JPH09128708A - 薄膜磁気ヘッド及び磁気ディスク記録再生装置 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド及び磁気ディスク記録再生装置

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JPH09128708A
JPH09128708A JP28076395A JP28076395A JPH09128708A JP H09128708 A JPH09128708 A JP H09128708A JP 28076395 A JP28076395 A JP 28076395A JP 28076395 A JP28076395 A JP 28076395A JP H09128708 A JPH09128708 A JP H09128708A
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JP
Japan
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film
magnetic head
protective film
hydrogenated amorphous
thin film
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JP28076395A
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Kazufumi Azuma
東  和文
Atsushi Amatatsu
篤志 天辰
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/31Structure or manufacture of heads, e.g. inductive using thin films
    • G11B5/3103Structure or manufacture of integrated heads or heads mechanically assembled and electrically connected to a support or housing
    • G11B5/3106Structure or manufacture of integrated heads or heads mechanically assembled and electrically connected to a support or housing where the integrated or assembled structure comprises means for conditioning against physical detrimental influence, e.g. wear, contamination

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Abstract

(57)【要約】 【課題】良好な耐磨耗性、耐腐食性を有する薄膜磁気ヘ
ッドを提供すること。 【解決手段】保護膜成膜途中に中断して水素プラズマ照
射し、また、成膜を継続し、この操作を周期的に複数回
繰り返すことにより得られる、膜厚方向に多層の高密度
保護膜層を有する積層膜をヘッド浮上面保護膜として用
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速回転する磁気
ディスク上を磁気ヘッドが浮上する、所謂ヘッド浮上型
の高記録密度磁気ディスク装置に使用して好適な薄膜磁
気ヘッド及びその製造方法と、それを用いた磁気ディス
ク記録再生装置に係り、特に磁気ヘッドスライダの磁気
ディスク対向面に保護膜を形成した薄膜磁気ヘッド及び
その製造方法と、それを用いた磁気ディスク記録再生装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気ディスク記録再生装置(以
下、磁気ディスク装置と略称する)は、取扱情報量の増
大に伴って記録密度の高度化が急速に進展している。磁
気ディスク装置の記録密度を高度化するためには、磁気
ディスク面上に対する薄膜磁気ヘッドの浮上量を100
nm以下に設定する必要があるが、このように浮上量を
小さくした場合は、高速で回転する磁気ディスク面に磁
気ヘッドスライダが接触又は衝突する機会が増える。こ
のため、磁気ヘッドスライダの空気支持面に形成する保
護膜は薄くて強靭であることに加え、高度の耐磨耗性を
有することが必要である。
【0003】耐磨耗性の向上については、例えば、特公
平7−25607等に記載されているように、特定元素
のイオン注入により、表面改質を試みている。
【0004】また、最近では超高密度の記録を実現する
ため、MRヘッド(磁気抵抗読みとりヘッド)が使用さ
れる様になっているが、MRヘッドは従来の誘導型ヘッ
ドと異なり、磁性材料が腐食しやすい欠点があるため、
保護膜は磁性材料の腐食を防ぐ役割を備えることも必要
になってきた。このような様々な要求に対応するため、
含水素非晶質炭素からなる保護膜を採用する提案が、例
えば、特開平4−276367号公報に記載されてい
る。含水素非晶質炭素は、ダイヤモンドライクカーボン
とも呼ばれており、耐磨耗性に優れ、摺動時に塵を残さ
ない有望な材料である。しかし、更なる高密度記録化の
ために、ヘッドは益々低浮上化が要求され、それに伴う
保護膜厚の極薄膜化の要求から、例えば、保護膜厚が1
0nm以下になってくると膜の耐摺動性、耐腐食性に問
題が生ずるようになってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、上記従来の問題点を解決することにあり、その
結果として信頼性の高い薄膜磁気ヘッド及びその製造方
法と、それを用いた磁気ディスク記録再生装置を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、保
護膜を高密度化し、膜の硬質化、緻密化を達成する下記
の手段によって、効果的に解決することができる。
【0007】すなわち、本発明に係る薄膜磁気ヘッドの
特徴は、磁気ヘッドスライダの磁気ディスク対向面に、
水素化非晶質炭素系材料の積層膜を保護膜として形成し
てなる磁気ヘッドであって、積層された保護膜の密度
が、膜厚方向に周期的に変化した部分を有して成ること
にある。
【0008】保護膜を構成する水素化非晶質炭素系材料
としては、代表的なものとして水素化非晶質炭素及び水
素化非晶質炭化珪素の少なくとも1種が挙げられ、そし
て好ましくは保護膜中の水素含有量は5〜50原子%で
あり、かつ、保護膜の密度の変動幅は、1.5g〜2.
2g/cm3の範囲で変動する膜で構成される。
【0009】また、水素化非晶質炭素系材料の積層膜を
構成する単位膜厚としては1.5〜5nmが実用的に好
ましく、特に2nm近傍が好ましい。
【0010】さらにまた、磁気ヘッドスライダの保護膜
上には、空気流制御用レール、もしくはコンタクトレコ
ーディング用突起形状のパッド部分を配設することが望
ましい。
【0011】また、本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造
方法の特徴は、磁気ヘッドスライダの磁気ディスク対向
面に、周期的に密度を変動させる水素化非晶質炭素系材
料の保護膜を積層形成する薄膜磁気ヘッドの製造方法で
あって、プラズマ励起化学蒸着法、もしくはスパッタリ
ング法にて水素化非晶質炭素系の極薄膜層を形成する成
膜工程と、成膜した後に、この極薄膜層の少なくとも表
面を水素プラズマ中で処理する水素プラズマ処理工程と
を有し、これら成膜工程と水素プラズマ処理工程とを交
互に複数回繰り返すことにより、保護膜の密度を周期的
に変動させるようにして成ることにある。
【0012】水素プラズマ処理方としては、例えば平行
平板型プラズマ室に印加電力50〜500W(電力密度
0.16〜1.6W/cm2)、水素流量1〜100S
CCM、処理圧力3〜100Pa程度で5〜60秒行う
ことにより、表面改質の効果が大きい。
【0013】そして、極薄膜層を形成する成膜工程とし
て、好ましくは水素化非晶質炭素及び水素化非晶質炭化
珪素の少なくとも1種の水素化非晶質炭素系材料からな
る単位保護膜を形成し、単位保護膜中の水素含有量が5
〜50原子%で、かつ、単位保護膜の密度の変動幅が、
1.5g〜2.2g/cm3の範囲で変動する成膜工程
で構成することである。
【0014】また、水素化非晶質炭素系材料の積層膜を
構成する単位保護膜の膜厚として実用的に好ましくは、
1.5〜5nmとして成膜することである。この単位保
護膜の膜厚が1.5nmより薄くなると膜質が著しく低
下し、また1.5nmより厚くなると水素プラズマ処理
の効果(膜質を緻密にすると共に硬化させる)が表層部
で生じるため、積層膜全体の膜厚を厚くしてしまい高密
度記録再生の条件に逆行することになり望ましくない。
【0015】さらにまた、本発明に係る磁気ディスク記
録再生装置の特徴は、薄膜磁気ヘッドを備えた磁気ディ
スク記録再生装置において、磁気ヘッドを上記の本発明
に係る薄膜磁気ヘッドを用いて構成したことにある。
【0016】ここで、本発明に到達した技術背景につい
て、以下に具体的に説明する。メタン、水素などのガス
を用いて反応性スパッタリングを行った場合の水素化非
晶質炭素系材料膜の密度は1.9g/cm3程度が限界
であるが、この膜を水素プラズマ中にさらすと、表面原
子の再配列が起こり、膜の密度が2.0g/cm3以上
に増大することが、これまでの本発明者らの実験検討に
よって明らかになった。また、膜の密度を増大させる成
膜法として、ECR(エレクトロンサイクロトロンレゾ
ナンス)法やICP(インダクティヴリカップルドプラ
ズマ)法でプラズマをたて、これを−1kV程度の強い
DCバイアスで基板までイオン成分を引っ張ることによ
り、硬くて緻密な膜を得られるが、これらの膜の密度を
更に増大するためには上述のように、膜形成後に水素プ
ラズマにさらすと効果的であることがわかった。
【0017】つぎに、平行平板形カソードカップリング
法にて水素化非晶質炭素膜を形成する場合を例にとり、
具体的な水素プラズマ処理方法の一例を述べる。平行平
板形カソードカップリングプラズマCVD法では、基板
にかかるセルフバイアスを独立に制御することはできな
いが、膜の密度を向上するためにはなるべくセルフバイ
アスを大きくすることが必要である。
【0018】例えば、メタンガスを原料とした場合、真
空度6.7Pa以下で、セルフバイアスを500V以上
になるように成膜条件を決める。通常成膜速度は0.0
5〜0.2nm/s程度なので100秒以内(1.5〜
5nm膜厚)で成膜を中断し、水素プラズマ処理を行
う。このとき、基板と対向する電極側に高周波を印加し
ても、また、基板側に高周波を印加してもかまわない。
【0019】セルフバイアスが300V以上になる条件
を決めて、約60秒間水素プラズマを膜表面に照射す
る。次にまた、カソードカップリング法にて水素化非晶
質炭素膜を1.5〜5nm成膜し、その上から同様の方
法で水素プラズマを照射する。これを複数回繰り返すこ
とにより、本来の成膜法で得られる膜以上の密度を有す
る膜を得ることができる。この際、水素プラズマ処理は
膜の極表面(3nm以下)でしか効果がないため、一度
に厚い膜を形成した後に水素プラズマを照射しても膜の
深いところまで密度を上げる効果はなく、上述のように
1.5〜5nm毎に周期的に繰り返し多層化することが
望ましい。
【0020】こうして得られた水素化非晶質炭素膜の構
造は例えば、多層膜X線反射スペクトルや、多入射角分
光エリプソメータの解析により膜厚方向の密度の変化、
屈折率の変化として確認することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を更
に具体的に説明する。図1は、本発明の薄膜磁気ヘッド
を採用した磁気ディスク記録再生装置の一例を示した一
部切欠き要部斜視図である。本装置は、情報を記録する
磁気ディスク(記録媒体)14と、磁気ディスク14を
回転させるモータ(図示せず)と、磁気ディスク14に
情報を書き込み又は磁気ディスク14から情報を読み出
す磁気ヘッドを搭載した磁気ヘッドスライダ15と、磁
気ヘッドスライダ15を支持し、磁気ディスク14の目
標位置に決めるアクチュエータ16及びボイスコイルモ
ータ17と、磁気ディスク装置内部を清浄に保つエアフ
ィルタ(図示せず)とをもって構成されている。
【0022】磁気ディスク14は、周知の以下の方法に
よって製作した。まず、アルミニウム・マグネシウム合
金円板にニッケル燐膜を鍍金法により10ミクロン形成
し、その表面を研磨した。その上にスパッタ法によりク
ロムを100ミクロン形成し、更にコバルト合金膜をス
パッタ法により50nm形成した。最後に、ディスク表
面の保護膜としてスパッタ法により非晶質炭素膜を数十
nmの厚さ形成してからその表面に膜厚6nmのパーフ
ルオロエーテル系潤滑膜を付着させた。
【0023】磁気ヘッドスライダ15は、後述する実施
例に記載の方法で製作した薄膜磁気ヘッドを搭載した磁
気ヘッドスライダを用いた。この様にして構成した磁気
記録再生装置について摺動試験を行ったところ、再生出
力が70%に低下した時の総回転数は50,000回転
であり、このときにいずれのヘッドもその表面に傷がな
いことを確認し、装置として良好な結果が得られた。
【0024】<実施例1>本発明に係わる薄膜磁気ヘッ
ドの一実施例を図2に示した製作工程図にしたがって順
次説明する。図2(a)に断面図で示すように、材料が
アルチック(Al23TiC,酸化アルミニウム・炭化
チタン)からなるスライダ基板1の上に周知の方法によ
り薄膜磁気ヘッドの積層体6を形成した。即ち、スライ
ダ基板1の上にスパッタ法により下部磁性膜2を形成
し、その上に二酸化珪素、ポリイミド等の絶縁材料3を
成膜した後、エッチング等パターン形成技術により絶縁
層3の中にコイル導体4が埋め込まれた構造の積層体を
形成した。これらの積層体の上に上部磁性膜5を成膜し
て薄膜磁気ヘッドの積層体6を形成した。
【0025】ここまでの工程では、実際には、図2(a
´)に斜視図で示すように、スライダ基板1の上に薄膜
プロセスを用いて、一括して多数の積層体6のパターン
を同時に形成した。なお、基板1の厚さ方向がスライダ
の長さ方向になる。
【0026】続いて図2(b)に断面図で示すように、
積層体6の上に、アルミナ、酸化珪素等の絶縁物をスパ
ッタ法により堆積して、絶縁保護層7を形成した。次い
で、同図の一点鎖線の部分A、Bで、図2(b´)に斜
視図で示すように、基板1を矩形の短冊状に切断して数
個ごとに分離する。すなわち、絶縁保護層7が被覆され
た積層体6が一直線上に複数個配列された列ごとに切断
分離する。
【0027】切断してから端面8を上にし、端面8を研
削してから研磨し、図2(c)に示すように空気支持面
9を形成した。空気支持面9は、ヘッド及びスライダの
同一平面上に形成される。空気支持面9の上に、本発明
の保護膜10を次の方法により形成した。
【0028】以下、図2(d)の断面図にしたがって保
護膜10の形成方法を説明する。空気支持面9の全面に
シリコンをターゲットとしたマグネトロンスパッタ法に
より膜厚3nmの非晶質シリコン膜を形成し、接着層2
0とした。成膜の条件は、13.56MHzの高周波電
力200W、圧力0.67Pa(パスカル)、アルゴン
流量20SCCM(Standard Cubic m/minute)と
した。なお、スライダ基板1に炭素を含む材料を用いる
場合には、基板上に形成される水素化非晶質炭素系保護
膜10との密着性に問題はなく、接着層20を省略する
ことができる。
【0029】次に、メタンガスを原料とした13.56
MHzの平行平板型高周波プラズマCVD法を用いて一
層目の単位保護膜として水素化非晶質炭素膜21を2.
0nm形成した。形成条件は、基板側に高周波を印加す
るカソードカップリング法を用い、高周波電力450
W、メタンガス流量10SCCM、圧力6.7Paとし
た。このときの基板1にかかるセルフバイアスは−63
0Vであった。
【0030】次に13.56Mhzの高周波を基板1と
対向する電極側に印加するように切り替えて、高周波電
力150W、水素ガス流量8SCCM、圧力4.5Pa
で水素プラズマをたて、これに水素化非晶質炭素膜の表
面を30秒間さらし、表層部にプラズマ処理層22を形
成した。この際の水素プラズマ処理による膜厚の減少は
ないことを別の実験で確認している。ここまでの工程
で、成膜工程(単位保護膜の形成)−水素プラズマ処理
工程の1周期が終了したことになる。
【0031】次にまた、メタンガスを10SCCM、圧
力6.7Pa、高周波電力450Wで基板側に高周波を
印加し、二層目の単位保護膜として水素化非晶質炭素膜
21を2.0nm成膜した。さらに、上述の方法で水素
プラズマ中に膜表面を30秒間さらし、表層部にプラズ
マ処理層22を形成した。これで2周期が終了したこと
になる。こうして、水素化非晶質炭素の全膜厚を4nm
とした。
【0032】この膜の含有水素量は薄すぎて測定は不可
能であるが、別途上述の操作を繰り返して約80nmの
膜厚でHFS(Hydrogen Forward Scattering)測定し
たところ、水素量は、約25原子%であった。
【0033】また、上記4nmの保護膜10をX線反射
スペクトルから解析した膜密度は、4層モデルで解析す
ると基板側から膜厚0.8nmの部分が密度1.95g
/cm3、その上の1.2nmの部分が密度2.15g
/cm3、その上の0.8nmの部分が1.95g/c
3、最表面から1.2nmの部分が2.15g/cm3
であった。このように、成膜途中に水素プラズマ処理を
加えることにより上述の条件では、単位保護膜21の膜
厚2nmに対して約1.2nmの深さまで膜の密度が向
上することがわかった。
【0034】以上のようにして図2(d)に示すよう
に、空気支持面9に保護膜10を有する薄膜磁気ヘッド
23を搭載したスライダブロックを製作した。
【0035】図3は、磁気ヘッドスライダの加工工程図
示したもので、図3(a)は薄膜磁気ヘッド23を搭載
した磁気ヘッドスライダブロックから1個分のスライダ
を切り出した磁気ヘッドスライダ全体の外観を示してい
る。保護膜10を形成した後、磁気ヘッドスライダに次
の方法によりレール加工を行った。
【0036】レールは、ヘッドスライダを高速回転する
磁気ディスク上に所望の量(100nm前後)だけ浮上
させるように空気の流れを制御する働きをするものであ
る。レールは浮上量が極端に小さくなった場合(50n
m以下)、コンタクトレコーディング用の突起形状のパ
ッドになる場合もある。いずれの形状の場合でも、加工
方法は同じである。
【0037】まず、図3(b)に示すように、エッチン
グのマスクとなるポジ型の有機レジストをロールコート
印刷法により保護膜10の上に印刷した。これを通常の
フォトリソグラフィ法により露光して現像し、レールパ
ターンのマスク11を形成した。
【0038】図3(c)に示すように、このマスク11
を使ってアルゴンガスを用いたイオンミリング法によ
り、レールパターン以外の部分の物質を所定の深さまで
除去してレールの形状の残留マスク12を形成した。
【0039】図3(d)に示すように、残留したマスク
12を除去して保護膜10を有するレール13を形成し
磁気ヘッドスライダを完成させた。
【0040】製作した薄膜磁気ヘッドを評価した。ま
ず、耐磨耗性については回転ディスクを用い、減速低浮
上試験に加え、CSS(Constant Start Stop)摩耗試
験を行った。減速低浮上試験では、ディスクの接線方向
速度5m/s、浮上量20nm、2,000rpmの条
件で500時間後も問題はなく、浮上量40nmでのC
SS磨耗試験では、50,000回転後も損傷は見られ
ず、良好な耐磨耗性が得られた。また、耐腐食評価とし
て、二酸化硫黄、二酸化窒素を各1ppm含む恒温恒湿
漕に20時間ヘッドを放置した後SEMによる目視観察
では、下地の磁性体部分に腐食の発生はなく良好な結果
が得られた。
【0041】<実施例2>実施例1と同様の方法で図2
(c)に示す空気支持面9を形成した後、以下の方法で
本発明の保護膜10を形成した。
【0042】接着層20は形成せず、メタンガスとシラ
ンガスの混合ガスを原料とした13.56MHzの平行
平板型高周波プラズマCVD法を用いて一層目の単位保
護膜として水素化非晶質炭化珪素膜21を2nm形成し
た。形成条件は、対向電極側に高周波を印加するアノー
ドカップリング法を用い、高周波電力350W、メタン
ガス流量10SCCM、シランガス流量5SCCM、圧
力6.7Paとした。
【0043】次に、同プラズマCVD装置の成膜室を一
旦高真空に引き、今度は水素ガス8SCCMを流し、圧
力6.7Pa、高周波電力150Wで30秒間水素プラ
ズマを膜表面に照射した。これらの操作を交互に3回繰
り返し、合計膜厚6nmの水素化非晶質炭化珪素膜21
を保護膜10として形成した。
【0044】以上のようにして図2(d)に示すよう
に、空気支持面9に保護膜10を有する薄膜磁気ヘッド
23が搭載されたスライダブロックを製作した。
【0045】次いで、図3(a)に示したように、磁気
ヘッドスライダブロックから1個分のスライダを切り出
し、実施例1と同様の方法でレール加工を行い、図3
(d)に示したように磁気ヘッドスライダを完成させ
た。
【0046】製作した薄膜磁気ヘッドを評価した耐磨耗
性については回転ディスクを用い、減速低浮上試験に加
え、CSS摩耗試験を行った。減速低浮上試験では、デ
ィスクの接線方向速度5m/s、浮上量20nm、2,
000rpmの条件で500時間後も問題はなく、浮上
量40nmでのCSS磨耗試験では、50,000回転
後も損傷は見られず、良好な耐磨耗性が得られた。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、磁気ヘッドスライダの
空気支持面9に、保護膜形成と水素プラズマ処理を交互
に複数回繰り返すことにより、保護膜の高密度化を可能
とし、良好な耐磨耗性を有する優れた薄膜磁気ヘッドを
実現することが可能となった。この様な薄膜磁気ヘッド
を採用することにより、信頼性の高い、高密度記録の磁
気記録再生装置を実現することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる磁気ディスク記録再生装置の一
実施例を説明するための一部切欠き構造斜視図。
【図2】本発明に係わる薄膜磁気ヘッドの一実施例を示
す製作工程図。
【図3】図2の薄膜磁気ヘッドを搭載した磁気ヘッドス
ライダにレールを形成する工程図。
【符号の説明】
1…スライダ基板、 2…下部磁性層、 3…絶縁層、 4…コイル導体、 5…上部磁性層、 6…薄膜磁気ヘッドの積層体、 7…絶縁保護膜、 8…端面、 9…空気支持面、 10…保護膜、 11…レールパターンのマスク、 12…残留したマスク、 13…レール、 14…磁気ディスク、 15…磁気ヘッドスライダ、 16…アクチュエータ、 17…ボイスコイルモータ、 20…接着層、 21…単位保護膜(水素化非晶質炭素膜または水素化非
晶質炭化珪素膜)、 22…水素プラズマ処理層、 23…薄膜磁気ヘッド。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/60 G11B 5/60 Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気ヘッドスライダの磁気ディスク対向面
    に、水素化非晶質炭素系材料の積層膜を保護膜として形
    成してなる磁気ヘッドであって、積層された保護膜の密
    度が、膜厚方向に周期的に変化した部分を有して成る薄
    膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】保護膜を構成する水素化非晶質炭素系材料
    が、水素化非晶質炭素及び水素化非晶質炭化珪素の少な
    くとも1種からなり、保護膜中の水素含有量が5〜50
    原子%であり、かつ、保護膜の密度の変動幅が、1.5
    g〜2.2g/cm3の範囲で変動する膜から構成され
    る請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】水素化非晶質炭素系材料の積層膜を構成す
    る単位膜厚を1.5〜5nmとして成る請求項1記載の
    薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】保護膜上に空気流制御用レール、もしくは
    コンタクトレコーディング用突起形状のパッド部分を配
    設して成る請求項1もしくは2記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】磁気ヘッドスライダの磁気ディスク対向面
    に、周期的に密度を変動させる水素化非晶質炭素系材料
    の保護膜を積層形成する薄膜磁気ヘッドの製造方法であ
    って、プラズマ励起化学蒸着法、もしくはスパッタリン
    グ法にて水素化非晶質炭素系の極薄膜層を形成する成膜
    工程と、成膜した後に、この極薄膜層の少なくとも表面
    を水素プラズマ中で処理する水素プラズマ処理工程とを
    有し、これら成膜工程と水素プラズマ処理工程とを交互
    に複数回繰り返すことにより、保護膜の密度を周期的に
    変動させるようにして成る薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】極薄膜層を形成する成膜工程として、水素
    化非晶質炭素及び水素化非晶質炭化珪素の少なくとも1
    種の水素化非晶質炭素系材料からなる単位保護膜を形成
    し、単位保護膜中の水素含有量が5〜50原子%で、か
    つ、単位保護膜の密度の変動幅が、1.5g〜2.2g
    /cm3の範囲で変動する成膜工程で構成される請求項
    1記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】水素化非晶質炭素系材料の積層膜を構成す
    る単位保護膜の膜厚を1.5〜5nmとして成膜する工
    程を有して成る請求項5もしくは6記載の薄膜磁気ヘッ
    ドの製造方法。
  8. 【請求項8】薄膜磁気ヘッドを備えた磁気ディスク記録
    再生装置において、磁気ヘッドを請求項1乃至4のいず
    れか一に記載の薄膜磁気ヘッドを用いて構成して成る磁
    気ディスク記録再生装置。
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