高くしな
ければならぬということは、それを収容する建物も背の
高いものが必要になるという問題点となっていた。

【０００６】又上記従来のスクラップ予熱装置の考え方
を発展させると、上記受止手段をより多段に設けて、予
熱したスクラップの炉への装入をより少量ずつ行うよう
にすることができる。そうすることによって炉の運転状
態を上記合理的な運転条件の範囲の内の最適な状態にも
っていくことが可能となる。

【０００７】しかしそのようにする場合、貯留容器内に
は上記全量のスクラップを貯留するに見合う大きさの空
間の他に、上記受止手段の作動用の空間がその段数に応
じて多く必要となり、貯留容器の背が非常に高くなって
建物内に納め難くなるという問題点がある。

【０００８】本願発明のスクラップ予熱装置は上記従来
技術の問題点を解決する為に提供するものである。本願
発明の目的は、炉からの排ガスによりスクラップを予熱
して、省エネルギーを図ることが出来るようにすること
である。他の目的は、予熱したスクラップを少量ずつ複
数回に分けて炉に装入することが出来て、炉を合理的な
運転条件で運転させることを可能に出来るようにするこ
とである。他の目的は、上記のように予熱したスクラッ
プを少量ずつ複数回に分けて装入できるものであって
も、貯留容器内にはスクラップを隙間無く積むことが出
来て、貯留容器に必要な背の高さが、スクラップの量に
見合っただけの高さで足りるようにすることである。他
の目的は、上記炉へのスクラップの装入量をより少なく
して装入回数がより多数回となるようにしようとする場
合でも、貯留容器の背を何等高くする必要なくそれを行
い得るようにすることである。他の目的及び利点は図面
及びそれに関連した以下の説明により容易に明らかにな
るであろう。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為
に、本願発明におけるスクラップ予熱装置は、スクラッ
プ溶解用の炉の上方位置に配置される貯留容器は、その
上部側にスクラップの受入口を、下部側にスクラップの
送出口を夫々備えていると共に、スクラップを該貯留容
器内において保持する為の開閉自在の受止手段を備えて
おり、上記送出口は、炉からの排ガスを貯留容器に導く
と共に貯留容器から落下されるスクラップを炉に導くた
めの通路を介して、上記炉に接続しているスクラップ予
熱装置において、上記貯留容器には、上記受止手段より
も上方の位置に、その位置よりも上方にあるスクラップ
の下降の阻止及びその解除をする為の水平方向への進退
が自在なストッパを備えさせたものである。又本願発明
におけるスクラップ切り出し方法は、上記スクラップ予
熱装置からスクラップを切り出す方法において、該方法
は、上記ストッパを水平方向に前進させてそのストッパ
よりも上方のスクラップの下降を阻止した状態で、上記
受止手段を開放して受止手段上のスクラップを送出する
ステップと、上記受止手段を閉じた後、上記ストッパの
水平方向への後退により上記スクラップの下降の阻止を
解いて、スクラップを受止手段に向け下降させるステッ
プとを繰り返すものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下本願発明の実施の形態を示す
図面について説明する。図１にはスクラップ溶解設備の
全体が示される。上記溶解設備おいて、Ａはスクラップ
を溶解する為の炉で、例えばアーク炉であり、１はその
炉体、２はスクラップの装入及び排ガスの排出の為の開
口部である。符号３は炉体１内においてスクラップを加
熱する為の加熱手段として、アーク電極が存在すること
を示す。上記炉Ａはそのほかにスクラップの溶解を行う
転炉であっても良い。尚上記スクラップとは溶解原料と
なる鉄材で、鉄くずとも呼ばれ、廃材となった種々の鉄
製品或いはそれを切断、プレス等したものであって、小
塊状、棒状、線状など様々な形状のものが寄せ集められ
ている。

【００１１】Ｂは上記炉Ａからの排ガスを次に述べるス
クラップ予熱装置に導くと共にスクラップ予熱装置から
落とされたスクラップを上記炉Ａに導く為の通路を示
し、炉Ａからの排ガスを外に漏らさぬようにする為のフ
ード４と、スクラップ予熱装置から導くスクラップを融
着させること無くより一層高温度まで予熱する為のロー
タリーキルン型予熱炉５とから成るものを例示する。該
通路Ｂは単純な筒体であっても良い。又その筒体に、ス
クラップ予熱装置から落とされたスクラップを炉Ａに向
けて能動的に移送する為の移送手段を備えさせてあって
も良い。６は上記ロータリーキルン型予熱炉５に対して
スクラップを送り込む為の送り込み手段を示し、符号７
〜10で示す部材から構成している。７は排ガスが外に漏
れぬようにする為のケーシング、８はスクラップ予熱装
置からのスクラップを受ける為の受部で、ケーシング７
の内面をもって形成している。９は受部８上のスクラッ
プをロータリーキルン５に押し込むためのプッシャー、
10はプッシャー９を作動させる為の油圧シリンダを夫々
示す。

【００１２】次にＣは上記炉Ａに装入するスクラップを
予熱する為のスクラップ予熱装置を示す。C1は該予熱装
置Ｃにおける貯留容器で、予熱用のスクラップを貯留す
る為のものである。該貯留容器C1は、切り出したスクラ
ップを下方へ落とすことによってそれを炉Ａに向かわせ
得るよう、炉の直上位置及び炉の側方の上方位置を含む
炉の上方位置の内、炉の側方の上方位置に配置し、図示
外のフレームで支えてある。13は貯留容器C1の上端を示
す。13ａは貯留容器C1におけるスクラップの受入口を示
し、受け入れたスクラップをその自重で下方即ち出口に
向かわせ得るよう、貯留容器C1の上部側に備えてある。
例えば上端13の内側をもって構成してある。該受入口13
ａは予熱の為に使用し終えた排ガスを送り出すためのガ
ス送出口でもある。14は貯留容器C1の下端を示し、上記
送り込み手段６のケーシング７に対して、排ガスの漏れ
のないように接続している。14ａは貯留容器C1における
スクラップの送出口を示し、貯留容器C1内のスクラップ
をその自重で送出させることが出来るよう、貯留容器C1
の下部側に備えてある。例えば下端14の内側をもって構
成してある。該送出口14ａは予熱のための排ガスを受け
入れるためのガス受入口でもある。

【００１３】C2は貯留容器C1内においてスクラップを保
持する為の開閉自在の受止手段を示す。該受止手段C2よ
りも上方で上記受入口13ａまでの空間がスクラップの貯
留空間15となっている。該貯留空間15の容積は、炉Ａの
溶解能力に合わせて設計され、例えば炉Ａの溶解能力の
全量のスクラップを貯留可能な大きさに設定される。よ
り大きく或いは小さく設定しても良い。

【００１４】C3はスクラップの下降の阻止及びその解除
をする為のストッパで、受止手段C2と該ストッパC3との
間に所定量のスクラップを蓄えるだけの大きさの空間を
形成する為に、上記受止手段C2よりも上方の位置に備え
られており、該ストッパC3が備えられた位置よりも上方
にあるスクラップの下降の阻止及びその解除を後述の如
く行うようにしている。上記貯留空間15は該ストッパC3
の位置において上部予熱室16と下部予熱室17とに区分さ
れている。上記ストッパC3の位置は、下部予熱室17が、
後述の如き１回の切り出し量、例えば上記炉Ａの溶解能
力の全量の４分の１（より多くても少なくても良い）の
スクラップを貯留できる大きさとなるように設定する。

【００１５】次にC4はスクラップ予熱装置Ｃにおけるス
クラップの受入装置で、搬送手段Ｅによって運ばれてき
たスクラップＳを受け入れて、そのスクラップを上記貯
留容器C1に送り込む為のものである。該受入装置C4は符
号20〜25で示す部材から構成されている。即ち、20は排
ガスの漏出を防ぐと共にスクラップの貯槽を形成する為
のケーシングで、その下端22は上記上端13に連通状に接
続している。下端22の内側はスクラップを貯留容器C1に
装入する為の装入用開口部となっている。上端21の内側
はスクラップの受入用開口部21ａとなっている。23はス
クラップ装入用の開閉扉で、図示の如き閉鎖状態ではス
クラップを受けて支え、矢印で示すように開放すること
により、支えていたスクラップを上部予熱室16に落とし
得るようになっている。24はスクラップ貯槽、25はガス
シール用の開閉蓋を示す。

【００１６】次にＤは排ガスダクトで、予熱に用済み後
の排ガスを次段に送るためのものであり、図示の如く一
端は上記ケーシング20に連通させ、他端は図示外の排ガ
ス処理装置に接続している。ＥはスクラップＳを上記開
口部21に向けて搬送する為の搬送手段で、種々の搬送用
コンベアの内からベルトコンベアを例示する。

【００１７】次に上記受止手段C2を図２、図５に基づき
説明する。受止手段C2は例えば二つの受止要素27，27で
構成している。各々の受止要素27は開閉自在でしかも閉
鎖状態では排ガスの通過が可能となるように構成してい
る。例えば貯留容器C1に回動自在に装着した軸28とその
軸28に取り付けた複数の受片（フィンガーとも呼ばれ
る）29とから構成されている。従って、図２に示される
閉鎖状態では排ガスが受片29の間を通って貯留空間15に
流れ込むことが出来る。又、軸28を図示外の駆動装置に
よって回動させることにより図３に示される如き開放状
態となって、受止めていたスクラップを排出することが
出来る。

【００１８】次に上記ストッパC3を図２〜図４に基づき
説明する。上記ストッパC3は水平方向への進退によって
前述の如きスクラップの下降の阻止及びその解除を行う
ことが出来るようになっている。例えばストッパC3は、
夫々貯留容器C1に対して矢印方向への進退を自在に備え
られた複数のストップ片31によって構成している。32は
上記ストッパC3を駆動する為の駆動手段を示し、上記複
数のストップ片31を夫々個別に進退駆動できるようにし
た複数の油圧シリンダ33でもって構成している。

【００１９】次に上記スクラップ溶解設備の操業につい
て説明する。尚該溶解設備は操業が繰り返して連続的に
行われるので、炉Ａ及びスクラップ予熱装置Ｃの動作も
繰り返して連続的に行われる。従ってここでは炉Ａの操
業の１サイクルを例にとって説明する。先ず炉Ａにスク
ラップＳを装入し（初装）、それを加熱して溶解作業を
行う。装入するスクラップの量は例えば炉Ａの容量の４
分の１程度であるがその他の量であっても良い。又上記
初装の際には、貯留空間15にいっぱいにスクラップを充
填しておくと良い。しかし充填は後述するように他の時
点で行っても良い。尚スクラップの充填の方法に関して
は後述する。炉Ａでの溶解作業の場合、上記スクラップ
の溶解に伴って生ずる高温の排ガスは、開口部２から排
出され、フード４、ロータリーキルン型予熱炉５を通っ
てスクラップ予熱装置Ｃに至る。上記炉Ａでの溶解のと
き、スクラップ予熱装置Ｃの受止手段C2及びストッパC3
は図２の状態となっている。上記排ガスは送出口14ａか
ら貯留容器C1内に流入し、受止手段C2の受片29の間を通
り抜けて下部予熱室17に至る。そしてそこに蓄えられて
いるスクラップの間を通りながらそのスクラップを加熱
する。更に上記排ガスは、ストッパC3の位置を通り過ぎ
て上部予熱室16に至る。そしてそこに蓄えられているス
クラップの間を通りながらそのスクラップを加熱する。
排ガスは上記スクラップの加熱によって熱エネルギーを
スクラップに与え自体は低温と化す。スクラップの間を
通り抜けて低温となった排ガスは、受入口13ａを通って
貯留容器C1から流出し、排ガスダクトＤを通って排ガス
処理装置に送られる。

【００２０】炉Ａでのスクラップの溶解が進んだなら
ば、スクラップ予熱装置Ｃから炉Ａへのスクラップの追
装を次のように行う。先ずストッパC3を水平方向に前進
させて、そのストッパC3の位置よりも上方にあるスクラ
ップつまり上部予熱室16にあるスクラップの下降を阻止
出来るようにする。即ち、複数のシリンダ33を夫々作動
させて複数のストップ片31を図２の状態から図３のよう
に前進させる。この場合、各ストップ片31がスクラップ
の間をうまく通り抜ければ、各ストップ片31は最前進位
置まで前進して上部予熱室16と下部予熱室17とを仕切
り、上部予熱室16にあるスクラップＳの下降を阻止する
状態となる。しかしストップ片31がスクラップの間を通
り抜けず図３及び図４に示す如く一部のスクラップS'に
押し当った状態となっても、そのスクラップS'はストッ
プ片31に押されて、或いは両側のストップ片31により挟
まれて下降が出来なくなる。従ってそのスクラップS'の
上方にあるスクラップも下降が出来なくなる。よってス
トッパC3はその目的を達することが出来る。

【００２１】上記のようにストッパC3よりも上方のスク
ラップの下降を阻止できる状態となったならば、図３に
示すように受止手段C2の開放によって一定量のスクラッ
プの切り出しを行う。即ち、上記の状態において受止手
段C2を開放させ、下部予熱室17に蓄えられていた一定量
のスクラップを送出口14ａを通して落下させる。

【００２２】上記切り出されたスクラップは押し込み手
段６の受部８に至る。受部８に受けられたスクラップＳ
はシリンダ10によるプッシャー９の前進作動により、ロ
ータリーキルン型予熱炉５に送り込まれる。送り込まれ
たスクラップは、ロータリーキルン型予熱炉５の回動に
伴いその出口（フード４との接続部分）に向けて前進す
る。この場合、予熱炉５の回動に伴いスクラップは予熱
炉内で攪拌されて温度の均一化がなされると共に、予熱
炉５内を通る高温の排ガスによって、より高い温度にま
で加熱される。またこの場合、スクラップは攪拌されな
がら加熱されるので、その融着が防止され、円滑に予熱
炉５内を移動する。上記のようにして予熱炉５を通り終
えたスクラップはフード４を通して炉体１内にその開口
部２から装入される。尚上記追装の量は例えば炉Ａの容
量の４分の１程度であるがその他の量であっても良い。

【００２３】一方上記切り出しの後スクラップ予熱装置
Ｃにおいては受止手段C2を再び図２の如く閉じ、然る後
ストッパC3を水平方向に後退させて上部予熱室16のスク
ラップを下部予熱室17に向け下降させる。上記ストッパ
C3の後退の場合、それを一気に後退させることにより、
上記下降を阻止されていたスクラップを一気に受止手段
C2に向け落とすことができる。しかし上記ストッパC3は
上記のように水平方向への移動によって後退させること
が出来る。従ってそれを徐々に後退させることにより、
上記下降を阻止されていたスクラップをその一部からバ
ラバラと受止手段C2の上に落とすことが出来る。そのよ
うにすることにより、スクラップの落下によって受止手
段C2に加わる衝撃を緩和できる。このことは受止手段C2
の必要強度をその衝撃が緩和される分だけ小さく設定す
ることを可能にし、設備費の低減化を図ることを可能に
する。

【００２４】炉Ａにおいては上記のようにして追装され
たスクラップを加熱し溶解する。この溶解作業中におい
ても、炉Ａにおいて発生する高温の排ガスはスクラップ
予熱装置Ｃに送られ、そこに貯留されたスクラップを予
熱する。炉Ａでのスクラップの溶解が進んだならば、再
び上記のような追装を繰り返す。そして、所定回数の追
装が済み、追装されたスクラップの溶解が完了して所定
量の溶鋼が出来上がったならば、炉体１から出鋼を行
う。これにて炉Ａの操業の１サイクルが完了する。

【００２５】次に貯留空間15へのスクラップの充填は次
のように行う。先ず開閉蓋25を開け、搬送手段Ｅによっ
て運ばれたスクラップを開口部21ａから投入する。投入
されたスクラップＳは閉鎖状態の開閉蓋23で受止め、ス
クラップ貯槽24に留める。開閉蓋25は、スクラップ貯槽
24に留められたスクラップＳを、開閉蓋23を開けて貯留
空間15に充填するときには、炉Ａからの排ガスの漏れを
防止するために閉じる。上記スクラップ貯槽24へのスク
ラップの投入は、炉Ａが溶解作業をしているとき或いは
していないときの何れに行っても良い。スクラップ貯槽
24に留めたスクラップは、貯留空間15へのスクラップの
充填が必要となったときに、開閉蓋23を開いて貯留空間
15に充填する。尚、上記のような充填は前記した時点で
行うほか、スクラップ予熱装置Ｃから炉Ａへのスクラッ
プの装入（追装）を行って貯留空間15内のスクラップが
減少した都度、その充填を行っても良い。

【００２６】次に図６は受止手段の形態の異なるスクラ
ップ予熱装置を示すもので、受止手段C2ｅを前記ストッ
パC3と同様に水平方向に作動する受止要素35，35でもっ
て構成した例を示すものである。36は受止要素35を駆動
するための駆動手段で油圧シリンダを例示する。なお、
機能上前図のものと同一又は均等の構成で説明が重複す
ると考えられる部分には、前図と同一の符号にアルファ
ベットのｅを付して重複する説明を省略した。

【００２７】

【発明の効果】以上のように本願発明にあっては、炉Ａ
の操業の場合、炉Ａからの排ガスを貯留容器C1に通して
その内部に貯留したスクラップＳを予熱することがで
き、上記排ガスの熱回収が出来て、省エネルギーを図る
ことが出来る効果がある。しかも上記予熱したスクラッ
プＳを炉Ａに装入する場合には、受止手段C2とストッパ
C3とを作動させることにより、スクラップＳを少量ずつ
複数回に分けて炉Ａに装入することが出来、炉Ａの合理
的な運転条件を満たすことを可能に出来る効果がある。
更に、上記ストッパC3は、そのストッパC3の位置よりも
上方のスクラップの下降を止めたり下降を許したりする
ことを、水平方向への動作によって行い得るようにして
いるので、貯留容器C1内においてはストッパC3の作動用
の空間が実質的にゼロでよい。このことは、上記のよう
に予熱したスクラップＳを少量ずつ複数回に分けて装入
することを可能にするものであっても、貯留容器C1内に
はスクラップＳを隙間無く積むことを可能にする。その
結果、貯留容器C1に必要な背の高さはスクラップの量に
見合っただけの高さで足り、装置の収容のため建物の高
さが低くて足りるようになる利点がある。又上記のよう
にストッパC3の作動用の空間が実質的にゼロでよいの
で、上記炉Ａへのスクラップの１回の装入量をより少な
くして装入回数がより多数回となるようにしたい場合、
単に受止手段C2からストッパC3までの高さを低くするの
みでよく、貯留容器C1の背を何等高くする必要なくそれ
を行い得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】スクラップ溶解設備の縦断面図。

【図２】図１におけるII−II線断面図（拡大図）。

【図３】スクラップを送出した状態を示す図２と同様の
図。

【図４】図３におけるIV−IV線断面図。

【図５】受止手段の平面図。

【図６】異なる実施形態を示す断面図。

【符号の説明】

Ａ 炉 C1 貯留容器 C2 受止手段 C3 ストッパ Ｓ スクラップ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 スクラップ溶解用の炉の上方位置に配置
   される貯留容器は、その上部側にスクラップの受入口
   を、下部側にスクラップの送出口を夫々備えていると共
   に、スクラップを該貯留容器内において保持する為の開
   閉自在の受止手段を備えており、上記送出口は、炉から
   の排ガスを貯留容器に導くと共に貯留容器から落下され
   るスクラップを炉に導くための通路を介して、上記炉に
   接続しているスクラップ予熱装置において、上記貯留容
   器には、上記受止手段よりも上方の位置に、その位置よ
   りも上方にあるスクラップの下降の阻止及びその解除を
   する為の水平方向への進退が自在なストッパを備えさせ
   たことを特徴とするスクラップ予熱装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載のスクラップ予熱装置から
   スクラップを切り出す方法において、該方法は、上記ス
   トッパを水平方向に前進させてそのストッパよりも上方
   のスクラップの下降を阻止した状態で、上記受止手段を
   開放して受止手段上のスクラップを送出するステップ
   と、上記受止手段を閉じた後、上記ストッパの水平方向
   への後退により上記スクラップの下降の阻止を解いて、
   スクラップを受止手段に向け下降させるステップとを繰
   り返すことを特徴とするスクラップ切り出し方法。